JP5836084B2 - 昇圧回路、降圧回路及びスイッチ回路 - Google Patents
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Description
図8に示したMOSスイッチ800は、p型のMOSトランジスタ17、n型のMOSトランジスタ18を備えている。MOSトランジスタ17のゲート端子には、入力信号IN1が入力される。また、MOSトランジスタ18のゲート端子には、入力信号IN2が入力される、入力信号IN1、IN2は、互いに逆の極性を有する電圧信号である。MOSスイッチ800から出力される出力信号OUTは、入力信号IN1、IN2の変化に応じて変化する。
また、入力信号IN1に電圧GNDが入力され、MOSトランジスタ17、18のゲート・ソース間電圧Vgsがそれぞれの閾値電圧を超えると、MOSトランジスタ17がオンして出力信号OUTは電圧VCCとなる。このとき、MOSトランジスタ17のゲート・ソース間電圧Vgsは、以下のように表される。
Vgs=|GND−VCC|
しかし、上記したように、電圧VCCが低い場合、|GND−VCC|の値が小さくなる。MOSトランジスタのオン抵抗は、|Vgs−Vth|の値に反比例する。このため、図8に示したMOSスイッチでは、MOSトランジスタ17のオン抵抗が大きくなってしまう。
また、入力信号IN2としてHighレベルの電圧VCCが入力されると、MOSトランジスタ18がオンし、出力信号OUTとして電圧GNDが出力される。このときにも、電圧VCCが低ければ、|VCC−GND|の値は小さく、MOSトランジスタ18のオン抵抗が大きくなってしまう。
電源電圧を昇圧する制御には、現在、チャージポンプ回路が用いられている。チャージポンプ回路は、半導体基板上で10V以上の電圧を生成することができる。チャージポンプが用いられる技術としては、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)マイクロフォンや、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリへの書き込み制御がある。
また、Cockcroft−Walton型チャージポンプ回路は、容量素子906〜909と、ダイオード素子901〜905とを含んでいる。そして、Dickson型チャージポンプ回路は、容量素子1006〜1013と、ダイオード素子1001〜1005とを含んでいる。このように、多数の容量素子とダイオード素子を含むチャージポンプ回路は、回路規模が大きくなって、小型化することに不利である。また、消費電流も大きくなって、回路の低消費電力化ができないという欠点がある。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、電源電圧が低電圧であっても、MOSトランジスタのオン抵抗が小さく、リーク電流の発生を防ぎ、しかも小型化、低消費電力化に適した昇圧回路、降圧回路、昇圧回路を有するスイッチ回路及び降圧回路を有するスイッチ回路を提供することを目的とする。
本発明の一態様の昇圧回路は、前記電圧クリップ回路が、ダイオード接続されたクリップ用MOSトランジスタ(例えば、図4に示したMOSトランジスタ407、図5に示したトランジスタユニット208、図6に示したMOSトランジスタ615、図7に示したトランジスタユニット708)であることが望ましい。
本発明の一態様のスイッチ回路は、前記請求項1から4のいずれか1項に記載の昇圧回路と、前記昇圧回路から出力される前記第1電圧または前記第3電圧がゲート端子に供給される駆動用MOSトランジスタ(例えば図1に示したMOSトランジスタ107,108)と、を含むことが望ましい。
本発明の一態様の降圧回路は、入力電圧が入力される信号入力端子と、第1入力端子に前記信号入力端子が接続される第1インバータと、第2入力端子に前記信号入力端子が接続される第2インバータと、前記第1インバータの第1出力端子に一端が接続され、前記第2インバータのグランド電圧供給端子に他端が接続される容量素子と、ソース端子にグランド端子が接続され、ドレイン端子に前記第2インバータのグランド電圧供給端子が接続され、ゲート端子に前記第2インバータの第2出力端子が接続され、前記第2出力端子から供給される出力電圧によってオン、オフされる降圧用MOSトランジスタと、前記出力電圧が出力される信号出力端子と、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様の降圧回路は、さらに、前記降圧用MOSトランジスタと並列に接続された電圧クリップ回路を含むことが望ましい。
本発明の一態様の降圧回路は、前記電圧クリップ回路が、ダイオード接続されたクリップ用MOSトランジスタであることが望ましい。
本発明の一態様の降圧回路は、前記電圧クリップ回路が、前記クリップ用MOSトランジスタを複数有することが望ましい。
本発明の一態様のスイッチ回路は、前記請求項6から9のいずれか1項に記載の降圧回路と、前記降圧回路から出力される前記出力電圧がゲート端子に供給される、駆動用MOSトランジスタと、を含むことを特徴とする。
(第1実施形態)
[MOSスイッチ]
・回路構成
図1は、第1実施形態のMOSスイッチを説明するための図である。図1に示したMOSスイッチは、電圧VCCを供給するための電源端子101と、電圧GNDを供給するためのグランド端子102との間に接続された、p型のMOSトランジスタ107、n型のMOSトランジスタ108と、MOSトランジスタ107のゲート端子に接続されている降圧回路120、MOSトランジスタ108のゲート端子に接続されている昇圧回路110と、を含んでいる。
電圧GNDが入力信号IN1として降圧回路120に入力された場合、降圧回路120から出力される入力信号IN3の値は、Highレベルの電圧VCCとなる。また、電圧VCCが入力信号IN1として降圧回路120に入力された場合、降圧回路120から出力される入力信号IN3の値は、Lowレベルの電圧−VCCとなる。また、電圧VCCが入力信号IN2として昇圧回路110に入力された場合、昇圧回路110から出力される入力信号IN4の値は、Lowレベルの電圧GNDとなる。また、Lowレベルの電圧GNDが入力信号IN2として昇圧回路110に入力された場合、昇圧回路110から出力される入力信号IN4の値は、Highレベルの電圧2VCCとなる。
次に、第1実施形態のMOSスイッチの動作を説明する。
入力信号IN1として電圧VCCが入力されると、降圧回路120は、入力信号IN3として電圧−VCCを出力する。p型のMOSトランジスタ107は、ゲート端子に電圧−VCCが入力されたことによってオンし、電源端子101から供給される電圧VCCがHighレベルの出力信号OUTとして、出力端子105から出力される。なお、このとき、昇圧回路110にも、入力信号IN2として電圧VCCが入力される。昇圧回路110は、電圧GNDをn型のMOSトランジ108に出力する。ゲート端子に電圧GNDが印加されたMOSトランジスタ108は、オフされる。
Vgs=|(−Vcc)−Vcc|
|(−Vcc)−Vcc|の値は、先に背景技術で説明した、ゲート・ソース間電圧Vgs|GND−VCC|よりも大きくなる。そして、MOSトランジスタのオン抵抗の値は、Vgs−Vthに反比例する。このため、第1実施形態によれば、回路を駆動する電圧VCCが低い場合であっても、MOSトランジスタ107のオン抵抗の値が従来よりも小さくなることが分かる。
Vgs=|2VCC−GND|
|2VCC−GND|の値は、先に背景技術で説明した、ゲート・ソース間電圧Vgs|VCC−GND|よりも大きくなる。そして、MOSトランジスタのオン抵抗の値は、Vgs−Vthに反比例する。このため、第1実施形態によれば、回路を駆動する電圧VCCが低い場合であっても、MOSトランジスタ108のオン抵抗の値が従来よりも小さくなることが分かる。
・回路構成
図2は、第1実施形態の、図1に示した昇圧回路110を説明するための図である。昇圧回路110は、p型のMOSトランジスタ201、202、205と、n型のMOSトランジスタ203、204と、容量素子206と、によって構成されている。
MOSトランジスタ201とMOSトランジスタ203とは、ドレイン端子同士、ゲート端子同士が互いに接続されている。MOSトランジスタ201のソース端子は、電源端子101に接続されて電圧VCCの供給を受けている。MOSトランジスタ203のソース端子は、グランド端子102に接続され、電圧GNDの供給を受けている。MOSトランジスタ201、203は、インバータを構成している。
次に、第1実施形態の昇圧回路110の動作を説明する。
図2において、第1の期間Ph1の入力信号IN2が電圧VCCであるとすると、n型のMOSトランジスタ203がオンされて、p型のMOSトランジスタ201はオフされる。このとき、MOSトランジスタ203のドレイン端子と容量素子206の一端との間の電圧が、電圧GNDになる。第1実施形態では、MOSトランジスタ203のドレイン端子と容量素子206の一端との間の一点をポイントAとする。ポイントAを、図2中に示す。
このような昇圧回路110は、図1に示したMOSトランジスタ108のゲートを、Highレベルの電圧VCCと、Lowレベルの電圧GNDとによって動作させることができる。このため、第1実施形態の昇圧回路110によれば、MOSトランジスタ108のオン抵抗を、背景技術で説明した構成よりも小さくすることができる。
図3は、第1実施形態の、図1に示した降圧回路120を説明するための図である。降圧回路120は、p型のMOSトランジスタ309、310と、n型のMOSトランジスタ311、312、313と、容量素子306と、によって構成されている。
MOSトランジスタ309とMOSトランジスタ311とは、ドレイン端子同士、ゲート端子同士が互いに接続されている。MOSトランジスタ309のソース端子は、電源端子101に接続されて電圧VCCの供給を受けている。MOSトランジスタ311のソース端子は、グランド端子102に接続され、電圧GNDの供給を受けている。MOSトランジスタ309、311は、インバータを構成している。
容量素子306の一端は、MOSトランジスタ309、311のドレイン端子に接続される。また、容量素子の他の一端は、MOSトランジスタ312のソース端子と、MOSトランジスタ313のドレイン端子とに接続されている。
次に、降圧回路の動作の説明をする。
図3において、第1の期間Ph1に入力信号IN1として電圧GNDが入力される。このとき、MOSトランジスタ309がオンし、MOSトランジスタ309のオンによってMOSトランジスタ311と容量素子306との間の一点に電圧VCCが印加される。この一点をポイントCとする。ポイントCを、図3中に示す。また、入力信号N1として電圧GNDが入力されたことにより、p型のMOSトランジスタ310がオンされる。MOSトランジスタ310のオンによって入力端子307からは入力信号N3として電圧VCCが出力される。
このとき、期間Ph2において、容量素子306には−VCCの電荷がチャージされている。このため、ポイントCに電圧GNDがかかると、ポイントDの電圧は、−VCCになる。入力信号IN1としてVCCが入力されたことによって、n型のMOSトランジスタ312はオンされている。MOSトランジスタ312のオンにより、ポイントDの電圧である、−VCCが入力端子307から出力される。
第1実施形態の昇圧回路110は、MOSトランジスタ108に対して電圧2VCCを入力することができる。ただし、昇圧回路110では、MOSトランジスタ108に入力される入力信号IN3が、プロセスの最大定格電圧を超える恐れがある。例えば、プロセスの最大定格電圧が4Vである場合、電圧VCCが0.8V等、2V以下であれば、昇圧回路110は問題なく動作する。しかし、電圧VCCが例えば3Vの場合、入力信号IN3が6Vになり、MOSトランジスタ108に最大定格電圧を超える電圧がかかることになる。
図4は、第2実施形態の昇圧回路を示した図である。なお、図4において、図2に示した構成と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を略す。
第2実施形態の昇圧回路では、MOSトランジスタ205のソース・ドレイン間に、p型のMOSトランジスタ407が接続されている。MOSトランジスタ407の閾値電圧を、0.7Vとする。
第3実施形態は、第2実施形態と同様に、昇圧回路110から定格電圧以上の電圧が出力されることを防ぐためになされたものである。このため、第3実施形態では、図2に示した昇圧回路110に、p型のMOSトランジスタ208a〜208cを多段に接続したMOSトランジスタユニット208を追加したものである。
第3実施形態では、図4に示したMOSトランジスタ407に代えて、直列に接続された3つのp型のMOSトランジスタ208a、208b、208cによって構成されるトランジスタユニット208を備えている。このようなMOSトランジスタユニット208によれば、MOSトランジスタ407よりも高い閾値電圧を得ることができる。このため、第3実施形態によれば、ポイントBにクリップされる、クリップ電圧を高めることができる。
例えば、閾値電圧が0.7VのMOSトランジスタと、閾値電圧が0.5VのMOSトランジスタとを接続してトランジスタユニットとした場合、クリップ電圧をVCC+1.2Vとすることができる。
第1実施形態の降圧回路120は、MOSトランジスタ109に対して電圧−VCCを入力することができる。ただし、降圧回路120では、MOSトランジスタ109に入力される入力信号IN4が、プロセスの最大定格電圧を超える恐れがある。例えば、プロセスの最大定格電圧が4Vである場合、電圧VCCが0.8V等であれば、降圧回路120は問題なく動作する。しかし、電圧VCCが例えば3Vの場合、入力信号IN3が−3Vになり、MOSトランジスタ109に最大定格電圧を超える電圧(VCC−IN4=6V>4V)がかかることになる。
図6は、第4実施形態の降圧回路を示した図である。なお、図6において、図3に示した構成と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を略す。
図6に示した降圧回路では、MOSトランジスタ313と出力端子307に接続されるノード601との間に、n型のMOSトランジスタ615が接続されている。MOSトランジスタ615の閾値電圧を0.7Vとする。
第5実施形態は、第4実施形態と同様に、降圧回路120から定格電圧以上の電圧が出力されることを防ぐためになされたものである。このため、第5実施形態では、図6に示した降圧回路120に、n型のMOSトランジスタ708a〜708cを多段に接続したMOSトランジスタユニット708を追加したものである。
第5実施形態では、図6に示したMOSトランジスタ615に代えて、直列に接続された3つのn型のMOSトランジスタ708a、708b、708cによって構成されるトランジスタユニット708を備えている。このようなMOSトランジスタユニット708によれば、MOSトランジスタ615よりも高い閾値電圧を得ることができる。このため、第5実施形態によれば、ポイントDにクリップされる、クリップ電圧を高めることができる。
例えば、閾値電圧が0.7VのMOSトランジスタと、閾値電圧が0.5VのMOSトランジスタとを接続してトランジスタユニットとした場合、クリップ電圧をVCC−1.2Vとすることができる。
101 電源端子
102 グランド端子
103,104,207,307 入力端子
105 出力端子
110 昇圧回路
120 降圧回路
206,306 容量素子
208,708 トランジスタユニット
Claims (10)
- 入力電圧が入力される信号入力端子と、
第1入力端子に前記信号入力端子が接続される第1インバータと、
第2入力端子に前記信号入力端子が接続される第2インバータと、
前記第1インバータの第1出力端子に一端が接続され、前記第2インバータの電源電圧供給端子に他端が接続される容量素子と、
ソース端子に電源端子が接続され、ドレイン端子に前記第2インバータの電源電圧供給端子が接続され、ゲート端子に前記第2インバータの第2出力端子が接続され、前記第2出力端子から供給される出力電圧によってオン、オフされる昇圧用MOSトランジスタと、
前記出力電圧が出力される信号出力端子と、
を含むことを特徴とする昇圧回路。 - さらに、前記昇圧用MOSトランジスタと並列に接続された電圧クリップ回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の昇圧回路。
- 前記電圧クリップ回路は、ダイオード接続されたクリップ用MOSトランジスタであることを特徴とする請求項2に記載の昇圧回路。
- 前記電圧クリップ回路は、前記クリップ用MOSトランジスタを複数有することを特徴とする請求項3に記載の昇圧回路。
- 前記請求項1から4のいずれか1項に記載の昇圧回路と、
前記昇圧回路から出力される前記出力電圧がゲート端子に供給される、駆動用MOSトランジスタと、
を含むことを特徴とするスイッチ回路。 - 入力電圧が入力される信号入力端子と、
第1入力端子に前記信号入力端子が接続される第1インバータと、
第2入力端子に前記信号入力端子が接続される第2インバータと、
前記第1インバータの第1出力端子に一端が接続され、前記第2インバータのグランド電圧供給端子に他端が接続される容量素子と、
ソース端子にグランド端子が接続され、ドレイン端子に前記第2インバータのグランド電圧供給端子が接続され、ゲート端子に前記第2インバータの第2出力端子が接続され、前記第2出力端子から供給される出力電圧によってオン、オフされる降圧用MOSトランジスタと、
前記出力電圧が出力される信号出力端子と、
を含むことを特徴とする降圧回路。 - さらに、前記降圧用MOSトランジスタと並列に接続された電圧クリップ回路を含むことを特徴とする請求項6に記載の降圧回路。
- 前記電圧クリップ回路は、ダイオード接続されたクリップ用MOSトランジスタであることを特徴とする請求項7に記載の降圧回路。
- 前記電圧クリップ回路は、前記クリップ用MOSトランジスタを複数有することを特徴とする請求項8に記載の降圧回路。
- 請求項6から9のいずれか1項に記載の降圧回路と、
前記降圧回路から出力される前記出力電圧がゲート端子に供給される、駆動用MOSトランジスタと、
を含むことを特徴とするスイッチ回路。
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