JP5848814B2 - 窒化物半導体素子 - Google Patents

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本発明の実施形態は、窒化物半導体素子に関する。
例えば、窒化ガリウム(GaN)などの窒化物半導体を用いた半導体発光素子は、紫外、紫色、青色及び緑色の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や、青紫色及び青色のレーザダイオード(LD:Laser Diode)などに応用されている。
半導体発光素子において、結晶性を向上させ、発光効率を向上することが望まれている。
また、例えば、LEDでは、主にサファイア基板上にGaN系からなる半導体薄膜構造を積層しているが、GaN系半導体とサファイアとでは屈折率が大きく異なるため、半導体層で発生した光がGaN系半導体層中に閉じ込められやすい傾向にある。これに対し、サファイア基板の表面に凹凸を設け、光取り出し効率を向上する方法がある。しかし、この構造を用いても効率の向上のためには改良の余地がある。
特許第4055503号公報
本発明の実施形態は、効率が高い窒化物半導体素子を提供する。
本発明の実施形態によれば、窒化物半導体素子は、六方晶系の結晶構造を有する窒化物半導体を含み主面を有する半導体層を含む。前記半導体層は、前記主面内に配置された複数の構造体を有する。前記複数の構造体のそれぞれは、前記主面上に設けられた凸部、または、前記主面上に設けられた凹部である。前記複数の構造体の配列の最近接の方向と、前記半導体層の結晶格子の前記主面に対して平行な平面内における最近接の方向と、の間の角度の絶対値は、1度以上10度以下である。
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る窒化物半導体素子を示す模式図である。 第1の実施形態に係る窒化物半導体素子の概要を示す模式的断面図である。 第1の実施形態に係る窒化物半導体素子の一部を示す模式的断面図である。 第1の実施形態に係る窒化物半導体素子を示す電子顕微鏡写真像である。 図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係る窒化物半導体素子を示す模式図である。 参考例の窒化物半導体素子を示す模式的平面図である。 図7(a)及び図7(b)は、窒化物半導体素子の特性を示すグラフ図である。 図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る別の窒化物半導体素子を示す模式図である。 第1の実施形態に係る窒化物半導体素子を示す模式的平面図である。 第1の実施形態に係る別の窒化物半導体素子を示す模式的平面図である。 第2の実施形態に係る窒化物半導体素子を示す模式的平面図である。 第2の実施形態に係る別の窒化物半導体素子を示す模式的平面図である。 図13(a)及び図13(b)は、第2の実施形態に係る別の窒化物半導体素子を示す模式的平面図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
本実施形態は、窒化物半導体素子に係る。実施形態に係る窒化物半導体素子は、LED及びLDなどの半導体発光素子の他、受光素子を含む。さらに、実施形態に係る窒化物半導体素子は、HEMTなどのGaNを用いたスイッチング素子なども含む。以下では、実施形態に係る窒化物半導体素子の1つの例としてLEDについて説明する。
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る窒化物半導体素子の構成を例示する模式図である。
図2は、第1の実施形態に係る窒化物半導体素子の構成の概要を例示する模式的断面図である。
まず、図2により、本実施形態に係る窒化物半導体素子の構成の概要について説明する。
図2に表したように、本実施形態に係る窒化物半導体素子110は、基板50と、半導体機能層90と、を備える。基板50は、単結晶である。具体的には、基板50には、例えば、サファイアの単結晶基板を用いることができる。基板50には、例えば、GaN及びSiCなどを用いても良い。半導体機能層90は、基板50の主面50a上に設けられる。半導体機能層90は、窒化物半導体を含む。
基板50は、複数の構造体53を有する。複数の構造体53は、基板50の主面50a上に設けられる。複数の構造体53は、基板50の主面50a内に配列されている。例えば、複数の構造体53は、基板50の主面50a内で2次元的に配列されている。複数の構造体53のそれぞれは、主面50a上に設けられた凸部50p、または、主面50a上に設けられた凹部である。
例えば、基板50の主面50a上において、連続的な凹部と、複数の凸部50pと、が設けられる。また、基板50の主面50a上において、連続的な凸部と、複数の凹部と、が設けられても良い。以下では、連続的な凹部と、複数の凸部50pと、が設けられる場合、すなわち、構造体53が凸部50pである場合について説明する。
この例では、半導体機能層90は、第1半導体層10と、発光層30と、第2半導体層20と、を含む。
第1半導体層10は、基板50の主面50a上に設けられる。第1半導体層10は、窒化物半導体を含み、第1導電形である。発光層30は、第1半導体層10の上に設けられ、窒化物半導体を含む。第2半導体層20は、発光層30の上に設けられる。第2半導体層20は、窒化物半導体を含み第2導電形である。第2導電形は、第1導電形とは異なる。
例えば、第1導電形はn形であり、第2導電形はp形である。ただし、実施形態はこれに限らず、第1導電形がp形であり、第2導電形がn形でも良い。以下では、第1導電形がn形であり、第2導電形がp形である場合として説明する。
ここで、基板50から半導体機能層90に向かう方向をZ軸方向とする。Z軸に対して垂直な1つの軸をX軸とする。Z軸とX軸とに対して垂直な方向をY軸とする。Z軸は、基板50の主面50aに対して垂直である。Z軸は、第1半導体層10、発光層30及び第2半導体層20を含む積層構造体10sの積層方向に対して平行である。
本願明細書において、「積層」とは、互いに接して重ねられる場合の他に、間に他の層が挿入されて重ねられる場合も含む。
第1半導体層10は、例えば、第1n側層11と、第2n側層12と、を含む。第1n側層11と第2半導体層20との間に発光層30が設けられる。第1n側層11と発光層30との間に第2n側層12が設けられる。第1n側層11は、例えば、n側コンタクト層の機能を有する。第1n側層11には、例えば、n形GaN層が用いられる。第2n側層12は、n側ガイド層としての機能を有することができる。第2側層12には、例えば、n形GaN層が用いられる。
この例では、第2半導体層20は、第1p側層21と、第2p側層22と、第3p側層23と、第4p側層24と、を含む。第1p側層21と第1半導体層10との間に発光層30が設けられる。第2p側層22は、第1p側層21と発光層30との間に設けられる。第3p側層23は、第2p側層22と発光層30との間に設けられる。第4p側層24は、第3p側層23と発光層30との間に設けられる。
第1p側層21は、例えば、p側コンタクト層としての機能を有する。第1p側層21には、例えばp形GaN層が用いられる。第2p側層22は、p側ガイド層として機能することができる。第2p側層22には、例えばp形GaN層が用いられる。第3p側層23は、例えば、電子オーバーフロー防止層(抑制層)として機能することができる。第3p側層23には、例えばp形AlGaN層が用いられる。第4p側層24は、p側の別のガイド層として機能することができる。第4p側層24には、例えばp形GaN層を用いることができる。
図2に表したように、半導体機能層90(積層構造体10s)は、下地層60をさらに含むことができる。下地層60は、基板50と第1半導体層10との間に設けられる。すなわち、下地層60と発光層30との間に第1半導体層10が配置される。下地層60には、例えば、GaN層が用いられる。
この例では、窒化物半導体素子110は、バッファ層55をさらに備える。バッファ層55は、基板50と下地層60との間に設けられる。バッファ層55には、例えば、GaN層が用いられる。
窒化物半導体素子110は、第1電極70と、第2電極80と、をさらに備える。
第1電極70は、第1半導体層10と電気的に接続される。第2電極80は、第2半導体層20と電気的に接続される。
この例では、第1半導体層10の一部と、第2半導体層20と、の間に発光層30が設けられている。積層構造体10sの第2半導体層20の側の主面において、第1半導体層10のその一部の上に第1電極70が設けられ、第2半導体層20の上に第2電極80が設けられている。
窒化物半導体素子110は、第1電極パッド75と、第2電極パッド85と、をさらに備える。
第1電極パッド75は、例えば、第1電極70の上(第1電極70の第1半導体層10とは反対の側)に設けられる。第1電極パッド75は、第1電極70と電気的に接続される。第2電極パッド85は、例えば、第2電極80の上(第2電極80の第2半導体層20とは反対の側)に設けられる。第2電極パッド85は、第2電極80と電気的に接続される。
第1電極パッド75と第2電極パッド85との間に電圧を印加することで、第1電極70、第1半導体層10、第2電極80及び第2半導体層20を介して、発光層30に電流が流れ、発光層30から光(発光光)が放出される。
第2電極80は、例えば、発光光に対して透光性を有する。第2電極80は、例えば、インジウム、錫及び亜鉛の少なくともいずれかを含む酸化物を含むことができる。
例えば、第2電極パッド85の発光光に対する透過率は、第2電極80の発光光に対する透過率よりも低い。例えば、第2電極パッド85の導電率は、第2電極80の導電率よりも高い。第2電極パッド85には、各種の金属の単層または積層膜を用いることができる。第2電極パッド85は、第2電極80に電気的に接続されていれば良く、例えば、第2電極パッド85が第2半導体層20の上に絶縁層を介して設けられ、第2電極パッド85が第2電極80と電気的に接続される構成でも良い。
半導体機能層90は、第1半導体層10と発光層30との間に設けられた多層構造体(図示しない)をさらに含んでも良い。多層構造体は、例えば、超格子層である。多層構造体は、例えば、Z軸に沿って交互に積層された、複数のGaN層と、複数のInGaN層と、を含むことができる。
基板50に設けられる複数の構造体53により、下地層60または第1半導体層10の下面(基板50に対向する面)に凹凸が形成される。この例では、構造体53が凸部50pであり、下地層60(または第1半導体層10)に、複数の構造体凹部60dが設けられる。基板50の複数の凸部50pのそれぞれが、下地層60の複数の構造体凹部60dのそれぞれに対向する。下地層60の上面(第1半導体層10に対向する側の面)は、平坦である。
基板50の上に形成されたバッファ層55の上に上記の積層構造体10sが形成される。積層構造体10sを形成した後に、基板50を分離しても良い。基板50の分離のときに、バッファ層55は除去されても良い。また、基板50の分離の後に、バッファ層55の少なくとも一部が残っていても良い。
以下、発光層30の構成の例について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る窒化物半導体素子の一部の構成を例示する模式的断面図である。
図3に表したように、発光層30は、複数の障壁層31と、複数の障壁層31どうしの間に設けられた井戸層32と、を含む。
例えば、発光層30は、単一量子井戸(SQW:Single Quantum Well)構造を有することができる。このとき、発光層30は、2つの障壁層31と、その障壁層31の間に設けられた井戸層32と、を含む。例えば、発光層30は、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造を有することができる。このとき、発光層30は、3つ以上の障壁層31と、障壁層31どうしのそれぞれの間に設けられた井戸層32と、を含む。
図3に示した例では、発光層30は、(n+1)個の障壁層31と、n個の井戸層32と、を含む(nは、1以上の整数)。第(i+1)番目の障壁層BL(i+1)は、第i番目の障壁層BLiと第2半導体層20との間に配置される(iは、1以上(n−1)以下の整数)。第(i+1)番目の井戸層WL(i+1)は、第i番目の井戸層WLiと第2半導体層20との間に配置される。第1番目の障壁層BL1は、第1半導体層10と第1番目の井戸層WL1との間に設けられる。第n番目の井戸層WLnは、第n番目の障壁層BLnと第(n+1)番目の障壁層BL(n+1)との間に設けられる。第(n+1)番目の障壁層BL(n+1)は、第n番目の井戸層WLnと第2半導体層20との間に設けられる。
井戸層32は、III族元素とV族元素とを含む窒化物半導体を含む。例えば、井戸層32は、インジウム(In)とガリウム(Ga)とを含む窒化物半導体を含む。すなわち、井戸層32は、例えば、InxsGa1−xsN(0.05≦xs≦0.5)を含む。発光層30から放出される光(発光光)のピーク波長は、例えば400ナノメートル(nm)以上650nm以下である。
障壁層31は、III族元素とV族元素とを含む窒化物半導体を含む。障壁層31のバンドギャップエネルギーは、井戸層32のバンドギャップエネルギーよりも大きい。
障壁層31がInを含む場合、障壁層31のIII族元素中におけるInの組成比は、井戸層32のIII族元素中におけるInの組成比(上記のIn組成比xs)よりも低い。これにより、井戸層32におけるバンドギャップエネルギーは、障壁層31におけるバンドギャップエネルギーよりも小さくなる。
図4は、第1の実施形態に係る窒化物半導体素子の構成を例示する電子顕微鏡写真像である。
すなわち、同図は、窒化物半導体素子110の基板50に設けられる複数の凸部50pを例示する走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)写真像である。
図4に表したように、基板50の主面50a上に複数の凸部50pが設けられている。複数の凸部50pは、X−Y平面内で整列している。
凸部50pの高さは、例えば、約1マイクロメートル(μm)である。凸部50pの頂部の幅は、例えば、約3μmである。複数の凸部50pの中心どうしの間隔(ピッチ)は、例えば5μmである。
このように、複数の凸部50pの高さ、幅及びピッチの少なくともいずれかは、発光層30から放出される光の波長よりも長い。これにより、光の取り出し効率の向上効果が高くなる。
この例では、構造体53(凸部50p)のそれぞれの平面形状は円形であるが、実施形態は、これに限らない。構造体53(凸部50p)のそれぞれは、三角形、四角形(長方形、平行四辺形、ひし形などを含む)及び六角形などを含む任意の多角形、ならびに、その多角形の角部が丸味を帯びたものなどの任意の平面形状を有することができる。
図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係る窒化物半導体素子の構成を例示する模式図である。
図5(a)は、基板50に設けられる複数の構造体53の配置を例示する模式的平面図である。図5(b)は、図5(a)のA1−A2線断面図である。
図5(a)に表したように、この例では、基板50において、連続的な凹部50dと、複数の凸部50p(複数の構造体53)と、が設けられる。
図5(b)に表したように、下地層60には、連続的な構造体凸部60pと、複数の構造体凹部60dと、が設けられる。複数の構造体凹部60dのそれぞれのX−Y平面内の位置は、基板50の複数の凸部50pのX−Y平面内の位置と実質的に一致する。従って、基板50の凸部50pのX−Y平面内の特性(例えば平面形状及び配置など)に関する以下の説明は、構造体凹部60dのX−Y平面内の特性(例えば平面形状及び配置など)にも適用できる。
図5(a)に表したように、基板50の複数の凸部50p(構造体53)は、例えば、正六角形の中心及び6つ角のそれぞれに配置される。例えば、基板50の主面50aにおいて、複数の凸部50pは、繰り返しパターンで形成される。例えば、複数の凸部50pは、基板50の主面50aのうちの複数の凸部50p以外の領域が選択的にエッチングされて形成される。
本実施形態に係る窒化物半導体素子110においては、複数の凸部50pのX−Y平面内の配置と、基板50の結晶格子と、の関係が定められる。すなわち、複数の凸部50pのX−Y平面内の配置の軸が、基板50の結晶格子の軸に対して非平行(すなわち回転ずれを有する状態)に設定される。
図1(a)及び図1(b)は、窒化物半導体素子110における軸の回転ずれを例示している。
図1(a)は、複数の凸部50pのX−Y平面内の配置を模式的に例示している。図1(b)は、基板50の結晶格子を模式的に例示している。
図1(a)に表したように、複数の構造体53(この例では凸部50p)の最近接の方向の1つを構造体軸方向SAとする。構造体軸方向SAは、例えば、複数の凸部50pの配置の六角形の1つの辺に平行である。
図1(b)に表したように、基板50は、結晶格子50cを有する。基板50がサファイアである場合は、基板50は、六方晶である。基板50をZ軸に沿ってみたときに、基板50の結晶格子50cは六角形の部分を有する。結晶格子50cの主面50aに対して平行な平面内の最近接の方向を格子軸方向LAとする。Z軸に沿ってみたときに、格子軸方向LAは、結晶格子50cの六角形の1つの辺に平行である。
図1(a)に表したように、実施形態に係る窒化物半導体素子110においては、構造体軸方向SAと格子軸方向LAとが平行ではない。例えば、構造体軸方向SAと格子軸方向LAとの間の角度θ1の絶対値が、1度以上10度以下に設定されている。
例えば、構造体軸方向SAは、複数の凸部50pのうちのいずれかである第1の凸部51pと、複数の凸部50pのうちで第1の凸部51pに最も近い第2の凸部52pと、を結ぶ軸の方向である。例えば、格子軸方向LAは、基板50の結晶格子50cにおいて、主面50aに対して平行な平面内において互いに最も近い2つの格子点を結ぶ軸の方向である。
例えば、基板50は、六方晶系の結晶構造を有している場合、格子軸方向LA(基板50の結晶格子50cの主面50aに対して平行な平面内における最近接の方向)は、結晶構造のm面(複数のm面のいずれか)に対して平行である。
このように、複数の構造体53の配列の最近接の方向(構造体軸方向SA)と、基板50の結晶格子50cの主面50aに対して平行な平面内における最近接の方向(格子軸方向LA)と、の間の角度θ1の絶対値を、1度以上10度以下とする。すなわち、これらの方向を互いに非平行に設定する。
これにより、効率が高い窒化物半導体素子が提供できる。
図6は、参考例の窒化物半導体素子の構成を例示する模式的平面図である。
同図は、参考例の窒化物半導体素子119における複数の凸部50pのX−Y平面内の配置を模式的に例示している。
窒化物半導体素子119においては、複数の凸部50pのX−Y平面内の配置が窒化物半導体素子110とは異なる。これ以外は、窒化物半導体素子110と同様なので説明を省略する。
図6に表したように、参考例の窒化物半導体素子119においては、構造体軸方向SAと、格子軸方向LAと、の間の角度θ1の絶対値は実質的に0度である。すなわち、構造体軸方向SAは、格子軸方向LAに沿っている。
なお、構造体軸方向SAを、複数の構造体53に関するX−Y平面内の配置の六角形における別の辺に平行に設定した場合は、角度θ1の絶対値は、60度または120度などになる。すなわち、参考例においては、角度θ1の絶対値は、60度×m(mは整数)となる。従って、参考例においては、角度θ1の絶対値は、1度以上10度以下にはならない。
一方、図1(a)に例示した窒化物半導体素子110において、複数の構造体53に関するX−Y平面内の配置の六角形における別の辺に平行に設定した場合は、角度θ1の絶対値は、60度×m±α度(αは1度以上10度以下)となる。実施形態においては、着目する配置の軸に応じて異なる値を取り得る角度θ1の絶対値が、60度×m±α度(αは1度以上10度以下)となるように設定される。すなわち、実施形態においては、角度θ1の絶対値が1度以上10度以下となるような構造体軸方向SAと格子軸方向LAとの組み合わせが存在する。
以上のような構成を有する窒化物半導体素子110及び119を作製し、その特性を評価した。
以下、窒化物半導体素子110の作製方法について説明する。この作製方法は、実施形態に係る窒化物半導体素子の製造方法の1つの例に相当する。
サファイアからなる基板50の主面50a上に、例えば、複数の構造体53(この例では複数の凸部50p)に対応する形状のマスクを形成する。基板50の表面のうちでマスクに覆われていない部分をエッチングする。これにより、複数の凸部50pと、連続的な凹部50dと、が形成される。この例では、構造体軸方向SAと格子軸方向LAとの間の角度θ1の絶対値は、4度とした。
基板50の主面50a上に、バッファ層55及び積層構造体10sの結晶を成長させる。この結晶成長には、例えば有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)が用いられる。この他、分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)により結晶成長を行っても良い。
基板50の主面50a上にバッファ層55となるGaN層を成長させる。さらに、バッファ層55の上に、第1n側層11となるn形GaN層を結晶成長させる。
第1半導体層10に導入されるn形不純物には、SiやGe、Snなど種々の元素を用いることができる。この例では、Siを用いる。第1n側層11におけるSiのドーピング量は、例えば約2×1018cm−3である。
第1n側層11の上に、第2n側層12となるn形GaN層を結晶成長させる。第2n側層12におけるSiのドーピング量は、例えば約1×1018cm−3である。第2n側層12の厚さは、約0.1μmである。
第1n側層11及び第2n側層12の成長温度は、例えば、1000℃以上1100℃以下である。
実施形態において、第2n側層12として、例えば、厚さが約0.1μmのIn0.01Ga0.99N層を用いても良い。第2n側層12としてIn0.01Ga0.99N層を用いる場合は、第2n側層12の成長温度は、例えば700℃以上800℃以下である。
第2n側層12の上に、発光層30を形成する。すなわち、複数の障壁層31と複数の井戸層32とを交互に形成する。障壁層31には、例えば、In0.02Ga0.98N層が用いられる。1つの障壁層31の厚さは、例えば約12.5nmである。井戸層32には、例えば、アンドープのIn0.2Ga0.8N層が用いられる。1つの井戸層32の厚さは、例えば2.5nmである。障壁層31及び井戸層32の成長温度は、例えば、700℃以上800℃以下である。この例では、室温における発光層30のフォトルミネッセンスのピーク波長が450nmになるように、障壁層31及び井戸層32が設計される。この例では、井戸層32の数は8である。
発光層30の上に、第2半導体層20を形成する。第2半導体層20に用いられるp形不純物としては、例えば、MgやZnなど種々の元素を用いることができる。この例では、Mgを用いる。
具体的には、発光層30の上に、第4p側層24となるp形GaN層を成長させる。第4p側層24の厚さは、約30nmである。第4p側層24の成長温度は、例えば1000℃以上1100℃以下である。第4p側層24におけるMgのドーピング量は、例えば約4×1018cm−3である。
第4p側層24として、例えば、厚さが約30nmのIn0.01Ga0.99N層を用いても良い。第4p側層24としてIn0.01Ga0.99N層を用いる場合は、第4p側層24の成長温度は、例えば700℃以上800℃である。
第4p側層24の上に、第3p側層23となるp形AlGaN層を成長させる。p形AlGaN層は、例えば、Al0.2Ga0.8N層である。第3p側層23の厚さは、約10nmである。第3p側層23におけるMgのドーピング量は、例えば約4×1018cm−3である。第3p側層23の成長温度は、例えば1000℃以上1100℃以下である。
第3p側層23の上に、第2p側層22となるp形GaN層を成長させる。第2p側層22におけるMgのドーピング量は、例えば約1×1019cm−3である。第2p側層22の厚さは、例えば約50nmである。第2p側層22の成長温度は、例えば1000℃以上1100℃以下である。
第2p側層22の上に、第1p側層21となるp形GaN層を成長させる。第1p側層21におけるMgのドーピング量は、例えば約1×1020cm−3である。第1p側層11の厚さは、例えば約60nmである。
このようにして、基板50の上に積層構造体10sが形成される。さらに、積層構造体10sに対して、以下のデバイスプロセスを行う。
第1p側層21の上に、第2電極80となるITO層が形成される。ITO膜の厚さは、例えば、約200nmである。
その後、ITO膜、第2半導体層20、発光層30及び第2n側層12の一部の領域にドライエッチングを施し、第1n側層11の一部を露出させる。露出した第1n側層11の上に、第1電極70を形成する。第1電極70としては、例えば、Ti膜/Pt膜/Au膜の積層膜を用いることができる。Ti膜の厚さは約0.05μmである。Pt膜の厚さは約0.05μmである。Au膜の厚さは、約0.2μmである。
第1電極70の上に第1電極パッド75を形成し、第2電極80の上に第2電極パッド85を形成する。すなわち、第1電極70及び第2電極80の上に、例えば、膜厚が約1.0μmのAu膜を形成する。このAu膜が、第1電極パッド75及び第2電極パッド85となる。
これにより、図1に例示した窒化物半導体素子110が形成される。
一方、サファイアからなる基板50の主面50a上に形成するマスクの開口部の配置を変えて、複数の凸部50pと、連続的な凹部50dと、を形成する。複数の凸部50pのX−Y平面内における配置は、図6に示した通りである。この基板50を用いることで、上記と同様のプロセスを実施することにより、参考例の窒化物半導体素子119が形成される。
窒化物半導体素子110及び119の半導体機能層90の結晶性をX線回折により評価した。この評価では、半導体機能層90のX−Y平面内の結晶性が評価された。この評価では、GaN(11−24)面と、GaN(20−24)面と、2つの面に関してのX線回折強度が測定された。
図7(a)及び図7(b)は、窒化物半導体素子の特性を例示するグラフ図である。
図7(a)は、窒化物半導体素子110の特性を示し、図7(b)は、窒化物半導体素子119の特性を示す。これらの図の横軸は、回転角φであり、縦軸は、X線回折強度XRDI(相対値)である。
図7(a)及び図7(b)に表したように、回転角φが約0度と、約−30度と、に対応する2つのピークが見られる。回転角φが約0度に現れるピークは、GaNの(11−24)面に対応し、回転角φが約−30度に現れるピークは、GaNの(20−24)面に対応する。
図7(b)に示したように、参考例の窒化物半導体素子119においては、(11−24)面及び(20−24)面のピークには、主ピーク(0度及び−30度のピーク)から回転角φのマイナス方向の位置に、大きな肩がある。
これに対して、図7(a)に示したように、実施形態に係る窒化物半導体素子110においては、窒化物半導体素子119に比べて、この肩が非常に小さい。すなわち、実質的に単一ピークである。このように、窒化物半導体素子110においては、実質的に単一のX線回折ピークが得られる。このように、窒化物半導体素子110における半導体機能層90の結晶性は高い。
(11−24)面のX線ロッキングカーブ及び(20−24)面のX線ロッキングカーブは、GaNのツイスト成分を反映しており、刃状転位密度と相関関係がある。
実施形態においては、これらの面のX線ロッキングカーブが実質的に単一ピークとなり、半導体機能層90における結晶のツイスト成分のばらつきが小さくなる。これにより、GaNの刃状転位密度が低減される。これにより、窒化物半導体素子110においては、高い内部量子効率が得られる。
さらに、これらの窒化物半導体素子の発光特性を測定した。その結果、窒化物半導体素子110における所定の動作条件のときの光出力は、24.5ミリワット(mW)であった。一方、窒化物半導体素子119におけるその動作条件のときの光出力は23.7mであった。このように、実施形態によれば、参考例に比べて高い光出力が得られる。このように、実施形態によれば、効率が高い窒化物半導体素子が提供できる。
なお、構造体軸方向SAが格子軸方向LAに沿う参考例においても、製造工程のばらつきなどにより、構造体軸方向SAと格子軸方向LAとの間の角度θ1が0度からずれることがある。しかしながら、構造体軸方向SAが格子軸方向LAに沿う参考例においては、製造工程のばらつき等によって意図せずに生じる角度θ1は、0.2度以下である。すなわち、構造体軸方向SAが格子軸方向LAにほぼ平行である参考例においては、角度θ1は、0.2度以下である。これに対して、実施形態においては、構造体軸方向SAを、意図して格子軸方向LAから回転させる。
図7(a)に例示したように、X線回折強度XRDIは、そのピークを与える回転角φからプラス方向に、約1度〜2度の広がりを有している。また、図7(b)に例示したように、参考例において発生するX線回折強度XRDIの肩は、約10度の回転角φの広がり(肩)を有している。
このような特性に基づき検討すると、実施形態において、構造体軸方向SAと格子軸方向LAとの間の角度θ1の絶対値を1度以上10度以下にすることで、半導体機能層90の結晶性を高める効果が実用的に十分に得られる。
角度θ1は、3度以上5度以下であることがより望ましい。これにより、半導体機能層90の結晶性を高める効果がより高くなり、効率がより高い窒化物半導体素子が得られやすくなる。
角度θ1が10度よりも大きくなると、基板50の構造体53の凹凸を半導体機能層90(例えば第1半導体層10または下地層60など)で埋め込む際の埋め込み性が低下する場合がある。角度θ1を10度以下にすることで、高い結晶性と、高い埋め込み性と、が得られる。
構造体軸方向SAは、基板50に設けられる複数の構造体53の形状及び配置から求めることができる。また、基板50の凹凸形状を反映した凹凸形状を有する半導体機能層90の解析結果に基づいて、構造体軸方向SAを求めることもできる。これらの凹凸の形状は、窒化物半導体素子を例えば電子顕微鏡で観察することなどによって求めることができる。このとき、必要に応じて、窒化物半導体素子に含まれる要素の少なくとも一部を除去し、この試料を解析しても良い。
格子軸方向LAは、例えば、基板50をX線回折により解析することで求めることができる。
図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る別の窒化物半導体素子の構成を例示する模式図である。
図8(a)は、基板50に設けられる複数の構造体53の配置を例示する模式的平面図である。図8(b)は、図8(a)のA1−A2線断面図である。
図8(a)に表したように、この例では、基板50において、連続的な凸部50pと、複数の凹部50d(複数の構造体53)と、が設けられる。すなわち、この例では、構造体53が、凹部50dである。
図8(b)に表したように、この場合、下地層60には、連続的な構造体凹部60dと、複数の構造体凸部60pと、が設けられる。複数の構造体凸部60pのそれぞれのX−Y平面内の位置は、基板50の複数の凹部50dのX−Y平面内の位置と実質的に一致する。従って、基板50の凹部50dのX−Y平面内の特性(例えば平面形状及び配置など)に関する以下の説明は、構造体凸部60pのX−Y平面内の特性(例えば平面形状及び配置など)にも適用できる。
図8(a)に表したように、Z軸に沿ってみたときに、基板50の複数の凹部50d(構造体53)は、例えば、正六角形の中心及び6つ角のそれぞれに配置される。複数の凹部50dのX−Y平面内の配置と、基板50の結晶格子と、の関係が定められる。すなわち、複数の凹部50dのX−Y平面内の配置の軸が、基板50の結晶格子の軸に対して非平行に設定される。
例えば、構造体軸方向SAと格子軸方向LAとの間の角度θ1の絶対値が、1度以上10度以下に設定されている。
構造体軸方向SAは、例えば、複数の凹部50dのうちのいずれかである第1の凹部51dと、複数の凹部50dのうちで第1の凹部51dに最も近い第2の凹部52dと、を結ぶ軸の方向である。この場合も、格子軸方向LAは、例えば、基板50結晶格子50cにおいて、主面50aに対して平行な平面内において互いに最も近い2つの格子点を結ぶ軸の方向である。
構造体軸方向SAと格子軸方向LAとの間の角度θ1の絶対値を、1度以上10度以下にすることで、半導体機能層90の結晶性が向上する。これにより、例えば、GaNの刃状転位密度が低減される。これにより、高い効率が得られる。そして、高い光出力が得られる。
このように、窒化物半導体素子111によれば、効率が高い窒化物半導体素子が提供できる。
この場合も、複数の凹部50dの深さ、幅及びピッチの少なくともいずれかは、発光層30から放出される光の波長よりも長い。これにより、光の取り出し効率の向上効果が高くなる。
本実施形態においては、基板50に複数の構造体53(凸部50pまたは凹部50d)が設けられる。複数の構造体53の基本周期に応じた多角形を描いたときに、その多角形の方向と、基板50の面内方位と、が異なる。すなわち、その多角形の方向と、基板50の面内方位と、の間の角度が1度以上10度以下に設定される。これにより、GaN系半導体における転位密度及びピット密度が低減され、結晶性が向上する。これにより、効率が向上する。
なお、従来、複数の構造体53(凸部または凹部)の形状及び配置に関して、種々の工夫が施されているが、複数の構造体53の配置と、結晶格子50cと、の関係については、考慮されていなかった。
これに対して、実施形態においては、複数の構造体53のX−Y平面内の配置と、基板50の結晶格子と、の関係が定められる。すなわち、複数の構造体53のX−Y平面内の配置の軸(構造体軸方向SA)が、基板50の結晶格子50cの軸(格子軸方向LA)に対して非平行に設定される。これにより、X線回折ピークが実質的に単一ピークになる。すなわち、結晶性が向上する。これにより、高い効率が得られる。
図9は、第1の実施形態に係る窒化物半導体素子の構成を例示する模式的平面図である。
同図は、基板50の主面50a上における複数の構造体53の配置を例示している。構造体53は、凸部50pまたは凹部50dである。すなわち、同図は、窒化物半導体素子110または111における複数の構造体53の配置を例示している。
図9に表したように、複数の構造体53が、六角形の中心及び6つの角のそれぞれの位置に繰り返して配置されている。実施形態においては、複数の構造体53のX−Y平面内の配置の軸(すなわち、最近接の方向である構造体軸方向SA)は、少なくとも3つの方向を取り得る。この3つの方向のいずれかと、格子軸方向LAと、の間の角度θ1の絶対値が、1度以上10度以下である。
図9に図示した例では、複数の構造体53が、六角形の中心及び6つの角のそれぞれの位置に、高い精度で整列している。
図10は、第1の実施形態に係る別の窒化物半導体素子の構成を例示する模式的平面図である。
同図は、基板50の主面50a上における複数の構造体53の配置を例示している。構造体53は、凸部50pまたは凹部50dである。
図10に表したように、実施形態に係る別の窒化物半導体素子112においては、複数の構造体53のうちの一部は、六角形の中心及び6つの角のそれぞれの位置から、短い距離だけずれて配置されている。このように、複複数の凸部50pは、例えば、基板50の主面50a内で、実質的に整列している。
図10に表したように、複数の構造体53のうちの一部が、短い距離だけずれて配置されている場合にも、複数の構造体53の配置の最近接の方向(構造体軸方向SAが)が定義できる。そして、この場合も、窒化物半導体素子112は、3つの構造体軸方向SAを有している。この3つの方向のいずれかと、格子軸方向LAと、の間の角度θ1の絶対値が、1度以上10度以下に設定される。
(第2の実施の形態)
図11は、第2の実施形態に係る窒化物半導体素子の構成を例示する模式的平面図である。
同図は、第2の実施形態に係る窒化物半導体素子121における複数の構造体53のX−Y平面内の形状及び配置を模式的に例示している。
窒化物半導体素子121も、単結晶の基板50と、基板50の主面50a上に設けられ窒化物半導体を含む半導体機能層90と、を備える。そして、基板50は、主面50a内で、例えば2次元的に配置された複数の構造体53を有する。窒化物半導体素子121においては、複数の構造体53のX−Y平面内の形状及び配置が、窒化物半導体素子110とは異なる。これ以外の構成は、窒化物半導体素子110と同様なので説明を省略する。
窒化物半導体素子121においても、複数の構造体53のそれぞれは、主面50a上に設けられた凸部50p、または、主面50a上に設けられた凹部50dである。この例では、構造体53は、凸部50pである。
図11に表したように、複数の構造体53(この例では凸部50p)のそれぞれを主面50aに対して平行な平面で切断した平面形状は、主面50aに対して平行で互いに垂直な2つの軸に関する異方性を有する。
この例では、構造体53の平面形状は、楕円である。楕円は、長軸と短軸とを有しており、例えば、長軸がZ軸に対して垂直な1つの軸(例えばX1軸)であり、短軸がZ軸に対して垂直な別の1の軸(例えばY1軸)となる。すなわち、この例では、構造体53の平面形状の、主面50aに対して平行で互いに垂直な2つの軸が、X1軸及びY1軸である。そして、X1軸とY1軸とに関する2つの長さ(例えば長軸の長さと短軸の長さ)が互いに異なる。このように、「異方性を有する」とは、構造体53の平面形状の、主面50aに対して平行で互いに垂直な2つの軸に関する2つの長さが互いに異なる状態を含む。
そして、構造体53の平面形状が異方性を有する場合において、X1軸またはY1軸が異方性の軸となる。
実施形態に係る窒化物半導体素子121においては、異方性の軸方向AA(例えばX1軸方向に対して平行)と、基板50の結晶格子50cの主面50aに対して平行な平面内における最近接の方向(格子軸方向LA)と、の間の角度θ2の絶対値は、1度以上10度以下である。
これにより、半導体機能層90における結晶のツイスト成分のばらつきが小さくなる。これにより、例えば、GaNの刃状転位密度が低減され、高い内部量子効率が得られる。
図12は、第2の実施形態に係る別の窒化物半導体素子の構成を例示する模式的平面図である。
同図は、第2の実施形態に係る別の窒化物半導体素子122における複数の構造体53のX−Y平面内の形状及び配置を模式的に例示している。この場合には、構造体53は、凹部50dである。
図12に表したように、この場合も、複数の構造体53(この例では凹部50d)のそれぞれを主面50aに対して平行な平面で切断した平面形状は、楕円である。すなわち、複数の構造体53の平面形状は、主面50aに対して平行で互いに垂直な2つの軸に関する異方性を有する。
そして、異方性の軸方向AAと格子軸方向LAとの間の角度θ2の絶対値は、1度以上10度以下である。
窒化物半導体素子122においても、半導体機能層90における結晶のツイスト成分のばらつきが小さくなる。これにより、例えば、GaNの刃状転位密度が低減され、高い内部量子効率が得られる。
図13(a)及び図13(b)は、第2の実施形態に係る別の窒化物半導体素子の構成を例示する模式的平面図である。
これらの図は、複数の構造体53のX−Y平面内の形状及び配置を模式的に例示している。
図13(a)に表したように、実施形態に係る別の窒化物半導体素子123においては、構造体53は、凸部50pである。図13(b)に表したように、実施形態に係る別の窒化物半導体素子124においては、構造体53は、凹部50dである。そして、これらの凸部50p及び凹部50dの平面形状は長方形である。この場合も、複数の構造体53の平面形状は、主面50aに対して平行で互いに垂直な2つの軸に関する異方性を有する。
そして、異方性の軸方向AAと格子軸方向LAとの間の角度θ2の絶対値は、1度以上10度以下である。
上記の窒化物半導体素子121〜124においては、複数の構造体53の配列の最近接の方向(構造体軸方向SA)は、格子軸方向LAに沿っている。実施形態は、これに限らない。異方性の軸方向AAと格子軸方向LAとの間の角度θ2の絶対値を1度以上10度以下に設定し、さらに、構造体軸方向SAと格子軸方向LAとの間の角度θ1の絶対値を1度以上10度以下に設定しても良い。
(第3の実施形態)
本実施形態は、窒化物半導体層を成長させる窒化物半導体層成長用基板に係る。本実施形態に係る窒化物半導体層成長用基板は、第1の実施形態に関して説明した基板50を含む。窒化物半導体層成長用基板は、窒化物半導体層(例えば上記の半導体機能層90)を成長させる主面50aを有する。窒化物半導体層成長用基板は、主面50a内で、例えば2次元的に配置された複数の構造体53を備える。窒化物半導体層成長用基板は、単結晶である。
窒化物半導体成長用基板には、例えば、サファイアの単結晶基板を用いることができる。窒化物半導体成長用基板には、例えば、GaN及びSiCなどを用いても良い。このように、窒化物半導体成長用基板は、六方晶系の結晶構造を有することができる。
複数の構造体53のそれぞれは、主面50a上に設けられた凸部50p、または、主面50a上に設けられた凹部50dである。複数の構造体53の配列の最近接の方向(構造体軸方向SA)と、窒化物半導体層成長用基板の結晶格子50cの主面50aに対して平行な平面内における最近接の方向(格子軸方向LA)と、の間の角度θ1の絶対値は、1度以上10度以下である。
本実施形態に係る窒化物半導体層成長用基板によれば、例えば、その上に成長させる窒化物半導体層のGaNの刃状転位密度を低減できる。これにより、効率が高い窒化物半導体素子を形成できる窒化物半導体層成長用基板が提供できる。
なお、この場合も、窒化物半導体層成長用基板の主面50aに対して平行な平面内における最近接の方向(格子軸方向LA)は、窒化物半導体層成長用基板の結晶構造のm面に対して平行とすることができる。
(第4の実施形態)
本実施形態は、窒化物半導体層を成長させる窒化物半導体層成長用基板に係る。本実施形態に係る窒化物半導体層成長用基板は、第2の実施形態に関して説明した基板50を含む。
窒化物半導体層成長用基板は、複数の構造体53を備える。複数の構造体53のそれぞれは、主面50a上に設けられた凸部50p、または、主面50a上に設けられた凹部50dである。複数の構造体53のそれぞれを主面50aに対して平行な平面で切断した平面形状は、主面50aに対して平行で互いに垂直な2つの軸に関する異方性を有する。この異方性の軸方向AAと、窒化物半導体層成長用基板の結晶格子50cの主面50aに対して平行な平面内における最近接の方向(格子軸方向LA)と、の間の角度θ2の絶対値は、1度以上10度以下である。
本実施形態に係る窒化物半導体層成長用基板によれば、例えば、その上に成長させる窒化物半導体層のGaNの刃状転位密度を低減できる。これにより、効率が高い窒化物半導体素子を形成できる窒化物半導体層成長用基板が提供できる。
第3及び第4の本実施形態に係る窒化物半導体層成長用基板においても、複数の構造体53の、主面50aに対して垂直な軸に沿う長さ(例えば、凸部50pの高さ、または、凹部50dの深さ)、幅及びピッチの少なくともいずれかは、発光層30から放出される光の波長よりも長いことが望ましい。これにより、光の取り出し効率の向上効果が高くなる。
第3及び第4の本実施形態に係る窒化物半導体層成長用基板は、六方晶系の結晶構造を有することができる。このとき、格子軸方向LA(窒化物半導体層成長用基板の結晶格子50cの主面50aに対して平行な平面内における最近接の方向)は、結晶構造のm面(複数のm面のいずれか)に対して平行である。
実施形態によれば、効率が高い窒化物半導体素子及び窒化物半導体層成長用基板が提供できる。
なお、本明細書において「窒化物半導体」とは、BInAlGa1−x−y−zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むもの、導電形などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むもの、及び、意図せずに含まれる各種の元素をさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、窒化物半導体素子に含まれる基板、半導体機能層、半導体層、発光層、下地層、バッファ層及び電極などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した窒化物半導体素子及び窒化物半導体層成長用基板を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての窒化物半導体素子及び窒化物半導体層成長用基板も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…第1半導体層、 10s…積層構造体、 11…第1n側層、 12…第2n側層、 20…第2半導体層、 21…第1p側層、 22…第2p側層、 23…第3p側層、 24…第4p側層、 30…発光層、 31…障壁層、 32…井戸層、 50…基板、 50a…主面、 50c…結晶格子、 50d…凹部、 50p…凸部、 51d…第1の凹部、 51p…第1の凸部、 52d…第2の凹部、 52p…第2の凸部、 53…構造体、 55…バッファ層、 60…下地層、 60d…構造体凹部、 60p…構造体凸部、 70…第1電極、 75…第1電極パッド、 80…第2電極、 85…第2電極パッド、 90…半導体機能層、 θ1、θ2…角度、 φ…回転角、 110、111、112、119、121、122、123、124…窒化物半導体素子、 AA…異方性の軸方向、 BL、BL1、BLn…障壁層、 LA…格子軸方向、 SA…構造体軸方向、 WL、WL1、WLn…井戸層、 XRDI…X線回折強度

Claims (4)

  1. 六方晶系の結晶構造を有する窒化物半導体を含み主面を有する半導体層を備え、
    前記半導体層は、前記主面内に配置された複数の構造体を有し、
    前記複数の構造体のそれぞれは、前記主面上に設けられた凸部、または、前記主面上に設けられた凹部であり、
    前記複数の構造体の配列の最近接の方向と、前記半導体層の結晶格子の前記主面に対して平行な平面内における最近接の方向と、の間の角度の絶対値は、1度以上10度以下である窒化物半導体素子。
  2. 六方晶系の結晶構造を有する窒化物半導体を含み主面を有する半導体層を備え、
    前記半導体層は、前記主面内に配置された複数の構造体を有し、
    前記複数の構造体のそれぞれは、前記主面上に設けられた凸部、または、前記主面上に設けられた凹部であり、
    前記複数の構造体のそれぞれを前記主面に対して平行な平面で切断した平面形状は、前記主面に対して平行で互いに垂直な2つの軸に関する異方性を有し、
    前記異方性の軸方向と、前記半導体層の結晶格子の前記主面に対して平行な平面内における最近接の方向と、の間の角度の絶対値は、1度以上10度以下である窒化物半導体素子。
  3. 前記半導体層の結晶格子の前記主面に対して平行な平面内における前記最近接の方向は、前記結晶構造のm面に対して平行である請求項1または2に記載の窒化物半導体素子。
  4. 前記半導体層は、
    窒化物半導体を含み第1導電形の第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上に設けられ窒化物半導体を含む発光層と、
    前記発光層の上に設けられ窒化物半導体を含み前記第1導電形とは異なる第2導電形の第2半導層と、
    を含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の窒化物半導体素子。
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