JP5844695B2 - 車両用内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関及び車両駆動系を備えた車両に於ける車両用内燃機関の制御装置に関し、特に与えられた目標トルクに対して好適な加速応答特性が得られるように改良された車両用内燃機関の制御装置に関する。
アクセルペダルの踏み込み時や、フューエルカット復帰時におけるエンジンクランク端トルクの急激な変化によって、エンジン、トランスミッション、ドライブシャフト及びタイヤを含む車両の駆動系にねじり振動が発生することが原因となり、車両前後加速度の振動(車両揺り返し)が発生する場合がある。それを防止するために、通常は、アクセルペダル等により与えられる目標エンジントルクに1次ローパスフィルタを適用する制御(なまし制御)や所定時間当たりの目標エンジントルクの増分を制限する制御(Δ量のリミット制御)を行っている。
その結果、車両前後加速度の振動を回避するものの、車両の加速性能が損なわれ、車両の印象が害されるという問題がある。
特許文献1には、車両のエンジンの出力トルクを設定する目標トルク相関値に対して、予測される振動成分をフィードバック補正することにより、アクセルペダル踏込時の振動の発生を抑制する技術が開示されている。また、特許文献1は、従来技術として、車両駆動系のモデルの伝達関数の逆関数をなす補償器を用いてスロットル開度を制御したり、スロットル開度を2段階に分けて増大させるようにし、同様の結果を得る手法についても言及している。しかしながら、目標トルク相関値と実トルク値との間にはかなりの誤差が発生することが予想され、必ずしも適正な制御が実現可能であるかに疑問がある。
特許文献2には、車両振動が発生しないよう補正を実施したトルク(T0)に対し、吸気マニホールド圧Pmとエンジン回転数Nからトルクマップに基づき求めた予測トルク(Te)との偏差を点火時期で補正する手法が開示されている。しかしながら、実際の吸気マニホールド圧(Pm)とエンジン回転数(N)を用いて予測トルク(Te)を算出しているため、センサ誤差等の影響により、必ずしも予測トルクが実トルクを正確に表しておらず、やはり上記と同様の問題がある。また、出力トルクの調整が点火時期の調整により実施されるものであるため、十分な応答性が得られない惧れがある。
このような車両の振動的な加速特性を精密に制御するためには、アクセルペダルに対する車両の加速応答を正確に予測或いは推定する必要がある。一般に、スロットル開度からエンジンの吸気量を推定し、推定された吸気量からエンジンの出力トルクを算出することができる。しかしながら、スロットルバルブの個体差や、その経年変化のために、アクセルペダルに対する車両の加速応答を精度良く制御することは困難である。
また、エンジンの吸気系にエアーフローセンサを設け、エンジンの実吸気量を求め、それに基づいてエンジンの加速特性を制御することが考えられるが、エアーフローセンサの応答特性はかなりの時間遅れ及び無駄時間を伴い、エアーフローセンサの出力に基づいてエンジンの加速特性をリアルタイムで制御することは現実的でない。特許文献3には、エアーフローセンサにより検出された基本吸入空気量を、諸吸気パラメータに基づいて補正することにより、実吸入空気量を算出する吸気パラメータ算出装置が開示されている。
特開平2004−068702号公報 特開平2005−054645号公報 WO2011/132464 A1
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明の主な目的は、目標トルクを急激に増大させた場合でも、円滑に加速し得るような車両用内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、内燃機関の出力トルクを正確に調整し、車両駆動系の振動を好適に抑制し得るような車両用内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、エンジンのスロットル或いは他の吸気系要素に於ける個体差及び又は経年変化に際しても、与えられた目標トルクに対する内燃機関の出力トルクを正確に推定し、車両駆動系の振動を好適に抑制し得るような車両用内燃機関の制御装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、内燃機関及び車両駆動系を備えた車両に於ける車両用内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関の目標トルクを設定する目標トルク設定部と、前記目標トルクを補正目標トルクに補正する目標トルク補正部と、前記補正目標トルクに応じた出力トルク前記内燃機関により発生するべく前記内燃機関に付設された出力トルク調整部とを有し、前記目標トルク補正部が、前記内燃機関の応答遅れを表現する第1のフィルタ処理部及び前記車両駆動系の振動を抑制する第2のフィルタ処理部を含むことを特徴とする車両用内燃機関の制御装置を提供する。
このような車両用内燃機関の制御装置によれば、車体の振動を効果的に抑え、かつ、加速性能を損なわない目標トルクを設定することが可能となる。
特に、前記出力トルク調整部がスロットルをなし、前記スロットルの開度に基づいて、スロットル通過空気量を演算するスロットルモデル、スロットル通過空気量からシリンダ吸入空気量を演算する吸気系モデル及びシリンダ吸入空気量からエンジン発生トルクを演算するエンジントルクモデルを用いて、予測トルクを演算する予測トルク算出部と、前記補正目標トルクと前記予測トルクとの間の偏差に基づいて、当該偏差を解消するように前記内燃機関の点火時期を調整する点火時期調整部とを有するものとのすると良い。
それによって、車体の振動をより効果的に抑えることが可能となる。
本発明の好適実施例によれば、前記第1のフィルタ処理部が、前記車両駆動系のギヤ比又は変速段に応じて定められる2次遅れ系伝達関数の逆関数をなし、前記第2のフィルタ処理部が、2次遅れ系伝達関数をなす。
それによって、正確な目標トルク設定が可能となり、しかも大量のデータ或いは計算量を要することがない。
スロットル開度は、スロットルセンサを用いて検出することができるが、前記目標トルク設定部の出力に対して設定されている目標スロットル開度とスロットルモデルとを用いることにより実スロットル開度を推定することもできる。
それによって、スロットルセンサを不要としたり、スロットルセンサに至るワイヤリングを不要とすることができる。
本発明のある側面によれば、本発明の制御装置は、エアフローメータと、前記スロットルモデルの出力に基づいて前記エアフローメータの出力を算出するエアフローメータモデルと、前記エアフローメータの出力及び前記エアフローメータモデルの出力に基づいて、前記スロットルモデルの出力を補正して実スロットル通過空気量を推定するスロットル通過空気量補正手段とを更に有する。
それによって、スロットルの個体差や経年変化に関わらず、常に正確な内燃機関の出力トルクの制御が可能となる。
特に、前記スロットル通過空気量補正手段が、出力に適用されるべき一次遅れ要素を有するものとすることにより、滑らかな制御作用を実現することができる。
前記スロットル通過空気量補正手段が、前記エアフローメータの出力及び前記エアフローメータモデルの出力に基づいて、所定のタイミングで、前記スロットルモデルを更新することにより、スロットル通過空気量の補正を、長期的に行うと同時に短期的に行うことが可能となり、常に正確な内燃機関の出力トルクの制御が可能となる。
このように本発明によれば、目標トルクを急激に増大させた場合でも、円滑に車両を加速することができ、しかも内燃機関の出力トルクを正確に調整し、車両駆動系の振動を好適に抑制することができる。
本発明に於ける車両駆動系のモデルを示す模式図 本発明に於けるフィルタ処理を示すダイヤグラム図 本発明に基づく車両用内燃機関の制御装置の機能的ブロック図 図3に示したスロットルモデルの詳細を示す機能的ブロック図 図4に示した第1誤差補正値算出部の詳細を示す機能的ブロック図 図4に示した第2誤差補正値算出部の詳細を示す機能的ブロック図 目標トルクからスロットル開度を推定するための構成を示す機能的ブロック図 本発明及び従来技術に於ける車両の加速応答を比較するグラフ
以下、図面を参照して、本発明に係る車両用内燃機関の制御装置の実施形態について詳細に説明する。
車両駆動系は、図1に示すようなモデルにより表現することができ、以下のような運動方程式を立てることができる。

Figure 0005844695

ここで用いられている文字の意味は以下の通りである。
IE[kgm2]: エンジン系慣性モーメント
θk[rad]: エンジン回転角
IB[kgm2]: 車体系慣性モーメント
θB[rad]: 車体側回転角
TE[Nm]: エンジントルク
KD[Nm/rad]: ドライブシャフト剛性
CE[Nm/(rad/s)]: エンジン回転系減衰係数
CD[Nm/(rad/s)]: ドライブシャフト減衰係数
CT[Nm/(rad/s)]: 車輪(タイヤ)減衰係数
i: 最終段までの減速比
これらの運動方程式の係数は、公知の同定手法により求めることができる。この運動方程式により、エンジントルクTから車両加速度dθ /dtまでの伝達特性を次のように求めることができる。

Figure 0005844695

更に、以下の3つのパラメータをギヤ比又は各変速段で同定する。
K :振幅ゲイン
ωn:固有振動数
ζ:減衰係数
ドライブバイワイヤ車両に於いて、エンジンに対する要求トルク即ち目標トルクは、スロットル踏込量により設定される。上記したように、車両駆動系は比較的減衰力を伴わないばねマス系をなすため、従来の車両に於いては、スロットルを比較的急激に踏み込むと、図8の細線により示すように、車両の加速応答がオーバーシュートを伴い、振動的になる場合がある。このような問題を回避するために、アクセルペダルスロットル間に一次遅れ特性を持たせることが知られているが、図8の破線により示すように、車両の加速性能を犠牲にすることとなり、満足できる問題の解決方法とは言えない。
図2は、本発明に於けるフィルタ処理を示している。図2の中央に示されている、目標トルクに対する車両の加速度の伝達関数の周波数応答特性グラフに示されるように、車両駆動系は4.6Hz近傍にピークゲインを有しており、これが振動的な車両の加速応答の原因となっている。そこで、アクセルペダルスロットル間に適切なフィルタを配して、矢印Aにより示されるように周波数応答特性のピーク部分をフラットにし、振動的な応答を抑制し、矢印Bにより示されるように、高周波域の応答特性を改善することにより、迅速な応答特性を実現する。このような、広い帯域に渡って周波数応答特性を極力フラットにすることにより、振動的な車両の加速応答を回避し、しかも高い応答特性を実現することができる。
図3は、このような考慮の下に構成された車両用内燃機関の制御装置を表している。この車両は、内燃機関Eにより駆動され、内燃機関Eの出力は、同内燃機関Eに付設されたスロットル1の開度を変更することにより調節される。本実施例では、スロットル1は、開度センサ3を備えている。また、スロットル1の上流側には、スロットル1を通過する吸入空気量を測定するエアフローメータ2が設けられている。
アクセルペダル4には、該アクセルペダルの踏み込み量を検出するペダルセンサ4aが設けられており、ペダルセンサ4aの出力に応じて、スロットル1の開度が設定される。本実施例では、ペダルセンサ4aとスロットル1との間に第1のフィルタ5及び第2のフィルタ6が直列に配置されている。
第1のフィルタ5の伝達関数は、W(s)=1/(Ts+1)により与えられる。これは、吸気系に於ける充填遅れをモデル化した1次ローパスフィルタをなしている。第2のフィルタ6の伝達関数は、エンジントルクTから車両加速度dθ /dtまでの2次遅れ系をなす伝達特性の逆関数即ちG−1(s)=s+2ζωns+ωn により与えられる。ペダルセンサ4aの出力は、このようなフィルタを適用された後に、補正目標トルクとして、スロットル1に伝送される。
一方、スロットル1の開度センサ3の出力から内燃機関Eの予測トルクを求める。そのために、スロットル1の開度センサ3の出力は、先ずスロットルモデル7に送られる。スロットルモデル7では、エアフローメータ2により得られる通過空気量に基づいて、実通過空気量を補正する。
図4は、スロットルモデル7の詳細を示す。エアフローメータ2の出力は、スロットル上流空気圧P、スロットル下流空気圧P及び通過空気温度Tと共に通過空気量推定部21に入力される。通過空気量推定部21は、スロットル1のモデルのベースをなすものであって良い。即ち、標準的な条件化で、標準的な生産モデルに適用されるべきベーススロットルモデルをなすものであって良い。また、スロットル上流空気圧Pは、エアフィルタ等の圧損を無視し、大気圧からなるものと単純化することができる。
通過空気量推定部21の出力は、エアフローメータ2の出力と共に、第1誤差補正値算出部22に送られる。図5に示すように、第1誤差補正値算出部22は、通過空気量推定部21の出力を受けるエアフローメータモデル31と、エアフローメータモデル31の出力を、エアフローメータ2の出力により除する除算器32と、除算器32により得られた係数に対して適用される1次遅れ要素33とを有し、1次遅れ要素33の出力としてロングターム補正係数が得られる。
エアフローメータモデル31の伝達関数は、以下のように表現されるように、無駄時間Tn及び時定数Tdの1次遅れを組み合わせたものからなる。

Figure 0005844695

このようにして得られたロングターム補正係数は、スロットル1の経年変化のような長期的な目標トルクに対する通過空気量の応答特性の変化を補償するためのものである。
第1誤差補正値算出部22は、ロングターム補正係数が長期にわたって所定値を超えた状態である場合には、通過空気量推定部21のパラメータを更新し、ロングターム補正係数が1に近い値に留まるようにする。即ち、通過空気量推定部21は、作動中の学習により適宜更新され、スロットル1の経年変化に関わらず常に比較的正確な通過空気量の推定ができるようになっている。
通過空気量推定部21の出力は、エアフローメータ2の出力と共に、第2誤差補正値算出部24にも送られる。図6に示すように、第2誤差補正値算出部24は、通過空気量推定部21の出力を受けるエアフローメータモデル34と、エアフローメータモデル34の出力を、エアフローメータ2の出力により除する除算器35と、除算器35により得られた係数に対して適用される1次遅れ要素36とを有し、1次遅れ要素36の出力としてショートターム補正係数が得られる。
この場合、エアフローメータ2の出力が脈動している場合又はスロットル1の上下流間の圧力比が所定の上限値に達した場合には、1次遅れ要素36の時定数を0とし、ショートターム補正を実質的に行わない。
エアフローメータモデル34は、第1誤差補正値算出部22のエアフローメータモデル31と同様のものであって良い。このようにして得られたショートターム補正係数は、吸気温度や大気圧の変化のような短期的な目標トルクに対する通過空気量の応答特性の変化を補償するためのものである。特に、本実施例の場合、ショートターム補正係数は、第1誤差補正値算出部22により更新された通過空気量推定部21の出力に対して適用される。このような補正により、センサ誤差やハードウェアのばらつきに起因する予測トルクと実トルクとのズレを効果的に最小化することができる。
本実施例に於いては、開度センサ3を用いてスロットル1の開度を検出しているが、ペダルセンサ4aの出力に対して設定されている目標スロットル開度とスロットルモデル7とを用いて、スロットル1の開度を推定することもできる。
図7は、そのようにしてスロットル1の開度を推定するための構成を示している。アクセルペダルにより与えられる目標トルクは、車両逆モデル41に入力される。車両逆モデル41には、ブレーキによるトルク損失や変速段等の関連するデータも入力される。車両逆モデル41から得られる要求燃焼トルクは、エンジン逆モデル42に入力される。エンジン逆モデル42には、トルク変換係数や点火効率等の関連するデータも入力される。エンジン逆モデル42から得られる要求吸入空気量は、吸入系逆モデル43に入力される。吸入系逆モデル43には、エンジンの回転数Ne及びスロットル下流空気圧P等の関連するデータも入力される。吸入系逆モデル43から得られる要求スロットル通過空気量はスロットル逆モデル44に入力される。スロットル逆モデル44には、スロットル上流空気圧P、スロットル下流空気圧P及び通過空気温度T等の関連するデータも入力される。最終的に、スロットル逆モデル44から推定スロットル開度が出力される。
再び、図3を参照することにより理解されるように、スロットルモデル7の出力は、吸気系モデル8に送られ、吸気系に於ける吸気の慣性、吸気抵抗などによる吸気に対する影響が考慮される。更に、吸気系モデル8の出力は、エンジントルクモデル9に送られ、与えられた吸気流量に対するエンジントルクとして予測トルクを生成する。
減算器10に於いて、第2のフィルタ6の出力(補正目標トルク)に対して、予測トルクを減算する。予測トルクと補正目標トルクとの間の偏差は、点火時期調整部(点火時期制御部)11に送られる。点火時期調整部11に於いては、点火時期コントローラ12が、前記偏差に応じた点火時期変更量(遅角量)を算出し、これを、減算器13に於いて、点火時期調整部11により与えられる基本点火時期から減算する。その結果得られた実点火時期が、エンジン1に適用され、同時にエンジントルクモデル9に於いても反映される。このようにすることにより、補正目標トルクが、エンジンの実態或いは、モデル、センサ等の誤差に関わらず、想定通りの効果を生じさせるようにすることができる。
上記した点火時期の変更は、予測トルクが、補正目標トルクよりも、実トルクに比較的正確に追随していると考えられ、予測トルクと補正目標トルクとの間の偏差が解消するように、実トルクを変更(低減)することにより、振動的な車両の加速応答を好適に抑制し得るようにするためである。
このようにして、アクセルペダルの踏み込みに対する車両の加速応答を、図8の太線により示されるように、迅速かつ安定したものとすることが可能となる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱することなく様々に変更可能である。
1 内燃機関
2 スロットル
3 開度センサ
4 アクセルペダル
4a ペダルセンサ
5 第1のフィルタ
6 第2のフィルタ
7 スロットルモデル(エンジンモデル)
8 吸気系モデル(エンジンモデル)
9 エンジントルクモデル(エンジンモデル)
11 点火時期調整部

Claims (7)

  1. 内燃機関及び車両駆動系を備えた車両に於ける車両用内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の目標トルクを設定する目標トルク設定部と、
    前記目標トルクを補正目標トルクに補正する目標トルク補正部と、
    前記補正目標トルクに応じた出力トルク前記内燃機関により発生するべく前記内燃機関に付設された出力トルク調整部とを有し、
    前記目標トルク補正部が、前記内燃機関の応答遅れを表現する第1のフィルタ処理部及び前記車両駆動系の振動を抑制する第2のフィルタ処理部を含み、
    前記出力トルク調整部がスロットルをなし、
    更に、前記スロットルの開度に基づいて、スロットル通過空気量を演算するスロットルモデル、スロットル通過空気量からシリンダ吸入空気量を演算する吸気系モデル及びシリンダ吸入空気量からエンジン発生トルクを演算するエンジントルクモデルを用いて、予測トルクを演算する予測トルク算出部と、
    前記補正目標トルクと前記予測トルクとの間の偏差に基づいて、当該偏差を解消するように前記内燃機関の点火時期を調整する点火時期調整部とを有することを特徴とする車両用内燃機関の制御装置。
  2. 前記第1のフィルタ処理部が、吸気系に於ける充填遅れをモデル化した1次ローパスフィルタをなす伝達関数によるものであることを特徴とする請求項1に記載の車両用内燃機関の制御装置。
  3. 前記第のフィルタ処理部が、前記車両駆動系のギヤ比又は変速段に応じて定められる2次遅れ系伝達関数の逆関数をなすことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用内燃機関の制御装置。
  4. 前記目標トルクから要求燃焼トルクを得る車両逆モデルと、前記要求燃焼トルクから要求吸入空気量を得るエンジン逆モデルと、前記要求吸入空気量から要求スロットル通過空気量を得る吸入系逆モデルと、前記要求スロットル通過空気量から推定スロットル開度を得るスロットル逆モデルとを用いて、前記スロットルの開度を推定することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の車両用内燃機関の制御装置。
  5. エアフローメータと、
    前記スロットルモデルの出力に基づいて前記エアフローメータの出力を算出するエアフローメータモデルと、
    前記エアフローメータの出力及び前記エアフローメータモデルの出力に基づいて、前記スロットルモデルの出力を補正して実スロットル通過空気量を推定するスロットル通過空気量補正手段とを更に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用内燃機関の制御装置。
  6. 前記スロットル通過空気量補正手段が、出力に適用されるべき一次遅れ要素を有することを特徴とする請求項に記載の車両用内燃機関の制御装置。
  7. 前記スロットル通過空気量補正手段が、前記エアフローメータの出力及び前記エアフローメータモデルの出力に基づいて、所定のタイミングで、前記スロットルモデルを更新することを特徴とする請求項5または6に記載の車両用内燃機関の制御装置。
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