JP5844857B2 - キャビテーションの防止方法 - Google Patents

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Description

本発明は、キャビテーションの防止方法に関するもので、より詳細には、流体を積載する間に発生するキャビテーションを防止できるキャビテーションの防止方法に関するものである。
一般に、原油（Ｃｒｕｄｅ Ｏｉｌ）は生産地で採掘されて原油タンカーに積載された後、目的地まで長距離にわたって輸送される。
従来の原油タンカーでは陸上の原油貯蔵タンクから原油タンカーの原油貯蔵タンクに原油を積載する間に、多量の揮発性有機化合物（Ｖｏｌａｔｉｌｅ Ｏｒｇａｎｉｃ Ｃｏｍｐｏｕｎｄｓ；ＶＯＣ）が発生した。
陸上の原油貯蔵タンクから原油タンカーの原油貯蔵タンクへ原油を供給するために原油タンカーの上部、すなわち、原油タンカーの原油貯蔵タンクの上部には一端が陸上の原油貯蔵タンクに連結される供給パイプが水平に設置されており、陸上の原油貯蔵タンクから供給パイプを通して供給される原油を原油タンカーの原油貯蔵タンク内へ積載するために供給パイプの底面には原油タンカーの原油貯蔵タンクを垂直に貫通して原油タンカーの原油貯蔵タンクの下部まで繋がる積載パイプが垂直下方に連結されており、積載パイプを通して原油タンカーの原油貯蔵タンク内へ積載される原油を原油タンカーの原油貯蔵タンク内に分配するために積載パイプの下端には分配パイプが設置されている。
水平の供給パイプから水平に供給される原油が垂直の積載パイプに接する部分、すなわち、積載パイプの上端部分から突然垂直に落下するようになって原油の流速が増加して誘発される過度な圧力降下によって、積載パイプの上端部分には流体のキャビテーション（ｆｌｏｗ ｃａｖｉｔａｔｉｏｎ）が発生するようになる。すなわち、積載パイプ内で流体の静圧が該流体の蒸気圧より小さい場合はキャビテーションが発生し、飽和圧力より小さい場合は流体蒸発が発生するため、原油が蒸発して揮発性有機化合物が発生するようになる。
このように発生された揮発性有機化合物は大気に放出されるか、再び陸上の原油貯蔵タンクへ送られた。
揮発性有機化合物が大気に放出されるとオゾン層の破壊などの深刻な環境問題を引き起こす。また、揮発性有機化合物が再び陸上の原油貯蔵タンクへ送られた場合も揮発性有機化合物を処理するための施設や費用が求められる。
したがって、本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためのものであり、積載パイプの上端部分にキャビテーションが形成されることを防止するように構成されたキャビテーションの防止方法を提供することをその目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明のキャビテーションの防止方法は、貯蔵タンクの上板部よりも上方に水平に設置される供給パイプと、前記供給パイプの底面に垂直下方に連結され前記貯蔵タンクの上板部を垂直に貫通して前記貯蔵タンクの下部まで繋がる積載パイプとを通して前記貯蔵タンク内へ流体を供給して積載するが、前記積載パイプの下端部分内に設置された圧力制御手段によって、前記圧力制御手段が設置された位置から離れた前記積載パイプの他の位置で測定された圧力に基づいて前記積載パイプ内の圧力を制御して流体の蒸気圧以上に維持させて、前記積載パイプ内でのキャビテーションを防止する。
前記圧力制御手段を通過した流体は、前記積載パイプの下端に水平に連結された分配パイプを通して前記貯蔵タンク内へ供給されることが好ましい。
また、前記積載パイプの上端部分で測定された圧力に基づいて前記積載パイプ内の圧力を制御することが好ましい。
上述したように、本発明によれば、積載パイプの下端部分で積載パイプ内の圧力を制御して流体の蒸気圧以上に維持させるので、水平の供給パイプから水平に供給される流体が垂直の積載パイプに接する部分、すなわち、積載パイプの上端部分から突然垂直に落下するようになって流体の流速が増加しても、積載パイプの上端部分でキャビテーションが発生しなくなるので、すなわち、積載パイプ内で流体の静圧がその流体の蒸気圧より大きくなるとキャビテーションが発生しなくなる効果がある。
本発明の実施形態によるキャビテーションの防止方法の概略的な説明図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
図１は、本発明の実施形態によるキャビテーションの防止方法を概略的に示す説明図である。
図１に示すように、原油タンカーの上部、すなわち、原油タンカーの原油貯蔵タンク１の上板部１ａの上方には供給パイプ２が水平に設置されている。供給パイプ２はその一端が陸上の原油貯蔵タンクに連結されて陸上の原油貯蔵タンクから原油が原油タンカーへ供給される。
また、供給パイプ２の底面には積載パイプ３が垂直下方に連結されている。積載パイプ３は原油タンカーの原油貯蔵タンク１の上板部１ａを垂直に貫通して原油タンカーの原油貯蔵タンク１の下部まで繋がって陸上の原油貯蔵タンクから供給パイプ２を通して供給される原油を原油タンカーの原油貯蔵タンク１内へ積載する。
また、積載パイプ３の下端には分配パイプ４が設置されている。分配パイプ４は積載パイプ３を通して原油タンカーの原油貯蔵タンク１内へ積載される原油を原油タンカーの原油貯蔵タンク１内に分配し、分配パイプ４には分配バルブ５が設置されている。
また、積載パイプ３の下端部分内には圧力制御バルブ６が設置されている。圧力制御バルブ６はキャビテーション防止バルブ（ａｎｔｉ-ｃａｖｉｔａｔｉｏｎ ｖａｌｖｅ)であるのが好ましい。キャビテーション防止バルブは通常リリーフバルブとチェックバルブの組み合わせからなるものであり、バルブ関連の技術分野で公知の技術であるので、本明細書ではこれに対してこれ以上詳細には説明しないことにする。
圧力制御バルブ６には積載パイプ３の上端部分の圧力を測定する圧力伝達器７が連結されている。圧力制御バルブ６は圧力伝達器７により伝達された積載パイプ３の上端部分の圧力に基づいて積載パイプ３内の圧力を制御して原油の蒸気圧以上に維持させる。
本発明では積載パイプ３の下端部分で積載パイプ３内の圧力を制御して原油の蒸気圧以上に維持させるので、水平の供給パイプ２から水平に供給される原油が垂直の積載パイプ３に接する部分、すなわち、積載パイプ３の上端部分から突然垂直に落下するようになって原油の流速が増加しても、積載パイプ３の上端部分でキャビテーションが発生しなくなる。すなわち、積載パイプ３内で流体の静圧が該流体の蒸気圧より大きくなるとキャビテーションが発生しなくなるので、積載パイプ３の上端部分で原油が蒸発しなくなり揮発性有機化合物が発生しなくなる。
以上、本発明を特定の実施形態を中心に説明したが、本発明の趣旨及び添付された特許請求の範囲内での様々な変形、変更又は修正が、本発明の属する技術分野ではあり得る。したがって、上述した説明及び図面は本発明の技術思想を限定するものでなく、本発明を例示するものとして解釈されるべきである。

Claims (3)

  1. 貯蔵タンクの上板部よりも上方に水平に設置される供給パイプと、前記供給パイプの底面に垂直下方に連結され前記貯蔵タンクの上板部を垂直に貫通して前記貯蔵タンクの下部まで繋がる積載パイプとを通して前記貯蔵タンク内へ流体を供給して積載するが、前記積載パイプの下端部分内に設置された圧力制御手段によって、前記圧力制御手段が設置された位置から離れた前記積載パイプの他の位置で測定された圧力に基づいて前記積載パイプ内の圧力を制御して流体の蒸気圧以上に維持させて、前記積載パイプ内でのキャビテーションを防止することを特徴とするキャビテーションの防止方法。
  2. 前記圧力制御手段を通過した流体は、前記積載パイプの下端に水平に連結された分配パイプを通して前記貯蔵タンク内へ供給されることを特徴とする請求項１記載のキャビテーションの防止方法。
  3. 前記積載パイプの上端部分で測定された圧力に基づいて前記積載パイプ内の圧力を制御することを特徴とする請求項１記載のキャビテーションの防止方法。
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