JP5846544B2 - ボイラ - Google Patents

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本発明は、ガス焚きのボイラに関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されるように、送風機(9)からの燃焼用空気に、燃料供給路(15)からのガス燃料を混合して、その予混合気をバーナ(3)において燃焼させるボイラ(2)が知られている。このボイラでは、燃焼用空気とガス燃料の各流量が調整されて、バーナの燃焼量が調整される。
この種のボイラにおいて、燃料として二種類の燃料を用いたい場合がある。たとえば、バイオガスに一般ガス(都市ガスのような標準ガス)を混ぜて燃焼させたい場合がある。この場合、従来は、下記特許文献2に開示されるように、一般ガスとバイオガスとをボイラに供給される前に混合している。
特開2008−157553号公報 特開2002−226878号公報
しかしながら、二種類のガスを予混合して用いる場合、ガスの元圧の相違により、所望に混合できない場合がある。たとえば、バイオガスと一般ガスとを混合させる場合、バイオガスの圧力は一般ガスに比較して低いため、ガスブースタを用いてバイオガスを大幅に昇圧する必要があり、過大なガスブースタが必要になり、高コストとなっていた。
本発明が解決しようとする課題は、バイオガスと一般ガスなど、元圧の異なるガスの混合を、簡易な構成で安価に実施できるボイラを提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、第一ガスと、これより元圧の低い第二ガスとを用いるガス焚きボイラであって、ファンからバーナへの燃焼用空気路に、第一ガスと第二ガスとが独立して供給されるボイラであり、前記燃焼用空気路には、第一ガスを供給する第一ガス路と、第二ガスを供給する第二ガス路とが並列に設けられ、前記第一ガス路を介した第一ガスの供給流量と、前記第二ガス路を介した第二ガスの供給流量とが個別に調整可能であり、前記燃焼用空気路内において、前記ファンからの燃焼用空気に、前記第一ガス路からの第一ガスと、前記第二ガス路からの第二ガスとが噴出されて、前記バーナまでの区間で混合されて予混合気とされ、前記バーナは、前記予混合気を噴出させて燃焼させる完全予混合式のバーナとされ、前記バーナの燃焼量に応じて異なるよう設定された一定流量で第二ガスを供給しつつ、第一ガスの供給流量を調整して空気比を調整することを特徴とするボイラである。
請求項1に記載の発明によれば、元圧の異なるガスの混合を、予め行うのではなく、ボイラの燃焼用空気路へ独立して行うことで、簡易な構成で安価に実施することができる。
請求項1に記載の発明によれば、第一ガスと第二ガスの各流量を個別に調整して、最適な混合割合で燃焼を図ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、第二ガスを設定流量で供給しつつ、第一ガスの流量を調整することで、簡易に、空気比を調整して、最適な燃焼を図ることができる。
さらに、請求項2に記載の発明は、第一ガスは一般ガスであり、第二ガスはバイオガスであることを特徴とする請求項1に記載のボイラである。
請求項2に記載の発明によれば、一般ガスに比べて圧力の低いバイオガスも、ボイラの手前で一般ガスと予混合せずに並列的にボイラへ供給することで、昇圧幅を抑えることができる。これにより、ガスブースタのコスト低減を図ることができる。
本発明によれば、バイオガスと一般ガスなど、元圧の異なるガスの混合を、簡易な構成で安価に実施することができる。
本発明のボイラの一実施例を示す概略図であり、一部を断面にして示している。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のボイラ1の一実施例を示す概略図であり、一部を断面にして示している。
本実施例のボイラ1は、予混合燃焼形式のガス焚きボイラであり、ガス燃料として、第一ガスと、これより元圧の低い第二ガスとが用いられる。第一ガスよりも第二ガスの圧力が低ければ、各ガスはその種類を特に問わないが、典型的には、第一ガスは、一般ガス事業者により提供される一般ガス(都市ガス、天然ガスまたは液化石油ガスなどの標準ガス)とされ、第二ガスは、メタンガスなどのバイオガスとされる。
本実施例のボイラ1は、多数の水管2,2,…を備える缶体3と、この缶体3内の水を加熱するバーナ4と、このバーナ4にファン5からの燃焼用空気を供給する燃焼用空気路6と、この燃焼用空気路6に第一ガスを供給する第一ガス路7と、前記燃焼用空気路6に第二ガスを供給する第二ガス路8と、缶体3から排ガスを排出する排ガス路9とを備える。
缶体3は、上部管寄せ10と下部管寄せ11との間を多数の水管2,2,…で接続して構成される。缶体3の形状は、特に問わないが、本実施例では角形とされる。本実施例では、缶体3には、一側端部にバーナ4が設けられ、このバーナ4には燃焼用空気路6が接続される。また、缶体3には、バーナ4と反対側の端部に、排ガス路9が接続される。
バーナ4からの燃焼ガス(当初は火炎を含む)は、各水管2内の水と熱交換した後、排ガスとして排ガス路9から排出される。バーナ4からの燃焼ガスにより、各水管2内の水は加熱され、蒸気として上部管寄せ10から導出される。なお、下部管寄せ11には適宜給水され、缶体3内の水位は所望に維持される。
バーナ4は、本実施例では平面状の燃焼面(予混合気噴出面)を有する完全予混合式のバーナとされる。このバーナ4は、燃焼量を段階的に変更可能とされる。本実施例では、高燃焼(100%燃焼)、低燃焼(たとえば50%燃焼)および停止の三位置で燃焼量が切り替えられる。詳細は後述するが、バーナ4には、燃焼量に応じた量の燃焼用空気とガス燃料(第一ガス、第二ガス)とが供給される。
バーナ4への燃焼用空気の供給は、ファン5からの空気を、燃焼用空気路6を介して送り込むことでなされる。つまり、ファン5から送り出された空気は、燃焼用空気として、燃焼用空気路6を介してバーナ4へ供給される。
燃焼用空気の流量の調整は、燃焼用空気路6にダンパ12を設けてこのダンパ12の位置を調整するか、これに代えてまたはこれに加えて、インバータを用いてファン5の回転速度を変えることでなされる。本実施例では、燃焼用空気路6にダンパ12を設けて、ファン5は一定速度で回転させつつダンパ12の位置を変更することで、燃焼用空気の流量を調整する。具体的には、燃焼用空気路6の中途には、流路方向と直交して回転軸13が設けられ、この回転軸13には板状のダンパ12が設けられる。従って、回転軸13を動かすことでダンパ12の傾き角を調整して、バーナ4へ送り出す空気流量が調整される。
燃焼用空気路6には、第一ガス路7と第二ガス路8とが並列に設けられる。本実施例では、ダンパ12より下流でバーナ4の手前のウィンドボックス14に、第一ガス路7からの第一ガスと、第二ガス路8からの第二ガスとが供給される。ウィンドボックス14内おいて、燃焼用空気に第一ガスおよび第二ガスが噴出され、これらはバーナ4までの区間で混合される。
ところで、従来公知のガス焚きボイラの燃料供給路(7)に、仮に一般ガス(第一ガス)とバイオガス(第二ガス)とを予混合して送り込もうとした場合、バイオガスを一般ガスと同等の圧力まで昇圧する必要が生じる。また、燃料供給路(7)にはガス遮断弁(15)などの圧損要素があるため、必然的にバイオガスのガス圧を高める必要が生じる。しかしながら、本実施例のように、一般ガスと燃焼用空気との予混合部(ウィンドボックス14)に、直接にバイオガスを送り込めば、予め一般ガスにバイオガスを混合する場合よりも低い圧力で供給することができる。
第一ガス路7には、上流側から順に、ガス遮断弁15およびガスバルブ16が設けられる。ガス遮断弁15は、ボイラ1の運転時、開いた状態に維持される。また、ガスバルブ16は、開度調整可能な弁である。
第二ガス路8には、本実施例では、電磁弁17(または18)とオリフィス19(または20)とを備えた流路21,22が並列に設けられている。具体的には、第一電磁弁17と第一オリフィス19とを備えた第一路21と、第二電磁弁18と第二オリフィス20とを備えた第二路22とが並列に設けられ、第一路21と第二路22とは上流側および下流側において共通路23,23とされている。
ガスバルブ16、第一電磁弁17および第二電磁弁18は、制御器24に接続されている。さらに、制御器24は、燃焼用空気の流量も把握する。すなわち、本実施例では、燃焼用空気路6には、ダンパ12より下流にオリフィスのような空気抵抗部材25が設けられており、制御器24は、この空気抵抗部材25の前後の差圧によりバーナ4への燃焼用空気の供給流量を把握する。
ボイラ1は、通常、缶体3からの蒸気圧を所望に維持するように、バーナ4の燃焼量が調整される。本実施例では、前述したように、バーナ4の燃焼量は、高燃焼、低燃焼および停止の三位置で制御される。この内、停止時には、燃焼用空気およびガス燃料(第一ガス、第二ガス)のバーナ4への供給を停止すればよい。
低燃焼時、ダンパ12を低燃焼用風量位置に配置して、低燃焼用の設定流量で燃焼用空気をバーナ4へ供給する。そして、制御器24は、この燃焼用空気の流量に応じて、ガス燃料(第一ガス、第二ガス)の流量を調整する。この内、第二ガスの流量は、低燃焼時には第一路21を介した一定流量であり、低燃焼に必要な熱量の残りを第一ガスで賄う。
具体的には、低燃焼時、第二ガス路8からの第二ガスの供給は、第一電磁弁17のみを開いて行われる。そして、第二ガスだけでは足りない熱量を補うように、ガスバルブ16を介して第一ガスを供給する。ガスバルブ16は開度調整可能であるから、空気比を所望に調整することができる。
高燃焼時、ダンパ12を高燃焼用風量位置に配置して、高燃焼用の設定流量で燃焼用空気をバーナ4へ供給する。そして、制御器24は、この燃焼用空気の流量に応じて、ガス燃料(第一ガス、第二ガス)の流量を調整する。この内、第二ガスの流量は、高燃焼時には第一路21および第二路22を介した一定流量であり、高燃焼に必要な熱量の残りを第一ガスで賄う。
具体的には、高燃焼時、第二ガス路8からの第二ガスの供給は、第一電磁弁17および第二電磁弁18の双方を開いて行われる。そして、第二ガスだけでは足りない熱量を補うように、ガスバルブ16を介して第二ガスを供給する。ガスバルブ16は開度調整可能であるから、空気比を所望に調整することができる。
本実施例のボイラ1によれば、バイオガスの昇圧幅を小さくすることができるので、その分、ガスブースタのコストを低減することができる。また、バイオガスは、通常、メタンと二酸化炭素の混合気体であるため、バーナ面でのガス噴出状態を調整することで、窒素酸化物の低減を図ることも可能となる。
本発明のボイラ1は、前記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。たとえば、前記実施例では、燃焼量を高燃焼、低燃焼および停止の三位置で制御する例について説明したが、高燃焼、中燃焼、低燃焼および停止の四位置あるいはそれ以上の燃焼位置で制御したり、オンオフ制御したり、あるいは比例制御したりしてもよい。
いずれの場合も、第一ガスと第二ガスとを燃焼用空気路6に独立して供給し、第一ガスと第二ガスの各供給流量を個別に調整可能であるのが好ましい。そして、基本的には前記実施例と同様に、バーナ4の燃焼量に応じて異なるよう設定された一定流量で第二ガスを供給しつつ、第一ガスの供給流量を調整して燃焼状態(空気比)を調整すればよい。
また、前記実施例では、第二ガスの流量の調整は、並列に設置した第一電磁弁17と第二電磁弁18とにより行ったが、これ以上の数の電磁弁を並列に備えてもよいし、また場合により、第二ガス路8の並列部(第一路21と第二路22)の設置に代えて電動弁を設置し、この電動弁の開度を調整することで第二ガスの供給流量を調整してもよい。
1 ボイラ
3 缶体
4 バーナ
5 ファン
6 燃焼用空気路
7 第一ガス路
8 第二ガス路
16 ガスバルブ
17 第一電磁弁
18 第二電磁弁

Claims (2)

  1. 第一ガスと、これより元圧の低い第二ガスとを用いるガス焚きボイラであって、
    ファンからバーナへの燃焼用空気路に、第一ガスと第二ガスとが独立して供給されるボイラであり、
    前記燃焼用空気路には、第一ガスを供給する第一ガス路と、第二ガスを供給する第二ガス路とが並列に設けれ、
    前記第一ガス路を介した第一ガスの供給流量と、前記第二ガス路を介した第二ガスの供給流量とが個別に調整可能であり、
    前記燃焼用空気路内において、前記ファンからの燃焼用空気に、前記第一ガス路からの第一ガスと、前記第二ガス路からの第二ガスとが噴出されて、前記バーナまでの区間で混合されて予混合気とされ、
    前記バーナは、前記予混合気を噴出させて燃焼させる完全予混合式のバーナとされ、
    前記バーナの燃焼量に応じて異なるよう設定された一定流量で第二ガスを供給しつつ、第一ガスの供給流量を調整して空気比を調整する
    ことを特徴とするボイラ。
  2. 第一ガスは一般ガスであり、第二ガスはバイオガスである
    ことを特徴とする請求項1に記載のボイラ。
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