JP5846250B2 - スタータ - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンを始動させるためのスタータに関する。
従来、エンジンの停止および再始動を自動制御するエンジン自動停止/再始動装置(以下、アイドルストップ装置と呼ぶ)が知られている。
例えば、特許文献1に開示されたアイドルストップ装置は、ピニオンギヤをリングギヤ側へ押し出すためのピニオン押出し手段と、モータの通電電流をオン/オフするモータ通電手段とを備え、そのピニオン押出し手段とモータ通電手段とが独立して個別に作動できるように構成されている。この構成を用いると、エンジンが完全に停止する前の減速期間中に再始動要求が発生した場合でも、回転中のリングギヤにピニオンギヤを押し込んで噛み合わせ、噛み合いが成立した後、モータに通電してエンジンを再始動することが可能である。この方法によれば、エンジンが完全に停止してから再始動を行う場合と比較して、運転者に再始動が遅いと感じさせずに済む。
また、特許文献1に係る公知技術によれば、エンジンの減速期間中に再始動要求が発生しない場合でも、リングギヤの回転数が所定の回転数まで低下した時点で、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせて、モータには通電することなく、エンジンが完全に停止するまで、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせた状態を保持させることも出来る。この場合、次に再始動要求が発生した時に、既にピニオンギヤがリングギヤに噛み合っているため、再始動に要する時間を短縮できる。
特開2005−330813号公報
ところで、アイドルストップ装置を搭載する車両が増加すると、例えば、渋滞中の一般道で多数の車両がエンジン始動を一斉に行う場合が想定され、エンジン始動時に発生するスタータの作動音による道路沿線での騒音問題が懸念される。
スタータの作動音として主たるものは、ピニオンギヤの端面がリングギヤの端面に衝突した時に発生する衝突音と、ピニオンギヤがリングギヤに実際に噛み合った時の歯面間の衝突音、および、ピニオン押出し手段を構成する電磁ソレノイドの作動音(プランジャが鉄心に衝突する時に発生する衝突音)に分けて考えられる。
しかし、上記のように、エンジンの減速期間中にピニオンギヤを回転中のリングギヤに噛み合わせ、モータに通電しない場合は、ピニオンギヤの端面がリングギヤの端面に衝突するのと略同時に電磁ソレノイドのプランジャが鉄心に衝突することにより、両者の衝突に起因する衝撃音が合算して発生する。しかも、この時、モータに通電されないため、モータの駆動に起因する音の発生がなく、結果として、前記の衝撃音のみが大きく目立つことになるため、運転者に不快感を与える要因となっている。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ピニオンギヤとリングギヤとの衝突時に生じる衝撃を緩和することで、エンジン始動時の発生音を低減できるスタータを提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明は、通電により回転力を発生するモータと、
このモータの回転力が伝達されて回転する出力軸と、
この出力軸の外周にヘリカルスプライン嵌合するクラッチと、
このクラッチを介して前記モータの回転力が伝達されるピニオンギヤと、
このピニオンギヤを前記クラッチと一体に軸方向(エンジンのリングギヤ側)に押し出す働きを有するピニオン押出手段と、
前記モータへの通電電流をオン/オフするモータ通電手段と、
前記ピニオン押出手段の作動と前記モータ通電手段の作動を個々に独立して制御すると共に、
前記エンジンが停止する際に、前記エンジンが完全に停止する前の減速期間中に、前記ピニオン押出手段により前記ピニオンギヤを押し出すよう制御されるスタータであって前記クラッチから反モータ方向へ筒状に延びて形成され、その外周に前記ピニオンギヤを相対回転不能に、且つ、軸方向に摺動自在に保持するインナチューブを有し、
前記ピニオンギヤと前記インナチューブには、両者が軸方向に所定の間隔を有して対向するピニオンギヤ側のギヤ側受圧面とインナチューブ側のチューブ側受圧面とが形成され、且つ、前記ギヤ側受圧面と前記チューブ側受圧面との間に緩衝部材が配設され、
前記緩衝部材は、前記エンジンの減速期間中における回転中のリングギヤ端面とピニオンギヤ端面との衝突時に撓み、
緩衝部材は、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合わせる際に前記スタータに外部から作用する振動加速度に対して、前記ピニオンギヤがモータ方向へ動くことを防止できるだけの初期荷重が付与されていることを特徴とする。
本発明のスタータは、エンジンが停止する際に、エンジンが完全に停止する前の減速期間中であっても、ピニオン押出手段の作動によりピニオンギヤを押し出すことで、回転中のリングギヤにピニオンギヤを噛み合わせ、噛み合いが成立した後、モータ通電手段の作動によりモータに通電してエンジンを再始動することが可能である。
また、ピニオン押出手段の作動により、ピニオンギヤがクラッチと一体にエンジンのリングギヤ側へ押し出されて、ピニオンギヤの端面がリングギヤの端面に衝突した時に、その衝突時に生じる衝撃を緩衝部材により緩和することが出来る。これにより、衝撃が出力軸等へ伝達されることを抑制できるので、ピニオンギヤとリングギヤとの衝突によって発生する衝突音が出力軸等へ伝播することが少なくなり、エンジン始動時の発生音を低減できる。
また、緩衝部材は、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせる際にスタータに外部から作用する振動加速度に対して、ピニオンギヤがモータ方向へ動くことを防止できるだけの初期荷重が付与されている。
上記の構成によれば、緩衝部材に付与された初期荷重により、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせる際に、外部振動によってピニオンギヤがモータ方向へ動くことはないので、ピニオンギヤとリングギヤとの噛み合いを確実に行うことができる。
(請求項2の発明)
請求項1に記載したスタータにおいて、初期荷重は、エンジンが完全に停止するまでの減速期間中にピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせる際に前記スタータに外部から作用する振動加速度に対して、ピニオンギヤがモータ方向へ動くことを防止できるだけの初期荷重であることを特徴とするスタータ。
上記の構成によれば、ピニオンギヤを回転中のリングギヤに噛み合わせる際にピニオンギヤがモータ方向へ動くことを防止できるので、ピニオンギヤと回転中のリングギヤとの当接状態が維持され、リングギヤとピニオンギヤが噛み合い可能位置まで回転するので噛み合いが成立する。
スタータの全体図である。 ピニオン移動体の断面図である(実施例1)。 ピニオン押出用ソレノイドとモータ通電用ソレノイドの断面図である。 スタータの電気回路図である。 (a)スタータの作動時に発生する音圧、(b)エンジン回転数、(c)ス タータ電流の各波形図である。 ピニオンプリセット時の音圧を測定した結果である。 ピニオン移動体の断面図である(実施例2)。 ピニオン移動体の断面図である(実施例3)。 ピニオン移動体の断面図である(実施例4)。
本発明を実施するための形態を以下の実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
本実施例のスタータ1は、エンジンの停止および再始動を自動制御するアイドルストップ装置に適用することが出来る。このスタータ1は、図1に示す様に、回転力を発生するモータ2と、このモータ2に駆動されて回転する出力軸3と、この出力軸3の外周上を軸方向に移動可能に設けられたピニオン移動体(後述する)と、シフトレバー4を介してピニオン移動体を反モータ方向(図1の左方向)へ押し出すために作動するピニオン押出用ソレノイド5と、モータ接点(後述する)を開閉するモータ通電用ソレノイド6等より構成される。なお、モータ2の電機子2a(図4参照)と出力軸3との間には、電機子2aの回転を減速して出力軸3に伝達する減速装置(例えば、遊星歯車減速装置)を設けることも出来る。
ピニオン移動体は、以下に説明するクラッチ7とピニオンギヤ8とで構成される。
クラッチ7は、図1に示す様に、出力軸3の外周にヘリカルスプライン嵌合するスプラインバレル7aと、このスプラインバレル7aと一体に設けられるアウタ7bと、このアウタ7bの内周に相対回転自在に配置されるインナ7cと、アウタ7bとインナ7cとの間で回転力の伝達を断続するローラ7d等より構成され、アウタ7bからインナ7cへの一方向のみ回転力を伝達する周知の一方向クラッチとして設けられている。
このクラッチ7は、インナ7cと一体に設けられたインナチューブ9を有し、このインナチューブ9が出力軸3の外周に軸受10を介して相対回転自在に嵌合している。
インナチューブ9は、図2に示す様に、インナ7cから反モータ方向(図示左方向)へ筒状に延びて設けられ、その外周には、軸方向に沿って直スプライン9aが形成されている。また、インナチューブ9のインナ側端部には、直スプライン9aの外径より大きいフランジ部9bが設けられ、このフランジ部9bの軸方向反インナ側(図示左側)の端面が、本発明のチューブ側受圧面9cを形成している。
ピニオンギヤ8は、インナチューブ9の外周に嵌合する嵌合孔を有し、その嵌合孔の内周に直スプライン8a(図2参照)が形成され、この直スプライン8aが、インナチューブ9に形成された直スプライン9aに係合して、インナチューブ9と一体に回転すると共に、インナチューブ9の外周上を軸方向に移動可能に配置されている。ピニオンギヤ8の反クラッチ方向への移動は、図2に示す様に、インナチューブ9の反インナ側の端部に配設されるピニオンストッパ11によって規制されている。
このピニオンギヤ8の内周には、直スプライン8aが形成された嵌合孔の内径より大きい内径を有する大径孔が形成されている。この大径孔は、図2に示す様に、ピニオンギヤ8の軸方向において、嵌合孔よりクラッチ側(図示右側)に形成され、嵌合孔と大径孔との間に段差が設けられている。この段差は、前記チューブ側受圧面9cと軸方向に所定の間隔を有して対向する本発明のギヤ側受圧面8bを形成している。大径孔の内径は、インナチューブ9に設けられるフランジ部9bの外周に摺動可能な大きさに形成されている。
また、ピニオンギヤ8の軸方向長さは、ピニオンストッパ11のピニオン側端面とチューブ側受圧面9cとの間の軸方向距離より若干長く設けられている。つまり、ピニオンギヤ8は、図2に示す様に、軸方向の先端がピニオンストッパ11のピニオン側端面に当接した状態で、ピニオンギヤ8の後端がチューブ側受圧面9cより若干クラッチ側に位置している。
ピニオンギヤ8に形成される大径孔の内周には、本発明の緩衝部材12が配設されている。この緩衝部材12は、例えば、ゴムあるいはゴムと樹脂の複合材であるエラストマーより成る弾性体であり、チューブ側受圧面9cとギヤ側受圧面8bとの間に初期荷重が付与された状態、つまり、弾力を蓄えた状態で挟持されている。この緩衝部材12に付与される初期荷重により、ピニオンギヤ8がピニオンストッパ11に押し付けられている。緩衝部材12に付与される初期荷重としては、スタータ1に外部から作用する振動加速度に対して、ピニオンギヤ8が反ピニオンストッパ方向へ動くことを防止できるだけの大きさ
であることが望ましい。
次に、ピニオン押出用ソレノイド5とモータ通電用ソレノイド6について説明する。
ピニオン押出用ソレノイド5とモータ通電用ソレノイド6は、両者に共通して用いられる固定鉄心13を有し、この固定鉄心13を挟んで軸方向に一体的に構成され、図1に示す様に、モータ2と並列にスタータハウジング14に固定されている。
ピニオン押出用ソレノイド5は、図3に示す様に、固定鉄心13の他に、ソレノイドケース15と、このソレノイドケース15の内部に収容される励磁コイル16と、固定鉄心13に対向して軸心方向に可動するプランジャ17と、このプランジャ17の動きをシフトレバー4に伝達するジョイント18等より構成される。
励磁コイル16は、図4に示す様に、一方の端部がコネクタ端子19に接続され、他方の端部が、例えば、固定鉄心13の表面に溶接等により接続されてアースされている。コネクタ端子19には、始動リレー20に繋がる電気配線が接続される。
始動リレー20は、スタータ1の作動を制御するECU21(電子制御装置)によりオン/オフ制御され、この始動リレー20がオン制御されると、バッテリ22から始動リレー20を通じて励磁コイル16に通電される。
プランジャ17は、励磁コイル16への通電により固定鉄心13が磁化されると、その固定鉄心13との間に配設されるリターンスプリング23の反力に抗して固定鉄心13に吸着される。このプランジャ17は、径方向の中央部に円筒孔を有する略円筒状に設けられている。円筒孔は、プランジャ17の軸方向一端側(図3の左端側)に開口して、軸方向他端側に底面を有している。
ジョイント18は、ドライブスプリング24と共にプランジャ17の円筒孔に挿入されている。このジョイント18は、棒状に設けられ、プランジャ17の円筒孔から突き出る一端側の端部にシフトレバー4の一方の端部が係合する係合溝18aが形成され、他端側の端部にフランジ部18bが設けられている。フランジ部18bは、円筒孔の内周に摺動可能な外径を有し、ドライブスプリング24の荷重を受けて円筒孔の底面に押し付けられている。
ドライブスプリング24は、プランジャ17の移動により、シフトレバー4を介して反モータ方向に押し出されたピニオンギヤ8の軸方向端面がリングギヤ25の軸方向端面に当接した後、プランジャ17が固定鉄心13に吸着されるまで移動する間に圧縮されて、ピニオンギヤ8をリングギヤ25に噛み込ませるための反力を蓄える。
モータ通電用ソレノイド6は、図3に示す様に、固定鉄心13の他に、ソレノイドケース15の開口部側を軸方向に延長してソレノイドケース15と一体に設けられた円筒形状のヨーク26と、このヨーク26の内周に配置される励磁コイル27と、固定鉄心13に対向して軸心方向に可動するプランジャ28と、ヨーク26の開口部を塞いで組み付けられる樹脂製の接点カバー29と、この接点カバー29に固定される2本の端子ボルト30、31と、この2本の端子ボルト30、31を介してモータ回路に接続される一組の固定接点32と、この一組の固定接点32間を電気的に断続する可動接点33等より構成され
る。
励磁コイル27は、図4に示す様に、一方の端部が外部端子34に接続され、他方の端部が、例えば、固定鉄心13の表面に溶接等により接続されてアースされている。外部端子34は、接点カバー29の端面より外部に突き出て設けられ、ECU21に繋がる電気配線が接続される。
励磁コイル27の反固定鉄心側には、磁気回路の一部を形成する円環状の磁性プレート35が配置されている。この磁性プレート35は、コイル側(図示左側)の外周端面が、ヨーク26の内周に設けられる段差に当接してコイル側の位置が規制されている。
プランジャ28は、励磁コイル27への通電により固定鉄心13が磁化されると、その固定鉄心13との間に配設されるリターンスプリング36の反力に抗して固定鉄心13に吸着される。
接点カバー29は、円筒状の脚部29aを有し、この脚部29aがヨーク26の内側に挿入されて、脚部29aの端面が磁性プレート35の表面に当接した状態で配置され、ヨーク26に過締め固定されている。2本の端子ボルト30、31は、バッテリケーブル37(図4参照)が接続されるB端子ボルト30と、モータリード線38(図1参照)が接続されるM端子ボルト31である。
一組の固定接点32は、例えば、2本の端子ボルト30、31と別体に設けられ、接点カバー29の内側で2本の端子ボルト30、31に固定されている。
可動接点33は、一組の固定接点32より反プランジャ側(図示右側)に配置され、プランジャ28に固定された樹脂製のロッド39の端面に接点圧スプリング40の荷重を受けて押し付けられている。但し、接点圧スプリング40の初期荷重よりリターンスプリング36の初期荷重の方が大きく設定されるので、可動接点33は、励磁コイル27が非通電の時に、接点圧スプリング40を押し縮めた状態で接点カバー29の内部座面に着座している。
モータ接点は、一組の固定接点32と可動接点33とで形成され、この可動接点33が一組の固定接点32に当接して、接点圧スプリング40により付勢され、両固定接点32間が導通することでモータ接点が閉状態となり、可動接点33が一組の固定接点32から離れて両固定接点32間の導通が遮断されることによりモータ接点が開状態となる。
次に、スタータ1の作動を説明する。
a)通常のエンジン始動を行う場合「エンジンが完全に停止している状態で、ユーザがイグニッションスイッチ(図示せず)をオン操作してエンジンを始動させる場合」。
イグニッションスイッチのオン操作によって発生するエンジン始動信号を受けてECU21が始動リレー20をオン制御する。これにより、バッテリ22からピニオン押出用ソレノイド5の励磁コイル16に通電され、磁化された固定鉄心13にプランジャ17が吸引されて移動する。このプランジャ17の移動に伴い、シフトレバー4を介してピニオンギヤ8がクラッチ7と一体に反モータ方向へ押し出され、ピニオンギヤ8の端面がリングギヤ25の端面に当接して停止する。
エンジン始動信号の発生から所定時間経過後に、ECU21からモータ通電用ソレノイド6の励磁コイル27に対してオン信号が出力される。これにより、励磁コイル27に通電されてプランジャ28が固定鉄心13に吸着され、可動接点33が一組の固定接点32に当接して接点圧スプリング40に付勢されることでモータ接点が閉成する。その結果、モータ2に通電されて電機子2aに回転力が発生し、その回転力が出力軸3に伝達され、さらに、出力軸3の回転がクラッチ7を介してピニオンギヤ8に伝達される。ピニオンギヤ8がリングギヤ25と噛み合い可能な位置まで回転すると、ドライブスプリング24に蓄えられた反力によってピニオンギヤ8がリングギヤ25に噛み合わされ、ピニオンギヤ8からリングギヤ25に回転力が伝達されてエンジンをクランキングする。
エンジンが始動すると、ECU21から出力されるオフ信号により、ピニオン押出用ソレノイド5の励磁コイル16およびモータ通電用ソレノイド6の励磁コイル27への通電が停止される。その結果、ピニオン押出用ソレノイド5の吸引力が消滅してプランジャ17が押し戻されるため、ピニオンギヤ8がリングギヤ25から離脱して、クラッチ7と一体に出力軸3の外周上を静止位置(図1に示す位置)まで後退して停止する。また、モータ通電用ソレノイド6の吸引力が消滅してプランジャ28が押し戻されることにより、モータ接点が開いてバッテリ22からモータ2への給電が停止され、電機子2aの回転が次
第に減速して停止する。
b)アイドリング状態からアイドルストップが実施された場合、あるいは、ユーザによりイグニッションスイッチがエンジン停止位置に操作された場合。
ECU21からエンジン停止信号が出力されて、エンジンへの燃料噴射および吸気の供給が停止される。これにより、エンジンは停止過程に入り、図5(b)に示す様に、リングギヤ25の回転(図中、エンジン回転数で示される)が降下を開始する。リングギヤ25の回転が予め設定された所定の回転数まで低下すると、ECU21からピニオン押出用ソレノイド5の励磁コイル16に対してオン信号が出力される。その結果、ピニオンギヤ8がクラッチ7と一体に反モータ方向へ押し出され、ピニオンギヤ8の端面がリングギヤ25の端面に当接した後、リングギヤ25がピニオンギヤ8と噛み合い可能な位置まで回
転した時点で、両ギヤ8、24の噛み合いが成立する。
この後、リングギヤ25が回転降下を続けて停止に至り、ピニオンギヤ8は、リングギヤ25に噛み合った状態を維持しながら、リングギヤ25と一緒に回転停止に至る。この間、ピニオン押出用ソレノイド5の励磁コイル16には、図5(c)に示す様に、ピニオンギヤ8とリングギヤ25との噛み合い状態を保持できる程度の保持電流が通電される。
以下、エンジンが停止する過程で、リングギヤ25の回転中にピニオン押出用ソレノイド5を作動させて、ピニオンギヤ8をリングギヤ25に噛み合わせることをピニオンプリセットと呼ぶ。このピニオンプリセットを行う間、モータ通電用ソレノイド6の励磁コイル27には通電されていない。
c)ピニオンプリセット後のエンジン再始動。
次に、エンジンの再始動信号がECU21から出力されると、モータ通電用ソレノイド6の励磁コイル27に通電されて、モータ接点が閉成する。その結果、モータ2に通電されて電機子2aに回転力が発生する。この時、ピニオンギヤ8は、既にリングギヤ25に噛み合っているので、モータ2の回転力がピニオンギヤ8からリングギヤ25に伝達されてエンジンをクランキングする。
(実施例1の効果)
本実施例のスタータ1は、ピニオン押出用ソレノイド5の作動と、モータ通電用ソレノイド6の作動を、ECU21により個々に独立して制御できるので、アイドリング状態からエンジンを停止する際に、ピニオン押出用ソレノイド5のみを作動させて、回転中のリングギヤ25にピニオンギヤ8を噛み合わせ、リングギヤ25の回転が停止した後も、ピニオンギヤ8とリングギヤ25とが噛み合った状態を保持できる。この後、エンジンを再始動する時は、既にピニオンギヤ8がリングギヤ25に噛み合っているので、モータ通電用ソレノイド6を作動させてモータ接点を閉じるだけで良い。すなわち、エンジンの再始
動時にピニオン移動体を押し出す必要はなく、ピニオンギヤ8をリングギヤ25に噛み合わせるまでの時間を短縮できるので、エンジンの再始動を速やかに行うことができる。
ところで、ピニオンプリセットを行う場合、ピニオンギヤ8の端面がリングギヤ25の端面に衝突するのと略同時にピニオン押出用ソレノイド5のプランジャ17が固定鉄心13に衝突するため、両者の衝突に起因する衝撃音が合算して発生する。この衝撃音は、スタータ1の作動時に発生する音圧を測定すると、図5(a)に示される様に、通常のエンジン始動時に発生するスタータ1の作動音より音圧レベルが大きくなっている。しかも、ピニオンプリセットを行う時は、モータ2に通電されないため、モータ2の駆動に起因する音の発生がなく、結果として前記の衝撃音のみが大きく目立つことになる。なお、図5は、(a)スタータ1の作動時に発生する音圧、(b)エンジン回転数、(c)スタータ電流の各波形を示したものであり、同図(a)のA点は、ピニオンプリセットを行った時(リングギヤ25の回転降下中にピニオン押出用ソレノイド5を作動させてピニオンギヤ8をリングギヤ25に噛み合わせた時)に発生する音圧を示している。
これに対し、本実施例のスタータ1は、ピニオン移動体に緩衝部材12が組み込まれている。具体的には、インナチューブ9のフランジ部9bによって形成されるチューブ側受圧面9cと、ピニオンギヤ8の嵌合孔と大径孔との段差によって形成されるギヤ側受圧面8bとの間に、ゴムあるいはエラストマー等の弾性体である緩衝部材12が配設されている。これにより、ピニオンギヤ8の端面がリングギヤ25の端面に衝突した時に、チューブ側受圧面9cとギヤ側受圧面8bとの間で緩衝部材12が撓むことによって衝突時の衝撃が緩和されるため、衝突時の衝撃が出力軸3等へ伝播することによるスタータ1の発生
音を低減できる。
ピニオン移動体に緩衝部材12を組み込んだ本実施例のスタータ1と、緩衝部材12の無い従来のスタータとを用いて、図5(a)に示すA点の音圧を測定した結果を図6に示す。なお、図6の横軸は、ピニオンギヤ8とリングギヤ25との噛合い回転数を示し、縦軸に音圧を示している。図6に示す様に、従来のスタータと比較して、本実施例のスタータ1の方が、ピニオンプリセット時の音圧を低減できる結果が得られた。
上記の様に、本実施例のスタータ1によれば、アイドルストップ後のエンジン再始動時に発生する騒音(スタータ1の発生音)を低減できるので、道路沿線の環境を損なうことなく、ユーザにとって快適なアイドルストップ装置を提供できる。
また、本実施例のピニオン移動体は、ピニオンギヤ8に形成される大径孔の内周に緩衝部材12を配設しているので、緩衝部材12の外周側に本発明の拡がり防止手段を設けることができる。つまり、緩衝部材12の外周側には、図2に示す様に、大径孔を形成するピニオンギヤ8のボス部8cが設けられるため、このボス部8cに拡がり防止手段の機能を持たせることが出来、ピニオン移動体の回転時に緩衝部材12が遠心力によって径方向外側へ拡がることを防止できる。これにより、ピニオン移動体がエンジンのリングギヤ25側へ押し出されて、ピニオンギヤ8の端面がリングギヤ25の端面に衝突した時に、その衝突時に生じる衝撃を緩和する緩衝部材12の働きが低下することはなく、所望の効果を発揮できる。
さらに、本実施例のピニオン移動体は、ギヤ側受圧面8bおよびチューブ側受圧面9cの最大径がピニオンギヤ8の歯底径より小さく、ギヤ側受圧面8bおよびチューブ側受圧面9cの最小径がインナチューブ9の外径より大きく形成されている。この構成によれば、ピニオンギヤ8の歯底径とインナチューブ9の外径との間に緩衝部材12の配置スペースを確保でき、且つ、ピニオンギヤ8の軸方向寸法内に緩衝部材12を配置することが可能であるため、ピニオン移動体が大型化することなく、ピニオン移動体に緩衝部材12を組み込むことができる。
(実施例2)
この実施例2は、図7に示す様に、緩衝部材12に圧縮コイルスプリング41を用いた一例である。この場合、汎用の圧縮コイルスプリング41を使用できるので、コスト低減を図ることができる。
(実施例3)
この実施例3は、図8に示す様に、緩衝部材12にゴムあるいはエラストマー等の弾性体と、圧縮コイルスプリング41とを併用した一例である。
この場合、圧縮コイルスプリング41による衝撃の緩衝効果と、弾性体による衝撃の減衰効果を得ることができ、発生音の低減効果をより高めることができる。
(実施例4)
この実施例4は、ピニオンギヤ8のボス部8cに対して歯の部分の軸方向長さを短くした一例である。
ピニオンギヤ8の歯は、リングギヤ25との噛み合いに必要な軸方向長さを有していれば良いので、図9に示す様に、ボス部8cに対して歯の部分の軸方向長さを短くすることも出来る。一方、ピニオンギヤ8のボス部8cは、歯の部分より軸方向長さを長くすることで、大径孔の外周に緩衝部材12の拡がり防止手段の機能を持たせることができる。
1 スタータ
2 モータ
3 出力軸
5 ピニオン押出用ソレノイド(ピニオン押出手段)
6 モータ通電用ソレノイド(モータ通電手段)
7 クラッチ
7c クラッチのインナ
8 ピニオンギヤ
8b ギヤ側受圧面
8c ピニオンギヤのボス部(拡がり防止手段)
9 インナチューブ
9c チューブ側受圧面
11 ピニオンストッパ
12 緩衝部材
25 リングギヤ

Claims (3)

  1. 通電により回転力を発生するモータと、
    このモータの回転力が伝達されて回転する出力軸と、
    この出力軸の外周にヘリカルスプライン嵌合するクラッチと、
    このクラッチを介して前記モータの回転力が伝達されるピニオンギヤと、
    このピニオンギヤを前記クラッチと一体に軸方向(エンジンのリングギヤ側)に押し出す働きを有するピニオン押出手段と、
    前記モータへの通電電流をオン/オフするモータ通電手段と、
    前記ピニオン押出手段の作動と前記モータ通電手段の作動を個々に独立して制御すると共に、
    前記エンジンが停止する際に、前記エンジンが完全に停止する前の減速期間中に、前記ピニオン押出手段により前記ピニオンギヤを押し出すよう制御されるスタータであって
    前記クラッチから反モータ方向へ筒状に延びて形成され、その外周に前記ピニオンギヤを相対回転不能に、且つ、軸方向に摺動自在に保持するインナチューブを有し
    前記ピニオンギヤと前記インナチューブには、両者が軸方向に所定の間隔を有して対向するピニオンギヤ側のギヤ側受圧面とインナチューブ側のチューブ側受圧面とが形成され、且つ、前記ギヤ側受圧面と前記チューブ側受圧面との間に緩衝部材が配設され、
    前記緩衝部材は、前記エンジンの減速期間中における回転中のリングギヤ端面とピニオンギヤ端面との衝突時に撓み、
    緩衝部材は、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合わせる際に前記スタータに外部から作用する振動加速度に対して、前記ピニオンギヤがモータ方向へ動くことを防止できるだけの初期荷重が付与されていることを特徴とするスタータ。
  2. 請求項1に記載したスタータにおいて、前記初期荷重は、前記エンジンが完全に停止するまでの減速期間中にピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせる際に前記スタータに外部から作用する振動加速度に対して、前記ピニオンギヤが前記モータ方向へ動くことを防止できるだけの初期荷重であることを特徴とするスタータ。
  3. 請求項1に記載したスタータにおいて、前記初期荷重は、前記リングギヤが完全に停止するまでの減速期間中にピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせる際に前記ピニオンギヤに作用する振動加速度に対して、前記ピニオンギヤが前記モータ方向へ動くことを防止できるだけの初期荷重であることを特徴とするスタータ。
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