JP5872884B2 - 皮膚洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウロン酸又はその塩を含有する皮膚洗浄剤組成物に関する。
従来、皮膚や毛髪用の洗浄剤組成物には、種々のイオン性界面活性剤が配合されている。これらは、洗浄力は高いものの、皮膚等に対する刺激性や、すすぎ時のキシミ感(すすぎ時に摩擦抵抗のある感触)、乾燥後のさっぱり感等の点で十分に満足できるものではない。
このため、洗浄時から洗浄後の感触を向上させる目的で、汎用のカチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、シリコーン類等が併用されているが、塗布時の感触、コンディショニング効果、乾燥後の感触等の全てを十分満足するものではない。
例えば特許文献1には、結晶性アニオン性界面活性剤と非結晶性界面活性剤を含む液体皮膚洗浄剤組成物に、ポリイソブテン、変性シリコーン油等の水不溶性油を添加することにより、すすぎ時に改善されたリンス感を与えることが記載されている。
特許文献2には、アニオン性界面活性剤、カチオン性高分子及び化粧用粉体を含有する皮膚洗浄剤組成物により、優れた洗浄力と、洗浄後の皮膚に、化粧効果を付与することが記載されている。
特許文献3には、アニオン性基含有界面活性剤、カチオン性基含有ポリマー及び特定のアニオン性ポリマー微粒子を含有する皮膚洗浄剤組成物が開示され、すすぎ時にさっぱりとした感触が得られ、乾燥時にはべたつく感触が少ないと記載されている。
しかしながら、特許文献1〜3の皮膚洗浄剤組成物では、すすぎ時のキシミ感が十分でなかったり、洗い流し後に皮膚への残留感や油性感が強いためべたつきがあり、乾燥後のさっぱりとした十分な爽快感が得られない等の問題があった。
特表2001−513538号公報 特開2004−107319号公報 特開2011−37727号公報
本発明は、すすぎ時に優れたキシミ感を付与し、乾燥後の肌に優れたさっぱり感を付与することができる皮膚洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、皮膚洗浄剤組成物にセルロース由来のポリウロン酸又はその塩を含有させることにより、前記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるポリウロン酸又はその塩(A)、及び界面活性剤(B)を含有する皮膚洗浄剤組成物を提供する。
Figure 0005872884
(式中、Xは陽イオンを示し、pはポリウロン酸またはその塩の構成単位中におけるアンヒドログルクロン酸及びその塩のモル分率の和を表す0.1〜1の数であって、qはアンヒドログルコースのモル分率を表す0〜0.9の数である。)
本発明によれば、すすぎ時に優れたキシミ感を付与し、乾燥後の肌に優れたさっぱり感を付与することができる皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、ポリウロン酸又はその塩(A)、及び界面活性剤(B)を含有する。
[ポリウロン酸又はその塩(A)]
本発明で用いられるポリウロン酸又はその塩(A)(以下、総称して「ポリウロン酸塩」ともいう)は、下記一般式(1)で表される。
Figure 0005872884
一般式(1)中、Xは陽イオンを示し、pはポリウロン酸またはその塩の構成単位中におけるアンヒドログルクロン酸及びその塩のモル分率の和を表す0.1〜1の数であって、qはアンヒドログルコースのモル分率を表す0〜0.9の数である。
単糖構成単位間がβ−1,4グルコシド結合で結合した、本発明のポリウロン酸塩を用いると、すすぎ時に優れたキシミ感を付与し、乾燥後の肌に優れたさっぱり感を付与することができる。その理由は明らかではないが、セルロース由来のポリウロン酸塩が、デンプン等の他の多糖由来のポリウロン酸塩に比べて、皮膚に対して優れた吸着力を有しているからであると考えられる。
なお、本発明においては、本発明のポリウロン酸塩が上記一般式(1)以外の構造を含むことを排除するものではなく、本願発明の効果を阻害しない程度の量であれば、例えばα−グリコシド結合で結合した構成単糖単位や、製造時の酸化により開裂した糖環骨格の他、上記一般式(1)では表されない構成単糖単位などを有していてもよい。
一般式(1)中、Xである陽イオンとしては、水素イオンの他、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、第4級アンモニウムイオン、及び第1〜第3アミンのアンモニウムイオンが挙げられる。ここで陽イオンの価数(a)が2以上である場合、カルボキシ基1個あたりのXの数は、1/a個である。生成するポリウロン酸塩の水溶性の観点から、Xはアルカリ金属イオンであることが好ましく、ナトリウムイオンであることがより好ましい。
一般式(1)中のpは、0.1以上であれば水溶性を有する。pの上限は1であるが、製造上の容易性の観点から、0.99以下が好ましい。一般式(1)中のpは、本発明のポリウロン酸塩の水溶性、すすぎ時に優れたキシミ感を付与し、乾燥後の肌に優れたさっぱり感を付与する観点並びに製造上の容易性の観点から、0.1〜0.99が好ましく、0.3〜0.97がより好ましく、0.5〜0.95が更に好ましい。
一般式(1)中のqは、本発明のポリウロン酸塩の水溶性、すすぎ時に優れたキシミ感を付与し、乾燥後の肌に優れたさっぱり感を付与する観点並びに製造上の容易性の観点から、0.01〜0.9が好ましく、0.03〜0.7がより好ましく、0.05〜0.5が更に好ましい。
これらの観点から、pに対するqのモル分率比(q/p)は、好ましくは0〜9、より好ましくは0.01〜9、更に好ましくは、0.03〜2.3、より更に好ましくは0.05〜1である。
本発明で用いられるポリウロン酸塩の重量平均分子量は特に限定されないが、すすぎ時に優れたキシミ感を付与し、乾燥後の肌に優れたさっぱり感を付与する観点から、5000〜50万が好ましく、8000〜30万がより好ましく、1万〜20万が更に好ましい。
なお、本発明においてポリウロン酸塩の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるプルラン換算分子量である。具体的には、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明においてポリウロン酸塩のカルボキシ基置換度は、すすぎ時に優れたキシミ感を付与し、乾燥後の肌に優れたさっぱり感を付与する観点から、0.1〜0.99が好ましく、0.3〜0.97がより好ましく、0.5〜0.95が更に好ましい。
ここで、ポリウロン酸塩のカルボキシ基置換度とは、ポリウロン酸塩一分子あたりのカルボキシ基及びその塩の数を、ポリウロン酸塩の主鎖を構成する単糖単位の数で除した数をいい、一般式(1)におけるpの値と略同一である。カルボキシ基置換度は、具体的には、実施例記載の中和滴定法により測定される、ポリウロン酸塩単位重量当りのカルボン酸量から、下記計算式(1)によって求められた値である。
カルボキシ基置換度=162.1×A/(1−14.0×A) (1)
ここで、Aは中和滴定によって求められたカルボン酸量(モル/g)である。
なお、中和に用いられる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物、アンモニアやアミン化合物等が挙げられる。
ポリウロン酸塩の重量平均分子量やカルボキシ基置換度は、該ポリウロン酸塩製造の際の原料セルロースの重合度、酸化剤量等の反応条件によって、適宜調整することができる。
<ポリウロン酸塩の製造>
本発明のポリウロン酸塩は、セルロースを酸化することにより得ることができる。 セルロースを原料として酸化を行う場合、結晶性の高いパルプ等をそのまま使用することもできるが、結晶性部位の酸化反応は進み難いため、少量の水に不溶な成分が生成することがある。そのため、パルプ等のマーセル化処理、セルロースの再生処理(キュプラアンモニウム法、ビスコース法等)、メカノケミカル処理等により低結晶化した粉末セルロースを使用することが好ましい。
低結晶性の粉末セルロースは、汎用原料として得られるシート状やロール状のセルロース純度の高いパルプから極めて簡便に調製することができる。低結晶性の粉末セルロースの調製方法は特に限定されない。例えば、特開昭62−236801号公報、特開2003−64184号公報、特開2004−331918号公報等に記載の方法を挙げることができる。これらの中では、低結晶性の粉末セルロースの生産性の観点から、メカノケミカル処理して得られた低結晶性の粉末セルロースを使用することがより好ましい。
ここで、低結晶性の粉末セルロースの「低結晶性」とは、セルロースの結晶構造においてアモルファス部の割合が多い状態を意味し、具体的には下記計算式(2)による結晶化度が好ましくは30%以下であることが望ましい。
結晶化度(%)=[(I22.6−I18.5)/I22.6]×100 (2)
計算式(2)中、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度を示し、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。X線回折測定の具体的方法は、実施例記載の方法により行う。
この結晶化度が30%以下であれば、セルロースの酸化反応は極めて良好に進行し、水溶性のポリウロン酸塩を効率的に得ることができる。この観点から、ポリウロン酸塩の製造原料に用いるセルロースの結晶化度は25%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下が更に好ましい。特に計算式(2)による結晶化度がほぼ0%である完全非晶化セルロースが最も好ましい。
(メカノケミカル処理)
セルロースのメカノケミカル処理とは、原料セルロースを粉砕機で粉砕処理し、セルロースの結晶性を低下させる処理である。
粉砕機としては高圧圧縮ロールミル、ロール回転ミル等のロールミル;転動ボールミル、振動ボールミル、振動ロッドミル、振動チューブミル、遊星ボールミル、遠心流動化ミル等の容器駆動媒体ミル;塔式粉砕機、攪拌槽式ミル、流通槽式ミル、アニュラー式ミル等の媒体攪拌式ミル;高速遠心ローラーミル、オングミル等の圧密せん断ミル;乳鉢、又は石臼等が挙げられる。これらの中では、セルロースの結晶化度を効率的に低下させる観点、及び生産性の観点から、容器駆動式媒体ミル又は媒体攪拌式ミルが好ましく、容器駆動式媒体ミルがより好ましく、振動ボールミル、振動ロッドミル及び振動チューブミル等の振動ミルがより好ましく、振動ボールミル、振動ロッドミルが更に好ましい。
処理方法としては、バッチ式、連続式のどちらでもよい。
また、セルロースの結晶化度を効率的に低下させる観点、及び高重合度の低結晶性の粉末セルロースを得る観点から、粉砕機の処理時間は、好ましくは5分〜72時間、より好ましくは10分〜30時間である。また、粉砕機処理の際には、発生する熱による変性や劣化を最小限に抑える観点から、好ましくは250℃以下、より好ましくは5〜200℃の範囲で処理を行うことが望ましい。
上記の方法によれば、分子量の制御も可能であり、一般には入手困難な、重合度が高く、かつ低結晶性の粉末セルロースを容易に調製することが可能である。後述の酸化反応の原料となる低結晶性の粉末セルロースの平均重合度は、得られるポリウロン酸塩の水への溶解速度等の観点から、銅−アンモニア法により得られる粘度平均重合度で、好ましくは20〜5000であり、より好ましくは50〜1000であり、100〜500が更に好ましい。
(ポリウロン酸塩の製造)
ポリウロン酸塩は、低結晶性の粉末セルロース等の原料セルロースを溶媒に分散又は溶解させ、触媒、及び必要に応じて更に共酸化剤や助触媒の存在下で酸化反応させることにより製造することができる。ここで、酸化反応は、セルロースの構成成分であるアンヒドログルコース単位の一級水酸基を選択的に酸化し、カルボキシ基を生成させるものである。
一級水酸基の選択的酸化反応としては、白金触媒を用いる酸素による酸化反応、窒素酸化物による酸化反応、硝酸による酸化反応、N−オキシル化合物による酸化反応が挙げられる。これらの中では、反応の高選択性、均質性、及びより温和な条件で酸化反応を円滑に進行させる観点から、N−オキシル化合物を触媒として用い、さらに必要に応じて共酸化剤や助触媒を用いて酸化反応を行うことが好ましい。
〔N−オキシル化合物〕
N−オキシル化合物は、ヒンダードアミンのN−酸化物であり、特にアミノ基のα位に嵩高い基を有する複素環式のN−オキシル化合物がより好ましい。
複素環式のN−オキシル化合物としては、炭素数1又は2のアルキル基を有するピペリジンオキシル化合物、ピロリジンオキシル化合物、及びイミダゾリンオキシル化合物、アザアダマンタン化合物から選ばれる1種以上が好ましい。
これらの中では、反応性の観点から、炭素数1又は2のアルキル基を有するピペリジンオキシル化合物が好ましく、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−アルコキシ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−アミノ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル等のジ−tert−アルキルニトロキシル化合物等が挙げられる。これらのピペリジンオキシル化合物の中では、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルが更に好ましく、2,2,6,6テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)が特に好ましい。
なお、N−オキシル化合物を触媒として用いる酸化反応では、後述する酸化剤によりN−オキシル化合物の一電子酸化体であるオキソアンモニウムイオンが生成し、これが触媒活性種として機能すると考えられる。
反応系におけるN−オキシル化合物の量は、触媒量であればよく、原料セルロースに対して、0.001〜5質量%、好ましくは0.1〜4質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。
〔共酸化剤及び助触媒〕
酸化反応をより温和な条件で円滑に進行させる観点から、共酸化剤ないし助触媒を共存させることができる。
共酸化剤としては、酸素又は空気、過酸化物、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸又はそれらの塩、ハロゲン酸化物、窒素酸化物等が挙げられる。これらの中では、次亜ハロゲン酸塩が好ましく、次亜塩素酸ナトリウムがより好ましい。
助触媒としては、臭化又はヨウ化アンモニウム;臭化リチウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等の臭化又はヨウ化アルカリ金属;臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化ストロンチウム等の臭化又はヨウ化アルカリ土類金属等が挙げられる。これらの臭化物塩やヨウ化物塩は単独で又は二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中では、臭化ナトリウムが好ましい。
共酸化剤ないし助触媒の使用量は、酸化反応速度の観点から、原料セルロースの一級水酸基1モルに対して0.0001〜1モルが好ましく、0.001〜0.5モルがより好ましく、0.01〜0.3モルが更に好ましい。
〔反応条件〕
酸化反応の温度は、反応の選択性、副反応の抑制の観点から、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは20℃以下であり、その下限は、好ましくは−5℃以上である。
反応系のpHは共酸化剤の性質に合わせることが好ましく、例えば、次亜塩素酸ナトリウムの場合、反応系のpHはアルカリ側が好ましい。
酸化反応は、原料セルロースを溶媒に分散させて行うのが好ましい。その溶媒としては、水、メタノール、エタノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられるが、環境負荷低減の観点から、水がより好ましい。上記溶媒は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
〔精製〕
上記酸化反応によるポリウロン酸塩の製造においては、N−オキシル化合物等の触媒の残存や塩の副生が生じ易い。そこで、純度の高いポリウロン酸塩を得るために、必要に応じて精製を行なうことできる。精製法に特に限定はなく、酸化反応における溶媒の種類、生成物の酸化の程度、精製の程度により最適な方法を採用することができる。例えば、良溶媒として水、貧溶媒としてメタノール、エタノール、アセトン等を用いた再沈殿、ヘキサン等の水と相分離する溶媒への触媒等の抽出、及び塩のイオン交換、透析等による精製等が挙げられる。
[界面活性剤(B)]
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、界面活性剤(B)を含む。界面活性剤(B)としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられるが、洗浄性能、及びすすぎ時のキシミ感の観点から、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が好ましく、陰イオン性界面活性剤がより好ましい。
(陰イオン性界面活性剤)
陰イオン性界面活性剤の具体例としては、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸エステル塩及びアミノ酸塩のものが好ましい。
具体的には、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩;スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、アルカンスルホン酸、アシルイセチオン酸塩、アシルメチルタウレート等のスルホン酸塩;高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩等のカルボン酸塩;アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩等のリン酸エステル塩;アシルグルタミン酸塩、グリシン誘導体、アラニン誘導体、アルギニン誘導体等のアミノ酸塩等が挙げられる。
これらの中では、本発明の皮膚洗浄剤組成物の洗浄性、及びすすぎ時のキシミ感、乾燥後の肌のさっぱり感の観点から、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ラウリン酸カリウム等の高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸アルキルエステル塩、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム等のアシルグルタミン酸塩、アシルサルコシン塩、アシルグリシン塩、アシルイセチオン酸塩、アシルメチルタウレート、アルキルリン酸塩が好ましく、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム(ラウレス−1硫酸アンモニウム)ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(ラウレス−2硫酸ナトリウム)、ラウリン酸カリウム、ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム(ラウレス−4.5酢酸ナトリウム)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(2)スルホコハク酸ナトリウム(ラウレス−2スルホコハク酸ナトリウム)、ココイルグルタミン酸ナトリウムがより好ましい。
(非イオン性界面活性剤)
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油等のポリアルキレングリコール型と、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド等の多価アルコール型及び脂肪酸アルカノールアミドが挙げられる。
これらの中では、洗浄性及びすすぎ時のキシミ感、乾燥後の肌のさっぱり感の観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミドが好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテルが好ましい。
脂肪酸アルカノールアミドとしては、脂肪酸モノアルカノールアミド、脂肪酸ジアルカノールアミドのいずれでもよいが、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するものが好ましく、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N−メチルモノエタノールアミドがより好ましい。
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤としては、本発明の皮膚洗浄剤組成物で洗浄した後のすすぎ時のキシミ感、乾燥後の肌のさっぱり感の観点から、ベタイン型界面活性剤、及びアルキルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド型界面活性剤等が好ましく挙げられる。
これらの中では、ベタイン型界面活性剤としては、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等のイミダゾリン型ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、スルホベタイン等のベタイン型界面活性剤、及びアルキルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド型界面活性剤がより好ましく、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルスルホベタイン、脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン及び脂肪酸アミドプロピルスルホベタインが更に好ましく、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインがより更に好ましい。
本発明の皮膚洗浄剤組成物の洗浄性、及びすすぎ時のキシミ感、乾燥後の肌のさっぱり感の観点から、前記陰イオン性、非イオン性、及び両性界面活性剤は、疎水性部位として炭素数8〜20のアルキル基、又はアルケニル基を有することが好ましく、炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基を有することがより好ましい。
[皮膚洗浄剤組成物]
本発明の皮膚洗浄剤組成物中、ポリウロン酸塩の含有量は、洗浄した後のすすぎ時のキシミ感、及び乾燥後のさっぱり感を付与する観点から、皮膚洗浄剤組成物中0.005〜10質量%が好ましく、0.02〜5質量%がより好ましく、0.05〜2質量%がより好ましく、0.08〜1質量%が更に好ましく、0.1〜0.5質量%特に好ましい。
本発明の皮膚洗浄剤組成物中、界面活性剤の含有量は、洗浄性能及びすすぎ時のキシミ感、乾燥後の肌のさっぱり感の観点から好ましくは1〜80質量%、より好ましくは3〜60質量%、更に好ましくは5〜50質量%、より更に好ましくは7〜40質量%、特に好ましくは10〜30質量%である。
本発明の皮膚洗浄剤組成物中、界面活性剤(B)に対するポリウロン酸塩(A)の質量比〔(A)/(B)〕は、すすぎ時のキシミ感と乾燥後のさっぱり感の向上の観点から、好ましくは0.0001〜1、より好ましくは0.001〜0.5、更に好ましくは0.005〜0.1、特に好ましくは0.01〜0.05である。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の皮膚洗浄剤に用いられる他の成分を目的に応じて適宜含有することができる。このような任意成分としては、感触向上剤、増粘剤、界面活性剤、油剤、ビタミン類、殺菌剤、抗炎症剤、香料、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、キレート剤、酸化防止剤、着色剤、防腐剤、pH調整剤、粘度調整剤、パール光沢剤、湿潤剤等が挙げられる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、常法に従って製造することができる。また、その剤型も特に制限されず、液体状、泡状、ペースト状、クリーム状、固形状、粉末状等、任意の剤型とすることができるが、使用時の利便性の観点から、液体状、ペースト状又はクリーム状とすることが好ましく、液体状とすることが特に好ましい。
液体状とする場合には、液体媒体として水、ポリエチレングリコール、エタノール等を用いるのが好ましく、水を配合する場合、配合量は、全組成物中10〜99質量%が好ましく、30〜95質量%がより好ましく、50〜90質量%が更に好ましく、70〜85質量%が特に好ましい。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、pH3〜11、更にpH4〜10、特にpH4.5〜7であるのが、皮膚への刺激が少なく、優れた洗浄力が損なわれることなく、すすぎ時のキシミ感、乾燥後の肌のさっぱり感に優れるので好ましい。pHは、各洗浄剤組成物を、イオン交換水で20倍に希釈して5質量%水溶液を得た後、25℃でpHメーター(株式会社堀場製作所製、型番F−22)を用いて測定することができる。
以下の実施例において、セルロースの結晶化度、原料セルロースの水分含量、重量平均分子量とカルボキシ基置換度、赤外吸収スペクトルの測定、NMRスペクトルの測定は、以下の方法により行った。なお、実施例において「%」は特記しない限り、「質量%」を意味する。
(1)セルロースの結晶化度の測定
株式会社リガク製「Rigaku RINT 2500VC X-RAY diffractometer」を用いて、以下の条件で測定した。
X線光源:Cu/Kα−radiation、管電圧:40kV、管電流:120mA
測定範囲:2θ=5〜45°
測定サンプル:面積320mm2×厚さ1mmのペレットを圧縮して作成
X線のスキャンスピード:10°/min
(2)原料セルロースの水分含量の測定
原料セルロースの水分含量の測定には、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、製品名:FD−610)を使用した。120℃にて測定を行い、30秒間の重量変化率が 0.1%以下となる点を測定の終点とした。測定された水分量の値を、原料セルロースに対する質量%に換算し、水分含量とした。
(3)重量平均分子量の測定
(3−1)ポリウロン酸塩の重量平均分子量の測定
製造例で得られたセルロース由来、又はデンプン由来のポリウロン酸塩の重量平均分子量(Mw)は、株式会社日立製作所製、L−6000型高速液体クロマトグラフィーを使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって下記条件で測定した。
検出器:ショーデックスRI SE−61示差屈折率検出器
カラム:東ソー株式会社製、G4000PWXL、G2500PWXLを直列につないで使用した。
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=90/10(容量比)で0.5g/100mLの濃度に調整し、20μLを用いた。
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
標準ポリマー:プルラン
(3−2)カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量の測定
ポリウロン酸塩の代わりに製造例で得られたカルボキシメチルセルロースを測定試料として用いたことの他は、上記ポリウロン酸塩の重量平均分子量の測定と同様にして行った。
(4)カルボキシ基置換度の測定
(4−1)ポリウロン酸塩のカルボキシ基置換度の測定
製造例で得られたセルロース由来、又はデンプン由来のポリウロン酸塩の2%水溶液を50g調整し、6N塩酸にてpHを1以下とした。この酸性溶液をエタノール500mLに投入し、生じた沈殿物を回収、エタノールで数回洗浄、乾燥した。得られたポリウロン酸を0.1g精秤し、イオン交換水30mLに溶解又は分散させ、フェノールフタレインを指示薬として0.1N水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、ポリウロン酸塩単位重量あたりのカルボキシ基の量を求め、このカルボキシ基の量から、前記計算式(1)によりカルボキシ基置換度を算出した。
(4−2)カルボキシメチルセルロースのカルボキシ基置換度
日本製紙ケミカル製カルボキシメチルセルロース(FT−1)のカルボキシ基置換は、カタログに掲載されている(0.8〜1.0)。その中央値(0.9)をカルボキシ基置換度とした。
(5)赤外吸収スペクトルの測定
株式会社堀場製作所製の赤外分光光度計、FT−710型を用いて、ATRP法により測定した。
(6)1H−NMRスペクトルの測定
1H−NMRスペクトルの測定は以下の装置、条件で行った。
測定装置;Varian社製 Mercury400
測定周波数;400MHz
測定用溶媒;D2
(7)13C−NMRスペクトルの測定
13C−NMRスペクトルの測定は以下の装置、条件で行った。
測定装置;Varian社製 Mercury400
測定周波数;100MHz
測定用溶媒;D2
製造例1
セルロースパウダー(日本製紙ケミカル株式会社製、商品名:KCフロック W−400G、結晶化度60%、水分含水量1.2%、セルロース含有量98.8%)20gを遊星ボールミル(フリッチェ(Fritsch)社製、ジルコニアボールφ0.5mm×100g)で10分間粉砕(回転数400rpm)、10分間静置する操作を12回繰り返し、低結晶性のセルロースパウダー(結晶化度0%)を得た。
pHメータを備えた1Lビーカーに2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(アルドリッチ社製、商品名:TEMPO)0.20g、水100g、前記低結晶性のセルロースパウダー3gを加え、攪拌子を用い200rpmの回転数で攪拌した。温度を25℃に保ち、11%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)29gを滴下して投入した。酸化反応が進行するに従い、pHが低下するので、溶液のpHを8.5付近にするため、0.5N水酸化ナトリウム水溶液をマイクロチューブポンプを用いて徐々に添加した。次亜塩素酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液を滴下終了した段階で、反応混合物はほぼ均一透明になっていた。
反応終了後、反応液をエタノール1Lに注ぎ、白色固体を沈殿させた。沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後に、40℃で乾燥することで、白色のポリウロン酸ナトリウム塩(1)3gを得た。
得られたポリウロン酸ナトリウム(1)の重量平均分子量は3.5万、カルボキシ基置換度は0.85であった。得られたポリウロン酸ナトリウム(1)の1H−NMRスペクトルは3.0〜4.5ppm付近に糖骨格に由来するピークを示し、そのIRスペクトルは、1600cm-1付近にカルボン酸イオンに相当するピークが観察された。また、得られた化合物を13C−NMRで測定した結果、セルロース骨格を構成するアンヒドログルコースの水酸基が置換した6位のカーボンに由来する60ppm付近のピークが消滅し、180ppm付近に6位のカーボンが酸化されたピークが観察された。
これらの結果から、セルロースパウダー中のセルロースを構成するアンヒドログルコースの6位の一級水酸基が酸化されていることが確認された。
製造例2
セルロースパウダー(日本製紙ケミカル株式会社製、商品名:KCフロック W−400G)20g、グルクロン酸ナトリウム一水和物(和光純薬工業株式会社製)6.0g、イオン交換水1.0gを混合させた後に、遊星ボールミル(フリッチェ(Fritsch)社製、ジルコニアボールφ0.5mm×100g)で10分間粉砕(回転数400rpm)、10分間静置する操作を4回繰り返し、低結晶性のセルロースパウダー(結晶化度0%)を得た。
pHメータ、温度計、攪拌器を備えた2Lフラスコに4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル(和光純薬工業株式会社製、4−アセトアミドTEMPO)1.92g、0.1M酢酸水溶液20mL、0.1M酢酸ナトリウム水溶液30mL、イオン交換水1Lを加え200rpmの回転数で攪拌を行った。温度を25℃に保ち、低結晶性のセルロースパウダー20g、亜塩素酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)34g、次亜塩素酸ナトリウム11%水溶液(和光純薬工業株式会社製)20mLを加えた後、60℃、pHを5.0で24時間攪拌し、酸化反応を行った。
反応終了後、反応液をエタノール5Lに注ぎ、白色固体を沈殿させた。沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後に、40℃で乾燥させることで、白色のポリウロン酸ナトリウム塩(2)22gを得た。
得られたポリウロン酸ナトリウム(2)の重量平均分子量は17万、カルボキシ基置換度は0.80であった。得られたポリウロン酸ナトリウム(2)の1H−NMRスペクトルは3.0〜4.5ppm付近に糖骨格に由来するピークを示し、そのIRスペクトルは、1600cm-1付近にカルボン酸イオンに相当するピークが観察された。また、得られた化合物を13C−NMRで測定した結果、セルロース骨格を構成するアンヒドログルコースの水酸基が置換した6位のカーボンに由来する60ppm付近のピークが消滅し、180ppm付近に6位のカーボンが酸化されたピークが観察された。
これらの結果から、セルロースパウダー中のセルロースを構成するアンヒドログルコースの6位の一級水酸基が酸化されていることが確認された。
製造例3
セルロースパウダー(日本製紙ケミカル株式会社製、商品名:KCフロック W−400G)20gを遊星ボールミル(フリッチェ(Fritsch)社製、ジルコニアボールφ0.5mm×100g)で10分間粉砕(回転数400rpm)、10分間静置する操作を12回繰り返し、低結晶性のセルロースパウダー(結晶化度0%)を得た。
pHメータ、温度計、攪拌器を備えた1Lフラスコに2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(アルドリッチ社製、商品名:TEMPO)0.020g、水12g、低結晶性のセルロースパウダー5gを加え、200rpmの回転数で攪拌した。温度を25℃に保ち、11%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)40gを滴下して投入した。酸化反応が進行するに従い、pHが低下するので、溶液のpHを8.5付近にするため、0.5N水酸化ナトリウム水溶液をマイクロチューブポンプを用いて徐々に添加した。次亜塩素酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液を滴下終了した段階で、反応混合物は白濁していた。
反応終了後、反応液をエタノール250mLに注ぎ、白色固体を沈殿させた。沈殿物を回収し、水250gを加え200rpmの回転数で30分攪拌した。得られた懸濁液を遠心分離機(日立工機株式会社製、製品名:himac CR21GIII)を用い10000rpmの回転数で30分間遠心分離し、沈殿物を除去し、更にろ過をすることにより水可溶分を回収した。得られた水可溶分をアセトン1Lに注ぎ、白色固体を沈殿させた。沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後に、40℃で乾燥することで、白色のポリウロン酸ナトリウム塩(3)2.5gを得た。
得られたポリウロン酸ナトリウム(3)の重量平均分子量は4.0万、カルボキシ基置換度は0.60であった。得られたポリウロン酸ナトリウム(3)の1H−NMRスペクトルは3.0〜4.5ppm付近に糖骨格に由来するピークを示し、そのIRスペクトルは、1600cm-1付近にカルボン酸イオンに相当するピークが観察された。また、得られた化合物を13C−NMRで測定した結果、セルロース骨格を構成するアンヒドログルコースの水酸基が置換した6位のカーボンに由来する60ppm付近のピークが消滅し、180ppm付近に6位のカーボンが酸化されたピークが観察された。
これらの結果から、セルロースパウダー中のセルロースを構成するアンヒドログルコースの6位の一級水酸基が酸化されていることが確認された。
製造例4
pHメータ、温度計、攪拌器を備えた0.5Lフラスコに実施例1の方法に従って製造したポリウロン酸ナトリウム(1)2.5g、水250gを加えた後、1N NaOHを加えpHを10.5に調整した。pH10.5、回転数200rpm、50℃で24時間攪拌し、ポリウロン酸の加水分解を行った。
反応終了後、反応液をエタノール1Lに注ぎ、白色固体を沈殿させた。沈殿物を回収しアセトンを加えて洗浄した後に、40℃で乾燥することで、白色のポリウロン酸ナトリウム塩(4)1.0gを得た。
得られたポリウロン酸ナトリウム(4)の重量平均分子量は1.4万、カルボキシ基置換度は0.85であった。得られたポリウロン酸ナトリウム(4)の1H−NMRスペクトルは3.0〜4.5ppm付近に糖骨格に由来するピークを示しており、そのIRスペクトルは、1600cm-1付近にカルボン酸イオンに相当するピークが観察された。
製造例5
低結晶性のセルロースパウダーをデンプン(トウモロコシ由来、アルドリッチ社製)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を行いデンプン由来ポリウロン酸ナトリウム塩を得た。
得られたデンプン由来ポリウロン酸ナトリウムの重量平均分子量は3.2万、カルボキシ基置換度は0.94であった。得られたデンプン由来ポリウロン酸ナトリウムの1H−NMRスペクトルは3.0〜4.5ppm付近に糖骨格に由来するピークを示し、そのIRスペクトルは、1600cm-1付近にカルボン酸イオンに相当するピークが観察された。また、得られた化合物を13C−NMRで測定した結果、デンプン骨格を構成するアンヒドログルコースの水酸基が置換した6位のカーボンに由来する60ppm付近のピークが消滅し、180ppm付近に6位のカーボンが酸化されたピークが観察された。
これらの結果から、デンプンを構成するアンヒドログルコースの6位の一級水酸基が酸化されていることが確認された。
製造例6
pHメータ、温度計、攪拌器を備えた2Lフラスコにカルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル株式会社製、商品名:サンローズ FT−1)20g、水1000gを加えた後、1N HClを加えpHを2.0に調整した。pH2.0、回転数200rpm、50℃で24時間攪拌し、カルボキシメチルセルロースの加水分解を行った。加水分解終了後に1N NaOHを用いてpHを7.0に調整し、その溶液をエタノール3Lに注ぎ、白色固体を沈殿させた。沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後に、40℃で乾燥させることで、白色のカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩18gを得た。
得られたカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩の重量平均分子量は3.2万、カルボキシ基置換度は0.90であった。
実施例1〜4(皮膚洗浄剤組成物の調製と性能評価)
(1)(皮膚洗浄剤組成物の調製)
ポリウロン酸ナトリウムとして製造例1〜4で得られたポリウロン酸ナトリウム(1)〜(4)及び市販の界面活性剤を用いて、表1に示す組成の皮膚洗浄剤組成物を常法により調製した。尚、界面活性剤の製品形態が水溶液である場合、表中の数値及び市販製品中の純分を考慮して配合量を決定した。
具体的には、ポリウロン酸ナトリウムを水に溶解させ1%ポリマー溶液を調製した。別途、ポリマー以外の各成分をビーカーに取り、攪拌した均一混合した後に、ポリマー液を加え、均一混合した。
(2)皮膚洗浄組成物の性能評価
両手を濡らし、表1に示す組成の皮膚洗浄剤組成物0.5mLを両手に塗布し、泡立てた後、その両手を10秒間流水中ですすぎ、すすぎ時のキシミ感を、下記の評価基準により評価した。
その後、タオルで両手の水分をふき取り、乾燥後の肌について、下記の評価基準により評価した。尚、評価は、表1に示す組成の標準品皮膚洗浄剤を、実施例1と同様に調製し、これを基準とした相対評価で行った。
評価は5人の専門パネラーが行い、得られた結果の平均値の小数点以下第2位を四捨五入した値を表1に示す。
(評価基準)
・すすぎ時のキシミ感(すすぎ時に摩擦抵抗のある感触)
5:キシミ感が強い
4:キシミ感がやや強い
3:標準品と同等
2:キシミ感がやや弱い
1:キシミ感が弱い
・乾燥後のさっぱり感
5:強い(サラッと乾いた感じが強い)
4:やや強い(サラッと乾いた感じがある)
3:標準品と同等
2:やや弱い(湿った感じがある)
1:弱い(いつまでも湿った感じが強い)
Figure 0005872884
比較例1〜4
ポリウロン酸ナトリウム(1)〜(4)の代わりに、製造例5〜6で得られたデンプン由来のポリウロン酸ナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、又は市販のコンディショニングポリマーを用いて、表2に示す組成の洗浄剤組成物を実施例1〜4と同様に調製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005872884
表1及び表2の対比から、実施例1〜4の皮膚洗浄剤は、比較例1〜4の皮膚洗浄剤に比べて、すすぎ時に優れたキシミ感を付与し、乾燥後には優れたさっぱり感を付与することができることが分かる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、すすぎ時に優れたキシミ感を付与し、乾燥後には優れたさっぱり感を付与することができるため、例えば洗顔剤、クレンジング剤、ボディーソープ、ハンドソープ、マッサージ剤等の皮膚洗浄剤の分野で好適に利用することができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されるポリウロン酸又はその塩(A)、及び界面活性剤(B)を含有する皮膚洗浄剤組成物。
    Figure 0005872884
    (式中、Xは陽イオンを示し、pはポリウロン酸またはその塩の構成単位中におけるアンヒドログルクロン酸及びその塩のモル分率の和を表す0.1〜1の数であって、qはアンヒドログルコースのモル分率を表す0〜0.9の数である。)
  2. ポリウロン酸又はその塩(A)の含有量が0.005〜10質量%である、請求項1に記載の皮膚洗浄剤組成物。
  3. ポリウロン酸又はその塩(A)の重量平均分子量が5000〜50万である、請求項1又は2に記載の皮膚洗浄剤組成物。
  4. ポリウロン酸又はその塩(A)のカルボキシ基置換度が0.1〜0.99である、請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
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