以下、本発明を実施するための第1実施形態と第2実施形態、および、これらの実施形態の様々な変形例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、全ての図面を通じて、同一ないし相当する構成要素には同じ参照番号を付し、以下の具体的な説明では、このような構成要素の重複的説明を省略する場合がある。
また、以下の具体的な説明は、本発明の「計量装置」の特徴を例示しているに過ぎない。よって、本発明は、以下の第1実施形態および第2実施形態に限定されない。
例えば、本発明の「前記被計量物のランク範囲を定める境界重量と、前記被計量物のランク判定での目標組合せと、を入力する手段」の具体例として、以下の第1実施形態では、計量装置100の「操作器16」を例示しているが、本発明の「・・・を、入力する手段」は、これに限らない。上記境界重量および目標組合せは、「操作器16」によるキー入力に代えて、「マイクロホン22B」による音声で入力してもよい。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の計量装置の一構成例を模式的に示す外観図である。また、図2は、同計量装置の内部の一構成例を示すブロック図である。
本実施形態の減算式の計量装置100(例えば、デジタル台秤)は、所定のサイズや重量とされた被計量物(図示せず;例えば、茄子等の食料品)を袋等に詰めるための商品の計量作業に用いられる。
よって、図1に示すように、計量装置100は、複数の被計量物が入っているコンテナ12が載せられた計量台10と、操作設定表示器30と、を備える。
計量台10は、例えば、ロードセルなどの計量センサ14(検出器;図2参照)によって支えられている。このため、計量台10に載せられ、被計量物が入っているコンテナ12の重量が、計量センサ14によって計量される。
計量装置100の操作設定表示器30内には、図2に示すように、制御器17および、制御器17に接続されたメモリ23が格納されている。制御器17は、単独の制御器で構成されてもよいし、複数の制御器で構成されてもよい。
なお、制御器17は、例えば、CPUやMPU等によって構成されている。メモリ23は、例えば、RAMやROM等によって構成されている。
制御器17は、計量センサ14からのアナログ電気信号を、増幅器(図示せず)およびA/D(アナログ/デジタル)変換器15を介して、デジタル電気信号として受け取る。これにより、制御器17は、計量台10上に載せられた、被計量物が入っているコンテナ12の重量(計量センサ14の計量値)を取得できる。
その結果、制御器17は、被計量物が計量装置100のコンテナ12から取り出される前後の計量センサ14の計量値の差分に基づいて、計量装置100のコンテナ12から取り出された被計量物の重量(風袋引きの重量)を演算でき、この被計量物の重量をメモリ23に記憶できる。
図1に示すように、計量装置100の操作設定表示器30の前面には表示器11(例えば、液晶表示パネル)が配され、表示器11の表示画面上に、計量装置100のコンテナ12から取り出された被計量物の重量が、逐次、デジタル表示される。
また、図1および図2に示すように、操作設定表示器30の前面に設けられた操作器16を用いて、作業者の操作による入力信号が制御器17に入力され、これにより、入力データが制御器17によってメモリ23に記憶されるが、このような入力データの詳細は後述する。
また、図1に示すように、計量装置100の操作設定表示器30の側面にスピーカ20が設けられている。
これにより、図2に示す如く、制御器17は、スピーカ20を用いて、音声合成部18(例えば、音声合成ソフトや音声合成IC等)からの音声情報を作業者に出力できる。
また、図1に示すように、計量装置100の操作設定表示器30の側面に、マイク付きヘッドホン22を接続可能な外部入出力端子21(例えば、USBコネクタ)が設けられている。なお、マイク付きヘッドホン22のヘッドホン22Aは、上記スピーカ20の代替機能の役割を果たす。
これにより、図2に示す如く、制御器17は、ヘッドホン22Aを用いて、音声合成部18(例えば、音声合成ソフトや音声合成IC等)からの音声情報を作業者に出力できる。一方、作業者は、マイクロホン22Bを用いて、音声認識部19(例えば、音声認識ソフトや音声認識IC等)からの音声情報を制御器17に送信できる。
以上のスピーカ20やマイク付きヘッドホン22の使用により、作業者は、被計量物のランク判定作業時に、表示情報の目視確認を行わずにすむ。つまり、このような音声情報は、表示器11や操作器16等を用いた表示情報に比べて作業効率の向上の点で有利な効果を奏する。特に、マイク付きヘッドホン22の使用により、周りの雑音を気にせずに被計量物のランク判定作業に専念できるので作業環境改善の点でも都合がよい。
なお、図1に示すように、本実施形態の計量装置100では、計量台10の四隅に水平調整脚24が配置され、これにより、計量台10を容易に水平に調整でき、計量台10上のコンテナ12の重量を正確に計量できる。
次に、本実施形態の計量装置100による被計量物の計量動作に必要な準備作業について、図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明の第1実施形態の計量装置による被計量物の計量動作に必要な準備作業の一例を示した図である。図3では、被計量物(ここでは、茄子)を袋詰めする際の、計量装置100による被計量物のランク判定の準備作業(操作器16を用いて作業者によって行われる各種のデータ入力)が示されている。
まず、準備作業301では、被計量物の上限重量WU、下限重量WDおよび被計量物のランク範囲を定める境界重量Wa、Wb、Wc、Wdが入力される。すると、制御器17は、これらの値を取得し、メモリ23に記憶する。
なお、ここでは、被計量物の上限重量WU、下限重量WD、および、境界重量Wa、Wb、Wc、Wdも風袋引きの重量とする。
以下、代表的な被計量物として茄子を選び、被計量物のランク範囲を定める境界重量Wa、Wb、Wc、Wdについて例説する。なお、ここでは、茄子を、「ランク外(小)」、「Sサイズ」、「Mサイズ」、「Lサイズ」、「ランク外(大)」の5段階のランクに選別すると仮定する。
まず、境界重量Wa、Wb(但し、Wb>Wa)が、「Sサイズ」の茄子の範囲を定める重量であるとする。すると、計量装置100のコンテナ12から取り出された茄子の重量が、境界重量Wa以上、かつ、境界重量Wb未満あれば、当該茄子は、「Sサイズ」にランク判定される。
また、境界重量Wb、Wc(但し、Wc>Wb)が、「Mサイズ」の茄子の範囲を定める重量であるとする。すると、計量装置100のコンテナ12から取り出された茄子の重量が、境界重量Wb以上、かつ、境界重量Wc未満あれば、当該茄子は、「Mサイズ」にランク判定される。
また、境界重量Wc、Wd(但し、Wd>Wc)が、「Lサイズ」の茄子の範囲を定める重量であるとする、すると、計量装置100のコンテナ12から取り出された茄子の重量が、境界重量Wc以上、境界重量Wd未満あれば、当該茄子は、「Lサイズ」にランク判定される。
なお、茄子の下限重量WDは、「ランク外(小)」の設定に用いる値と同じであってもよく、この下限重量WDは、上記境界重量Waと同じにしてもよい(WD=Wa)。つまり、計量装置100のコンテナ12から取り出された茄子の重量が、下限重量WD(=Wa)未満の場合、当該茄子は、「ランク外(小)」のサイズにランク判定される。
また、茄子の上限重量WUは、「ランク外(大)」の設定に用いる値と同じであってもよく、この上限重量WUは、上記境界重量Wdと同じにしてもよい(WU=Wd)。つまり、計量装置100のコンテナ12から取り出された茄子の重量が、上限重量WU(=Wd)以上の場合、当該茄子は、「ランク外(大)」のサイズにランク判定される。
このように、本実施形態では、被計量物の重量が、境界重量Wa以上、かつ、境界重量Wd未満である場合、当該被計量物は、「ランク内」のサイズであるとし、被計量物の重量が、境界重量Wa未満、または、境界重量Wd以上である場合、当該被計量物は、「ランク外」のサイズであるとしている。
次いで、準備作業302では、操作器16を用いて、被計量物の袋詰めする場合の一袋あたりの被計量物の目標個数が入力される。すると、制御器17は、この目標個数を取得し、メモリ23に記憶する。例えば、茄子を一袋あたり3本袋詰めする場合には、上記目標個数は、「3」となる。
次いで、準備作業303では、被計量物のランク判別での目標組合せが入力される。すると、制御器17は、被計量物のランク判定での目標組合せを取得し、メモリ23に記憶する。
なお、茄子3本袋詰めのランク判定での目標組合せとして、「Mサイズ3本入り茄子」、「S、M、Lサイズ各1本入り茄子」等の茄子の目標サイズを基準とする組合せの他、「300g3本入り茄子」等の茄子の目標重量(300g)を基準とする組合せを例示することができる。このように、本実施形態の計量装置100では、被計量物のランク判定での目標組合せにおいて、被計量物の定量容器詰めの組合せも意図されている。
次いで、コンテナ12に複数の被計量物が全投入される(準備作業304)。
その後、計量装置100の操作器16のスタートキーがオン(ON)される(準備作業305)。
以上により、本実施形態の計量装置100による被計量物の計量動作に必要な準備作業が終了する。
すると、制御器17は、計量センサ14によって計量台10に載せられ、複数の被計量物が入っているコンテナ12の重量が計量され、このコンテナ12の重量を計量装置100の計量値Wmとして読み込み、この計量値Wmをメモリ23に記憶させる。
次に、本実施形態の計量装置100による被計量物の計量動作について図面を参照しながら説明する。
図4は、本発明の第1実施形態の計量装置による被計量物の計量動作の一例を示したフローチャートである。
但し、本実施形態の計量装置100では、作業者が被計量物を1個ずつ、計量装置100のコンテナ12から取り出すものとする。なお、図4の各動作フローでは、予期せぬ不都合が生じた場合、操作器16のリセットキーをオン(ON)することにより、計量装置100による被計量物の計量動作を強制的に終了してもよい(詳細は省略する)。
図4の各動作フローは、予めプログラムされていて、制御器17に接続されたメモリ23に記憶されている。
そして、制御器17からの指令に基づいて、メモリ23に記憶された上記プログラムおよび入力データ(図3参照)が、適時に、制御器17に読み出され、このプログラムに基づき、制御器17が、以下の計量装置100による被計量物の計量動作を計量装置100の各部を制御しながら遂行する。
なお、本実施形態の計量装置100では、被計量物のランク判定時において、以下の計量装置100による被計量物の計量動作が、所定時間毎に行われるように制御されている。つまり、計量装置100による被計量物の計量動作が終了(エンド)したら、上記所定時間の経過の後、自動的にステップS401の動作が再開(スタート)する。
まず、制御器17は、計量センサ14の計量値が安定しているか否かを判定する(ステップS401)。
計量センサ14の計量値が安定していない場合(ステップS401において「No」の場合)、計量センサ14の出力が、何等かの要因(例えば、コンテナ12から被計量物が取り出された直後)により変動していると考えられる。よって、この場合、制御器17は、計量センサ14の計量値を読み込まずに、被計量物の計量の処理中フラグFをオン(ON)に設定し(ステップS402)、計量装置100による被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
一方、計量センサ14の計量値が安定している場合(ステップS401において「Yes」の場合)、制御器17は、次のステップS403において、処理中フラグFがオンに設定されているか否かを判定する。
このとき、処理中フラグFがオンでない場合(ステップS403において「No」の場合)、計量センサ14の出力は一定のまま継続していると考えられる。この場合、制御器17は、何等の処理も行わずに、計量装置100による被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
処理中フラグFがオンの場合(ステップS403において「Yes」の場合)、計量センサ14の出力が一旦、変動した後、計量センサ14の出力が安定化したと考えられる。この場合、制御器17は、処理中フラグFをオフ(OFF)に設定し(ステップS404)、計量センサ14からの計量値Wkを読み込み(ステップS405)、この計量値Wkをメモリ23に記憶させる。
次いで、制御器17は、計量センサ14の計量値Wmと計量値Wkとの間の差分(以下、「計量差分値(Wm−Wk)」という)がゼロか否かを判定する(ステップS406)。
計量差分値(Wm−Wk)がゼロの場合(ステップS406において「Yes」の場合)、計量装置100のコンテナ12から被計量物が取り出されなかったと考えられる。例えば、作業者が、単に被計量物を触ることにより、計量センサ14の出力が変動した場合、ステップS406において、計量差分値(Wm−Wk)はゼロとなる。この場合、制御器17は、何等の処理も行わずに、計量装置100による被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
計量差分値(Wm−Wk)がゼロでない場合(ステップS406において「No」の場合)、計量装置100のコンテナ12から被計量物が取り出されたと考えられる。つまり、計量差分値(Wm−Wk)は、計量装置100のコンテナ12からの被計量物の取り出し前後における計量センサ14の計量値の差分であり、この被計量物の重量(風袋引きの重量)に対応する。この場合、制御器17は、次のステップS407において、計量差分値(Wm−Wk)が、「ランク外(小)」に対応する重量範囲、または、「ランク(外)」に対応する重量範囲、に入るか否かを判定する。
計量差分値(Wm−Wk)が、「ランク外(小)」に対応する重量範囲、または、「ランク(外)」に対応する重量範囲、に入る場合(ステップS407において「Yes」の場合)、計量装置100のコンテナ12から取り出された被計量物は、「ランク外(小)」または「ランク外(大)」のサイズにランク判定される。よって、この場合、「ランク外」の発声がセットされる(ステップS408)。例えば、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『被計量物は、ランク外(小)です。廃棄して下さい。』という「ランク外(小)」のランク判定の結果を作業者に音声出力するとよい。そして、制御器17は、計量値Wmを計量値Wkに置き換え(ステップS409)、計量装置100による被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
計量差分値(Wm−Wk)が、「ランク外(小)」に対応する重量範囲にも、「ランク(外)」に対応する重量範囲にも、入らない場合(ステップS407において「No」の場合)、計量装置100のコンテナ12から取り出された被計量物は、「ランク内」のサイズにランク判定される。この場合、制御器17は、次のステップS410において、今回の被計量物の処理が、被計量物のランク判定の初回であるか否かを判定する。
なお、制御器17は、処理個数「N」(例えば、後述のステップS412参照)を常時、監視することにより、ステップS410の判定を容易に行える。
今回の被計量物の処理が、被計量物のランク判定の初回である場合(ステップS410において「Yes」の場合)、制御器17は、計量差分値(Wm−Wk)を用いて、計量装置100のコンテナ12から取り出された被計量物のランク判定を行い、このランク判定の結果に基づいて、被計量物のランク判定での目標組合せに適合するよう、作業者が行う次回のハンドリング作業を導出(選択)する(ステップS411)。
そして、ステップS411において、ランク判定の結果の発声および次回のハンドリング作業の指示の発声がセットされる。
例えば、被計量物のランク判定での目標組合せが「S、M、Lサイズ各1本入り茄子」の場合、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『1本目、Mサイズです。次回は、SサイズまたはLサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。
被計量物のランク判定での目標組合せが「300g3本入り茄子」(但し、目標重量の許容範囲の上限値は310gとする)の場合、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『1本目、85g、Sサイズ相当です。次回は、110g相当のLサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。
そして、制御器17は、処理個数「N」に「1」を加え(ステップS412)、計量値Wmを計量値Wkに置き換え(ステップS413)、計量装置100による被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
一方、今回の被計量物の処理が、被計量物のランク判定の初回でない場合(ステップS410において「No」の場合)、制御器17は、上記ステップS411と同様、計量差分値(Wm−Wk)を用いて、計量装置100のコンテナ12から取り出された被計量物のランク判定を行い、このランク判定の結果に基づいて、被計量物のランク判定での目標組合せに適合するよう、作業者が行う次回のハンドリング作業を導出(選択)する(ステップS414)。
そして、ステップS414において、ランク判定の結果の発声および次回のハンドリング作業の指示の発声がセットされる。
例えば、被計量物のランク判定での目標組合せが「S、M、Lサイズ各1本入り茄子」の場合、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『1本目、Mサイズです。2本目、Lサイズです。次回は、Sサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。また、『1本目、Mサイズです。2本目、Lサイズです。3本目、Lサイズです。Lサイズを戻して、Sサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。また、『1本目、Mサイズです。2本目、Lサイズです。3本目、Sサイズです。所定の袋詰めが完成しました。次の袋詰めを行って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。
被計量物のランク判定での目標組合せが「300g3本入り茄子」(但し、目標重量の許容範囲の上限値は310gとする)の場合、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『1本目、2本目のトータル重量は200g、Mサイズ相当です。次回は、100g相当のMサイズ、または、110g相当のLサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。また、『1本目、2本目、3本目のトータル重量は、330g、Lサイズ相当です。Lサイズを戻して、Sサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。また、『1本目、2本目、3本目のトータル重量は、305g、Mサイズ相当です。所定の袋詰めが完成しました。次の袋詰めを行って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。
次いで、ステップS415において、制御器17は、今回の被計量物の処理が、被計量物のランク判定の最終回であるか否かを判定する。
なお、制御器17は、被計量物の目標個数(上記準備作業302参照)との比較において処理個数「N」を常時、監視することにより、ステップS415の判定を容易に行える。
今回の被計量物の処理が、被計量物のランク判定の最終回である場合(ステップS415において「Yes」の場合)、制御器17は、処理個数「N」をクリアして(ステップS416)、計量値Wmを計量値Wkに置き換え(ステップS417)、計量装置100による被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
今回の被計量物の処理が、被計量物のランク判定の最終回でない場合(ステップS415において「No」の場合)、制御器17は、次のステップS418において、被計量物がコンテナ12に戻されたか否かを判定する。
なお、制御器17は、計量センサ14の出力を常時、監視することにより、ステップS418の判定を容易に行える。
被計量物がコンテナ12に戻された場合(ステップS418において「Yes」の場合)、制御器17は、何等の処理も行わずに、計量装置100による被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
被計量物がコンテナ12に戻されていない場合(ステップS418において「No」の場合)、制御器17は、処理個数「N」に「1」を加え(ステップS419)、計量値Wmを計量値Wkに置き換え(ステップS420)、計量装置100による被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
以上のとおり、本実施形態の計量装置100は、被計量物の計量に用いる計量センサ14と、被計量物のランク範囲を定める境界重量Wa、Wb、Wc、Wdおよび被計量物のランク判定での目標組合せの入力に用いる操作器16と、計量センサ14を用いて被計量物の重量を取得するとともに、この被計量物の重量および上記境界重量Wa、Wb、Wc、Wdに基づいて、被計量物のランクを判定する制御器17と、ランク判定の結果を音声出力できるヘッドホン22A(或いはスピーカ20)と、を備える。
そして、制御器17は、被計量物のランク判定での目標組合せに適合するよう、被計量物のランク判定の結果に基づいて、作業者が行う次回のハンドリング作業を導出(選択)する。また、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、上記次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力する。
以上の構成により、本実施形態の計量装置100では、被計量物のランク判定に基づいて被計量物を袋や箱等の容器に詰めるときの、作業者が行う次回のハンドリング作業を以下の理由により従来例よりも効率化できる。
第1に、本実施形態の計量装置100では、作業者が行う次回のハンドリング作業の指示が作業者に音声出力されている。
これにより、作業者は、作業者が行う次回のハンドリング作業情報を事前に知ることができるので、作業の効率化が図れる。また、作業者は、被計量物のランク判定作業時に、表示情報の目視確認を行わずに、音声情報(次回のハンドリング作業情報)を制御器17から取得でき、ひいては、作業効率が向上する。
特に、マイク付きヘッドホン22の使用により、作業者が、周りの雑音を気にせずに被計量物のランク判定作業に専念できるので作業環境改善の点でも都合がよい。
第2に、本実施形態の計量装置100では、被計量物の目標重量からの偏倚に相当する過不足重量を表示器11に表示する代わりに(或いは、この過不足重量を表示器11に表示するとともに)、作業者が行う次回のハンドリング作業の指示が、被計量物のサイズ(例えば、S、M、Lサイズ等)によって示されている。
以上により、作業者が行う次回のハンドリング作業が被計量物のサイズによって特定されているので、計量装置100の扱いに不慣れな作業者でも、計量装置100のコンテナ12から大小様々なサイズの被計量物を試行錯誤的に取り出さずに、適量の被計量物を選ぶことができ、ひいては、被計量物のロスを容易に減らすことができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態の計量装置の一構成例を模式的に示す外観図である。
本実施形態の計量装置100Aのハードウェア構成は、第1実施形態の計量装置100のハードウェア構成と同じである。つまり、本実施形態の計量装置100Aについては、操作設定表示器30のメモリ23(図2参照)に、作業者が被計量物を同時に2個以上、計量装置100Aのコンテナ12から取り出した場合の処理が考慮されたプログラム(詳細は後述)が記憶されている点で、このようなプログラムがメモリ23に記憶されていない第1実施形態の計量装置100と区別されるが、ハードウェア上、計量装置100をそのまま使用することができる。
次に、本実施形態の計量装置100Aによる被計量物の計量動作について図面を参照しながら説明する。
図6は、本発明の第2実施形態の計量装置による被計量物の計量動作の一例を示したフローチャートである。
但し、上述のとおり、本実施形態の計量装置100Aでは、作業者が被計量物を同時に2個以上、計量装置100Aのコンテナ12から取り出す場合が考慮されている。なお、図6の各動作フローでは、予期せぬ不都合が生じた場合、操作器16のリセットキーをオン(ON)することにより、計量装置100Aによる被計量物の計量動作を強制的に終了してもよい(詳細は省略する)。
図6に示した各動作フローは、予めプログラムされていて、制御器17に接続されたメモリ23に記憶されている。
そして、制御器17からの指令に基づいて、メモリ23に記憶された上記プログラムおよび入力データ(図3参照)が、適時に、制御器17に読み出され、このプログラムに基づき、制御器17が、以下の計量装置100Aによる被計量物の計量動作を計量装置100Aの各部を制御しながら遂行する。
なお、本実施形態の計量装置100Aでは、被計量物のランク判定時において、以下の計量装置100Aによる被計量物の計量動作が、所定時間毎に行われるように制御されている。つまり、計量装置100Aによる被計量物の計量動作が終了(エンド)したら、上記所定時間の経過の後、自動的にステップS501の動作が再開(スタート)する。
まず、制御器17は、計量センサ14の計量値が安定しているか否かを判定する(ステップS501)。
計量センサ14の計量値が安定していない場合(ステップS501において「No」の場合)、計量センサ14の出力が、何等かの要因(例えば、コンテナ12から被計量物が取り出された直後)により変動していると考えられる。よって、この場合、制御器17は、計量センサ14の計量値を読み込まずに、被計量物の計量の処理中フラグFをオン(ON)に設定し(ステップS502)、計量装置100Aによる被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
一方、計量センサ14の計量値が安定している場合(ステップS501において「Yes」の場合)、制御器17は、次のステップ503において、処理中フラグFがオンに設定されているか否かを判定する。
このとき、処理中フラグFがオンでない場合(ステップS503において「No」の場合)、計量センサ14の出力は一定のまま継続していると考えられる。この場合、制御器17は、何等の処理も行わずに、計量装置100Aによる被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
処理中フラグFがオンの場合(ステップS503において「Yes」の場合)、計量センサ14の出力が一旦、変動した後、計量センサ14の計量値が安定化したと考えられる。この場合、制御器17は、処理中フラグFをオフ(OFF)に設定し(ステップS504)、計量センサ14からの計量値Wkを読み込み(ステップS505)、この計量値Wkをメモリ23に記憶させる。
次いで、制御器17は、計量差分値(Wm−Wk)がゼロか否かを判定する(ステップS506)。
計量差分値(Wm−Wk)がゼロの場合(ステップS506において「Yes」の場合)、計量装置100Aのコンテナ12から被計量物が取り出されなかったと考えられる。例えば、作業者が、単に被計量物を触ることにより、計量センサ14の出力が変動した場合、ステップS506において、計量差分値(Wm−Wk)はゼロとなる。この場合、制御器17は、何等の処理も行わずに、計量装置100Aによる被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
計量差分値(Wm−Wk)がゼロでない場合(ステップS506において「No」の場合)、計量装置100Aのコンテナ12から被計量物が取り出されたと考えられる。つまり、計量差分値(Wm−Wk)は、計量装置100Aのコンテナ12からの被計量物の取り出し前後における計量センサ14の計量値の差分であり、この被計量物の重量(風袋引きの重量)に対応する。この場合、制御器17は、次のステップS507において、計量差分値(Wm−Wk)が、「ランク外(小)」に対応する重量範囲に入るか否かを判定する。
計量差分値(Wm−Wk)が、「ランク外(小)」に対応する重量範囲に入る場合(ステップS507において「Yes」の場合)、計量装置100Aのコンテナ12から取り出された被計量物は、「ランク外(小)」のサイズにランク判定される。よって、この場合、「ランク外(小)」の発声がセットされる(ステップS508)。例えば、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『被計量物は、ランク外(小)です。廃棄して下さい。』という「ランク外(小)」のランク判定の結果を作業者に音声出力するとよい。そして、制御器17は、計量値Wmを計量値Wkに置き換え(ステップS509)、計量装置100Aによる被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
計量差分値(Wm−Wk)が、「ランク外(小)」に対応する重量範囲に入らない場合(ステップS507において「No」の場合)、制御器17は、次のステップS510において、計量差分値(Wm−Wk)が、「ランク外(大)」に対応する重量範囲に入るか否かを判定する。
計量差分値(Wm−Wk)が、「ランク外(大)」に対応する重量範囲に入らない場合(ステップS510において「No」の場合)、計量装置100Aのコンテナ12から取り出された被計量物は、「ランク内」のサイズにランク判定される。この場合、制御器17は、次のステップS511において、今回の被計量物の処理が、被計量物のランク判定の初回であるか否かを判定する。
なお、制御器17は、処理個数「N」(例えば、後述のステップS513参照)を常時、監視することにより、ステップS511の判定を容易に行える。
今回の被計量物の処理が、被計量物のランク判定の初回である場合(ステップS511において「Yes」の場合)、制御器17は、計量差分値(Wm−Wk)を用いて、計量装置100Aのコンテナ12から取り出された被計量物のランク判定を行い、このランク判定の結果に基づいて、被計量物のランク判定での目標組合せに適合するよう、作業者が行う次回のハンドリング作業を導出(選択)する(ステップS512)。
そして、ステップS512において、ランク判定の結果の発声および次回のハンドリング作業の指示の発声がセットされる。
例えば、被計量物のランク判定での目標組合せが「Sサイズ2本、Mサイズ1本、Lサイズ2本の計5本入り茄子」の場合、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『1本目、Mサイズです。次回は、SサイズまたはLサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。
被計量物のランク判定での目標組合せが「500g5本入り茄子」(但し、目標重量の許容範囲の上限値は520gとする)の場合、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『1本目、90g、Sサイズ相当です。次回は、110g相当のLサイズを、または、100g相当のMサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。
そして、制御器17は、処理個数「N」に「1」を加え(ステップS513)、計量値Wmを計量値Wkに置き換え(ステップS514)、計量装置100Aによる被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
一方、今回の被計量物の処理が、被計量物のランク判定の初回でない場合(ステップS511において「No」の場合)、制御器17は、上記ステップS512と同様、計量差分値(Wm−Wk)を用いて、計量装置100Aのコンテナ12から取り出された被計量物のランク判定を行い、このランク判定の結果に基づいて、被計量物のランク判定での目標組合せに適合するよう、作業者が行う次回のハンドリング作業を導出(選択)する(ステップS515)。
そして、ステップS515において、ランク判定の結果の発声および次回のハンドリング作業の指示の発声がセットされる。
例えば、被計量物のランク判定での目標組合せが「Sサイズ2本、Mサイズ1本、Lサイズ2本の計5本入り茄子」の場合、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『1本目、Mサイズです。2本目、Lサイズです。次回は、SサイズまたはLサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。また、『1本目、Mサイズです。2本目、Lサイズです。3本目、Lサイズです。次回は、Sサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示も作業者に音声出力するとよい。また、『1本目、Mサイズです。2本目、Lサイズです。3本目、Mサイズです。Mサイズを戻して、Sサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示も作業者に音声出力するとよい。
被計量物のランク判定での目標組合せが「500g5本入り茄子」(但し、目標重量の許容範囲の上限値は520gとする)の場合、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『1本目、2本目のトータル重量は200g、Mサイズ相当です。次回は、100g相当のMサイズ、または、110g相当のLサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。また、『1本目、2本目、3本目のトータル重量は、330g、Lサイズ相当です。次回は、90g相当のSサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。また、『1本目、2本目、3本目のトータル重量は、270g、Sサイズ相当です。Sサイズを戻して、Lサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。
次いで、ステップS516において、制御器17は、今回の被計量物の処理が、被計量物のランク判定の最終回であるか否かを判定する。
なお、制御器17は、被計量物の目標個数(上記準備作業302参照)との比較において処理個数「N」を常時、監視することにより、ステップS516の判定を容易に行える。
今回の被計量物の処理が、被計量物のランク判定の最終回である場合(ステップS516において「Yes」の場合)、制御器17は、処理個数「N」をクリアして(ステップS517)、計量値Wmを計量値Wkに置き換え(ステップS518)、計量装置100Aによる被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
今回の被計量物の処理が、被計量物のランク判定の最終回でない場合(ステップS516において「No」の場合)、制御器17は、次のステップS519において、被計量物がコンテナ12に戻されたか否かを判定する。
なお、制御器17は、計量センサ14の出力を常時、監視することにより、ステップS519の判定を容易に行える。
被計量物がコンテナ12に戻された場合(ステップS519において「Yes」の場合)、制御器17は、何等の処理も行わずに、計量装置100Aによる被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
被計量物がコンテナ12に戻されていない場合(ステップS519において「No」の場合)、制御器17は、処理個数「N」に「1」を加え(ステップS520)、計量値Wmを計量値Wkに置き換え(ステップS521)、計量装置100Aによる被計量物の計量動作を終了(エンド)させる。
ここで、上記ステップS510において、計量差分値(Wm−Wk)が、「ランク外(大)」に対応する重量範囲に入る場合(ステップS510において「Yes」の場合)、計量装置100Aのコンテナ12から取り出された被計量物は、「ランク外(大)」のサイズであるか、或いは、計量装置100Aのコンテナ12から同時に取り出された被計量物の個数が、2個以上であると考えられる。よって、この場合、制御器17は、計量差分値(Wm−Wk)を被計量物の平均単重Wsで除して得られる商を、被計量物の取り出し予測個数「n」として演算(取得)する(ステップS522)。
なお、制御器17は、(コンテナ12中の被計量物のトータル重量)/(コンテナ12中の被計量物のトータル個数)から上記被計量物の平均単重Wsを自動的に演算してもよいし、計量装置100A以外の計量手段を用いて、上記と同じ類の手法により平均単重Wsの自動的な演算を行い、操作器16を用いて制御器17に、この演算結果(平均単重Ws)を直接、入力してもよい。
次いで、「個数確認」の発声がセットされる(ステップS523)。
例えば、ステップS522の被計量物の取り出し予測個数「n」が「2」である場合、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『2本取り出したなら、「決定」発声を入力して下さい。3本以上なら、「復帰」発声を入力して下さい。1本なら、被計量物は、ランク外(大)です。』という被計量物の取り出し個数の確認を求める情報を作業者に音声出力するとよい。
ここで、ステップS523以降の動作は、計量装置100Aのコンテナ12からの被計量物の取り出し実個数によって以下の如く異なる。
まず、計量装置100Aのコンテナ12からの被計量物の取り出し実個数が2本である場合、作業者は、マイクロホン22Bを用いて、「決定」発声の入力を行う(ステップS524において「Yes」)。例えば、作業者が、マイクロホン22Bに向かって『イエス(Yes)』と発声するとよい。
これにより、取り出し予測個数「n」の決定確認情報が制御器17に送信される。すると、制御器17によって、ステップS527〜ステップS537の動作が行われる。
なお、ステップS527、ステップS529、ステップS530およびステップS532〜ステップS537の動作はそれぞれ、ステップS511、ステップ513、ステップS514およびステップS516〜ステップS521の動作のそれぞれと同じである。よって、これらの各ステップの詳細な説明は、ここでは、省略する。
ステップS528およびステップS531において、本実施形態の計量装置100Aでは、制御器17は、被計量物のランク判定の結果および取り出し予測個数「n」に基づいて、作業者が行う次回のハンドリング作業を導いている。
例えば、被計量物のランク判定での目標組合せが「Sサイズ2本、Mサイズ1本、Lサイズ2本の計5本入り茄子」であり、計量差分値(Wm−Wk)(コンテナ12からの2本の被計量物のトータル重量に相当)が、「Sサイズ」に対応する重量範囲の2倍程度である場合、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『同時に取り出された1本目と2本目は、合計重量の1本あたりの平均においてSサイズ相当です。次回は、MサイズまたはLサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。
被計量物のランク判定での目標組合せが「500g5本入り茄子」(但し、目標重量の許容範囲の上限値は520gとする)であり、計量差分値(Wm−Wk)(コンテナ12からの2本の被計量物のトータル重量に相当)が、「Sサイズ」に対応する重量範囲の2倍程度である場合、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『同時に取り出された1本目と2本目は、合計重量の1本あたりの平均においてSサイズ相当です。次回は、100g相当のMサイズ、または、110g相当のLサイズを取って下さい。』というランク判定の結果および次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。
翻って、計量装置100Aのコンテナ12からの被計量物の取り出し実個数が3本以上である場合、作業者は、マイクロホン22Bを用いて、「復帰」発声の入力を行う(ステップS525において「Yes」)。例えば、作業者が、マイクロホン22Bに『ノー(No)』と発声するとよい。
これにより、取り出し予測個数「n」の復帰確認情報が制御器17に送信される。すると、制御器17によって、取り出し予測個数「n」が増減され(ここでは、「n」→「n」+「1」)、ステップS523の動作が再び行われる。
例えば、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『3本取り出したなら、「決定」発声を入力して下さい。4本以上なら、「復帰」発声を入力して下さい。』という被計量物の取り出し個数の確認を求める情報を作業者に音声出力するとよい。
逆に、計量装置100Aのコンテナ12からの被計量物の取り出し実個数が1本である場合、作業者は、マイクロホン22Bを用いて、「エンド」発声の入力を行う(ステップS538において「Yes」)。例えば、作業者が、マイクロホン22Bに向かって『エンド』と発声するとよい。
これにより、計量装置100Aによる被計量物の計量動作が終了(エンド)する。
なお、所定時間経過の後、作業者が、マイクロホン22Bによる何等の発声の入力も行わない場合(ステップS538において「No」の場合)、ステップS524に戻る。
以上のとおり、本実施形態の計量装置100Aでは、被計量物の重量が、被計量物のランク範囲の上限を超える場合(つまり、計量差分値(Wm−Wk)が、「ランク外(大)」に対応する重量範囲に入る場合)、制御器17は、被計量物の重量を被計量物の平均単重Wsで除して得られる商を、被計量物の取り出し予測個数「n」として取得するとともに、取り出し予測個数「n」の決定確認情報が制御器17に送信された場合、被計量物のランク判定での目標組合せに適合するよう、被計量物のランク判定の結果および取り出し予測個数「n」に基づいて、作業者が行う次回のハンドリング作業を導出(選択)する。
以上の構成により、本実施形態の計量装置100Aでは、第1実施形態の計量装置100と同様、被計量物のランク判定に基づいて被計量物を袋や箱等の容器に詰めるときの、作業者が行う次回のハンドリング作業を、第1実施形態において記載の理由(詳細は省略)により従来例よりも効率化できる。
また、本実施形態の計量装置100Aでは、制御器17によって被計量物の取り出し予測個数「n」を導くことができるので、コンテナ12から被計量物を同時に2個以上取り出す場合にも適切に対応でき、第1実施形態の計量装置100に比べて汎用性に勝れている。
また、本実施形態の計量装置100Aでは、取り出し予測個数「n」の決定確認情報の制御部17への送信は、制御器17に接続されたマイクロホンにより行われている。
これにより、作業者は、被計量物のランク判定作業時に、表示情報の目視確認を行わずに、音声情報(取り出し個数「n」の決定確認情報)を制御器17に提供でき、ひいては、作業効率が向上する。
(第1変形例)
第1実施形態および第2実施形態では、減算式の計量装置100、100Aを用いる例が記載されているが、これに限らず、加算式の計量装置を採用してもよい。
但し、第1実施形態および第2実施形態の如く、減算式の計量装置100、100Aを用いると、計量台10上のコンテナ12内に多数の被計量物を投入した状態で、計量装置100、100Aによる被計量物の計量作業を効率的に行える。つまり、被計量物の計量作業が、被計量物の取り出しだけですむので、加算式の計量装置を用いる場合に比べて計量作業の作業効率が向上する。
(第2変形例)
第1実施形態の計量装置100による被計量物の計量動作(図4)および第2実施形態の計量装置100Aによる被計量物の計量動作(図6)は、あくまで一例に過ぎず、これらの計量動作は、他の動作フローに改変できる。
例えば、図6の計量装置100Aによる被計量物の計量動作では、ステップS525の「復帰」発声の入力と、ステップS526の取り出し予測個数「n」の増減と、が行われる動作フローになっている。
しかし、以上の動作フローに代えて、取り出し予測個数「n」が、コンテナ12からの被計量物の取り出し実個数と異なる場合、音声またはキーによって、正しい個数を入力できる動作フローに改変してもよい(詳細な処理フローの説明および図示は省略する)。
(第3変形例)
第1実施形態(図4)および第2実施形態(図6)では、被計量物のランク範囲として、「ランク外(小)」、「Sサイズ」、「Mサイズ」、「Lサイズ」、「ランク外(大)」の5段階のランクを例示したが、これに限らない。
例えば、被計量物のランク判定での目標組合せが「300g3個入り被計量物」の如く目標重量(300g)を基準とする組合せの場合、通常、目標重量の許容範囲(目標重量とその許容範囲の上限値(例えば、310g)との間の範囲)が設定され、3個の被計量物のトータル重量が、上記目標重量の許容範囲(300g〜310g)に入るよう、作業者によって被計量物の計量作業が行われる。よって、この場合、被計量物のランク範囲として、「ランク外(小)」、「ランク(内)」、「ランク外(大)」の3段階のランクを選んでもよい。
つまり、被計量物のランク範囲を定める境界重量は、300gおよび310gであり、3個の被計量物のトータル重量が、300g未満である場合、これらの被計量物は、「ランク外(小)」にランク判定される。
また、3個の被計量物のトータル重量が、300g以上、かつ、310g以下である場合、これらの被計量物は、「ランク内」にランク判定される。
また、3個の被計量物のトータル重量が、310gを超える場合、これらの被計量物は、「ランク外(大)」にランク判定される。
そして、計量装置100のコンテナ12から取り出された2個の被計量物のトータル重量が、205gである場合、制御器17は、ヘッドホン22A(或いはスピーカ20)を用いて、『1本目、2本目のトータル重量は205gです。次回は、100g相当のMサイズを取って下さい。』という次回のハンドリング作業の指示を作業者に音声出力するとよい。
(第4変形例)
第1実施形態および第2実施形態では、作業者が行う次回のハンドリング作業の指示として、『次回は、○○サイズを取って下さい。』、『○○サイズを戻して、××サイズを取って下さい。』、および、『所定の袋詰めが完成しました。次の袋詰めを行って下さい。』等を例示したが、このようなハンドリング作業の指示は、これに限らず、様々な状況を想定することができる。
例えば、上記ハンドリング作業の指示は、『2番目に大きいサイズの物を、2番目に小さい物と同じ位の物と交換して下さい。』の如く、第1実施形態および第2実施形態において例示した指示よりも複雑なものであってもよい。
(第5変形例)
第1実施形態の計量装置100では、被計量物の目標重量からの偏倚に相当する過不足重量を表示器11に表示する例が記載されているが、表示器11の表示は、これに限らない。
表示器11に、上記過不足重量に対応する被計量物のランク範囲(例えば、「ランク外(小)」、「Sサイズ」等)を表示してもよい。