JP5838504B2 - ロボットを用いた容器洗浄システム - Google Patents
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まず、容器を載置して搬送するコンベアは、チェーンやローラーなどの機械的な部品により構成される。かかる部品には、潤滑油が付与され、また、サビが生ずるものである。このようなコンベアは、各工程を実行するブース内を通過する際に、これらブース内に潤滑油やサビ等をもたらすことによって、ブース内に汚れを発生させてしまう。
また、ブース内には、洗浄水や洗剤等の水分が付着することが避けられないため、時間の経過とともに、カビや藻が発生する。このようにブース内に発生したカビや藻等が、ブース内を移動するコンベアに付着して、ブース内全体が汚れる可能性もある。
このようにブース内が汚れると、ブース内を通過する容器自体が汚れることになるため、容器を洗浄するという本来の目的が達成されなくなる可能性がある。これを防止するためには、洗浄装置(特にブース内及びコンベア)を定期的に清掃及び点検する必要がある。
1−1.概略
図1は、本発明の実施の形態に係る洗浄装置の構成を模式的に示す上面図である。図1に示すように、本実施の形態に係る洗浄装置100は、容器Cに対して予洗浄工程を実施する予洗浄室110と、この予洗浄室110に隣接して配置され、容器Cに対して本洗浄工程を実施する本洗浄室120(容器の洗浄に関連した第1の処理を実行するための第1の処理室)と、この本洗浄室120に対向して配置され、容器Cに対して乾燥工程を実施する乾燥室130(容器の洗浄に関連した第2の処理を実行するための第2の処理室)と、搬入台10の上に置かれた容器Cを予洗浄室110及び本洗浄室120に搬入する第1のロボット140と、本洗浄室120に搬入された容器Cを外部に搬出し、容器Cを乾燥室130に搬入し、乾燥室130に搬入された容器Cを搬出して搬出台20の上に載置する第2のロボット150と、を含む。
図2は、本実施の形態に係る洗浄装置の一部分を図1中の方向Xから見て簡略化して示す側面図である。なお、図1中の方向Xから見た場合、搬入台10と第1のロボット140とが重なるため、図2では、便宜上、搬入台10は、本来の位置からずらして示されている。
図1を参照するに、本実施の形態では、乾燥室130として、例えば3つの乾燥室130A〜130Cが、本洗浄室120から隔離され一列に設置されている。これら3つの乾燥室はすべて同一の構成を有するものである。
図3は、本実施の形態に係る洗浄装置の一部分を図1中の方向Yから見て簡略化して示す側面図である。なお、図3では、便宜上、搬出台20の表現が省略されている。図4は、本実施の形態に係る洗浄装置の一部分を図1中の方向Zから見て簡略化して示す側面図である。なお、図1中の方向Zから見た場合、搬入台20と第2のロボット150とが重なるため、図4では、便宜上、搬入台20は、本来の位置からずらして示されている。
図3に示すように、各乾燥室は、前面(紙面上左端)に開口132が形成された箱型の形状を有する処理室である。開口132には、鉛直方向又は水平方向にスライドするシャッターS3が設けられている。シャッターS3がスライドすることにより、開口132が開状態又は閉状態となる。各乾燥室は、これに隣接して配置された熱風発生ユニット30(図1参照)により供給路134を介して供給される熱風を内部に取り込むことにより、載置台136に載置された容器Cを乾燥させる。
第1のロボット140及び第2のロボット150は、同一の構成を有するロボットとすることができるものである。よって、第1のロボット140のみに着目し、その構成について図5を参照して説明する。図5は、本実施の形態に係る洗浄装置において用いられる第1のロボット140の構成を簡略化して示す斜視図である。
チャック部560は、略直方体状の形状を有し、連絡部550の先端554に固定された本体部562と、互いに平行に対向して延び、本体部562の延設方向に沿ってD6方向においてスライドするように本体部562に接続された、2つの棒状部材564と、を含む。これら2つの棒状部材564は、互いに近づく方向にスライドすることにより、両者の間にある容器Cを把持することができる。これら2つの棒状部材564における容器Cとの接触面は、板状の樹脂等により形成されるようにしてもよい。
2−1.予洗浄工程
図1に示すように、図示しないコンベアにより搬送されてきた容器C(使用済みの汚れた容器C)が搬入台10に載置されている。図2に示すように、第1のロボット140が、そのチャック560を用いて容器Cを把持し、搬入開口112を介して予洗浄室110の内部に搬入する。このとき、容器Cの開口1は、上方を向き、放出管116に対向している。この放出管116から放出された洗浄水(洗浄液)が開口1から容器Cの内部に供給される。第1のロボット140は、連絡部550の先端部554をD5方向(図5参照)において回動させることにより、容器Cを揺動させる。この後、第1のロボット140が、開口1が下方向を向くように容器Cを回動させることにより、容器Cに供給された洗浄水を容器Cから排出する。これにより、予洗浄工程が終了する。なお、このような予洗浄工程においては、本洗浄室120の搬入開口122及び搬出開口124は、それぞれシャッターS1及びシャッターS2が閉じていることによって閉状態となっている。また、ここでは、予洗浄工程が洗浄水を用いて容器Cを洗浄する工程である場合について説明したが、本発明は、これに限定されず、予洗浄工程がエアブローを用いて容器Cを洗浄する工程である場合をも含むものである。
シャッターS1が開かれることによって、搬入開口122が開状態とされる。第1のロボット140は、搬入開口122を介して容器Cを本洗浄室120の内部に搬入し、開口1が下方を向いた状態となるように容器Cを載置台126の上に載置すると、ロボット140(のチャック部560)は、本洗浄室120の外部に退避する。シャッターS1が閉じられ、搬入開口122が閉状態とされる。これにより、本洗浄室120は、密閉された状態となっている。この状態において、上述したノズル128A、128B、128Cから容器Cに対して洗浄水(洗浄液)が噴射され、容器Cが洗浄される。洗浄が完了すると、シャッターS2が開かれることにより、搬出開口124が開状態とされる。
図3を参照して乾燥室130に着目すると、乾燥室130のシャッターS3が開かれることにより開口132が開状態とされる。チャック部560に容器Cを把持させた状態にある第2のロボット150は、開口132を介してチャック部560を乾燥室130の内部に搬入し、開口1が下方を向いた状態で容器Cを載置台136の上に載置する。第2のロボット150が乾燥室130の外部に退避すると、シャッターS3が閉じて開口132が閉状態とされる。この後、乾燥室130の内部に供給路134を介して熱風が供給されることにより、容器Cに対する乾燥動作が行われる。所定の時間が経過すると、乾燥室130の内部に対する熱風の供給が停止し、シャッターS3が開かれる。
通常、乾燥室130が1つの容器Cの乾燥を完了させるのに必要な時間(例えば15分)は、本洗浄室120が1つの容器Cの洗浄を完了させるのに必要な時間(例えば5分)よりも長いことが多い。この場合、1番目の容器C1の乾燥工程を開始するとともに、2番目の容器C2の本洗浄工程を開始した後、5分が経過しても、このとき、乾燥室130は、依然として容器C1の乾燥工程を実行している(残り約10分)。よって、本洗浄室120は、3番目の容器C3の本洗浄工程を開始するためには、約11分待機していなくてはならない。したがって、本洗浄室120による本洗浄工程と乾燥室130による乾燥工程とを並行して継続的に実行することができなくなる。
上述したように、図1において、斜線が付された外縁により画定される領域がクリーンルームRである。このクリーンルームRは、容器Cの入り口として本洗浄室120を用いることにより、クリーンルームRに対する汚れの侵入を確実に防止することができる。
すなわち、通常の状態にあっては、図2に示すように、本洗浄室120のシャッターS1及びシャッターS2が閉じていることにより搬入開口122及び搬出開口124がともに閉状態とされているので、本洗浄室120を介して汚れがクリーンルームRの内部に侵入することはほとんどない。使用済みの汚れた容器Cが本洗浄室120に搬入される本洗浄工程が実行される場合であっても、依然として、シャッターS2が閉じて搬出開口124が閉状態とされている。シャッターS2が開かれて搬出開口124が開状態になったときというのは、容器Cに対する本洗浄処理が完了したときである。本洗浄処理が完了した容器CがクリーンルームRの内部に持ち込まれた後、直ぐにシャッターS2が閉ざされ搬出開口124は閉状態に戻される。このようにして、クリーンルームRは清潔に保たれる。
上記実施の形態では、本洗浄室120に配置された容器Cを外部に搬出する動作、乾燥室130A〜130Cに容器Cを搬入する動作、及び、乾燥室130A〜130Cに配置された容器Cを外部に搬出する動作が、すべて同一のロボット(第2のロボット150)により実行される場合について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、各動作がその動作に固有に設けられたロボットにより実行される構成をも含むものである。
本発明の各実施の形態においては、従来技術に係る洗浄装置のように全ブースを横断するコンベアにより容器を搬送するのではなく、複数の処理室を互いに隔離して配置し、各処理室間における容器の移送を各処理室に形成した開口を介してロボットにより実行させている。これにより、(コンベアがブースに常に接触しているのに対して)機械的な部品により構成されるロボットと各処理室とが接触する時間は、各処理室に容器を搬入又は各処理室から容器を搬出するごく短い時間のみであるので、各処理室内に汚れが発生する可能性を著しく低減することができる。
また、洗浄工程を実行する処理室(例えば本洗浄室)内には、洗浄水(洗浄液)等の水分が付着することは避けられないものの、かかる処理室は、容器に対する洗浄工程を完了させた後に自己洗浄を行うことができる。加えて、洗浄工程を実行する処理室と別の処理室(例えば乾燥工程を実行する乾燥室)とは、互いに隔離されているので、洗浄工程を実行する処理室で発生した汚れ等が別の処理室に搬送される事態も抑えられる。
このように各処理室が汚染される要因が抑えられているので、各処理室に搬入される容器が汚染される可能性も非常に低くすることができる。これにより、容器を確実に洗浄することが可能な洗浄装置を提供することができる。
R クリーンルーム
S1、S2、S3 シャッター
100 洗浄装置
112、122 搬入開口
114、124 搬出開口
120 本洗浄室(第1の処理室)
130、130A、130B、130C 乾燥室(第2の処理室)
132 開口
140 第1のロボット
150 第2のロボット
Claims (8)
- クリーンルーム外部に配置された第1のロボットと、クリーンルーム内部に配置された第2のロボットとを用いて物品を洗浄及び乾燥する装置であって、
予洗浄室及び本洗浄室がクリーンルーム外部に、乾燥室がクリーンルーム内部にあり、 予洗浄のために前記物品を予洗浄室に搬入し、予洗浄の終了後に前記物品を本洗浄室に搬入する前記第1のロボットと、
前記物品の本洗浄の終了後、本洗浄室から前記物品を搬出して、1以上の乾燥室のいずれかに搬入する前記第2のロボットと、
本洗浄室を密閉空間にして、本洗浄室内部を洗浄する自己洗浄手段とを備え、
本洗浄室の開口部に設けた開閉自在なシャッター機構を閉状態にすることによって、本洗浄室の密閉空間を形成するとともに、クリーンルーム及び非クリーンルームで分離されるエリアを形成する、前記装置。 - 前記物品の本洗浄は、前記シャッター機構を閉状態にして行う、請求項1に記載の装置。
- 前記第2のロボットが本洗浄室から前記物品を搬出した後、前記自己洗浄手段により本洗浄室の洗浄が行われる、請求項1又は2に記載の装置。
- 前記乾燥室が複数ある場合、各乾燥室の乾燥時間を、前記物品の洗浄を完了する時間よりも長く設定しておき、
前記第2のロボットが、複数の乾燥室のうち使用していない乾燥室に本洗浄後の前記物品を搬入することによって、洗浄処理と乾燥処理とを並行して実行させる、請求項1〜3の何れか1項に記載の装置。 - 物品の洗浄及び乾燥方法であって、
クリーンルーム外部に配置された第1のロボットが、予洗浄のために物品を予洗浄室に搬入し、予洗浄の終了後に前記物品を本洗浄室に搬入する処理と、
前記物品の本洗浄の終了後、クリーンルーム内部に配置された第2のロボットが、本洗浄室から前記物品を搬出して、1以上の乾燥室のいずれかに搬入する処理と、
本洗浄室を密閉空間にして、本洗浄室内部を洗浄する処理と、を含み、
本洗浄室の開口部に設けた開閉自在なシャッター機構を閉状態することによって、本洗浄室の密閉空間を形成するとともに、クリーンルーム及び非クリーンルームで分離されるエリアを形成する、前記方法。 - 前記物品の本洗浄は、前記シャッター機構を閉状態にして行われる、請求項5に記載の方法。
- 前記第2のロボットが本洗浄室から前記物品を搬出した後、本洗浄室の洗浄が行われる、請求項5又は6に記載の方法。
- 前記乾燥室が複数ある場合、各乾燥室の乾燥時間を、前記物品の洗浄を完了する時間よりも長く設定しておき、
前記第2のロボットが、複数の乾燥室のうち使用していない乾燥室に本洗浄後の前記物品を搬入することによって、洗浄処理と乾燥処理とが並行して行われる、請求項5〜7の何れか1項に記載の方法。
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