JP5842345B2 - 半導体集積回路のレイアウト設計装置、レイアウト設計方法及びレイアウト設計プログラム並びに半導体集積回路装置の製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、消費電力の低減を目的として低電圧化及び高速化が進んでいる近年のLSIでは、大きなマージンを付加した設計では低消費電力化及び高速化を図ることが困難であり、また十分なマージン確保することも困難となってきている。
そこで、必要十分なマージンだけを付加した設計を可能とするための技術が望まれるようになった。
パッケージ応力とSTI応力は、互いに独立したまったく別物ではあるが、どちらも製造段階における素子の特性変動の要因となるものである。
しかしながら、この解析結果が不適合(NG:No Good)となった場合には、設計フローの初期段階に戻って再設計を行なうことが必要となるという問題があった。そして、例えば再設計した結果が再び不適合となれば、設計TAT(Turn Around Time)が長くなってしまう虞れもある。
ここで、シリコンは半導体であるから、半導体チップにはシリコンチップも含まれる。また、同一構造とは、材料、形状及び寸法が同一であることを意味する。なお、応力分布データを得るのに用いられた半導体チップと同一構造の半導体チップには、応力分布データを得るのに用いられた半導体チップ上に作成された応力測定用の素子や配線など、パッケージ応力を測定することだけを目的として半導体チップ上に形成された構造は含まれない。
本発明の半導体集積回路のレイアウト設計方法及びレイアウト設計プログラムでは、素子特性変動計算ステップで応力分布データ、レイアウトデータ及び検量線データに基づいて各素子についてパッケージ応力による素子特性変動を算出し、素子レイアウト補正ステップで素子特性変動計算ステップが算出した素子特性変動を打ち消すように素子レイアウトデータを補正し、チップレイアウト補正ステップで補正後素子レイアウトデータを用いてチップレイアウトデータを補正するようにした。
これにより、補正後チップレイアウトデータに基づく半導体集積回路はパッケージ応力に起因する特性変動による誤動作が起こる可能性が低くなり、設計フローの初期段階に戻って再設計を行なう必要が生じる可能性も低くなる。これにより、設計TATの増大を防止できる。さらに、製造歩留りが向上するという効果も期待できる。
本発明のレイアウト設計方法及びレイアウト設計方法において、素子レイアウト補正ステップは、素子レイアウトのパターン幅もしくはパターン長さ又はその両方を補正する方法、及び素子レイアウトのパターン向きもしくはパターン位置又はその両方を補正する方法のうち少なくとも2つを含む複数の補正方法から選択された1つ又は複数の補正を用いて素子レイアウトデータを補正するようにしてもよい。
これにより、より適した補正方法によって各素子の素子レイアウトを補正することができるので、補正後素子レイアウトデータが反映された補正後チップレイアウトデータに基づく半導体集積回路はパッケージ応力に起因する特性変動による誤動作が起こる可能性はさらに低くなり、設計TATの増大がさらに防止される。さらに、より適した補正方法を選択することにより、素子レイアウトの補正の際に、チップ面積の増大や他の素子との位置関係を損なわないようにすることもできる。
本発明のレイアウト設計方法及びレイアウト設計方法において、素子レイアウト補正ステップは、デザインルールに違反しないようにしながら素子レイアウトデータを補正するようにしてもよい。
これにより、補正後素子レイアウトデータが反映された補正後チップレイアウトデータについて、チップレイアウトデータの最終確認であるDRC(Design Rule Check)でNG判定がされることを未然に防ぐことができ、設計TATの増大がさらに防止される。さらに、製造歩留りがさらに向上することが期待できる。
この実施例は、応力分布データ保持部1と、応力分布データ読込み手段3と、チップレイアウトデータ保持部5と、素子レイアウトデータ獲得手段7と、検量線データ保持部9と、素子特性変動計算手段11と、素子レイアウト補正手段13と、補正方法保持部15と、デザインルール保持部17と、チップレイアウト補正手段19と、補正後チップレイアウトデータ保持部21と、を備えている。
補正後チップレイアウトデータ保持部21は、チップレイアウトデータ保持部5が作成した補正後チップレイアウトデータを保持するためのものである。
応力分布データ読込み手段3により、応力分布データ保持部1に保持された応力分布データが読み込まれる。素子レイアウトデータ獲得手段7により、チップレイアウトデータ保持部5に保持されたチップレイアウトデータから素子レイアウトデータが抽出される。
図2〜図9を用いて、素子レイアウトデータの補正例について説明する。
抵抗素子レイアウトセル23内に、抵抗素子25と抵抗素子25の両端に配置された配線パターン27,27が設けられている。
この場合、例えば図3に示すように、抵抗素子25aの幅を半分にするように素子レイアウトデータを補正する。抵抗素子25aの抵抗値を抵抗素子25の抵抗値に対して予め2倍にしておけば、パッケージング後にパッケージ応力の影響で抵抗素子25aの抵抗値が半分になっても、その影響が打ち消され、結果として製品チップ上で所望の素子特性が実現されることになる。
この場合、例えば図4に示すように、抵抗素子25bの幅を2倍にするように素子レイアウトデータを補正する。抵抗素子25bの抵抗値を抵抗素子25の抵抗値に対して予め半分にしておけば、パッケージング後にパッケージ応力の影響で抵抗素子25bの抵抗値が2倍になっても、その影響が打ち消され、結果として製品チップ上で所望の素子特性が実現されることになる。
また、例えば図5に示すように、図2の抵抗素子25の長さに対して抵抗素子25cの長さを半分にすることによっても同じ結果を得ることができる。
例えば、図6に示す抵抗素子29の形状は蛇行形状(meander)と呼ばれ、抵抗素子のレイアウトとして一般的に用いられる。このような抵抗素子レイアウトでは、図7に示す抵抗素子29aように、図6の抵抗素子29に対して単純に幅を変えて抵抗値を変えることもできるし、図8に示す抵抗素子29bように、図6の抵抗素子29に対して蛇行形状の折り曲げの振幅寸法を変えるという方法も考えられる。また、図9に示す抵抗素子29cのように、蛇行形状の折り曲げ回数によって、図6の抵抗素子29に対して抵抗値を補正するという方法もある。
例えば、容量素子レイアウトデータが適用対象ならば、容量値の変動を素子レイアウト補正により打ち消し、誘導素子レイアウトデータが適用対象ならば、誘導値の変動をレイアウト補正により打ち消し、トランジスタ素子レイアウトデータが適用対象ならば、トランジスタ特性の変動をレイアウト補正により打ち消すことによって、製品チップ上で所望の素子特性を実現することができる。
例えば、図2の抵抗素子25のレイアウトに対して、パッケージング後にパッケージ応力の影響を受けて抵抗値が半分になってしまうことが素子特性変動計算手段11によって算出された場合を考えてみる。その場合、先に述べたように、図3に示したように抵抗素子25aの幅を図2の抵抗素子25の幅に対して半分にするか、又は、図5に示したように抵抗素子25cの長さを図2の抵抗素子25の長さに対して半分にするかの2通りの方法がある。例えば、図3に示した抵抗素子25aにおいてはパターン幅が狭すぎてデザインルール違反であったとする。この場合、素子レイアウト補正手段13は、図5の補正方法を採用することにより、デザインルール違反を回避する。
このように、さまざまな補正方法を組み合わせて補正することにより、サイズの変更量を減らすことが可能となり、デザインルール違反を起こさないようにすることもできる。
チップレイアウトデータ補正手段19が作成した補正後チップレイアウトデータは補正後チップレイアウトデータ保持部21に保持される。
本発明の半導体集積回路装置の製造工程におけるシリコンウエハ及びシリコンチップに対する加工処理ならびにパッケージング処理は、応力マップデータを得るのに用いられた応力測定用の素子を含む半導体集積回路装置の製造工程におけるシリコンウエハ及びシリコンチップに対する加工処理ならびにパッケージング処理と同一である。
換言すれば、応力マップデータを得るのに用いられる半導体集積回路装置は、製品となる半導体集積回路装置と同一のシリコンウエハ及びシリコンチップに対する加工処理ならびにパッケージング処理によって作成される。ただし、製品となる半導体集積回路装置と、応力マップデータを得るのに用いられる半導体集積回路装置とで、シリコンチップ上に形成される素子が互いに異なることは言うまでもない。
7 素子レイアウトデータ獲得手段
9 検量線データ保持部
11 素子特性変動計算手段
13 素子レイアウト補正手段
15 補正方法保持部
17 デザインルール保持部
19 チップレイアウト補正手段
Claims (6)
- パッケージに起因して半導体チップに加わるパッケージ応力の応力値の分布を示す応力分布データを読み込むための応力分布データ読込み手段と、
前記半導体チップのチップレイアウトデータから素子レイアウトデータを抽出するための素子レイアウトデータ獲得手段と、
前記半導体チップに搭載される各素子について応力値と素子の特性変動の関係を示した検量線データを保持するための検量線データ保持部と、
前記応力分布データ、前記素子レイアウトデータ及び前記検量線データに基づいて各素子についてパッケージ応力による素子特性変動を算出するための素子特性変動計算手段と、
前記素子特性変動を打ち消すように前記素子レイアウトデータを補正するための素子レイアウト補正手段と、
前記補正後素子レイアウトデータを用いて前記チップレイアウトデータを補正するためのチップレイアウト補正手段と、を備え、
前記素子レイアウトデータを補正する際の方法について、素子レイアウトのパターン幅もしくはパターン長さ又はその両方を補正する方法、及び素子レイアウトのパターン向きもしくはパターン位置又はその両方を補正する方法のうち少なくとも2つを含む複数の補正方法を保持するための補正方法保持部をさらに備え、
前記素子レイアウト補正手段は、前記補正方法保持部に保持された前記補正方法のうちから選択された1つ又は複数の補正方法に基づいて前記素子レイアウトデータを補正する半導体集積回路のレイアウト設計装置。 - デザインルールを保持するためのデザインルール保持部をさらに備え、
前記素子レイアウト補正手段は、前記デザインルールに違反しないようにしながら前記素子レイアウトデータを補正する請求項1に記載の半導体集積回路のレイアウト設計装置。 - パッケージに起因して半導体チップに加わる応力値の分布を示す応力分布データ、前記半導体チップのチップレイアウトデータから抽出された素子レイアウトデータ、及び、前記半導体チップに搭載される各素子について応力値と素子の特性変動の関係を示した検量線データに基づいて各素子についてパッケージ応力による素子特性変動を算出する素子特性変動計算ステップと、
前記素子特性変動を打ち消すように前記素子レイアウトデータを補正する素子レイアウト補正ステップと、
前記補正後素子レイアウトデータを用いて前記チップレイアウトデータを補正するチップレイアウト補正ステップと、を含み、
前記素子レイアウト補正ステップは、素子レイアウトのパターン幅もしくはパターン長さ又はその両方を補正する方法、及び素子レイアウトのパターン向きもしくはパターン位置又はその両方を補正する方法のうち少なくとも2つを含む複数の補正方法から選択された1つ又は複数の補正を用いて前記素子レイアウトデータを補正する半導体集積回路のレイアウト設計方法。 - 前記素子レイアウト補正ステップは、デザインルールに違反しないようにしながら前記素子レイアウトデータを補正する請求項3に記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法。
- 請求項3又は4に記載の各ステップをコンピュータに実行させるための半導体集積回路のレイアウト設計プログラム。
- 請求項3又は4に記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法で得られた素子レイアウトデータ及びチップレイアウトデータに基づいて作成されたレティクルを用いた写真製版工程を含んで、前記応力分布データを得るのに用いられた前記半導体チップ及び前記パッケージと同一構造の半導体チップ及びパッケージをもつ半導体集積回路装置を作成する半導体集積回路装置の製造方法。
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