JP5839990B2 - コントラスト光源装置及びコントラスト光源の形成方法 - Google Patents

コントラスト光源装置及びコントラスト光源の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、可視カメラの評価に用いられるコントラスト光源装置及びコントラスト光源の形成方法に関する。
現在、可視域の単一色の基準光源として、輝度箱が市販されている(例えば非特許文献1参照)。輝度箱は、カメラ、CCD及びセンサ等の調整に用いられる。
一方、特許文献1は、可視カメラのノイズに対する識別性能評価方法を開示している。当該識別性能評価方法では、基準照明を点灯して、基準照明からの光を基準チャートに照射する。そして、可視カメラが基準チャートを撮像し、撮像結果に基づいて識別性能の評価が行われる。
ところで、防衛省規格C0212Bの赤外線撮像装置試験方法では、赤外線カメラの最小分解可能温度差(MRTD)試験が規定されている(非特許文献2参照)。MRTD試験では、基準熱源の放射面の前にストライプ状のスリット又は四角形の開口を有するMRTDマスクが配置される。そして、基準熱源の温度を変化させながら赤外線カメラによってMRDTマスクの画像を取得し、MRDTマスクと基準熱源の間での温度差と、MRDTマスクの画像の視認性との関係に基づいて、MRDTが求められる。
可視カメラについて、上記MRTD試験に相当する試験として最小分解可能コントラスト試験を行おうとした場合、ストライプ状のスリット又は四角形の開口を有し、且つ、コントラストが可変であるサンプル像を用意する必要がある。かかるサンプル像を提供する装置として、米国Electro Optical Industries社が製造している、カラーコントラスト投影システムがある(非特許文献3参照)。
該カラーコントラスト投影システムでは、背景用ターゲット及び前景用ターゲットが用意され、背景用ターゲット及び前景用ターゲットの各々のために別個の光源が設けられている。背景用ターゲット及び前景用ターゲットをそれぞれ透過した光は、ビームスプリッタで合成されてから軸外し放物面鏡で反射され、サンプル像として、評価中の可視カメラに入射する。
このカラーコントラスト投影システムでは、輝度センサの出力に基づいて減衰器を操作することによって、2つの光源から出射した光の輝度をそれぞれ制御している。また、分光器の出力に基づいてフィルタアセンブリを操作することによって、2つの光源から出射した光のスペクトルをそれぞれ制御している。
特許第3928054号公報
壺坂電気株式会社、"光源・輝度箱LSB−1/15FB"、[平成23年12月12日検索]、インターネット(URL:http://www.tsubosaka.co.jp/s/s113.html) 防衛省規格C0212B、"赤外線撮像装置試験方法"、平成5年3月22日制定、平成19年6月14日改定、[平成23年12月12日検索]、インターネット(URL:http://www.mod.go.jp/trdi/data/pdf/C/C0212B.pdf) Jason A. Mazzetta外、Electro OpticalIndustries社、"Relative Color Delineation Testing of Visible Camera Systems"、[平成23年12月12日検索]、インターネット(http://www.electro-optical.com/pdf/EOI%202008%20SPIE%206941-41%20final.pdf)
上述したカラーコントラスト投影装置には、以下の(1)〜(3)に示す課題がある。
(1)背景用と前景用の光源を独立の光源で構成しているが、各光源の光の強度は、熱雑音やドリフト等の影響で微小に変動している。この変動は光源間で同期しておらず、減衰器をフィードバック制御しても、サンプル像におけるコントラスト(色差)を一定に維持することは非常に困難である。特に、背景及び前景の光の強度が小さい場合や、背景と前景のコントラストが小さい場合には、コントラストのばらつきが顕著になる。
(2)背景と前景を合成するために、背景と前景の位置合わせには、数ミクロンから数十ミクロンオーダの精度が必要となる。しかしながら、光源の熱等により光学系の構造物が熱膨張するので、背景と前景の位置合わせの精度を高いレベルに維持することは非常に困難である。
(3)色の変化を厳密に調整するために分光器で光源スペクトルをモニタしているが、フィルタアセンブリにおけるフィルタ位置の精度および再現性が問題となる。特に、MRTD試験に倣って、背景及び前景の色及び輝度を一致させるためには、背景側及び前景側の発光スペクトルを完全に一致させる必要があるが、これは運用上ほとんど不可能に近い。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされ、その目的とするところは、サンプル像のコントラストを高精度にて調整可能である、コントラスト光源装置及びコントラスト光源の形成方法を提供することにある。
上記目的を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、第1の光路の始端に位置し、該第1の光路に沿って所定のスペクトル成分を含む光を出射する1つの光源と、前記第1の光路の終端であって第2の光路及び第3の光路の始端に位置する前段積分球と、前記第2の光路及び前記第3の光路の終端であって第4の光路の始端に位置するビームスプリッタと、前記第2の光路に配置され、自身を通過する光の輝度を調整する第1可変式フィルタと、前記第1可変式フィルタよりも下流に位置して前記第2の光路に配置され、自身を通過する光の空間的な輝度分布を均一にする、第1後段積分球と、前記第1後段積分球よりも下流に位置して前記第2の光路に配置され、所定のパターンを有して自身を通過する光に前記パターンに応じた空間的な輝度分布を付与する、ターゲットと、前記第4の光路に配置され、自身を通過する光を平行光に変換してサンプル像として出力する、平行光化手段と、を備えることを特徴とするコントラスト光源装置を提供する。
このコントラスト光源装置では、同一の光源から出射した光が、前段積分球によって2つの光に分岐される。そして、2つの光のうち一方が、可変式フィルタ、後段積分球、及び、ターゲットを通過してから、他方の光とビームスプリッタで合成される。
この構成によれば、均一な強度分布を有する他方の光(背景光)に、ターゲットを通過した一方の光(ターゲット光)が重ね合わされる。背景光の光源とターゲット光の光源は同一であるため、光源の輝度及びスペクトル成分は完全に一致する。従って、この構成によれば、サンプル像における背景光とターゲット光のコントラストを高精度にて調整可能である。
そして、この構成によれば、背景光はターゲットを通過していないので、背景光とターゲット光の位置合わせを高精度に行う必要がない。このため、この構成によれば、容易且つ確実に、サンプル像における背景光とターゲット光のコントラストを高精度にて調整可能である。
また、この構成によれば、サンプル像において光の輝度及びスペクトル成分を空間的に均一にする場合に、ターゲット光を第1可変式フィルタによって完全に遮ればよい。これにより、空間的に均一な輝度及びスペクトル分布を有する背景光からなるサンプル像が得られる。
好ましくは、コントラスト光源装置は、前記第3の光路に配置され、自身を通過する光の輝度を調整する第2可変式フィルタと、前記第2可変式フィルタよりも下流に位置して前記第3の光路に配置され、自身を通過する光の空間的な輝度分布を均一にする、後段第2積分球と、を更に備える。
この構成によれば、背景光の輝度を高精度に調整可能である。従って、背景光の輝度を適当な値に設定しながら、背景光とターゲット光のコントラストを適当に設定可能である。この結果として、可視カメラの評価のために必要な様々な仕様のサンプル像が、容易且つ確実に提供される。
好ましくは、前記第1可変式フィルタ及び第2可変式フィルタの各々は、光の強度を調整するために開度を変化させる可動部材と、前記可動部材を駆動するアクチュエータと、前記可動部材の位置を検出する位置検出器と、を有する。
この構成によれば、位置検出器によって、可動部材の位置が検出されるので、可動部材の位置再現性が高く、所望のコントラストを有するサンプル像が容易且つ確実に提供される。
好ましくは、前記平行光化手段は、色消しレンズ又は軸外し放物面鏡からなる。
色消しレンズの色収差は、通常の単一焦点レンズの色収差と比べて小さく、出力されるサンプル像が鮮明になる。このため、色消しレンズを用いた場合、サンプル像における背景光とターゲット光のコントラストを高精度にて調整可能である。
また、軸外し放物面鏡は、球面鏡に比べて、球面収差や非点収差が小さく、出力されるサンプル像が鮮明になる。このため、軸外し放物面鏡を用いた場合、サンプル像における背景光とターゲット光のコントラストを高精度にて調整可能である。
好ましくは、前記ビームスプリッタは、ガラス板からなり、前記第2の光路及び前記第4の光路は直線上に配置され、前記第3の光路は前記第4の光路に対し直角に配置されている。
この構成によれば、ターゲット光がビームスプリッタで背面反射したとしても、背面反射成分の強度が低くなる。このため、背面反射によりサンプル像が不鮮明になることが防止され、サンプル像における背景光とターゲット光のコントラストを高精度にて調整可能である。
好ましくは、コントラスト光源装置は、前記第2の光路、第3の光路及び第4の光路を囲む遮光筒を更に備える。
この構成によれば、遮光筒によって、外乱光が光路に侵入することが防止される。この結果として、サンプル像における背景光とターゲット光のコントラストを高精度にて調整可能である。
好ましくは、前記光源は、RGBの階調の設定値を相互に独立して調整可能なプロジェクタからなる。
この構成によれば、光源が出射する光のスペクトル成分を任意に調整可能である。このため、所望のスペクトル成分の光を出射させることができる。
好ましい構成として、前記ビームスプリッタから延びる第5の光路に設けられ、自身に入射した光のスペクトルプロファイルを測定可能なモニタ用の分光輝度放射計を更に備える。
この構成によれば、光源が出射する光の色温度やサンプル像のコントラスト等を監視することができ、このコントラスト光源装置を用いて得られた可視カメラの評価結果の信頼性を高めることができる。
また本発明は、第1の光路の始端に、該第1の光路に沿って所定のスペクトル成分を含む光を出射する1つの光源を配置する工程と、前記第1の光路の終端であって第2の光路及び第3の光路の始端に、前段積分球を配置する工程と、前記第2の光路及び前記第3の光路の終端であって第4の光路の始端にビームスプリッタを配置する工程と、前記第2の光路に、自身を通過する光の輝度を調整する第1可変式フィルタを配置する工程し、前記第1可変式フィルタよりも下流に位置して前記第2の光路に、自身を通過する光の空間的な輝度分布を均一にする、第1後段積分球を配置する工程と、前記第1後段積分球よりも下流に位置して前記第2の光路に、所定のパターンを有して自身を通過する光に前記パターンに応じた空間的な輝度分布を付与する、ターゲットを配置する工程と、前記第4の光路に、自身を通過する光を平行光に変換してサンプル像として出力する、平行光化手段を配置する工程と、を備えることを特徴とするコントラスト光源の形成方法を提供する。
このコントラスト光源の形成方法では、同一の光源から出射した光が、前段積分球によって2つの光に分岐される。そして、2つの光のうち一方が、可変式フィルタ、後段積分球、及び、ターゲットを通過してから、他方の光とビームスプリッタで合成される。
この構成によれば、均一な強度分布を有する他方の光(背景光)に、ターゲットを通過した一方の光(ターゲット光)が重ね合わされる。背景光の光源とターゲット光の光源は同一であるため、光源の輝度及びスペクトル成分は完全に一致する。従って、この構成によれば、サンプル像における背景光とターゲット光のコントラストを高精度にて調整可能である。
そして、この構成によれば、背景光はターゲットを通過していないので、背景光とターゲット光の位置合わせを高精度に行う必要がない。このため、この構成によれば、容易且つ確実に、サンプル像における背景光とターゲット光のコントラストを高精度にて調整可能である。
また、この構成によれば、サンプル像における光の輝度及びスペクトル成分を空間的に均一にする場合に、ターゲット光を可変式フィルタによって完全に遮ればよい。これにより、空間的に均一な輝度及びスペクトル分布を有する背景からなるサンプル像が得られる。
好ましくは、コントラスト光源の形成方法は、前記第3の光路に、自身を通過する光の輝度を調整する第2可変式フィルタを配置する工程と、前記第2可変式フィルタよりも下流に位置して前記第3の光路に、自身を通過する光の空間的な輝度分布を均一にする、後段第2積分球を配置する工程と、を更に備える。
この構成によれば、背景光の輝度を高精度に調整可能である。従って、背景光の輝度を適当な値に設定しながら、背景光とターゲット光のコントラストを適当に設定可能である。この結果として、可視カメラの評価のために必要な様々な仕様のサンプル像が、容易且つ確実に提供される。
好ましくは、コントラスト光源の形成方法は、前記ビームスプリッタから延びる第5の光路に、自身に入射した光のスペクトルプロファイルを測定可能なモニタ用分光輝度放射計を配置する工程と、前記サンプル像の出力中又は出力の合間に、前記光源が所定の色温度又は輝度の光を出射しているかを前記モニタ用分光放射輝度計を用いて監視する工程と、前記モニタ用分光放射輝度計による監視結果に応じて、前記光源におけるRGBの階調の設定値の調整を行う工程と、を更に備える。
この構成によれば、監視結果に応じて光源が出射する光の色温度やサンプル像のコントラスト等が調整される。このため、このコントラスト光源の形成方法によって提供されるサンプル像を用いれば、可視カメラの試験の精度を高めることができる。
好ましくは、コントラスト光源の形成方法は、前記光源に所定の色温度の光を出射させるための色温度条件出し工程を更に備え、前記色温度条件出し工程は、前記平行光化手段よりも下流に位置して第4の光路に、自身に入射した光のスペクトルプロファイルを測定可能な条件出し用の分光放射輝度計を配置するステップと、前記第1可変式フィルタの開度を0に設定するステップと、前記第2可変式フィルタの開度を任意の値に設定するステップと、前記光源のRGBの階調の設定値を段階的に変更しながら、各設定値毎に前記条件出し用の分光放射輝度計に入射する光のxy色度を求めるステップと、を含む。
この構成によれば、色温度の条件出し工程において、光源におけるRGBの階調の設定値と光源から出射する光のxy色度の関係が求められる。この関係を利用すれば、光源から出射する光の色温度が、所望の色温度に的確に一致させられる。このため、このコントラスト光源の形成方法によって提供されるサンプル像を用いれば、可視カメラの試験の精度を高めることができる。
好ましくは、コントラスト光源の形成方法は、前記サンプル像のコントラストと前記第1可変式フィルタの開度との関係を予め求めるコントラストの条件出し工程を更に備え、前記コントラストの条件出し工程は、前記平行光化手段よりも下流に位置して第4の光路に、自身に入射した光のスペクトルプロファイルを測定可能な条件出し用の分光放射輝度計を配置するステップと、前記第2可変式フィルタの開度を任意の値に設定するステップと、前記第1の可変式フィルタの開度を段階的に変化させながら、各開度毎に前記条件出し用の分光放射輝度計に入射する光の所定の色空間におけるパラメータを求めるステップと、得られた前記パラメータのうち、前記第1の可変式フィルタの開度が0のときを基準として、前記パラメータと前記開度の関係に基づいて前記サンプル像のコントラストと前記開度の関係を求めるステップと、を含む。
この構成によれば、コントラストの条件出し工程において、サンプル像のコントラストと第1可変式フィルタの開度の関係が予め求められる。この関係を利用すれば、所望のコントラストを有するサンプル像を迅速且つ的確に出力することができる。
本発明によれば、サンプル像のコントラストを高精度にて調整可能である、コントラスト光源装置及びコントラスト光源の形成方法が提供される。
本発明の第1実施形態に係るコントラスト光源装置の構成を概略的に示す図である。 図1中の前段積分球、第1後段積分球、第2後段積分球、ターゲット及びビームスプリッタの光学的な配置を概略的に示す斜視図である。 ビームスプリッタの好ましい構成及び配置を説明するための図である。 ビームスプリッタの好ましい構成及び配置を説明するための図である。 (a)は、投影レンズとして、単一焦点レンズを用いた場合のサンプル像を示す図であり、(b)は、投影レンズとして、色消しレンズを用いた場合のサンプル像を示す図である。 投影レンズに代えて、軸外し放物面鏡を用いた変形例を説明するための図である。 色温度条件出し工程を説明するための図である。 (a)は、階調−xy色度マップデータを示すグラフであり、(b)は、標準光源のxy色度を示すグラフである。 コントラストの条件出し工程を説明するための図である。 コントラストの条件出し工程で求められた開度−色差関数を示すグラフである。 第2実施形態に係るコントラスト光源装置の構成を概略的に示す図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
〔第1実施形態〕
〔コントラスト光源装置〕
図1は本発明の第1実施形態のコントラスト光源装置の構成を概略的に示す図である。
コントラスト光源装置は、可視光の光源として1つのプロジェクタ10を有する。プロジェクタ10は、第1の光路12の始端に配置され、第1の光路12に沿って光を出射する。
プロジェクタ10は、出射する光のRGBの階調の設定値をそれぞれ独立して調整可能であり、階調の設定値に応じた色度及び明度の光を出射する。階調の設定値は、例えば、外部に設けられた制御装置14からの階調指令によって変更される。
制御装置14は、例えばコンピュータからなり、演算処理装置、記憶装置、及び、入出力装置等を有する。
第1の光路12の終端には、前段積分球16が配置されている。前段積分球16は、1つの入射ポート16aと、2つの出射ポート16b,16cを有し、入射ポート16aが第1の光路12の終端に位置している。
第1光路12には集光レンズ18が配置され、集光レンズ18は、プロジェクタ10と前段積分球16の間に位置している。集光レンズ18は、プロジェクタ10が出射した光(投影光)を、投影光の全光量が前段積分球16に入射するよう集束させる機能を有する。
前段積分球16は、内部に球状の拡散反射鏡を有し、入射ポート16aに入射した光は、拡散反射鏡によって多重反射させられる。そして、多重反射した光が、出射ポート16b,16cから出射する。好ましくは、出射ポート16b,16cの開口面積は相互に等しく、出射ポート16b,16cからはスペクトル成分及び強度の等しい光が出射する。つまり、前段積分球16は、投影光を、投影光の50%の光量若しくは光量の等しい2つの光に分離する機能を有する。
出射ポート16b,16cは、第2の光路20及び第3の光路22の始端にそれぞれ位置し、第2の光路20及び第3の光路22の終端には、ビームスプリッタ24が配置されている。
第2の光路20には、第1可変式フィルタ26及び第1後段積分球28が配置されている。第1後段積分球28は、光の伝搬方向にて、第1可変式フィルタ26の下流に位置している。第1可変式フィルタ26は、自身を通過する光の輝度を調整可能である。
具体的には、第1可変式フィルタ26は、固定部材30、固定部材30に対し相対変位可能に設けられた可動部材32、及び、可動部材32を駆動するアクチュエータ34からなる。第1可変式フィルタ26において、光を通過させる開口の面積(開度)は、固定部材30に対する可動部材32の相対位置に応じて変化する。
また、好ましくは、第1可変式フィルタ26は、可動部材32の位置を検出する位置検出器36を有する。位置検出器36によって検出された可動部材32の位置は、制御装置14に入力される。制御装置14は、可動部材32を所定の設定位置に移動させるためにアクチュエータ34を操作し、これにより、第1可変式フィルタ26の開度を制御する。
なお、可動部材32の移動方向は、直線方向であっても回転方向であってもよく、位置検出器36は、可動部材32の移動方向に合わせて、リニアエンコーダであってもロータリエンコーダであってもよい。好ましくは、可動部材32の移動方向は直線方向であり、位置検出器36はリニアエンコーダである。
第1後段積分球28は、入射ポート28a及び出射ポート28bを有する。第1可変式フィルタ26によって輝度を調整された光は、入射ポート28aに入射する。第1後段積分球28は、内部に球状の拡散反射鏡を有し、入射ポート28aに入射した光は、拡散反射鏡によって多重反射させられる。そして、多重反射の結果として空間的に均一な分布を有する光が、出射ポート28bから出射する。
更に、第2の光路20には、光の伝搬方向にて第1後段積分球28の下流に位置して、
ターゲット38が配置される。ターゲット38は、例えば正方形の開口やストライプ状のスリット等によって構成される所定のパターンを有する。第1後段積分球28の出射ポート28bから出射した光には、ターゲット38を通過することにより、ターゲット38のパターンに応じた空間的な輝度分布が付与される。
例えば、図1に示したように、ターゲット38が正方形の開口を有する場合、ターゲット38を通過した後の光の強度分布は、第2の光路20に直交する面内にて、符号40の円内に示したように、中央の四角形の領域で高くなる。
一方、好ましい態様として、第3の光路22には、第2可変式フィルタ42及び第2後段積分球44が配置されている。第2後段積分球44は、光の伝搬方向にて、第2可変式フィルタ42の下流に位置している。第2可変式フィルタ42は、自身を通過する光の輝度を調整可能である。
具体的には、第2可変式フィルタ42は、固定部材46、固定部材46に対し相対変位可能に設けられた可動部材48、及び、可動部材48を駆動するアクチュエータ49からなる。第1可変式フィルタ26において、光を通過させる開口の面積(開度)は、固定部材46に対する可動部材48の相対位置に応じて変化する。
また、好ましくは、第2可変式フィルタ42は、可動部材48の位置を検出する位置検出器50を有する。位置検出器50によって検出された可動部材48の位置は、制御装置14に入力される。制御装置14は、可動部材48を所定の設定位置に移動させるために、アクチュエータ49を操作し、これにより第2可変式フィルタ42の開度を制御する。
なお、可動部材48の移動方向は、直線方向であっても回転方向であってもよく、位置検出器50は、可動部材48の移動方向に合わせて、リニアエンコーダであってもロータリエンコーダであってもよい。好ましくは、可動部材48の移動方向は直線方向であり、位置検出器50はリニアエンコーダである。
第2後段積分球44は、入射ポート44a及び出射ポート44bを有する。第2可変式フィルタ42によって輝度を調整された光は、入射ポート44aに入射する。第2後段積分球44は、内部に球状の拡散反射鏡を有し、入射ポート44aに入射した光は、拡散反射鏡によって多重反射させられる。そして、多重反射の結果として空間的に均一な分布を有する光が、出射ポート44bから出射する。すなわち、図1中の符号51を付した円内に示したように、第2後段積分球44から出射した光の強度分布は、第3の光路22に直交する面内にて、均一になる。
ターゲット38を通過した光(前景光/ターゲット光)、及び、第2後段積分球44から出射した光(背景光)は、ビームスプリッタ24に入射する。
ビームスプリッタ24は、第2の光路20及び第3の光路22に対して斜め45度に配置されている。そして、第2の光路20の終端には、ビームスプリッタ24の第1の面24aが配置されており、第3の光路22の終端には、ビームスプリッタ24の第2の面24bが配置されている。
ビームスプリッタ24の第2の面24bは、第4の光路52の始端に位置しており、第4の光路52は第2の光路20と同一の直線上を延びている。一方、第4の光路52は、第3の光路22と直交している。
ビームスプリッタ24を通過したターゲット光、及び、ビームスプリッタ24で反射された背景光は、第4の光路52を伝搬する。つまり、ビームスプリッタ24において、ターゲット光と背景光が合成される。
第4の光路52には、投影レンズ(コリメートレンズ)54が配置され、投影レンズ54は、入射した光を平行光に変換する機能を有する。つまり、投影レンズ54は、第4の光路52を伝搬する光を平行光に変換する平行光化手段を構成している。
投影レンズ54を通過した光は、図1中に符号56を付した円内に示したように、背景光にバックグランド光が重畳された強度分布を有する。かくして投影レンズ54を通過した光が、サンプル像として、可視カメラの試験に用いられる。
なお、好ましくは、第2の光路20、第3の光路22及び第4の光路52は、それぞれ遮光筒55a,55b,55c,55d,55eによって覆われる。遮光筒55a,55b,55c,55d,55eの内面は黒色化され、好ましくは、拡散面によって形成されている。このような遮光筒55a,55b,55c,55d,55eとして、ラシャ布が内面に貼られた筒を用いることができる。
ここで、図2は、前段積分球16、第1後段積分球28、第2後段積分球44、ターゲット38及びビームスプリッタ24の光学的な配置を概略的に示す斜視図である。前段積分球16、第1後段積分球28及び第2後段積分球44の仕様上、第1の光路12と第2の光路20は同一の直線上にはなく、第1の光路12と第3の光路22は同一の直線上にはない。
図3及び図4は、ビームスプリッタ24の好ましい構成及び配置を説明するための図である。
まず、図3及び図4に示したように、ビームスプリッタ24は、無反射コートが施されていない、合成石英等からなるガラス板であることが好ましい。無反射コートの特性は、可視光の波長域において均一ではなく、無反射コートの存在によって、ターゲット光及び背景光の色が変化するからである。
次に、図4に示した第2の光路20と第4の光路52との配置関係は、図3における第2の光路20と第4の光路52との配置関係よりも好ましい。これは以下の理由による。
図3では第2の光路20と第4の光路52が直交している。この配置で、符号58を付した円内に示すように、ターゲット38の四角形の開口に対応する明部を含むターゲット光がビームスプリッタ24の第2の面24bに入射したとする。
この場合、ビームスプリッタ24の第2の面24bで表面反射したターゲット光の反射成分が第4の光路52を伝搬する。その上、ビームスプリッタ24に無反射コートを施さない場合、第1の面24aで背面反射したターゲット光の反射成分(ゴースト成分)も第4の光路52を伝搬する。
ここで、第1及び第2の面24a,24bの反射率がそれぞれ96%であるとすると、ターゲット光の入射強度に対する表面反射した成分の強度の比は4%であり、ゴースト成分の強度の比は3.68%であり、表面反射した成分とゴースト成分の強度がほぼ等しい。一方、ビームスプリッタ24における表面反射の位置と背面反射の位置は異なる。このため、強度が相互に略等しい表面反射の成分とゴースト成分が重なると、図3中の符号60を付した円内に示すように、明部の位置がずれて2重に見えてしまう。
これに対し、図4に示した配置であれば、ターゲット光のうち、ビームスプリッタ24を透過した成分が第4の光路52を伝搬する。この場合も、透過成分の一部が背面反射してゴースト成分が生じるが、ターゲット光の入射強度に対する透過成分の強度の比は92%であり、ゴースト成分の強度の比は0.15%である。つまり、透過成分の強度がゴースト成分の強度に比べて極めて大きい。このため、図4に示した配置であれば、図4中の符号62を付した円内に示すように、明部が2重に見えることは殆どない。
なお、反射位置の違いによる位置ずれの影響を更に抑制するために、ビームスプリッタ24を構成するガラス板は、ガラス板の両面の平行度を光学的なレベルで確保可能な範囲において、可及的に薄いことが望ましい。
一方、投影レンズ54は、色消しレンズであるのが好ましい。投影レンズ54が単一焦点レンズである場合、焦点ぼけ(色収差)によって、サンプル像が図5(a)に示すように不鮮明になってしまう。これに対し、投影レンズ54が色消しレンズであれば、色収差がないため、サンプル像が図5(b)に示すように鮮明になる。
ここで、ターゲット38及び第2後段積分球44の出射ポート44bが、投影レンズ54の焦点位置に配置されるように、ターゲット38、第2後段積分球44及び投影レンズ54の配置が決定される。これにより、背景光とターゲット光の重複部分が、ターゲット38のパターンで決まる形状を有する、コントラスト映像(サンプル像)として投影される。
なお、図6に示したように、投影レンズ54に代えて、軸外し放物面鏡64を用いてもよい。この場合、軸外し放物面鏡64では球面収差や非点収差が小さいので、鮮明なサンプル像が得られる。
以下、上述した第1実施形態のコントラスト光源装置の使用方法について説明する。
コントラスト光源装置によれば、第1可変式フィルタ26及び第2可変式フィルタ42の開度を調整することによって、所望のコントラスト(色差)を有するサンプル像が第4の光路52から出力される。
試験対象の可視カメラは、出力されたサンプル像を撮影し、撮影された画像を評価することによって、可視カメラの撮像能力が評価される。
例えば、第2可変式フィルタ42の開度を任意の値に設定した状態で、第1可変式フィルタ26の開度を0から段階的に大きくしていけば、サンプル像におけるコントラストを段階的に大きくすることができる。そして、可視カメラが各段階で撮影したサンプル像を評価すれば、可視カメラが分解可能な最小のコントラストを求めることができる。
ここで、このコントラスト光源装置では、プロジェクタ10が出射する光の色を、適宜変更可能である。このため、所望の色の光を出射するように、サンプル像の出力の前に、プロジェクタ10の条件出し(色温度の条件出し)を行うのが好ましい。
色温度の条件出しでは、まず、図7に示すように、サンプル像が出力される位置、即ち、第4の光路52における投影レンズ54よりも下流に、色温度の条件出し用の分光輝度放射計70が配置される。分光輝度放射計70は、自身に入射した光のスペクトルプロファイルを測定し、測定結果を制御装置14に出力可能である。スペクトルプロファイルは、波長と強度の関係を示すデータである。
それから、第1可変式フィルタ26の開度を0に設定した状態で、第2可変式フィルタ42の開度を任意の値に設定する。
この状態で、プロジェクタ10のRGBの階調の設定値を段階的に変更し、各段階において、分光輝度放射計70によってスペクトルプロファイルを取得する。なお、RGBの階調の設定値は、例えば、GとBの2つの設定値を変更するのみであってもよい。
制御装置14は、分光輝度放射計70によって測定された各スペクトルプロファイルに基づいて、RGBの階調の設定値毎に、xy色度を演算する。そして、制御装置14は、図8(a)に示すような演算結果を、階調−xy色度マップデータ72として、例えば自身の記憶装置に格納する。
制御装置14は、コントラスト光源装置の使用者が、プロジェクタ10の光の色温度を指定した場合に、該色温度に相当するxy色度の目標値を演算により求める。例えば、図8(b)に示したように、代表的な色温度として、標準光源A(2856K),B(4870K),C(6740K),D55(5500K),D65(6500K),D75(7500K)に規定される色温度がある。
それから、制御装置14は、xy色度の目標値を階調−xy色度マップデータ72に当てはめて、目標値との偏差が最も小さいxy色度に対応するRGBの階調の設定値を選択する。そして、制御装置14は、プロジェクタ10に向けて、選択した階調の設定値を含む階調指令を送信する。階調指令を受けたプロジェクタ10は、RGBの階調の設定値を変更し、これにより、指定された色温度の光を出射することができる。
なお、制御装置14は、色温度条件出し用プログラムに基づいて、色温度の条件出しを自動的に実行可能であるように構成されるのが好ましい。
また、このコントラスト光源装置では、サンプル像におけるコントラストを適宜変更可能である。そこで、所望のコントラストのサンプル像を即座に出力できるように、予め、第1可変式フィルタ26の開度とサンプル像のコントラストの関係を求める条件出し(コントラストの条件出し)を行うのが好ましい。
コントラストの条件出しでは、まず、図9に示すように、サンプル像が出力される位置、即ち、第4の光路52における投影レンズ54よりも下流に、条件出し用の分光輝度放射計70が配置される。
それから、プロジェクタ10に所定の色温度の光を出射させながら、第2可変式フィルタ42の開度を任意の値に設定した状態で、第1可変式フィルタ26の開度を、0を含め段階的に変更する。各段階において、分光輝度放射計70によってスペクトルプロファイルを取得する。
制御装置14は、分光輝度放射計70によって測定された各スペクトルプロファイルに基づいて、サンプル像の所定の色空間のパラメータを演算により求める。色空間としては、CIE L色空間やCIE L色空間を用いることができる。
それから、制御装置14は、第1可変式フィルタ26の開度が0のときのパラメータを基準として、コントラスト(色差:ΔE)を演算により求める。そして、制御装置14は、求めたコントラストと開度の関係をカーブフィッティングし、得られた近似曲線を開度−色差関数74として、自身の記憶装置に格納する。なお、図10は、開度−色差関数74を示すグラフである。
制御装置14は、コントラスト光源装置の使用者が、サンプル像のコントラストを指定したときに、開度−色差関数74に基づいて開度を決定する。そして、制御装置14は、第1可変式フィルタ26の開度が決定した開度に一致するように、アクチュエータ34を操作する。
なお、制御装置14は、コントラスト条件出し用プログラムに基づいて、コントラストの条件出しを自動的に実行可能に構成されるのが好ましい。
かくして、上述した第1実施形態のコントラスト光源装置では、一つの光源としてのプロジェクタ10から出射した光が、前段積分球16によって2つの光に分岐される。そして、2つの光のうち一方が、第1可変式フィルタ26、第1後段積分球28、及び、ターゲット38を通過してから、他方の光とビームスプリッタ24で合成される。
この構成によれば、均一な強度分布を有する他方の背景光に、ターゲット38を通過したターゲット光が重ね合わされる。背景光の光源とターゲット光の光源は同一であるため、熱雑音等にかかわらず、光源の輝度及びスペクトル成分は完全に一致する。従って、この構成によれば、サンプル像におけるターゲット光と背景光のコントラストを高精度にて調整可能である。
上述した第1実施形態のコントラスト光源装置では、背景光はターゲットを通過していないので、背景光とターゲット光の位置合わせを高精度に行う必要がない。このため、この構成によれば、容易且つ確実に、サンプル像におけるターゲット光と背景光のコントラストを高精度にて調整可能である。
上述した第1実施形態のコントラスト光源装置では、サンプル像において光の輝度及びスペクトル成分を空間的に均一にする場合に、ターゲット光を第1可変式フィルタ26によって完全に遮ればよい。これにより、空間的に均一な輝度及びスペクトル分布を有する背景光からなるサンプル像が得られる。なお、このように空間的に均一な輝度及びスペクトル分布を有するサンプル像は、可視カメラが分解可能な最小のコントラストを評価する上で必要になる。
上述した第1実施形態のコントラスト光源装置では、第2可変式フィルタ42によって、背景光の輝度を高精度に調整可能である。従って、背景光の輝度を適当な値に設定しながら、背景光とターゲット光のコントラストを適当に設定可能である。この結果として、可視カメラの評価のために必要な様々な仕様のサンプル像が、容易且つ確実に提供される。
上述した第1実施形態のコントラスト光源装置では、位置検出器36によって、可動部材32の位置が検出されるので、可動部材32の位置再現性が高く、所望のコントラストを有するサンプル像が容易且つ確実に提供される。
上述した第1実施形態のコントラスト光源装置では、投影レンズ54が色消しレンズからなる場合、サンプル像が鮮明になる。このため、サンプル像における背景光とターゲット光のコントラストを高精度にて調整可能である。
また、投影レンズ54に代えて、軸外し放物面鏡64を用いた場合にも、出力されるサンプル像が鮮明になる。このため、軸外し放物面鏡64を用いた場合、サンプル像における背景光とターゲット光のコントラストを高精度にて調整可能である。
上述した第1実施形態のコントラスト光源装置では、図3及び図4を用いて説明したように、ターゲット光がビームスプリッタ24で背面反射したとしても、背面反射成分の強度が低くなる。このため、背面反射によりサンプル像が不鮮明になることが防止され、サンプル像における背景光とターゲット光のコントラストを高精度にて調整可能である。
上述した第1実施形態のコントラスト光源装置では、遮光筒55a,55b,55c,55d,55eによって、外乱光が第2の光路20、第3の光路22、及び、第4の光路52に侵入することが防止され、サンプル像における背景光とターゲット光のコントラストを高精度にて調整可能である。特に、外乱光の侵入が防止されたことで、背景光及びターゲット光の強度が低いときでも、コントラストを高精度にて調整可能である。
上述した第1実施形態のコントラスト光源装置では、光源としてのプロジェクタ10において、RGBの階調の設定値を変更可能である。この構成によれば、光源が出射する光のスペクトル成分を任意に調整可能である。このため、所望のスペクトル成分の光からなるサンプル像を出力することができる。
上述した第1実施形態のコントラスト光源装置では、色温度の条件出し工程において、プロジェクタ10おけるRGBの階調の設定値と光源から出射する光のxy色度の関係が求められる。この関係を利用すれば、プロジェクタ10から出射する光の色温度が、所望の色温度に的確に一致させられる。このため、このコントラスト光源の形成方法によって提供されるサンプル像を用いれば、可視カメラの試験の精度を高めることができる。
上述した第1実施形態のコントラスト光源装置では、コントラストの条件出し工程において、サンプル像のコントラストと第1可変式フィルタ26の開度の関係が予め求められる。この関係を利用すれば、所望のコントラストを有するサンプル像を迅速且つ的確に出力することができる。
かくして、上述した第1実施形態のコントラスト光源装置では、(1)光源の輝度が任意に変更可能であり、(2)ターゲット光の輝度はゼロから任意で設定可能であり、(3)背景光及びターゲット光の色は任意に設定可能である。このため、コントラスト光源装置を用いれば、可視カメラが分解可能な最小のコントラスを高精度にて評価することが可能となる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態のコントラスト光源装置を説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態のコントラスト光源装置と同一又は類似の構成についての説明は簡略化若しくは省略する。
図11は、第2実施形態のコントラスト光源装置の概略的な構成を示す図である。コントラスト光源装置は、ビームスプリッタ24を始端とする第5の光路90に、モニタ用の分光放射輝度計92が配置されている。分光放射輝度計92には、ターゲット光及び背景光の一部が入射し、分光放射輝度計92は、入射した光のスペクトルプロファイルを測定し、測定結果を制御装置14に向けて出力する。
コントラスト光源装置の使用者は、分光放射輝度計92による測定結果をオンラインで監視することで、プロジェクタ10から出射する光の色の不所望の変化や、サンプル像におけるコントラストの不所望の変化等を検知することができる。
そして、コントラスト光源装置の使用者は、例えば、不所望の変化量が閾値を超えたときに、色温度やコントラストの条件出し工程を再度行い、色温度やコントラストを所望の値に設定し直すことができる。
あるいは、分光放射輝度計92による測定結果に基づいて、第1可変式フィルタ26の開度、第2可変式フィルタ42の開度、及び、プロジェクタ10のRGBの階調の設定値のうち1つ以上をフィードバック制御してもよい。
第2実施形態のコントラスト光源装置によれば、サンプル像の出力中又は出力の合間に、分光放射輝度計92による監視を行うことができる。そして、監視結果に応じてプロジェクタ10の色温度やサンプル像のコントラストを調整可能である。このため、このコントラスト光源装置によって提供されるサンプル像を用いれば、可視カメラの試験の精度を高めることができる。
本発明は、上述した第1実施形態及び第2実施形態に限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、第3の光路22に第2可変式フィルタ42及び第2後段積分球44が配置されていたが、背景光の強度を変化させる必要がなければ、第2可変式フィルタ42及び第2後段積分球44を省略してもよい。
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、コントラスト光源装置の構成及び使用方法について説明したが、サンプル像を出力するコントラスト光源は、図1や図11に示したように光学部品を適当に配置することによって、形成することができる。つまり、本発明によれば、コントラスト光源の形成方法(組み立て方法)も提供される。コントラスト光源の形成方法は、色温度やコントラストの条件出し工程を含んでいても良い。
10 プロジェクタ(光源)
12 第1の光路
16 前段積分球
20 第2の光路
22 第3の光路
24 ビームスプリッタ
26 第1可変式フィルタ
28 第1後段積分球
38 ターゲット
42 第2可変式フィルタ
44 第2後段積分球
52 第4の光路
54 投影レンズ(平行光化手段)

Claims (12)

  1. 第1の光路の始端に位置し、該第1の光路に沿って所定のスペクトル成分を含む光を出射する1つの光源と、
    前記第1の光路の終端であって第2の光路及び第3の光路の始端に位置する前段積分球と、
    前記第2の光路及び前記第3の光路の終端であって第4の光路の始端に位置するビームスプリッタと、
    前記第2の光路に配置され、自身を通過する光の輝度を調整する第1可変式フィルタと、
    前記第1可変式フィルタよりも下流に位置して前記第2の光路に配置され、自身を通過する光の空間的な輝度分布を均一にする、第1後段積分球と、
    前記第1後段積分球よりも下流に位置して前記第2の光路に配置され、所定のパターンを有して自身を通過する光に前記パターンに応じた空間的な輝度分布を付与する、ターゲットと、
    前記第4の光路に配置され、自身を通過する光を平行光に変換してサンプル像として出力する、平行光化手段と、
    を備え
    前記光源は、RGBの階調の設定値を相互に独立して調整可能なプロジェクタからなり、
    前記前段積分球は、前記光源が出射した光を前記第2の光路及び前記第3の光路に分け
    ことを特徴とするコントラスト光源装置。
  2. 前記第3の光路に配置され、自身を通過する光の輝度を調整する第2可変式フィルタと、
    前記第2可変式フィルタよりも下流に位置して前記第3の光路に配置され、自身を通過する光の空間的な輝度分布を均一にする、後段第2積分球と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のコントラスト光源装置。
  3. 前記第1可変式フィルタ及び第2可変式フィルタの各々は、
    光の強度を調整するために開度を変化させる可動部材と、
    前記可動部材を駆動するアクチュエータと、
    前記可動部材の位置を検出する位置検出器と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載のコントラスト光源装置。
  4. 前記平行光化手段は、色消しレンズ又は軸外し放物面鏡からなる、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のコントラスト光源装置。
  5. 前記ビームスプリッタは、ガラス板からなり、
    前記第2の光路及び前記第4の光路は直線上に配置され、
    前記第3の光路は前記第4の光路に対し直角に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のコントラスト光源装置。
  6. 前記第2の光路、第3の光路及び第4の光路を囲む遮光筒を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のコントラスト光源装置。
  7. 前記ビームスプリッタから延びる第5の光路に設けられ、自身に入射した光のスペクトルプロファイルを測定可能なモニタ用の分光輝度放射計を更に備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のコントラスト光源装置。
  8. 第1の光路の始端に、該第1の光路に沿って所定のスペクトル成分を含む光を出射する1つの光源を配置する工程と、
    前記第1の光路の終端であって第2の光路及び第3の光路の始端に、前段積分球を配置する工程と、
    前記第2の光路及び前記第3の光路の終端であって第4の光路の始端にビームスプリッタを配置する工程と、
    前記第2の光路に、自身を通過する光の輝度を調整する第1可変式フィルタを配置する工程し、
    前記第1可変式フィルタよりも下流に位置して前記第2の光路に、自身を通過する光の空間的な輝度分布を均一にする、第1後段積分球を配置する工程と、
    前記第1後段積分球よりも下流に位置して前記第2の光路に、所定のパターンを有して自身を通過する光に前記パターンに応じた空間的な輝度分布を付与する、ターゲットを配置する工程と、
    前記第4の光路に、自身を通過する光を平行光に変換してサンプル像として出力する、平行光化手段を配置する工程と、
    を備え
    前記光源は、RGBの階調の設定値を相互に独立して調整可能なプロジェクタからなり、
    前記前段積分球によって、前記光源が出射した光を前記第2の光路及び前記第3の光路に分け
    ことを特徴とするコントラスト光源の形成方法。
  9. 前記第3の光路に、自身を通過する光の輝度を調整する第2可変式フィルタを配置する工程と、
    前記第2可変式フィルタよりも下流に位置して前記第3の光路に、自身を通過する光の空間的な輝度分布を均一にする、後段第2積分球を配置する工程と、
    を更に備えることを特徴とする請求項に記載のコントラスト光源の形成方法。
  10. 前記ビームスプリッタから延びる第5の光路に、自身に入射した光のスペクトルプロファイルを測定可能なモニタ用分光輝度放射計を配置する工程と、
    前記サンプル像の出力中又は出力の合間に、前記光源が所定の色温度又は輝度の光を出射しているかを前記モニタ用分光放射輝度計を用いて監視する工程と、
    前記モニタ用分光放射輝度計による監視結果に応じて、前記光源におけるRGBの階調の設定値の調整を行う工程と、
    を更に備えることを特徴とする請求項又はに記載のコントラスト光源の形成方法。
  11. 前記光源に所定の色温度の光を出射させるための色温度条件出し工程を更に備え、
    前記色温度条件出し工程は、
    前記平行光化手段よりも下流に位置して第4の光路に、自身に入射した光のスペクトルプロファイルを測定可能な条件出し用の分光放射輝度計を配置するステップと、
    前記第1可変式フィルタの開度を0に設定するステップと、
    前記第2可変式フィルタの開度を任意の値に設定するステップと、
    前記光源のRGBの階調の設定値を段階的に変更しながら、各設定値毎に前記条件出し用の分光放射輝度計に入射する光のxy色度を求めるステップと、
    を含む、
    ことを特徴とする請求項乃至10の何れか一項に記載のコントラスト光源の形成方法。
  12. 前記サンプル像のコントラストと前記第1可変式フィルタの開度との関係を予め求めるコントラストの条件出し工程を更に備え、
    前記コントラストの条件出し工程は、
    前記平行光化手段よりも下流に位置して第4の光路に、自身に入射した光のスペクトルプロファイルを測定可能な条件出し用の分光放射輝度計を配置するステップと、
    前記第2可変式フィルタの開度を任意の値に設定するステップと、
    前記第1の可変式フィルタの開度を段階的に変化させながら、各開度毎に前記条件出し用の分光放射輝度計に入射する光の所定の色空間におけるパラメータを求めるステップと、
    得られた前記パラメータのうち、前記第1の可変式フィルタの開度が0のときを基準として、前記パラメータと前記開度の関係に基づいて前記サンプル像のコントラストと前記開度の関係を求めるステップと、
    を含む、
    ことを特徴とする請求項乃至11の何れか一項に記載のコントラスト光源の形成方法。
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