JP5841520B2 - 製鉄プラントにおける熱回収システム - Google Patents

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本発明は、製鉄プラントにおける熱回収システムに関し、特に、移動炉床炉から排出される排ガスの熱エネルギーを有効に活用してシステム全体の熱効率を向上させるための技術に関する。
本出願人は、鉄鉱石を微粉に粉砕した微粉鉱石と一般炭を使い、比較的低温で急速に還元、浸炭、溶融、スラグ分離を行い、粒状鉄(アイアンナゲット)を製造する新製鉄プロセスを実用化している。この新製鉄プロセスは、従来の高炉法や直接還元製鉄法とは全く異なるコンセプトのもとに開発された第3世代の製鉄法であり、粉鉱石を石炭と混合した生ペレットを移動炉床炉に投入し一挙に還元し溶融する事で、粒状鉄を製造するまでの一連の反応を10分程度で完結できる。
上記新製鉄プロセスにおいて、移動炉床炉から排出される排ガスは、通常かなり高温(例えば1400℃)になるので、当該排ガスから熱エネルギーを有効に回収し、システム全体の熱効率の向上を図る必要がある。またこの排ガスには、鉄やアルカリを含む複合塩の蒸気等が含まれ、煙道内で排ガスの温度が下がると液化および固化して煙道内にダストが付着し、除去を怠れば熱交換器の配管などの狭い部分を閉塞する恐れがある。
ここで製鉄プロセスにおいて、ダスト付着による排ガス経路の閉塞の問題点を解決して、高温の排ガスから廃熱を回収する金属還元炉の排ガスの処理方法が特許文献1に開示されている。特許文献1の方法は、排ガス中のダストの成分の比率を限定することにより、熱交換器などの配管の狭い部分の閉塞を防止することを特徴としている。
特開2003−90686号公報
特許文献1の設備では、予め閉塞を予防することができる排ガス中のダストの成分の比率を見付けておき、製鉄プロセスにおいて排ガスの成分が意図する比率になるように、製鉄用の原料の成分管理を行ったり製鉄用の原料の配合を調整している。しかしながら、製鉄用の原料の大部分は自然資源であるため人為的に成分の比率を変えることは容易ではないし、本来製鉄用の原料の配合は製鉄の効率が最大になるように決められるべきである。従って、特許文献1の設備は、鉄鉱石や還元剤などの原料の選択の幅を著しく狭める上、製鉄の効率を落としてしまうことになりかねないので、本末転倒であり現実的ではない。
また、本発明が対象としている製鉄プラントは、上記したように排ガスが非常に高温であり、さらに排ガスに鉄やアルカリを含む複合塩の蒸気が含まれるなど、例えばごみ焼却用などの汎用の廃棄物処理炉とは事情が大きく異なり特有の対策が必要である。
本発明は以上のような従来の課題を考慮してなされたものであり、移動炉床炉から排出される排ガスの熱エネルギーを有効に利用してシステム全体の熱効率を向上させることができる製鉄プラントにおける熱回収システムを提供するものである。
本発明は、移動炉床炉を用いる製鉄プラントにおける熱回収システムであって、前記移動炉床炉において発生する排ガスを排気口へ導く煙道と、前記煙道の途中に設置され、該煙道内の排ガスの熱エネルギーを利用して、前記移動炉床炉に用いるバーナの燃焼用空気、および/又は、製鉄原料の乾燥用空気を予熱する空気予熱器と、前記空気予熱器に入る排ガスの温度、又は前記空気予熱器により予熱された空気の温度を測定する温度測定器と、前記空気予熱器よりも上流側の前記煙道の一部に設置され、該煙道内の排ガスの熱を回収する熱回収手段と、前記温度測定器により測定された排ガス温度に応じて、前記熱回収手段による熱の回収量を制御して、前記空気予熱器に入る排ガスの温度を調整する温度制御手段とを備える。
本発明の熱回収システムにおいて、前記熱回収手段は、前記空気予熱器よりも上流側の前記煙道の内壁の一部が、複数のチューブをメンブレンバーにより接合することによって形成されたメンブレンボイラで構成することが望ましい。
本発明の熱回収システムにおいて、前記煙道は、前記移動炉床炉より略水平に延びた水平煙道部と、前記水平煙道部の終端から上方へ延びた上昇煙道部とを含み、前記メンブレンボイラは、前記上昇煙道部に設置されている構成にすることができる。
本発明の熱回収システムにおいて、前記煙道は、前記移動炉床炉より略水平に延びた水平煙道部と、前記水平煙道部の終端から上方へ延びた上昇煙道部とを含み、前記メンブレンボイラは、前記上昇煙道部および前記水平煙道部に設置されている構成にすることができる。
本発明の熱回収システムにおいて、前記温度制御手段は、前記温度測定器により測定された排ガス温度が、500℃から800℃までの間の予め設定した温度を超える場合に、前記熱回収手段による熱の回収量を増加させて、前記空気予熱器に入る排ガスの温度を下げる構成にすることができる。
本発明の熱回収システムにおいて、前記温度制御手段は、前記温度測定器により測定された排ガス温度が、650℃から700℃までの間の予め設定した温度を超える場合に、前記熱回収手段による熱の回収量を増加させて、前記空気予熱器に入る排ガスの温度を下げる構成にすることができる。
本発明の熱回収システムにおいて、前記熱回収手段は、前記排ガスに接触する一部又は全部が、前記排ガスの温度下において、少なくとも鉄およびアルカリを含む複合塩に対する耐食性を有する合金により形成されている構成にすることができる。
本発明の熱回収システムにおいて、前記移動炉床炉には、製品輻射冷却板が設置されており、該熱回収システムは、さらに、前記製品輻射冷却板から排出される温排水を熱源として用いて、前記熱回収手段へ供給する水を予熱するヒートポンプを備える構成にすることができる。
本発明の熱回収システムは、さらに、前記熱回収手段の表面に、空気、水蒸気又は水を噴射して、排ガスに由来する付着物を急冷収縮させて除去する付着物除去装置を備える構成にすることができる。
本発明の熱回収システムにおいて、前記温度制御手段は、さらに、前記温度測定器により測定された排ガス温度に応じて、補助的に、前記付着物除去装置を用いて、前記空気予熱器に入る前の排ガスに対して、空気、水蒸気又は水を噴射して、当該排ガスの温度を調整する構成にすることができる。
本発明の熱回収システムにおいて、前記付着物除去装置は、さらに、前記熱回収手段の表面に振動を与え、固形物を落下させ、前記付着物を除去する構成にすることができる。
本発明の熱回収システムにおいて、前記付着物除去装置は、さらに、前記メンブレンボイラで発生した飽和蒸気をさらに加熱するスーパーヒータと、前記スーパーヒータにより過熱された蒸気を動力源として発電する蒸気発電機とを備える構成にすることができる。
本発明の移動炉床炉を用いる製鉄プラントにおける熱回収システムは、空気予熱器とは別に、煙道の上流に煙道内の排ガスの熱を回収する熱回収手段を備え、回収された熱は様々な外部の機器において利用され、且つ、空気予熱器に入る排ガスの温度、又は空気予熱器により予熱された空気の温度に応じて熱回収手段による熱の回収量を制御することができる。よって、空気予熱器とは別に熱回収手段を備えることによって排ガスから熱エネルギーをより多く回収することができ、さらに、熱回収手段による熱の回収量を制御して空気予熱器に入る排ガスの温度を調整することによって熱回収の効率を上げることができる。
さらに本発明の熱回収システムによれば、熱回収手段が煙道の内壁の一部に形成されたメンブレンボイラで構成することが望ましいので、放熱損失が少なく軽量で堅固であり、煙道の材料を軽減することができる。
さらに本発明の熱回収システムによれば、排ガスは水平煙道部により一旦略水平方向に移動した後で、上昇煙道部により方向転換させられて垂直方向に上昇し、メンブレンボイラを上昇煙道部に設置するので、メンブレンボイラを移動炉床炉の上部に配置した場合にメンブレンボイラの低温部により炉床が過剰に冷やされるという不具合を解消することができ、かつ、排ガス中に含まれるダストを方向転換の際に煙道下部に落として煙道の外へ排出することができる。
また本発明の熱回収システムによれば、排ガスは水平煙道部により一旦略水平方向に移動した後で、上昇煙道部により方向転換させられて垂直方向に上昇し、メンブレンボイラを上昇煙道部と水平煙道部の両方に設置するので、より広い範囲で煙道内の排ガスの熱を回収することができる。
さらに本発明の熱回収システムによれば、測定された排ガス温度が、500℃から800℃までの間の予め設定した温度を超える場合に、熱回収手段による熱の回収量を増加させて、空気予熱器に入る排ガスの温度を下げることができる。よって空気予熱器の入り口の排ガスの温度を、空気予熱器が効率よく機能する500〜800℃程度の一定の範囲に保つことができる。
さらに本発明の熱回収システムによれば、測定された排ガス温度が、650℃から700℃までの間の予め設定した温度を超える場合に、熱回収手段による熱の回収量を増加させて、空気予熱器に入る排ガスの温度を下げることが好ましい。よって空気予熱器の入り口の排ガスの温度を、空気予熱器が最も効率よく機能する650〜700℃程度の一定の範囲に保つことができる。
さらに本発明の熱回収システムによれば、熱回収手段の排ガスに接触する一部又は全部が、排ガスの温度下において、少なくとも鉄およびアルカリを含む複合塩に対する耐食性を有する合金により形成されているので、設備の耐用年数を長くすることができる。ここで上記合金には、ステンレス鋼(例えば310SS)や、ニッケル基合金(例えばインコネル600、インコネル690)等を採用することができる。
さらに本発明の熱回収システムによれば、製品輻射冷却板から排出される温排水を熱源として熱回収手段へ供給する水を予熱するので、さらに、熱エネルギーを回収することができる。
さらに本発明の熱回収システムによれば、熱回収手段の表面に、空気、水蒸気又は水を噴射して、排ガスに由来する付着物を急冷収縮させて除去するので、熱回収手段から付着物が剥がれ落ちやすくなる。
さらに本発明の熱回収システムによれば、温度制御手段が、空気予熱器に入る排ガスの温度を調整するために空気、水蒸気又は水を噴射すると同時に、熱回収手段から付着物を除去することができるので、運転中に付着物の除去ができるため、連続運転が可能となり稼働率を上げることができる。
さらに本発明の熱回収システムによれば、熱回収手段の表面に、振動を与え、ダクト掃除用のボールなどの固形物を落下させ、付着物を除去するので、より確実に熱回収手段から付着物を除去することができる。
さらに本発明の熱回収システムによれば、上昇煙道部に熱回収手段におけるそれぞれのチューブの内部で発生した蒸気をさらに加熱するスーパーヒータを備えるので、さらに、熱エネルギーを有効に回収することができ、かつ、熱回収手段から剥がれ落ちた付着物を煙道下部に落とすことが容易になる。
本発明の実施の形態1に係る熱回収システムの概要を示す図である。 変形例1の熱回収システムの概要を示す図である。 変形例2の熱回収システムの概要を示す図である。 変形例3の熱回収システムの概要を示す図である。 変形例4の熱回収システムの概要を示す図である。 変形例5の熱回収システムの概要を示す図である。 変形例6の熱回収システムの概要を示す図である。
<実施の形態1>
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る熱回収システム1の概要を示す図である。
図1において、熱回収システム1は、移動炉床炉10、煙道20、空気予熱器30、温度測定器40、熱回収手段50、および温度制御手段60を備える。
製鉄用の炉である移動炉床炉として、本実施の形態では炉床の平面形状が環状(ドーナツ状)に構成されている移動炉床炉10を用いている。なお移動炉床炉としては、移動炉床炉だけでなく、直線炉等を用いることもできる。
煙道20は、移動炉床炉10において発生する排ガスを排気口へ導いて建屋の外へ排気するダクトである。
空気予熱器30は、排ガスの熱エネルギーを利用して、製鉄プラントにおいて使用する空気を予熱する機器であり、第1予熱器31、および第2予熱器32を含み、熱回収手段50よりも煙道20の下流側に設置される。
第1予熱器31は、移動炉床炉10に用いるバーナ(図示せず)の燃焼用空気を予熱する。第2予熱器32は、製鉄原料である鉄鉱石・石炭混合ペレットの乾燥用空気を予熱する。ここで第1予熱器31、および第2予熱器32は、入り口の排ガスの温度を一定の範囲に保つ必要がある。
なお、空気予熱器30は、移動炉床炉10に用いるバーナの燃焼用空気、および製鉄原料である鉄鉱石・石炭混合ペレットの乾燥用空気のいずれか一方を予熱するものであってもよい。
温度測定器40は、空気予熱器30に入る排ガスの温度、又は空気予熱器30により予熱された空気の温度を測定する。ここで図1では空気予熱器30に入る排ガスの温度を測定している。
熱回収手段50は、煙道20内の排ガスの熱を回収する機器であり、空気予熱器30よりも上流側の煙道20の一部に設置される。本実施の形態では、煙道20の空気予熱器30よりも上流側の煙道20の内壁の一部が、メンブレンボイラにより形成されて、熱回収手段50として機能している。ここでメンブレンボイラで発生した飽和蒸気Bは、様々な外部の蒸気利用機器Xに送られる。例えば、該飽和蒸気Bは、低圧のままで工場内の暖房や温水器などの熱源に利用したり、別途設置の自家発電装置用のボイラーに供給することにより、熱利用効率を高めることができる。
なお、熱回収手段50は、空気予熱器30よりも上流側の煙道20の内壁の一部が、複数のチューブをメンブレンバーにより接合することによって形成されたメンブレンボイラで構成することが望ましい。
温度制御手段60は、温度測定器40により測定された排ガス温度に応じて、熱回収手段50による熱の回収量を制御して、空気予熱器30に入る排ガスの温度を調整する。より具体的には温度制御手段60は、排ガス温度が予め設定した温度を超える場合に、熱回収手段50による熱の回収量を増加させて、空気予熱器30に入る排ガスの温度を下げる。
ここで、排ガス温度の予め設定した温度とは、650℃から700℃までの間の温度が最も汎用性があると考えられるが、季節や操業の条件によっては、熱回収手段50での熱回収と、空気予熱器30での熱回収の比率を変更することがある。従って、設備の設置環境によっては、温度制御手段60を動作させる予め設定した温度は、500℃から800℃の間でのいずれかの適切な温度としてよい。
また煙道20は、図1に示すように移動炉床炉10より略水平に延びた水平煙道部21、水平煙道部21の終端から上方へ延びた上昇煙道部22、上昇煙道部22の上端より上昇から下降へ転じる反転煙道部23、反転煙道部23の終端から下方へ延びた下降煙道部24、および上昇煙道部22の下方に位置する煙道下部25を含む。ここで熱回収手段50は、水平煙道部21および上昇煙道部22の両方に設置されるが、水平煙道部21および上昇煙道部22のいずれか一方に設置してもよく、特に上昇煙道部22に設置することが望ましい。また空気予熱器30は下降煙道部24に設置される。
排ガスは水平煙道部21により一旦略水平方向に移動した後で、上昇煙道部22により方向転換させられて垂直方向に上昇するので、排ガス中に含まれるダストを方向転換の際に煙道下部25に落として煙道20の外へ排出することができる。
なお熱回収手段50は、排ガスに接触する一部又は全部を、排ガスの温度下において、少なくとも鉄およびアルカリを含む複合塩に対する耐食性を有する耐食合金により形成して、設備の耐用年数を長くすることが望ましい。ここで上記耐食合金には、ステンレス鋼(例えば310SS)や、ニッケル基合金(例えばインコネル600、インコネル690)等を採用することができる。なお、耐久性のみを考慮すればより耐食性の高い合金を全面的に採用することが望ましいが、耐食合金は高価であるため、さらに経済性を考慮すれば、使用時の表面の温度分布を計算し耐食合金が必要な箇所と不要な箇所とを求めて必要な箇所にのみに選択的に、あるいは腐食し易い箇所に重点的に適宜耐食合金を採用することが望ましい。
以上のように、実施の形態1の移動炉床炉10を用いる製鉄プラントにおける熱回収システム1は、空気予熱器30とは別に、煙道20の上流側に熱回収手段50を備え、回収された熱は様々な外部の蒸気利用機器Xおいて利用され、且つ、空気予熱器30に入る排ガスの温度、又は空気予熱器30により予熱された空気の温度に応じて熱回収手段50による熱の回収量を制御するので、従来よりも熱回収の効率を上げることができ、排ガスから熱エネルギーを多く回収することができる。
<変形例1>
変形例1は、実施の形態1のメンブレンボイラで発生した飽和蒸気を利用して発電を図るものである。飽和蒸気を発電に利用する場合には、低圧のままでは熱効率が上がらないため、さらに加熱する必要がある。
図2は、変形例1の熱回収システム100の概要を示す図である。
熱回収システム100は、実施の形態1の熱回収システム1の構成にさらに、スーパーヒータ110と、蒸気発電機120とを備える。ここで実施の形態1と同様の構成には同一番号を付し、その説明を省略する。
スーパーヒータ110は、メンブレンボイラで発生した飽和蒸気を外部の熱源を用いてさらに加熱して過熱蒸気(スーパーヒート)にする。
蒸気発電機120は、例えば中圧蒸気タービンや中圧蒸気対応型スクリュ式小型蒸気発電機であり、蒸気を動力源として発電し本製鉄プラントの全電力を賄う。
スーパーヒータ110により出力される過熱蒸気は、蒸気発電機120において効率よく発電に利用される。
<変形例2>
変形例2は、変形例1と同様に実施の形態1のメンブレンボイラで発生した飽和蒸気を利用して発電を図るものである。
図3は、変形例2の熱回収システム200の概要を示す図である。
熱回収システム200は、実施の形態1の熱回収システム1の構成にさらに、スーパーヒータ210と、蒸気発電機120とを備える。ここで実施の形態1および変形例1と同様の構成には同一番号を付し、その説明を省略する。
スーパーヒータ210は、煙道20内に設置され、排ガスの熱を用いてメンブレンボイラで発生した飽和蒸気をさらに加熱して過熱蒸気S(スーパーヒート)にする。
ここでスーパーヒータ210は、1本のチューブをコイル状に変形させたり、複数のチューブを接合することにより成形されたコイル状のスーパーヒートチューブを備えており、該スーパーヒートチューブを煙道20内に設置してチューブの内部に蒸気を流すことにより、該蒸気がさらに加熱される。ここで隣り合うチューブ間の距離(ここでは隣り合うチューブの中心間の距離とする。以下、「ピッチ」と記す)は、例えば150〜300mm程度であり、200mm以上であることが望ましい。一般的なスーパーヒートチューブにおけるピッチは50〜70mm程度であり、これに比べて変形例2のスーパーヒートチューブはピッチを数倍(2倍程度以上)に拡大している。変形例2では、スーパーヒートチューブのピッチを150mm以上にすることで、スーパーヒートチューブに付着するダストによって煙道20が閉塞するというリスクを大幅に減らしている。特に変形例2では、スーパーヒータ210を、上昇煙道部22の、特に熱回収手段50の上流側に配置することにより、さらに、熱エネルギーを有効に回収することができ、かつスーパーヒートチューブから剥がれ落ちた付着物を煙道下部25に落とすことが容易になる。
<変形例3>
変形例3は、変形例1、2と同様に実施の形態1のメンブレンボイラで発生した飽和蒸気を利用して発電を図るものである。
図4は、変形例3の熱回収システム300の概要を示す図である。
熱回収システム300は、変形例2の熱回収システム200の構成にさらに、スーパーヒータ310と、スーパーヒータ320とを備える。ここ変形例2と同様の構成には同一番号を付し、その説明を省略する。
スーパーヒータ310、320は、スーパーヒータ210と同様に、煙道20内に設置され、排ガスの熱を用いてメンブレンボイラで発生した飽和蒸気をさらに加熱して過熱蒸気S(スーパーヒート)にする。
ここでスーパーヒータ310、320の構造は、スーパーヒータ210と同様であり、設置場所のみが異なる。
変形例3では、スーパーヒータ210を、上昇煙道部22の、特に熱回収手段50の上流側に配置し、スーパーヒータ310を、上昇煙道部22の、熱回収手段50の下流側に配置し、スーパーヒータ320を下降煙道部24の、空気予熱器30の上流側に配置することにより、さらに、熱エネルギーを有効に回収することができる。
<変形例4>
変形例4は、温度測定器40により測定された温度に応じて、補助的に前記空気予熱器に入る排ガスの温度を調整する手段をさらに設け、動作の安定化を図るものである。
図5は、変形例4の熱回収システム400の概要を示す図である。
熱回収システム400は、実施の形態1の熱回収システム1の構成にさらに、温度調整装置410を備え、且つ温度制御手段60の代わりに温度制御手段460を備える。ここで実施の形態1と同様の構成には同一番号を付し、その説明を省略する。
温度調整装置410は、空気予熱器30に入る前の排ガスに対して、空気、水蒸気又は水を噴射して、排ガスの温度を下げることができる。
温度制御手段460は、温度測定器40により測定された排ガス温度に応じて、熱回収手段50による熱の回収量を制御するとともに、補助的に、温度調整装置410を用いて空気予熱器に入る前の排ガスに対して空気、水蒸気又は水を噴射して、当該排ガスの温度を調整する。より具体的には、排ガス温度が予め定めた設定温度を超える場合に、熱回収手段50による熱の回収量を増加させるだけでは、空気予熱器30に入る排ガスの温度を迅速に下げることができないときに、温度調整装置410を用いて空気予熱器に入る前の排ガスに対して空気、水蒸気又は水を噴射する。
<変形例5>
変形例5は、実施の形態1の熱回収システム1の構成にさらに、移動炉床炉10に設置された製品輻射冷却板11から排出される温排水を熱源として用いて、さらに、熱エネルギーの回収を図るものである。
図6は、変形例5の熱回収システム500の概要を示す図である。
熱回収システム500は、実施の形態1の熱回収システム1の構成にさらに、ヒートポンプ510を備える。ここで実施の形態1と同様の構成には同一番号を付し、その説明を省略する。
ヒートポンプ510は、製品輻射冷却板11から排出される50〜60℃程度の温排水を熱源として用いて熱回収手段50へ供給する水を90℃程度まで予熱する。
以上のように、変形例5の熱回収システム500によれば、製品輻射冷却板11から排出される温排水を熱源として熱回収手段50へ供給する水を予熱するので、さらに、熱エネルギーを回収することができる。
<変形例6>
変形例6は、実施の形態1の熱回収システム1の構成にさらに、付着物除去装置を備え、排ガスに由来する付着物(以下、単に「付着物」と記す)の除去を図るものである。
図7は、変形例6の熱回収システム600の概要を示す図である。ここで図4において、図1に示した実施の形態1の熱回収システム1と同様の構成には同一番号を付している。
図7に示すように、熱回収システム600は、実施の形態1の熱回収システム1の構成にさらに、付着物除去装置610を備える。
付着物除去装置610は、熱回収手段50の表面に、空気、水蒸気又は水を噴射して、排ガスに由来する付着物を急冷収縮させて、付着物が粘着した状態で表面に留まり成長することを防止し、かつ、表面から剥離除去する。
なお、温度制御手段60は、付着物除去装置610を用いて空気予熱器30に入る排ガスの温度を調整してもよい。このようにすると、温度制御手段60が、空気予熱器30に入る排ガスの温度を調整するために、付着物除去装置610に空気、水蒸気又は水を噴射させると、同時に熱回収手段50から付着物を除去することができる。よって、運転中に付着物の除去ができるため、連続運転が可能となり稼働率を上げることができる。
また、付着物除去装置610は、さらに、熱回収手段50の表面に振動を与え、掃除用のボールなどの固形物を落下させるなどの様々な付着物固化防止技術を追加して付着物を除去してもよい。このようにすることにより、より確実に熱回収手段50から付着物を除去することができる。
以上のように、変形例6の熱回収システム600によれば、熱回収手段50の表面に、空気、水蒸気又は水を噴射して、付着物を急冷収縮させて除去するので、熱回収手段50から付着物が剥がれ落ちやすくなる。
なお、矛盾しない範囲で、変形例1〜6を適宜組み合わせてもよい。
1 熱回収システム
10 移動炉床炉
11 製品輻射冷却板
20 煙道
21 水平煙道部
22 上昇煙道部
23 反転煙道部
24 下降煙道部
25 煙道下部
30 空気予熱器
31 第1予熱器
32 第2予熱器
40 温度測定器
50 熱回収手段
60 温度制御手段
100 熱回収システム
110 スーパーヒータ
120 蒸気発電機
200 熱回収システム
210 スーパーヒータ
300 熱回収システム
310 スーパーヒータ
320 スーパーヒータ
400 熱回収システム
410 温度調整装置
460 温度制御手段
500 熱回収システム
510 ヒートポンプ
600 熱回収システム
610 付着物除去装置

Claims (12)

  1. 移動炉床炉を用いる製鉄プラントにおける熱回収システムであって、
    前記移動炉床炉において発生する排ガスを排気口へ導く煙道と、
    前記煙道の途中に設置され、該煙道内の排ガスの熱エネルギーを利用して、前記移動炉床炉に用いるバーナの燃焼用空気、および/又は、製鉄原料の乾燥用空気を予熱する空気予熱器と、
    前記空気予熱器に入る排ガスの温度、又は前記空気予熱器により予熱された空気の温度を測定する温度測定器と、
    前記空気予熱器よりも上流側の前記煙道の一部に設置され、該煙道内の排ガスの熱を回収する熱回収手段と、
    前記温度測定器により測定された温度に応じて、前記熱回収手段による熱の回収量を制御して、前記空気予熱器に入る排ガスの温度を調整する温度制御手段と
    を備えることを特徴とする熱回収システム。
  2. 前記熱回収手段は、
    前記空気予熱器よりも上流側の前記煙道の内壁の一部が、複数のチューブをメンブレンバーにより接合することによって形成されたメンブレンボイラである請求項1に記載の熱回収システム。
  3. 前記煙道は、
    前記移動炉床炉より略水平に延びた水平煙道部と、
    前記水平煙道部の終端から上方へ延びた上昇煙道部とを含み、
    前記メンブレンボイラは、前記上昇煙道部に設置されている請求項2に記載の熱回収システム。
  4. 前記煙道は、
    前記移動炉床炉より略水平に延びた水平煙道部と、
    前記水平煙道部の終端から上方へ延びた上昇煙道部とを含み、
    前記メンブレンボイラは、前記上昇煙道部および前記水平煙道部に設置されている請求項2に記載の熱回収システム。
  5. 前記温度制御手段は、
    前記温度測定器により測定された排ガス温度が、500℃から800℃までの間の予め設定した温度を超える場合に、前記熱回収手段による熱の回収量を増加させて、前記空気予熱器に入る排ガスの温度を下げる請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱回収システム。
  6. 前記温度制御手段は、
    前記温度測定器により測定された排ガス温度が、650℃から700℃までの間の予め設定した温度を超える場合に、前記熱回収手段による熱の回収量を増加させて、前記空気予熱器に入る排ガスの温度を下げる請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱回収システム。
  7. 前記熱回収手段は、
    前記排ガスに接触する一部又は全部が、前記排ガスの温度下において、少なくともステンレス鋼やニッケル基合金からなる耐食合金により形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱回収システム。
  8. 前記移動炉床炉には、製品輻射冷却板が設置されており、
    該熱回収システムは、さらに、
    前記製品輻射冷却板から排出される温排水を熱源として用いて、前記熱回収手段へ供給する水を予熱するヒートポンプを備える請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱回収システム。
  9. 該熱回収システムは、さらに、
    前記熱回収手段の表面に、空気、水蒸気又は水を噴射して、排ガスに由来する付着物を急冷収縮させる付着物除去装置を備える請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱回収システム。
  10. 前記温度制御手段は、さらに、
    前記温度測定器により測定された排ガス温度に応じて、補助的に、前記付着物除去装置を用いて、前記空気予熱器に入る前の排ガスに対して、空気、水蒸気又は水を噴射して、当該排ガスの温度を調整する請求項9に記載の熱回収システム。
  11. 前記付着物除去装置は、さらに、
    前記熱回収手段の表面に振動を与え、前記付着物を除去するための固形物を落下させ、前記付着物を除去することを特徴とする請求項9又は10に記載の熱回収システム。
  12. 前記付着物除去装置は、さらに、
    前記メンブレンボイラで発生した飽和蒸気をさらに加熱するスーパーヒータと、
    前記スーパーヒータにより過熱された蒸気を動力源として発電する蒸気発電機とを備える請求項9〜11のいずれか1項に記載の熱回収システム。
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