JP5842782B2 - 輻射ヒータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、輻射によって対象を暖める輻射ヒータ装置に関する。
特許文献1は、輻射ヒータ装置のひとつを開示している。この装置は、車両の室内において、乗員に対向するように設けられている。
特開2012−56531号公報
この装置は、車両用暖房装置を補助するために、乗員に温熱感を与える装置として有効である。しかし、輻射ヒータ装置には、さらなる改良が求められている。
本発明の目的は、物体と接触している部分の温度を抑制することができる輻射ヒータ装置を提供することである。
本発明の他の目的は、物体と接触している部分の温度が長期間にわたって高温に維持されることを回避できる輻射ヒータ装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、局部的な高温部分への近接を抑制できる輻射ヒータ装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲および上記手段の項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
通電によって供給される熱によって輻射熱(R)を放射可能な放熱部(3)であって、面において分散して配置された複数の放熱部(3)と、複数の放熱部のそれぞれを囲むように設けられ、放熱部を含む断面における熱伝導率(K3R)より低い熱伝導率(KP、K61、K62)を有する低熱伝導部(6、61、62)と、放熱部に熱的に接続され、通電によって発熱する発熱部(4)と、複数の放熱部および発熱部を覆う表面層(21)とを備え、表面層は、複数の放熱部の上に位置付けられた薄肉部(21b、721b、821b)と、複数の放熱部の間であって、発熱部の上に位置付けられ、薄肉部より厚い厚肉部(21a)とを備えることを特徴とする。
この構成によると、複数の放熱部の間には、発熱部の少なくとも一部分があらわれる。発熱部は通電により発熱すると、輻射ヒータ装置の表面において局部的な高温部分となる。厚肉部は、輻射ヒータ装置の表面から発熱部、すなわち局部的な高温部分への近接を抑制する。
本発明の第1実施形態に係る輻射ヒータ装置を示すブロック図である。 第1実施形態に係る輻射ヒータ装置の平面図である。 第1実施形態に係る輻射ヒータ装置の断面図である。 第1実施形態に係る輻射ヒータ装置の熱伝達経路を示す説明図である。 第1実施形態に係る輻射ヒータ装置の部分拡大平面図である。 第1実施形態に係る輻射ヒータ装置の部分拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る輻射ヒータ装置の平面図である。 第2実施形態に係る輻射ヒータ装置の部分拡大平面図である。 第2実施形態に係る輻射ヒータ装置の部分拡大断面図である。 本発明の第3実施形態に係る輻射ヒータ装置の部分拡大平面図である。 第3実施形態に係る輻射ヒータ装置の部分拡大断面図である。 本発明の第4実施形態に係る輻射ヒータ装置の部分拡大断面図である。 本発明の第5実施形態に係る輻射ヒータ装置の部分拡大平面図である。 第5実施形態に係る輻射ヒータ装置の部分拡大断面図である。 本発明の第6実施形態に係る輻射ヒータ装置の平面図である。 第6実施形態に係る輻射ヒータ装置の部分拡大平面図である。 第6実施形態に係る輻射ヒータ装置の部分拡大断面図である。 第6実施形態に係る輻射ヒータ装置の部分的な分解斜視図である。 本発明の第7実施形態に係る輻射ヒータ装置の平面図である。 本発明の第8実施形態に係る輻射ヒータ装置の平面図である。 第8実施形態に係る輻射ヒータ装置の断面図である。
以下に、図面を参照しながら開示された発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。また、後続の実施形態においては、先行する実施形態で説明した事項に対応する部分に百以上の位だけが異なる参照符号を付することにより対応関係を示し、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1において、第1実施形態に係る輻射ヒータ装置1は、道路走行車両、船舶、航空機などの移動体の室内に設置されている。装置1は、室内のための暖房装置10の一部を構成している。装置1は、移動体に搭載された電池、発電機などの電源から給電されて発熱する電気的なヒータである。装置1は、薄い板状に形成されている。装置1は、電力が供給されると発熱する。装置1は、その表面と垂直な方向に位置付けられた対象物を暖めるために、主としてその表面と垂直な方向へ向けて輻射熱Rを放射する。
室内には、乗員12が着座するための座席11が設置されている。装置1は、乗員12の足元に輻射熱Rを放射するように室内に設置されている。装置1は、暖房装置10の起動直後において、乗員12に対して即効的に暖かさを提供するための装置として利用することができる。装置1は、室内の壁面に設置される。装置1は、想定される通常の姿勢の乗員12に対向するように設置される。例えば、道路走行車両は、ハンドル14を支持するためのステアリングコラム13を有している。装置1は、ステアリングコラム13の下面に、乗員12に対向するように設置することができる。
図2および図3は、輻射ヒータ装置1を示す。図3は、図2の3−3断面を示す。図中において、装置1は、軸Xと軸Yによって規定されるX−Y平面に沿って広がっている。装置1は、軸Zの方向に厚さをもつ。装置1は、ほぼ四角形の薄い板状に形成されている。装置1は、基板部2と、複数の放熱部3と、複数の発熱部4と、一対の端子7とを有する。以下の説明において、特定の実施形態に係る部材を指すときには英字付の符号、例えばこの実施形態の発熱部の場合には3a、が用いられる。装置1は、主として表面と垂直な方向に向けて輻射熱Rを放射する面状ヒータとも呼ぶことができる。
基板部2は、優れた電気絶縁性を提供し、かつ高温に耐える樹脂材料によって作られている。基板部2は、多層基板である。基板部2は、表面層21と、裏面層22と、中間層23とを有する。表面層21は、輻射熱Rの放射方向に面している。言い換えると、表面層21は、装置1の設置状態において、加熱対象物である乗員12の一部に対向して配置される面である。裏面層22は、装置1の背面を提供する。中間層23は、放熱部3と発熱部4とを支持する。基板部2は、複数の放熱部3を支持するための部材である。
複数の放熱部3のそれぞれは、高い熱伝導率を有する材料によって作られている。さらに、放熱部3は、優れた電気導体、すなわち低い電気抵抗をもつ材料によって作られている。放熱部3は、金属材料によって作ることができる。
複数の放熱部3のそれぞれは、基板部2の面と平行な薄い板状に形成されている。ひとつの放熱部3は、通電によって供給される熱によって輻射熱Rを放射可能である。ひとつの放熱部3は、所定放射温度に加熱されることによって、乗員12、すなわち人に暖かさを感じさせる輻射熱Rを放射することができる。ひとつの放熱部3の体積は、発熱部4から供給される熱によって放熱部3が輻射熱Rを放射することができる温度に到達できるように設定されている。ひとつの放熱部3の体積は、発熱部4から供給される熱によって放熱部3の温度が急速に上昇するように設定されている。ひとつの放熱部3の体積は、装置1の表面に接触した物体への放熱によって急速な温度低下を生じるように小さく設定されている。ひとつの放熱部3の厚さは、表面と平行な面積を最大化し、体積を最小化するために、薄く設定されている。ひとつの放熱部3の面積は、輻射熱Rを放射するために適した広さに設定されている。ひとつの放熱部3の面積は、装置1の表面に対向して位置付けられる物体、例えば乗員12の一部分より小さく設定されている。
この実施形態のひとつの放熱部3aは、X−Y平面において四角形に形成されている。放熱部3aそれ自体は、通電されても、乗員12に暖かさを感じさせるほどの輻射熱Rを生じる熱を発生しない。放熱部3aは、発熱しない放熱のためだけの部材である。
複数の放熱部3は、基板部2の表面に対して分散して配置されている。言い換えると、複数の放熱部3は、輻射熱Rを放射する面において分散して配置されている。複数の放熱部3は、互いに重複することがないように配置されている。複数の放熱部3は、互いに離れて配置されている。複数の放熱部3は、図中のX−Y平面上の所定面積を占めるように規則的に配列されている。複数の放熱部3は、放熱部アレイと呼ぶことができる。複数の放熱部3は、基板部2の表面に対してn×nのグリッドを形成するように配置されている。複数の放熱部3は、基板部2の表面に対して予め設定された規則に沿って分布している。複数の放熱部3は、一対の端子7の間、すなわち端子71と端子72との間に形成されるひとつまたは複数の通電経路の上に並べられている。図示の例においては、複数の放熱部3は、蛇行する通電経路の上に並べられている。
複数の放熱部3は、基板部2の内部に埋設されている。具体的には、複数の放熱部3は、表面層21と中間層23との間に配置されている。よって、複数の放熱部3は、基板部2の表面には露出していない。複数の放熱部3は、基板部2によって保護されている。
複数の発熱部4のそれぞれは、通電によって発熱する材料によって作られている。発熱部4は、金属材料によって作ることができる。複数の発熱部4も、複数の放熱部3と同じように、基板部2の表面に対して、分散して配置されている。
発熱部4は、隣接する2つの放熱部3、3の間に配置され、隣接する2つの放熱部3、3に接続されている。よって、発熱部4は、放熱部3に熱的に接続され、通電によって発熱する部材である。発熱部4と放熱部3とは、熱伝達可能に接続されている。これにより、発熱部4が発生した熱は、直接的に接続された放熱部3に直接的に伝達される。ひとつの発熱部4が発生した熱は、基板部2などの部材を経由して、離れて位置する他の放熱部3にも伝達される。さらに、発熱部4と放熱部3とは、通電可能に接続されている。ひとつの放熱部3に対して少なくとも2つの発熱部4が接続されている。複数の発熱部4と、複数の放熱部3とは、一対の端子7の間に一連の通電経路を形成する。
発熱部4は、電流を集中させるために、通電方向に沿って小さい断面積をもつように形成されている。発熱部4は、隣接する2つの放熱部3の間の熱伝達を抑制するために、隣接する2つの放熱部3の間における断面積を小さくするように形成されている。図示の例では、発熱部4は、放熱部3より厚い。しかし、X−Y平面における発熱部4の幅は、放熱部3の幅より小さい。X−Y平面における発熱部4の幅は、放熱部3の幅の半分より小さい。発熱部4の長さは、所定の発熱量を得るために、所定の長さをもつように設定されている。さらに、発熱部4の長さは、隣接する2つの放熱部3の間の熱伝達を抑制するために、長く設定されている。この結果、発熱部4は、X−Y平面において細長い形状を与えられている。
この実施形態のひとつの発熱部4aは、隣接する2つの放熱部3、3の間を埋めるとともに、隣接する2つの放熱部3、3の下にも位置するように形成されている。発熱部4aも輻射熱Rを放射する。ただし、X−Y平面における発熱部4aの面積が小さいため、輻射熱Rの放射量は少ない。発熱部4aは、発熱および放熱のための部材である。
この実施形態では、発熱部4aの少なくとも一部分は、複数の放熱部3aの厚さが規定する薄い層の中に配置されている。よって放熱部と発熱部との両方を採用しても、薄い輻射ヒータ装置1を提供できる。ひとつの発熱部4aは、放熱部3aが規定する薄い層の中に配置された部分を有している。発熱部4aの少なくとも一部分は、複数の放熱部3aが配列された同一面上に位置付けられている。複数の放熱部3aと、複数の発熱部4aとは、放熱部3aの面方向、すなわちX−Y平面と平行な方向に関して、重複している。発熱部4aの少なくとも一部は、放熱部3aの面方向、すなわちX−Y平面と平行な方向に関して、放熱部3aと並んで配置されている。言い換えると、発熱部4aの少なくとも一部は、放熱部3aの厚さ範囲内に位置付けられている。この構成は、発熱部4aの熱が、面方向に伝達されることを可能とする。
発熱部4aの少なくとも一部分は、複数の放熱部3aの厚さが規定する薄い層から裏面方向へ突出するように配置されている。ひとつの発熱部4aは、放熱部3aが規定する薄い層から裏面方向へ突出して配置された部分を有している。発熱部4aの少なくとも一部分は、複数の放熱部3aが配列された同一面から突出して位置付けられている。複数の放熱部3aと、複数の発熱部4aとは、放熱部3aの面方向、すなわちX−Y平面と平行な方向に関して、重複していない部分を有する。言い換えると、発熱部4aの少なくとも一部は、放熱部3aの厚さ範囲の外に位置付けられている。
放熱部3の数と発熱部4の数とはほぼ等しい。この結果、ひとつの発熱部4によって発生される熱量とほぼ等しい熱量がひとつの放熱部3に与えられる。ひとつの発熱部4が発生し、放熱部3に供給される熱は、対応付けられたひとつの放熱部3の温度が上記放射温度に到達できるように設定されている。
隣接する2つの放熱部3の間には、それらの間における熱伝達を抑制するための低熱伝導部6が設けられている。低熱伝導部6は、主として基板部2を構成する材料によって構成されている。低熱伝導部6は、X−Y平面において、ひとつの放熱部3の全周を囲んでいる。ひとつの放熱部3を囲む低熱伝導部6は、周囲からその放熱部3への熱の流入を抑制する。すべての放熱部3は、その全周が低熱伝導部6によって囲まれている。低熱伝導部6は、すべての放熱部3の全周を囲むことによって複数の放熱部3の間に熱的な障壁を提供している。低熱伝導部6は、複数の放熱部3を互いに熱的に分離している。
特定のひとつの放熱部3を囲む低熱伝導部6は、特定の放熱部3の周囲から、その特定の放熱部3への熱伝導を抑制する。また、装置1の上には、特定の放熱部群を想定することができる。特定の放熱部群は、ひとかたまりになって位置付けられた複数の放熱部3の群である。この場合、特定の放熱部群を囲む低熱伝導部6は、特定の放熱部群の周囲から、その特定の放熱部群への熱伝導を抑制する。
この実施形態では、放熱部3aが四角形であるから、その4辺に低熱伝導部6が配置されている。ひとつの放熱部3aの少なくともひとつの辺においては、基板部2だけを有する第1の低熱伝導部61が形成されている。第1の低熱伝導部61は、ひとつの放熱部3aの少なくとも2辺において形成されている。ひとつの放熱部3aの少なくともひとつの辺においては、基板部2と発熱部4とを有する第2の低熱伝導部62が形成されている。第2の低熱伝導部61は、ひとつの放熱部3aの少なくとも1辺において形成されている。4方を他の放熱部3aによって囲まれた放熱部3aの場合、ふたつの第1の低熱伝導部61と、ふたつの第2の低熱伝導部62とがその放熱部3aを囲んでいる。
図4は、ひとつの放熱部3を含む断面(4A)と、その放熱部3の周囲に形成される断面(4B)、(4C)とを示す。さらに、図中には、主要な熱伝達の方向が矢印によって示されている。断面(4C)が示す第1の低熱伝導部61は、基板部2を構成する材料21、22、23だけで構成されている。よって、第1の低熱伝導部61における平均的な熱伝導率K61は、基板部2の熱伝導率に基づいて求めることができる。断面(4B)が示す第2の低熱伝導部62は、基板部2を構成する材料21、22、23と発熱部4とで構成されている。よって、第2の低熱伝導部62における平均的な熱伝導率K62は、基板部2の熱伝導率および発熱部4の熱伝導率に基づいて求めることができる。断面(4A)が示す放熱部3を横断する断面における平均的な熱伝導率K3Rは、基板部2の熱伝導率および放熱部3の熱伝導率に基づいて求めることができる。
基板部2を形成する樹脂材料の熱伝導率K2は、放熱部3を提供する材料の熱伝導率K3、および発熱部4を提供する材料の熱伝導率K4より格段に低い。すなわち、K2<<K3、K2<<K4である。さらに、発熱部4を提供する材料の熱伝導率K4は、放熱部3を提供する材料の熱伝導率K3より低い。すなわち、K4<K3である。熱伝導率K62は、熱伝導率K61より大きい。すなわち、K61<K62である。しかし、熱伝導率K3Rは、熱伝導率K61および熱伝導率K62より格段に大きい。すなわち、K61<<K3R、かつ、K62<<K3Rである。
四方を囲まれた放熱部3は、2つの第1の低熱伝導部61と、2つの第2の低熱伝導部62とで囲まれている。よって、その放熱部3を囲む全周における平均的な熱伝導率KPは、KP=2・K61+2・K62である。この実施形態では、KP<K3Rとなるように材料および寸法が設定されている。すなわち、放熱部3を横断する断面(4A)における平均的な熱伝導率K3Rは、その放熱部3を囲む全周の熱伝導率KPより大きい。
この構成によると、放熱部3を含む断面においては熱が急速に伝達される。よって、ひとつの放熱部3の温度は、急速に上昇、下降することができる。装置1の表面に物体が接触していないときに、放熱部3上の表面層21の表面において所定放射温度が得られるように発熱部4の発熱量が設定されている。これにより、乗員12に暖かさを与えることができる輻射熱Rが放射される。発熱部4の発熱量は、発熱部4の材料、寸法、電流値によって調節することができる。装置1への通電を開始すると、装置1の表面温度は、上記所定放射温度まで急速に上昇する。このため、冬期などにおいても、乗員12に迅速に暖かさを与えることができる。
ひとつの特定の放熱部3の上において装置1の表面に物体が接触した場合、その特定の放熱部3の熱は接触している物体に急速に伝達される。この結果、特定の放熱部3の温度は急速に低下する。よって、物体が接触している部分の装置1の表面温度は急速に低下する。特定の放熱部3の熱は、接触している物体に伝わり、接触している物体に拡散する。このため、接触している物体の表面温度の過剰な上昇が抑制される。
特定の放熱部3に直接的に接続されている発熱部4が発熱によって供給する熱は、物体が接触している部分の温度を過剰に上昇させるほどに大きい熱量を発生しない。よって、物体が接触している部分の装置1の表面温度の上昇が抑制される。
装置1の表面の一部に物体を接触しているとき、物体が接触していない部分では、発熱部4が供給する熱と放熱部3が放射する熱とのバランスが維持されている。よって、物体が接触してない部分の装置1の表面温度は、輻射熱Rを放射するために適した高温になることができる。
さらに、上記構成によると、ひとつの特定の放熱部3の周囲から、その特定の放熱部3への熱伝達が抑制される。このため、特定の放熱部3に追加的に供給される熱量が抑制される。特定の放熱部3に追加的に供給される抑制された熱量は、接触している物体に伝わり、接触している物体に拡散する。よって、物体が接触している部分の装置1の表面温度の上昇が抑制される。同時に、接触している物体の表面温度の過剰な上昇が抑制される。低熱伝導部6の熱伝導率KPは、放熱部3の上において物体が接触するとき、物体が接触している部分の温度が、放射温度より低く、物体の温度よりやや高い抑制温度に安定するように設定されているといる。
この構成によると、ひとつの放熱部3またはひとかたまりの放熱部群の熱的な容量が小さい。また、ひとつの放熱部3またはひとかたまりの放熱部群への周囲からの熱伝達が低熱伝導部6によって抑制されるから、追加的な熱の供給が抑制される。このため、ひとつの放熱部3またはひとかたまりの放熱部群の上において装置1の表面に物体が接触した場合、物体が接触している部分の温度が長時間にわたって高温に維持されることが回避される。
別の観点では、特定の放熱部3を囲む低熱伝導部6は、基板部2だけで構成された第3の低熱伝導部63と、発熱部4を含む第4の低熱伝導部64とを有する。図中においては、放熱部3の外周から発熱部4だけを除いた範囲が第3の低熱伝導部63である。厚さ方向に関して発熱部4が存在する部分が第4の低熱伝導部64である。この実施形態では、発熱部4の幅は放熱部3の幅に比べて十分に小さい。このため、第3の低熱伝導部63は、ひとつの放熱部3のX−Y平面における外周の3/4以上を囲んでいる。第3の低熱伝導部63は、ひとつの放熱部3の外周の4/5以上を囲むことが望ましい。第3の低熱伝導部63は、ひとつの放熱部3の外周の9/10以上を囲むことができる。複数の放熱部3のすべては、その全周のほとんどを第3の低熱伝導部63によって囲まれている。このため、周囲から放熱部3への熱伝達が抑制される。
表面層21は、複数の放熱部3および発熱部4を覆う。表面層21は、隣接する複数の放熱部3aの間であって、発熱部4aの直上に対応して位置付けられた厚肉部21aを有する。表面層21は、複数の発熱部4aに対応して複数の厚肉部21aを有する。表面層21は、放熱部3aの直上に対応して位置付けられた薄肉部21bを有する。表面層21は、複数の放熱部3aに対応して複数の薄肉部21bを有する。厚肉部21aにおける表面層21の厚さは、薄肉部21bにおける表面層21の厚さより厚い。
厚肉部21aと薄肉部21bとは、表面層21の表面に凹凸を提供する。厚肉部21aは、突出部分21aとも呼ばれる。薄肉部21bは、厚肉部21aより薄い凹部21bとも呼ばれる。さらに、薄肉部21bは、輻射熱Rを放射するための主要な放射面を提供するから放射部とも呼ぶことができる。また、薄肉部21bは、輻射ヒータ装置1の一般部とも呼ぶことができる。この一般部は、輻射ヒータ装置1の表面積の多くの部分、例えば半分以上の面積を占めることができる。
厚肉部21aは、周囲を薄肉部21bによって囲まれた独立した台形突起である。厚肉部21aは、輻射ヒータ装置1の表面方向への発熱部4aの投影範囲の少なくとも一部と重複するように位置付けられている。輻射ヒータ装置1の表面における厚肉部21aの面積は、輻射ヒータ装置1の表面方向への発熱部4aの投影面積より大きい。厚肉部21aは発熱部4nの少なくとも一部を覆っている。図示の例では、厚肉部21aは、発熱部4aの投影範囲を完全に覆っている。厚肉部21aの一部は、放熱部3aの一部も覆っている。厚肉部21aの一部は、放熱部3aの上にも位置している。
厚肉部21aは、輻射ヒータ装置1の表面に物体が接触した場合に、発熱部4aと物体との距離を規定する。よって、厚肉部21aは、発熱部4aへの物体の近接を抑制する。また、厚肉部21aは薄肉部21bから急な傾斜をもって厚肉しているから、厚肉部21aの周囲において、物体と薄肉部21bの表面との直接的な接触を抑制する。
厚肉部21aは、発熱部4aの直上において、基板2の厚さ方向への熱伝達を抑制する。薄肉部21bは、放熱部3aの直上において、放熱部3aからの放熱を促進する。よって、厚肉部21aは、放熱部3aからの放熱を妨げることなく、発熱部4aから表面への直線的な熱伝達を抑制する。
図5および図6は、第1実施形態における寸法の一例を示している。この例では、表面層21および裏面層22は、ポリイミド樹脂によって作られている。表面層21および裏面層22は、代表点において、0.29W/(m・K)の熱伝導率を提供する。中間層23は、LCPと呼ばれる液晶ポリマーによって作られている。中間層23は、代表点において、0.56W/(m・K)の熱伝導率を提供する。放熱部3は、銅によって作られている。放熱部3は、代表点において、約300W/(m・K)の熱伝導率を提供する。発熱部4は、Ni−Sn合金によって作られている。発熱部4は、代表点において、約80W/(m・K)の熱伝導率を提供する。
この一例によると、第1の低熱伝導部61の熱伝導率K61は、0.48W/(m・K)である。第2の低熱伝導部62の熱伝導率K62は、5.25W/(m・K)である。放熱部3を横断する断面における熱伝導率K3Rは、35.66W/(m・K)である。よって、K3R>KP=2・K61+2・K62の関係が得られる。
この一例では、装置1の表面に物体が接触していないときに、放熱部3上の表面層21の表面において約90°Cの表面温度が得られるように発熱部4の発熱量が設定されている。これにより、乗員12に暖かさを与えることができる輻射熱Rが放射される。発熱部4の発熱量は、発熱部4の材料、寸法、電流値によって調節することができる。装置1の表面温度は、約90°Cまで急速に上昇する。このため、冬期などにおいても、迅速に乗員12に暖かさを与えることができる。
装置1の表面に物体が接触すると、装置1の表面温度は、その接触部分においてのみ、急激に、かつ接触している物体の温度の近傍にまで低下する。例えば、装置1の表面に物体が接触すると、接触部分の温度は物体の温度よりやや高い温度、例えば約45°Cに急激に低下する。このため、物体が接触している部分の温度が長時間にわたって高温に維持されることが抑制される。
この実施形態によると、複数の放熱部3の間には、発熱部4の少なくとも一部分があらわれる。輻射ヒータ装置1の表面には、複数の発熱部4が分散してあらわれる。これらの発熱部4は通電により発熱すると、輻射ヒータ装置1の表面において局部的な高温部分となる。厚肉部21aは、輻射ヒータ装置1の表面から発熱部4、すなわち局部的な高温部分への近接を抑制する。
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図7は、輻射ヒータ装置201の平面図である。輻射ヒータ装置201は、輻射ヒータ装置1の一部を変形した変形例である。
輻射ヒータ装置201は、基板2の平面において分散して配置された複数の放熱部3mを有する。複数の放熱部3mは、互いに独立している。ひとつの放熱部3mは、低熱伝導部6、61、62によって囲まれている。ひとつの放熱部3mは、それ自身を形成する材料よりも熱伝導率が低い部分によって囲まれている。複数の放熱部3mのそれぞれは、四角形または四辺形と呼びうる形状である。複数の放熱部3mは、配列方向に沿って、隣接する2つの放熱部3mの角部が対向するように配列されている。言い換えると、複数の放熱部3mは、2つの対角線の一方が配列方向に沿うように配列されている。配列方向は、通電経路に沿って延びている。
輻射ヒータ装置201は、複数の放熱部3mに熱を供給する複数の発熱部4jを備える。発熱部4jは、連結部34によって提供されている。ひとつの発熱部4jは、隣接する2つの放熱部3mの間に配置されている。ひとつの発熱部4jは、隣接する2つの放熱部3mに熱的に接続されている。放熱部3mと発熱部4jとは連続した同一の材料によって提供されている。
発熱部4jは、複数の放熱部3mが配列された配列方向に細長く延びている。よって、発熱部4jの長手方向は、放熱部3mの対角線方向に一致している。発熱部4jは、放熱部3mの対角線上に長く延在するように配置されている。これにより、比較的長い発熱部4jを採用することができる。通電部でもある発熱部4jの通電方向の長さCLは、通電部が接続する放熱部3mの間の距離DLと等しい。
放熱部3mは、その対角線上の両端部分において発熱部4jと連続している。言い換えると、放熱部3mは、その外形に複数の突出部分を有しており、その突出部分において発熱部4jと連続している。この結果、放熱部3mは、その対角線上のひとつの端部、または両端部に、発熱部4jから供給される熱を受ける。言い換えると、放熱部3mは、その突出部分の先端部分に熱を受ける。
放熱部3mは、対角線上の端部から中央部に向けて、幅が徐々に拡大する拡大形状を有する。この拡大形状は、2つの辺が規定する扇状の形状、または三角形によって提供される。言い換えると、放熱部3mは、突出部分の先端部から基部に向けて徐々に拡大している。放熱部3mの断面積は、対角線の方向に沿って、端部から中央部に向けて、徐々に大きくなる。
発熱部4jは、放熱部3mに比べて明らかに細い。よって、放熱部3mと発熱部4jとの間には、接続部37を認定できる。接続部37は、境界とも呼びうる部位である。接続部37は、放熱部3mへの熱入力部でもある。
放熱部3mは通電方向に沿って長さRLを有する。長さRLは、2つの接続部37、37をつなぐ線の長さでもある。長さRLは、放熱部3mにおける熱伝達方向の長さでもある。放熱部3mは、通電方向と直交する方向に関して幅RWを有する。放熱部3mの幅RWは、2つの接続部37、37をつなぐ線と直交する方向に関する幅でもある。よって、幅RWは、放熱部3mにおける熱伝達方向に対する幅でもある。放熱部3mの平面的な形状は、接続部37から長さRLに沿って幅RWが徐々に増加する形状である。幅RWは、長さRLの方向の中央部において最大となる。
放熱部3mは、熱を対角線に沿って伝える。同時に、放熱部3mは、発熱部4jから供給される熱を、幅方向に拡散させながら伝える。言い換えると、放熱部3mは、ひとつの端部から中央部に向けて熱を幅方向に拡散させながら伝える。しかも、放熱部3mの形状は、熱の過剰な拡散を抑制する。よって、放熱部3mの全体にわたるなだらかな温度分布が得られる。放熱部3mの形状は、望ましい電流分布を提供するためにも貢献する。
図8および図9は、輻射ヒータ装置201の一部分を拡大して示している。図9は、図8の9−9断面を示す。
表面層21、裏面層22、および中間層23は、熱伝導率が低い樹脂材料によって提供される。複数の放熱部3mおよび発熱部4jは、金属材料製の薄膜によって提供される。複数の放熱部3mおよび発熱部4jは銅製である。複数の放熱部3mおよび発熱部4jは、表面層21と中間層23との間に配置される。複数の放熱部3mおよび発熱部4jは、表面層21の下面、または中間層23の上面に付着させることができる。
この実施形態でも、表面層21は、厚肉部21aと薄肉部21bとを提供する。厚肉部21aは、細長い連結部34、すなわち発熱部4jの全体を覆うために、細長い長方形である。
この実施形態によると、先行する実施形態において説明した基礎的な利点に加えて、以下の利点が得られる。この実施形態によると、隣接する2つの放熱部3mの間に、比較的長い発熱部4jを配置することができる。よって、長い発熱部4jを採用しながら、複数の放熱部3mを高い密度で配置することができる。また、それぞれの放熱部3mは、突出部分の先端部から基端部に向けて徐々に断面積が拡大する形状を有するから、望ましい温度分布を得ることができる。
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図10および図11は、輻射ヒータ装置301の一部分を拡大して示している。図11は、図10の11−11断面を示す。輻射ヒータ装置301は、輻射ヒータ装置201の一部を変形した変形例である。
この実施形態では、放熱部3rと発熱部4tとは、異なる材料によって提供されている。放熱部3rは、熱伝導性に優れた金属材料製である。発熱部4tは、通電によって発熱する金属材料製である。
発熱部4tの全体は、複数の放熱部3rの厚さが規定する薄い層の中に配置されている。発熱部4tは、複数の放熱部3rが配列された同一面上に位置付けられている。複数の放熱部3rと、複数の発熱部4tとは、放熱部3rの面方向、すなわちX−Y平面と平行な方向に関して、重複している。言い換えると、発熱部4tの全体は、放熱部3rの厚さ範囲内に位置付けられている。発熱部4tは、複数の放熱部3rの厚さが規定する薄い層から突出していない。
この構成によると、放熱部3rにおける熱伝達と、輻射熱の放射のために、放熱部3rの材料を選定することができる。また、発熱部4tにおける発熱のために、発熱部4tの材料を選定することができる。この結果、放熱部3rにおいては優れた熱の放射を提供でき、発熱部4tにおいては優れた発熱を提供できる。
(第4実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図12は、輻射ヒータ装置401の部分的な拡大断面図である。輻射ヒータ装置401は、輻射ヒータ装置301の一部を変形した変形例である。
表面層21は、平板状または膜状と呼びうる内層21cと、厚肉部21aおよび薄肉層21bが形成された外層21fとを有する。厚肉部21aは、発熱部4tとほぼ同じ大きさに広がっている。この実施形態によると、平板状の内層21cと、凹凸を提供する外層21dとによって表面層21を形成することができる。
(第5実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図13および図14は、輻射ヒータ装置501の一部分を拡大して示している。図14は、図13の14−14断面を示す。輻射ヒータ装置501は、輻射ヒータ装置301の一部を変形した変形例である。
この実施形態では、表面層21は、厚肉部21aを備える。厚肉部21aは、輻射ヒータ装置1の表面方向への発熱部4tの投影範囲の少なくとも一部と重複するように位置付けられている。輻射ヒータ装置1の表面における厚肉部21aの面積は、輻射ヒータ装置1の表面方向への発熱部4tの投影面積より小さい。図示の例では、厚肉部21aは、発熱部4tの投影範囲の中に含まれている。厚肉部21aは、発熱部4tの投影範囲のほぼ中央に位置付けられている。よって、厚肉部21aは、発熱部4tの一部だけを覆っている。厚肉部21aは、放熱部3aを全く覆っていない。厚肉部21aは、発熱部4tの上だけに位置付けられている。
(第6実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図15は、輻射ヒータ装置601の部分的な拡大断面図である。輻射ヒータ装置601は、輻射ヒータ装置301の一部を変形した変形例である。
輻射ヒータ装置601は、基板2の平面において分散して配置された複数の放熱部3hを有する。複数の放熱部3hは、互いに独立している。ひとつの放熱部3hは、低熱伝導部6、61、62によって囲まれている。ひとつの放熱部3hは、それ自身を形成する材料よりも熱伝導率が低い材料によって囲まれている。複数の放熱部3hのそれぞれは、四角形または四辺形と呼びうる形状である。複数の放熱部3hは、配列方向に沿って、隣接する2つの放熱部3hの角部が対向するように配列されている。言い換えると、複数の放熱部3hは、2つの対角線の一方が配列方向に沿うように配列されている。配列方向は、通電経路に沿って延びている。
輻射ヒータ装置1601は、複数の放熱部3hに熱を供給する複数の発熱部4nを備える。ひとつの発熱部4nは、隣接する2つの放熱部3hの間に配置されている。ひとつの発熱部4nは、隣接する2つの放熱部3hに熱的に接続されている。複数の発熱部4nは、互いに独立している。ひとつの発熱部4nは、それ自身を形成する材料よりも熱伝導率が低い材料によって囲まれている。複数の放熱部3hは、複数の発熱部4nより輻射ヒータ装置601の表面の近くに配置されている。言い換えると、複数の発熱部4nは、複数の放熱部3hの下側に配置されている。
発熱部4nは、複数の放熱部3hが配列された配列方向に細長く延びている。よって、発熱部4nの長手方向は、放熱部3hの対角線方向に一致している。発熱部4nは、放熱部3hの対角線上に長く延在するように配置されている。これにより、比較的長い発熱部4nを採用することができる。通電部でもある発熱部4nの通電方向の長さCLは、通電部が接続する放熱部3hの間の距離DLより長い。通電によって発熱する発熱部4nは、放熱部3hの間に位置する部分、すなわち距離DLの部分、を除いて放熱部3hによって覆われるように配置されている。
放熱部3hは、その対角線上の両端部分において発熱部4nと接合されている。言い換えると、放熱部3hは、その外形に複数の突出部分を有しており、その突出部分において発熱部4nと接合されている。この結果、放熱部3hは、その対角線上のひとつの端部、または両端部に、発熱部4nから供給される熱を受ける。言い換えると、放熱部3hは、その突出部分の先端部分に熱を受ける。
放熱部3hは、対角線上の端部から中央部に向けて、幅が徐々に拡大する拡大形状を有する。この拡大形状は、2つの辺が規定する扇状の形状、または三角形によって提供される。言い換えると、放熱部3hは、突出部分の先端部から基部に向けて徐々に拡大している。放熱部3hの断面積は、対角線の方向に沿って、端部から中央部に向けて、徐々に大きくなる。
放熱部3hは、熱を対角線に沿って伝える。同時に、放熱部3hは、発熱部4nから供給される熱を、幅方向に拡散させながら伝える。言い換えると、放熱部3hは、ひとつの角部から中央部に向けて熱を幅方向に拡散させながら伝える。しかも、放熱部3hの形状は、熱の過剰な拡散を抑制する。よって、放熱部3hの全体にわたるなだらかな温度分布が得られる。放熱部3hの形状は、望ましい電流分布を提供するためにも貢献する。
図16は、輻射ヒータ装置601の一部分を拡大して示している。図17は、図16の17−17断面を示す。図18は、輻射ヒータ装置601の部分的な分解斜視図である。
表面層21、裏面層22、および中間層23は、熱伝導率が低い樹脂材料によって提供される。複数の放熱部3hは、金属材料製の薄膜によって提供される。複数の放熱部3hは銅製である。複数の放熱部3hは、表面層21と中間層23との間に配置される。複数の放熱部3hは、表面層21の下面、または中間層23の上面に付着させることができる。
複数の発熱部4nは、金属材料製の薄膜によって提供される。複数の発熱部4nは銅製である。複数の発熱部4nは、中間層23と裏面層22との間に配置される。複数の発熱部4nは、中間層23の下面、または裏面層22の上面に付着させることができる。
接合部5dは、放熱部3hと発熱部4nとの間に配置されている。接合部5dは、放熱部3hと発熱部4nとに熱的にかつ電気的に接続されている。接合部5dは、電線部5を提供する。この構成では、発熱部4nと接合部5dとによって通電部が提供される。接合部5dは、柱状の部材である。接合部5dは、円錐台形状である。接合部5dは、多層基板の技術分野においてビアとも呼ばれる。接合部5dは、中間層23を貫通して延びている。接合部5dは、その一端で放熱部3hと熱的かつ電気的に接続されている。接合部5dは、その他端で放熱部3hと熱的かつ電気的に接続されている。接合部5dの広い底面は、放熱部3hに接続されている。接合部5dの狭い頂面は、発熱部4nに接続されている。
接合部5dは、放熱部3hおよび発熱部4nと熱的に、かつ電気的に接続可能な金属材料製である。接合部5dは、Ag−Sn系の合金製である。
中間層23には、接合部5dが貫通して配置される貫通孔23aが形成されている。貫通孔接合部5dは、貫通孔23aの中に配置される。貫通孔23aは、円錐台形状の穴である。貫通孔23aは、大径端と小径端とを提供する。貫通孔23aの形状は、接合部5dを形成するための材料を貫通孔23aの中に押し込む工程において、材料の押し込みを容易にするという利点を提供する。材料は、大径端から押し込まれる。製造方法の一例は、接合部5dを形成するためのペースト状の材料が大径端から押し込まれる工程を含む。製造方法の一例では、押し込み工程の後に、複数の部材21、3、23、4、22が積層される工程と、積層物を加熱する工程とが採用される。加熱工程では、貫通孔23a内に配置された材料が焼結され、合金化されることにより接合部5dが形成される。加熱工程では、貫通孔23aに配置された材料は、放熱部3hと接合される。加熱工程では、貫通孔23aに配置された材料は、発熱部4nと接合される。
この実施形態では、表面層21は、厚肉部21aを備える。厚肉部21aは、輻射ヒータ装置601の表面方向への発熱部4nの投影範囲の全体と重複するように位置付けられている。厚肉部21aは発熱部4nの少なくとも一部を覆っている。発熱部4nは、2つの放熱部3hの間に位置付けられ、輻射ヒータ装置601の表面に直接的に面した直接表出部分をもつ。厚肉部21aは、発熱部4nの直接表出部分の全体を覆っている。この構成では、輻射ヒータ装置601の表面と放熱部3hとの間には、薄肉部21bによって薄い樹脂層が提供される。薄肉部21bは、放熱部3hの直上において放熱量を大きくすることを可能とする。一方、輻射ヒータ装置601の表面と発熱部4nとの間には、中間層23と厚肉部21aとによって厚い樹脂層が提供される。このため、発熱部4nの直上において発熱部4nから輻射ヒータ装置601の表面への直線的な熱伝達が抑制される。
図示の例では、表面層21および裏面層22の厚さは25μmである。中間層23の厚さは80μmである。放熱部3hの厚さは12μmである。貫通孔23aの直径は、80μm〜50μmである。接合部5dの厚さ(高さ)は80μmである。発熱部4nの厚さは12μmである。発熱部4nは、リボン部分の両端に円形の接続部をもつ鉄アレイ型である。リボン部の幅は、放熱部3hよりも十分に小さく、接合部5dの直径より小さい。リボン部の幅は、30μmである。両端の接続部は、接合部5dの直径より大きい。接続部の半径は、150μmである。
この実施形態によると、先行する実施形態において説明した基礎的な利点に加えて、以下の利点が得られる。この実施形態によると、隣接する2つの放熱部3hの間に、比較的長い発熱部4nを配置することができる。よって、長い発熱部4nを採用しながら、複数の放熱部3hを高い密度で配置することができる。また、それぞれの放熱部3hは、突出部分の先端部から基端部に向けて徐々に断面積が拡大する形状を有するから、望ましい温度分布を得ることができる。
(第7実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図19は、輻射ヒータ装置701の部分的な拡大断面図である。輻射ヒータ装置701は、輻射ヒータ装置201の一部を変形した変形例である。
この実施形態では、表面層21は、厚肉部721aを有する。厚肉部721aは、複数の発熱部4jにわたって連続して細長く延びている。厚肉部721aは、線状または帯状と呼びうる形状をもつ。複数の発熱部4jは、輻射ヒータ装置701の表面と平行な面において、二次元的に分散して配列されている。しかも、複数の発熱部4jは、規則的に並べられている。複数の発熱部4jは、少なくともひとつの列をなすように、望ましくは複数の列をなしている。厚肉部721aは、ひとつの列をなすように並ぶ複数の発熱部4jにわたって延びている。
複数の放熱部3mは、それらの間に帯状の隙間を形成するように配列されている。厚肉部721aは、帯状の隙間の直上に位置付けられている。厚肉部721aは複数の放熱部3mの間に細長く延びている。厚肉部721aは、複数の放熱部3mの間に区画される隙間にあらわれる複数片の発熱部4jの上に位置付けられている。厚肉部721aは、放熱部3mを覆う量を抑制するように細長く形成され、配置されている。
(第8実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図20および図21は、輻射ヒータ装置801を示す。図21は、図20の21−21断面を示す。輻射ヒータ装置701は、輻射ヒータ装置201の一部を変形した変形例である。
この実施形態では、表面層21は、厚肉部821aを有する。厚肉部821aは、複数の発熱部4jにわたって連続して延びている。厚肉部821aは、網状と呼びうる形状をもつ。厚肉部821aは複数の放熱部3mの間に網状に広がっている、表面層21は、厚肉部821aによって囲まれ、区画された複数の薄肉部21bを有する。
(他の実施形態)
以上、開示された発明の好ましい実施形態について説明したが、開示された発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、開示された発明の技術的範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。開示された発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
例えば、放熱部3の形状は、図示された形状に限られるものではない。放熱部3として、円形、楕円形、六角形、八角形、花弁状、渦巻き状などの種々の形状を採用することができる。また、複数の放熱部3は、同心円状、渦巻き状、ハニカム状など種々の配列規則に従って配列することができる。
また、輻射ヒータ装置の外側に、さらにネット状、または透明な保護部材を設けてもよい。
1、201、301〜801 輻射ヒータ装置、
2 基板、21 表面層、22 裏面層、23 中間層、
21a、721a、821a 厚肉部、21b 薄肉部、
3 放熱部、34 連結部、
4 発熱部、
6 低熱伝導部、61 第1の低熱伝導部、62 第2の低熱伝導部、
7 端子。

Claims (9)

  1. 通電によって供給される熱によって輻射熱(R)を放射可能な放熱部(3)であって、面において分散して配置された複数の放熱部(3)と、
    複数の前記放熱部のそれぞれを囲むように設けられ、前記放熱部を含む断面における熱伝導率(K3R)より低い熱伝導率(KP、K61、K62)を有する低熱伝導部(6、61、62)と、
    前記放熱部に熱的に接続され、通電によって発熱する発熱部(4)と、
    複数の前記放熱部および前記発熱部を覆う表面層(21)とを備え、
    前記表面層は、複数の前記放熱部の上に位置付けられた薄肉部(21b、721b、821b)と、
    複数の前記放熱部の間であって、前記発熱部の上に位置付けられ、前記薄肉部より厚い厚肉部(21a)とを備えることを特徴とする輻射ヒータ装置。
  2. 前記放熱部は薄い板状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の輻射ヒータ装置。
  3. さらに、前記放熱部を支持する基板部(2)を備え、
    前記発熱部は、隣接するふたつの前記放熱部の間に設けられ、電流を流すことができる通電部(4a、4j、4n、4t、34)であり、
    前記低熱伝導部は、前記放熱部を含むことなく前記基板部と前記通電部とを含むことを特徴とする請求項2に記載の輻射ヒータ装置。
  4. 前記放熱部を含む断面における熱伝導率は、前記放熱部を横断する断面(4A)における平均的な熱伝導率(K3R)であり、
    前記低熱伝導部の熱伝導率は、前記放熱部を囲む全周における平均的な熱伝導率(KP(2・K61+2・K62))であることを特徴とする請求項3に記載の輻射ヒータ装置。
  5. 前記放熱部に供給される熱は、人に暖かさを感じさせる輻射熱を放射できる放射温度に前記放熱部の温度が到達できるように設定され、
    前記低熱伝導部の熱伝導率は、前記放熱部の上において物体が接触するとき、前記物体が接触している部分の温度が、前記放射温度より低く、前記物体の温度よりやや高い抑制温度に安定するように設定されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の輻射ヒータ装置。
  6. 前記厚肉部は前記発熱部の少なくとも一部を覆っていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の輻射ヒータ装置。
  7. 前記厚肉部は前記発熱部の全体を覆っていることを特徴とする請求項6に記載の輻射ヒータ装置。
  8. 前記厚肉部は複数の前記放熱部の間に細長く延びていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の輻射ヒータ装置。
  9. 前記厚肉部は複数の前記放熱部の間に網状に広がっていることを特徴とする請求項8に記載の輻射ヒータ装置。
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