JP5837545B2 - 延長柵体の連結構造ならびに獣害防護柵に使用する延長柵体およびその使用方法 - Google Patents

延長柵体の連結構造ならびに獣害防護柵に使用する延長柵体およびその使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5837545B2
JP5837545B2 JP2013215236A JP2013215236A JP5837545B2 JP 5837545 B2 JP5837545 B2 JP 5837545B2 JP 2013215236 A JP2013215236 A JP 2013215236A JP 2013215236 A JP2013215236 A JP 2013215236A JP 5837545 B2 JP5837545 B2 JP 5837545B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
elastic
fence
fence body
connection base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013215236A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015077082A (ja
Inventor
英子 夏目
英子 夏目
博行 夏目
博行 夏目
Original Assignee
夏目金網工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 夏目金網工業株式会社 filed Critical 夏目金網工業株式会社
Priority to JP2013215236A priority Critical patent/JP5837545B2/ja
Publication of JP2015077082A publication Critical patent/JP2015077082A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5837545B2 publication Critical patent/JP5837545B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Catching Or Destruction (AREA)

Description

本発明は、既に設置されている既存の柵体に延長柵体を連続するための連結構造と、この連結構造を備えた獣害防護柵およびその使用方法に関するものである。
獣害防護柵は、田畑における栽培作物を害獣から防護するために、田畑の周りに設置させるものであり、一般的には、害獣によって破壊されない強度を有する金属性の線材を使用し、これを格子状に配置して金網を構成したものであった(特許文献1参照)。そして、当該金網を構成する縦方向の線材の一部を杭とし、または、網目を通過させた個別の杭を使用して、その下端を地中に埋設することによって、獣害防護柵を設置するものであった。
他方、獣害防護柵を連結する構造については、横方向に連続する獣害防護柵について、隣接する縦方向の線材を連結するものがあった(特許文献2参照)。しかしながら、この技術は、複数の獣害防護柵を横向きに連続させるための連結構造であって、下端を地中に埋設した支柱杭と、隣接する獣害防護柵の縦方向の線材とを同時に固定するものであった。
特開2011−147425号公報 特開2003−92976号公報 実用新案登録第3185156号公報
上記に示した特許文献1には、横方向の線材が配置される間隔を変化させ、柵体の下位において小型の害獣が通過できないように構成されたものが開示され、柵体の上位および下位における横方向の線材の間隔を小さくすることによって、高さ方向に反転して設置することを可能にしたものも開示されている。
しかしながら、上記の獣害防護柵は、設置した状態における柵体の高さが一定であり、その高さを変更するためには、予め変更した高さの柵体を製造し、それを設置するほかなかった。また、柵体よりも上方から侵入する害獣に対しては、電気線を架設し、感電効果によってその侵入を防止させるものであった。
なお、電気線を架設するためには、柵体よりも上方に延出する長尺な支柱を使用することとなるが、単に、長尺な支柱を立設し、支柱の上端に電気線を架設するものであった。また、特許文献3には、柵体よりも上方に針金を架設する構成が開示されているが、柵体のような強度を備えるものではなかった。
ところで、害獣によって作物に被害を受ける田畑は、近隣に山などが迫っている地形の場合が比較的多くなっている。これは、山などに害獣が生息し、夜間に平野部に降りてくることが原因であると考えられる。そこで、山などの傾斜地が田畑に接近している環境では、防護柵を十分な高さに設置したとしても、傾斜地を上った位置では、防護柵の高さは実質的に低くなることから、跳躍力のある害獣は、傾斜地のやや高い位置から飛び越えることを可能にしていた。
これに対処すべく防護柵を一層高くすることが想定されるが、第一に、一般的な防護柵よりも高くしたものを製造する場合は、特注品となるため高価にならざるを得ず、第二に、防護柵の面積が大きくなるため、容易に運搬できないという問題点を有していた。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、既存の柵体に容易に連結し得る延長柵体の連結構造を提供するとともに、当該連結構造を備えた延長柵体を提供し、獣害防護柵を高さ方向に延長させることができるようにすることである。
そこで、本願発明者は種々検討した結果、柵体の連結構造、獣害防護柵の延長柵体およびその使用方法を完成させるに至ったものである。
連結構造にかかる本発明は、少なくとも複数の線材が略平行に配置される既存の柵体に延長柵体を係止するための連結構造であって、延長柵体の本体領域から突出する適宜弾性力を有する複数の弾性長尺部材と、これらの各弾性長尺部材の先端に形成され、前記本体領域の側を開口させつつ鉤状に形成された連結基部と、この連結基部の鉤状内側に形成される底部との間に、前記既存の柵体を構成する線材の少なくとも直径または肉厚に相当する間隙を形成するように該連結基部に設けられた線材係入形成部とを備えることを特徴とするものである。
上記構成によれば、連結基部に設けられた線材係入形成部によって、連結基部の内側底部との間に所定の間隙が形成されることとなり、既存の柵体を構成する線材を係入させることによって、延長柵体を支持させることが可能となるのである。ここで、連結基部は、弾性長尺部材の先端に形成されていることから、この弾性長尺部材を既存の柵体に交差させることで延長柵体を安定させることができる。すなわち、既存の柵体を構成する略平行な複数の線材に対し、当該弾性長尺部材が直交するように配置するとともに、既存の柵体の略平行な2本の線材の間を通過させ、そのうちの1本を跨いだ状態で、さらに他の1本の線材を連結基部に係入させるのである。これにより、既存の柵体の線材を跨いだ弾性長尺部材が弾性力を発揮することとなり、先端の連結基部を所定方向に付勢することとなる。その付勢の方向が当該線材を係入する方向となることにより、係入状態が維持され、結果的に連結基部が既存の線材に係止され、連結され得ることとなるのである。なお、既存の柵体を構成する線材は、連結基部との連結により変形しない程度の強度を有する例えば金属製の部材であることが好ましく、弾性長尺部材は、適度な弾性力(復元力)を得るため、例えば金属製で構成することが好ましい。
上記発明における連結基部は、前記弾性長尺部材の先端近傍を湾曲して該弾性長尺部材と一体的に構成することができる。また、線材係入形成部は、前記既存の柵体を構成する線材を係入方向へ案内する案内部を有する構成とすることができる。
さらに、上記構成における連結基部は、前記弾性長尺部材の先端近傍を湾曲して構成され、前記線材係入形成部は、前記連結基部の先端近傍をさらに該連結基部の内側に向けて折り返して構成された案内部を備え、該案内部の先端部が該連結基部の鉤状内側に形成される底部との間に前記間隔を有する状態で配置させた構成としてもよい。
上記構成によれば、連結基部の先端付近で折り返された部分により、案内部が形成され、その先端に所定の間隙を形成させることができる。このように、弾性長尺部材の先端の適宜個所を湾曲させることにより、連結部材、線材係入形成部および案内部を弾性長尺部材に連続しつつ一体的に形成することができる。また、連結基部の内側に案内部が形成されることによって、既存の柵体を構成する線材を連結基部の内側に侵入させた後、延長柵体を移動させることによって、既存の柵体を構成する線材を線材係入形成部に向かって案内させることができることとなり、連結作業を容易にするものである。
なお、上記各構成における弾性長尺部材は、前記延長柵体を構成する部材の一部を延出させることにより構成したものとすることができる。延長柵体が、既存の柵体と同様に線材を網状に配置して構成される場合、その線材の一部を長尺にすることにより、部分的に延出する弾性長尺部材を設けることができるのである。
延長柵体にかかる本発明は、少なくとも複数の横向き線材を有する既存の獣害防護柵を高さ方向に延長するための柵体であって、延長すべき網体を形成してなる網体形成領域と、この網体形成領域に連続して形成され、前記既存の獣害防護柵に連結するための連結部形成領域とを備え、前記連結部形成領域は、適度な弾性力を有し、前記網体形成領域から高さ方向に突出する複数の弾性線材と、これらの各弾性線材の先端に形成され、開口部を上向きにしてなる鉤状の連結基部と、この連結基部の鉤状内側に形成される底部との間に、前記既存の獣害防護柵を構成する横向き線材の少なくとも直径または肉厚に相当する間隙を形成するように該連結基部に設けられた線材係入形成部とを備えることを特徴とするものである。
上記構成によれば、網体領域から突出する複数の弾性線材を使用して既存の獣害防護柵に連結し、網体領域を当該獣害防護柵に連続するように配置することによって、既存の獣害防護柵を延長させることができる。すなわち、既存の獣害防護柵は、複数の横向きを有するものであり、弾性線材の長手方向を高さ方向に向けて延長柵体を配置することにより、弾性線材を横向き線材に直交させることができる。そこで、2本の横向き線材の間に弾性線材を通過させ、そのうちの1本の横向き線材を跨いだ状態とし、さらに、それよりも下方に位置する他の1本の横向き線材を連結基部に係入させることにより、横向き線材を跨いだ弾性線材の弾性力によって、その先端の連結基部を所定方向に付勢することができる。なお、そのときの付勢の方向が当該横向き線材を係入する方向となるように、連結基部の向きを調整することにより、線材係入形成部に係入された横向き線材は、その係入状態が維持されることとなり、結果的に、獣害防護柵に延長柵体を連結し得ることとなるのである。なお、前記連結構造にかかる発明と同様に、既存の獣害防護柵を構成するための横向き線材は、連結基部との連結により変形しない程度の強度を有する例えば金属製の部材であることが好ましく、弾性線材は、適度な弾性力(復元力)を有するため、例えば金属製で構成することが好ましい。
上記発明における連結基部は、前記弾性線材の先端近傍を湾曲して一体的に構成することができる。このような構成により、連結基部は、弾性線材と一体であることから、連結基部に対する横向き線材の係入により既存の獣害防護柵に対して弾性線材を連結し、この弾性線材の連結により延長柵体の延長状態を安定させることができる。
また、上記各構成における線材係入形成部は、前記既存の獣害防護柵を構成する横向き線材を係入方向へ案内する案内部を有する構成とすることができる。この案内部は、連結基部の内側に侵入した横向き線材を、線材係入形成部によって形成される間隙に案内するためのものであり、連結基部の内側における横向き線材の位置を案内部に沿って移動させることにより、容易に横向き線材を係入させることができる。
さらに、上記構成における連結基部は、前記弾性線材の先端近傍を湾曲して構成され、前記線材係入形成部は、前記連結基部の先端近傍をさらに該連結基部の内側に向けて折り返して構成された案内部を備え、該案内部の先端部が該連結基部の底部との間に前記間隔を有する位置に配置させるように構成することができる。このような構成によれば、連結基部および線材係入形成部を1本の連続した弾性線材によって構成することができる。他の部材を溶接等によって固着する必要がないことから、極めて簡便に加工することができ、また、その強度は弾性線材に依存することとなるから、当該弾性線材を高強度の材料によって構成することにより、強靱な連結状態を実現することができる。
また、上記各構成における網体形成領域は、縦方向の線材と横方向の線材とで網状に形成されており、弾性線材は、前記縦方向の線材の一部を延長して構成することができる。このような構成によれば、弾性線材は、網体形成領域を構成する縦方向の線材をも構成するため、網体形成領域を構成する部材のほかに、別途弾性線材を設けることを省略することができる。また、弾性線材が網体形成領域の縦方向の線材と共通する部材であることから、網体形成領域と弾性線材との一体性が確保されることとなる。
延長柵体の使用方法にかかる本発明は、少なくとも複数の横向き線材を有する既存の獣害防護柵に対し、前記各構成の延長柵体を使用する方法であって、前記連結基部が設けられる側を下向きにしつつ前記弾性線材を斜状にした状態で、前記延長柵体を前記既存の獣害防護柵に接近させ、該獣害防護柵を構成する横向き線材のうちの2本の横向き線材の間に前記弾性線材を挿通させつつ該延長柵体を下降させ、少なくとも下方に位置する1本の横向き線材を該弾性線材が跨ぐような状態としつつ、さらに下方に位置する横向き線材が、前記連結基部の開口部から該連結基部の内側に侵入するように延長柵体全体を徐々に上昇させるとともに、前記連結基部の前記底部と前記線材係入形成部とで形成される間隙に該横向き線材を係入させるように延長柵体全体をさらに上昇させ、弾性線材の弾性力により前記係入状態を維持させることを特徴とするものである。
上記構成によれば、延長柵体を傾斜しつつ既存の獣害防護柵に接近させるとともに、当該延長柵体を下降したのち再び上昇させることのみによって連結させることができることから、迅速かつ簡便に連結作業を行うことができる。さらに、結束線やボルト等の他の部材を不要とし、これらの固定作業の手間を省くことができる。
連結構造にかかる本発明によれば、既存の柵体に延長柵体を容易に連結することができる。すなわち、既存の柵体を構成する略平行な複数の線材のうち、2本の線材の間に弾性長尺部材を挿入し、ほかの線材を使用して連結基部を係止することにより延長柵体を固定させることができるので、固定のための部材を使用することなく連結することができることとなる。また、通常の既存の柵体は、既に設置が完了しており、移動させることができないが、本発明の連結構造によれば、既存の柵体と延長柵体との相対的な位置関係を変化させることによって、連結基部の係止を可能にすることから、移動させることができない既存の柵体に対し、連結前の状態の延長柵体を自由に移動させることによって、連結基部を係止させることができるものである。
他方、延長柵体にかかる本発明によれば、延長柵体が前記連結構造を備えているので、設置済みの獣害防護柵に対して、高さ方向に柵体を延長することができる。そして、その柵体の延長に際しては、前記連結構造を利用するため、既存の獣害防護柵を構成する横向き線材に連結基部を係止することによって容易に連結することが可能となる。
また、前記延長柵体の使用方法にかかる本発明によれば、前記構成の延長柵体を構成する弾性線材による弾性力を発揮させつつ、弾性線材の先端に設けられる連結基部を既存の獣害防護柵に係止することができることから、強固な連結を実現させることができる。また、このような使用法の場合には、溶接等による溶着やボルト等による締着などの方法とは異なり、容易に延長柵体を設置でき、また、その撤去も可能となる。さらに、結束線を使用した結束の方法とは異なり、撤去の際に廃棄物を生じさせることもない。
延長柵体にかかる実施形態を示す説明図である。 (a)は延長柵体を既存の柵体に連結した状態を示し、(b)は(a)におけるIIB−IIB線による断面図である。 延長柵体に備える連結構造による連結の手順を示す説明図である。 延長柵体を使用した際の状態を示す説明図である。 他の実施形態を示す説明図である。 他の実施形態を示す説明図である。
以下、本発明の詳細を説明するため、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、延長柵体の構造を示す図である。この図に示す延長柵体1は、網体形成領域10aと、連結部形成領域10bとで構成されている。網体形成領域10aは、横向き線材11と縦向き線材12によって網目状に形成されている。連結部形成領域10bは、前記縦向き線材12を延出してなる弾性線材13が適宜間隔で配置されている。これらの横向き線材11および縦向き線材12は、ともに金属製の線材であり、交差する部分は溶接等によって予め固着されている。また、弾性線材13も同様に金属製の線材によって構成されており、さらに、複数設けられる弾性線材13は全て同じ長さに設けられている。なお、線材とは、比較的小径の棒状部材を意味するものであり、所定の断面積を有するものであり、本実施形態では円形断面の丸棒を使用している。直径3mm〜7mmの範囲のステンレスによって構成することにより、適度な強度と適度な弾性力を得ることができる。また、弾性とは、樹脂等のように柔軟な状態を意味するものではなく、比較的硬質でありながら変形に対する復元が可能であることを意味し、上記復元に必要な力を弾性力と称している。
ところで、上記弾性線材13の先端は既存の柵体(獣害防護柵等)との連結を可能とする連結構造となっている。この連結構造は、弾性線材13の先端付近を湾曲して鉤状とした連結基部2が形成されており、鉤状に形成されることによって開口する部分は上方に向かった状態となっている。また、連結基部2の先端は内側に向けて折り返すように湾曲され、折り返し領域3が設けられ、その先端31によって線材係入形成部3を形成している。すなわち、連結基部2を鉤状に形成するために湾曲させた部分の内側は凹状となっており、その最も下方に位置する部分(これを底部21と称する)と、折り返し領域3の先端31との間に所定の間隙が形成されており、この間隙に後述する既存の柵体(獣害防護柵等)を構成する線材が係入できるようになっているのである。所定の間隙とは、線材を係入させるために、少なくとも当該線材1本分の直径または肉厚に相当する程度である。なお、線材の断面が円形の場合には直径相当の間隙が、断面が円形以外の場合は肉厚相当の間隙が少なくとも必要である。
他方、上記延長柵体1が連結されるべき既存の柵体(獣害防護柵)5は、少なくとも横向き線材51が平行な状態で配置されたものであり、本実施形態において例示するものは、縦向き線材52とともに網目状に構成されたものである。この種の獣害防護柵5は、縦向き線材52が支柱として機能させることができるため、この縦向き線材52の下端を地中に埋設して設置されるのである。なお、縦向き線材52が小径に過ぎる場合は、大きい径の棒状支柱を別途用意し、棒状支柱を地中に埋設したうえで、この棒状支柱に縦向き線材を結束するなどによって固定する方法がある。いずれの場合においても既存の獣害防護柵は地表に立設された状態で設けられるものである。
そこで、上記構成の延長柵体1の連結状態について説明する。図2(a)は、弾性線材13を既存の獣害防護柵5の横向き線材51に係止した状態を示す図であり、図2(b)は、IIB−IIB線による断面図である。この図に示すように、弾性線材13は、上下に平行な3つの横向き線材51a,51b,51cによって、弾性変形されつつ、下位の横向き線材51cに先端部が係止されることによって固定される。
このとき、弾性線材13は、上位の横向き線材51aと中間の横向き線材51bの間に挿通され、中間の横向き線材51bを跨ぐ状態となっており、連結基部2の内側に下位の横向き線材51cを係入させることにより、当該弾性線材13は弾性変形により弓状にとなるのである。そして、弾性線材13の弾性力により、連結基部2には、付勢力が付与されることとなり、係止状態が維持されることとなるのである。すなわち、係止状態において、下位の横向き線材51cは、線材係入形成部3の先端31と連結基部2の底部21との間で形成される間隙部分に係入されるのであるが、連結基部2と横向き線材51cとは、相対的に、下位の横向き線材51cが間隙部分に係入される方向に付勢されることとなる。従って、外力を付与しない限り、連結基部2は、間隙部分に横向き線材51cを係入させる方向に継続的に付勢されるのである。また、この間隙部分は、前記のとおり、線材係入形成部3の先端31と連結基部2の底部21との間に形成されることから、横向き線材51cの下位は連結基部2の底部が、その上位は線材係入形成部3の先端31が、それぞれ当接することとなり、横向き線材51cは上下方向に対する移動も制限されるのである。間隙部分に横向き線材51cが係入した時点で、横向き線材51cは、外力を受けることなしに係入を解除することができない状態となるのである。
次に、上記延長柵体1の使用方法(取り付け方法)について説明する。本実施形態の延長柵体1の構成は、上記のとおりであるから、複数の弾性線材13を同時に、同じ高さの横向き線材15a〜15cを使用して連結される。
図3は、図2と同様の断面視における弾性線材13と横向き線材51a〜51cの状態を示す図である。なお、複数弾性線材13は、同じ位置において同様に状態が形成されることから、1本の弾性線材13の状態をもって説明する。まず、図3(a)に示すように、弾性線材13の先端(連結基部2が設けられる先端)から、上位の横向き線材51aと中間の横向き線材51bの間に挿通させる。このとき、連結基部2の開口部20aは、弾性線材13よりも下位となるように、その向きを調整する。
次に、図3(b)に示すように、連結基部2の鉤状先端20bを下位の横向き線材51cに接近させる。このとき、弾性線材13は未だ弾性変形していない状態である。なお、鉤状とした連結基部2の湾曲状態により、弾性線材13を弾性変形させることなく、鉤状先端20bよりも内側に下位の横向き線材51cを当接させることができる。特に、線材係入形成部3に当接可能にすることにより、当該線材係入形成部3を案内部として機能させることができる。そこで、本実施形態では、弾性線材13を弾性変形させることなく、下位の横向き線材51cが線材係入形成部3に当接できるように構成されているものを例示する。
そこで、下位の横向き線材51cが線材係入形成部3に一部に当接した状態から、弾性線材13を上方へ移動させるのである(図3(c)参照)。この弾性線材13の移動により、相対的に、下位の横向き線材51cは、線材係入形成部3の本体部を摺接しつつ先端31に向かって移動することとなる。そして、線材係入形成部3は、鉤状の連結基部2の内側に大きく張り出した状態となっているため、当該線材係入形成部3の本体部を下位の横向き線材51cが摺接することにより、連結基部2が強制的に移動され、弾性線材13を弾性変形し得る外力Fを作用することとなる。
さらに、弾性線材13を上方へ移動させることにより、線材係入形成部3の先端31と連結基部2の底部21とで形成される間隙まで、下位の横向き線材51cを移動させることができるのである。このとき、上述のように、弾性線材13は弾性変形されていることから、連結基部2に対して弾性力(復元力)fが作用しており、間隙に到達した時点で、その弾性力fによって間隙に係入されることとなるのである。なお、間隙に下位の横向き線材51cが係入した状態においても、弾性線材13の上記弾性力fは、継続して作用するものであり、下位の横向き線材51cは、容易に間隙部分から脱することができないものである。
このようにして、複数の弾性線材13について、同時に下位の横向き線材51cが係入基部2に係入されることにより、延長柵体1の全体が同じ横向き線材51a〜51cによって係止されることとなり、当該延長柵体1の全体を支持する状態で連結されるのである。
図4に示すように、上記のように既存の柵体(獣害防護柵)5に延長柵体1を連結することより、既存の柵体(獣害防護柵)5の上端よりも上方に柵体を延長することができ、その柵体の高さ方向を調整することにより、所望の高さHの柵体を延長させることができる。そして、延長柵体1が連結されることにより、地表面Gから上端までの高さを延長させることができるとともに、傾斜地等の法面Nからの直線距離をも長くすることができ、傾斜地近傍に設置される獣害防護柵による害獣の侵入防止効果を向上させ得ることとなる。なお、延長柵体1の網体形成領域10aの大部分を弾性線材13の長手方向に対して有角状に掛止した延長柵体1を例示しているが、この網体形成領域10aは、弾性線材13の延長線上に(直線状)に形成してもよい、また、弾性線材13を弾性変形しつつ連結する構成であるため、極端に示せば、図14(a)に図示されているように、延長柵体1(弾性線材13)が僅かながら斜状に設置されることが想定される。これを解消させるために、例えは、図4(b)に示すように、弾性線材13の一部13aを予め折曲させることにより、延長させるべき柵体の面を既存の柵体5の面に合致または平行に設けることが可能とである。
本発明の延長柵体および連結構造にかかる実施形態の基本的構成は、上述のとおりであるが、本発明は、上記に示したものに限定されるものではなく、各構成部を種々変更してもよい。例えば、上記実施形態は、連結基部2および線材係入形成部3を弾性線材13の先端を湾曲して設けたものであるが、個別の部材で構成してもよい。すなわち、図5に示すように、連結基部102を弾性線材13に装着可能に設けることも可能である。この場合、例えば、連結基部102は、略U字状に形成され、その本体部分122は、弾性線材13が挿入可能な挿入部123を設け、この挿入部123に弾性線材13を挿入した状態で溶接等により固着するのである。このように構成した場合であっても、弾性線材13の先端に設けられる連結基部102は鉤状に形成させることができる。また、連結基部102の鉤状先端120bから、内側に突起部103を設け、この突起部103によって線材係入形成部を構成してもよい。この突起部103によって線材係入形成部とする場合は、突起部103の下端131が、連結基部120の底部121との間に所定の間隙Dが形成されればよいのである。要するに、突起部103と連結基部102の本体部122との間には、線材が挿通できる程度の間隙Lが構成され、この間隙Lを通過した線材が突起部下端131と連結基部底部121との間隙Dに移動できればよいのである。その際、弾性線材13の弾性力によって線材が移動できるように、線材が通過すべき間隙Lは、連結基部102の本体部122の側に設けられ、線材が係入すべき間隙Dは、連結基部102の本体部122から離れた側に設けられるようになっていれば、同様の効果を得ることができる。なお、突起部103の上縁部132を斜状に形成することにより、案内部として機能させることも可能である。
また、弾性線材13を湾曲または折曲して連結基部2および線材係入形成部3を構成する場合においても、上記以外の形態があり得る。すなわち、図6に示すように、連結基部202の一部を内側に折曲し、当該折曲部203によって、連結基部202の本体部222との間隙Lおよび底部221との間隙Dを構成させてもよい。この場合、折曲部203から連結基部202の先端220bまでの範囲を案内部としてもよい。なお、このような構成としても、連結基部202および折曲部203、さらに先端220bまでの領域は、いずれも短尺であるから、弾性変形しないものとしている。すなわち、弾性線材13が弾性変形可能であるとしても、適度な長さにより僅かに弾性可能な金属材料で設けることにより、短尺な構造部分は弾性変形せず、その形状を維持させることができるのである。
また、上記のほかに、図6(b)に示すように、線材係入形成部303の先端を大きく内側に折り曲げるように構成してもよい。この場合、線材係入形成部303の一部と連結基部302の底部321との間に所定の間隙Dが形成されればよいのである。さらには、図6(c)に示すように、連結基部402は、単なる鉤状に湾曲させるとともに、その内側に、先端420bから所定の範囲に、平行して、同様の線材を並設しつつ固着させてもよい。
1 延長柵体
2,102,202,302,402 連結基部
3,103,203,303,403 線材係入形成部
5 既存の柵体
10a 網体形成領域
10b 連結部形成領域
11 横向き線材
12 縦向き線材
13 弾性線材
20a 鉤状の開口部
20b,120b,220b 鉤状先端
21,121,221,321 連結基部の底部
31,131 線材係入形成部の先端部
51,51a,51b,51c 横向き線材
52,52a,52b 縦向き線材
122,222 連結基部の本体部分
123 挿入部
D 間隙
G 地表面
H 延長される高さ
L 間隙
N 法面

Claims (7)

  1. 少なくとも複数の線材が略平行に配置される既存の柵体に延長柵体を係止するための連結構造であって、
    延長柵体の本体領域から突出する適宜弾性力を有する複数の弾性長尺部材と、これらの各弾性長尺部材の先端に形成され、前記本体領域の側を開口させつつ鉤状に形成された連結基部と、この連結基部の鉤状内側に形成される底部との間に、前記既存の柵体を構成する線材の少なくとも直径または肉厚に相当する間隙を形成するように該連結基部に設けられた線材係入形成部とを備え
    前記連結基部は、前記弾性長尺部材の先端近傍を湾曲して構成され、
    前記線材係入形成部は、前記連結基部の先端近傍をさらに該連結基部の内側に向けて折り返して構成され、前記既存の柵体を構成する線材を係入方向へ案内する案内部を備え、該案内部の先端部が該連結基部の鉤状内側に形成される底部との間に前記間隔を有する状態で配置させている
    ことを特徴とする延長柵体の連結構造。
  2. 前記連結基部は、前記弾性長尺部材の先端近傍を湾曲して該弾性長尺部材と一体的に構成されたものである請求項1に記載の延長柵体の連結構造。
  3. 前記弾性長尺部材は、前記延長柵体を構成する部材の一部を延出することにより構成したものである請求項1または2に記載の延長柵体の連結構造。
  4. 少なくとも複数の横向き線材を有する既存の獣害防護柵を高さ方向に延長するための柵体であって、
    延長すべき網体を形成してなる網体形成領域と、この網体形成領域に連続して形成され、前記既存の獣害防護柵に連結するための連結部形成領域とを備え、
    前記連結部形成領域は、適度な弾性力を有し、前記網体形成領域から高さ方向に突出する複数の弾性線材と、これらの各弾性線材の先端に形成され、開口部を上向きにしてなる鉤状の連結基部と、この連結基部の鉤状内側に形成される底部との間に、前記既存の獣害防護柵を構成する横向き線材の少なくとも直径または肉厚に相当する間隙を形成するように該連結基部に設けられた線材係入形成部とを備え
    前記連結基部は、前記弾性線材の先端近傍を湾曲して構成され、
    前記線材係入形成部は、前記連結基部の先端近傍をさらに該連結基部の内側に向けて折り返して構成され、前記既存の獣害防護柵を構成する横向き線材を係入方向へ案内する案内部を備え、該案内部の先端部が該連結基部の底部との間に前記間隔を有する位置に配置させている
    ことを特徴とする獣害防護柵に使用する延長柵体。
  5. 前記連結基部は、前記弾性線材の先端近傍を湾曲して一体的に構成されたものである請求項4に記載の獣害防護柵に使用する延長柵体。
  6. 前記網体形成領域は、縦方向の線材と横方向の線材とで網状に形成されており、前記弾性線材は、前記縦方向の線材の一部を延長して構成したものである請求項4または5に記載の獣害防護柵に使用する延長柵体。
  7. 少なくとも複数の横向き線材を有する既存の獣害防護柵に対し、請求項4ないし6のいずれかに記載の延長柵体を使用する方法であって、
    前記連結基部が設けられる側を下向きにしつつ前記弾性線材を斜状にした状態で、前記延長柵体を前記既存の獣害防護柵に接近させ、該獣害防護柵を構成する横向き線材のうちの2本の横向き線材の間に前記弾性線材を挿通させつつ該延長柵体を下降させ、少なくとも下方に位置する1本の横向き線材を該弾性線材が跨ぐような状態としつつ、さらに下方に位置する横向き線材が、前記連結基部の開口部から該連結基部の内側に侵入するように延長柵体全体を徐々に上昇させるとともに、前記連結基部の前記底部と前記線材係入形成部とで形成される間隙に該横向き線材を係入させるように延長柵体全体をさらに上昇させ、弾性線材の弾性力により前記係入状態を維持させることを特徴とする延長柵体の使用方法。
JP2013215236A 2013-10-16 2013-10-16 延長柵体の連結構造ならびに獣害防護柵に使用する延長柵体およびその使用方法 Active JP5837545B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013215236A JP5837545B2 (ja) 2013-10-16 2013-10-16 延長柵体の連結構造ならびに獣害防護柵に使用する延長柵体およびその使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013215236A JP5837545B2 (ja) 2013-10-16 2013-10-16 延長柵体の連結構造ならびに獣害防護柵に使用する延長柵体およびその使用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015077082A JP2015077082A (ja) 2015-04-23
JP5837545B2 true JP5837545B2 (ja) 2015-12-24

Family

ID=53009138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013215236A Active JP5837545B2 (ja) 2013-10-16 2013-10-16 延長柵体の連結構造ならびに獣害防護柵に使用する延長柵体およびその使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5837545B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS491932Y1 (ja) * 1968-02-21 1974-01-18
JP2767099B2 (ja) * 1995-10-02 1998-06-18 朝日スチール工業株式会社 フェンスの網体連結装置
JP3930670B2 (ja) * 1999-09-30 2007-06-13 東洋エクステリア株式会社 支柱等設置用トレリス及びその取付金具
AU1895600A (en) * 1999-10-01 2001-05-10 Jeong Sik Kim Supporting apparatus for farm products
JP2005336939A (ja) * 2004-05-31 2005-12-08 Asahi Steel Industry 線格子フエンス
JP5335652B2 (ja) * 2009-12-01 2013-11-06 掛川市農業協同組合 野獣防護柵

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015077082A (ja) 2015-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6499725B2 (en) Fence rail and post assembly
US9500000B2 (en) Fencing panel and method of assembly
JP6888790B2 (ja) 動物用恒久柵におけるワイヤ保持用のポスト
US20090071069A1 (en) Landscaping edging stake having a pocket for resisting removal
JP5837545B2 (ja) 延長柵体の連結構造ならびに獣害防護柵に使用する延長柵体およびその使用方法
KR101219924B1 (ko) 스톤매트의 체결구
US8640398B1 (en) Welded lateral and vertical rod fence securing stake
KR101687401B1 (ko) 울타리용 지주 및 그 제조방법
JP6951148B2 (ja) ガードレールの連結構造体およびガードレール連結用のスライドビームユニット
US20220064983A1 (en) Fence or rail construction
KR101455627B1 (ko) 휀스에서의 윤형 철조망 지지를 위한 와이어 고정장치
JP6124713B2 (ja) 駐鳥防止装置
KR102272547B1 (ko) 철망 고정장치
KR200466738Y1 (ko) 메쉬펜스
KR101677493B1 (ko) 가드레일용 기능성 보조 펜스
JP3197875U (ja) フェンス
JP5757769B2 (ja) 架空線の防鳥用細線の間隔保持材
KR101580095B1 (ko) 철망펜스용 주주
JP5670719B2 (ja) 動物侵入防止フェンス
KR200400432Y1 (ko) 경계용 휀스의 망고정용 프레임
JP6585107B2 (ja) 動物侵入防止柵、及び、設置方法
JP5340852B2 (ja) 接続用溶接金網部付中空胴縁およびこれを備えた金網並びにフェンス
JP3140999U (ja) 害獣通行阻止用フェンス
JP2020133160A (ja) ケーブル式道路防護柵用支柱、ケーブル式道路防護柵用支柱の施工方法、及び、ケーブル式道路防護柵
JP6595134B1 (ja) 間隔材及び道路防護柵

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20131112

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151006

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151027

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5837545

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250