JP5839397B2 - シールチェーンおよびシールチェーンの製造方法 - Google Patents

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本発明は、動力伝達や物品搬送等に用いるシールチェーン、詳しくは、ブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に封入した潤滑油の外部漏出を防止するシール機構を内プレートと外プレートとの間に設けたシールチェーンおよびこのシールチェーンの製造方法に関するものである。
従来のシールチェーン1として、図13および図14に示すように、一対の外リンクプレート2、2のピン孔2aにピン3の両端部を嵌入固定した外リンク4と一対の内リンクプレート5、5のブシュ孔5aにブシュ7の両端部を突出して嵌入固定した内リンク8とがピン3とブシュ7との遊嵌により連結され、外リンクプレート2と内リンクプレート5との対向間隙にシール機構9が配置されて、シール機構9が、ピン3と同軸的に配置した弾性リング10と、弾性リング10の外側に配置して外リンクプレート2の対向面2bに圧接したシールリング11と、シールリング11の外側に配置して内リンクプレート5の対向面5bに圧接した舌片付き樹脂製環状シール部材12と、舌片付き樹脂製環状シール部材12の外側に間隔を開けて配置して外リンクプレート2の対向面2bに固着したリング状プレート13とで構成されたものが知られている(特許文献1参照)。
特開2008−69856号公報(特許請求の範囲、図3参照)
しかしながら、このようなシールチェーン1は、チェーン屈曲時に外リンク4と内リンク8とが相対的に回動する際に、弾性リング10が内径側でブシュ7の傾斜面7aに摺動するとともに外径側でシールリング11の傾斜面11aに摺動してピン長手方向に捩れたりリング周方向に引き攣れたりすることで弾性リング10に摩損が生じて潤滑油が外部に漏出し易くなるため、ピン3とブシュ5との間で油切れが生じてチェーン摩耗伸びを長期に亘って阻止することができないという問題があった。
また、ブシュ7とシールリング11との間における潤滑油の外部漏出が完全に抑制するためには、弾性リング10がブシュ7の傾斜面7aとシールリング11の傾斜面11aとの間に正確に取り付けられなければならず、弾性リング10およびシールリング11の組み付け時に厳しい組み付け精度が要求されて多大な製造負担を強いられるという問題があった。
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、潤滑油を保留するダイヤフラムを内プレートと外プレートとの相対的な回動に円滑に追従させて潤滑油の外部漏出を確実に防止して、ブシュと連結ピンとの摩耗に起因するチェーン摩耗伸びを長期に亘って抑制し、しかも、チェーン製造の負担を軽減するシールチェーンとこのシールチェーンの製造方法を提供することである。
本請求項1に係る発明は、離間配置する左右一対の内プレートと該内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してブシュ端部を内プレートの外側面から一部突出するブシュと該ブシュ内に遊嵌する連結ピンと該連結ピンを圧入嵌合して内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとで構成して、前記連結ピンの内部から連結ピンの外周面に開口する給油孔を介してブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に供給された潤滑油の外部漏出を防止するシール機構を内プレートと外プレートとの間に設けたシールチェーンにおいて、前記シール機構が、前記連結ピンに圧入嵌合してブシュのブシュ端部を包囲する外プレート側ボス部材と、該外プレート側ボス部材の外周に遊嵌して外プレートに位置決め固定するディスク状アジャスターと、前記外プレート側ボス部材の外周面とディスク状アジャスターの内周面との間に介在して潤滑油の漏出を阻止するOリングと、前記ブシュのブシュ端部に圧入嵌合して外プレート側ボス部材に対向配置する内プレート側ボス部材と、前記ディスク状アジャスターの外周端部と内プレート側ボス部材の外周面との間に装着して封止する可撓性のダイヤフラムと、前記ディスク状アジャスターの外周面に一部近接してダイヤフラムを囲繞するガイドリングとで構成され、前記潤滑油を保留する油保留領域が、前記ディスク状アジャスターとダイヤフラムとで少なくとも囲繞される空間に形成されていることにより、前述した課題を解決するものである。
本請求項2に係るシールチェーンは、請求項1に記載のシールチェーンの構成に加えて、前記外プレートが、前記ディスク状アジャスターと対向するアジャスター側対向面に連結ピンに対して同心円状に凹設した案内溝部を備え、前記ディスク状アジャスターが、前記連結ピンに対して同心円状に立脚して外プレートの案内溝部に位置決め緩挿する脚先端部と該脚先端部に連続して設けて外プレートの案内溝部に圧入固定する脚基端部とを備えていることにより、前述した課題を更に解決するものである。
本請求項3に係るシールチェーンは、請求項1または請求項2に記載のシールチェーンの構成に加えて、前記外プレートが、該外プレートの外側面から内側面へ貫通して前記外プレートとディスク状アジャスターと外プレート側ボス部材とで囲繞される空隙領域に連通する連通孔を備えていることにより、前述した課題を更に解決するものである。
そして、本請求項4に係る発明は、離間配置する左右一対の内プレートと該内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してブシュ端部を内プレートの外側面から一部突出するブシュと該ブシュ内に遊嵌する連結ピンと該連結ピンを圧入嵌合して内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとで構成されて、前記連結ピンに圧入嵌合してブシュのブシュ端部を包囲する外プレート側ボス部材と前記外プレート側ボス部材の外周に遊嵌して外プレートに位置決め固定するディスク状アジャスターと前記外プレート側ボス部材の外周面およびディスク状アジャスターの内周面の間に介在して潤滑油の漏出を阻止するOリングと前記ブシュ端部に圧入嵌合して外プレート側ボス部材に対向配置する内プレート側ボス部材と前記ディスク状アジャスターの外周端部および内プレート側ボス部材の外周面の間に装着して封止する可撓性のダイヤフラムと前記ディスク状アジャスターの外周面に一部密接してダイヤフラムを囲繞するガイドリングとで構成されて前記連結ピンの内部から連結ピンの外周面に開口する給油孔を介してブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に供給された潤滑油の外部漏出を防止するシール機構を内プレートと外プレートとの間に設けたシールチェーンの製造方法であって、前記ディスク状アジャスターを外プレートに位置決めするとともに外プレート側ボス部材の外周にOリングを介在させた状態で遊嵌して前記ディスク状アジャスターとダイヤフラムとで少なくとも囲繞される空間に油保留領域を形成するディスク状アジャスター仮組工程と、該ディスク状アジャスター仮組工程の後に前記連結ピンの給油孔から油保留領域に供給される潤滑油の油圧で前記ディスク状アジャスターを押圧して外プレートに固定するディスク状アジャスター本組工程とで構成されていることにより、前述した課題を解決するものである。
また、本請求項5に係る発明は、離間配置する左右一対の内プレートと該内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してブシュ端部を内プレートの外側面から一部突出するブシュと該ブシュ内に遊嵌する連結ピンと該連結ピンを圧入嵌合して内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとで構成して、前記連結ピンに圧入嵌合してブシュのブシュ端部を包囲する外プレート側ボス部材と該外プレート側ボス部材の外周に遊嵌して外プレートに位置決め固定するディスク状アジャスターと前記外プレート側ボス部材の外周面およびディスク状アジャスターの内周面の間に介在して潤滑油の漏出を阻止するOリングと前記ブシュのブシュ端部に圧入嵌合して外プレート側ボス部材に対向配置する内プレート側ボス部材と前記ディスク状アジャスターの外周端部および内プレート側ボス部材の外周面の間に装着して封止する可撓性のダイヤフラムと前記ディスク状アジャスターの外周面に一部近接してダイヤフラムを囲繞するガイドリングとで構成されて前記連結ピンの内部から連結ピンの外周面に開口する給油孔を介してブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に供給された潤滑油の外部漏出を防止するシール機構を内プレートと外プレートとの間に設けたシールチェーンの製造方法であって、前記ディスク状アジャスターを外プレートに位置決めするとともに外プレート側ボス部材の外周にOリングを介在させた状態で遊嵌して前記ディスク状アジャスターとダイヤフラムとで少なくとも囲繞される空間に油保留領域を形成するディスク状アジャスター仮組工程と、該ディスク状アジャスター仮組工程の後に前記外プレートの外側面から内側面へ貫通して外プレートとディスク状アジャスターと外プレート側ボス部材とで囲繞される空隙領域に連通する連通孔から空隙領域内を吸引負圧状態にして前記ディスク状アジャスターを吸引して外プレートに固定するディスク状アジャスター本組工程とで構成されていることにより、前述した課題を解決するものである。
本発明に係るシールチェーンは、離間配置する左右一対の内プレートとこれら内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してブシュ端部を内プレートの外側面から一部突出するブシュとこのブシュ内に遊嵌する連結ピンとこの連結ピンを圧入嵌合して内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとで構成して、連結ピンの内部から連結ピンの外周面に開口する給油孔を介してブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に供給された潤滑油の外部漏出を防止するシール機構を内プレートと外プレートとの間に設けたことにより、ブシュと連結ピンとを潤滑油を介して円滑に摺動させてブシュと連結ピンとの摩耗に起因するチェーン摩耗伸びを抑制するとともにチェーン強度を維持するだけでなく、以下のような本発明に特有の効果を奏することができる。
すなわち、本請求項1に係る発明のシールチェーンは、シール機構が連結ピンに圧入嵌合してブシュのブシュ端部を包囲する外プレート側ボス部材とこの外プレート側ボス部材の外周に遊嵌して外プレートに位置決め固定するディスク状アジャスターと外プレート側ボス部材の外周面とディスク状アジャスターの内周面との間に介在して潤滑油の漏出を阻止するOリングとブシュのブシュ端部に圧入嵌合して外プレート側ボス部材に対向配置する内プレート側ボス部材とディスク状アジャスターの外周端部と内プレート側ボス部材の外周面との間に装着して封止する可撓性のダイヤフラムとディスク状アジャスターの外周面に一部近接してダイヤフラムを囲繞するガイドリングとで構成され、潤滑油を保留する油保留領域がディスク状アジャスターとダイヤフラムとで少なくとも囲繞される空間に形成されていることにより、ダイヤフラムがディスク状アジャスターと内プレート側ボス部材との間を塞いで油保留領域と外部とを分断するため、ダイヤフラムが内プレートと外プレートとの間における潤滑油の外部漏出を防止するとともに外部からの異物侵入を確実に回避することができる。
特に、ダイヤフラムがディスク状アジャスターと内プレート側ボス部材との間に装着されていることにより、チェーン屈曲時に、ダイヤフラムがディスク状アジャスターおよび内プレート側ボス部材に摺動することなく外プレートと内プレートとの相対的な回動に追従して外プレートの回動方向に弾性変形しながらディスク状アジャスターと内プレート側ボス部材との間を封止するため、従来のようなシール部材が内プレートや外プレートに摺動して摩損しがちなシールチェーンと比較すると、潤滑油の外部漏出を確実に防止してチェーン摩耗伸びを長期に亘って抑制することができ、また、ダイヤフラムが外プレートと内プレートとの相対的な回動に追従して弾性変形することで外プレート側ボス部材、ディスク状アジャスターおよび内プレート側ボス部材の相互間における取り付けの誤差を許容するため、外プレート側ボス部材、ディスク状アジャスターおよび内プレート側ボス部材の相互間におけるチェーン組立時の組み付け精度を緩和してチェーン製造の負担を大幅に軽減することができる。
また、油保留領域がディスク状アジャスターとダイヤフラムとで少なくとも囲繞される空間に形成されていることにより、ディスク状アジャスターを外プレートに対して位置決めした後に給油孔から油保留領域内に潤滑油を供給するだけで潤滑油の油圧によりディスク状アジャスターが外プレートに均一かつ正確に固定されるため、従来のようなシール機構のシール部材が捩れたり引き攣れたりして歪に取り付けられがちなシールチェーンと比較すると、シール機構を内プレートと外プレートとの間に組み付ける際に要する作業負担を大幅に軽減することができる。
そして、ガイドリングがダイヤフラムを囲繞していることにより、ガイドリングが潤滑油の油圧によるダイヤフラムの外周半径方向への膨出を阻止するため、ダイヤフラムを確実に作動させることができる。
本請求項2に係る本発明のシールチェーンは、請求項1に記載のシールチェーンが奏する効果に加えて、外プレートがディスク状アジャスターと対向するアジャスター側対向面に連結ピンに対して同心円状に凹設した案内溝部を備え、ディスク状アジャスターが連結ピンに対して同心円状に立脚して外プレートの案内溝部に位置決め緩挿する脚先端部とこの脚先端部に連続して設けて外プレートの案内溝部に圧入固定する脚基端部とを備えていることにより、ディスク状アジャスターの脚先端部を外プレートの案内溝部に遊嵌するだけでディスク状アジャスターを外プレートに対して仮組み可能となるとともにディスク状アジャスターを外プレートに向って変位させてディスク状アジャスターの脚基端部を外プレートの案内溝部に圧入するだけでディスク状アジャスターを外プレートに対して本組み可能となるため、従来のようなシール機構のシール部材が捩れたり引き攣れたりして歪に取り付けられがちなシールチェーンと比較すると、シール機構を内プレートと外プレートとの間に確実に組み付けることができる。
本請求項3に係る本発明のシールチェーンは、請求項1または請求項2に記載のシールチェーンが奏する効果に加えて、外プレートがこの外プレートの外側面から内側面へ貫通して外プレートとディスク状アジャスターと外プレート側ボス部材とで囲繞される空隙領域に連通する連通孔を備えていることにより、ディスク状アジャスターを外プレートに向って変位させて固定する際に、潤滑油の油圧によりディスク状アジャスターを押圧して間隙領域内の空気が容易に外部に放出されるため、ディスク状アジャスターを外プレート側に円滑に変位させることができ、また、連通孔から空隙領域内の空気を吸引して空隙領域内を負圧にすることが可能なため、ディスク状アジャスターを吸引して外プレート側に確実に変位させることもできる。
本請求項4に係る発明のシールチェーンの製造方法は、離間配置する左右一対の内プレートとこれら内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してブシュ端部を内プレートの外側面から一部突出するブシュとこのブシュ内に遊嵌する連結ピンとこの連結ピンを圧入嵌合して内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとで構成されて、連結ピンに圧入嵌合してブシュのブシュ端部を包囲する外プレート側ボス部材と外プレート側ボス部材の外周に遊嵌して外プレートに位置決め固定するディスク状アジャスターと外プレート側ボス部材の外周面およびディスク状アジャスターの内周面の間に介在して潤滑油の漏出を阻止するOリングとブシュ端部に圧入嵌合して外プレート側ボス部材に対向配置する内プレート側ボス部材とディスク状アジャスターの外周端部および内プレート側ボス部材の外周面の間に装着して封止する可撓性のダイヤフラムとディスク状アジャスターの外周面に一部密接してダイヤフラムを囲繞するガイドリングとで構成されて連結ピンの内部から連結ピンの外周面に開口する給油孔を介してブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に供給された潤滑油の外部漏出を防止するシール機構を内プレートと外プレートとの間に設けたシールチェーンが、ディスク状アジャスターを外プレートに位置決めするとともに外プレート側ボス部材の外周にOリングを介在させた状態で遊嵌してディスク状アジャスターとダイヤフラムとで少なくとも囲繞される空間に油保留領域を形成するディスク状アジャスター仮組工程と、このディスク状アジャスター仮組工程の後に連結ピンの給油孔から油保留領域に供給される潤滑油の油圧でディスク状アジャスターを押圧して外プレートに固定するディスク状アジャスター本組工程とで製造されていることにより、ディスク状アジャスターを外プレートに位置決めした後に給油孔から油保留領域内に潤滑油を供給するだけで潤滑油の油圧によりディスク状アジャスターが外プレートに固定されてディスク状アジャスターに追従して弾性変形するダイヤフラムがディスク状アジャスターと内プレート側ボス部材との間を封止するため、従来のようなシール機構のシール部材が捩れたり引き攣れたりして歪に取り付けられがちなシールチェーンと比較すると、シール機構を内プレートと外プレートとの間に組み付ける際に要する作業負担を著しく軽減することができる。
また、このようにして製造されたシールチェーンは、ダイヤフラムがディスク状アジャスターと内プレート側ボス部材との間に装着されていることにより、ダイヤフラムがディスク状アジャスターと内プレート側ボス部材との間を塞いで油保留領域と外部とを確実に分断するため、内プレートと外プレートとの間における潤滑油の外部漏出を防止するとともに外部からの異物侵入を確実に回避することができる。
本請求項5に係る発明のシールチェーンの製造方法は、離間配置する左右一対の内プレートとこれら内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してブシュ端部を内プレートの外側面から一部突出するブシュとこのブシュ内に遊嵌する連結ピンとこの連結ピンを圧入嵌合して内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとで構成されて、連結ピンに圧入嵌合してブシュのブシュ端部を包囲する外プレート側ボス部材と外プレート側ボス部材の外周に遊嵌して外プレートに位置決め固定するディスク状アジャスターと外プレート側ボス部材の外周面およびディスク状アジャスターの内周面の間に介在して潤滑油の漏出を阻止するOリングとブシュ端部に圧入嵌合して外プレート側ボス部材に対向配置する内プレート側ボス部材とディスク状アジャスターの外周端部および内プレート側ボス部材の外周面の間に装着して封止する可撓性のダイヤフラムとディスク状アジャスターの外周面に一部密接してダイヤフラムを囲繞するガイドリングとで構成されて連結ピンの内部から連結ピンの外周面に開口する給油孔を介してブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に供給された潤滑油の外部漏出を防止するシール機構を内プレートと外プレートとの間に設けたシールチェーンの製造方法であって、ディスク状アジャスターを外プレートに位置決めするとともに外プレート側ボス部材の外周にOリングを介在させた状態で遊嵌してディスク状アジャスターとダイヤフラムとで少なくとも囲繞される空間に油保留領域を形成するディスク状アジャスター仮組工程と、このディスク状アジャスター仮組工程の後に外プレートの外側面から内側面へ貫通して外プレートとディスク状アジャスターと外プレート側ボス部材とで囲繞される空隙領域に連通する連通孔から空隙領域内を吸引負圧状態にしてディスク状アジャスターを吸引して外プレートに固定するディスク状アジャスター本組工程とで構成されていることにより、ディスク状アジャスターを外プレートに位置決めした後に連通孔から空隙領域内を負圧にするだけでディスク状アジャスターが外プレートに確実に固定されてディスク状アジャスターに追従して弾性変形するダイヤフラムがディスク状アジャスターと内プレート側ボス部材との間を封止するため、従来のようなシール機構のシール部材が捩れたり引き攣れたりして歪に取り付けられがちなシールチェーンと比較すると、シール機構を内プレートと外プレートとの間に組み付ける際に要する作業負担を著しく軽減することができる。
また、このようにして製造されたシールチェーンは、ダイヤフラムがディスク状アジャスターと内プレート側ボス部材との間に装着されていることにより、ダイヤフラムがディスク状アジャスターと内プレート側ボス部材との間を塞いで油保留領域と外部とを確実に分断するため、内プレートと外プレートとの間における潤滑油の外部漏出を防止するとともに外部からの異物侵入を確実に回避することができる。
本発明の一実施例であるシールチェーンを一部切欠いた全体概要図。 図1に示すシールチェーンに用いるシール機構の組立分解図。 図1に示すシールチェーンの一部切欠平面図。 図3に示すIV−IV線から視たシールチェーンの断面図。 図4に示すV部の部分拡大図。 図1に示すシールチェーンの直線動作状態を示す一部切欠側面図。 図6に示すシールチェーンを屈曲させた状態を示す一部切欠側面図。 内プレート側ボス部材をブシュ端部に圧入嵌合した状態を示す図。 ディスク状アジャスター仮組工程の途中の状態を示す図。 ディスク状アジャスター仮組工程を完了した状態を示す図。 ディスク状アジャスター仮組工程の後で、潤滑油を供給する前の状態を示す図。 ディスク状アジャスター本組工程を完了した状態を示す図。 従来のシールチェーンを示す断面図。 図13のシールチェーンに用いるシール機構を示す部分拡大図。
本発明に係るシールチェーンは、離間配置する左右一対の内プレートとこれら内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してブシュ端部を内プレートの外側面から一部突出するブシュとこのブシュ内に遊嵌する連結ピンとこの連結ピンを圧入嵌合して内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとで構成して、連結ピンの内部から連結ピンの外周面に開口する給油孔を介してブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に供給された潤滑油の外部漏出を防止するシール機構を内プレートと外プレートとの間に設けて、シール機構が、連結ピンに圧入嵌合してブシュのブシュ端部を包囲する外プレート側ボス部材と、この外プレート側ボス部材の外周に遊嵌して外プレートに位置決め固定するディスク状アジャスターと、外プレート側ボス部材の外周面とディスク状アジャスターの内周面との間に介在して潤滑油の漏出を阻止するOリングと、ブシュのブシュ端部に圧入嵌合して外プレート側ボス部材に対向配置する内プレート側ボス部材と、ディスク状アジャスターの外周端部と内プレート側ボス部材の外周面との間に装着して封止する可撓性のダイヤフラムと、ディスク状アジャスターの外周面に一部近接してダイヤフラムを囲繞するガイドリングとで構成され、潤滑油を保留する油保留領域が、ディスク状アジャスターとダイヤフラムとで少なくとも囲繞される空間に形成されて、潤滑油を保留するダイヤフラムを内プレートと外プレートとの相対的な回動に円滑に追従させて潤滑油の外部漏出を確実に防止して、ブシュと連結ピンとの摩耗に起因するチェーン摩耗伸びを長期に亘って抑制し、しかも、チェーン製造の負担を軽減するものであれば、その具体的実施態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
すなわち、本発明のシールチェーンは、連結ピンとブシュとの間に潤滑油を封入してなるチェーンであれば良く、例えば、内プレート、外プレート、連結ピン、ブシュで構成されるブシュチェーン、または、内プレート、外プレート、連結ピン、ブシュ、ローラで構成されるローラチェーンのいずれであっても良い。
本発明のシールチェーンに用いられるダイヤフラムの具体的形態については、ディスク状アジャスターの外周端部と内プレート側ボス部材の外周面との間に装着して封止するものであれば良く、ダイヤフラムの表面を面一に形成した平膜状のものであっても、ダイヤフラムの表面に同心円状の山谷を形成した蛇腹状のものであっても構わない。
以下に、本発明に係る一実施例であるシールチェーンについて、図面に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の一実施例であるシールチェーンを一部切欠いた全体概要図であり、図2は、図1に示すシールチェーンに用いるシール機構の組立分解図であり、図3は、図1に示すシールチェーンの一部切欠平面図であり、図4は、図3に示すIV−IV線から視たシールチェーンの断面図であり、図5は、図4に示すV部の部分拡大図であり、図6は、図1に示すシールチェーンの直線動作状態を示す一部切欠側面図であり、図7は、図6に示すシールチェーンを屈曲させた状態を示す一部切欠側面図であり、図8は、内プレート側ボス部材をブシュ端部に圧入嵌合した状態を示す図であり、図9は、ディスク状アジャスター仮組工程の途中の状態を示す図であり、図10は、ディスク状アジャスター仮組工程を完了した状態を示す図であり、図11は、ディスク状アジャスター仮組工程の後で、潤滑油を供給する前の状態を示す図であり、図12は、ディスク状アジャスター本組工程を完了した状態を示す図である。
まず、本実施例であるシールチェーン100は、図1および図3に示すように、離間配置する左右一対の内プレート110、110とこれら内プレート110、110のブシュ孔111に圧入嵌合してブシュ端部120aを内プレート110の外側面110aから一部突出するブシュ120とこのブシュ120内に遊嵌する連結ピン130とこの連結ピン130を圧入嵌合して内プレート110をチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレート140、140とブシュ120の外周に遊嵌されたローラ150とで構成されて、連結ピン130の内部から連結ピン130の外周面130aに開口する給油孔131を介してブシュ120の内周面120bと連結ピン130の外周面130aとの間に供給された潤滑油の外部漏出を防止するシール機構160を内プレート110と外プレート140との間に設けている。
なお、図3に示す符号132は、潤滑油を貯留する油貯留部である。
上述したシール機構160は、図2乃至図5に示すように、連結ピン130に圧入嵌合してブシュ120のブシュ端部120aを包囲する外プレート側ボス部材161と、外プレート側ボス部材161の外周に遊嵌して外プレート140に位置決め固定するディスク状アジャスター162と、外プレート側ボス部材161の外周面161aとディスク状アジャスター162の内周面162aとの間に介在して潤滑油の漏出を阻止するOリング163と、ブシュ120のブシュ端部120aに圧入嵌合して外プレート側ボス部材161に対向配置する内プレート側ボス部材164と、ディスク状アジャスター162の外周端部162bと内プレート側ボス部材164の外周面164aとの間に装着して封止する可撓性のダイヤフラム165と、ディスク状アジャスター162の外周面162cに一部近接してダイヤフラム165を囲繞するガイドリング166とで構成されて、潤滑油を保留する油保留領域Sが、ディスク状アジャスター162とダイヤフラム165とで少なくとも囲繞される空間に形成されている。
なお、本実施例に用いたダイヤフラム165は、表面に同心円状の山谷を備えた蛇腹状に形成されてニトリルゴムから成っているが、内プレート110と外プレート140との相対的な回動に追従して弾性変形するものであれば良く、蛇腹状に形成されて金属から成るものあっても、平膜状に形成されてゴムから成るものであっても構わない。
また、本実施例に用いた外プレート側ボス部材161、ディスク状アジャスター162、内プレート側ボス部材164およびガイドリング166は、それぞれスチール製であるが、他の金属または樹脂であっても構わない。
これにより、ダイヤフラム165が、ディスク状アジャスター162と内プレート側ボス部材164との間を塞いで油保留領域Sと外部とを確実に分断している。
また、ダイヤフラム165がディスク状アジャスター162と内プレート側ボス部材164との間に装着されていることにより、図6および図7のハッチング部分に示すように、チェーン屈曲時に、ダイヤフラム165がディスク状アジャスター162および内プレート側ボス部材164に摺動することなく内プレート110と外プレート140との相対的な回動に追従して外プレート140の回動方向に弾性変形しながらディスク状アジャスター162と内プレート側ボス部材164との間を封止するため、従来のようなシール部材が内プレートや外プレートに摺動して摩損しがちなシールチェーンと比較すると、潤滑油の外部漏出を確実に防止してチェーン摩耗伸びを長期に亘って抑制し、また、ダイヤフラム165が内プレート110と外プレート140との相対的な回動に追従して弾性変形することで外プレート側ボス部材161、ディスク状アジャスター162および内プレート側ボス部材164の相互間における取り付けの誤差を許容するため、外プレート側ボス部材161、ディスク状アジャスター162および内プレート側ボス部材164相互間におけるチェーン組立時の組み付け精度を緩和してチェーン製造の負担を大幅に軽減している。
また、図5に示すように、油保留領域Sがディスク状アジャスター162とダイヤフラム165とで少なくとも囲繞される空間に形成されていることにより、ディスク状アジャスター162を外プレート140に対して位置決めした後に給油孔131から油保留領域S内に潤滑油を供給するだけで潤滑油の油圧によりディスク状アジャスター162が外プレート140に均一かつ正確に固定されるため、従来のようなシール機構のシール部材が捩れたり引き攣れたりして歪に取り付けられがちなシールチェーンと比較すると、シール機構160を内プレート110と外プレート140との間に組み付ける際に要する作業負担を大幅に軽減している。
そして、図5に示すように、ガイドリング166がダイヤフラム165を囲繞していることにより、ガイドリング166が潤滑油の油圧によるダイヤフラム165の外周半径方向への膨出を阻止するため、ダイヤフラム165が確実に作動するようになっている。
また、図5に示すように、外プレート140は、ディスク状アジャスター162と対向するアジャスター側対向面140aに連結ピン130に対して同心円状に凹設した案内溝部141を備え、ディスク状アジャスター162は、連結ピン130に対して同心円状に立脚して外プレート140の案内溝部141に位置決め緩挿する脚先端部162dと脚先端部162dに連続して設けて外プレート140の案内溝部141に圧入固定する脚基端部162eとを備えている。
これにより、ディスク状アジャスター162の脚先端部162dを外プレート140の案内溝部141に遊嵌するだけでディスク状アジャスター162を外プレート140に対して仮組み可能となるとともにディスク状アジャスター162を外プレート140に向って変位させてディスク状アジャスター162の脚基端部162eを外プレート140の案内溝部141に圧入するだけでディスク状アジャスター162を外プレート140に対して本組み可能になっている。
また、図11に示すように、外プレート140は、外プレート140の外側面140bから内側面140cへ貫通して外プレート140と外プレート側ボス部材161とディスク状アジャスター162とで囲繞される空隙領域Cに連通する連通孔142を備えている。
なお、本実施例に用いた外プレート140に形成した連通孔142は、外プレート140の連結ピン130を圧入嵌合するピン孔143の外周に等間隔で4つ設けているが、間隙空間Cと外部とを連通するものであれば、連通孔142を1乃至3つ設けても5つ以上設けても構わない。
これにより、連通孔142から空隙領域C内の空気を吸引して空隙領域C内を負圧にすることが可能であり、また、ディスク状アジャスター142を外プレート140に向って変位させて固定する際に、潤滑油の油圧によりディスク状アジャスター142を押圧して間隙領域C内の空気が容易に外部に放出されるようになっている。
次に、本実施例のシールチェーン100の製造方法について、図面に基づいて説明する。
シールチェーン100は、図8乃至図10に示すようなディスク状アジャスター仮組工程と図11および12に示すようなディスク状アジャスター本組工程とで製造される。
まず、図8の実線で示すように、ダイヤフラム165Lは、ディスク状アジャスター162Lの外周端部162bおよび内プレート側ボス部材164Lの外周面164aにそれぞれ接着固定され、また、ダイヤフラム165Rは、ディスク状アジャスター162Rの外周端部162bおよび内プレート側ボス部材164Rの外周面164aにそれぞれ接着固定されている。内プレート側ボス部材164L、164Rは、ブシュ端部120aにそれぞれ圧入嵌合される。
続いて、図8の鎖線および図9で示すように、連結ピン130の頭部133に近い方、すなわち図9の紙面左側のピン端部130bに、外プレート140Lと外プレート側ボス部材161Lとを圧入嵌合した後に、連結ピン130をブシュ120内に挿通する。
続いて、図9に示すように、ディスク状アジャスター162Lの脚先端部162dを外プレート140Lの案内溝部141に位置決め遊嵌するとともに外プレート側ボス部材161Lの外周にOリング163Lを介在させた状態で遊嵌して、ディスク状アジャスター162Lとダイヤフラム165Lとで少なくとも囲繞される空間に油保留領域Sを形成する。
続いて、図9の鎖線および図10で示すように、連結ピン130の頭部133から遠い方、すなわち図10の紙面右側のピン端部130cに、外プレート側ボス部材161Rを圧入嵌合する。
続いて、図10に示すように、ディスク状アジャスター162Rの脚先端部162dを外プレート140Rの案内溝部141に位置決め遊嵌するとともに外プレート側ボス部材161Rの外周にOリング163Rを介在させた状態で遊嵌して、ディスク状アジャスター162Rとダイヤフラム165Rとで少なくとも囲繞される空間に油保留領域Sを形成する。
続いて、外プレート140Rを連結ピン130の頭部から遠い方の軸端部に圧入する。
なお、本実施例においては、連結ピン130の頭部133が軸部よりも大径に形成されているため、外プレート側ボス部材161Lを外プレート側ボス部材161Rよりも先に連結ピンに圧入嵌合しているが、連結ピンの頭部と軸部とが同径である場合には、左右いずれの外プレート側ボス部材から連結ピンに圧入しても構わない。
次に、ディスク状アジャスター本組工程においては、図11および図12に示すように、ディスク状アジャスター仮組工程の後に連結ピン130の給油孔131から油保留領域Sに供給される潤滑油の油圧でディスク状アジャスター162Lを押圧することで、ディスク状アジャスター162Lの脚基端部162eを外プレート140Lの案内溝部141に圧入嵌合してディスク状アジャスター162Lを外プレート140Lに固定される。
なお、上述のディスク状アジャスター162Rもディスク状アジャスター162Lと同様にして外プレート140Rに固定される。
これにより、ディスク状アジャスター162L、162Rを外プレート140L、140Rに位置決めした後に給油孔131から油保留領域S内に潤滑油を供給するだけで潤滑油の油圧によりディスク状アジャスター162L、162Rが外プレート140L、140Rに固定されるようになっている。
なお、本実施例のシールチェーン100は、ディスク状アジャスター本組工程において、潤滑油の油圧のみでディスク状アジャスター162を外プレート140に向って変位して外プレート140に固定しているが、シールチェーン100の製造方法の他の変形例として、ディスク状アジャスター仮組工程の後に外プレート140の連通孔142から空隙領域C内を吸引負圧状態にしてディスク状アジャスター162を吸引して外プレート140に固定しても構わない。
これにより、ディスク状アジャスター162を外プレート140に位置決めした後に連通孔142から空隙領域C内を負圧にするだけでディスク状アジャスター162が外プレート140に確実に固定されてディスク状アジャスター162に追従して弾性変形するダイヤフラム165がディスク状アジャスター162と内プレート側ボス部材164との間を封止している。
このようにして得られた本実施例のシールチェーン100は、シール機構160が連結ピン130に圧入嵌合してブシュ120のブシュ端部120aを包囲する外プレート側ボス部材161とこの外プレート側ボス部材161の外周に遊嵌して外プレート140に位置決め固定するディスク状アジャスター162と外プレート側ボス部材161の外周面161aとディスク状アジャスター162の内周面162sとの間に介在して潤滑油の漏出を阻止するOリング163とブシュ120のブシュ端部120aに圧入嵌合して外プレート側ボス部材161に対向配置する内プレート側ボス部材164とディスク状アジャスター162の外周端部162bと内プレート側ボス部材164の外周面164aとの間に装着して封止する可撓性のダイヤフラム165とディスク状アジャスター162の外周面162sに一部近接してダイヤフラム165を囲繞するガイドリング166とで構成され、潤滑油を保留する油保留領域Sがディスク状アジャスター162とダイヤフラム165とで少なくとも囲繞される空間に形成されていることにより、ダイヤフラム165が内プレート110と外プレート140との間における潤滑油の外部漏出を防止するとともに外部からの異物侵入を確実に回避することができる。
また、外プレート140がディスク状アジャスター162と対向するアジャスター側対向面162fに連結ピン130に対して同心円状に凹設した案内溝部141を備え、ディスク状アジャスター162が連結ピン130に対して同心円状に立脚して外プレート140の案内溝部141に位置決め緩挿する脚先端部162dとこの脚先端部162dに連続して設けて外プレート140の案内溝部141に圧入固定する脚基端部162eとを備えていることにより、従来のようなシール機構のシール部材が捩れたり引き攣れたりして歪に取り付けられがちなシールチェーンと比較すると、シール機構160を内プレート110と外プレート140との間に確実に組み付けることができる。
そして、本実施例のシールチェーン100が、ディスク状アジャスター162を外プレート140に位置決めするとともに外プレート側ボス部材161の外周にOリング163を介在させた状態で遊嵌してディスク状アジャスター162とダイヤフラム165とで少なくとも囲繞される空間に油保留領域Sを形成するディスク状アジャスター仮組工程と、このディスク状アジャスター仮組工程の後に連結ピン130の給油孔131から油保留領域Sに供給される潤滑油の油圧でディスク状アジャスター162を押圧して外プレート140に固定するディスク状アジャスター本組工程とで製造されていることにより、従来のようなシール機構のシール部材が捩れたり引き攣れたりして歪に取り付けられがちなシールチェーンと比較すると、シール機構160を内プレート110と外プレート140との間に組み付ける際に要する作業負担を著しく軽減することができる等、その効果は甚大である。
100 ・・・ シールチェーン
110 ・・・ 内プレート
110a・・・ (内プレートの)外側面
111 ・・・ ブシュ孔
120 ・・・ ブシュ
120a・・・ ブシュ端部
120b・・・ (ブシュの)内周面
130 ・・・ 連結ピン
130a・・・ (連結ピンの)外周面
130b・・・ 連結ピンの頭部に近い方のピン端部
130c・・・ 連結ピンの頭部から遠い方のピン端部
131 ・・・ 給油孔
132 ・・・ 油貯留部
133 ・・・ 頭部
140、140L、140R・・・外プレート
140a・・・ (外プレートの)アジャスター側対向面
140b・・・ (外プレートの)外側面
140c・・・ (外プレートの)内周面
141 ・・・ 案内溝部
142 ・・・ 連通孔
143 ・・・ ピン孔
150 ・・・ ローラ
160 ・・・ シール機構
161、161L、161R・・・外プレート側ボス部材
161a・・・ (外プレート側ボス部材の)外周面
162、162L、162R・・・ディスク状アジャスター
162a・・・ (ディスク状アジャスターの)内周面
162b・・・ (ディスク状アジャスターの)外周端部
162c・・・ (ディスク状アジャスターの)外周面
162d・・・ 脚先端部
162e・・・ 脚基端部
163、163L、163R・・・Oリング
164、164L、164R・・・内プレート側ボス部材
164a・・・ (内プレート側ボス部材の)外周面
165、165L、165R・・・ダイヤフラム
166 ・・・ ガイドリング
S ・・・ 油貯留領域
C ・・・ 空隙領域
1 ・・・ シールチェーン
2 ・・・ 外リンクプレート
2a・・・ ピン孔
2b・・・ 対向面
3 ・・・ ピン
4 ・・・ 外リンク
5 ・・・ 内リンクプレート
5a・・・ ブシュ孔
5b・・・ 対向面
6 ・・・ ローラ
7 ・・・ ブシュ
7a・・・ 傾斜面
8 ・・・ 内リンク
9 ・・・ シール機構
10・・・ 弾性リング
11・・・ シールリング
11a・・・傾斜面
12・・・ 舌片付き樹脂製環状シール部材
12a・・・舌片
13・・・ リング状プレート

Claims (5)

  1. 離間配置する左右一対の内プレートと該内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してブシュ端部を内プレートの外側面から一部突出するブシュと該ブシュ内に遊嵌する連結ピンと該連結ピンを圧入嵌合して内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとで構成して、前記連結ピンの内部から連結ピンの外周面に開口する給油孔を介してブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に供給された潤滑油の外部漏出を防止するシール機構を内プレートと外プレートとの間に設けたシールチェーンにおいて、
    前記シール機構が、前記連結ピンに圧入嵌合してブシュのブシュ端部を包囲する外プレート側ボス部材と、該外プレート側ボス部材の外周に遊嵌して外プレートに位置決め固定するディスク状アジャスターと、前記外プレート側ボス部材の外周面とディスク状アジャスターの内周面との間に介在して潤滑油の漏出を阻止するOリングと、前記ブシュのブシュ端部に圧入嵌合して外プレート側ボス部材に対向配置する内プレート側ボス部材と、前記ディスク状アジャスターの外周端部と内プレート側ボス部材の外周面との間に装着して封止する可撓性のダイヤフラムと、前記ディスク状アジャスターの外周面に一部近接してダイヤフラムを囲繞するガイドリングとで構成され、
    前記潤滑油を保留する油保留領域が、前記ディスク状アジャスターとダイヤフラムとで少なくとも囲繞される空間に形成されていることを特徴とするシールチェーン。
  2. 前記外プレートが、前記ディスク状アジャスターと対向するアジャスター側対向面に連結ピンに対して同心円状に凹設した案内溝部を備え、
    前記ディスク状アジャスターが、前記連結ピンに対して同心円状に立脚して外プレートの案内溝部に位置決め緩挿する脚先端部と該脚先端部に連続して設けて外プレートの案内溝部に圧入固定する脚基端部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のシールチェーン。
  3. 前記外プレートが、該外プレートの外側面から内側面へ貫通して前記外プレートとディスク状アジャスターと外プレート側ボス部材とで囲繞される空隙領域に連通する連通孔を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシールチェーン。
  4. 離間配置する左右一対の内プレートと該内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してブシュ端部を内プレートの外側面から一部突出するブシュと該ブシュ内に遊嵌する連結ピンと該連結ピンを圧入嵌合して内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとで構成されて、前記連結ピンに圧入嵌合してブシュのブシュ端部を包囲する外プレート側ボス部材と前記外プレート側ボス部材の外周に遊嵌して外プレートに位置決め固定するディスク状アジャスターと前記外プレート側ボス部材の外周面およびディスク状アジャスターの内周面の間に介在して潤滑油の漏出を阻止するOリングと前記ブシュ端部に圧入嵌合して外プレート側ボス部材に対向配置する内プレート側ボス部材と前記ディスク状アジャスターの外周端部および内プレート側ボス部材の外周面の間に装着して封止する可撓性のダイヤフラムと前記ディスク状アジャスターの外周面に一部密接してダイヤフラムを囲繞するガイドリングとで構成されて前記連結ピンの内部から連結ピンの外周面に開口する給油孔を介してブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に供給された潤滑油の外部漏出を防止するシール機構を内プレートと外プレートとの間に設けたシールチェーンの製造方法であって、
    前記ディスク状アジャスターを外プレートに位置決めするとともに外プレート側ボス部材の外周にOリングを介在させた状態で遊嵌して前記ディスク状アジャスターとダイヤフラムとで少なくとも囲繞される空間に油保留領域を形成するディスク状アジャスター仮組工程と、
    該ディスク状アジャスター仮組工程の後に前記連結ピンの給油孔から油保留領域に供給される潤滑油の油圧で前記ディスク状アジャスターを押圧して外プレートに固定するディスク状アジャスター本組工程とで構成されていることを特徴とするシールチェーンの製造方法。
  5. 離間配置する左右一対の内プレートと該内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してブシュ端部を内プレートの外側面から一部突出するブシュと該ブシュ内に遊嵌する連結ピンと該連結ピンを圧入嵌合して内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとで構成して、前記連結ピンに圧入嵌合してブシュのブシュ端部を包囲する外プレート側ボス部材と該外プレート側ボス部材の外周に遊嵌して外プレートに位置決め固定するディスク状アジャスターと前記外プレート側ボス部材の外周面およびディスク状アジャスターの内周面の間に介在して潤滑油の漏出を阻止するOリングと前記ブシュのブシュ端部に圧入嵌合して外プレート側ボス部材に対向配置する内プレート側ボス部材と前記ディスク状アジャスターの外周端部および内プレート側ボス部材の外周面の間に装着して封止する可撓性のダイヤフラムと前記ディスク状アジャスターの外周面に一部近接してダイヤフラムを囲繞するガイドリングとで構成されて前記連結ピンの内部から連結ピンの外周面に開口する給油孔を介してブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に供給された潤滑油の外部漏出を防止するシール機構を内プレートと外プレートとの間に設けたシールチェーンの製造方法であって、
    前記ディスク状アジャスターを外プレートに位置決めするとともに外プレート側ボス部材の外周にOリングを介在させた状態で遊嵌して前記ディスク状アジャスターとダイヤフラムとで少なくとも囲繞される空間に油保留領域を形成するディスク状アジャスター仮組工程と、
    該ディスク状アジャスター仮組工程の後に前記外プレートの外側面から内側面へ貫通して外プレートとディスク状アジャスターと外プレート側ボス部材とで囲繞される空隙領域に連通する連通孔から空隙領域内を吸引負圧状態にして前記ディスク状アジャスターを吸引して外プレートに固定するディスク状アジャスター本組工程とで構成されていることを特徴とするシールチェーンの製造方法。
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