JP5834713B2 - 油圧ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、油圧ユニットに関し、特に、油ポンプを駆動する誘導モータの運転制御に係るものである。
従来より、油ポンプに連結されたモータの回転数を制御するインバータが設けられた油圧ユニットが知られている。そして、これらの油圧ユニットの中には、特許文献1に示すように、上述したモータを誘導モータで構成したものがある。
この誘導モータは同期モータに比べて安価であるため、上記油圧ユニットの製作コストを低減できるというメリットがある反面、油圧ユニットの運転効率や流量応答が低下するというデメリットが生じるおそれがある。
特開2003−172302号公報
つまり、上記インバータで誘導モータをV/F制御してしまうと、該誘導モータの磁束が定格レベルで固定される。このため、上記油圧ユニットにおいて、負荷の状態にかかわらず、上述した定格レベルの磁束を生じさせる励磁電流に係る銅損が固定損失となる。上記誘導モータを部分負荷又は過負荷で運転している場合には、この固定損失によって上記油圧ユニットの運転効率が低下するという問題がある。又、上記誘導モータは、比較的にロータが大きくなるため応答性が悪いという問題もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記油圧ユニットに誘導モータを用いた場合であっても、上記油圧ユニットの運転効率及び運転応答性の両方が低下しないようにすることにある。
第1の発明は、油圧ポンプ(11)を駆動する誘導モータ(12)と、上記誘導モータ(12)への供給電力を調整するインバータ(13)と、上記インバータ(13)の周波数指令値又は上記誘導モータ(12)の回転速度に応じて効率優先動作と応答優先動作とを切り換えながら上記誘導モータ(12)を上記インバータ(13)を介してベクトル制御で電流を制御する制御部(1)とを備えた油圧ユニットであって、上記効率優先動作は、上記油圧ポンプ(11)の吐出圧力又は上記誘導モータ(12)のトルクに応じて上記ベクトル制御に係る励磁電流を強制的に変更しながら上記吐出圧力又は上記トルクに対する上記供給電力の電流値を最小にする動作であり、上記応答優先動作は、上記誘導モータ(12)に係る現在の回転加速度から所定時間の経過後の誘導電圧を推定し、該誘導電圧が上記インバータ(13)の最大出力電圧以下となるように上記励磁電流を強制的に変更する動作であることを特徴としている。
第1の発明では、上記誘導モータ(12)に対して、励磁電流及びトルク電流を個別に制御するベクトル制御が行われる。そして、上記効率優先動作及び上記応答優先動作は、この励磁電流を調整することによって行われる。
ここで、上記誘導モータ(12)の効率が悪くなるのは、該誘導モータ(12)の磁束を定格レベルに固定して制御するからである。したがって、効率を向上させるためには、この誘導モータ(12)の磁束を油圧ポンプ吐出圧力又はトルクに応じて変更すればよい。
油圧ポンプ吐出圧力とトルクはほぼ比例関係にあり、そのトルクはトルク電流及び磁束の積である。また、磁束と励磁電流とは比例関係にあることから、上記効率優先動作では、油圧ポンプ吐出圧力又は上記誘導モータ(12)のトルクに応じて上記励磁電流を変更しながら、上記油圧ポンプ吐出圧力又は上記トルクに対する上記トルク電流及び上記励磁電流のベクトル和が最小となるように調整する。これにより、これらのベクトル和で示される上記誘導モータ(12)の供給電流を最小化することができ、上記誘導モータ(12)のモータ効率が向上する。
一方、上記誘導モータ(12)の応答性が悪くなるのは、誘導モータ(12)の回転速度と比例関係にある誘起電圧が上記インバータ(13)の最大出力電圧以上になると、磁束が減衰して誘起電圧が低下するまでの間、上記誘導モータ(12)へ十分なトルク電流を流すことができなくなり、誘導モータ(12)の出力トルクが上がらなくなるからである。したがって、上述した応答性を向上させるためには、この誘起電圧を上記インバータ(13)の最大出力電圧以下にすればよい。
上記応答優先動作では、上記誘起電圧が磁束及び回転速度の積に対して比例関係であることから、誘導モータ(12)の回転速度が速くなって上記誘起電圧が上記最大出力電圧よりも大きくなるときには、上記励磁電流を減少させて上記磁束を強制的に弱めることによって、上記誘起電圧が上記最大出力電圧を超えないようにしている。これにより、上記誘導モータ(12)の回転速度が速くなっても上記誘起電圧が上記最大出力電圧を超えることがなく、上記誘導モータ(12)の応答性が向上する。
ここで、上記励磁電流の変動に対する磁束変化は誘導モータの回転子の抵抗とインダクタンスで決まる時定数で遅れて応答するので、上記誘導モータ(12)の応答性をさらに向上させるためには、早めに励磁電流を変動させればよい。上記応答優先動作では、上記誘導モータ(12)に係る現在の回転加速度から所定時間経過後の誘起電圧を推定し、その推定した誘起電圧が上記最大出力電圧を超えようとするときに、励磁電流を減少させ始めることが可能となる。尚、回転速度を推定する際の所定時間は、上記誘導モータ(12)に係る励磁電流に対する磁束の変化の時定数に設定するのが好ましい。以上より、上述した磁束変化の応答性が悪くても、早めに励磁電流を下げることで、その応答性の悪さをカバーすることができるようになる。
第2の発明は、第1の発明において、上記制御部(1)は、上記インバータ(13)の周波数指令値又は上記誘導モータ(12)の回転速度が所定値以下のときに上記効率優先動作を行い、上記インバータ(13)の周波数指令値又は上記誘導モータ(12)の回転速度が所定値よりも大きいときに上記応答優先動作を行うことを特徴としている。
第2の発明では、上記誘導モータ(12)が低速状態のときに効率優先動作を行い、高速状態のときに応答優先動作を行うようにしている。例えば、上記油圧ユニット(10)がチャック機構に連結された油圧シリンダに接続されているとする。この場合において、上記チャック機構が対象物をチャックしている状態では、油圧ポンプ(11)が低速回転になって所定の負荷トルクがかかり続けるので加速応答動作よりも効率優先動作となるのがよい。一方、上記チャック機構が対象物をチャックしようとする状態では、油圧ポンプ(11)が高速回転になって負荷トルクが小さいので効率優先動作よりも応答優先動作となるのがよい。このように、上記油圧ユニット(10)の状況に応じて、最も好適な動作に切り換えることが可能となる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記制御部(1)は、上記供給電力の電流値が最小となる上記吐出圧力及び上記励磁電流の相対関係を予め記憶し、上記効率優先動作時に、上記相対関係に基いて上記吐出圧力から導出した励磁電流値となるように上記励磁電流を強制的に変更することを特徴としている。
第3の発明では、上記誘導モータ(12)への供給電流が最小となるような、吐出圧力及び励磁電流の相対関係を予め定めておく。そして、この相対関係に基いて吐出圧力から直接的に励磁電流を演算し、この演算値となるように上記誘導モータ(12)へ供給される励磁電流を変更する。
第4の発明は、第1から第3の何れか1つの発明において、上記制御部(1)は、上記誘導電圧が上記インバータ(13)の最大出力電圧以下となる推定回転速度及び上記励磁電流の相対関係を予め記憶し、上記応答優先動作時に、上記相対関係に基いて上記推定回転速度から導出した励磁電流値となるように上記励磁電流を強制的に変更することを特徴としている。
第4の発明では、上記誘導モータ(12)に生じる誘起電圧が上記インバータ(13)の最大出力電圧を超えないような、回転速度及び励磁電流の相対関係を予め求めておく。そして、この相対関係に基いて推定回転速度から直接的に励磁電流を演算し、この演算値となるように上記誘導モータ(12)へ供給される励磁電流を変更する。
本発明によれば、上記インバータ(13)の周波数指令値又は上記誘導モータ(12)の回転速度に応じて、上記誘導モータ(12)の制御動作を効率優先動作又は応答優先動作に切り換えることができる。これにより、上記油圧ユニット(10)のモータを誘導モータ(12)で構成した場合でも、上記油圧ユニット(10)の運転効率及び運転応答の両方が低下するような制御動作を避けることができる。
また、上記第2の発明によれば、上記油圧ポンプ(11)の低速回転時には上記誘導モータ(12)を効率優先動作で制御し、上記油圧ポンプ(11)の高速回転時には上記誘導モータ(12)を応答優先動作で制御する。これにより、上記油圧ユニット(10)の運転特性に応じた好適な動作で上記誘導モータ(12)を制御することができる。
また、上記第3の発明によれば、上記効率優先動作において、上記油圧ポンプ(11)の吐出圧力を検出してから上記誘導モータ(12)の励磁電流を変更するまでの処理を簡略化することができる。これにより、上記油圧ユニット(10)に係る制御部(1)の処理速度を速めることができる。
また、上記第4の発明によれば、上記応答優先動作において、上記誘導モータ(12)の回転加速度から推定回転速度を演算した後で上記誘導モータ(12)の励磁電流を変更するまでの動作を簡略化することができる。これにより、上記油圧ユニット(10)に係る制御部(1)の処理速度を速めることができる。
図1は、本実施形態に係る油圧ユニットの油圧回路図である。 図2は、本実施形態に係る油圧ユニットの応答優先演算部の制御動作を示すフローチャートである。 図3は、吐出圧力及び励磁電流の相対関係を示すグラフである。 図4は、回転速度及び励磁電流の相対関係を示すグラフである。 図5は、制御部に係る応答優先動作時の動作結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の油圧ユニット(10)は、例えばマシニングセンタ等の工作機械に設けられ、ワークや工具を挟んで固定するチャック機構を動作させる油圧シリンダ(図示なし)に接続される。この油圧ユニット(10)は、油圧ポンプ(11)と誘導モータ(12)とインバータ(13)とコントローラ(20)とを備えている。又、この油圧ユニット(10)には、上記油圧ポンプ(11)の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ(15)と上記誘導モータ(12)の回転数を検出する回転数センサ(16)と上記誘導モータ(12)の出力トルクを推定するトルク推定部(17)とが設けられている。
上記油圧ポンプ(11)は、上記油圧ユニット(10)が有する油タンク(14)内の作動油を吸入して上記油圧シリンダへ吐出するものである。この油圧ポンプ(11)は、例えばギアポンプ、トロコイドポンプ、ベーンポンプ、及びピストンポンプ等の固定容量型ポンプで構成されている。この油圧ポンプ(11)の回転部と上記誘導モータ(12)のロータ部とが回転軸で連結されている。尚、この誘導モータ(12)の回転速度は上記インバータ(13)で適宜に調整される。
上記コントローラ(20)は、上記油圧ユニット(10)の運転制御するものである。このコントローラ(20)には、図1に示すように、上記インバータ(13)を介して上記誘導モータ(12)をベクトル制御する制御部(1)が設けられている。この制御部(1)は、トルク演算部(2)と励磁電流演算部(3)とベクトル制御部(4)とを備えている。
〈トルク演算部〉
上記トルク演算部(2)は、上記油圧ポンプ(11)の必要トルクを演算するものである。このトルク演算部(2)には、上述した油圧シリンダが所定の動作をするために必要な上記油圧ポンプ(11)に係る回転数指令値及び吐出圧力指令値が入力される。これらの入力値に基いて上記油圧ポンプ(11)の必要トルクが演算され、この演算値がトルク指令値として上記トルク演算部(2)から上記ベクトル制御部(4)へ出力される。
〈励磁電流演算部〉
上記励磁電流演算部(3)は、上記誘導モータ(12)の励磁電流を演算するものである。この励磁電流演算部(3)には、上記吐出圧力センサ(15)及び上記回転数センサ(16)の検出値が入力される。又、上記励磁電流演算部(3)には、切換部(5)と効率優先演算部(6)と応答優先演算部(7)とが設けられている。
−切換部−
上記切換部(5)は、上記回転数センサ(16)の検出値に応じて効率優先演算部(6)及び応答優先演算部(7)の一方を動作させる。上述したように、上記油圧ユニット(10)は、チャック機構を動作させる油圧シリンダに接続されている。この場合において、上記チャック機構が対象物をチャックしている状態では、油圧ポンプ(11)が低速回転になって比較的に大きな負荷トルクがかかるので加速応答よりも効率を優先させる動作となるのがよい。一方、上記チャック機構が対象物をチャックしようとする状態では、油圧ポンプ(11)が高速回転になって負荷トルクが小さいので効率よりも加速応答を優先させる動作となるのがよい。
このような油圧ユニット(10)の運転特性から、上記回転数センサ(16)の検出値が所定値以下の場合には上記効率優先演算部(6)を動作させ、上記回転数センサ(16)の検出値が所定値よりも大きい場合には上記応答優先演算部(7)を動作させる。尚、上述した所定値は、上記チャック機構がチャックしている状態での上記油圧ポンプ(11)の回転数に基いて設定される。
−効率優先演算部−
上記効率優先演算部(6)は、上述したように上記回転数センサ(16)の検出値が所定値以下の場合に動作する。この効率優先演算部(6)では、上記誘導モータ(12)の応答性よりもモータ効率を重視した励磁電流が演算される。
この効率優先演算部(6)には上記吐出圧力センサ(15)の検出値が入力される。この入力値に基いて上記誘導モータ(12)の負荷トルクが演算され、さらに負荷トルクから上記励磁電流値が演算される。この演算では、上記吐出圧力センサ(15)の検出値が大きくなると上記励磁電流値も大きくなり、上記検出値が小さくなると上記励磁電流値も小さくなる。このようにして演算された励磁電流値が励磁電流指令値として上記ベクトル制御部(4)へ出力される。
−応答優先演算部−
上記応答優先演算部(7)は、上述したように上記回転数センサ(16)の検出値が所定値よりも大きい場合に動作する。この応答優先演算部(7)では、上記誘導モータ(12)のモータ効率よりも応答性を重視した励磁電流を演算する。
この応答優先演算部(7)には上記トルク推定部(17)及び上記吐出圧力センサ(15)の検出値が入力される。又、この応答優先演算部(7)には、上記インバータ(13)の出力電圧が入力される。これらの入力値に基いて、上記誘導モータ(12)に必要な励磁電流値が演算された後、この励磁電流値が励磁電流指令値として上記ベクトル制御部(4)へ出力される。この応答優先演算部(7)の演算動作を図2に基いて説明する。
まず、ステップST1では、上記誘導モータ(12)に係る現在の回転加速度が算出される。具体的には、上記トルク推定部(17)の検出値である出力トルクから上記吐出圧力センサ(15)の検出値に応じて求められた負荷トルクを差し引いて加速トルク値を算出する。又、上記誘導モータ(12)に係るロータのイナーシャと上記油圧ポンプ(11)に係る回転部のイナーシャとを加算した総イナーシャ値を算出する。そして、上記トルク値を総イナーシャ値で除算して上記回転加速度を算出する。
次に、ステップST2では、ステップST1の回転加速度に、上記誘導モータ(12)に係るモータ磁束の時定数を乗じて推定増加回転速度を算出する。ここで、モータ磁束の時定数とは、励磁電流が変化してからモータ磁束が収束し始めるまでの時間をいう。尚、この時定数は誘導モータ(12)の仕様により決定される。このように、現在の回転加速度に基いて、現在から所定時間(時定数)経過後までの回転速度の増加量が算出される。
ステップST3では、ステップST2の推定増加回転速度とモータ磁束とを乗じた値に現在のインバータ出力電圧を加算して推定モータ誘起電圧を算出する。つまり、この算出値は、現在のモータ誘起電圧値ではなく、現在から所定時間(モータ磁束の時定数)経過後の誘起電圧値となる。
ステップST4では、ステップST3の推定モータ誘起電圧値が、インバータ(13)の最大出力電圧値からマージン電圧値を差し引いた値(以下、最大電圧値という。)よりも大きいか否かが判定される。この推定モータ誘起電圧値がインバータ(13)の最大電圧値よりも大きい場合にはステップST5へ移り、そうでない場合にはステップST6へ移る。
ステップST5では、現在の励磁電流指令値を所定値だけ減少させた後で、その減少した励磁電流指令値を上記ベクトル制御部(4)へ出力する。このように、励磁電流指令値を減少させることで、上記推定誘起電圧を上記最大電圧値よりも小さくすることが可能となる。
ステップST6では、現在の励磁電流指令値を所定値だけ増加させた後で、その増加した励磁電流指令値を上記ベクトル制御部(4)へ出力する。このように、励磁電流指令値を増加させることで、上記推定誘起電圧を上記最大電圧値へ近づけることが可能となる。
このように、上記応答優先演算部(7)では、ステップST1からステップST6までの処理が繰り返し行われる。
〈ベクトル制御部〉
上記ベクトル制御部(4)は、上記誘導モータ(12)へ供給される供給電力の運転周波数及び出力電圧を演算するものである。このベクトル制御部(4)には、上述したように、上記励磁電流演算部(3)の励磁電流指令値及び上記トルク演算部(2)のトルク指令値が入力される。このベクトル制御部(4)では、上記励磁電流演算部(3)に係る効率優先演算部(6)及び応答優先演算部(7)のどちらの方から指令値が入力されるかで、該ベクトル制御部(4)の処理動作が異なる。
上記効率優先演算部(6)から励磁電流指令値が入力された場合、上記ベクトル制御部(4)では、上記トルク指令値に対応する必要トルクを満たす上記誘導モータ(12)の供給電流の最小値を決定し、この供給電流の最小値に応じた運転周波数指令値及び出力電圧指令値を演算する。具体的に、上記供給電流はトルク電流及び励磁電流のベクトル和であることから、上記励磁電流指令値に基いて、このベクトル和が最小となるようなトルク電流を求めることで、上記供給電流の最小値を決定する。
一方、上記応答優先演算部(7)から励磁電流指令値が入力された場合、上記ベクトル制御部(4)では、上記励磁電流指令値に基いて、上記トルク指令値に対応する出力トルクを満たす上記誘導モータ(12)の供給電流を適宜に決定し、この決定した供給電流に応じた運転周波数指令値及び出力電圧指令値を演算する。
このようにして演算された運転周波数指令値及び出力電圧指令値が上記ベクトル制御部(4)から上記インバータ(13)へ出力される。
−運転動作−
上記油圧ユニット(10)が運転を開始すると、上記誘導モータ(12)を通じて上記油圧ポンプ(11)が駆動する。そして、この油圧ポンプ(11)を介して上記油タンク(14)の作動油が油圧シリンダへ供給されて、該油圧シリンダがチャック機構を動作させる。
ここで、上記チャック機構が対象物をチャックしようとするとき、上記油圧ポンプ(11)が高速状態となり、該油圧ポンプ(11)の回転数が所定値よりも大きくなったことを上記回転数センサが検知すると、上記制御部(1)が応答優先動作を行う。
この応答優先動作では、上記誘導モータ(12)に係る現在の回転加速度から所定時間経過後の誘起電圧を推定し、その推定した誘起電圧が上記最大電圧値を超えないように上記応答優先演算部(7)で励磁電流指令値が調整される。尚、所定時間経過後の誘起電圧を推定することにより、上記励磁電流指令値を早めに調整することができるようになる。この早めの調整により、現時点の誘起電圧を上記最大電圧値以下に保つことができる。この結果、上記誘導モータ(12)の応答性が向上する。
一方、上記チャック機構が対象物をチャックすると、上記油圧ポンプ(11)が低速状態となり、該油圧ポンプ(11)の回転数が所定値以下になったことを上記回転数センサが検知すると、上記制御部(1)が効率優先動作を行う。
この効率優先動作では、上記吐出圧力センサ(15)の検出値から上記誘導モータ(12)の負荷トルクを求め、この負荷トルクに基いて上記効率優先演算部(6)で励磁電流指令値が演算される。そして、この励磁電流指令値と上記トルク演算部(2)のトルク指令値とが上記ベクトル制御部(4)に入力される。該ベクトル制御部(4)では、上記誘導モータ(12)の必要トルクに対する供給電流の最小値が決定され、この最小値に応じた運転周波数指令値及び出力電圧指令値が上記インバータ(13)へ出力される。
この制御部(1)の効率優先動作によって、上記インバータ(13)を介して上記誘導モータ(12)に係る供給電力の周波数と電圧が調整されることにより、上記誘導モータ(12)が最小電流で必要トルクを出すことができるようになる。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、上記油圧ユニット(10)の運転状態で変化する上記インバータ(13)の周波数指令値又は上記誘導モータ(12)の回転速度に応じて、上記誘導モータ(12)の制御動作を効率優先動作と応答優先動作とに切り換えることができる。これにより、上記油圧ユニット(10)のモータを誘導モータ(12)で構成した場合でも、上記油圧ユニット(10)の運転効率及び運転応答の両方が低下するような制御動作を避けることができる。
また、本実施形態によれば、上記油圧ポンプ(11)の低速回転時には上記誘導モータ(12)を効率優先動作で制御し、上記油圧ポンプ(11)の高速回転時には上記誘導モータ(12)を応答優先動作で制御する。これにより、上記油圧ユニット(10)の運転特性に応じた好適な動作で上記誘導モータ(12)を制御することができる。
この応答優先動作を行うことにより、図5に示すように、従来よりも早めに励磁電流を強制的に下げることができる。ここで、従来の場合には、上記誘導モータ(12)が定格回転数以上になると、該誘導モータ(12)の誘起電圧がインバータ(13)の最大出力電圧以上となり、磁束が減衰して誘起電圧が低下するまでの間、上記誘導モータ(12)へ十分なトルク電流を流すことができなかった。
しかし、本実施形態では、早めに励磁電流を強制的に下げることができる。つまり、図5に示すA時間から励磁電流が下がり始める。尚、A’時間は、従来の励磁電流に係る降下開始時間である。このように、磁束の時定数分だけ、上記誘導モータ(12)へ十分なトルク電流を流すことができる。この結果、図5に示すように、回転速度指令に対する上記誘導モータ(12)の回転速度の応答が向上する。
−実施形態の変形例1−
上記実施形態の変形例1では、上記励磁電流演算部(3)の構成が上記実施形態とは異なる。以下、上記実施形態と同じ部分については説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
この変形例1の励磁電流演算部(3)には、上記効率優先演算部(6)に代えて圧力/電流テーブルが設けられ、上記応答優先演算部(7)に代えて回転数/電流テーブルが設けられている。
上記圧力/電流テーブルは、上記誘導モータ(12)への供給電流が最小となるような、上記吐出圧力及び上記励磁電流の相対関係を定めたものである。図3は、その相対関係をグラフ化したものである。図中の破線は、上記インバータ(13)で誘導モータ(12)をV/F制御した場合の従来の励磁電流である。図3からわかるように、従来の励磁電流は上記吐出圧力にかかわらず一定であるのに対して、本発明の励磁電流は上記吐出圧力に応じて最大電流と最小電流との間で変化している。
これにより、上述した固定損失を吐出圧力に応じて変動させることができる。尚、図中の最小電流値は、上記誘導モータ(12)を安定して運転するための最低限の磁束に基いて定められる。図中の最大電流値は、これ以上の励磁電流を流しても磁束が増えない値である。
又、上記回転数/電流テーブルは、上記誘導モータ(12)に生じる誘起電圧が上記インバータ(13)の最大出力電圧を超えないような、回転速度及び励磁電流の相対関係を定めたものである。図4は、その相対関係をグラフ化したものである。図4からわかるように、上記誘導モータ(12)の定格回転速度(商用電源を用いた場合の回転速度)以下の場合には、励磁電流値は一定であり、この定格回転速度を超えると励磁電流値は緩やかに減少する。
変形例1の励磁電流演算部(3)では、上記吐出圧力センサ(15)の検出値が入力されると、上記圧力/電流テーブルによって、その検出値に対応する励磁電流値を瞬時に求めることができる。又、変形例1の励磁電流演算部(3)では、上記誘導モータ(12)に係る現在の回転加速度から所定時間経過後の回転速度(以下、推定回転速度という。)を決定し、上記回転数/電流テーブルによって、この推定回転速度から励磁電流を瞬時に求めることができる。このように、各テーブルを用いることで、上記制御部(1)に係る処理速度を速めることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、上記回転数センサ(16)の検出値に基いて、上記制御部(1)の動作を効率優先動作と応答優先動作とに切り換えていたが、これに限定される必要はなく、例えば、上記インバータ(13)から上記誘導モータ(12)へ出力される運転周波数指令値に基いて、上記制御部(1)の動作を切り換えてもよい。又、上記誘導モータ(12)の回転速度を推定する回転数推定部を設け、この回転数推定部の出力値に基いて、上記制御部(1)の動作を切り換えてもよい。この場合でも、同様の効果を得ることができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、油圧ユニットに関し、特に、油ポンプを駆動する誘導モータの運転制御について有用である。
1 制御部
2 トルク演算部
3 励磁電流演算部
4 ベクトル制御部
5 動作切換部
6 効率優先演算部
7 応答優先演算部
10 油圧ユニット
11 油圧ポンプ
12 誘導モータ
13 インバータ
14 油タンク
20 コントローラ

Claims (4)

  1. 油圧ポンプ(11)を駆動する誘導モータ(12)と、
    上記誘導モータ(12)への供給電力を調整するインバータ(13)と、
    上記インバータ(13)の周波数指令値又は上記誘導モータ(12)の回転速度に応じて効率優先動作と応答優先動作とを切り換えながら上記誘導モータ(12)を上記インバータ(13)を介してベクトル制御で電流を制御する制御部(1)とを備え、
    上記効率優先動作は、上記油圧ポンプ(11)の吐出圧力又は上記誘導モータ(12)のトルクに応じて上記ベクトル制御に係る励磁電流を強制的に変更しながら上記吐出圧力又は上記トルクに対する上記供給電力の電流値を最小にする動作であり、
    上記応答優先動作は、上記誘導モータ(12)に係る現在の回転加速度から所定時間の経過後の誘導電圧を推定し、該誘導電圧が上記インバータ(13)の最大出力電圧以下となるように上記励磁電流を強制的に変更する動作であることを特徴とする油圧ユニット。
  2. 請求項1において、
    上記制御部(1)は、上記インバータ(13)の周波数指令値又は上記誘導モータ(12)の回転速度が所定値以下のときに上記効率優先動作を行い、上記インバータ(13)の周波数指令値又は上記誘導モータ(12)の回転速度が所定値よりも大きいときに上記応答優先動作を行うことを特徴とする油圧ユニット。
  3. 請求項1又は2において、
    上記制御部(1)は、上記供給電力の電流値が最小となる上記吐出圧力及び上記励磁電流の相対関係を予め記憶し、上記効率優先動作時に、上記相対関係に基いて上記吐出圧力から導出した励磁電流値となるように上記励磁電流を強制的に変更することを特徴とする油圧ユニット。
  4. 請求項1から3の何れか1つにおいて、
    上記制御部(1)は、上記誘導電圧が上記インバータ(13)の最大出力電圧以下となる推定回転速度及び上記励磁電流の相対関係を予め記憶し、上記応答優先動作時に、上記相対関係に基いて上記推定回転速度から導出した励磁電流値となるように上記励磁電流を強制的に変更することを特徴とする油圧ユニット。
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