JP5843657B2 - 回転電機の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機に関し、特に、固定子巻線の巻崩れや巻膨れを防止する回転電機の製造方に関する。
従来の回転電機は、ワイヤがティースに巻かれるとき、コイルの最終層が巻かれた後、絶縁部とティースと絶縁部側のコイル端面とで囲まれた隙間部にさらに追加のワイヤが巻かれた。これにより、隙間部が埋まるので、コイルの巻崩れが防止されていた(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の回転電機は、ワイヤがティースに巻かれるとき、ティース両端部から巻かれていき、次に、ティースの片方の端部に巻かれたコイルの山にめがけて巻線することにより、新たに巻かれたワイヤと崩されたワイヤで中央部のコイルの層が形成されていくという一連の動作が層毎に繰り返されていた。これにより、コイルの巻崩れが防止されていた(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−304604号公報(段落[0030]及び図5(b)) 特開昭61−030942号公報(第204頁左下欄〜第205頁右上欄、第1図、及び第3図)
しかしながら、従来の回転電機(特許文献1参照)においては、隙間部に追加のワイヤが巻かれる前提として、最終層に至るまで巻崩れが起きずにコイルが形成されることにあった。すなわち、最終層まで巻線した後、絶縁部とティースと絶縁部側のコイル端面とで囲まれた隙間部にワイヤがさらに巻かれるというものである。そのため、追加のワイヤが巻かれる前に、中間層で既に隙間部への巻崩れが発生している場合、最終層で追加のワイヤを巻いたとしても、中間層の巻崩れには対応できないという問題点があった。
また、中間層で既に隙間部への巻崩れが発生している場合、巻崩れたワイヤはコアの間近に位置している。そのため、絶縁破壊を起こさないコアとワイヤとの間の距離が確保されない。それにより、絶縁耐圧試験時に絶縁破壊が生じ、耐圧不良品が発生する。
また、従来の回転電機(特許文献2参照)においては、ティース両端部に巻かれたコイルの山が巻崩されることにより、全体としてコイルが形成されている。そのため、ワイヤの整列性に関しては最良ではない。また、コイルの山が巻崩されるため、ワイヤを巻線後のコイルは巻膨れてしまう。これにより、例えば、逆曲げにされた固定子鉄心にワイヤが巻線後、その固定子鉄心が正曲げされることで形成されるポキポキモータの場合、正曲げが正しくなされない。具体的には、ワイヤの巻線完了後に固定子鉄心の正曲げが行われるとき、隣り合うコイル同士の隙間が狭い場合があったとする。このとき、仮にコイルの整列性が悪かったり、巻崩れがあったりしてコイルが巻膨れた場合、正曲げ時に隣り合うコイル同士の隙間がなくなり、互いに干渉する。これにより、正曲げが正しくなされないという問題点があった。
換言すれば、従来の回転電機(特許文献1、2)では固定子巻線の巻崩れと巻膨れを防止することができないという問題点があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、固定子鉄心の巻崩れと巻膨れを防止することができる回転電機の製造方を提供することを目的とするものである。
本発明の回転電機の製造方法は、回転子と、横断面が湾曲した形状をそれぞれ有し、前記回転子を囲むように環状に連結された複数のコアバック、及び前記コアバックの回転子側の面から立脚して形成されたティースを備えた固定子鉄心と、横断面が湾曲した形状を有し、前記コアバックの回転子側の面に設けられた絶縁部と、を備えた回転電機の前記ティースに、巻線を巻回してコイルを形成する回転電機の製造方法であって、前記巻線を供給するノズルを装着したフライヤの回転動作及び前記巻線の位置決めを行うフォーマの前後方向の動作により前記巻線の整列性を保ちながら巻回するステップと、前記フライヤを回転させつつ、前記フォーマを、前記コアバック側への稼働限界であるフォーマ前進端の位置から、当該フォーマ前進端の位置よりも前記コアバック側とは反対側に前記巻線の太さの半分の距離だけ後進させた位置までのストロークで前後方向に複数回往復させて、前記絶縁部と、前記ティースと、前記フォーマが前記フォーマ前進端の位置にあるときに巻回される前記巻線の前記絶縁部側の端面とで囲まれる隙間部に前記巻線を巻回するステップと、を有するものである。
本発明は、巻線途中の固定子巻線で発生した隙間にワイヤが巻かれることにより、固定子巻線の巻崩れと巻膨れを防止することができるという効果を有する。
本発明の実施の形態における電動機300の概略図である。 本発明の実施の形態における電動機300の固定子100を逆曲げにして巻線した状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における固定子鉄心1(帯状)の斜視図である。 本発明の実施の形態における電動機300の固定子100を巻線した後に正曲げした状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における電動機300の固定子100を用いる12スロット/8極の同期電動機の断面図である。 本発明の実施の形態における電動機300の固定子100の固定子巻線400の結線図である。 本発明の実施の形態における巻線する前の逆曲げにした状態の固定子鉄心1を示す概略図である。 本発明の実施の形態における固定子鉄心1にワイヤ70を巻線する巻線機200の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態における絶縁部3とティース1aと絶縁部3側のコイル端面とで囲まれた領域にワイヤ70の巻線途中で生じた隙間部を埋める前のコイルの拡大図である。 本発明の実施の形態における図9のAで指し示されている破線で囲まれた領域を拡大した図である。 本発明の実施の形態における絶縁部3とティース1aと絶縁部側のコイル端面84とで囲まれた領域にワイヤ70の巻線途中で生じた隙間部を埋めた後のコイルの拡大図である。 本発明の実施の形態における巻線した後の逆曲げにした状態の固定子鉄心1を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
実施の形態.
まず、本発明の実施の形態の電動機300(符号と図面との対応については後述する)の固定子100(符号と図面との対応については後述する)の概要について説明する。電動機300の固定子100は、例えば、永久磁石を用いる回転子38(符号と図面との対応については後述する)と組み合わされることでブラシレスDCモータ(以下、同期電動機と称する)を構成している。
本発明の実施の形態では、12スロット/8極の電動機300の固定子100について説明する。電動機300の固定子100は、以下に示す特徴がある。なお、各符号の図面との対応については、後述する。
(1)固定子鉄心1のスロット数が12である(固定子鉄心1は、12個のティース1aを有する)。
(2)コイル2は、三相のシングルY結線であり、極数は8極である。コイル2は、12個のティース1aのそれぞれに巻回される集中巻方式である。
(3)固定子鉄心1は、厚さが0.1〜0.7程度の電磁鋼板を帯状に打ち抜き、これらをかしめ、溶接、溶着等で積層して形成される。帯状の固定子鉄心1は、12個のティース1aを有する。
(4)帯状の固定子鉄心1に、コイル2と固定子鉄心1との間の絶縁となる絶縁部3が施される。絶縁部3は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂を用いて、固定子鉄心1と一体に成形される。絶縁部3は、ティース1a毎に設けられる。したがって、ここでは、12個の絶縁部3を備えることになる。
(5)帯状の固定子鉄心1に絶縁部3を施したら、次に絶縁部3の一方の軸方向端部(結線側)の所定の箇所に、3個の電源端子4と、1個の中性点端子5とを挿入する。
(6)帯状の固定子鉄心1を完成後の電動機300の固定子100と逆方向に曲げて、ティース1a同士の間の開口部が広くなるようにする。それにより、ティース1aにコイル2を巻回しやすくなる。
(7)巻線後の固定子鉄心1をティース1aが内側になるように正曲げにする(所定の方向に曲げられて略ドーナツ状となる)。
(8)固定子鉄心1の固定子鉄心突合せ63を溶接して、溶接部64で固定する。
(9)電源端子4、中性点端子5のヒュージングをする。
(10)電動機300の固定子100に外部と接続される結線部品41を組付け、機械的に、かつ、電気的に接合する。
次に、本発明の実施の形態の構成の詳細について説明する。図1は、本発明の実施の形態における電動機300の概略図である。図2は、本発明の実施の形態における電動機300の固定子100を逆曲げにして巻線した状態を示す斜視図である。図3は、本発明の実施の形態における固定子鉄心1(帯状)の斜視図である。図4は、本発明の実施の形態における電動機300の固定子100を巻線した後に正曲げにした状態を示す斜視図である。図5は、本発明の実施の形態における電動機300の固定子100を用いる12スロット/8極の同期電動機の断面図である。図6は、本発明の実施の形態における電動機300の固定子100の固定子巻線400の結線図である。
図1に示すように、電動機300は、回転子38、ブラケット39、及びモールド固定子40等を備えている。
後述する固定子100に結線部品41が組み付けられ、回転子38を内包した固定子100がモールドされたものがモールド固定子40となっている。
図2に示すように、電動機300の固定子100は、後述する固定子鉄心1が逆曲げにされている。そのため、ティース1aは外側を向いている。また、隣接するティース1aの間には広い空間があり、ティース1aにマグネットワイヤー(以下、ワイヤ70と称し、図8で詳述する)を容易に巻くことができるようになっている。ワイヤ70は、表面に絶縁加工が施され、内部で電気を導通可能な素材から形成されたものである。
後述する固定子鉄心1に一体的に成形された絶縁部3の外壁の結線側(図2の軸方向上側)の所定の箇所に、3個の電源端子4が挿入されている。
また、後述する固定子鉄心1に一体的に成形された絶縁部3の外壁の結線側(図2の軸方向上側)の所定の箇所に、1個の中性点端子5が挿入されている。
また、中性点端子5が組み付けられる絶縁部3の外壁の結線側に、中性点端子5の引き回し用突起7が設けられる。なお、引き回し用突起7の詳細については後述する。
また、絶縁部3の外壁の結線側には、U相、V相、及びW相の各相の渡り線を所定の位置に保持する突起8が備えられている。ここでいう所定の位置は、後述する固定子鉄心1の軸方向の端面からの高さのことである。なお、突起8の詳細については後述する。
なお、図2は、電動機300の固定子100を結線側の斜め上方から俯瞰した図であり、コイル2の巻き始め端末、巻き終わり端末、及び渡り線等についての図示を省略している。
図3に示すように、固定子鉄心1が有するティース1aは12個であり、本発明の実施の形態における電動機300の固定子100は、12スロットを想定している。
帯状の固定子鉄心1は、厚さが0.1〜0.7mm程度の電磁鋼板がプレス等で帯状に打ち抜かれた後、かしめ、溶接、及び接着等で積層されるものである。
ティース1aは、コアバック1bから略垂直に延伸して形成されており、各ティース1aの形状は、平面視では略T字で形成されている。
ティース1aを介してコアバック1bの反対側にあるティース1aの先端部1a−1は、正面視では略四角形で形成されている。ティース1aの先端部1a−1は、固定子鉄心1に絶縁部3を一体的に成形した後も露出した状態となっている。そして、図3に示すように、ティース1aと、先端部1a−1と、コアバック1bとからなる要素固定子鉄心10が形成され、後述するように各要素固定子鉄心10同士は、薄肉連結部1cで連結されている。また、ティース1aは、先端部1a−1と、コアバック1bとのそれぞれに対して立脚して形成された形状となっており、コアバック1bは、後述するように、所定の曲率で湾曲されて形成されている。
ここで、図1に示す回転子38と後述する図5に示す固定子100との間の距離は、径方向の寸法が1mm以下の空隙とする必要がある。そのため、ティース1aの先端部1a−1には絶縁部3を設けないこととする。
隣接するティース1aは、コアバック1bが薄肉連結部1cで連結されている。それにより、帯状の固定子鉄心1は、逆曲げや正曲げが自在に行われることが可能である。
帯状の固定子鉄心1における両端のティース1aのコアバック1bの外側の端面には、コア端面1dが形成されている。
図4に示すように、ティース1aが内側になるように巻線後の固定子鉄心1が正曲げにされた後にコア端面1dは互いに当接される。その状態でコア端面1dから形成されている固定子鉄心突合わせ部63は溶接部64で溶接される。また、各コイル2の集合体を固定子巻線400と称することとする。つまり、固定子巻線400といったときには、固定子鉄心1に巻かれている各コイル2の全てを指すものとする。
図5に示すように、12スロット/8極の同期電動機は、ティース1aの数と回転子38の磁極の数の比が3:2となる同期電動機である。
固定子100のコイル2は、各相の巻線をU、V、Wの順番に並べて配置されるものであり、それぞれに120°位相のずれた交流の電流を流すことにより、同期電動機は駆動する。
各ティース1aに巻かれるコイル2の巻き方向は、全て同じ方向である。
U相のコイルは、コイルU1、コイルU2、コイルU3、及びコイルU4で構成されている。コイルU1の巻き始めのワイヤ70は、電源端子4(図2参照)の一つであるU端子(図5参照)に接続される。コイルU4の巻き終わりのワイヤ70は、中性点端子5(中性点、図2、5参照)に接続される。
V相のコイルは、コイルV1、コイルV2、コイルV3及びコイルV4で構成されている。コイルV1の巻き始めのワイヤ70は、電源端子4(図2参照)の一つであるV端子(図5参照)に接続される。コイルV4の巻き終わりのワイヤ70は、中性点端子5(中性点、図2、5参照)に接続される。V端子は、U端子が設けられているティース1aの隣のティース1aの絶縁部に設けられる。例えば、図5の一例では、U端子が設けられているティース1aの反時計方向の隣のティース1aの絶縁部にV端子は設けられる。
W相のコイルは、コイルW1、コイルW2、コイルW3及びコイルW4で構成されている。コイルW1の巻き始めのワイヤ70は、電源端子4(図2参照)の一つであるW端子(図5参照)に接続される。コイルW4の巻き終わりのワイヤ70は、中性点端子5(中性点、図2、5参照)に接続される。W端子は、V端子が設けられているティース1aの隣のティース1aの絶縁部に設けられる。例えば、図5の一例では、V端子が設けられているティース1aの反時計方向の隣のティース1aの絶縁部にW端子は設けられる。
図6に示すように、電動機300の固定子100の固定子巻線400の結線図では、電動機300の固定子100の固定子巻線400はシングルYに結線されている。すなわち、U相のコイルU1、コイルU2、コイルU3、及びコイルU4は直列に接続されている。また、V相のコイルV1、コイルV2、コイルV3、及びコイルV4は直列に接続されている。また、W相のコイルW1、コイルW2、コイルW3、及びコイルW4は直列に接続されている。そして、コイルU4、コイルV4、及びコイルW4の巻き終わりのワイヤ70は中性点Nに接続されている。
なお、本発明の実施の形態においては、電動機の一例について説明したが、これに限定するものではない。例えば、発電機の場合であってもよい。
図7は、本発明の実施の形態における巻線する前の逆曲げにした状態の固定子鉄心1を示す概略図である。図8は、本発明の実施の形態における固定子鉄心1にワイヤ70を巻線する巻線機200の概略構成を示す断面図である。図9は、本発明の実施の形態における絶縁部3とティース1aと絶縁部3側のコイル端面とで囲まれた領域にワイヤ70の巻線途中で生じた隙間部を埋める前のコイル拡大図である。図10は、本発明の実施の形態における図9のAで指し示されている破線で囲まれた領域を拡大した図である。図11は、本発明の実施の形態における絶縁部3とティース1aと絶縁部側のコイル端面84とで囲まれた領域にワイヤ70の巻線途中で生じた隙間部を埋めた後のコイルの拡大図である。図12は、本発明の実施の形態における巻線した後の逆曲げにした状態の固定子鉄心1を示す概略図である。
次に、本発明の実施の形態の動作の概略を説明する。まず、整列性を保ちながら巻線を行う。このとき、巻線途中に隙間部79(詳細については後述する)が発生した段階で隙間部79にも巻線を行う。隙間部79を埋めたら再び整列性を保ちながら巻線を行う。このように、整列性を保ちつつ巻線を行う動作と、隙間部79への巻線を行う動作とを繰り返し行う。これにより、隙間部79が埋まることとなる。そのため、中間層での巻崩れ方向85への巻崩れを防止することができる。したがって、良好な整列性を確保した状態で巻膨れを防止しつつ、中間層での巻崩れを防止できる。なお、各符号の図面との対応については、後述する。
次に、本発明の実施の形態の動作の詳細について説明する前に、動作の主体となる巻線機200の構成の概略について説明し、その後に動作の詳細について説明する。図8に示すように、巻線機200のフライヤ72は、底部と、底部から略直立した2本の略多角形体とからなる略U字形状で形成されており、その一方の略多角形体に中空のノズル71が装着されている。巻線機200は、ノズル71からワイヤ70を出し、フォーマ73で位置決めを行い、固定子鉄心1に巻線していくものである。フォーマ部90は、フォーマ73、ガイド74、円柱75、及びシャフト76等から構成されており、円柱75軸上の矢印78方向の運動(以下、前後方向と称する)が可能である。また、フライヤ72は、矢印77で示したシャフト76の中心軸を回転軸方向とした運転(以下、回転方向と称する)が可能であり、前後方向の運動も可能である。また、フォーマ部90は、フライヤ72の内側に位置する位置関係で形成されている。
図8に示すように、巻線機200は、フライヤ72に取り付けられたノズル71の先端から供給するワイヤ70を、フライヤ72の回転方向の動作及び前後方向の動作によりティース1aに巻き付ける。隣り合う先端部1a−1間の距離81はフライヤ72の略U字状の一部である2本の略多角形体間の距離より狭いため、フライヤ72が固定子鉄心1に向かって前進ストロークをしようとすると、フライヤ72はティース1aの奥まで入っていくことができない。そこで、フライヤ72には、隣り合う先端部1a−1間の距離81の隙間にも固定子鉄心1に向かって前進していくことが可能な寸法で作られている上記で説明したフォーマ73が取り付けられている。つまり、フォーマ73の一部の形状の長さは、距離81以内である。フォーマ73は、フライヤ72の代わりに先端部1a−1の奥まで固定子鉄心1に向かって前進して入っていく。これにより、フライヤ72が固定子鉄心1に向かって前進してティース1aの奥まで行けなかったとしても、巻線機200はノズル71から供給するワイヤ70をフォーマ73の側面に沿ってティース1aの奥まで到達させることができる。そのため、巻線機200はティース1aの奥まで巻線することができるようになっている。
フライヤ72の前後方向の動作の際には、フライヤ72とフォーマ73との相互の位置関係は変わることなく一体的に前後方向の動作を行う。また、フライヤ72の回転方向の動作の際には、フライヤ72だけが回転する。つまり、巻線時にフライヤ72は回転するものの、フォーマ73は回転方向の運動を行わない。
このように、巻線機200は、フライヤ72とフォーマ73との回転方向の動作及び前後方向の動作を繰り返していくことにより、所定のコイル2を形成することができる。
フライヤ72の前後方向のストロークのうち、固定子鉄心1に向かっていく前進ストロークは、先端部1a−1の端部と図9に示すフォーマ前進端83との間が稼働範囲となっている。一方、フライヤ72の前後方向のストロークのうち、固定子鉄心1と反対方向に向かっていく後退ストロークは、先端部1a−1の端部までが稼働範囲となっている。前進ストロークがフォーマ前進端83までの理由として、絶縁部3が先端部1a−1側に湾曲した形状となっているからである。すなわち、図3に示すコアバック1bは所定の曲率で湾曲した形状となっており、それに接合して絶縁部3は形成されているため、絶縁部3も所定の曲率で湾曲している。そのため、フォーマ73が前縁部3側のティース1aの端部まで移動しようとすると、フォーマ73は絶縁部3と干渉してしまう。
また、絶縁部3とフォーマ73との間に、ワイヤ70が入っていける領域を確保しなければならない。そのこともあり、図9に示すように、フォーマ73はフォーマ前進端83までしか移動できない。このため、巻線機200は、フォーマ73が絶縁部3側のティース1aの端部まで移動できない状態でフライヤ72の前後方向の動作及び回転方向の動作を行うことになる。その結果、絶縁部3側のティース1aの端部にまでワイヤ70が行き届かなくなり、図9に示すように隙間部79が発生してしまう。隙間部79とは、具体的には、絶縁部3と、ティース1aと、絶縁部3側のコイル端面84とで生じた空間である。より具体的には、隙間部79とは、絶縁部3の先端部1a−1側の湾曲した曲面と、ティース1aの表面側の曲面と、絶縁部3側のコイル端面84の各ワイヤ70の表面とで生じた空間である。
なお、ここでは、各部材を曲面等で説明したが、構造はこれに限定されるものではない。
さらに、隙間部79が発生した状態では、図9に示すように、巻崩れ方向85にワイヤ70が崩れてしまう。このことにより、図10に示すように、崩れた後のワイヤ86は、固定子鉄心1に近い箇所に位置してしまうことになる。この状態では、固定子鉄心1とワイヤ70との距離80は極めて短い。そのため、耐圧試験等で絶縁破壊が生じてしまう。
そこで、本発明の実施の形態においては、隙間部79が大きくなったとき、予め設定された第1巻線経路から隙間部79に対する第2巻線経路へ巻線経路を変更し、フォーマ73が前後方向に往復する動作をコイル頂部82の位置からフォーマ前進端83の位置までのストロークで複数回行う。これにより、隙間部79にワイヤ70が追加される。すなわち、第2巻線経路でコイル頂部82近傍に巻線されるワイヤ70が隙間部79に流れ込むことになり、図11に示すように隙間部79が埋まる。このとき、フォーマ73の前後方向の動作は、隙間部79がある程度大きくなるまでは行わない。すなわち、巻線機200は、隙間部79がある程度大きくなるまでは、通常通りに第1巻線経路でフライヤ72の前後方向の動作によりワイヤ70の整列性を保ちながらワイヤ70の巻線を行う。このため、従来技術のようにコイルの山を各層ごとに巻崩すことがない。そのため、本発明の実施の形態においては、ワイヤ70の整列性を確保させることができ、各コイル2の巻崩れと巻膨れを防止することができることにより、固定子巻線400の巻崩れと巻膨れを防止することができる。
換言すれば、隙間部79を埋めることにより、巻線途中の巻崩れ方向85の方向への巻崩れを防止すると共に、ワイヤ70の整列性を確保させることにより、固定子巻線400の巻崩れと巻膨れを防ぐことができる。
なお、隙間部79の発生箇所は、予めワイヤ70をティース1aに巻いてみてどこからどこまでが隙間部となるかを実測で確認しておく。
また、コイル頂部82と絶縁部3側のコイル端面84の位置も同様に実測で確認しておく。
また、ワイヤ70のターン数は予め決まっているため、隙間部79を埋めるのにワイヤ70以外は用いないこととする。すなわち、通常通りの巻線経路で巻かれたワイヤ70のターン数と、隙間部79を経由して巻線経路で巻かれたワイヤ70のターン数との合計ターン数が、固定子鉄心1に巻かれることになっているワイヤ70のターン数となるようにする。
なお、ワイヤ70は、本発明の巻線に相当する。
なお、本発明の実施の形態においては、単層巻の一例について説明したが、これに限定するものではない。例えば、二相巻であってもよい。
以上のように、本発明の実施の形態においては、回転電機は、回転子38と、横断面が湾曲した形状をそれぞれ有し、回転子38を囲むように環状に連結された複数のコアバック1b、及びコアバック1bの回転子38側の面から立脚して形成されたティース1aを備えた固定子鉄心1と、横断面が湾曲した形状を有し、コアバック1bの回転子38側の面に設けられた絶縁部3と、絶縁部3の回転子38側の面と絶縁部3の両端を結んだ線分とで囲まれる領域を含めてティース1aに巻線が巻回されて構成されたコイルとを備えたことにより、固定子巻線400の巻崩れと巻膨れを防止することができる。
1 固定子鉄心、1a ティース、1a−1 先端部、1b コアバック、1c 薄肉連結部、1d コア端面、2 コイル、3 絶縁部、4 電源端子、5 中性点端子、7 引き回し用突起、8 突起、10 要素固定子鉄心、38 回転子、39 ブラケット、40 モールド固定子、41 結線部品、63 固定子鉄心突合せ部、64 溶接部、70 ワイヤ、71 ノズル、72 フライヤ、73 フォーマ、74 ガイド、75 支柱、76 シャフト、77 フライヤ回転方向、78 フォーマ送り方向、79 隙間部、80 固定子鉄心とワイヤとの距離、81 隣り合うティースの距離、82 コイル頂部、83 フォーマ前進端、84 絶縁部側のコイル端面、85 巻崩れ方向、86 崩れた後のワイヤ、90 フォーマ部、100 固定子、200 巻線機、300 電動機、400 固定子巻線。

Claims (1)

  1. 回転子と、横断面が湾曲した形状をそれぞれ有し、前記回転子を囲むように環状に連結された複数のコアバック、及び前記コアバックの回転子側の面から立脚して形成されたティースを備えた固定子鉄心と、横断面が湾曲した形状を有し、前記コアバックの回転子側の面に設けられた絶縁部と、を備えた回転電機の前記ティースに、巻線を巻回してコイルを形成する回転電機の製造方法であって、
    前記巻線を供給するノズルを装着したフライヤの回転動作及び前記巻線の位置決めを行うフォーマの前後方向の動作により前記巻線の整列性を保ちながら巻回するステップと、
    前記フライヤを回転させつつ、前記フォーマを、前記コアバック側への稼働限界であるフォーマ前進端の位置から、当該フォーマ前進端の位置よりも前記コアバック側とは反対側に前記巻線の太さの半分の距離だけ後進させた位置までのストロークで前後方向に複数回往復させて、前記絶縁部と、前記ティースと、前記フォーマが前記フォーマ前進端の位置にあるときに巻回される前記巻線の前記絶縁部側の端面とで囲まれる隙間部に前記巻線を巻回するステップと、
    を有することを特徴とする回転電機の製造方法。
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