JP5841836B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウロン酸又はその塩を含有する毛髪化粧料に関する。
毛髪は、生活環境(太陽光による紫外線や熱、乾燥)、日常のヘアケア行動(洗髪やブラッシング、ドライヤーによる熱)、化学的処理(カラーリング、パーマ等)によりダメージを受けている。そのため、毛髪の表面をコートし、なめらかな感触に戻すために、毛髪化粧料には様々な工夫がなされている。
例えば、毛髪化粧料のコンディショニング剤には、指通り性、柔らかさ、まとまり、コート感を向上させるために、一般にカチオン性ポリマーや、シリコーン、エステル油、鉱物油等の油剤が配合される。しかし、それらの配合効果を高めるために配合量を増やすと、毛髪が乾燥後にべたつくことが感じられ、使用感が低下するという問題があった。一方、べたつきを抑制するために、それらの配合量を減らすと、コンディショニング効果が不充分となる。また、毛髪洗浄剤にコンディショニング剤を高配合すると、洗浄時の起泡性が低下し、洗浄時における使用感も悪化する。
特許文献1には、ヘアケア等のパーソナル・ケア製品に望ましい特性を与えるとされる新規なポリサッカライドが開示されている。
特許文献2には、アルキルポリアルキレングリコールエーテル類、カチオン性界面活性剤、炭素数12〜40の脂肪酸を特定の割合で用いることにより、べたつき感及び油っぽさを改善し、損傷毛髪に良好な感触を付与する毛髪化粧料が開示されている。
特許文献3には、界面活性剤成分と、特定のエーテル化度を有するカルボキシメチルセルロース塩とを含有することにより、洗浄性、リンス性を改善した毛髪用シャンプー組成物が開示されている。
しかしながら、前記特許文献の毛髪化粧料は、仕上り後の毛髪のハリ・コシ感において、充分に満足できるレベルではなかった。
特開昭60−170601号公報 特開平4−230614号公報 特開2000−327541号公報
本発明は、仕上り後に優れたハリ・コシ感を付与することができる毛髪化粧料を提供することを課題とする。
本発明者らは、毛髪化粧料にセルロース由来のポリウロン酸又はその塩を含有させることにより、前記の課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるポリウロン酸又はその塩(A)、及び界面活性剤(B)を含有する毛髪化粧料を提供する。
Figure 0005841836
(式中、Xは陽イオンを示し、pはポリウロン酸またはその塩の構成単位中におけるアンヒドログルクロン酸及びその塩のモル分率の和を表す0.1〜1の数であって、qはアンヒドログルコースのモル分率を表す0〜0.9の数である。)
本発明によれば、仕上り後に優れたハリ・コシ感を付与することができる毛髪化粧料を提供することができる。
本発明の毛髪化粧料は、下記一般式(1)で表されるポリウロン酸又はその塩(A)及び界面活性剤(B)を含有する。
Figure 0005841836
一般式(1)中、Xは陽イオンを示し、pはポリウロン酸またはその塩の構成単位中におけるアンヒドログルクロン酸及びその塩のモル分率の和を表す0.1〜1の数であって、qはアンヒドログルコースのモル分率を表す0〜0.9の数である。
構成単糖単位間がβ−1,4−グリコシド結合で結合した、本発明のポリウロン酸塩を用いると、仕上り後に優れたハリ・コシ感を付与することができるだけでなく、優れた指通り性、さらさら感、コート感を付与することができる。その理由は明らかではないが、セルロース由来のポリウロン酸塩が、デンプン等の他の多糖類由来のポリウロン酸塩に比べて、毛髪に対して優れた吸着力を有しているからであると考えられる。
なお、本発明においては、本発明のポリウロン酸塩が上記一般式(1)以外の構造を含むことを排除するものではなく、本願発明の効果を阻害しない程度の量であれば、例えばα−グリコシド結合で結合した構成単糖単位や、製造時の酸化により開裂した糖環骨格の他、上記一般式(1)では表されない構成単糖単位などを有していてもよい。
[ポリウロン酸又はその塩(A)]
本発明で用いられるポリウロン酸又はその塩(A)(以下、総称して「ポリウロン酸塩」ともいう)は、前記一般式(1)で表される。
一般式(1)中、Xである陽イオンとしては、水素イオンの他、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、第4級アンモニウムイオン、及び第1〜第3アミンのアンモニウムイオンが挙げられる。ここで陽イオンの価数(a)が2以上である場合、カルボキシ基1個あたりのXの数は、1/a個である。生成するポリウロン酸塩の水溶性の観点から、Xはアルカリ金属イオンであることが好ましく、ナトリウムイオンであることがより好ましい。
一般式(1)中のpは、0.1以上であれば水溶性を有する。pの上限は1であるが、製造上の容易性の観点から、0.99以下が好ましい。一般式(1)中のpは、本発明のポリウロン酸塩の水溶性、仕上がり後の優れた指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感を付与する観点並びに製造上の容易性の観点から、0.3〜0.99が好ましく、0.5〜0.97がより好ましく、0.7〜0.95が更に好ましい。
一般式(1)中のqは、本発明のポリウロン酸塩の水溶性、仕上がり後に優れた指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感を付与する観点並びに製造上の容易性の観点から、0.01〜0.7が好ましく、0.03〜0.5がより好ましく、0.05〜0.3が更に好ましい。
これらの観点から、pに対するqのモル分率比(q/p)は、好ましくは0〜9、より好ましくは0.01〜2.3、更に好ましくは0.03〜1であり、より更に好ましくは、0.07〜0.4である。
本発明で用いられるポリウロン酸塩の重量平均分子量は特に限定されないが、仕上り後に優れた指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感を付与する観点から、5000〜50万が好ましく、8000〜30万がより好ましく、1.5万〜20万が更に好ましく、2万〜10万がより更に好ましく、2.5万〜5万がより更に好ましい。
なお、本発明においてポリウロン酸塩の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるプルラン換算分子量である。具体的には、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明においてポリウロン酸塩のカルボキシ基置換度は、仕上り後に優れた指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感を付与する観点から、0.1〜0.99が好ましく、0.3〜0.99がより好ましく、0.5〜0.97が更に好ましく、0.7〜0.95がより更に好ましい。
ここで、ポリウロン酸塩のカルボキシ基置換度とは、ポリウロン酸塩一分子あたりのカルボキシ基及びその塩の数を、ポリウロン酸塩の主鎖を構成する単糖単位の数で除した数をいい、一般式(1)におけるpの値と略同一である。カルボキシ基置換度は、具体的には、実施例記載の中和滴定法により測定される、ポリウロン酸塩単位重量当りのカルボン酸量から、下記計算式(1)によって求められた値である。
カルボキシ基置換度=162.1×A/(1−14.0×A) (1)
ここで、Aは中和滴定によって求められたカルボン酸量(モル/g)である。
なお、中和に用いられる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物、アンモニアやアミン化合物等が挙げられる。
ポリウロン酸塩の重量平均分子量やカルボキシ基置換度は、該ポリウロン酸塩製造の際の原料セルロースの重合度、酸化剤量等の反応条件によって、適宜調整することができる。
<ポリウロン酸塩の製造>
本発明のポリウロン酸塩は、セルロースを酸化することにより得ることができる。 セルロースを原料として酸化を行う場合、結晶性の高いパルプ等をそのまま使用することもできるが、結晶性部位の酸化反応は進み難いため、少量の水に不溶な成分が生成することがある。そのため、パルプ等のマーセル化処理、セルロースの再生処理(キュプラアンモニウム法、ビスコース法等)、メカノケミカル処理等により低結晶化した粉末セルロースを使用することが好ましい。
低結晶性の粉末セルロースは、汎用原料として得られるシート状やロール状のセルロース純度の高いパルプから極めて簡便に調製することができる。低結晶性の粉末セルロースの調製方法は特に限定されない。例えば、特開昭62−236801号公報、特開2003−64184号公報、特開2004−331918号公報等に記載の方法を挙げることができる。これらの中では、低結晶性の粉末セルロースの生産性の観点から、メカノケミカル処理して得られた低結晶性の粉末セルロースを使用することがより好ましい。
ここで、低結晶性の粉末セルロースの「低結晶性」とは、セルロースの結晶構造においてアモルファス部の割合が多い状態を意味し、具体的には下記計算式(2)による結晶化度が好ましくは30%以下であることが望ましい。
結晶化度(%)=[(I22.6−I18.5)/I22.6]×100 (2)
計算式(2)中、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度を示し、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。X線回折測定の具体的方法は、実施例記載の方法により行う。
この結晶化度が30%以下であれば、セルロースの酸化反応は極めて良好に進行し、水溶性のポリウロン酸塩を効率的に得ることができる。この観点から、ポリウロン酸塩の製造原料に用いるセルロースの結晶化度は25%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下が更に好ましい。特に計算式(2)による結晶化度がほぼ0%である完全非晶化セルロースが最も好ましい。
(メカノケミカル処理)
セルロースのメカノケミカル処理とは、原料セルロースを粉砕機で粉砕処理し、セルロースの結晶性を低下させる処理である。
粉砕機としては高圧圧縮ロールミル、ロール回転ミル等のロールミル;転動ボールミル、振動ボールミル、振動ロッドミル、振動チューブミル、遊星ボールミル、遠心流動化ミル等の容器駆動媒体ミル;塔式粉砕機、攪拌槽式ミル、流通槽式ミル、アニュラー式ミル等の媒体攪拌式ミル;高速遠心ローラーミル、オングミル等の圧密せん断ミル;乳鉢、又は石臼等が挙げられる。これらの中では、セルロースの結晶化度を効率的に低下させる観点、及び生産性の観点から、容器駆動式媒体ミル又は媒体攪拌式ミルが好ましく、容器駆動式媒体ミルがより好ましく、振動ボールミル、振動ロッドミル及び振動チューブミル等の振動ミルがより好ましく、振動ボールミル、振動ロッドミルが更に好ましい。
処理方法としては、バッチ式、連続式のどちらでもよい。
また、セルロースの結晶化度を効率的に低下させる観点、及び高重合度の低結晶性の粉末セルロースを得る観点から、粉砕機の処理時間は、好ましくは5分〜72時間、より好ましくは10分〜30時間である。また、粉砕機処理の際には、発生する熱による変性や劣化を最小限に抑える観点から、好ましくは250℃以下、より好ましくは5〜200℃の範囲で処理を行うことが望ましい。
上記の方法によれば、分子量の制御も可能であり、一般には入手困難な、重合度が高く、かつ低結晶性の粉末セルロースを容易に調製することが可能である。後述の酸化反応の原料となる低結晶性の粉末セルロースの平均重合度は、得られるポリウロン酸塩の水への溶解速度等の観点から、銅−アンモニア法により得られる粘度平均重合度で、好ましくは20〜5000であり、より好ましくは50〜1000であり、100〜500が更に好ましい。
(ポリウロン酸塩の製造)
ポリウロン酸塩は、低結晶性の粉末セルロース等の原料セルロースを溶媒に分散又は溶解させ、触媒、及び必要に応じて更に共酸化剤や助触媒の存在下で酸化反応させることにより製造することができる。ここで、酸化反応は、セルロースの構成成分であるアンヒドログルコース単位の一級水酸基を選択的に酸化し、カルボキシ基を生成させるものである。
一級水酸基の選択的酸化反応としては、白金触媒を用いる酸素による酸化反応、窒素酸化物による酸化反応、硝酸による酸化反応、N−オキシル化合物による酸化反応が挙げられる。これらの中では、反応の高選択性、均質性、及びより温和な条件で酸化反応を円滑に進行させる観点から、N−オキシル化合物を触媒として用い、さらに必要に応じて共酸化剤や助触媒を用いて酸化反応を行うことが好ましい。
〔N−オキシル化合物〕
N−オキシル化合物は、ヒンダードアミンのN−酸化物であり、特にアミノ基のα位に嵩高い基を有する複素環式のN−オキシル化合物がより好ましい。
複素環式のN−オキシル化合物としては、炭素数1又は2のアルキル基を有するピペリジンオキシル化合物、ピロリジンオキシル化合物、及びイミダゾリンオキシル化合物、アザアダマンタン化合物から選ばれる1種以上が好ましい。
これらの中では、反応性の観点から、炭素数1又は2のアルキル基を有するピペリジンオキシル化合物が好ましく、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−アルコキシ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−アミノ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル等のジ−tert−アルキルニトロキシル化合物等が挙げられる。これらのピペリジンオキシル化合物の中では、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルが更に好ましく、2,2,6,6テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)が特に好ましい。

なお、N−オキシル化合物を触媒として用いる酸化反応では、後述する酸化剤によりN−オキシル化合物の一電子酸化体であるオキソアンモニウムイオンが生成し、これが触媒活性種として機能すると考えられる。
反応系におけるN−オキシル化合物の量は、触媒量であればよく、原料セルロースに対して、0.001〜5質量%、好ましくは0.1〜4質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。
〔共酸化剤及び助触媒〕
酸化反応をより温和な条件で円滑に進行させる観点から、共酸化剤ないし助触媒を共存させることができる。
共酸化剤としては、酸素又は空気、過酸化物、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸又はそれらの塩、ハロゲン酸化物、窒素酸化物等が挙げられる。これらの中では、次亜ハロゲン酸塩が好ましく、次亜塩素酸ナトリウムがより好ましい。
助触媒としては、臭化又はヨウ化アンモニウム;臭化リチウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等の臭化又はヨウ化アルカリ金属;臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化ストロンチウム等の臭化又はヨウ化アルカリ土類金属等が挙げられる。これらの臭化物塩やヨウ化物塩は単独で又は二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中では、臭化ナトリウムが好ましい。
共酸化剤ないし助触媒の使用量は、酸化反応速度の観点から、原料セルロースの一級水酸基1モルに対して0.0001〜1モルが好ましく、0.001〜0.5モルがより好ましく、0.01〜0.3モルが更に好ましい。
〔反応条件〕
酸化反応の温度は、反応の選択性、副反応の抑制の観点から、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは20℃以下であり、その下限は、好ましくは−5℃以上である。
反応系のpHは共酸化剤の性質に合わせることが好ましく、例えば、次亜塩素酸ナトリウムの場合、反応系のpHはアルカリ側が好ましい。
酸化反応は、原料セルロースを溶媒に分散させて行うのが好ましい。その溶媒としては、水、メタノール、エタノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられるが、環境負荷低減の観点から、水がより好ましい。上記溶媒は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
〔精製〕
上記酸化反応によるポリウロン酸塩の製造においては、N−オキシル化合物等の触媒の残存や塩の副生が生じ易い。そこで、純度の高いポリウロン酸塩を得るために、必要に応じて精製を行なうことできる。精製法に特に限定はなく、酸化反応における溶媒の種類、生成物の酸化の程度、精製の程度により最適な方法を採用することができる。例えば、良溶媒として水、貧溶媒としてメタノール、エタノール、アセトン等を用いた再沈殿、ヘキサン等の水と相分離する溶媒への触媒等の抽出、及び塩のイオン交換、透析等による精製等が挙げられる。
[界面活性剤(B)]
本発明の毛髪化粧料は、界面活性剤(B)を含有する。界面活性剤(B)としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
シャンプー等の毛髪洗浄剤として使用する場合は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤が好ましく、リンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアスタイリング剤等として使用する場合は、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤が好ましい。
陰イオン性界面活性剤としては、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸エステル塩及びアミノ酸塩のものが好ましい。具体的には、硫酸エステル塩として、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等が挙げられ、スルホン酸塩としは、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、アルカンスルホン酸塩、アシルイセチオネート、アシルメチルタウレート等が挙げられ、カルボン酸塩としては、高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩等が挙げられ、リン酸エステル塩としては、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、アミノ酸塩としては、アシルグルタミン酸塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体等が挙げられる。
上記陰イオン性界面活性剤は、いずれも疎水基として炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有することが好ましい。
これらの中では、毛髪化粧料で処理した毛髪の仕上り後に優れた指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感を得る観点からアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、アシルグルタミン酸塩、が好ましく、特に下記一般式(2)又は(3)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩又はアルキル硫酸塩が好ましい。
{R1−O(CH2CH2O)rSO3tM (2)
{R2−OSO3tM (3)
(式中、R1及びR2は、それぞれ炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミンのプロトン付加物又は塩基性アミノ酸を示し、rはエチレンオキシ基の平均付加モル数を示す1〜5の数である。tはMの価数と同じ数である。)
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油等のポリアルキレングリコール型;ポリグリセリンアルキルエーテル、アルキルグリコシド等の多価アルコール型;及び脂肪酸アルカノールアミドが挙げられる。これらの内、毛髪化粧料で処理した毛髪の仕上り後に優れた指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感を得る観点から、脂肪酸アルカノールアミドをアニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤と組み合わせて用いることが好ましい。
脂肪酸アルカノールアミドとしては、モノアルカノールアミド、ジアルカノールアミドのいずれでもよいが炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を窒素原子上に有するものが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドの具体例としては、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、パーム核油脂肪酸メチルエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド、ココナッツ脂肪酸モノエタノールアミド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタイン系界面活性剤及びアミンオキサイド型界面活性剤等が挙げられる。これらの中では、毛髪化粧料で処理した毛髪の仕上り後に優れた指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感を得る観点から、イミダゾリン系ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤、及びアルキルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド型界面活性剤がより好ましく、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルスルホベタイン、脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン及び脂肪酸アミドプロピルスルホベタイン等のスルホベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、並びにアルキルジメチルアミンオキサイドが更に好ましい。
脂肪酸アミドプロピルベタイン及びアルキルヒドロキシスルホベタインは、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアルキル基を有するものが好ましく、特にラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルスルホベタイン等が好ましい。
アルキルジメチルアミンオキサイドは、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアルキル基を有するものが好ましく、特にラウリルジメチルアミンオキサイド及びミリスチルジメチルアミンオキサイドが好ましい。
陽イオン性界面活性剤の例としては、アミド基、エステル基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数12〜28の炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、又は3級アミンの鉱酸又は有機酸の塩が挙げられる。具体的には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化オクダデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム等の塩化モノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウムや、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジイソテトラデシルジメチルアンモニウム等の塩化ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウムや、ステアリルジメチルアミン、ベヘニルジメチルアミン、オクタデシロキシプロピルジメチルアミンの塩酸、クエン酸又は乳酸塩等のモノ長鎖アルキルジメチルアミン塩や、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの塩酸、クエン酸又は乳酸塩等の長鎖脂肪酸ジメチルアミノプロピルアミド塩が挙げられる。
これらの中では、毛髪化粧料で処理した毛髪の仕上り後に優れた指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感を得る観点から、塩化モノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム及びモノ長鎖アルキルジメチルアミン塩が好ましい。
界面活性剤としては、毛髪化粧料で処理した毛髪の仕上り後に優れた指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感を得る観点から、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルトリメチルアンモニウム塩及びアルキルジメチルアミン塩からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤を含有することが好ましい。
毛髪化粧料が毛髪洗浄剤である場合、アルキル硫酸塩、又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩と脂肪酸アルカノールアミド及び脂肪酸アミドプロピルベタインを組み合わせて用いることがより好ましい。
[毛髪化粧料]
本発明の毛髪化粧料中、ポリウロン酸塩の含有量は、仕上り後に優れた指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感を付与する観点から、毛髪洗浄剤組成物中0.005〜10質量%が好ましく、0.02〜5質量%がより好ましく、0.05〜2質量%がより好ましく、0.08〜1質量%が更に好ましく、0.1〜0.7質量%より更に好ましい。
本発明の毛髪化粧料中、界面活性剤の含有量は、毛髪化粧料で処理した毛髪の仕上り後に優れた指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感を付与する観点から、1〜80質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましく、1〜20質量%が更に好ましい。
毛髪化粧料が毛髪洗浄剤である場合、毛髪化粧料中の界面活性剤の含有量は、同様の観点から、5〜40質量%が好ましく、8〜30質量%がより好ましい。
毛髪化粧料がリンス、コンディショナー、トリートメント又はヘアスタイリング剤である場合、毛髪化粧料中の界面活性剤の含有量は、同様の観点から、1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
本発明の毛髪化粧料中、界面活性剤(B)に対するポリウロン酸塩(A)の質量比〔(A)/(B)〕は、毛髪化粧料で処理した毛髪の仕上り後に優れた指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感を付与する観点から、好ましくは0.001〜10、より好ましくは0.003〜2、更に好ましくは0.005〜1、特に好ましくは0.01〜0.5である。
毛髪化粧料が毛髪洗浄剤である場合、同様の観点から、前記質量比〔(A)/(B)〕は、0.005〜0.2が好ましく、0.01〜0.1がより好ましく、0.02〜0.08が更に好ましい。
毛髪化粧料がリンス、コンディショナー、トリートメント又はヘアスタイリング剤である場合、同様の観点から、前記質量比〔(A)/(B)〕は、0.05〜1が好ましく、0.08〜0.5がより好ましく、0.1〜0.35が更に好ましい。
本発明の毛髪化粧料は、必要に応じて、更にカチオン性ポリマー、両性ポリマー又は油性成分を含有することができる。
カチオン性ポリマー又は両性ポリマーとしては、特許第3472491号公報に記載のカチオン性基含有共重合体、特公昭58−35640号公報、特公昭60−46158号公報、及び特開昭58−53996号公報中に記載されているカチオン化グアーガム誘導体や、特開平4−108723号公報に記載のカチオン化ヒドロキシエチルセルロースのほか、ジアリル4級アンモニウム塩重合物、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、又はジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド/アクリル酸共重合体が挙げられ、これらの内、1種以上を含有することができる。
油性成分としては、高級アルコール、シリコーン、及びエステル油、炭化水素類、グリセリド類、植物油、動物油、ラノリン誘導体、高級脂肪酸エステル類等が挙げられる。
これらの中では、高級アルコール、エステル油、シリコーンが好ましく、高級アルコール、シリコーンが特に好ましい。
シリコーンの具体例としては、特開平6−48916号公報に記載されているものが挙げられる。本発明の毛髪化粧料中の油性成分の含有量は、仕上がり後の毛髪にまとまり感を付与する観点から、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
更に、本発明の毛髪化粧料には、グリセリン、保湿剤、多糖類、ポリペプタイド、パール化剤、溶剤、液晶形成基剤、色素、香料、噴射剤、エデト酢酸塩や、クエン酸塩等のキレート剤、pH調整剤、防腐剤、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミン等の抗フケ剤等を適宜配合することができる。
本発明の毛髪化粧料は、常法に従って製造することができる。具体的には、例えば、液状毛髪洗浄剤の場合は、後述の液体媒体及び界面活性剤を加温し、均一混合する。均一溶解確認後、油性成分やポリマーを添加し混合する。ポリマーは、必要に応じて、予め液体媒体に分散、もしくは溶解させた後に添加できる。均一溶解もしくは分散後、冷却し、必要に応じて、パール化剤、pH調製剤、香料、色素等を加え調製することができる。同様にコンディショナーの場合は、水及び界面活性剤を加温し、均一混合後、溶解もしくは融解させた油性成分(高級アルコール等)、溶剤を加え、乳化する。その後、冷却し、必要に応じて、油性成分(シリコーン等)、パール化剤、pH調製剤、香料、色素等を加え調製することができる。また、本発明の毛髪化粧料の剤型も特に制限されず、液体状、泡状、ペースト状、クリーム状、固形状、粉末状等、任意の剤型とすることができるが、液体状、ペースト状又はクリーム状とすることが好ましく、液体状とすることが特に好ましい。
液体状とする場合には、液体媒体として水、ポリエチレングリコール、エタノール等を用いるのが好ましく、水を配合する場合の配合量は、全組成物中に50〜95質量%であることが好ましく、70〜90質量%であることがより好ましい。
以下の実施例において、セルロースの結晶化度、原料セルロースの水分含量、重量平均分子量とカルボキシ基置換度、赤外吸収スペクトルの測定、NMRスペクトルの測定は、以下の方法により行った。なお、実施例において「%」は特記しない限り、「質量%」を意味する。
(1)セルロースの結晶化度の測定
株式会社リガク製「Rigaku RINT 2500VC X-RAY diffractometer」を用いて、以下の条件で測定した。
X線光源:Cu/Kα−radiation、管電圧:40kV、管電流:120mA
測定範囲:2θ=5〜45°
測定サンプル:面積320mm2×厚さ1mmのペレットを圧縮して作成
X線のスキャンスピード:10°/min
(2)原料セルロースの水分含量の測定
原料セルロースの水分含量の測定には、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、製品名:FD−610)を使用した。120℃にて測定を行い、30秒間の重量変化率が 0.1%以下となる点を測定の終点とした。測定された水分量の値を、原料セルロースに対する質量%に換算し、水分含量とした。
(3)重量平均分子量の測定
(3−1)ポリウロン酸塩の重量平均分子量の測定
製造例で得られたセルロース由来、又はデンプン由来のポリウロン酸塩の重量平均分子量(Mw)は、株式会社日立製作所製、L−6000型高速液体クロマトグラフィーを使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって下記条件で測定した。
検出器:ショーデックスRI SE−61示差屈折率検出器
カラム:東ソー株式会社製、G4000PWXL、G2500PWXLを直列につないで使用した。
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=90/10(容量比)で0.5g/100mLの濃度に調整し、20μLを用いた。
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
標準ポリマー:プルラン
(3−2)カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量の測定
ポリウロン酸塩の代わりに製造例で得られたカルボキシメチルセルロースを測定試料として用いたことの他は、上記ポリウロン酸塩の重量平均分子量の測定と同様にして行った。
(4)カルボキシ基置換度の測定
(4−1)ポリウロン酸塩のカルボキシ基置換度の測定
製造例で得られたセルロース由来、又はデンプン由来のポリウロン酸塩の2%水溶液を50g調整し、6N塩酸にてpHを1以下とした。この酸性溶液をエタノール500mLに投入し、生じた沈殿物を回収、エタノールで数回洗浄、乾燥した。得られたポリウロン酸を0.1g精秤し、イオン交換水30mLに溶解又は分散させ、フェノールフタレインを指示薬として0.1N水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、ポリウロン酸塩単位重量あたりのカルボキシ基の量を求め、このカルボキシ基の量から、前記計算式(1)によりカルボキシ基置換度を算出した。
(4−2)カルボキシメチルセルロースのカルボキシ基置換度
日本製紙ケミカル製カルボキシメチルセルロース(FT−1)のカルボキシ基置換は、カタログに掲載されている(0.8〜1.0)。その中央値(0.9)をカルボキシ基置換度とした。
(5)赤外吸収スペクトルの測定
株式会社堀場製作所製の赤外分光光度計、FT−710型を用いて、ATRP法により測定した。
(6)1H−NMRスペクトルの測定
1H−NMRスペクトルの測定は以下の装置、条件で行った。
測定装置;Varian社製 Mercury400
測定周波数;400MHz
測定用溶媒;D2
(7)13C−NMRスペクトルの測定
13C−NMRスペクトルの測定は以下の装置、条件で行った。
測定装置;Varian社製 Mercury400
測定周波数;100MHz
測定用溶媒;D2
製造例1
セルロースパウダー(日本製紙ケミカル株式会社製、商品名:KCフロック W−400G、結晶化度60%、水分含水量1.2%、セルロース含有量98.8%)20gを遊星ボールミル(フリッチェ(Fritsch)社製、ジルコニアボールφ0.5mm×100g)で10分間粉砕(回転数400rpm)、10分間静置する操作を12回繰り返し、低結晶性のセルロースパウダー(結晶化度0%)を得た。
pHメータを備えた1Lビーカーに2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(アルドリッチ社製、商品名:TEMPO)0.20g、水100g、前記低結晶性のセルロースパウダー3gを加え、攪拌子を用い200rpmの回転数で攪拌した。温度を25℃に保ち、11%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)29gを滴下して投入した。酸化反応が進行するに従い、pHが低下するので、溶液のpHを8.5付近にするため、0.5N水酸化ナトリウム水溶液をマイクロチューブポンプを用いて徐々に添加した。次亜塩素酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液を滴下終了した段階で、反応混合物はほぼ均一透明になっていた。
反応終了後、反応液をエタノール1Lに注ぎ、白色固体を沈殿させた。沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後に、40℃で乾燥することで、白色のポリウロン酸ナトリウム塩(1)3gを得た。
得られたポリウロン酸ナトリウム(1)の重量平均分子量は3.5万、カルボキシ基置換度は0.85であった。得られたポリウロン酸ナトリウム(1)の1H−NMRスペクトルは3.0〜4.5ppm付近に糖骨格に由来するピークを示し、そのIRスペクトルは、1600cm-1付近にカルボン酸イオンに相当するピークが観察された。また、得られた化合物を13C−NMRで測定した結果、セルロース骨格を構成するアンヒドログルコースの水酸基が置換した6位のカーボンに由来する60ppm付近のピークが消滅し、180ppm付近に6位のカーボンが酸化されたピークが観察された。
これらの結果から、セルロースパウダー中のセルロースを構成するアンヒドログルコースの6位の一級水酸基が酸化されていることが確認された。
製造例2
セルロースパウダー(日本製紙ケミカル株式会社製、商品名:KCフロック W−400G)20g、グルクロン酸ナトリウム一水和物(和光純薬工業株式会社製)6.0g、イオン交換水1.0gを混合させた後に、遊星ボールミル(フリッチェ(Fritsch)社製、ジルコニアボールφ0.5mm×100g)で10分間粉砕(回転数400rpm)、10分間静置する操作を4回繰り返し、低結晶性のセルロースパウダー(結晶化度0%)を得た。
pHメータ、温度計、攪拌器を備えた2Lフラスコに4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル(和光純薬工業株式会社製、4−アセトアミドTEMPO)1.92g、0.1M酢酸水溶液20mL、0.1M酢酸ナトリウム水溶液30mL、イオン交換水1Lを加え200rpmの回転数で攪拌を行った。温度を25℃に保ち、低結晶性のセルロースパウダー20g、亜塩素酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)34g、次亜塩素酸ナトリウム11%水溶液(和光純薬工業株式会社製)20mLを加えた後、60℃、pHを5.0で24時間攪拌し、酸化反応を行った。
反応終了後、反応液をエタノール5Lに注ぎ、白色固体を沈殿させた。沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後に、40℃で乾燥させることで、白色のポリウロン酸ナトリウム塩(2)22gを得た。
得られたポリウロン酸ナトリウム(2)の重量平均分子量は17万、カルボキシ基置換度は0.80であった。得られたポリウロン酸ナトリウム(2)の1H−NMRスペクトルは3.0〜4.5ppm付近に糖骨格に由来するピークを示し、そのIRスペクトルは、1600cm-1付近にカルボン酸イオンに相当するピークが観察された。また、得られた化合物を13C−NMRで測定した結果、セルロース骨格を構成するアンヒドログルコースの水酸基が置換した6位のカーボンに由来する60ppm付近のピークが消滅し、180ppm付近に6位のカーボンが酸化されたピークが観察された。
これらの結果から、セルロースパウダー中のセルロースを構成するアンヒドログルコースの6位の一級水酸基が酸化されていることが確認された。
製造例3
セルロースパウダー(日本製紙ケミカル株式会社製、商品名:KCフロック W−400G)20gを遊星ボールミル(フリッチェ(Fritsch)社製、ジルコニアボールφ0.5mm×100g)で10分間粉砕(回転数400rpm)、10分間静置する操作を12回繰り返し、低結晶性のセルロースパウダー(結晶化度0%)を得た。
pHメータ、温度計、攪拌器を備えた1Lフラスコに2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(アルドリッチ社製、商品名:TEMPO)0.020g、水12g、低結晶性のセルロースパウダー5gを加え、200rpmの回転数で攪拌した。温度を25℃に保ち、11%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)40gを滴下して投入した。酸化反応が進行するに従い、pHが低下するので、溶液のpHを8.5付近にするため、0.5N水酸化ナトリウム水溶液をマイクロチューブポンプを用いて徐々に添加した。次亜塩素酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液を滴下終了した段階で、反応混合物は白濁していた。
反応終了後、反応液をエタノール250mLに注ぎ、白色固体を沈殿させた。沈殿物を回収し、水250gを加え200rpmの回転数で30分攪拌した。得られた懸濁液を遠心分離機(日立工機株式会社製、製品名:himac CR21GIII)を用い10000rpmの回転数で30分間遠心分離し、沈殿物を除去し、更にろ過をすることにより水可溶分を回収した。得られた水可溶分をアセトン1Lに注ぎ、白色固体を沈殿させた。沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後に、40℃で乾燥することで、白色のポリウロン酸ナトリウム塩(3)2.5gを得た。
得られたポリウロン酸ナトリウム(3)の重量平均分子量は4.0万、カルボキシ基置換度は0.60であった。得られたポリウロン酸ナトリウム(3)の1H−NMRスペクトルは3.0〜4.5ppm付近に糖骨格に由来するピークを示し、そのIRスペクトルは、1600cm-1付近にカルボン酸イオンに相当するピークが観察された。また、得られた化合物を13C−NMRで測定した結果、セルロース骨格を構成するアンヒドログルコースの水酸基が置換した6位のカーボンに由来する60ppm付近のピークが消滅し、180ppm付近に6位のカーボンが酸化されたピークが観察された。
これらの結果から、セルロースパウダー中のセルロースを構成するアンヒドログルコースの6位の一級水酸基が酸化されていることが確認された。
製造例4
pHメータ、温度計、攪拌器を備えた0.5Lフラスコに実施例1の方法に従って製造したポリウロン酸ナトリウム(1)2.5g、水250gを加えた後、1N NaOHを加えpHを10.5に調整した。pH10.5、回転数200rpm、50℃で24時間攪拌し、ポリウロン酸の加水分解を行った。
反応終了後、反応液をエタノール1Lに注ぎ、白色固体を沈殿させた。沈殿物を回収しアセトンを加えて洗浄した後に、40℃で乾燥することで、白色のポリウロン酸ナトリウム塩(4)1.0gを得た。
得られたポリウロン酸ナトリウム(4)の重量平均分子量は1.4万、カルボキシ基置換度は0.85であった。得られたポリウロン酸ナトリウム(4)の1H−NMRスペクトルは3.0〜4.5ppm付近に糖骨格に由来するピークを示しており、そのIRスペクトルは、1600cm-1付近にカルボン酸イオンに相当するピークが観察された。
製造例5
低結晶性のセルロースパウダーをデンプン(トウモロコシ由来、アルドリッチ社製)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を行いデンプン由来ポリウロン酸ナトリウム塩を得た。
得られたデンプン由来ポリウロン酸ナトリウムの重量平均分子量は3.2万、カルボキシ基置換度は0.94であった。得られたデンプン由来ポリウロン酸ナトリウムの1H−NMRスペクトルは3.0〜4.5ppm付近に糖骨格に由来するピークを示し、そのIRスペクトルは、1600cm-1付近にカルボン酸イオンに相当するピークが観察された。また、得られた化合物を13C−NMRで測定した結果、デンプン骨格を構成するアンヒドログルコースの水酸基が置換した6位のカーボンに由来する60ppm付近のピークが消滅し、180ppm付近に6位のカーボンが酸化されたピークが観察された。
これらの結果から、デンプンを構成するアンヒドログルコースの6位の一級水酸基が酸化されていることが確認された。
製造例6
pHメータ、温度計、攪拌器を備えた2Lフラスコにカルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル株式会社製、商品名:サンローズ FT−1)20g、水1000gを加えた後、1N HClを加えpHを2.0に調整した。pH2.0、回転数200rpm、50℃で24時間攪拌し、カルボキシメチルセルロースの加水分解を行った。加水分解終了後に1N NaOHを用いてpHを7.0に調整し、その溶液をエタノール3Lに注ぎ、白色固体を沈殿させた。沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後に、40℃で乾燥させることで、白色のカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩18gを得た。
得られたカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩の重量平均分子量は3.2万、カルボキシ基置換度は0.90であった。
実施例1〜4(毛髪化粧料の調製及び評価)
(1)(毛髪洗浄剤組成物の調製)
ポリウロン酸ナトリウムとして製造例1〜4で得られたポリウロン酸ナトリウム(1)〜(4)、及び市販の界面活性剤を用いて、表1に示す組成の毛髪洗浄剤組成物を常法により調製した。尚、界面活性剤の製品形態が水溶液である場合、表中の数値及び市販製品中の純分を考慮して配合量を決定した。
具体的には、ポリウロン酸ナトリウムを水に溶解させ1%ポリマー溶液を調製した。別途、ポリマー以外の各成分をビーカーに取り、室温で攪拌して均一混合した後に、ポリマー液を加え、均一混合した。
(2)毛髪洗浄剤組成物の性能評価
表1に記載の各成分をビーカーに取り、混合し、均一に溶解したことを確認した後、冷却し、標準品となるプレーンシャンプーを得た。得られたプレーンシャンプーで毛束を洗浄し、30〜40℃の温水で十分に湿らした後、表1に示す組成の毛髪洗浄剤組成物で洗浄し、温水ですすぎ、タオルで水分を取り、櫛で毛束を整えた。その後、ドライヤーを用いて乾燥させた。
このように処理した毛束を評価用トレスとして用い、以下の評価基準、評価方法により、毛髪の指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感の評価を行った。評価は3人の専門パネラーが行い、得られた結果の平均値の小数点以下第2位を四捨五入した値を、表1に示す。
(評価基準)
・指通り性
5:指通り性が非常に良い
4:指通り性が良い
3:標準品と同等
2:指通り性が劣る
1:指通り性が非常に劣る
・さらさら感
5:非常にさらさら感がある
4:さらさら感がある
3:標準品と同等
2:さらさら感が劣る
1:髪が全くさらさらしない
・コート感
5:優れたコート感がある
4:ややコート感がある
3:標準品と同等
2:コート感が劣る
1:全くコート感が無い
・ハリ・コシ感
5:ハリ・コシが非常に強い
4:ハリ・コシが強い
3:標準品と同等
2:ハリ・コシが弱い
1:ハリ・コシが非常に弱い
Figure 0005841836
比較例1〜3
ポリウロン酸ナトリウム(1)〜(4)の代わりに、製造例5〜6で得られたデンプン由来のポリウロン酸ナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、又は市販のコンディショニングポリマーを用いて、表2に示す組成の毛髪洗浄剤組成物を実施例1〜4と同様に調製し、同様の処理を行って評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005841836
表1及び表2の対比から、実施例1〜4の毛髪洗浄剤組成物は、比較例1〜3の毛髪洗浄剤組成物に比べて、仕上り後に優れた指通り性、さらさら感、コート感、ハリ・コシ感を付与することができることが分かる。
本発明は、ポリウロン酸又はその塩及び界面活性剤を含む毛髪化粧料であり、例えばヘアシャンプー、ヘアリンス、トリートメント、コンディショナー、ヘアクリーム、ブローローション、ヘアパック、コンディショニングジェル、コンディショニングフォーム等の分野で好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表されるポリウロン酸又はその塩(A)、及び界面活性剤(B)を含有し、
    該ポリウロン酸又はその塩(A)の重量平均分子量が8,000〜20万であり、カルボキシ基置換度が0.5〜0.95である毛髪化粧料。
    Figure 0005841836
    (式中、Xは陽イオンを示し、pはポリウロン酸またはその塩の構成単位中におけるアンヒドログルクロン酸及びその塩のモル分率の和を表す0.1〜1の数であって、qはアンヒドログルコースのモル分率を表す0〜0.9の数である。)
  2. ポリウロン酸又はその塩(A)の含有量が0.05〜2質量%である、請求項1に記載の毛髪化粧料。
  3. 界面活性剤(B)に対するポリウロン酸又はその塩(A)の質量比〔(A)/(B)〕が0.005〜1の範囲である、請求項1又は2に記載の毛髪化粧料。
  4. 界面活性剤(B)の含有量が1〜50質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  5. 界面活性剤(B)が、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルトリメチルアンモニウム塩及びアルキルジメチルアミン塩から選ばれる1種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の毛髪化粧料。
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