JP6331986B2 - 光学特性測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学特性測定装置に関するものである。例えば、輝度,色彩,光沢等の所定の光学特性を測定する光学特性測定装置に関するものであり、特に被測定物が偏光特性又は視野角度特性(指向性)を有している場合でも、より精度良い測定が可能な光学特性測定装置に関するものである。
近年、塗装,成形,印刷,繊維,農業等の各種産業分野において、製品の輝度,色彩,光沢等(例えば、表示モニターや自動車インスツルメントパネルの輝度・色彩)の所定の光学特性の管理が重要視されつつある。前記所定の光学特性を測定する装置としては、例えば、輝度計,分光測色計,色彩計(色彩色差計),光沢計等の光学特性測定装置が知られており、その1つに、例えば、特許文献1及び2に開示された2次元測色計がある。
特許文献1及び2に開示されている2次元測色計は、試料からの光を第1の光路と第2の光路に分岐するビームスプリッターと、上記第1の光路に導かれた光が通過する位置に配設され、分光透過率が所定の3次元表色系の等色関数に近似する第1,第2,第3の光学フィルターと、この第1,第2,第3の光学フィルターを通過した光をそれぞれ上記試料面の複数の測定点について受光する2次元受光検出手段と、上記測定点の中の特定点から上記第2の光路に導かれた光について分光分布を検出する分光検出手段と、検出された上記分光分布に基づいて上記3次元表色系の三刺激値を算出する三刺激値演算手段と、算出された上記三刺激値と上記特定点における上記2次元受光検出手段の検出結果との関係を用いて上記特定点以外の上記測定点について上記2次元受光検出手段の検出結果から上記三刺激値を算出する演算手段とを備えている。
上記2次元測色計は、2次元色彩輝度計と分光計とが組み合わされた構成になっている。そして、三刺激値と特定点における2次元受光検出手段の検出結果との関係を用いて、演算手段が特定点以外の測定点について2次元受光検出手段の検出結果から三刺激値を算出することにより、相対的に精度の低い2次元受光検出手段の検出結果を相対的に精度の高い三刺激値で補正することを可能としている。したがって、特定点以外の測定点について、簡素な構成で精度良く色彩測定を行うことができる。
特許第3246021号公報 特開平6−201472号公報
前記特許文献1及び2に開示されている2次元測色計では、同一個所からの同一光を2分岐して、それぞれ異なる手法で測定を行うことが基本となる。しかし、同一光を得るための分岐方法には課題があり、ここでは偏光と放射方向に関する同一性が問題となる。
まず偏光について、試料からの光に偏光特性がある場合(つまり、P偏光とS偏光の割合が異なる場合)の課題を説明する。特許文献1及び2に開示されている2次元測色計のように、試料からの光を第1の光路と第2の光路とに分岐するためにビームスプリッターが用いられている場合、ビームスプリッターとしてのハーフミラーは偏光依存性が大きいため(S偏光反射率>P偏光反射率、S偏光透過率<P偏光透過率)、試料光に対しビームスプリッターがP偏光の位置にある場合とS偏光の位置にある場合とで、透過と反射の光量関係が異なってしまい、正しい測定ができないことになる。
以下に、波長500nm,45°入射の偏光依存性の具体例を示す。
アルミ:
反射 S偏光 94%,P偏光 89%,平均反射率91.5%,偏光依存性 2.7%
ハーフミラー:
反射 S偏光 90%,P偏光 10%,平均反射率 50%,偏光依存性 80%
透過 S偏光 10%,P偏光 90%,平均透過率 50%,偏光依存性 -80%
ガラス:
反射 S偏光 9%,P偏光 1%,平均反射率 5%,偏光依存性 80%
透過 S偏光 91%,P偏光 99%,平均透過率 95%,偏光依存性-4.2%
単層反射膜付ガラス:
反射 S偏光 3.9%,P偏光 0.1%,平均反射率 2%,偏光依存性 95%
透過 S偏光96.1%,P偏光99.9%,平均透過率 98%,偏光依存性-0.4%
次に放射方向について、試料からの光に指向性がある場合(つまり、放射方向(視野角度)で光量及び色度に偏りがある場合)の課題を説明する。例えば液晶表示板は、正面とそれ以外とで光量及び色度が異なる。測色計を液晶表示板の正面に据えて測定を行った場合、測色計の光学系は角度を持った試料からの光を受光器に導くため、光軸を中心とする光束中心領域の光とその周囲に位置する光束周辺領域の光とは光量及び色度が異なることになる。したがって、光束中心領域に略円形又は楕円形の鏡を配置するか、あるいは光束周辺領域をミラー面とする略円環形の鏡を配置して、ミラー面のある部分で光束を反射させ、ミラー面の無い部分で光束を通過(透過)させることにより、光束を分岐させる対策が考えられる。しかし、その分岐により得られた2光束を2つの受光器でそれぞれ受光すると、両光束は光量及び色度が異なるため、両受光器は異なる光量測定及び色度測定を行うことになってしまい、正しい測定ができないことになる。
以下に、液晶表示板の放射角度依存性の具体例(指向性例)を示す。
VA(vertical alignment)モードパネル、正面に対する色度変動:
±5° Δxy=0.0013,
±10° Δxy=0.0019
また、分光検出手段に替えて三刺激値検出器を用いる測色計では、3つのフィルターに受光を分割するために、バンドルファイバーの一方の端面が結像位置近傍に配置され、他方の端面がフィルターへ光を射出するように配置されるが、試料表面は位置により輝度や色度にバラツキ(試料本来の不均一さと試料に付着したゴミや汚れによる不均一さ)を有しているため、測定するときの位置ズレにより測定値が不安定になって測定精度が低下することなる。バンドルファイバー端面をデフォーカス位置に配置すれば、前記バラツキが平均化されて測定値は安定化するが、十分な平均化のためには光軸を中心とする光束中心領域から光束周辺領域に至る様々な角度の光線を含むことが必要になる。
本発明は上述したような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、被測定物が偏光特性又は指向性を有している場合でも、被測定物の光学特性をより精度良く測定できる光学特性測定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の光学特性測定装置は、被測定物の像を形成するための測定光束を射出する結像光学系と、
前記測定光束を透過光束と反射光束とに分け、前記結像光学系の光軸を透過光束側の透過光軸と反射光束側の反射光軸とに分ける分岐ミラーと、
前記透過光軸上に配置された第1のセンサーと、
前記反射光軸上に配置された第2のセンサーと、
を備えた光学特性測定装置であって、
前記被測定物が偏光特性と指向性をもち、
前記第1,第2のセンサーのうち、一方が測色センサーであり、他方が2次元カラー撮像素子であり、
前記分岐ミラーが、前記測定光束を透過させる透過領域と、前記測定光束を反射させる反射領域とを有し、
前記透過領域と前記反射領域のいずれもが、前記測定光束において光軸を中心とし最外縁までの距離の2分の1の位置までの光束中心領域の光とその周囲に位置する光束周辺領域の光とを両方とも受光するように形成されていることを特徴とする。
第2の発明の光学特性測定装置は、上記第1の発明において、前記光束中心領域と前記光束周辺領域との境界が、前記測定光束において光軸から最外縁までの距離の2分の1の位置にあることを特徴とする。
第3の発明の光学特性測定装置は、上記第1又は第2の発明において、前記透過領域と前記反射領域とが、光軸を中心とした放射状の線を境界として、交互に位置することを特徴とする。
第4の発明の光学特性測定装置は、上記第1又は第2の発明において、前記透過領域と前記反射領域とが、格子状の縞模様にストライプ配列されて、交互に位置することを特徴とする。
第5の発明の光学特性測定装置は、上記第1又は第2の発明において、前記透過領域と前記反射領域とが、四角形状の市松模様にモザイク配列されて、交互に位置することを特徴とする。
第6の発明の光学特性測定装置は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記透過領域と前記反射領域との面積比が、1:9〜5:5であることを特徴とする。
第7の発明の光学特性測定装置は、上記第1〜第6のいずれか1つの発明において、前記分岐ミラーが、透明平板表面に反射膜を形成することにより前記反射領域が設けられたものであることを特徴とする。
第8の発明の光学特性測定装置は、上記第1〜第6のいずれか1つの発明において、前記分岐ミラーが、仮想平面上に微小ミラーを配置することにより前記反射領域が設けられたものであることを特徴とする。
第9の発明の光学特性測定装置は、上記第1〜第8のいずれか1つの発明において、前記測色センサーを有し、かつ、前記測定光束を第1精度で分光して測定する第1分光測定部と、前記2次元カラー撮像素子を有し、かつ、前記測定光束を第2精度で分光して測定する第2分光測定部とを備え、
前記第1精度が前記第2精度よりも高いことを特徴とする。
本発明の光学特性測定装置によれば、被測定物が偏光特性又は指向性を有している場合でも、被測定物の光学特性をより精度良く測定することが可能である。
光学特性測定装置の第1の実施の形態を示す概略構成図。 光学特性測定装置の第2の実施の形態を示す概略構成図。 光学特性測定装置の第3の実施の形態を示す概略構成図。 分岐ミラーの具体例1を示す平面図。 分岐ミラーの具体例2を示す平面図。 分岐ミラーの具体例3を示す平面図。 分岐ミラーの具体例4を示す平面図。 分岐ミラーの具体例5を示す平面図。 光学フィルターの分光応答度の具体例1を示すグラフ。 光学フィルターの分光応答度の具体例2を示すグラフ。 光学フィルターの分光応答度の具体例3を示すグラフ。
以下、本発明を実施した光学特性測定装置等を、図面を参照しつつ説明する。なお、実施の形態,具体例等の相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付して重複説明を適宜省略する。
図1に光学特性測定装置D1の第1の実施の形態を示し、図2に光学特性測定装置D2の第2の実施の形態を示し、図3に光学特性測定装置D3の第3の実施の形態を示す。図1,図2に示す光学特性測定装置D1,D2は、第1分光測定部1,第2分光測定部2,測定角可変光学系3,制御処理部4,分岐ミラー5,結像光学系6,入出力部8,記憶部9等を備えている。また、図3に示す光学特性測定装置D3は、第1分光測定部1A,第2分光測定部2A,制御処理部4,分岐ミラー5,結像光学系6,入出力部8,記憶部9等を備えている。
光学特性測定装置D1では、分岐ミラー5での反射光束L1が第1分光測定部1に入射し、分岐ミラー5での透過光束L0が測定角可変光学系3及び第2分光測定部2に入射する。それに対し、光学特性測定装置D2では、分岐ミラー5での透過光束L0が第1分光測定部1に入射し、分岐ミラー5での反射光束L1が測定角可変光学系3及び第2分光測定部2に入射する。このように透過光束L0と反射光束L1が入射する構成要素が入れ替わっているほかは、光学特性測定装置D1と光学特性測定装置D2とは同じ構成になっているので、それにより得られる効果も同様である。
また、光学特性測定装置D3では、分岐ミラー5での透過光束L0が第1分光測定部1Aに入射し、分岐ミラー5での反射光束L1が第2分光測定部2Aに入射する。このように光学特性測定装置D3は、第1分光測定部1の替わりに第1分光測定部1Aを、測定角可変光学系3及び第2分光測定部2の替わりに第2分光測定部2Aを、それぞれ備えているほかは、光学特性測定装置D2と同じ構成になっているので、それにより得られる効果も同様である。これら第1,第2分光測定部1A,2Aに関しては、後述するように、第1分光測定部1Aが三刺激値型測光計であり、第2分光測定部2Aが2次元受光検出装置である。
光学特性測定装置D1〜D3において、結像光学系6は、受光レンズ系6aと開口絞り6bからなっており、被測定物の像を形成するための測定光束Lを射出する。測定対象である被測定物からの被測定光は、測定域SPから放射され、受光レンズ系6aに入射する。受光レンズ系6aは、1つ又は複数の光学レンズ等の光学素子からなる対物レンズに相当し、ここでは、両凸の正レンズと像側に凸の負メニスカスレンズとの接合レンズで構成されており、全体として正の屈折力(焦点距離の逆数で定義される光学的パワー)を有している。この受光レンズ系6aに入射した被測定光は収束され、開口絞り6b及び分岐ミラー5を介して所定の位置P1及びその等価位置P3に、それぞれ測定対象の像(第1の像)IM1が形成される。なお、被測定光は、測定域SPに測定対象の光源が配置された場合には、その光源から放射された光(光源自体の光)であってもよく、また、測定域SPに被測定物が配置された場合には、所定の光源から放射された光が被測定物で反射されて生じた反射光であってもよい。
上記開口絞り6bは、受光レンズ系6aと分岐ミラー5との間において、分岐ミラー5側に寄った所定の位置に配置されている。この開口絞り6bは、被測定光を光束規制しつつ通過させることにより、結像光学系6から射出する測定光束Lのサイズ(例えば、光束径等)を規定する光学部材である。例えば、被測定光の波長範囲に対し遮光性を有する材料からなり、被測定光を通過させるための貫通孔を有する板状部材である。貫通孔のサイズは、開口絞り6bを通過する測定光束Lのサイズに応じて設定される。
分岐ミラー5は、被測定光の測定光束L中に配置されて、測定光束Lを透過光束L0と反射光束L1とに分け、結像光学系6の光軸AXを透過光束L0側の透過光軸AX0と反射光束L1側の反射光軸AX1とに分ける。したがって、測定光束Lは、分岐ミラー5での反射により光路を折り曲げられた反射光束L1と、分岐ミラー5で光路を折り曲げられずに透過した透過光束L0と、に分割される。透過光軸AX0上に第1のセンサーが配置され、反射光軸AX1上に第2のセンサーが配置される。光学特性測定装置D1,D2(図1,図2)では、これら第1,第2のセンサーのうち、一方がラインセンサー14(測色センサー)であり、他方が2次元センサー22(2次元カラー撮像素子)である。光学特性測定装置D3(図3)では、透過光軸AX0上に第1〜第3センサーS1〜S3が配置され、反射光軸AX1上に2次元センサー(不図示)が配置される。
光学特性測定装置D1(図1)では、反射光束L1が第1分光測定部1へ導光され、透過光束L0が測定角可変光学系3及び第2分光測定部2へ導光される。光学特性測定装置D2(図2)では、透過光束L0が第1分光測定部1へ導光され、反射光束L1が測定角可変光学系3及び第2分光測定部2へ導光される。光学特性測定装置D3(図3)では、透過光束L0が第1分光測定部1Aへ導光され、反射光束L1が第2分光測定部2Aへ導光される。そして、光学特性測定装置D1〜D3(図1〜図3)において、透過光束L0と反射光束L1のいずれもが、測定光束Lにおいて光軸AXを中心とする光束中心領域の光とその周囲に位置する光束周辺領域の光とを両方とも含んでいる。図1〜図3において、その光束中心領域と光束周辺領域との境界上の光線の一例を点線で示す。なお、分岐ミラー5の具体例に関しては後で詳述する(図4〜図8)。
第1,第2分光測定部1,1A;2,2Aは、それぞれ制御処理部4に接続されており、制御処理部4の制御に従って測定光束L(つまり、反射光束L1と透過光束L0)を分光して測定する。光学特性測定装置D1(図1)では、第1分光測定部1が反射光束L1を第1精度で分光して測定し、その測定結果(第1分光測定結果)を制御処理部4へ出力する。また第2分光測定部2は、透過光束L0を第2精度で分光して測定し、その測定結果(第2分光測定結果)を制御処理部4へ出力する。光学特性測定装置D2,D3(図2,図3)では、第1分光測定部1,1Aが透過光束L0を第1精度で分光して測定し、その測定結果(第1分光測定結果)を制御処理部4へ出力する。また第2分光測定部2,2Aは、反射光束L1を第2精度で分光して測定し、その測定結果(第2分光測定結果)を制御処理部4へ出力する。
これら第1,第2分光測定部1,1A;2,2Aは、その測定精度が互いに異なっている。つまり、第1分光測定部1,1Aの第1精度は、第2分光測定部2,2Aの第2精度よりも高くなっている。すなわち、第1分光測定部1,1Aは第2分光測定部2,2Aよりも高い精度を有している。
光学特性測定装置D1,D2(図1,図2)の第1分光測定部1は、スポット測定(1点測定)を行う装置であり、被測定光である測定光束Lを1点として測定し、1個の第1分光測定結果を出力する。そして、相対的に狭い測定域SP(例えば、第1分光測定角が約0.1°〜約3°の範囲)から放射された測定光束Lを測定する。つまり第1分光測定部1では、測定光束Lの放射位置に関わらず、測定光束L(反射光束L1又は透過光束L0)を1つとして扱う測定が行われる。
ここで一例として挙げる第1分光測定部1(図1,図2)は、回折格子等の分光光学素子で測定光束Lを所定の波長間隔で分光して測定する分光型測光計である。この分光型の第1分光測定部1は、レンズ系12と、反射型回折格子13と、測色センサーとしてのラインセンサー14と、これらレンズ系12,反射型回折格子13及びラインセンサー14を収容する筐体10と、を備えている。筐体10は、ラインセンサー14の受光可能な波長範囲に対し遮光性を有する材料によって形成された箱体である。筐体10の一側面には、被測定光の一部分である反射光束L1又は透過光束L0を筐体10内に導光するスリット形状等の入射開口11が形成されている。第1分光測定部1は、第1の像IM1が形成される収束位置P3(位置P1の等価位置)に入射開口11が位置するように配置される。
入射開口11から入射した反射光束L1(図1)又は透過光束L0(図2)は、レンズ系12に入射し、このレンズ系12によって平行化(コリメート)されて反射型回折格子13に入射し、反射型回折格子13によって回折されて反射される。この反射光は、再びレンズ系12に入射し、このレンズ系12によってラインセンサー14の受光面上に光像の波長分散像として結像する。ラインセンサー14は、一方向に沿って配列された複数の光電変換素子を備えた構成になっている。この光電変換素子は、例えば、シリコンホトダイオード(SPD)等である。ラインセンサー14は、その受光面上に形成された光像の波長分散像を複数の光電変換素子それぞれで光電変換することによって、各波長ごとの強度レベルを表す電気信号を生成する。そして、ラインセンサー14は、この電気信号(第1分光測定結果)を制御処理部4へ出力する。
光学特性測定装置D3(図3)の第1分光測定部1Aは、三刺激値型測光計であり、透過光軸AX0(透過光束L0)を3つに分けるバンドルファイバーFBと、互いに異なる分光応答度を持つ3個の第1〜第3光学フィルターF1,F2,F3と、第1〜第3光学フィルターF1,F2,F3を通過した光を受光する第1〜第3センサーS1,S2,S3と、を備えている。これら第1〜第3光学フィルターF1〜F3は、例えば図9に示すように、CIE(国際照明委員会)等色関数に近似した分光応答度(具体例1)をそれぞれ持っている。つまり、第1光学フィルターF1は、CIE等色関数z(λ)に近似した分光応答度を持ち、第2光学フィルターF2は、CIE等色関数y(λ)に近似した分光応答度を持ち、そして、第3光学フィルターF3は、CIE等色関数x(λ)に近似した分光応答度を持つものである(λ:波長)。あるいは、これら第1〜第3光学フィルターF1〜F3が、例えば図10に示す分光応答度(具体例2)をそれぞれ持つものであってもよい。
第1〜第3光学フィルターF1〜F3を通過した光は、第1〜第3センサーS1〜S3(例えばシリコンホトダイオード(SPD)等)に照射される。第1〜第3センサーS1〜S3は、それぞれ光電変換を行うことによって、各分光応答度ごとの強度レベルを表す電気信号を生成し、制御処理部4へ出力する。
光学特性測定装置D1,D2(図1,図2)の第2分光測定部2は、2次元測定を行う装置であり、被測定光である測定光束Lを面として2次元で測定し、2次元分布の第2分光測定結果を出力する。そして、相対的に広い測定域SP(例えば、第2分光測定角が約10°〜約30°の範囲)から放射された測定光束Lを測定する。つまり第2分光測定部2では、測定光束Lの放射位置ごとに測定光束L(反射光束L1又は透過光束L0)を測定する光学特性分布の測定が行われる。
ここで一例として挙げる第2分光測定部2(図1,図2)は、光学フィルター等で測定光束Lを所定の波長範囲に分光して測定する測光計である。この第2分光測定部2は、フィルター選択部21(例えば、カラーホイール)と、2次元カラー撮像素子を構成する2次元センサー(エリアセンサー)22と、を備えている。2次元センサー22は、第2の像IM2が形成される結像位置P2に受光面が位置するように配置されている。フィルター選択部21は、複数の光学フィルター211と、これら複数の光学フィルター211を保持するフィルター保持部材212と、フィルター保持部材212を移動するための駆動力を生成するモーター213と、を備えており、複数の光学フィルター211の中から、被測定光のフィルタリングに用いる1個の光学フィルター211を選択する装置である。
フィルター保持部材212は、例えば、周方向に等間隔で4個の貫通開口が形成された円板である。これら4個の貫通開口は、RGBに対応した3枚の光学フィルター211(図1,図2ではB,Gの2枚を示している。)に応じた大きさで形成されており、そのうちの3個の貫通開口に3枚の光学フィルター211がそれぞれ嵌め込まれて、例えば、接着剤等によって接着固定されている。
また、フィルター保持部材212は、その中心位置に回転軸が挿通され、その周面には歯切り加工が施されて歯車(ギア)になっている。そのフィルター保持部材212のギアは、モーター213の出力軸に装着されているギアと歯合しており、モーター213の駆動力がフィルター保持部材212に伝達されるようになっている。これによって、フィルター保持部材212は回転軸を中心に回転駆動する。そして、フィルター保持部材212は、3枚の光学フィルター211の各光軸が順次回転するごとに第2分光測定部2内で光軸AX0又は光軸AX1と一致するように、測定角可変光学系3と2次元センサー22との間に配置されている。
光学特性測定装置D3(図3)の第2分光測定部2Aは、光学特性測定装置D1,D2(図1,図2)の第2分光測定部2と同様、2次元測定を行う2次元受光検出装置であり、被測定光である測定光束Lを面として2次元で測定し、2次元分布の第2分光測定結果を出力する。そして、相対的に広い測定域SP(例えば、第2分光測定角が約10°〜約30°の範囲)から放射された測定光束Lを測定する。つまり第2分光測定部2では、測定光束Lの放射位置ごとに測定光束L(反射光束L1又は透過光束L0)を測定する光学特性分布の測定が行われる。
このような第2分光測定部2Aとしては、例えば光学フィルター等で測定光束Lを所定の波長範囲に分光して測定する測光計、更に具体的には、カラーフィルターアレイを有する単板式の2次元カラー撮像素子等が挙げられる。ただし、第2分光測定部2Aにおいて2次元カラー撮像素子を構成する2次元センサー(不図示)の前面にあるフィルター(不図示)は、CIE等色関数近似度において第1分光測定部フィルターに劣る構成であり、例えば図11に示す分光応答度(具体例3)を有するものである。
光学特性測定装置D1〜D3(図1〜図3)の第2分光測定部2,2Aにおいて、互いに異なる分光応答度を持つ3種の光学フィルターは、例えば図9に示すように、CIE(国際照明委員会)等色関数に近似した分光応答度(具体例1)をそれぞれ持っている。つまり、第1光学フィルターが、CIE等色関数z(λ)に近似した分光応答度を持ち、第2光学フィルターが、CIE等色関数y(λ)に近似した分光応答度を持ち、そして、第3光学フィルターが、CIE等色関数x(λ)に近似した分光応答度を持つものである。あるいは、これら第1〜第3光学フィルターが、例えば図10や図11に示す分光応答度(具体例2,3)をそれぞれ持つものであってもよい。第2分光測定部2,2Aにおいて、光学フィルターは2次元センサーの前面に配置される構成でもよく、2次元センサーの個々のセル直前に配置される構成でもよい。
前述したように、光学特性測定装置D1〜D3(図1〜図3)において、透過光束L0と反射光束L1のいずれもが、測定光束Lにおいて光軸AXを中心とする光束中心領域の光とその周囲に位置する光束周辺領域の光とを両方とも含んでいる。このような測定光束Lの分割を行うために、分岐ミラー5は、測定光束Lを透過させる透過領域と、測定光束Lを反射させる反射領域とを有しており、これら透過領域と反射領域のいずれもが、測定光束Lにおいて光軸AXを中心とする光束中心領域の光とその周囲に位置する光束周辺領域の光とを両方とも受光するように形成されている。
分岐ミラー5において測定光束Lを反射させる反射領域は、例えば、アルミニウム等の金属材料を反射材料として用いてなる反射面で構成される。例えば、アルミニウム等の金属材料からなる反射膜を透明平板表面に形成することにより反射領域を設けてもよく、アルミニウム等の金属材料からなる微小ミラーを仮想平面上に配置することにより反射領域を設けてもよい。分岐ミラー5において測定光束Lを透過させる透過領域は、上記反射面が設けられていない範囲を透過面とすることにより構成される。例えば、アルミニウム等の金属材料からなる反射膜を透明平板表面に形成しないことにより透過領域を設けてもよく、アルミニウム等の金属材料からなる微小ミラーを仮想平面上に配置しないことにより透過領域を設けてもよい。
ビームスプリッターとしてのハーフミラーは、前述したように偏光依存性が大きいため、試料光に対しビームスプリッターがP偏光の位置にある場合とS偏光の位置にある場合とで、透過と反射の光量関係が異なってしまい、正しい測定ができないことになる。上記のように、測定光束Lを透過させる透過領域と、測定光束Lを反射させる反射領域と、を有する分岐ミラー5は、偏光依存性が小さいので、被測定物が偏光特性を有している場合でも、被測定物の光学特性をより精度良く測定することができる。
また、被測定物として種々の試料を想定した場合、前述したように試料からの光に指向性があると、正しい測定ができないことになる。その指向性対策に好適な光束分割を行うことのできる分岐ミラー5の具体例を以下に説明する。
図4〜図8に、分岐ミラー5の具体例1〜5として分岐ミラー5a〜5eを示す。分岐ミラー5a〜5eは、測定光束L(図1〜図3)を透過させる透過領域A0と、測定光束Lを反射させる反射領域A1とを有しており、透過領域A0と反射領域A1のいずれもが、測定光束Lにおいて光軸AXを中心とする光束中心領域Aa(円形状領域)の光とその周囲に位置する光束周辺領域Ab(光束最外縁を含むリング形状領域)の光とを両方とも受光するように形成されている。上記反射領域A1は反射膜又は鏡からなっており、上記透過領域A0は透明材料又は空間からなっている。そして、分岐ミラー5a〜5eは、測定光束Lに対して斜め(一般的には45°)の仮想平面上に配置されることで、測定光束Lが透過光束L0と反射光束L1とに分離される。
ここでは、光束中心領域Aaと光束周辺領域Abとの境界(点線)が、測定光束Lにおいて光軸AXから最外縁までの距離の2分の1の位置に設定されている。このことから、図1〜図3中の透過光束L0と反射光束L1のいずれもが、光束中心領域Aaの光と光束周辺領域Abの光とを両方とも含んでいることが分かる。このように透過領域A0と反射領域A1のいずれもが、光軸AXを中心とする光束中心領域Aaの光とその周囲に位置する光束周辺領域Abの光とを両方とも受光するように形成されていると、被測定物の視野角度特性(指向性)の影響を受けにくくなるので、被測定物が指向性を有している場合でも、被測定物の光学特性をより精度良く測定することができる。
分岐ミラー5a〜5c(図4〜図6)は、透過領域A0と反射領域A1とが、光軸AXを中心とした放射状の線を境界として、交互に位置する構成になっている。つまり、分岐ミラー5a〜5cの表面が、ミラー中心に相当する光軸AXから放射状に分割されて透過領域A0と反射領域A1とが交互に配置された分割例である。分岐ミラー5a,5b(図4,図5)の場合、光束中心領域Aaと光束周辺領域Abが上下左右方向の透過領域A0と反射領域A1に含まれているため、測定光束Lが光軸AX中心に対して上下左右方向対称に指向性を有するとき、透過光束L0と反射光束L1は、第1,第2分光測定部1,1A;2,2Aに対して同一の輝度と色度を示すことになる。分岐ミラー5b(図5)は、同心円状の分割が加えられているため、上下左右方向非対称に指向性を有する場合に好適であり、また、分岐ミラー5c(図6)は、円周方向に分割数が増やされているため、上下左右斜め方向対称に指向性を有する場合に好適である。
分岐ミラー5d(図7)は、透過領域A0と反射領域A1とが、格子状の縞模様にストライプ配列されて、交互に位置する構成になっている。つまり、分岐ミラー5dの表面が、縞模様の格子状に分割されて透過領域A0と反射領域A1とが交互に配置された分割例である。この分岐ミラー5dは、左右非対称に指向性を有する場合に好適である。
分岐ミラー5e(図8)は、透過領域A0と反射領域A1とが、四角形状の市松模様にモザイク配列されて、交互に位置する構成になっている。つまり、分岐ミラー5eの表面が、市松模様の四角形状に分割されて透過領域A0と反射領域A1とが交互に配置された分割例である。この分岐ミラー5eは、様々な方向に対し指向性を有する場合に好適である。
例えば、分岐ミラー5d,5e(図7,図8)で測定光束Lを4以上の多数の透過光束L0と反射光束L1とに分割する場合、透明平板表面に反射膜を形成することにより反射領域A1を設ければ、反射膜をパターニングで形成できるため、少ない部品数で簡単に構成することが可能である。なお、反射膜の代わりに微小ミラーを透明平板表面に配置してもよい。
分岐ミラー5a〜5e(図4〜図8)の透過領域A0と反射領域A1は、仮想平面上に複数の微小ミラーを配置することにより形成することができる。仮想平面上の微小ミラーのない部分にはガラス等の光学媒質が存在しないため、測定光束Lは光学媒質の偏光性等の影響を受けることなく分岐ミラー5a〜5eを透過することになる。なお、後述するように高精度の検出結果で低精度の検出結果を補正する場合、透過光束L0を受光する側に高精度検出器を配置することが、高い精度を得るためには適している。
透明平板表面に反射膜を形成する場合、透明平板の透過率と反射率との割合を考慮して、透過領域A0と反射領域A1との面積比を5:5〜6:4とするのが好ましい。仮想平面上に微小ミラーを配置する場合、ミラー反射率を考慮して、透過領域A0と反射領域A1との面積比を4:6〜5:5とするのが好ましい。これらの構成により、第1分光測定部1,1Aと第2分光測定部2,2Aとに対する光量割合を同一にすることができる。
また、仮想平面上に複数の微小ミラーを配置する構成で、光学特性測定装置D2,D3(図2,図3)のように反射光束L1で2次元測定を行う場合、2次元受光手段は低輝度性能が分光検出(測色)手段に比べて同等から一桁程度劣る場合が多く、そのために透過領域A0と反射領域A1との面積比は1:9〜5:5とすることが望ましい。以上を鑑みて透過領域A0と反射領域A1との面積比は1:9〜6:4が好適である。
上記のように分岐ミラー5は、測定光束Lを透過させる透過領域A0と、測定光束Lを反射させる反射領域A1とを有しているため、被測定物の偏光特性の影響を受けにくく、また、透過領域A0と反射領域A1のいずれもが、光軸AXを中心とする光束中心領域Aaの光とその周囲に位置する光束周辺領域Abの光とを両方とも受光するように形成されているため、被測定物の視野角度特性(指向性)の影響を受けにくい。したがって、光学特性測定装置D1〜D3(図1〜図3)によれば、被測定物が偏光特性又は指向性を有している場合でも、被測定物の光学特性をより精度良く測定することが可能である。
光学特性測定装置D1〜D3(図1〜図3)において、制御処理部4には、入力部81,出力部82,IF(interface)部83等からなる入出力部8と、記憶部9と、が接続されている。記憶部9は、制御処理部4の制御に従って、各種の所定のプログラム及び各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、被測定光を測定するための測定プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、後述の補正演算部422で求められた補正係数が含まれる。このような記憶部9は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備えている。そして、記憶部9には、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆる制御処理部4のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等が含まれている。
制御処理部4は、光学特性測定装置D1〜D3の各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、被測定光の光学特性を求めるための回路である。制御処理部4は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を備えて構成される。制御処理部4には、制御処理プログラムが実行されることによって、制御部41及び光学特性演算部42が機能的に構成される。制御部41は、光学特性測定装置D1〜D3の各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するためのものである。
光学特性演算部42は、第1,第2分光測定部1,1A;2,2Aそれぞれの第1,第2分光測定結果に基づいて、被測定光(測定光束L)の所定の光学特性を求めるものである。第1〜第3の実施の形態で想定している光学特性は被測定光の色彩であり、光学特性測定装置D1〜D3としては測色計を想定している。光学特性測定装置D1〜D3では、前述したように第1分光測定部1,1Aの第1精度が第2分光測定部2,2Aの第2精度よりも高くなっており、光学特性演算部42は、第2分光測定部2,2Aの第2分光測定結果を第1分光測定部1,1Aの第1分光測定結果で補正して、被測定光の光学特性を求めるものである。光学特性演算部42は、そのために特性演算部421と補正演算部422とを機能的に備えている。
ここで、第1分光測定部1で測定した被測定光の分光分布(第1分光測定結果)をP(λ)であるとし、CIE等色関数をx(λ),y(λ),z(λ)とすると、被測定光の三刺激値は、次式(1),式(2)及び式(3)によって与えられる。なお、CIE等色関数x(λ),y(λ),z(λ)は、記憶部9に予め記憶される。
X=∫P(λ)・x(λ)dλ …(1)
Y=∫P(λ)・y(λ)dλ …(2)
Z=∫P(λ)・z(λ)dλ …(3)
一方、第2分光測定部2で測定した被測定光の各画素(n,m)の各画素値(第2分光測定結果)をXc(n,m)、Yc(n,m)、Xc(n,m)とし、第1分光測定部1で測定した被測定光の点(スポット測定の測定点)に対応する第2分光測定部2上での画素を(n0,m0)とすると、次の式(4)〜(6)が成り立つ。なお、(n0,m0)は、予め調べられて記憶部9に記憶される。
X=f{Xc(n0,m0),Yc(n0,m0),Zc(n0,m0)} …(4)
Y=g{Xc(n0,m0),Yc(n0,m0),Zc(n0,m0)} …(5)
Z=h{Xc(n0,m0),Yc(n0,m0),Zc(n0,m0)} …(6)
これら式(4)〜(6)における関数f,g,hの各係数が補正係数であり、これら式(4)〜(6)の関係式を、次式(7)のようにおくと、式(8)〜(10)のように、補正係数α,β,γが求められる。
α=X/Xc(n0,m0) …(8)
β=Y/Yc(n0,m0) …(9)
γ=Z/Zc(n0,m0) …(10)
Figure 0006331986
…(7)
第2分光測定部2の補正された各画素の三刺激値は、次の式(11)〜(13)によって与えられる。
X(n,m)=α・Xc(n,m) …(11)
Y(n,m)=β・Xc(n,m) …(12)
Z(n,m)=γ・Xc(n,m) …(13)
したがって、補正演算部422は、第1,第2分光測定部1,1A;2,2Aそれぞれの第1,第2分光測定結果に基づいて、上述のように、補正係数α,β,γを求め、この補正係数α,β,γを記憶部9に記憶するものである。そして、特性演算部421は、第2分光測定部2の第2分光測定結果と、第1,第2分光測定部1,1A;2,2Aそれぞれの第1,第2分光測定結果に基づく補正係数α,β,γとに基づいて、上述の式(11)〜(13)を用いることで、被測定光の三刺激値を所定の光学特性として求めるものである。このように光学特性測定装置D1〜D3では、第2分光測定部2,2Aの第2精度が相対的に低くても、第2分光測定部2,2Aの第2分光測定結果を、相対的に高い第1精度を持つ第1分光測定部1,1Aの第1分光測定結果で補正するので、光学特性測定装置D1〜D3は、第2分光測定部2,2Aの第2分光測定結果を、第2精度より向上させることが可能である。
そして、光学特性演算部42は、上記のようにして求めた所定の光学特性を出力部82に出力する。また必要に応じて、光学特性演算部42は、上記のようにして求めた所定の光学特性を、IF部83を介して外部機器(不図示)へ出力する。
上記のような光学特性測定装置D1〜D3では、測定が開始されると、被測定光は受光レンズ系6aに入射し、開口絞り6bから射出する。光学特性測定装置D1では、測定光束Lとして開口絞り6bを通過した被測定光は、光軸AXを中心とする光束中心領域の光とその周囲に位置する光束周辺領域の光とを含む一部が分岐ミラー5で反射され、その光路が折り曲げられて第1分光測定部1へと導光され、残余の部分がそのまま測定角可変光学系3を介して第2分光測定部2へと導光される。光学特性測定装置D2では、測定光束Lとして開口絞り6bを通過した被測定光は、光軸AXを中心とする光束中心領域の光とその周囲に位置する光束周辺領域の光とを含む一部が分岐ミラー5で反射され、その光路が折り曲げられて測定角可変光学系3,第2分光測定部2の順で導光され、残余の部分がそのまま第1分光測定部1へと導光される。光学特性測定装置D3では、測定光束Lとして開口絞り6bを通過した被測定光は、光軸AXを中心とする光束中心領域の光とその周囲に位置する光束周辺領域の光とを含む一部が分岐ミラー5で反射され、その光路が折り曲げられて第2分光測定部2Aへと導光され、残余の部分がそのまま第1分光測定部1Aへと導光される。
第1分光測定部1,1Aへ導光された一部の被測定光(反射光束L1又は透過光束L0)は、分光されて測定され、その第1分光測定結果が第1分光測定部1,1Aから制御処理部4へ出力される。ここで、分岐ミラー5は、その偏光依存性と角度依存性が小さいので、第1分光測定部1は、被測定物が偏光特性又は指向性を有している場合でもより精度良く測定できる。第2分光測定部2へ導光された残余の被測定光(反射光束L1又は透過光束L0)は、分光されて測定され、その第2分光測定結果が第2分光測定部2,2Aから制御処理部4へ出力される。制御処理部4の光学特性演算部42は、補正演算部422によって第1,第2分光測定結果に基づいて補正係数α,β,γを求め、この求めた補正係数α,β,γと第2分光測定結果に基づいて、特性演算部421によって被測定光における光学特性の2次元分布を求め、出力部82に出力する。
以上説明したように、光学特性測定装置D1〜D3及びこれを用いた光学特性測定方法は、ラインセンサー14等を有し、かつ、測定光束Lを第1精度で分光して測定する第1分光測定部1,1Aと、2次元センサー22等を有し、かつ、測定光束Lを第2精度で分光して測定する第2分光測定部2,2Aとを備えており、第1精度が第2精度よりも高くなっている。そして光学特性演算部42により、第2分光測定部2,2Aの第2分光測定結果が第1分光測定部1,1Aの第1分光測定結果で補正されて、被測定光の光学特性が求められる。上記第1,第2分光測定部1,1A;2,2Aへ被測定光を導光するミラーとして、ハーフミラーではなく、被測定光の全光束Lのうちの光束中心領域Aaの光と光束周辺領域Abの光とを両方とも含む一部の光束L1を折り曲げて第1分光測定部1,1Aへ導光するとともに、残余の光束L0をそのまま第2分光測定部2,2Aへ導光する分岐ミラー5を備えている。つまり、この分岐ミラー5は、被測定光の測定光束Lにおける断面積の一部分の光束L1を反射して折り曲げて第1分光測定部1,1Aへ導光するとともに、断面積の残余部分の光束L0をそのまま第2分光測定部2,2Aへ導光するミラーである。したがって、分岐ミラー5は偏光依存性及び角度依存性が小さいので、被測定物が偏光特性又は指向性を有している場合でもより精度良く測定することが可能である。
光学特性測定装置D1〜D3のように、被測定物側から像側へ順に、受光レンズ系6aと開口絞り6bとからなる結像光学系6を、分岐ミラー5の被測定物側に配置することにより、開口絞り6bが分岐ミラー5側に寄って配置されることが好ましい。このよう開口絞り6bを配置することによって、受光レンズ系6aのフォーカシングを行っても受光光量を不変にすることができる。
光学特性測定装置D1〜D3において結像光学系6に開口絞り6bを備えない場合には、受光レンズ系6aのフォーカシングによって受光光量が変化するので、制御処理部4には、受光レンズ系6aのフォーカシングに応じて受光光量を補正する光量補正部を機能的に備えることが好ましい。この場合、受光レンズ系6aのフォーカス位置(受光レンズ系6aの中でフォーカシングのために光軸AXに沿って移動する光学レンズ(又はレンズ群)の位置)と光量補正係数との関係を予め求めて、記憶部9に記憶しておく。そして、前記光量補正部が、受光レンズ系6aのフォーカス位置に対応した光量補正係数で受光光量を補正するように構成するのが好ましい。
上述した光学特性測定装置D1,D2では、第1分光測定部1として回折格子等の分光光学素子を用いた分光型測光計を採用しているが、第2分光測定部2の光学フィルター211よりも高精度な分光応答度を持つ光学フィルターを用いることにより、三刺激値型測光計を採用してもよい。また、上述した光学特性測定装置D1〜D3は測色計であるため、3種類の分光感度で被測定光を測定するために、互いに分光応答度の異なる3個の光学フィルター211(RGB),F1〜F3を第2分光測定部2,2Aに用いているが、光学特性測定装置D1〜D3が輝度計である場合には、第2分光測定部2,2Aが1種類の分光感度で被測定光を測定する構成にすればよい。
D1〜D3 光学特性測定装置
IM1,IM2 第1,第2の像
SP 測定域(被測定物)
AX 光軸
AX0 透過光軸
AX1 反射光軸
A0 透過領域
A1 反射領域
Aa 光束中心領域
Ab 光束周辺領域
L 測定光束
L0 透過光束
L1 反射光束
FB バンドルファイバー
F1〜F3 第1〜第3光学フィルター
S1〜S3 第1〜第3センサー
1,1A 第1分光測定部
2,2A 第2分光測定部
3 測定角可変光学系
4 制御処理部
5,5a〜5e 分岐ミラー
6 結像光学系
6a 受光レンズ系
6b 開口絞り
8 入出力部
9 記憶部
10 筐体
11 入射開口
12 レンズ系
13 反射型回折格子
14 ラインセンサー(第1,第2のセンサー;測色センサー)
21 フィルター選択部
22 2次元センサー(第1,第2のセンサー;2次元カラー撮像素子)
41 制御部
42 光学特性演算部
81 入力部
82 出力部
83 IF部
211 光学フィルター
212 フィルター保持部材
213 モーター
421 特性演算部
422 補正演算部

Claims (9)

  1. 被測定物の像を形成するための測定光束を射出する結像光学系と、
    前記測定光束を透過光束と反射光束とに分け、前記結像光学系の光軸を透過光束側の透過光軸と反射光束側の反射光軸とに分ける分岐ミラーと、
    前記透過光軸上に配置された第1のセンサーと、
    前記反射光軸上に配置された第2のセンサーと、
    を備えた光学特性測定装置であって、
    前記被測定物が偏光特性と指向性をもち、
    前記第1,第2のセンサーのうち、一方が測色センサーであり、他方が2次元カラー撮像素子であり、
    前記分岐ミラーが、前記測定光束を透過させる透過領域と、前記測定光束を反射させる反射領域とを有し、
    前記透過領域と前記反射領域のいずれもが、前記測定光束において光軸を中心とし最外縁までの距離の2分の1の位置までの光束中心領域の光とその周囲に位置する光束周辺領域の光とを両方とも受光するように形成されていることを特徴とする光学特性測定装置。
  2. 前記光束中心領域と前記光束周辺領域との境界が、前記測定光束において光軸から最外縁までの距離の2分の1の位置にあることを特徴とする請求項1記載の光学特性測定装置。
  3. 前記透過領域と前記反射領域とが、光軸を中心とした放射状の線を境界として、交互に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の光学特性測定装置。
  4. 前記透過領域と前記反射領域とが、格子状の縞模様にストライプ配列されて、交互に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の光学特性測定装置。
  5. 前記透過領域と前記反射領域とが、四角形状の市松模様にモザイク配列されて、交互に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の光学特性測定装置。
  6. 前記透過領域と前記反射領域との面積比が、1:9〜5:5であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学特性測定装置。
  7. 前記分岐ミラーが、透明平板表面に反射膜を形成することにより前記反射領域が設けられたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学特性測定装置。
  8. 前記分岐ミラーが、仮想平面上に微小ミラーを配置することにより前記反射領域が設けられたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学特性測定装置。
  9. 前記測色センサーを有し、かつ、前記測定光束を第1精度で分光して測定する第1分光測定部と、前記2次元カラー撮像素子を有し、かつ、前記測定光束を第2精度で分光して測定する第2分光測定部とを備え、
    前記第1精度が前記第2精度よりも高いことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学特性測定装置。
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