JP5838957B2 - 捩り振動減衰装置 - Google Patents

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Description

この発明は、クランクシャフトや動力伝達軸などの回転体の捩り振動を減衰するための装置に関し、特に回転体に取り付けた転動体の往復運動により、回転体の捩り振動を減衰するように構成された捩り振動減衰装置に関するものである。
この種の装置の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された装置は、エンジンのクランクシャフトと一体に回転する回転体を備え、その回転体の外周部に質量体を転動自在に収容する転動室が複数形成されている。転動室の内壁面のうち回転体の半径方向で外側の内壁面に転動面が形成されている。そして、回転体に捩り振動が生じると、その捩り振動に応じて質量体が転動面上を往復運動することにより上記の捩り振動が減衰されるようになっている。
特開平8−93855号公報
特許文献1に記載された構成では、転動体を転動面に接触させている力は実質上、遠心力のみであるため、その遠心力が小さい場合には、転動体は転動室内において、ある程度自由に移動する。例えば、回転体が回転し始めたりその回転が停止するなどの回転数が低い場合には転動体に生じる遠心力が小さいため、回転体もしくは転動面と、転動体との相対的な移動によって転動面の表面や転動室の内壁面などに転動体が衝突し、これが要因となって異音が発生したり、それらの部材が摩耗する可能性があった。また、転動体の振幅の範囲を転動面の端部で制限するとすれば、転動体の振幅が大きい場合には、その転動面の端部に転動体が衝突して異音や振動が発生する可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、転動体の振幅が増大することにより転動体と転動面の端部とが接触して異音が発生することを防止もしくは抑制するとともに、転動体を円滑に転動させて所期通りの振動減衰性能を得ることができる捩り振動減衰装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、トルクを受けて回転する回転体の回転中心から外れた箇所に前記回転体の円周方向に一定の間隔で形成された貫通部と、前記回転体の半径方向で前記貫通部の外周側の内壁面に前記回転中心から外れた箇所に曲率中心を有しかつ前記円周方向に沿って湾して形成された転動面と、前記貫通部内にそれぞれ配置されかつ前記回転体と共に回転することによる遠心力で前記転動面に押し付けられている状態で前記トルクが変動することによって前記転動面に沿って往復動する転動体とを備えた捩り振動減衰装置において、前記貫通部および前記貫通部に配置されている前記転動体が前記円周方向に往復動できるように覆う収容室と、前記収容室の内壁面のうち前記回転体の回転軸線方向での内壁面であってかつ前記円周方向での前記転動面の各端部側に対応する位置に前記転動体に向けて凸となって形成されており、前記転動体の移動を阻止するように挟み付ける拘束部とを有し、前記拘束部における前記転動体の挟み付け力は、前記拘束部に挟み付けられている前記転動体に生じる遠心力に起因して前記転動体を前記転動面における前記回転中心から最も遠い箇所に向けて移動させる力より小さいことを特徴とするものである。
また、この明における前記拘束部は、前記収容室の内壁面のうち前記回転体の回転軸線方向での内壁面に、前記円周方向に前記転動面に沿うように前記転動体に向けて凸となって形成され、前記拘束部の厚さは、前記転動体が前記遠心力によって押し付けられかつ前記トルクが変動することによって往復動する前記転動面に対応する部分では前記転動体が前記拘束部に接触しない厚さに設定されており、前記転動面の各端部側に対応する部分では前記転動体と前記拘束部とが接触する厚さに設定されていてよい。
さらに、この明における前記拘束部は、研磨材によって構成されいてよい。
そして、この明における前記拘束部は、前記転動体に摺動状態で接触する部材によって構成されていてよい。
この発明によれば、転動体の振幅が大きくなって回転体の回転方向での転動面の端部側に移動すると、その端部側に設けられた拘束部で転動体が拘束される。この発明において「転動体の振幅が大きい」とは、回転体のトルク変動や捩り振動に応じた転動体の往復動により、転動体が回転体の回転方向での転動面の端部に移動して接触することである。これに加えて、この発明に係る捩り振動減衰装置を搭載した車両の走行に伴う振動や急制動などのいわゆる外乱により転動体が回転体の回転方向での転動面の端部に移動して接触する状態を含む。例えば、転動体に生じる遠心力が小さい場合は、回転体の半径方向への転動体の拘束力が小さいため、転動体はある程度自由に移動する。そのため、転動体はトルク変動や捩り振動あるいは外乱などによって、転動面や回転体の回転方向での転動面の端部に接触しやすい。そして、回転体の回転方向での転動面の端部側に転動体が移動すると、その転動体が拘束部で拘束される。その結果、転動体に生じる遠心力が小さいとしても、転動面の端部に転動体が接触あるいは衝突することを防止もしくは抑制することができる。また、上記の端部に転動体が接触したとしても、その接触に伴って異音や振動が発生するなどの事態を防止もしくは抑制することができる。さらに、転動体と転動面の端部とが衝突することによる摩耗や破損なども防止もしくは抑制することができる。そして、回転体の回転数が増大して転動体に生じる遠心力が増大しかつその遠心力に起因して転動体を転動面における回転体の中心から最も遠い箇所に向けて移動させる力が、拘束部で転動体を拘束する力よりも大きくなると、上記の拘束が解除される。その状態で回転体のトルクが変動すると、転動体は転動面に沿って往復動する。その結果、所望の制振性能を得ることができる。
また、この発明によれば、拘束部は、転動面の端部側に対応する収容室の内壁面のうち回転体の軸線方向の内壁面に設けられている。つまり、拘束部は、転動体に設けられていない。拘束部を転動体に設けて転動体の重心が所望の位置から外れることにより、転動体が転動面に対して傾いて転動したりすることが防止もしくは抑制されている。また、転動体が傾いて転動することにより転動体や転動面に偏摩耗が生じるなどの事態が防止もしくは抑制されている。
さらに、この発明によれば、拘束部は転動面に沿って設けられおり、その厚さは、転動面の端部側で転動体に接触し、それ以外の部分では転動体と接触しない厚さに設定されている。転動体が傾いた状態で転動面の端部側に転動していくと、拘束部の肉厚は次第に厚くなっていく。そのため、転動面の端部側では、転動体の傾きを小さくすることができる。このような原理により、転動体の転動姿勢を矯正して円滑な往復動を行わせることができる。
そして、この発明によれば、拘束部はいわゆる摺動部材によって構成されているため、転動体の振幅が小さい場合において、転動体と拘束部とが接触したとしてもそれらの部材同士が互いに滑る。そのため、それらの接触による摩耗を低減することができる。また、転動体の振幅が増大して転動体が拘束部で拘束されたとしても、それらの間の摩擦係数を小さくすることができる。つまり、拘束部で転動体を拘束する力を小さくすることができるので、比較的容易に上記の拘束を解除することができる。
この発明に係る捩り振動減衰装置の一部を模式的に示す図である。 図1に示す転動体が遠心力により転動面における中立点に押し付けられている状態を模式的に示す断面図である。 図1に示す転動体が大きく振幅することにより回転体の回転方向で転動面における端部側に位置している状態を模式的に示す断面図である。 この発明に係る捩り振動減衰装置の他の例であって、転動体が回転体の回転方向で転動面における端部側に位置している状態を模式的に示す断面図である。 この発明に係る捩り振動減衰装置のまた他の例であって、転動体が回転体の回転方向で転動面における端部側に位置している状態を模式的に示す断面図である。 参考例の捩り振動減衰装置であって、転動体が回転体の回転方向で転動面における端部側に位置している状態を模式的に示す断面図である。 この発明に係る捩り振動減衰装置のまた更に他の例であって、転動体が回転体の回転方向で転動面における端部側に位置している状態を模式的に示す断面図である。 この発明に係る捩り振動減衰装置のそして更に他の例における一部を模式的に示す図である。 図8に示すこの発明に係る捩り振動減衰装置の一部を模式的に示す断面図である。 図8に示す平面Aに沿う断面図である。 図8に示す平面Bに沿う断面図である。 図8に示すこの発明に係る捩り振動減衰装置における拘束部を、回転体の回転方向での転動体の軸線の軌跡に沿うように収容室の内壁面に設けた例である。 図12に示す平面Bに沿う断面図である。 図8に示すこの発明に係る捩り振動減衰装置における拘束部を、収容室の内壁面における回転体の半径方向で外側に、転動面の形状に沿うように湾曲して設けた例である。 図14に示す平面Bに沿う断面図である。
次に、この発明をより具体的に説明する。図1に、この発明に係る捩り振動減衰装置の一部を模式的に示してある。回転体1は一例として円板状の部材であって、図示しないエンジンのクランクシャフトや変速機の回転軸あるいはトルクコンバータのポンプインペラーやタービンランナーなどと一体に回転するように構成されている。この回転体1の外周側の部分に複数の転動体2が回転体1の回転方向すなわち円周方向に一定の間隔を空けて取り付けられている。図2は、転動体2が、遠心力により転動面における中立点に押し付けられている状態を模式的に示す断面図である。中立点については後述する。転動体2は、図2に示す例では、回転体1の板厚より僅かに長い支持軸2Aの両端部に、支持軸2Aの外径より大きい外径の円板部2Bを設けた、断面形状が「H」形を成す部材である。これに対して、回転体1の外周部には、その円周方向に長く板厚方向に貫通した貫通部3が、上記の複数の転動体2に対応して複数形成されている。その貫通部3の幅あるいは回転体1の半径方向での開口幅は、転動体2における支持軸2Aの外径より大きくかつ円板部2Bの外径より小さい幅に設定されている。したがって、円板部2Bの内側壁面が回転体1の側面に引っ掛かって転動体2が貫通部3から抜け出ないようになっている。なお、転動体2は、回転体1の板厚より僅かに長い支持軸2Aの両端部に、支持軸2Aの外径より小さい外径の円板部2Bを設けた、断面形状が「I」形を成す部材であってもよい。また転動体2の形状は、円筒形状や円柱形状であってもよい。
貫通部3の外周側の内壁面は、転動体2が主として遠心力によって押し付けられる面であって、回転体1の中心から半径方向で外側にずれた所定の点を中心とした円弧面あるいはその円弧面に近似した曲面に形成された転動面4となっている。したがって、転動面4はその長手方向での中央部が、回転体1の中心から最も遠く、ここが中立点P0となっており、その中立点P0から左右にずれるほど回転体1の中心に次第に近づくようになっている。転動面4がこのように形成されていることにより、回転体1が回転して転動体2に遠心力が作用すると、転動体2は転動面4における中立点P0に押し付けられあるいは拘束される。そしてそのような状態で回転体1のトルクが変動すると、すなわち捩り振動が生じると、転動体2が中立点P0を挟んで往復動する。
この発明に係る捩り振動減衰装置では、転動体2は収容室5の内部に収容されている。回転体1には、図2に示すように、カバー6が取り付けられていてカバー6によって形成される空間が収容室5となっている。収容室5は各転動体2毎に独立して設けられていてもよい。図2に示す例では、各収容室5は、一対のカバー6を回転体1を挟んでその両側面に取り付けることにより形成されている。カバー6は、例えば貫通部3を覆う大きさに構成されている。収容室5の幅つまり回転体1の厚さ方向に測った幅は、図2に示すように、転動体2の軸線方向の長さより僅かに長く形成されている。転動体2は軸線方向に幾分移動できるから、円板部2Bの内側壁面の外周縁は、図2に示すように、面取りされて傾斜面2cが形成されている。そのため、例えば、転動体2が転動面4に対して傾いて往復動する場合に、円板部2Bの内側壁面の外周縁が回転体1の側面に接触してそれらの部材が摩耗したり破損したりすることが防止もしくは抑制されている。
図3は、転動体2が、大きく振幅することにより回転体1の回転方向で転動面4における端部側に位置している状態を模式的に示す断面図であって、上記の端部側に対応するカバー6の内壁面に、拘束部7が設けられている。その拘束部7が設けられる位置を、図1にはクロスハッチングを付した領域として記載してある。拘束部7は、図1および図3に示すように、回転体1の半径方向で内側のカバー6の内壁面に設けられており、一例として、ゴムや樹脂などの弾性体や転動体2に摺動状態で接触する摺動部材によって形成されている。したがって、図3に示す例では、転動体2の振幅が大きくなって転動体2が転動面4の端部側に移動した場合に、拘束部7と円板部2Bの外側壁面との間に生じる摩擦力により転動体2が拘束されたり、拘束部7の弾性的な変形つまり弾性力によって転動体2が挟み付けられて拘束されるようになっている。つまり、ここに示す例では、転動体2は一対の拘束部7の間に嵌まり込んで拘束されるようになっている。
ここで、上述した「転動体2の振幅が大きい」とは、設計上設定した範囲を越えて転動体2が往復運動あるいは振子運動を行うことであり、例えば、転動面4が各転動体2毎に独立して設けられている場合に、回転体1の回転方向での転動面4の端部側に転動体2が移動しまた接触することである。これは、上述したような大きなトルク変動や捩り振動が転動体2に入力した場合の他に、この発明に係る捩り振動減衰装置を搭載した車両の走行に伴う振動や急制動などの外乱により転動体2が収容室5内で自由に移動して転動面4の端部側に移動したり接触したりする場合を含む。そのため、この発明では、回転体1の回転方向で転動面4の端部に転動体2が接触する場合は、上記のいずれの原因であっても、転動体2が拘束部7で拘束されるようになっている。これに対して「転動体2が振幅する、あるいは振幅が小さい」とは、転動体2が設計上設定した範囲内で往復運動あるいは振子運動を行うことである。つまり、転動体2が、遠心力により転動面4に押し付けられて中立点P0を中心にして往復動し、転動面4の端部に転動体2が接触しないということである。
次に図1に示す構成の捩り振動減衰装置1の作用について説明する。回転体1が停止している場合は、転動体2はそれぞれの収容室5における最も低い位置に留まっている。回転体1にトルクが作用して回転体1が回転し始めると、回転体1の回転数の増大に伴って転動体2に生じる遠心力が大きくなる。その遠心力によって転動体2が転動面4に押し付けられる。その状態を模式的に示したのが図1および図2である。回転体1が回転している状態でそのトルクが変動すると、転動体2が中立点P0を中心にして往復動あるいは振子運動するため、所期通りの振動減衰特性を得ることができる。
上記の回転体1が回転し始めたり、その回転が停止する前などの回転数が低い状態において、例えばトルクが大きく変動すると、それによって転動体2の振幅が大きくなり、上記の端部側に転動体2が移動する可能性がある。そして、上記の端部側に移動した転動体2は、その運動エネルギによって一対の拘束部7の間に嵌まり込む。その状態を模式的に示したのが図3である。転動体2が、図3に示すように拘束部7に拘束されていれば、転動体2を収容室5内で自由に移動させるようなトルク変動や外乱が生じていたとしても、転動体2が収容室5の内壁面や転動面4に衝突して異音を発生することがない。また、拘束部7が設けられている箇所は、図1や図3に示すように、転動面4の端部側において、転動体2の中心軸線よりも回転体1の半径方向で内側であるため、転動面4に対する転動体2の傾きの程度が小さい状態で転動体2は拘束部7に拘束される。このように転動体2は、転動面4に対して大きく傾いた状態で拘束されないため、その拘束が解除された直後における転動体4の傾きの程度を小さくできるようになっている。
そして、回転体1の回転数が増大すると、転動体2に生じる遠心力およびその遠心力に起因して転動体2を中立点P0に向けて移動させる力も大きくなる。その遠心力に起因して転動体2を中立点P0に向けて移動させる力が転動体2を拘束している摩擦力や弾性力よりも大きくなると、転動体2が拘束部7から抜け出て転動面4上を中立点P0に向けて転動する。つまり転動体2の拘束が解除される。そしてトルク変動が生じると、そのトルク変動によって転動体2が往復動するため所期通りの振動減衰特性を得ることができる。
このように、この発明に係る捩り振動減衰装置では、転動体2の振幅が増大する場合に、上記の端部側で転動体2が拘束される。そのため、トルク変動や捩り振動あるいは外乱などが転動体2に作用することにより、転動体2が収容室5内で自由に移動してその内壁面や転動面4に衝突して異音や振動が発生することを防止もしくは抑制することができる。また、上記の端部側においては、転動体2はその傾きが小さい状態で拘束されるため、その拘束が解除された場合においては、その傾きが小さい状態から転動し始めることになる。つまり、拘束された後に再び転動を開始する場合にはその傾きがすなわち転動姿勢が矯正されている。このようにして転動姿勢を安定化することができるため、転動体2と転動面4との接触部分に偏摩耗が生じることを防止もしくは抑制することができる。さらに、回転体1の回転方向での転動面4の両端部であって、転動面4の中立点P0から等しい距離に各拘束部7を設ければ、各拘束部7で拘束された複数の転動体2は、遠心力に起因して転動体2を中立点P0に向けて移動させる力によって同時に、かつ同様に往復動し始める。つまり、各転動体2の往復動にばらつきが生じていたとしても、それらが一旦拘束されることにより、各転動体2を同様に往復動させることが可能になり、拘束部7による調芯効果が期待できる。
上記の拘束部7を研磨材として機能し得る摩擦材によって構成することもできる。具体的に説明すると、転動体2が往復動している場合において、転動面4に対して転動体2が傾くことにより、円板部2Bの外周壁面の外周縁と収容室5の内壁面とが接触すると、上記の外周縁にバリが生じる可能性がある。そのバリは、転動体2と収容室5の内壁面とが繰り返し接触することにより大きくなり、そのように大きくなったバリが剥離して転動面4に運ばれると、転動面4や転動体2の摩耗の原因になる可能性がある。そこで、上述した摩擦材によって拘束部7を形成すれば、転動体2の振幅が増大して拘束部7で拘束される場合に、上記のバリが小さいうちに削り取ることが可能になる。その結果、大きなバリが生じることを防止もしくは抑制するとともに、大きなバリが剥離して異物となり、転動面4や転動体2の摩耗の原因となることを防止もしくは抑制することができる。なお、詳細は図示しないが、転動体2やカバー6が主に金属によって構成されることを考慮すると、収容室5の内部で転動体2の往復動に干渉しない位置に磁石を設け、その磁石に上記の拘束部7で削り取ったバリを付着させることが好ましい。このように磁石を設ければ、バリが転動面4などに運ばれないようにすることが可能になる。
図4は、この発明に係る捩り振動減衰装置の他の例であって、転動体2が、回転体1の回転方向で転動面4における端部側に位置している状態を模式的に示す断面図である。図4に示す例は、皿ばねによって拘束部8を構成した例である。このような構成であっても、転動体2の振幅が増大した場合においては、図1ないし図3に示す例と同様に、拘束部8で転動体2を拘束することができる。一例として、皿ばねの弾性力を小さく設定すれば、拘束部8において転動体2を弱い力で拘束するため、転動体2の往復動を阻害することなくあるいは往復動を維持しつつ、転動体2と転動面4の端部との衝突を防止もしくは抑制することができる。つまり、皿ばねを緩衝材として機能させることも可能になる。これに対して、皿ばねの弾性力を大きく設定すれば、転動体2を強く拘束することが可能になる。収容室5内で転動体2が自由に移動する事態が生じたとしても、転動体2が拘束部8に確実に固定されているので、異音が発生することを防止もしくは抑制できる。また回転体1の回転数が増大して転動体2の遠心力が増大すると、その遠心力に起因して転動体2を中立点P0に向けて移動させる力によって上記の転動体2の固定が解除され、転動体2の往復動による振動減衰作用を生じさせることができる
図5は、この発明に係る捩り振動減衰装置のまた他の例であって、転動体2が、回転体1の回転方向で転動面4における端部側に位置している状態を模式的に示す断面図である。図5に示す例は、収容室5側におけるカバー6の壁面に凸部を形成しこれを拘束部9とした例である。このような構成であっても、転動体2の振幅が増大した場合においては、図1ないし図3に示す例と同様に、拘束部9で転動体2を拘束することができる。特に、図5に示すような構成であれば、カバー6の形状を変更することによって拘束部9を形成するため、部品点数を削減することが可能になる。
図6は、参考例の捩り振動減衰装置であって、転動体2が、回転体1の回転方向で転動面4における端部側に位置している状態を模式的に示す断面図である。図6に示す参考例は、回転体1の軸線方向において、転動面4を形成している回転体1の板厚を増大させることにより拘束部10を構成した例である。具体的には、図6に示すように、転動面4を形成している回転体1の板厚が、回転体1の軸線方向に増大させられ、これが、一対の円板部2Bの間に嵌まり込むことによって転動体2が拘束されるように構成されている。したがって、このような構成であっても、転動体2の振幅が増大した場合においては、上述した各例と同様に、転動面4の端部側で転動体2を拘束して上記と同様の効果を得ることができる。
図7は、この発明に係る捩り振動減衰装置のまたさらに他の例であって、転動体2が、回転体1の回転方向で転動面4における端部側に位置している状態を模式的に示す断面図である。図7に示す例は、回転体1の回転方向での転動面4の端部側であって、かつ、収容室5を形成しているカバー6の内壁面のうち、回転体1の軸線方向での一方の内壁面に拘束部11を設けた例である。このような構成では、転動体2の振幅が増大して転動体2が上記の端部側に移動すると、その転動体2は拘束部11と接触することにより回転体1の軸線方向にスライドさせられる。そして、図7に示すように、拘束部11とは反対側の円板部2bの外側壁面と収容室5の内壁面とが接触する。このように図7に示す例では、転動体2と拘束部11とが摩擦接触することによりこれらの間に生じる摩擦力に加えて、円板部2bの外側壁面と収容室5の内壁面とが摩擦接触することによりこれらの間に生じる摩擦力によっても転動体2が拘束される。そのため、転動体2を確実に固定し、異音や振動の発生を防止もしくは抑制することができる。また回転体1の回転数が増大して転動体2の遠心力に起因して転動体2を中立点P0に向けて移動させる力が、上述した拘束力である摩擦力よりも増大すると、転動体2の固定が解除され、転動体2の往復動による振動減衰作用を生じさせることができる。
上述したように、転動面4に対して転動体2が傾いた状態で往復動すると、転動体2の外周縁が収容室5の内壁面に接触してバリが形成されたり偏摩耗が生じる可能性がある。そのため、転動体2の傾きを防止もしくは抑制することが好ましい。図8はその一例を示しており、各転動体2ごとに設けられた収容室5の内壁面における回転体1の半径方向で内側に、転動面4の形状に沿うように湾曲して拘束部12が設けられている。拘束部12は、ここに示す例では、転動体2に摺動状態で接触して摩擦力を生じる部材によって形成されている。拘束部12と転動体2とは互いに滑って接触するようになっており、そのため、それらの間の摩耗が低減され、すなわち、それらの間の摺動抵抗が低減されるようになっている。拘束部12としては固体潤滑材を用いることができる。固体潤滑材としては例えば黒鉛やポリテトラフルオロエチレンあるいはこれらを含有する部材などを用いることができる。図8において、回転体1の回転軸線に平行でかつ中立点P0を通る平面を符号Aを用いて示してあり、また、回転体1の回転軸線に平行でかつ回転体1の回転方向での転動面4の端部を通る平面を符号Bを用いて示してある。
図9は、図8に示すこの発明に係る捩り振動減衰装置の一部を模式的に示す断面図であり、拘束部12は、転動面4の中立点P0を中心にして転動体2が往復動する範囲に対応する箇所において、その肉厚が薄くなっており、これの部分を以下の説明では薄肉部12Aと称する。これに対して、回転体1の回転方向での転動面4の端部側に対応する拘束部12の肉厚は厚く形成されており、この部分を以下の説明では固定部12Bと称する。薄肉部12Aの肉厚は固定部12Bに向けて滑らかに増大するようになっている。
図10は、図8に示す平面Aに沿う断面図であって、転動体2が、遠心力により中立点P0に押し付けられている状態を模式的に示している。転動体2の振幅が小さい場合においては、図10に示すように、転動体2の外側壁面と収容室5の内壁面との間には隙間が生じており、これらが接触しないようになっている。転動体2に傾きθが生じた場合には、転動体2の外側壁面の外周縁と薄肉部12Aとが接触する。薄肉部12Aは上述したように、回転体1の半径方向で内側に設けられているため、転動体2の傾きθが小さいとしても、転動体2の外側壁面の外周縁と接触する。また、転動体2は往復動をしているため、中立点P0から次第に離れていく。転動体2が中立点P0から離れていくと、図9に示すように、薄肉部12Aの肉厚が固定部12Bに向かって次第に厚くなっていく。つまり、転動体2が中立点P0から離れていくと、上述した転動体2の傾きが中立点P0における傾きθよりも小さくなっていく。上述した構成の拘束部12が設けられているため、転動体2は往復動することによりその傾きが矯正される。
図11は、図8に示す平面Bに沿う断面図であって、転動体2が、大きく振幅することにより回転体1の回転方向で転動面4における端部側に位置している状態を模式的に示している。上述した各種の要因によって転動体2の振幅が増大し、転動面4の端部に向かって移動すると、転動体2の外側壁面と拘束部12との隙間が次第に狭まり、上述した各例と同様に、転動面4の端部において転動体2が拘束部12によって拘束される。つまり、図11に示すように、固定部12Bの間に転動体2が嵌り込み、これらの間に生じる摩擦力あるいは弾性力などにより転動体2が固定される。そして、拘束力である摩擦力や弾性力よりも転動体2の遠心力に起因して転動体2を中立点P0に向けて移動させる力が大きくなると、固定部12Bから転動体2が解放される。
上述した構成の捩り振動減衰装置では、転動体2が往復動する場合に転動体2が傾いたとしても、その傾きθが小さいうちにその傾き矯正することができるため、転動体2の転動姿勢を安定化して所期通りの振動減衰性能を得ることができる。また、拘束部12には、薄肉部12Aと固定部12Bとが一体的に構成されかつそれらの肉厚が滑らかに変化するように構成されているため、これらを独立して構成する場合に比較して部材同士のつなぎ目や段差をなくすことができる。そのため、転動体2がそれらのつなぎ目に接触することによる摺動抵抗の変化によってその転動姿勢が乱れることを防止もしくは抑制することができる。また部品点数を削減することができる。
図12は、図8に示すこの発明に係る捩り振動減衰装置における拘束部12を、回転体1の回転方向での転動体2の中心軸線の軌跡に沿うように収容室5の内壁面に設けた例である。図13は、図12に示す平面Bに沿う断面図であって、転動体2が、大きく振幅することにより回転体1の回転方向で転動面4における端部側に位置している状態を模式的に示している。このような構成では、図8に示す例に比較して、転動体2が傾いて拘束部12に接触したとしても、その接触による拘束部12での圧力の増大が生じにくい。すなわち、傾きに起因する回転体1の軸線方向への転動体2の移動が生じにくい。そのため、拘束部12と転動体2とが摩擦接触するとしても、それによる摩耗が図8に示す例に比較して生じにくい。その結果、この発明に係る捩り振動減衰装置の耐久性を向上させることができる。なお、図13に示すように、転動体2の回転軸線上における外側壁面にピン形状の凸部13を設け、その凸部13が拘束部12に接触するように構成すれば、それらの間の接触面積を可及的に小さくでき、それらの部材が摩擦接触することにより摩耗量をさらに低減することが可能になる。
図14は、図8に示すこの発明に係る捩り振動減衰装置における拘束部12を、収容室5の内壁面における回転体1の半径方向で外側に、転動面4の形状に沿うように湾曲して設けた例である。図15は、図14に示す平面Bに沿う断面図であって、転動体2が、大きく振幅することにより回転体1の回転方向で転動面4における端部側に位置している状態を模式的に示している。このような構成では、転動体2の拘束および解除を転動面4の近くで行うため、上記の拘束あるいは解除によって転動面4から転動体2が離れるようなことがあるとしても、その離隔の程度を小さくすることができる。つまり、転動面4から離隔した転動体2が転動面4に衝突するとしても、その運動エネルギを小さくすることができるので、その衝突に伴う異音や振動の発生を防止もしくは抑制することができる。
1…回転体、 2…転動体、 4…転動面、 5…転動体、 7…拘束部。

Claims (4)

  1. トルクを受けて回転する回転体の回転中心から外れた箇所に前記回転体の円周方向に一定の間隔で形成された貫通部と、前記回転体の半径方向で前記貫通部の外周側の内壁面に前記回転中心から外れた箇所に曲率中心を有しかつ前記円周方向に沿って湾して形成された転動面と、前記貫通部内にそれぞれ配置されかつ前記回転体と共に回転することによる遠心力で前記転動面に押し付けられている状態で前記トルクが変動することによって前記転動面に沿って往復動する転動体とを備えた捩り振動減衰装置において
    前記貫通部および前記貫通部に配置されている前記転動体が前記円周方向に往復動できるように覆う収容室と、
    前記収容室の内壁面のうち前記回転体の回転軸線方向での内壁面であってかつ前記円周方向での前記転動面の各端部側に対応する位置に前記転動体に向けて凸となって形成されており、前記転動体の移動を阻止するように挟み付ける拘束部とを有し、
    前記拘束部における前記転動体の挟み付け力は、前記拘束部に挟み付けられている前記転動体に生じる遠心力に起因して前記転動体を前記転動面における前記回転中心から最も遠い箇所に向けて移動させる力より小さい
    とを特徴とする捩り振動減衰装置。
  2. 前記拘束部は、前記収容室の内壁面のうち前記回転体の回転軸線方向での内壁面に、前記円周方向に前記転動面に沿うように前記転動体に向けて凸となって形成され
    前記拘束部の厚さは、前記転動体が前記遠心力によって押し付けられかつ前記トルクが変動することによって往復動する前記転動面に対応する部分では前記転動体が前記拘束部に接触しない厚さに設定されており、前記転動面の各端部側に対応する部分では前記転動体と前記拘束部とが接触する厚さに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の捩り振動減衰装置。
  3. 記拘束部は研磨材によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の捩り振動減衰装置。
  4. 前記拘束部は、前記転動体に摺動状態で接触する部材によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の捩り振動減衰装置。
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