JP5845162B2 - 自動車のルーフ構造及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、自動車のルーフ構造及びその製造方法に関する。
従来、自動車のルーフ構造としては、車体の左右側面の上部に一対のルーフサイドレール(側面部材)を延設し、この一対のルーフサイドレールでルーフパネル(ルーフ部材)の左右両端部を支持する構造が一般的である。
例えば、特許文献1には、一対のルーフサイドレールの車内側の側面にフランジを形成するとともに、ルーフパネルの左右端部にもクランク状のフランジを形成し、ルーフパネルを湾曲させた状態で一対のルーフサイドレールの間に挿入した後に、ルーフパネルを元の形状に復元させて、ルーフサイドレールのフランジの上にルーフパネルのフランジを接着剤で固定する構造が開示されている。
特開2003−291742号公報
しかし、前記した特許文献1に記載の構造では、ルーフサイドレールとルーフパネルを接着する接着剤が硬化する前に、例えば車体を塗装用のプールに沈降させると、ルーフパネルに浮力が作用して、ルーフパネルが位置ずれしたり外れてしまうおそれがある。一方、この対策として、車体を塗装用のプールに沈降させる前に接着剤を硬化させた場合、塗装後の乾燥炉で車体を加熱したときに、ルーフサイドレールとルーフパネルの熱膨張及び熱収縮の差によって両者の間に歪みが生じ、ルーフサイドレールやルーフパネルが波打つように変形するおそれがある。この問題は、例えば金属製のルーフサイドレールに樹脂製のルーフパネルを接着する場合や鉄製の部材とアルミニウム製の部材とを接着する場合等、両者の材質が異なる場合により顕著である。
本発明は、これらの問題に鑑みて成されたものであり、接着剤の硬化前であってもルーフパネルの浮き上がりを抑制可能な自動車のルーフ構造及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る自動車のルーフ構造は、車体の両側面をそれぞれ構成する一対の側面部材と、前記一対の側面部材の間に配置され、車幅方向の両側部にフランジ部を有するルーフ部材と、を備え、前記側面部材は、前記フランジ部が載置される載置部と、前記載置部の車外側から上方に立ち上がる外壁部と、を有し、前記フランジ部は、前記載置部に接着剤で接着されており、前記外壁部は、前記フランジ部に当接して前記ルーフ部材の上側への移動を規制する規制部を備え、前記ルーフ部材は、前記フランジ部の車外側の端部から車外側に突出する突出部を有し、前記規制部は、前記外壁部に設けられ、前記突出部が差し込まれる差込孔であることを特徴とする。
このような構成によれば、フランジ部は、前記載置部に接着剤で接着されており、外壁部は、フランジ部に当接してルーフ部材の上側への移動を規制する規制部を備えているので、接着剤が硬化していない状態でも、フランジ部の上側への移動を規制することができる。そのため、例えば接着剤の硬化前に、車体を塗装用のプールに沈降させることができる上に、塗装を乾燥させるために車体を加熱した場合でも、側面部材とルーフ部材の熱変形に追従して接着剤が変形するので、両者の波打ち変形を抑制することができる。
さらに、このような構成によれば、前記ルーフ部材に上方へ向かう荷重(例えば浮力等)が作用した場合に、突出部が差込孔に係止されるので、ルーフ部材の上側への移動を確実に規制することができる。
また、前記規制部は、未硬化状態の前記接着剤の変形能力の範囲内で、前記フランジ部が前記載置部に対して上側に移動するのを許容するように設けられている構成とするのが好ましい。
このような構成によれば、例えばルーフ部材に上方へ向かう荷重(例えば浮力等)が作用した場合に、フランジ部と載置部との距離が接着剤の変形能力の範囲を超えて開くことがないので、フランジ部と載置部の間の接着剤が不連続となる(分離する)のを防止することができる。また、規制部に適度な遊びを持たせることができるので、側面部材へのルーフ部材の組み付け性が向上する。
また、前記外壁部は、前記載置部側の基部が前記フランジ部の車外側の端部よりも車外側に位置するとともに、前記基部よりも上側の部位が前記フランジ部の車外側の端部よりも車内側に位置する構成とするのが好ましい。
このような構成によれば、前記外壁部は、前記載置部側の基部が前記フランジ部の車外側の端部よりも車外側に位置するとともに、前記基部よりも上側の部位が前記フランジ部の車外側の端部よりも車内側に位置するので、載置部とフランジ部の重畳面積を十分に確保しながら、側面部材とルーフ部材の隙間を小さくすることができる。そのため、側面部材とルーフ部材の境界部分の連続性が高まり、見栄え(意匠性)が向上する。また、側面部材とルーフ部材の隙間に化粧部材(モール)を設置する場合でも、化粧部材(モール)の幅を小さくして材料コストの低減を図ることができると共に、化粧部材を目立たなくすることができる。
また、前記ルーフ部材は、前記フランジ部の車内側から立ち上がる内壁部を有し、前記外壁部と前記内壁部の上端側同士の隙間は、前記フランジ部の幅寸法よりも小さく、前記隙間に沿って透明又は半透明のモールが設置されている構成とするのが好ましい。
このような構成によれば、透明又は半透明のモールを用いるので、色彩的な連続性を維持することができると共に、モールの幅寸法を小さくできるので、透明又は半透明の材料を用いた場合でも材料コストを低減することができる。
また、本発明に係る自動車のルーフ構造の製造方法は、前記載置部に熱硬化性接着を塗布する接着剤塗布工程と、前記ルーフ部材を湾曲させた状態で、前記一対の側面部材の間に配置するルーフ部材配置工程と、湾曲させた前記ルーフ部材を元の状態に復元することで、前記フランジ部を前記載置部上に載置するルーフ部材復元工程と、前記規制部によって前記ルーフ部材の上側への移動を規制しながら、前記一対の側面部材及び前記ルーフ部材を塗装槽に沈降させて塗装する塗装工程と、前記一対の側面部材及び前記ルーフ部材を加熱して、塗装の焼き付けと前記熱硬化性接着剤の硬化を同時に行う焼付・接着工程と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、載置部とフランジ部の間の接着剤がまだ硬化していない状態で、一対の側面部材及びルーフ部材を塗装槽に沈降させて塗装したときに、ルーフ部材に浮力が作用しても、規制部によってルーフ部材の上側への移動が規制されるので、側面部材とルーフ部材の位置ずれを防止することができる。また、塗装の焼き付けと同時に接着剤を硬化させることができるので、製造工程の短縮及び簡略化を図ることができる。
また、本発明に係る自動車のルーフ構造の製造方法では、前記ルーフ部材は、前記フランジ部の車外側の端部から車外側に突出する突出部を有し、前記規制部は、前記外壁部に設けられ、前記突出部が差し込まれる差込孔であり、前記ルーフ部材復元工程において、湾曲させた前記ルーフ部材を元の状態に復元するとともに前記突出部を前記差込孔に差し込む構成とするのが好ましい。
このような構成によれば、塗装工程等における側面部材とルーフ部材の位置ずれを確実に抑制することができる。
本発明によれば、接着剤の硬化前であってもルーフパネルの浮き上がりを抑制可能な自動車のルーフ構造及びその製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る自動車のルーフ構造を備える車体の斜視図である。 図1のII−II矢視におけるルーフ構造の断面図である。 アウタパネルとルーフ部材の拡大斜視図である。 自動車のルーフ構造の製造方法の説明図であり、(a)は接着剤塗布工程、(b)はルーフ部材配置工程、をそれぞれ示している。 自動車のルーフ構造の製造方法の説明図であり、(a)はルーフ部材復元工程、(b)はローラ転圧工程、をそれぞれ示している。 自動車のルーフ構造の製造方法の説明図であり、(a)は塗装工程、(b)はシーラ塗布工程、をそれぞれ示している。 自動車のルーフ構造の製造方法の説明図であり、(a)は焼付・接着工程、(b)はモール設置工程、をそれぞれ示している。
本発明の実施形態について、図1乃至図7を参照して詳細に説明する。説明において同一の要素には同一の符号を付し重複する説明は省略する。説明において、方向を示すときは、自動車の運転手からみた前後左右上下を基準として説明する。ここで、左右方向と車幅方向は同義である。
図1は、本実施形態に係る自動車のルーフ構造を備えた車体の斜視図である。図2は、図1のII−II矢視におけるルーフ構造の断面図である。
図1に示すように、自動車の車体1は、車体1の両側面を構成する一対の側面部材2と、一対の側面部材2の間に配置されたルーフ部材5と、を有している。
側面部材2は、ルーフサイドレール3と、ルーフサイドレール3の前端に連続するフロントピラー21と、ルーフサイドレール3の後端に連続するリアピラー22と、ルーフサイドレール3の中央部に連続するセンタピラー23と、各ピラー21,22,23の下端部に連結されたサイドシル24と、を有している。また、側面部材2は、2つのドア開口部25を有している。図2に示すように、側面部材2は、車外側のアウタパネル4と、車内側のインナパネル31と、アウタパネル4とインナパネル31との間に配置されたスチフナ32と、の3部材を組み合わせて構成されている。側面部材2の詳細な構造については、ルーフサイドレール3を例にとって後に詳しく説明する。
ルーフ部材5は、いわゆるルーフパネルであり、自動車の車室の屋根部分の意匠面(外面)を構成する平面視で略長方形状の樹脂製の薄板状部材である。ルーフ部材5は、自動車の外形形状に沿って、中央部が上向きに凸となるように前後方向及び左右方向に緩やかに湾曲している。ルーフ部材5は、車幅方向の両側部に横フランジ部53(図2参照)を有している。ルーフ部材5の詳細な構造については後述する。
図2に示すように、側面部材2とルーフ部材5の境界部分には、車両前後方向に沿って凹溝6が延設されている。この凹溝6によって、側面部材2とルーフ部材5の間に隙間が形成されている。この凹溝6の底部にはシーラ7が塗布されており、凹溝6の上部にはモール8が設置されている。さらに、本実施形態では、側面部材2とルーフ部材5(より詳しくは、後記する上フランジ部41と横フランジ部53)は、互いに接着剤9で接着固定されている。
図2、図3に示すように、側面部材2の一部であるルーフサイドレール3は、車両前後方向に延設された長尺の中空部材であり、車外側のアウタパネル4と、車内側のインナパネル31と、アウタパネル4とインナパネル31との間に配置されたスチフナ32と、の3部材を組み合わせて構成されている。
アウタパネル4は、金属製の薄板状部材を所定形状に折り曲げて成形した部材である。アウタパネル4は、断面視で、略水平に延在する上フランジ部41と、上フランジ部41の車外側の端部から上方に立ち上がる外壁部42と、外壁部42の上端部42cから車外側下方に向かって斜めに延出する外面部43と、外面部43の下端部から車内側下方に斜めに延出するドア開口縁部44と、ドア開口縁部44の下端部に連続する下フランジ部45と、を有している。
上フランジ部41は、インナパネル31の上フランジ部31a及びスチフナ32の上フランジ部32aにスポット溶接で接合される部位である。上フランジ部41の上面は、ルーフ部材5の横フランジ部53が載置される載置部41aを構成している。上フランジ部41の車内側の側端部には、上向きに折れ曲がる折曲部41bが設けられている。これにより、ルーフ部材5の横フランジ部51の車内側への移動が抑制されるとともに、上フランジ部41の上に塗布された接着剤9の流出が抑制される。
外壁部42は、凹溝6の車外側の側面を構成する部位である。外壁部42の基部42aは、上フランジ部41の車外側の端部に連続している。また、基部42aは、後記するルーフ部材5の横フランジ部53の車外側の端部53aよりも車外側に位置している。さらに、基部42aには、横フランジ部53の端部53aに設けられた突出部54を差し込むための差込孔42bが貫通形成されている。差込孔42bは、前後方向に所定間隔を隔てて複数設けられている。本実施形態では、差込孔42bが、横フランジ部53の上側への移動を規制する規制部を構成している。
また、外壁部42は、基部42aよりも上端部42cの方が車内側に位置するように傾斜している。さらに、外壁部42は、上下方向の中間部に、車内側に突出する突条部42dを有している。その結果、外壁部42は、基部42aよりも上側の部位の少なくとも一部が、後記するルーフ部材5の横フランジ部53の端部53aよりも車内側に位置する構造となっている。これにより、載置部41aと横フランジ部53の重畳面積を確保しつつ、車幅方向において凹溝6の上側の隙間を小さくすることができる。
外面部43は、ルーフサイドレール3の意匠面を構成する部位であり、断面視で略円弧状に形成されている。
ドア開口縁部44は、ドア開口部25の縁部を構成する部位であり、断面視でクランク形状に形成されている。
下フランジ部45は、インナパネル31及びスチフナ32の下フランジ部31b,32bにスポット溶接で接合される部位である。
図2、図3に示すように、ルーフ部材5は、自動車の屋根の外面を構成するルーフ本体51と、ルーフ本体51の車幅方向の両端部から立ち下がる一対の内壁部52と、各内壁部52の下端から車外側に延出する一対の横フランジ部53と、各横フランジ部53の車外側の端部53aに突設された複数の突出部54と、を主に有している。
ルーフ本体51は、自動車の屋根の意匠面を構成する部位であり、平面視で略長方形状に形成されている。また、ルーフ本体51は、上方に凸となるように緩やかに湾曲している。
内壁部52は、凹溝6の車内側の側面を構成する部位であり、横フランジ部53の車内側の端部から上方に立ち上がるように設けられている。内壁部52の基部52aは、横フランジ部53の車内側の端部に連続している。また、内壁部52は、基部52aよりも上端部52bの方が車外側に位置するように傾斜している。さらに、内壁部52は、外壁部42の突条部42dの上側の角部42eに対向する位置に、段部52cを有している。この突条部42dの上側の角部42eと段部52cとの間に、モール8が係止されている。
なお、凹溝6の間隔は、突条部42dの上側の角部42eと段部52cとの間隔L1が最も狭く、外壁部42の上端部42cと内壁部52の上端部52bとの間隔L2が次に狭く、外壁部42の基部42aと内壁部52の基部52aとの間隔L3(すなわち横フランジ部53の幅寸法)が最も広くなっている。これにより、載置部41aと横フランジ部53の重畳面積を確保しつつ、凹溝6の上側の隙間(間隔L2)を小さくすることができる。
横フランジ部53は、凹溝6の底部を構成する部位である。横フランジ部53は、アウタパネル4の上フランジ部41の載置部41aに載置されており、載置部41aに対して接着固定されている。
突出部54は、外壁部42の差込孔42bに差し込まれる部位である。突出部54は、差込孔42bに対応する位置に、車両前後方向に互いに間隔を空けて複数設けられている。突出部54は、平面視で略台形状に形成されており、差込孔42bに差し込み易いように基端側に比べて先端側が幅狭になっている。
接着剤9は、アウタパネル4とルーフ部材5とを固定する機能を有している。本実施形態では、接着剤9は、熱硬化性接着剤で構成されている。接着剤9は、硬化する前の状態で、液体状の塗料P(図6(a)参照)を貯留する塗装槽(図示省略)に浸しても流出しない程度の粘性を有している。また、接着剤9は、液体状の塗料Pに対して不溶性又は難溶性の性質であるのが好ましい。
ここで、図2に示すように、差込孔42bの上下方向の寸法H1は、突出部54の上下方向の寸法H2よりも大きく形成されており、未硬化状態の接着剤9の変形能力の範囲内で、載置部41aに対して横フランジ部53が上側に移動するのを許容している。ここで、「未硬化状態の接着剤9の変形能力の範囲内」とは、載置部41aに対して横フランジ部53が上側に移動したときに、両者の間に粘着している未硬化状態の接着剤9がその伸びの限界を超えて分離してしまうほどの距離よりも小さい範囲、である。この範囲は、未硬化状態の接着剤9の粘性、塗布量、塗布幅、塗布厚等によって定量的に定まる値であり、事前実験等で求めることができる。
シーラ7は、凹溝6の底部に塗布される防水材であり、アウタパネル4とルーフ部材5との接合部から(特に差込孔42bから)雨水などが浸入するのを防止するためのものである。
モール8は、凹溝6の上部に設置される化粧部材である。本実施形態では、モール8は、透明又は半透明の可撓性を有する樹脂材料で構成されている。これにより、モール8の色がアウタパネル4及びルーフ部材5の色と同化して目立たなくなり、意匠性が向上する。
本実施形態に係る自動車のルーフ構造は、基本的に以上のように構成されるものであり、次に、自動車のルーフ構造の製造方法について、図4乃至図7(適宜図1乃至図3)を参照して詳細に説明する。
<接着剤塗布工程>
初めに、図4(a)に示すように、上フランジ部41の上面である載置面41aに、ノズル91から未硬化状態の熱硬化性の接着剤9を吐出して、載置面41a上に熱硬化性の接着剤9を塗布する。
<ルーフ部材配置工程>
次に、図4(b)に示すように、ルーフ部材5のルーフ本体51を通常の状態(設置後の状態)よりも湾曲させた上で、左右のルーフサイドレール3の間にルーフ部材5を配置する。つまり、ルーフ本体51を湾曲させることにより、横フランジ部53が車内側(矢印F方向)に移動するので、左右のルーフサイドレール3同士の間隔がルーフ部材5の幅寸法より小さくても、左右のルーフサイドレール3の間にルーフ部材5を配置することができる。
<ルーフ部材復元工程>
次に、図5(a)に示すように、ルーフ部材5のルーフ本体51の湾曲状態を通常の状態に戻すことにより、横フランジ部53を載置部41aの上に載置すると同時に、突出部54を差込孔42bに差し込む。このとき、差込孔42bの上下方向の寸法H1は、突出部54の上下方向の寸法H2よりも大きいので、差込孔42bに突出部54を容易に差し込むことができる。なお、横フランジ部53と載置部41aの間に介在する接着剤9はまだ硬化していない。
<ローラ転圧工程>
次に、図5(b)に示すように、外壁部42と内壁部52の間に(すなわち凹溝6に)、ローラRを挿入して凹溝6に沿ってローラRを転動することで、横フランジ部53を載置部41aに向かって転圧する。これにより、横フランジ部53と載置部41aの間で接着剤9が一様に押し広げられるので、硬化後の接着不良を抑制することができる。
<塗装工程>
次に、図6(a)に示すように、液体状の塗料Pを貯留した塗装槽(図示省略)の中に側面部材2及びルーフ部材5を含む車体1全体(図1参照)を沈降させて、車体1の表面に塗料を付着させる。このとき、ルーフ本体51の裏面に空気等が残留することでルーフ部材5に浮力Bが作用し、ルーフ部材5が上側に移動しようとすることがあるが、突出部54が差込孔42bに差し込まれているので、ルーフ部材5の上側への移動が規制される。そのため、接着剤9が硬化していない状態でも、横フランジ部53が載置部41aから離れ過ぎることがない。また、上フランジ部41の車内側に折曲部41bが設けられているので、接着剤9の流出が抑制される。
また、差込孔42bの上下方向の寸法H1は、突出部54の上下方向の寸法H2よりも大きいので、ルーフ部材5は、その差分(H1−H2)だけ上方に移動可能であるが、差分(H1−H2)は、未硬化状態の接着剤9の変形能力の範囲内の大きさであるので、ルーフ部材5の上方への移動によって接着剤9が分離することがない。そのため、載置部41aと横フランジ部53との間に異物(例えば塗料P等)が混入することがなく、接着強度を確保することができる。
<シーラ塗布工程>
次に、図6(b)に示すように、凹溝6にノズル71を挿入して、横フランジ部53の上にシーラ7を塗布する。これにより、差込孔42b等からの漏水を抑制することができる。
<焼付・接着工程>
次に、図7(a)に示すように、側面部材2及びルーフ部材5を含む車体1全体(図1参照)を、ヒータ(図示省略)で120℃〜180℃程度に加熱して、車体1の表面に付着した塗料P(図6(a)参照)の焼付処理を行う。また、これと同時に、熱硬化性の接着剤9を加熱して、接着剤9の硬化処理を行う。つまり、塗装の焼き付けと同時に上フランジ部41と横フランジ部53の接着(すなわち側面部材2とルーフ部材5の接着)を行うことができ、製造工程の短縮及び簡略化を図ることができる。
<モール設置工程>
次に、図7(b)に示すように、外壁部42の突条部42dの上側の角部42eと内壁部52の段部52cとの間に、透明又は半透明のモール8を設置する。これにより、自動車のルーフ構造が完成する。このとき、凹溝6の上端部の間隔L2は、凹溝6の底部の間隔L3よりも小さいので、上フランジ部41と横フランジ部53との接着面積を確保しつつ、ルーフサイドレール3とルーフ部材5の隙間を小さくできるので、意匠性が向上する。
以上のように、本実施形態に係る自動車のルーフ構造によれば、横フランジ部53は、載置部41aに接着剤9で接着されており、外壁部42は、横フランジ部53の突出部54に当接してルーフ部材5の上側への移動を規制する差込孔42b(規制部)を備えているので、接着剤9が硬化していない状態でも、横フランジ部53の上側への移動を規制することができる。そのため、例えば接着剤9の硬化前に、車体1を塗装用のプールに沈降させることができる上に、塗装を乾燥させるために車体1を加熱した場合でも、側面部材2とルーフ部材5の熱変形に追従して接着剤9が変形するので、両者の波打ち変形を抑制することができる。
また、外壁部42が、突出部54に当接してルーフ部材5の上側への移動を規制する差込孔42b(規制部)を備えるので、塗装工程やその他の工程において、側面部材2とルーフ部材5の位置ずれ(特にルーフ部材5の浮き上がり)を抑制することができる。そのため、例えば、両者の固定に接着剤9を用いる場合に、接着剤9が硬化するまでの間に両者の位置ずれが抑制されるので、接着剤9の利用が容易になる。なお、差込孔42b及び突出部54によれば、上下方向の移動のみならず、前後方向の移動も規制することができる。
また、横フランジ部53は、載置部41aに接着剤9で接着されており、差込孔42bは、未硬化状態の接着剤9の変形能力の範囲内で、製造時に横フランジ部53が載置部41aに対して上側に移動するのを許容するように設けられているので、例えばルーフ部材5に上方へ向かう荷重(例えば浮力B等)が作用した場合に、横フランジ部53と載置部41aとの距離が接着剤9の変形能力の範囲を超えて開くことがない。そのため、横フランジ部53と載置部41aの間の接着剤9が不連続となる(分離する)のを防止することができる。また、差込孔42bに適度な遊びを持たせることができるので、側面部材2へのルーフ部材5の組み付け性が向上する。
また、モール8は、透明又は半透明の材料で構成されているので、色彩的な連続性を維持することができる。また、凹溝6の上端部の間隔L2が小さいので、モール8の幅寸法を小さくして、透明又は半透明の材料を用いた場合でも材料コストを低減することができる。
また、本実施形態に係る自動車のルーフ構造の製造方法によれば、載置部41aと横フランジ部53の間の接着剤9がまだ硬化していない状態で、一対の側面部材2及びルーフ部材5を含む車体1全体を塗装槽に沈降させて塗装したときに、ルーフ部材5に浮力Bが作用しても、差込孔42bによってルーフ部材5の(より詳しくは突出部54の)上側への移動が規制されるので、側面部材2とルーフ部材5の位置ずれを防止することができる。また、塗装の焼き付けと同時に接着剤9を硬化させることができるので、製造工程の短縮及び簡略化を図ることができる。
また、側面部材2とルーフ部材5を接着剤9で接着するので、凹溝6に溶接器具を挿入する必要がない。そのため、横フランジ部53の車外側の端部53aよりも車内側に外壁部42が位置するように外壁部42を傾斜させて、凹溝6の上端部の間隔L2を小さくすることができる。よって、凹溝6を埋めるモール8を小さくすることができ、材料コストを削減できるとともに、凹溝6を目立たなくして意匠性を向上することができる。また、モール8を透明又は半透明にすると、モール8を通してボディの色が見えるため、モール8を着色しなくても側面部材2とルーフ部材5の色彩的な連続性を確保することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、金属製の側面部材2と樹脂製のルーフ部材5を接着剤9で接着したが、本発明はこれに限定されるものではなく、両者とも金属製であってもよい。この場合でも、規制部によって、ルーフ部材5の浮き上がりを防止することができる。
また、本実施形態では、ルーフ部材5の上側への移動を規制する規制部を、突出部54を差し込む差込孔42bで構成したが、本実施形態ではこれに限定されるものではない。例えば、外壁部42の突条部42dの下側の角部で、横フランジ部53の上側への移動を規制するようにしてもよい。また、外壁部42自体を車内側に大きく傾斜させることで規制部を構成してもよい。この場合、突出部54を省略することができる。
また、本実施形態では、透明又は半透明のモール8を用いたが、塗料Pと同色のモール8を用いた場合でも、凹溝6の間隔L2が小さいので、意匠面の連続性を向上させることができるとともに、材料コストの低減を図ることができる。
また、本実施形態では、塗料Pの焼き付けと同時に、接着剤9を加熱して硬化させることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、適切な硬化時間に調整された接着剤9を用いてもよい。これによれば、接着剤9を塗布した載置部41aにルーフ部材5の横フランジ部53を設置した後、所定時間が経過すれば接着剤9が硬化して両者が接着するので、例えば、乾燥工程が終了したあとに接着剤9が硬化するように接着剤9の硬化時間を設定すれば、熱硬化性接着剤以外の接着剤を利用することができる。
また、本実施形態では、図3に示すように、折曲部41bは車体前後方向に連続的に繋がって設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ルーフ部材5の車体横方向の位置を規制できればよい。例えば、差込孔42bの加工性向上のために、差込孔42bに対向する部分には、折曲部41bを設けないようにしてもよい。
1 車体
2 側面部材
3 ルーフサイドレール
4 アウタパネル
41 上フランジ部
41a 載置部
42 外壁部
42b 差込孔(規制部)
5 ルーフ部材
51 ルーフ本体
52 内壁部
53 横フランジ部(フランジ部)
53a 端部
54 突出部
6 凹溝
7 シーラ
8 モール
9 接着剤

Claims (6)

  1. 車体の両側面をそれぞれ構成する一対の側面部材と、
    前記一対の側面部材の間に配置され、車幅方向の両側部にフランジ部を有するルーフ部材と、を備え、
    前記側面部材は、前記フランジ部が載置される載置部と、前記載置部の車外側から上方に立ち上がる外壁部と、を有し、
    前記フランジ部は、前記載置部に接着剤で接着されており、
    前記外壁部は、前記フランジ部に当接して前記ルーフ部材の上側への移動を規制する規制部を備え
    前記ルーフ部材は、前記フランジ部の車外側の端部から車外側に突出する突出部を有し、
    前記規制部は、前記外壁部に設けられ、前記突出部が差し込まれる差込孔である
    ことを特徴とする自動車のルーフ構造。
  2. 前記規制部は、未硬化状態の前記接着剤の変形能力の範囲内で、前記フランジ部が前記載置部に対して上側に移動するのを許容するように設けられていることを特徴とする請求項に記載の自動車のルーフ構造。
  3. 前記外壁部は、前記載置部側の基部が前記フランジ部の車外側の端部よりも車外側に位置するとともに、前記基部よりも上側の部位が前記フランジ部の車外側の端部よりも車内側に位置することを特徴とする請求項に記載の自動車のルーフ構造。
  4. 前記ルーフ部材は、前記フランジ部の車内側から立ち上がる内壁部を有し、
    前記外壁部と前記内壁部の上端側同士の隙間は、前記フランジ部の幅寸法よりも小さく、
    前記隙間に沿って透明又は半透明のモールが設置されていることを特徴とする請求項に記載の自動車のルーフ構造。
  5. 請求項1に記載の自動車のルーフ構造の製造方法であって、
    前記載置部に熱硬化性接着を塗布する接着剤塗布工程と、
    前記ルーフ部材を湾曲させた状態で、前記一対の側面部材の間に配置するルーフ部材配置工程と、
    湾曲させた前記ルーフ部材を元の状態に復元することで、前記フランジ部を前記載置部上に載置するルーフ部材復元工程と、
    前記規制部によって前記ルーフ部材の上側への移動を規制しながら、前記一対の側面部材及び前記ルーフ部材を塗装槽に沈降させて塗装する塗装工程と、
    前記一対の側面部材及び前記ルーフ部材を加熱して、塗装の焼き付けと前記熱硬化性接着剤の硬化を同時に行う焼付・接着工程と、
    を備えることを特徴とする自動車のルーフ構造の製造方法。
  6. 請求項に記載の自動車のルーフ構造の製造方法であって、
    前記ルーフ部材は、前記フランジ部の車外側の端部から車外側に突出する突出部を有し、
    前記規制部は、前記外壁部に設けられ、前記突出部が差し込まれる差込孔であり、
    前記ルーフ部材復元工程において、湾曲させた前記ルーフ部材を元の状態に復元するとともに前記突出部を前記差込孔に差し込むことを特徴とする自動車のルーフ構造の製造方法。
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