JP5847716B2 - 1−アリール−2−テトラロンを選択的に合成する方法 - Google Patents

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Description

関連出願の説明
本出願は、2009年8月18日に出願された米国特許出願第12/542946号の優先権の恩恵を主張するものである。
本発明は、1−アリール−2−テトラロンを選択的に合成する方法に関する。
テトラロンは、生物活性剤やフォトクロミック染料などの様々な化合物を合成するための非常に重要な中間体である。様々なテトラロンの中で、1−テトラロンは、製造するのが比較的安価であり、容易に入手できる。しかしながら、1−アリール−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンなどの2−テトラロンは、複雑な製造プロセスにより調製され、容易には入手できない。1−置換−2−テトラロンの合成には、一般に、多段階プロセスが必要である。例えば、1−アリール−2−テトラロンを合成するための最も一般的な方法は、グリニャール反応(スキーム1)を通じて1−テトラロンBを臭化アリールマグネシウムAと反応させる工程を含む。その後、反応生成物Cを脱水素化して、二重結合を生成する(化合物D)。次いで、この二重結合をエポキシド(化合物E)に転化させ、次いで、これを所望の1−アリール−2−テトラロンFに転化させる。
スキーム1に示した合成手法に加え、1−アリール−2−テトラロンを製造するために他の方法も開発されてた。しかしながら、これらの方法は、2−テトラロンへの置換パターンに関して選択的ではない。例えば、1−アリール−2−テトラロンと3−アリール−2−テトラロンの混合物が生成され、これには、所望の1−アリール−2−テトラロンを単離するための費用のかかる単調で退屈な分離技法が必要である。
したがって、非常に選択的な様式で、反応工程の数が最少で、2−テトラロンから1−アリール−2−テトラロンを製造するための合成手法を有することが望ましいであろう。
効率的かつ高選択的様式で1−アリール−2−テトラロンを合成する方法がここに記載される。この反応は、ハロゲン化アリールを2−テトラロンにカップリングさせる一段階手法を含み、ここで、カップリングは、実質的に2−テトラロンの1位で起こる。本発明の利点は、一部は以下の説明に述べられており、一部はその説明から明白であるか、または下記に記載した態様の実施により分かるであろう。下記の利点は、添付の特許請求の範囲に特に指摘された要素と組合せにより実現され達成される。先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも例示で説明のためであって、制限するものではないことが理解されよう。
本明細書に包含され、その一部を構成する添付の図面は、以下に記載する態様のいくつかを図示している。
ここに記載された方法を使用して1−アリール−2−テトラロンを製造するための一般反応スキーム
本発明の化合物、組成物、および/または方法を開示し記載する前に、下記の態様は、特定の化合物、合成方法、または使用に制限されず、それらはもちろん様々であってよいことが理解されよう。ここに使用される用語法は、特定の態様を説明する目的のためだけであり、制限を意図するものではないことも理解されよう。
本明細書および以下の特許請求の範囲において、以下の意味を有するように定義される多数の用語を参照する。
明細書および添付の特許請求の範囲に使用されるように、単数形は、内容が明らかにそうではないと述べていない限り、複数の対象を含むことに留意すべきである。それゆえ、例えば、「アルキル基」への言及は、2つ以上のアルキル基を含み得る。
「随意的な」または「必要に応じて」は、その後に述べられる事象または環境が起こっても起こらなくても差し支えないこと、およびその記載が、その事象または環境が起こる場合と起こらない場合を含むことを意味する。
ここに用いたように、複数の項目、構造要素、組成要素、および/または材料は、便宜上、一般的なリストに挙げられる。しかしながら、これらのリストは、リストの各構成物が別個の特有の構成物として個々に特定されているかのように考えるべきである。それゆえ、そのようなリストのどの個々の構成物も、そうではないと示されていない場合、一般的な群の提示のみに基づいて同じリストのどの他の構成物の事実上の同等と考えるべきではない。
濃度、量、および他の数字データが、範囲の形式でここに表されているか、提示されているであろう。そのような範囲の形式は、単に、便宜上と省略のために使用されており、それゆえ、その範囲の制限として明白に列挙された数値だけでなく、各数値と部分的な範囲が明白に列挙されているかのように、その範囲内に包含される個々の数値または部分的な範囲の全てを含むように柔軟に解釈すべきである。一例として、「約1から約5」の数字範囲は、約1から約5の明白に列挙された値だけでなく、その示された範囲内の個々の値および部分的な範囲も含むように解釈すべきである。それゆえ、2、3、および4などの個々の値、および1〜3、2〜4、および3〜5などの部分的な範囲、並びに個々に1、2、3、4、および5が、この数字範囲に含まれる。同じ原理が、最少または最大としてたった1つの数値を挙げた範囲にも適用される。さらに、そのような解釈は、記載されている特徴または範囲の広さにかかわらずに適用されるものとする。
本明細書中に使用されているR1〜R7、m、n、M、X、およびYなどの変数は、そうではないと述べられていない限り、先に定義されたものと同じ変数である。
「2−テトラロン」という用語は、ここでは、3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンとも称される。
ここに使用される「アルキル基」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどの1から25の炭素原子の分岐または未分岐の飽和炭化水素基である。
ここに使用される「シクロアルキル基」という用語は、少なくとも3つの炭素原子から構成される非芳香族炭素系環である。シクロアルキル基の例としては、以下に限られないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。「ヘテロシクロアルキル基」という用語は、環の炭素原子の少なくとも1つが、以下に限られないが、窒素、酸素、硫黄、またはリンなどのヘテロ原子により置換された、先に定義したシクロアルキル基である。
ここに使用される「アリール基」という用語は、以下に限られないが、ベンゼン、ナフタレンなどを含む任意の炭素系芳香族基である。「芳香族」という用語は、芳香族基の環内に少なくとも1つのヘテロ原子が含まれる芳香族基と定義される「ヘテロアリール基」を含む。ヘテロ原子の例としては、以下に限られないが、窒素、酸素、硫黄、およびリンが挙げられる。アリール基は、置換されていても未置換であっても差し支えない。アリール基は、以下に限られないが、アルキル、アルキニル、アルケニル、アリール、ハロゲン化物、ニトロ、アミノ、エステル、ケトン、アルデヒド、ヒドロキシ、カルボン酸、またはアルコキシを含む1つ以上の基により置換されていても差し支えない。
「アルコキシ基」という用語は式−ORにより表され、ここで、Rは、ここに定義されたアルキル基、アリール基、またはシクロアルキル基である。
「アミノ基」という用語は式−NRR’により表され、ここで、RおよびR’は、独立して、水素、およびここに定義されたアルキル基、アリール基、またはシクロアルキル基である。
「カルボン酸基」という用語は、式−CO2Hにより表される。「エステル基」という用語は式−CO2Rにより表され、ここで、Rは、ここに定義されたアルキル基、アリール基、またはシクロアルキル基である。「ケト基」という用語は式−C(O)Rにより表され、ここで、Rは、ここに定義されたアルキル基、アリール基、またはシクロアルキル基である。
「ペルフルオロアルキル基」という用語は、少なくとも1つの水素原子がフッ素により置換された、ここに定義されたアルキル基である。
「ニトリル基」という用語は、式−C≡Nにより表される。
「アルケニル基」という用語は、置換または未置換の炭素−炭素二重結合として定義される。
「アルキニル基」という用語は、置換または未置換の炭素−炭素三重結合として定義される。
「保護基」という用語は、反応性形態から不活性形態に転化される基として定義される。例えば、ケトまたはアルデヒド基は、不活性であるように保護できる。保護基を生成する方法は、例えば、T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis 3rd edition, John Wiley &sons, INC 1999に見つけられる。
高効率かつ高選択的様式で1−アリール−2−テトラロンを合成する方法がここに記載される。ある態様において、この方法は、
(1)ビスホスフィノフェロセンパラジウム(II)触媒および(2)アルカリ金属アルコキシド塩基の存在下で、
式I
を有する化合物であって、ここで、mが1から5までであり、
1が、水素、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボン酸基、エステル基、フルオロ基、ペルフルオロアルキル基、ニトリル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、保護基、または縮合環を含むものである、
化合物を、
式II
を含む化合物であって、ここで、nが1から4までであり、
2が、水素、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボン酸基、エステル基、フルオロ基、ペルフルオロアルキル基、ニトリル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、保護基、または縮合環を含むものである、
化合物と反応させる工程を含み、
1−アリール−2−テトラロンが1位で実質的に置換されている。
ここに記載された方法を使用して1−アリール−2−テトラロンを製造するための一般反応スキームが図1に与えられている。この反応は、一般に、(1)ビスホスフィノフェロセンパラジウム(II)触媒および(2)アルカリ金属アルコキシド塩基の存在下で、臭化アリール化合物Iを2−テトラロン化合物IIとカップリングさせる工程を含む。ここに記載された方法に、様々な異なる臭化アリールおよび2−テトラロンを使用して差し支えない。例えば、臭化アリール化合物Iは、同じであっても異なっていても差し支えない1つ以上の基により置換されても差し支えない。
他の態様において、式Iを有する臭化アリール化合物は、アリール環に結合した1つ以上の縮合環を有しても差し支えない。ある態様において、臭化アリールは、式V
を有し、ここで、Yは縮合芳香族またはシクロアルキル基である。例えば、mが2である場合、各R1は縮合環の一部であり得る。ある態様において、芳香族基は、1つの芳香環または2つ以上の縮合芳香環から構成され得る。芳香族基は、同様にここに定義されたヘテロアリール基であり得る。Yがシクロアルキル基である場合、縮合環は、5員、6員、7員、8員または9員環であり得る。シクロアルキル基は、ある態様において、ここに定義されたヘテロアリール基であり得る。例えば、縮合環Yはテトラヒドロフラン環であり得る。式Iを有する臭化アリールと同様に、式IIを有する2−テトラロンは、未置換であっても(R2が水素であり、nが1である)、様々な基により置換されていても差し支えない。
臭化アリール(式I)および2−テトラロン(式II)のカップリングは、パラジウム触媒および塩基の存在下で行われる。ここで有用な触媒は、ビスホスフィノフェロセンパラジウム(II)触媒である。ビスホスフィノフェロセンパラジウム(II)触媒は、一般に、パラジウムに配位した少なくとも1つのビスホスフィノフェロセン配位子を有するパラジウム(II)からなる。ここに有用なビスホスフィノフェロセン配位子は、少なくとも1つのホスフィン基が各シクロペンタジエニル環に直接または間接的に(例えば、リンカーにより結合した)結合したフェロセン[(Cp)2Fe、ここで、Cp=シクロペンタジエン]からなる。ここに有用なビスホスフィノフェロセンパラジウム(II)触媒の例としては、
が挙げられ、ここで、R3〜R6は、独立して、水素、アルキル基、芳香族基、またはシクロアルキル基であり、R3〜R6は、同じかまたは異なる基であり、Xは陰イオン配位子を含む。
3〜R6の場合、R3〜R6は、同じ基または異なる基であって差し支えない。ある態様において、R3〜R6は、独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、フェニル基、またはシクロヘキシル基である。別の態様において、R3〜R6は、例えば、アルキル基などの同じ基である。さらに別の態様において、R3〜R6は、各々、t−ブチル基である。
式IIIにおけるXに関して、Xは、パラジウムと結合(例えば、共有、イオン、静電など)を形成できるどのような陰イオン配位子であっても差し支えない。例えば、Xは、ハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、アルコキシド基、水酸化物、アセテート基、アミノ基、またはチオール基であり得る。他の態様において、式IIIにおける各Xは、様々な基により互いに連結されていても差し支えない。例えば、各Xは、エチレン基により連結されても差し支えなく、ここで、この態様においてパラジウムに結合している配位子はエチレンオキシドである。それゆえ、式IIIにおける各Xは二座配位子の一部であり得る。ある態様において、式IIIにおけるR3〜R6の各々は、t−ブチル基であり、各Xは塩化物である。
アルカリ金属アルコキシド塩基は、リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、またはカリウムアルコキシドを含む様々な異なる化合物であり得る。アルカリ金属アルコキシド塩基は一般式M−Zにより表され、ここで、Mはアルカリ金属であり、Zは、ここに定義されたアルコキシ基である。ある態様において、アルカリ金属アルコキシド塩基は式MOR7を有し、ここで、Mは、リチウム、ナトリウム、またはカリウムであり、R7はメタル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、またはフェニル基である。別の態様において、アルカリ金属アルコキシド塩基はカリウムメトキシドである。
ここに記載された1−アリール−2−テトラロンを製造する手法は、比較的穏やかな条件を含む。例えば、パラジウム(II)触媒およびアルカリ金属アルコキシド塩基を有機溶媒と混合し、その後、2−テトラロン(式II)および臭化アリール(式I)を添加しても差し支えない。一般に、2−テトラロンの臭化アリールに対するモル比は約1:1である。しかしながら、各化合物をより多量使用することも可能である。ビスホスフィノフェロセンパラジウム(II)触媒の場合、反応に少量しか必要ない。使用する触媒の量は、反応の所望の速度に応じて、様々であり得る。アルカリ金属アルコキシド塩基について、ある態様において、塩基のモル量は、2−テトラロンおよび臭化アリールのモル量を超える。ある態様において、反応は、その反応が完了するように加熱しても差し支えない。他の態様において、反応は室温で行って差し支えない。反応の温度は、溶媒の選択、出発材料、および所望の反応時間により様々であり得る。反応が一旦完了したら、1−アリール−2−テトラロンを単離し、精製して差し支えない。実施例の欄に、ここに記載された方法を使用して、1−アリール−2−テトラロンを合成し、精製し、特徴付ける例示の手法が与えられている。
ここに記載された方法は、バッチ式または連続モード的技法を使用して行うことができる。ある態様において、反応が連続モードで行われる場合、多数の微小通路からなるマイクロリアクタを使用して差し支えない。例えば、ビスホスフィノフェロセンパラジウム(II)触媒を微小通路の内面に施すことができ、そこに、出発材料の溶液(例えば、臭化アリール、2−テトラロン、塩基)を微小通路に通して連続的に流し、触媒に接触させる。ここに有用な微小通路リアクタを製造し使用する方法が、ここに引用する国際公開第2004/016348号パンフレットに見つけられる。
微小通路の長さと幅は様々であり得る。同様に、微小通路は、例えば、セラミック、鉄合金、ガラスなどの様々な材料から製造することができる。例えば、ガラス製マイクロリアクタであるCorning(登録商標)Advanced−Flow(商標)リアクタをここに使用することができる。反応の温度を調節する必要がある場合、マイクロリアクタ内に熱交換器が存在して差し支えない。
ある態様において、ビスホスフィノフェロセンパラジウム(II)触媒は、様々な技法を使用して微小通路の内面に施すことができる。ある態様において、この触媒は、例えば、ウォッシュコーティングまたは化学的気相成長などの技法によって、微小通路の内面に被覆することができる。他の態様において、触媒は、テザー(tether)により微小通路の内面に取り付けることができる。例えば、有機または無機基を、微小通路の内面に共有結合させ、触媒に共有結合させることができる。ビスホスフィノフェロセンパラジウム(II)触媒の場合、テザーを、フェロセン基またはホスフィン基に結合または取り付けることができる。他の態様において、触媒は、マイクロリアクタ中に導入する前に、出発材料と共に均一に分散させても差し支えない。
ここに記載された方法により、実質的に1位で置換された1−アリール−2−テトラロンが生成される。言い換えると、反応が完了した後に2−テトラロンの3位には置換が最少であるか、全くない(以下参照)。
それゆえ、ある態様において、1−アリール−2−テトラロンが実質的に1位で置換されている場合、1位で置換された2−テトラロンの3位で置換された2−テトラロンに対する比率は、95対5、98対2、または99対1である。別の態様において、1−アリール−2−テトラロンが実質的に1位で置換されている場合、2−置換テトラロンは、3位での置換は観察されず、1位で完全に置換されている。それゆえ、ここに記載された方法は、現行の合成方法論では観察されない高選択的手法で1−アリール−2−テトラロンの都合よいワンポット合成を提供する。
以下の実施例は、当業者に、ここに記載され、請求項に記載された化合物、組成物、および方法が、どのように製造され、評価されるかの完全な開示と記載を与えるように述べられており、純粋に例示を意図しており、本出願の発明者等が発明と見なすものの範囲を制限することを意図していない。数(例えば、量、温度など)に関する精度を確実にするために努力してきたが、ある程度の誤差および偏差を計上すべきである。別記しない限り、部は質量部であり、温度は℃で表されるか室温であり、圧力は大気圧かその辺りである。反応条件、例えば、成分の濃度、所望の溶媒、溶媒混合物、温度、圧力および他の反応範囲並びに記載されたプロセスから得られる生成物の純度および収率を最適化するために使用できる条件には、数多くのバリエーションと組合せがある。そのようなプロセス条件を最適化するために、妥当な決まり切った実験しか必要ない。
1−(4−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロナフタレン−2(1H)−オンの合成
ビス(ジ−tert−ブチル)ホスフィノフェロセンパラジウム二塩化物(52mg、0.08ミリモル、2モル%)およびKOMe(400mg、5.7ミリモル)を、アルゴン雰囲気下で乾燥フラスコ内に入れた。THF(5ml、乾燥)を加え、その後、2−テトラロン(590mg、5mlのTHF(乾燥)中に溶解した4ミリモル)および4ブロモアニソール(750mg、5mlのTHF(乾燥)中に溶解した4ミリモル)を加えた。得られた混合物を3時間に亘り還流した。減圧によりTHFを除去した。残留物をHCl(1N)で洗浄し、ジクロロメタン中に溶解させた。有機相を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をフラッシュカラム・クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル90−10→70−30)により精製した。95%の収率(963mg、3.82ミリモル)で1−アリール−2−テトラロンのみが単離された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.36 ? 7.18 (m, 3H), 7.02 (d, J = 8.7, 3H), 6.85 (d, J = 8.7, 2H), 4.71 (s, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.08 (m, 2H), 2.79 ? 2.64 (m, 1H), 2.63-2.57 (m, 1H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 209.92, 158.78, 136.93, 136.74, 129.74, 129.53, 129.48, 127.91, 127.26, 127.17, 114.13, 59.02, 55.29, 36.92, 28.21
1−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−3,4−ジヒドロナフタレン−2(1H)−オン
ビス(ジ−tert−ブチル)ホスフィノフェロセンパラジウム二塩化物(100mg、0.15ミリモル、2モル%)およびKOMe(0.63g、9ミリモル)を、アルゴン雰囲気下で乾燥フラスコ内に入れた。ジオキサン(10ml、乾燥)を加え、その後、4−ブロモベンゾジヒドロフラン(1.6g、5mlのジオキサン(乾燥)中に溶解した8ミリモル)を添加した。フラスコを油浴(100℃)中に入れた。5分間に亘り撹拌しながら、2−テトラロン(1.18g、10mlのジオキサン(乾燥)中に溶解した8ミリモル)を滴下により加えた。得られた混合物を10分間に亘り撹拌した。TLCに行った対照が4−ブロモベンゾジヒドロフランの完全な消費を示したときに、反応を停止した。この溶液を氷浴で冷却し、HCl(1N、10ml)および100mLの水を加えた。この混合物にジクロロメタンを加えた。有機相を分離し、水相をジクロロメタンで2度洗浄した。混合有機相を塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をフラッシュカラム・クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル90−10→70−30)により精製した。75%の収率(1.59g、6.01ミリモル)で1−アリール−2−テトラロンのみが単離され、これは放置している間に結晶化した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.33 ? 7.17 (m, 3H), 7.01 (d, J = 7.1, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.77 (d, J = 9.5, 1H), 6.69 (d, J = 8.2, 1H), 4.66 (s, 1H), 4.53 (t, J = 8.7, 2H), 3.22 ? 2.92 (m, 4H), 2.80 ? 2.47 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 210.09, 159.35, 136.89, 136.83, 129.54, 129.45, 128.38, 127.86, 127.61, 127.17, 127.11, 125.21, 109.27, 71.36, 59.17, 36.89, 29.68, 28.21. GC-MS (EI): C18H16O2 264.32について計算; m/z found 264.2. FT-IR (neat): 1678, 1487, 1280, 1230, 1074
ここに記載された化合物、組成物および方法に様々な改変および変更を行って差し支えない。ここに記載された化合物、組成物および方法の他の態様が、ここに記載された化合物、組成物および方法の実施と明細書の考慮から明らかである。明細書および実施例は、例示と考えることが意図されている。

Claims (10)

  1. 下記式IVの1−アリール−2−テトラロンを製造する方法において、
    (1)ビスホスフィノフェロセンパラジウム(II)触媒および(2)アルカリ金属アルコキシド塩基の存在下で、
    式I
    を含む化合物であって、ここで、mが1から5までであり、
    1が、水素、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボン酸基、エステル基、フルオロ基、ペルフルオロアルキル基、ニトリル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または縮合環を含むものである、
    化合物を、
    式II
    を含む化合物であって、ここで、nが1から4までであり、
    2が、水素、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボン酸基、エステル基、フルオロ基、ペルフルオロアルキル基、ニトリル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または縮合環を含むものである、
    化合物と反応させる工程を含む、方法。
  2. 式Iを有する前記化合物が
    であり、Yが縮合芳香族またはシクロアルキル基であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記ビスホスフィノフェロセンパラジウム(II)触媒が、式III
    を含み、ここで、R3〜R6は、独立して、水素、アルキル基、芳香族基、またはシクロアルキル基であり、R3〜R6は、同じかまたは異なる基であり、Xは陰イオン配位子を含むことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 3〜R6が同じアルキル基であることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 3〜R6の各々がt−ブチル基であり、各Xが塩化物であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記アルカリ金属アルコキシド塩基が、リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、またはカリウムアルコキシドを含むことを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の方法。
  7. 前記アルカリ金属アルコキシド塩基がカリウムメトキシドであることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の方法。
  8. 1位で置換された2−テトラロンの3位で置換された2−テトラロンに対する比は99対1であることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の方法。
  9. 連続モードで行われることを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の方法。
  10. マイクロリアクタ内で行われることを特徴とする請求項9記載の方法。
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