JP2012244154A - 半導体発光素子及びウェーハ - Google Patents

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浩一 橘
Shigeya Kimura
重哉 木村
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Abstract

【課題】高効率の半導体素子及びウェーハを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、バッファ層と、下地層と、第1半導体層と、発光部と、第2半導体層と、を備えた半導体発光素子が提供される。バッファ層は、サファイアまたはシリコンの基板上で形成された、Gax1Al1−x1N(0.1≦x1<0.5)を含む。下地層は、バッファ層の上に形成され、転位密度が5×10cm−2以下であり、窒化物半導体を含む。第1半導体層は、下地層の上に設けられ、窒化物半導体を含み第1導電形である。発光部は、第1半導体層の上に設けられ、交互に積層された複数の障壁層及び複数の井戸層を含む。井戸層のIn組成比は障壁層よりも高い。複数の井戸層のそれぞれの厚さは、複数の障壁層のそれぞれの厚さよりも厚い。第2半導体層は、発光部の上に設けられ、窒化物半導体を含み第2導電形である。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、半導体発光素子及びウェーハに関する。
例えば、窒化ガリウム(GaN)などの窒化物半導体を用いた半導体発光素子は、高輝度の紫外、青色及び緑色の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や、紫外、青色及び緑色のレーザダイオード(LD:Laser Diode)などに応用されている。
このような半導体発光素子において発光効率を向上することが望まれている。
特開2005−259827号公報
本発明の実施形態は、高効率の半導体発光素子及びウェーハを提供する。
本発明の実施形態によれば、バッファ層と、下地層と、第1半導体層と、発光部と、第2半導体層と、を備えた半導体発光素子が提供される。前記バッファ層は、サファイアまたはシリコンの基板上で形成された、Gax1Al1−x1N(0.1≦x1<0.5)を含む。前記下地層は、前記バッファ層の上に形成され、転位密度が5×10cm−2以下であり、窒化物半導体を含む。前記第1半導体層は、前記下地層の上に設けられ、窒化物半導体を含み第1導電形である。前記発光部は、前記第1半導体層の上に設けられる。前記発光部は、交互に積層された複数の障壁層及び複数の井戸層を含む。前記井戸層は、前記障壁層におけるIn組成比よりも高いIn組成比を有する。前記複数の井戸層のそれぞれの厚さは、前記複数の障壁層のそれぞれの厚さよりも厚い。前記第2半導体層は、前記発光部の上に設けられ、窒化物半導体を含み前記第1導電形とは異なる第2導電形である。
第1の実施形態に係る半導体発光素子を示す模式的断面図である。 第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部を示す模式的断面図である。 図3(a)及び図3(b)は、半導体発光素子の構成を例示するエネルギーバンド図である。 半導体発光素子の特性を示すグラフ図である。 図5(a)及び図5(b)は、半導体発光素子の特性を示す顕微鏡写真像である。 第2の実施形態に係るウェーハを示す模式的断面図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
本実施形態は、LED及びLDなどの半導体発光素子に係る。以下では、本実施形態に係る半導体発光素子の1つの例として、LEDについて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。 図1に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子110は、下地層60と、第1半導体層10と、第2半導体層20と、発光部30と、を備える。
下地層60は、下面60lと、上面60uと、を有する。上面60uは、下面とは反対側の面である。下地層60は、窒化物半導体を含む。
第1半導体層10は、下地層60の上面60u上に設けられる。第1半導体層10は、窒化物半導体を含む。第1半導体層10は、第1導電形である。
発光部30は、第1半導体層10の上に設けられる。発光部30の例については後述する。
第2半導体層20は、発光部30の上に設けられる。第2半導体層20は、窒化物半導体を含む。第2半導体層20は、第2導電形である。第2導電形は、第1導電形とは異なる。
例えば、第1導電形はn形であり、第2導電形はp形である。ただし、実施形態はこれに限らず、第1導電形がp形で、第2導電形がn形でも良い。以下では、第1導電形がn形で、第2導電形がp形である場合として説明する。
ここで、下地層60の下面60l(または上面60u)に垂直な軸をZ軸とする。Z軸に対して垂直な1つの軸をX軸とする。Z軸とX軸とに対して垂直な方向をY軸とする。下地層60から第1半導体層10に向かう方向が上方向に対応する。Z軸は、第1半導体層10、発光部30及び第2半導体層20を含む積層構造体10sの積層方向に対して平行である。
本願明細書において、「積層」とは、互いに接して重ねられる場合の他に、間に他の層が挿入されて重ねられる場合も含む。
この例では、半導体発光素子110は、基板50をさらに備える。基板50には、例えば、サファイア基板(例えばc面サファイア基板)が用いられる。基板50には、例えば、GaN、SiC、ZnO及びSiなどの基板を用いても良い。
下地層60には、例えば、GaN層が用いられる。下地層60の不純物濃度は、第1半導体層10における不純物濃度よりも低い。下地層60には、例えばアンドープのGaN層が用いられる。下地層60の厚さは、例えば、約3マイクロメートル(μm)である。下地層60の転位密度は、5×10cm−2以下である。下地層60の転位密度は、4×10cm−2以下であることがさらに好ましい。
積層構造体10sは、バッファ層55をさらに含むことができる。バッファ層55は、基板50と下地層60との間に設けられる。バッファ層55には、例えば、アンドープのGaN層が用いられる。バッファ層55には、例えば、Gax1Al1−x1N(0.1≦x1<0.5)を含む。バッファ層55の厚さは、例えば、20ナノメートル(nm)以上50nm以下である。
基板50の上に、バッファ層55が形成され、その上に、下地層60、第1半導体層10、発光部30及び第2半導体層20がこの順に形成される。基板50の上に積層構造体10sを形成した後に、基板50が除去されても良い。この除去の際に、バッファ層55の少なくとも一部及び下地層60の少なくとも一部が除去されても良い。
下地層60は、例えば、下面60lに設けられた凹凸61を有する。例えば、基板50の主面に凹凸が設けられ、その上に上記のようにバッファ層55及び下地層60を形成することで、下地層60の下面60lに凹凸61が形成される。下地層60の凹凸60dの凹部は、基板50の凹凸の凸部に対向する。下地層60の凹凸60dの凸部は、基板50の凹凸の凹部に対向する。下地層60の凹凸60dは、基板50の凹凸形状に沿う。基板50の凹凸は、例えば複数の凸部を有する。複数の凸部のそれぞれは、例えば、直径が3μmで、高さが1μmの円柱状(または円錐台状)である。複数の凸部の配設ピッチは、例えば5μmである。
基板50の凹凸、及び、下地層60の凹凸60dは、必要に応じて設けられ、省略しても良い。
第1半導体層10には、例えば、n形不純物が添加される。n形不純物には、例えば、Si、Ge、及びSnなどが用いられる。以下では、Siを用いる場合として説明する。第1半導体層には、Siが添加されたGaN層が用いられる。Siのドープ量は、例えば、約5×1018cm−3である。第1半導体層10の厚さは、例えば約5μmである。第1半導体層10の少なくとも一部は、n形クラッド層として機能する。
第2半導体層20は、第1p形層21と、第2p形層22と、第3p形層23と、第4p形層24と、を含む。第1p形層21と第1半導体層10との間に発光部30が設けられる。第2p形層22は、第1p形層21と発光部30との間に設けられる。第3p形層23は、第2p形層22と発光部30との間に設けられる。第4p形層24は、第3p形層23と発光部30との間に設けられる。第1p形層21、第2p形層22、第3p形層23及び第4p形層24には、p形不純物が添加される、p形不純物には、例えばMg及びZnなどが用いられる。以下では、Mgを用いる場合として説明する。
第4p形層24には、例えば、p形GaN層が用いられる。第4p形層4は、例えば第1のガイド層として機能する。第4p形層24の厚さは、例えば30nmである。第4p形層24におけるMgの濃度は、例えば、約4×1018cm−3である。第4p形層24としてp形GaN層を用いる場合の第4p形層24の形成温度は、例えば、1000℃以上1100℃以下である。
また、第4p形層24として、In0.01Ga0.99N層(例えば厚さが30nm)を用いても良い。この場合の第4p形層24の形成温度は、例えば、700℃以上800℃以下である。
第3p形層23には、例えばp形Ga0.8Al0.2N層が用いられる。第3p形層23は、例えば、電子オーバーフロー防止(抑制)層として機能する。第3p形層23の厚さは、例えば、約10nmである。第3p形層23におけるMg濃度は、例えば、約4×1018cm−3に設定される。
第2p形層22には、例えば、p形GaN層が用いられる。第2p形層22は、第2のガイド層として機能する。第2p形層22の厚さは、例えば、約50nmである。第2p形層22におけるMg濃度は、例えば、約1×1019cm−3である。
第1p形層21には、例えばp形GaN層が用いられる。第1p形層21は、p側コンタクト層として機能する。第1p形層21の厚さは、例えば、約60nmである。第1p形層21には、第2p形層22におけるMg濃度よりも高い濃度でMgが添加される。第1p形層21におけるMg濃度は、例えば、約1×1020cm−3に設定される。
図1に例示したように、この例では、半導体発光素子110は、多層構造体40をさらに備えている。多層構造体40は、第1半導体層10と発光部30との間に設けられる。多層構造体40は、Z軸に沿って交互に設けられた複数の第1層(図示しない)と複数の第2層(図示しない)とを含む。第1層には、例えば、厚さが3nmのGaN層が用いられる。第2層には、例えば厚さが1nmのIn0.05Ga0.95N層が用いられる。第1層と第2層との積層数は、例えば30ペアである。多層構造体40は、例えば超格子層である。
半導体発光素子110は、第1電極70と、第2電極80と、p側パッド層81と、をさらに備えることができる。第1電極70は、第1半導体層10に電気的に接続されている。第2電極80は、第2半導体層20に電気的に接続される。p側パッド層81は、第2電極80の上に設けられる。
第1電極70には、例えば、Ti膜/Pt膜/Au膜の積層膜が用いられる。Ti膜の厚さは、例えば、0.05μmである。Pt膜の厚さは、例えば0.05μmである。Au膜の厚さは、例えば1.0μmである。
第2電極80には、例えば、例えば酸化インジウム(ITO)膜が用いられる。第2電極80の厚さは、例えば0.2μmである。
p側パッド層81には、例えばAu膜が用いられる。p側パッド層81の厚さは、例えば1.0μmである。
この例では、積層構造体10sは、第2半導体層20の側の主面において、第1半導体層10の一部、及び、第2半導体層20と、が露出している。第1電極70及び第2電極80とは、この主面の側において、第1半導体層10及び第2半導体層20のそれぞれに接続される。
第1電極70と第2電極80との間に電圧を印加することで、第1半導体層10及び第2半導体層20を介して発光部30に電流が供給され、発光部30から光が放出される。
図2は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部の構成を例示する模式的断面図である。
図2に表したように、発光部30は、複数の井戸層32と、複数の井戸層32どうしの間に設けられた障壁層31と、を含む。すなわち、複数の井戸層32と、複数の障壁層31と、がZ軸に沿って交互に積層される。
井戸層32は、複数の障壁層31のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する。井戸層32は、複数の障壁層31の厚さよりも厚い。
井戸層32は、例えば、Inx1Ga1−x1N(0<x1<1)を含む。障壁層31は、例えば、GaNを含む。すなわち、障壁層31はInを実質的に含まない。また、障壁層31がInを含む場合は、障壁層31におけるIn組成比は、井戸層32におけるIn組成比よりも低い。
発光部30は、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構成を有することができる。このとき、発光部30は、3つ以上の障壁層31と、障壁層31どうしのそれぞれの間に設けられた井戸層32と、を含む。
発光部30は、(n+1)個の障壁層31と、n個の井戸層32と、を含む(nは、2以上の整数)。第(i+1)障壁層BL(i+1)は、第i障壁層BLiと第2半導体層20との間に配置される(iは、1以上(n−1)以下の整数)。第(i+1)井戸層WL(i+1)は、第i井戸層WLiと第2半導体層20との間に配置される。第1障壁層BL1は、第1半導体層10と第1井戸層WL1との間に設けられる。第n井戸層WLnは、第n障壁層BLnと第(n+1)障壁層BL(n+1)との間に設けられる。第(n+1)障壁層BL(n+1)は、第n井戸層WLnと第2半導体層20との間に設けられる。
発光部30から放出される光(発光光)のピーク波長は、例えば400ナノメートル(nm)以上650nm以下である。
図3(a)及び図3(b)は、半導体発光素子の構成を例示するエネルギーバンド図である。
図3(a)は、実施形態に係る半導体発光素子110のエネルギーバンドを例示し、図3(b)は、第1参考例の半導体発光素子191のエネルギーバンドを例示している。これらの図には、価電子帯VBと伝導帯CBとが例示されている。横軸はZ軸方向に沿う位置に対応し、縦軸は電子のエネルギーEgに対応する。
図3(b)に表したように、第1参考例の半導体発光素子191においては、井戸層32の厚さは、障壁層31の厚さよりも薄い。
これに対して、図3(a)に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子110においては、井戸層32の厚さは、障壁層31の厚さよりも厚い。
以下、半導体発光素子110及び半導体発光素子191を実際に作製してそれぞれの特性を評価した結果について説明する。以下、半導体発光素子110の作製方法について説明する。以下の作製方法は、本実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の1つに例である。
サファイアからなる基板50の上に、積層構造体10sを形成した。積層構造体10sの形成には、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を用いた。この他、分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)により結晶成長を行っても良い。
すなわち、まず、基板50の上に、バッファ層55を形成した。具体的には、バッファ層55となる、Ga0.4Al0.6N層(約30nm)を、0.1μm/時(μm/h)以下の速度(すなわち堆積レート)で堆積した。この例では、バッファ層55の結晶成長の温度(基板50の温度)は、約500℃である、バッファ層55の形成温度は、例えば800℃よりも低く、例えば600℃程度以下であることが好ましい。バッファ層55は、低温成長バッファ層である。
そして、バッファ層55の上に、下地層60、第1半導体層10及び発光部30及び第2半導体層20を順次形成した。これらの窒化物半導体層の形成温度は、バッファ層55の形成温度よりも高い。
具体的には、バッファ層55の上に、下地層60となるアンドープのGaN層を、800℃で形成した。
さらに、下地層60の上に、第1半導体層10となるSiドープGaN層を形成した。第1半導体層10の形成温度は、1100℃である。
第1半導体層10の上に、多層構造体40として、第1層(厚さ3nmのGaN層)と第2層(厚さ1nmのIn0.05Ga0.95N層)とのペアを、計30ペア積層させた。この時の形成温度は、700℃以上800℃以下である。
多層構造体40の上に発光部30として、複数の障壁層31と複数の井戸層32とを交互に形成した。すなわち、障壁層31となるGaN層(厚さ3nm)と、井戸層32となるアンドープのIn0.14Ga0.86N層(厚さ3.5nm)と、を交互に積層した。井戸層32の数は、8である。障壁層31及び井戸層32の形成温度は、約700℃以上800℃以下である。
これにより、室温におけるフォトルミネッセンスのピーク波長が450nmになる発光部30が形成される。
発光部30の上に、第4p形層24となるp形GaN層(厚さ約30nm)を形成した。この時の形成温度は、1000℃以上1100℃以下である。
第4p形層24の上に、第3p形層23となるGa0.8Al0.2N層(厚さ約10nm)を形成した。この時の形成温度は、1000℃以上1100℃以下である。
第3p形層23の上に第2p形層となるp形GaN層(厚さ約50nm)を形成した。この時の形成温度は、1000℃以上1100℃以下である。
第2p形層22の上に、第1p形層21となるp形GaN層(厚さ約60nm)を形成した。この時の形成温度は、1000℃以上1100℃以下である。
この後、第1電極70、第2電極80及びp側パッド層81を形成することで半導体発光素子110が作製される。
一方、第1参考例においては、発光部30の形成において、障壁層31の厚さを約5nnmとする以外は、上記と同様のプロセスを実施した。これにより、半導体発光素子191が作製される。すなわち、半導体発光素子191においては、障壁層31は、厚さが5nmのGaN層であり、井戸層32は、厚さが3.5nmのアンドープのIn0.14Ga0.86N層である。
図4は、半導体発光素子の特性を例示するグラフ図である。
すなわち、同図は、本実施形態に係る半導体発光素子110と第1参考例の半導体発光素子191の特性の測定結果を示している。横軸は、供給される電流Idであり、縦軸は発光効率Effである。
図4から分かるように、第1参考例の半導体発光素子191においては、電流Idが約20mAでは発光効率Effが高いが、電流Idが大きくなると発光効率Effは著しく低下する。
これに対して、本実施形態に係る半導体発光素子110においては、電流Idが約20mAよりも大きいときにも高い発光効率Effを維持している。そして、電流Idが約50mA以上の領域においては、半導体発光素子191よりも高い発光効率Effが得られる。
このように、半導体発光素子110において、特に大電流領域で高い発光効率Effが得られる。これは、障壁層31の厚さを井戸層32よりも薄くすることで、発光部30の複数の井戸層32のうちの第1半導体層10の側の井戸層32にも、正孔が十分に注入されたことが原因であると考えられる。
図5(a)及び図5(b)は、半導体発光素子の特性を例示する顕微鏡写真像である。 図5(a)は、実施形態に係る半導体発光素子110における下地層60の断面透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)像である。図5(b)は、第2参考例の半導体発光素子192(図示せず)における下地層60の断面TEM像である。
第2参考例の半導体発光素子192においては、バッファ層55の形成条件が半導体発光素子110とは異なる。すなわち、半導体発光素子192においては、基板50の上に、バッファ層55となる、Ga0.4Al0.6N層(約30nm)を、0.25μm/hの堆積レートで堆積した。この時のバッファ層55の結晶成長の温度は、約500℃であり、半導体発光素子110と同様である。これ以外の条件(下地層60、第1半導体層10、発光部30及び第2半導体層20など)は、半導体発光素子110と同様である。
例えば、半導体発光素子192の発光部30においては、障壁層31は、GaN層(厚さ3nm)であり、井戸層32は、アンドープのIn0.14Ga0.86N層(厚さ3.5nm)であり、井戸層32の厚さは、障壁層31の厚さよりも厚い。
図5(a)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子110の下地層60においては転位Dsは少ない。半導体発光素子110の下地層60の転位密度は、約4×10cm−2であった。
図5(b)に表したように、第2比較例の半導体発光素子192の下地層60おいては転位Dsが非常に多い。半導体発光素子192の下地層60の転位密度は、約1×10cm−2であった。
このように、実施形態においては、転位密度が第2比較例に比べて半分以下に少なくなっている。このような違いは、上記のバッファ層55の形成条件の違いが影響している。
転位密度が高い第2参考例の半導体発光素子192においては、発光効率Effは低い。これは、下地層60の転位密度が高いため、発光部30の品質が低いためである。すなわち、下地層60における転位密度が高い状態において、井戸層32の厚さを障壁層31の厚さよりも厚くすると、発光部30における結晶性が低下する。
このため、窒化物半導体を用いた半導体発光素子において、井戸層32の厚さを障壁層31の厚さよりも厚くするためには、下地層60における転位密度を低く設定することが必要である。
実施形態においては、下地層60における転位密度は、5×10cm−2以下に設定される。これにより、井戸層32の厚さを障壁層31の厚さよりも厚く設定しても良好な結晶性が維持でき、高い発光効率Effが得られる。実施形態において、下地層60における転位密度は、4×10cm−2以下であることがさらに好ましい。
このように、本実施形態に係る半導体発光素子110においては、転位密度が低い下地層60と、障壁層31よりも厚い井戸層32と、を組み合わせる。これにより、例えば、第2半導体層20から井戸層32への正孔の注入効率が高まり、高電流密度領域であっても高い量子効率が得られる。これにより、高い発光効率が得られる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、LED及びLDなどの半導体発光素子のためのウェーハに係る。
図6は、第2の実施形態に係るウェーハの構成を例示する模式的断面図である。
図6に表したように、本実施形態に係るウェーハ120は、転位密度が5×10cm−2以下の窒化物半導体を含む下地層60と、下地層60の上に設けられ、窒化物半導体を含み第1導電形の第1半導体層10と、第1半導体層10の上に設けられ、複数の障壁層31と、複数の障壁層31どうしの間に設けられ、複数の障壁層31のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有し、複数の障壁層31の厚さよりも厚い井戸層32と、を含む発光部30と、発光部30の上に設けられ、窒化物半導体を含み第1導電形とは異なる第2導電形の第2半導体層20と、を備える。
本実施形態において、下地層60、第1半導体層10、発光部30及び第2半導体層20には、第1の実施形態に関して説明した構成を適用できる。
本実施形態に係るウェーハ120によれば、高い結晶性を維持しつつ、第2半導体層20から井戸層32への正孔の注入効率が高まり、高電流密度領域であっても高い量子効率を得る半導体発光素子が得られる。これにより、高い発光効率が得られる。
本実施形態において、ウェーハ120は、下地層60の第1半導体層10とは反対側に設けられた基板50をさらに備えることができる。基板50には、凹凸を設けることができ、これにより、下地層60が凹凸61を有していても良い。
実施形態によれば、高効率の半導体素子及びウェーハが提供できる。
なお、本明細書において「窒化物半導体」とは、BInAlGa1−x−y−zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むもの、導電形などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むもの、及び、意図せずに含まれる各種の元素をさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体発光素子及びウェーハに含まれる半導体層、発光部、下地層、バッファ層、基板及び電極などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体発光素子及びウェーハを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体発光素子及びウェーハも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…第1半導体層、 10s…積層構造体、 20…第2半導体層、 21…第1p側層、 22…第2p側層、 23…第3p側層、 24…第4p側層、 30…発光層、 31…障壁層、 32…井戸層、 40…多層構造体、 50…基板、 55…バッファ層、 60…下地層、 60d…凹凸、 60l…下面、 60u…上面、 61…凹凸、 70…第1電極、 80…第2電極、 81…p側パッド層、 110、191、192…半導体発光素子、 120…ウェーハ、 BL、BLi…障壁層、 CB…伝導帯、 Ds…転位、 Eff…発光効率、 Eg…エネルギー、 Id…電流、 VB…価電子帯、 WL、WLi…井戸層

Claims (8)

  1. (MQW、バッファ層)
    サファイアまたはシリコンの基板上で形成された、Gax1Al1−x1N(0.1≦x1<0.5)を含むバッファ層と、
    前記バッファ層の上に形成され、転位密度が5×10cm−2以下の窒化物半導体を含む下地層と、
    前記下地層の上に設けられ、窒化物半導体を含み第1導電形の第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上に設けられ、交互に積層された複数の障壁層及び複数の井戸層を含み、前記井戸層は、前記障壁層におけるIn組成比よりも高いIn組成比を有し、前記複数の井戸層のそれぞれの厚さは、前記複数の障壁層のそれぞれの厚さよりも厚い、発光部と、
    前記発光部の上に設けられ、窒化物半導体を含み前記第1導電形とは異なる第2導電形の第2半導体層と、
    を備えたことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記下地層の前記窒化物半導体は、窒化ガリウムであることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記井戸層の厚さは、前記障壁層の厚さの1.16倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記下地層は、前記第1半導体層とは反対側の下面に設けられた凹凸を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  5. サファイアまたはシリコンの基板と、
    前記基板上に形成された、Gax1Al1−x1N(0.1≦x1<0.5)を含むバッファ層と、
    前記バッファ層の上に形成され、転位密度が5×10cm−2以下の窒化物半導体を含む下地層と、
    前記下地層の上に設けられ、窒化物半導体を含み第1導電形の第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上に設けられ、交互に積層された複数の障壁層及び複数の井戸層を含み、前記井戸層は、前記障壁層におけるIn組成比よりも高いIn組成比を有し、前記複数の井戸層のそれぞれの厚さは、前記複数の障壁層のそれぞれの厚さよりも厚い、発光部と、
    前記発光部の上に設けられ、窒化物半導体を含み前記第1導電形とは異なる第2導電形の第2半導体層と、
    を備えたことを特徴とするウェーハ。
  6. 前記下地層の前記窒化物半導体は、窒化ガリウムであることを特徴とする請求項5記載のウェーハ。
  7. 前記井戸層の厚さは、前記障壁層の厚さの1.16倍以上であることを特徴とする請求項5または6に記載のウェーハ。
  8. 前記下地層は、前記第1半導体層とは反対側の下面に設けられた凹凸を有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載のウェーハ。
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