JP5836677B2 - コンクリート誘導モルタル化剤及びそれを用いたコンクリート配管打設方法 - Google Patents

コンクリート誘導モルタル化剤及びそれを用いたコンクリート配管打設方法 Download PDF

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Description

この発明は、コンクリート打設用ポンプや現場配管を用い圧送する生コンクリートが接触してセメントペーストが付着して奪われることを防ぐためのコンクリートモルタル化剤と、それを用いたコンクリート配管打設方法に関する。
コンクリートの打設に用いるポンプ及び配管に、何も処理せずに硬化前の生コンクリート(流動コンクリート)を導入すると、コンクリートを構成する成分のうち、モルタル分(セメントペースト)だけがポンプや配管内部の表面に付着し、それとともにモルタル分を失ったコンクリートの先端部が次第に分離して配管を閉塞させてしまうことがある。これを防ぐために、コンクリートを吸い上げる前にモルタルを配管に導入し、配管内部表面をモルタルで覆っておくことが行われている(例えば特許文献1等)。また、モルタルのみであれば、モルタルの水分を管内壁に奪われるため、モルタルに先行水を添加して行うことになる。配管中の導入している先端部が水分を失い配管が閉塞することはほとんどないため、順調に送り出して配管の先端まで到達させることができる。ただし、先行水の存在はその後に送り込むコンクリートに悪影響を及ぼすことになる。
しかし、この先行モルタルは粗骨材を含まないためにコンクリートに比べて強度が不足するので、建築物に用いることはできず、配管全体を通過させた後は廃棄されている。また、打設完了後には、配管に付着して硬化したモルタルを除去しなければならず、このモルタルも廃棄物として処理しなければならない。また、先行モルタルとコンクリートとは成分や物性が異なるためにこれらの間に隙間が出来てしまい、先行モルタルによって配管表面を覆う効果が不充分となって、コンクリートの先端部分が配管表面にモルタルを奪われて結局閉塞を起こしてしまい、廃棄物がさらに増えてしまう場合もあった。
これらの廃棄物を削減する方法として、例えば、特許文献2、3に記載のようなコンクリート誘導剤が提案されている。コンクリートをポンプ及び配管に導入する前に、配管の長さに応じた量の誘導剤の水分散液を添加しておくと、硬化前のコンクリートが配管内を進行することに伴い、そのコンクリートの先端部によって水分散液は徐々に押し進められるが、高い粘性のために、配管内部の下方表面だけでなく配管内部の表面全体を覆いながら押されることになる。これにより、先行モルタルで配管内部の表面を覆わなくても、誘導剤に続くコンクリートからモルタル分が配管内部表面に付着することを防止することができる。水分散液は硬化前のコンクリートと混合され得るため、先端部に近い部分のコンクリートのみは誘導剤と混合されて強度が低下してしまう。このため、この先端部に近いコンクリートは廃棄する必要がある。しかしその廃棄物発生量は、従来の先行モルタルを用いた場合の廃棄量に比べると大幅に削減されたものとなる。
特許文献2に記載のコンクリート誘導剤は、ポリアクリル酸ナトリウムの架橋物やポリエチレンオキサイドの架橋物などの吸水性樹脂と、ヒドロキシエチルセルロースやメチルセルロースなどの水溶性樹脂とからなる組成物を水分散液としたものである。
特許文献3に記載のコンクリート誘導剤は炭酸ナトリウムを主成分とし、他にメラミン、クエン酸、ポリアクリルアミド、メチルセルロースからなる組成物を水分散液としたものであり、モルタルの倍以上の粘性を有するものである。
特開平8−1643号公報 特開2000−34461号公報 特開2008−74086号公報
しかしながら、このように水分散液で配管表面を保護する形態のコンクリート誘導剤は、配管が100mを超えるような長距離になると円滑化する効果が限界に達してしまい、閉塞を防ぎきれなくなってしまう。また、配管が途中で下向きになる場合には、圧送されるコンクリートと水分散液が分離して水分散液が先行しすぎてしまい、配管表面を保護しきれずに、コンクリートのモルタル水分が奪われてしまい、やはり閉塞が起きやすかった。
そこでこの発明は、長距離配管打設や、下りや曲がりの圧送を含むようなより過酷な環境での圧送であっても円滑に行えるようにすることを目的とする。
この発明は、シリカフュームを35質量%以上50質量%以下、ミネラルバインダーを23質量%以上28質量%以下、水溶性樹脂を14質量%以上18質量%以下、プラスティサイザーを13質量%以上15質量%以下含むモルタル化剤を、水分散液とし、
この水分散液の一部を生コンクリートに混合することで流動性の高いモルタル化コンクリートとし、
残りの水分散液を配管圧送用ポンプに導入した上で、モルタル化コンクリートを導入し、その後から通常の生コンクリートを圧送することにより、上記の課題を解決したのである。
上記のような構成のモルタル化剤は、水分散液としてコンクリートと混合すると、コンクリートの流動性を高めつつ、水分を保持しやすく、かつ構成成分が分離しにくいモルタル化コンクリートとなる。これを圧送するコンクリートの前に配管へ導入して、圧送するコンクリートに先行する先行モルタルとして用いるとともに、そのさらに前に、モルタル化剤が分散された水分散液を導入する。すなわち、水分散液、モルタル化コンクリート、生コンクリートの順でコンクリートポンプに導入する。
このモルタル化コンクリートは、生コンクリートを構成するセメントや骨材との親和性が高く、長距離の配管圧送を経ても容易にはコンクリートと分離せず、水分も保持しやすいため、配管表面に接して奪われる水分量を抑制することができ、長距離に亘って流動性の高いモルタル化コンクリートの状態を維持しやすい。なおかつ、その抑制された水分消費量分や固形分を、さらに先行する水分散液から順次補充しながら圧送が進むため、先行モルタル及び水分散液の量は徐々に減少するものの、先行モルタル部分の成分比はほとんど変化しないまま、閉塞はほとんど起こらないで生コンクリートを圧送させることができる。
また、水分散液とモルタル化コンクリートとの両方ともが、構成成分の保持力が高く粘度も比較的高いため、下りや曲がりで後方から圧送される環境にあっても、水分散液だけが先に落下してしまったり、一部の成分が分離を起こしてしまったりすることを防止でき、水分散液及びモルタル化コンクリートとしての状態を維持し続け、配管を少しずつ覆うことができる。
この発明にかかるモルタル化剤を用いた水分散液と、それを生コンクリートと混合したモルタル化コンクリートとを順に、圧送する生コンクリートの前に予め導入しておくことにより、長距離の配管打設や、下りや曲がりを含むような配管打設であっても、廃棄する先行モルタルの量を抑制しつつ、閉塞を防ぐことができる。必要とするモルタル化コンクリートの量は、従来のモルタルをそのまま先行モルタルとして用いた場合に比べて大幅に削減することができる。
また、このモルタル化コンクリート自体は流動化しているためそのままではコンクリートとして用いることはできず、廃棄する必要があるが、モルタル化コンクリートが接する生コンクリートに混合してもその性能を劣化させることなく、逆に、主にシリカフュームの作用によって生コンクリートの強度等を向上させることができる。このため、モルタル化コンクリートが生コンクリートと混合した部分は廃棄する必要がなくそのまま用いることができる。
さらにこのモルタル化コンクリートからなる先行モルタルは、水分以外は成分が分離しにくくそのまま配管表面を覆うため、配管が長くなっても成分比が変化した不良部分を生じにくい。なおかつ、消費される水分は誘導剤である水分散液から順次補給される。このため、配管が長くなっても、それに応じて単純に水分散液とモルタル化コンクリートの導入量を増やすだけで対応できる。
圧送する生コンクリートに水分散液とモルタル化コンクリートが押される利用時の配管断面図
以下、この発明について詳細に説明する。この発明は、コンクリートポンプにコンクリートを通す前に、ポンプ、配管、又はその両方に予め導入する水分散液及びモルタル化コンクリートを得るためのモルタル化剤と、それを用いたコンクリートの打設方法である。
このモルタル化剤は、シリカフューム、ミネラルバインダー、水溶性樹脂、プラスティサイザーを含む組成剤である。
前記シリカフュームとは、JIS A 6207(コンクリート用シリカフューム)にある「金属シリコン又はフェロシリコンをアーク式電気炉で製造するときに発生する排ガスから捕集される非晶質の二酸化ケイ素を主成分とする球状の超微粒子」という定義が一般的であるが、本発明で用いることができるシリカフュームの製造方法はこれに限定されるものではなく、同様の粒径で同等の性質を発揮するものであれば本発明において問題なく利用することが出来る。例えば、フェロシリコンだけでなく、電融ジルコニア、金属シリコン等の製造時に得られるものもある。また、それと同等の性質を持つものであれば、上記の製法による必要はない。具体的には、80質量%以上が非晶質のSiOからなる粉体であり、85質量%以上がSiOであると好ましい。その他の成分としてはMgO、Al、TiO、SOなどの種々の酸化物が含まれる。これらその他の成分は、本発明において求められる配管との潤滑作用が十分に発揮できるものであれば、特に限定されない。一般的なシリカフュームの粒径であれば問題なく用いることができ、具体的には、平均粒径が0.02μm以上0.2μm以下程度であればよい。
このシリカフュームが上記モルタル化剤中に占める含有量は、35質量%以上である必要があり、36質量%以上であると好ましい。シリカフュームはこのモルタル化剤において主に配管表面への潤滑作用に寄与し、少なすぎると生コンクリートへの潤滑作用が不充分となってしまう。一方で、50質量%以下であることが必要であり、45質量%以下が好ましい。過剰すぎると物性が変わってしまい、水分散液やモルタル化コンクリートが狙い通りの効果を発揮しないおそれがある。
上記ミネラルバインダーは、石灰、石膏、粘土、スラグなどの、金属酸化物混合体であって、一般にはコンクリートの常用性改善のために添加されるものであるが、本発明においては、水分散液及びモルタル化コンクリートの結合性を高める結合効果を発揮させるために含有させる。具体的には、スラグ粉末や石灰岩粉末を用いることができる。スラグとしては、高炉スラグ、銅スラグ、電気炉酸化スラグなどが挙げられるが、中でも高炉スラグが、水分散液及びモルタル化コンクリートの結合性とpH増加効果の点で最も好ましい。このpHは、後述するように、圧送する生コンクリートと、モルタル化コンクリートとの間でほぼ同等に調整しておくことが好ましい。親和性が高くなり、解離しにくくなるためである。
このミネラルバインダーが上記モルタル化剤に占める含有量は、23質量%以上である必要があり、24質量%以上であると好ましい。少なすぎると水分散液及びモルタル化コンクリートの結合性が低下し、圧送中に成分分離を起こすおそれがある。一方で、28質量%以下である必要があり、27質量%以下であると好ましい。多すぎるとpHが高くなりすぎ、かつ結合性が高すぎて、得られるモルタル化コンクリートが扱いにくくなるおそれがある。
上記の水溶性樹脂は、水に溶かすことができる樹脂であり、粉末状であると扱いやすい。モルタル化剤を水分散液として生コンクリートと混ぜる際に増粘作用を発揮させるとともに、水分散液そのものやモルタル化コンクリートの分離を抑制する不分離効果を発揮する。天然樹脂でも合成樹脂でもよく、例えば、グアーガム、でんぷん、ゼラチンなどの天然樹脂や、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース由来の半合成樹脂、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムなどの合成樹脂などが挙げられ、この中でも、セルロース誘導体の半合成樹脂が扱いやすく、特にメチルセルロースは一般的なコンクリートにも多く用いられており、生コンクリートとの親和性の点から最も好ましい。
上記水溶性樹脂が上記モルタル化剤に占める含有量は、14質量%以上である必要があり、15質量%以上であると好ましい。少なすぎるとモルタル化コンクリートの粘度が不足して下りの際に生コンクリートと解離してしまうおそれがあり、モルタル化コンクリート自体が分離してしまうおそれもある。一方で、18質量%以下である必要があり、17質量%以下であると好ましい。多すぎると粘度が上がりすぎて圧送が難しくなってしまうおそれがあるためである。
上記プラスティサイザーは、いわゆるコンクリート用可塑剤として知られているものが利用できる。生コンクリートをモルタル化するにあたり、セメント粒子を分散させて混合、導入、圧送の作業性を向上させる効果がある。具体的には、例えばメラミンスルホン酸塩などのメラミン系可塑剤を用いることができる。
上記プラスティサイザーが上記モルタル化剤に占める含有量は、13質量%以上が必要であり、15質量%以下である必要がある。多すぎると流動性が高くなりすぎて圧送する生コンクリートの前の誘導するモルタル化コンクリートとして不適になり、少なすぎると流動性が低くなりすぎてやはり圧送する生コンクリートの前の誘導するモルタル化コンクリートとして不適になってしまう。
さらに、上記モルタル化剤は、この発明の効果を喪失させない範囲でその他の成分が含まれていても良い。例えば、アルカリ性が強すぎる場合に、pH調整剤などを添加することができる。
上記モルタル化剤は、通常は粉体として保存しておき、使用時には水分散液として利用する。この水分散液のpHは10以上であると好ましく、11以上であるとより好ましい。具体的には、混合する生コンクリートのpHに近いほど親和性が高くなるので好ましい。また、pHが高いほど粘度が高くなる傾向にあり、pHが低すぎると水分散液を適性粘度に調製するのに時間が掛かりすぎるおそれがある。一方で、pH13を超えるとアルカリ性が強すぎて扱いにくくなるため、pH13以下で用いることが好ましい。
この水分散液の固形分濃度は、上記モルタル化剤1kgに対する希釈水の量が6リットルまでであるとよい。6リットルを超えて水分が過剰になると、壁面に付着した水分散液が流れ落ちる程度まで流動性が上がりすぎてしまい、配管中で下りや曲がりの際にモルタル化コンクリートから離れて流れ落ちてしまうおそれがある。一方、水分散液は少なくとも1リットル程度の水があれば必要な流動性を確保できるが、モルタル化剤をコンクリートと大差無い量で消費することになるため、無駄が多い。このため、3リットル以上の水で希釈しておくのが望ましい。
なお、上記水分散液を調製するにあたっては、単純に水と上記モルタル化剤とを混合させ、ハンドミキサーなどで攪拌して練り混ぜればよい。一旦調整した水分散液は数日経過しても問題なく使用することが出来る。
このように調整した水分散液の一部を、圧送する予定の生コンクリートの一部と混合してモルタル化コンクリートを得る。圧送する距離にもよるが、調整した水分散液の30〜60%程度をモルタル化コンクリートに使用するとよい。基本的には、圧送距離が短いとモルタル化コンクリートの使用量を減らすことができる。
水分散液の一部と、生コンクリートとの体積混合比は、3:10〜3:15であるとよい。水分散液が多い方が比較的流動性が高くなる傾向にあり、配管の長さや曲がりの占める率などに応じて適宜調整するとよい。水分散液が多すぎると成分分離が起きたり、圧送する生コンクリートとの間の解離が起きやすくなり、少なすぎると粘度が低かったり、主な目的である配管壁面の潤滑効果が不充分になったりしてしまう。
このようにして得た水分散液の残りとモルタル化コンクリートとを、配管打設を行う配管に繋がるコンクリートポンプに、生コンクリートより前に導入する。順序としては、まず水分散液の残りをポンプに吸わせ、次にモルタル化コンクリートを吸わせ、続いて生コンクリートを吸わせる。それぞれの間は間隔が生じない、すなわち空気が入らないようにすることが望ましい。間に空気が入ると配管表面を覆う効果が減退し、そこで閉塞が起きやすくなるためである。
コンクリートに先行する誘導剤となる上記の水分散液の残りは、多くのコンクリートポンプの場合、30リットル未満だと吸い込むことがポンプの構造上難しくなるため、30リットル以上であると好ましい。配管長さが60mまでならば30リットルで十分であり、それより長い場合は、長さに比例して上記の水分散液の残りの量を増やしていくとよい。
一方、誘導剤に続く先行モルタルとなるモルタル化コンクリートは、配管の全長が60mの場合、導入直後の配管長さにして4.5m以上を占めていることが望ましい。それより少ないと、モルタル化コンクリートの成分が十分に配管内壁面に付着せず、後に続く生コンクリートを保護する効果が不充分となってしまうからである。上限は特に無く、圧送する配管の長さが長くなるにつれて量を増やしていくとよい。目安として、配管長さが60mの場合、7.5mを超える量を添加しても既に十分な保護効果を発揮しているため、無駄となってしまう可能性が高い。
この水分散液の残りとモルタル化コンクリートとを、続いて導入する生コンクリートを圧送することにより順次進行させる。この状態を図1に示す。進行方向先端から順に、水分散液の残りからなる誘導剤12、水分散液とコンクリートを混合したモルタル化コンクリート13、生コンクリート14が進んでいく。これは、生コンクリート14がポンプ(記載せず。図の右側に存在する。)によりモルタル化コンクリート13が押され、モルタル化コンクリート13により誘導剤12が押されることで進行していく。
モルタル化コンクリート13は配管の内表面11aに接触する際に、徐々に水分を失いつつ、併せて、自身も徐々に配管の内表面に付着して失われていく(図中13a)。そうしてモルタル化コンクリート13によって配管11の内表面が覆われることで、その後に続く生コンクリート14はモルタルが配管表面に奪われることなく、物性を維持したまま圧送を続けることができる。モルタル化コンクリート13は徐々に水分を失っていくが、前方にある誘導剤12から徐々に水分が補給されていくため(図中細矢印)、急激な凝固は起こらず、ある程度全体が流動性を維持したまま圧送されて行くことができる。
一方、誘導剤12が上記の条件で調整した水分散液であれば、配管11内を上端まで覆いながら、モルタル化コンクリート13に押されて進行することができる。これにより、モルタル化コンクリート13の先端部は上端まで水分散液に覆われ、常に水分を補給され続けるため、構成が維持されたまま進行することができる。
上記の条件で調整した誘導剤12とモルタル化コンクリート13は、配管が下りに向いている箇所であっても、成分分離をほとんど起こすことなく、また、後ろから押す生コンクリート14と乖離することもほとんどない。なお、一部のモルタル化コンクリート13は、生コンクリート14の先端部分に浸透して混合されるため、実際にはモルタル化コンクリート13と生コンクリート14との境界は曖昧である。しかし、モルタル化コンクリート13が混入した生コンクリート14は劣化せず、むしろ強度や安定性等が向上するため、そのまま利用できる。
以下、実施例を挙げてこの発明を具体的に示す前に、本発明に到達する前に行った試行錯誤の結果を示す。
まず、従来のコンクリート誘導剤として、メラミンスルホン酸ナトリウム94.5g(35質量%)、硫酸ナトリウム94.5g(35質量%)、炭酸カルシウム6.5g(25質量%)を含み、合計270gの混合物からなる組成物を基礎として調整した(比較例1a)。この比較例1aをベースに以下の検討を行い、いずれも良好な結果が得られなかった。
<従来のコンクリート誘導剤>
(参考例1a)
比較例1aにかかるコンクリート誘導剤を、20℃、pH6.7の水18リットルに投下して混合して分散させ、15g/lの水分散液を調製した。全量投下後、時間経過に伴う粘度の変化をビスコテスタ(RION社、VT−03F)により測定し、pHをpH試験機(HANNA (ITALY)製 製品名 : HI 8424N)により測定したところ、pH8.3であった。また、30分で粘度が200CPS前後で安定し、コンクリート誘導剤としては実用上十分な粘度に到達することが確認された。
上記の粘度に調整した水分散液をコンクリートポンプ車の配管(配管径10.2cm=4インチ)に導入した。それから流動コンクリートを当該配管に導入し、30m先の筒先まで圧送したところ、問題なく押し出すことができた。また、吐き出されるコンクリートを、開始から20リットルまで(試料1)は圧縮強度の低下が見られたが、20リットルより後では元のコンクリートと同等の圧縮強度を得ることができた。
(参考例1b)
上記の参考例1aにおいて、配管の長さを60mまで拡大したところ、圧送途中で閉塞を起こしてしまった。管を調べてみたところ、途中でコンクリート誘導剤による効果が喪失し、生コンクリートに含まれるセメントペーストが配管内壁面を覆った状態が続いた後で、モルタルを奪われた先端のコンクリートが固まり閉塞を起こしていた。
<従来の工法によるモルタルの消費量>
(参考例2)
60mの配管中に生コンクリート(セメントとして普通ポルトランドセメントを使用。)を圧送するにあたり、誘導剤を導入することなく、コンクリートに用いるモルタルに注水して、先行モルタルとして配管内に導入した後に生コンクリートの圧送を開始したところ、その先行モルタルの水分が壁面表面に付着して消費されながら、生コンクリートの圧送が可能となった。配管60mを閉塞なく圧送するために必要な先行モルタルの消費量は300リットルであった。この先行モルタルは、通過後、廃棄された。
<モルタル化コンクリートによる配管表面保護>
(実施例1)
シリカフューム43質量%、高炉スラグからなるミネラルバインダーを25質量%、メチルセルロースからなる水溶性樹脂を15質量%、メラミンスルホン酸ナトリウムからなるプラスティサイザーを14質量%含む組成物10kgを調整した。この組成物を、水60リットルに分散させて水分散液を得た。この水分散液のうち30リットルと、圧送予定の生コンクリート120リットルとを混合攪拌して、モルタル化コンクリート150リットルを得た。
次に、水分散液のうち残余の30リットルをコンクリートポンプに吸い込ませた後、モルタル化コンクリート150リットルを導入し、続けて圧送する生コンクリートを導入させて、60mに亘る配管への圧送を行ったところ、配管が閉塞されることなく供給された。したがって、通常のモルタルを消費する従来の工法(参考例2)に比べて、圧送の際に消費するモルタル化コンクリートの量を半分にまで削減することができた。
(比較例1)
実施例1においてシリカフュームをベントナイトに変更した以外は実施例1と同様の配合比の組成物を用いて、同様の手順によりモルタル化コンクリートを得てコンクリートポンプに導入したところ、配管の途中で閉塞を起こしてしまった。
(実施例2)
実施例1において、生コンクリートに用いるセメントを普通ポルトランドセメントからフライアッシュに変更した以外は同様の配合比の組成物を用いて、同様の手順によりモルタル化コンクリートを得て、コンクリートポンプに導入したところ、実施例1と同様に圧送に成功した。
11 配管
11a 配管内表面
12 誘導剤
13 モルタル化コンクリート
13a (配管表面に付着して保護膜となった)モルタル化コンクリート
14 生コンクリート

Claims (4)

  1. シリカフュームを35質量%以上50質量%以下、ミネラルバインダーを23質量%以上28質量%以下、水溶性樹脂を14質量%以上18質量%以下、プラスティサイザーを13質量%以上15質量%以下含む組成剤であって、
    その組成剤の水分散液の一部を生コンクリートと混和してモルタル化コンクリートを得ることができ、前記水分散液の残りと前記モルタル化コンクリートとを順に、配管へ繋がるコンクリートポンプに生コンクリートを導入する前に予め導入しておくことで、その後に生コンクリートを圧送する際の閉塞を抑制できる、上記組成剤であるモルタル化剤。
  2. 上記水溶性樹脂がメチルセルロースである請求項1に記載のモルタル化剤。
  3. 上記ミネラルバインダーが高炉スラグであり、上記プラスティサイザーがメラミン系可塑剤である請求項1又は2に記載のモルタル化剤。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のモルタル化剤を水分散液とし、その水分散液の一部を生コンクリートと混和してモルタル化コンクリートを得、残りの水分散液と前記モルタル化コンクリートとを順にコンクリートポンプの配管内へ導入した後にコンクリート圧送を開始することで、
    上記の残りの水分散液がモルタル化コンクリートの水分を補充しながら、前記モルタル化コンクリートの成分と水分が前記配管の内表面に徐々に付着して消費されていくことで、圧送する生コンクリート中のモルタルが配管の内表面に付着して消費されることを防止して閉塞を抑制する、コンクリートの打設方法。
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