JP5833996B2 - 浴室出入口用建具 - Google Patents

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Description

本発明は、浴室出入口用建具に関する。
浴室出入口用の建具として、浴室の脱衣室側の床面から、建具下枠の上面および浴室の床面(洗い場)まで、高さレベルがほぼ一定な略フラットな面を形成したバリアフリータイプの建具が知られている。
このようなバリアフリータイプの浴室出入口用建具としては、従来、洗い場から脱衣室側に水が流出することを防止するため、浴室出入口用建具の下枠下側に配水樋や排水管を設け、浴室から流出する水を下枠下側の排水樋等に落として排水する構造のものが用いられていた。
この従来の建具の構造では、建具下側や洗い場の下側等に排水樋や配水管を配置するスペースが必要となり、施工性やメンテナンス性が低下するため、このような排水樋等を設けない浴室出入口用建具も提案されている。
例えば、片引き戸形式の障子を下枠のレールに開閉自在に設け、下枠の上面部の脱衣室側端部に立上部を設け、この立上部の上端と同じ高さに上端が位置するスロープ用アタッチメントを上面部に設け、このアタッチメント部材と上面部との間に上面部上に流出した水を浴室側へ戻す排水空間を形成した従来例(特許文献1)がある。
特許第4236616号公報
特許文献1の従来例では、正しく施工し、前記排水空間を定期的に清掃すれば排水性能を維持できる。しかしながら、建具の不良施工や経年に伴うゴミ詰まりで、下枠内に水が溜まることがある。
下枠内に水が溜まった状態で障子を引込部に引き込むと、レールの上を移動する障子の下部が下枠内に溜まった水を押し出すことになり、下枠の引込部側端部から水が脱衣室側に漏れるという課題がある。
本発明の目的は、障子を引込部へ引き込む際に脱衣室側への漏水を少なくすることができる浴室出入口用建具を提供することにある。
本発明の浴室出入口用建具は、浴室出入口に取り付けられる建具枠と、この建具枠に対して開閉可能に設けられた障子とを備える浴室出入口用建具であって、前記建具枠は、前記障子を案内する上枠および下枠と、前記障子の戸先框に対向する戸先縦枠と、前記障子の戸尻框に対向する戸尻縦枠とを備えて構成され、前記下枠は、上面部と、この上面部から上方に立ち上がって形成されて前記障子の戸車を案内するレール部とを備え、前記下枠のレール部は、前記障子を戸尻縦枠側に移動して出入口を開口した際に前記障子が配置される引込部を備え、前記レール部の引込部には、スロープ部材と、前記スロープ部材の戸尻縦枠側に配置された嵩上レール部材とが設けられ、前記嵩上レール部材は、前記レール部の上方に設けられて前記障子の戸車を支持する支持部を有し、前記スロープ部材は、前記レール部の高さ位置から前記支持部の高さ位置まで傾斜されて前記障子の戸車を案内する案内面が形成されたスロープ本体を有することを特徴とする。
このような本発明によれば、障子を開放操作すると、障子は、レール部からスロープ部材を経由して嵩上レール部材まで滑らかに移動する。
嵩上レール部材はレール部のうち引込部に配置された部位にあるので、嵩上レール部材で支持される障子の下端は下枠の上面部から上方に離れていることになる。そのため、浴室から流入した水が引込部に溜まっていても、引込部に位置する障子の下端が引込部に溜まった水の水面から上方に離れていると、障子が戸尻縦枠に向かって移動しても、水を戸尻縦枠に向けて押し出すことがない。障子の下端が引込部に溜まった水の水面より下方にあっても、引込部に位置する障子の下端から引込部に溜まった水の水面までの距離が小さいので、障子で水を押し出したとしても、その量が少ないものとなる。従って、脱衣室側への漏水がないか、あるいは、漏水があったとしても、その量が少ないものとなる。しかも、出入口では、障子は嵩上レール部材ではなくレール部に支持されることから、障子を支持する部材の高さを低いまま維持することができる。そのため、脱衣室から浴室に人が出入りしても、レール部が邪魔になることがないから、バリアフリー用の浴室出入口用建具として好適である。
本発明の浴室出入口用建具では、前記障子が前記戸先縦枠から前記戸尻縦枠へ向かって移動して前記障子の戸車が前記スロープ部材の開始位置に到達する際に、前記障子の戸先框と前記戸先縦枠とで形成される開口の水平方向の寸法は、前記開口を脱出口として利用可能な寸法に設定されていることが好ましい。
この構成によれば、スロープ部材の破損、その他の理由によって、障子の戸車がレール部からスロープ部材へ乗り換える際に障子の移動が規制されたとしても、戸車がスロープ部材の開始位置まで移動することによって生じる開口を脱出口として利用できるので、当該開口を通じて居室と浴室との間を人が行き来することができる。そのため、浴室内に人が閉じ込められるという不都合を回避することができる。
本発明の浴室出入口用建具では、前記嵩上レール部材は、前記レール部の上部に係合する係合部を備え、前記スロープ部材は、前記スロープ本体の一端側に設けられ前記嵩上レール部材に係止される第一係止部と、前記スロープ本体の他端側に設けられ前記レール部に係止される第二係止部と、を備えることが好ましい。
この構成によれば、下枠のレール部に嵩上レール部材を係合し、この嵩上レール部材とレール部とをそれぞれスロープ部材で係止することで、嵩上レール部材とスロープ部材とのレール部への設置を容易に行うことができる。
本発明の浴室出入口用建具では、前記嵩上レール部材は、前記レール部に連結される嵩上部本体と、この嵩上部本体から浴室側に向かって設けられたヒレ部とを備え、このヒレ部と前記上面部との間のスペースは前記下枠に残る残水を収容する残水スペースとされることが好ましい。
この構成によれば、下枠の上面部に溜まった水はヒレ部によって下枠側の残水スペースに収容された下部領域と上方に位置する上部領域とに区分けされる。そのため、障子が戸尻縦枠に移動して水を押し出すことがあっても、押し出す水の領域は主にヒレ部の上方に位置する上部領域となり、ヒレ部の下方に位置する下部領域の水は障子の移動の影響を受けにくいので、脱衣室への漏水をより少量にすることができる。
本発明の浴室出入口用建具では、前記ヒレ部と前記上面部との間には前記残水スペースを少なくするための充填部材が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、残水スペースに充填部材を設けることで、ヒレ部の下に残水をさせないか、あるいは、その量を少なくすることができるので、脱衣室への漏水の量をより少なくすることができる。
本発明では、障子を引込部へ引き込む際に脱衣室側への漏水を少なくすることができる。
第1実施形態の浴室出入口用建具を浴室側から示す正面図。 浴室出入口用建具の横断面図。 浴室出入口用建具の縦断面図。 嵩上レール部材およびスロープ部材が下枠に取り付けられた状態を示す斜視図。 図4の分解斜視図。 図2のVI−VI線で示す矢視断面図。 本発明の第2実施形態の浴室出入口用建具を示すもので、図2に相当する図。 第2実施形態の要部を示す縦断面図。 (A)はスロープ部材の側面図、(B)は取付部材の側面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、各図においては、図面を見やすくするために、主要な構成部材については、その断面部分のハッチングを省略することがある。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る浴室出入口用建具(サッシ)の全体構成について、図1ないし図3に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の浴室出入口用建具1を浴室側から示す正面図である。図2は、浴室出入口用建具1の横断面図である。図3は、浴室出入口用建具1の縦断面図である。
これらの図において、本実施形態の浴室出入口は、浴室床の床面(図示せず)と、脱衣室床2の床面および建具枠10の敷居(下枠12)の最上面との段差が所定寸法範囲、例えば、約10〜15mm程度以下とされた低段差構造とされている。
浴室出入口用建具1は、建具枠10と、この建具枠10内に開閉自在に設けられた片引き形式の障子20とを備えた建具である。
障子20は、それぞれアルミ押出形材製の上框21、下框22、戸尻框23Aおよび戸先框23Bを四周枠組みし、ガラスや樹脂などの面材24を組み込んで形成されている。戸先框23Bには取手25が取り付けられている。
障子20の上部、例えば、戸尻框23Aおよび戸先框23Bの下端部には、それぞれ凹状のガイド溝を有する摺動片12Tが設けられている。
障子20の下部、例えば、戸尻框23Aおよび戸先框23Bの下端部には、戸車26A,26Bが設けられている。
建具枠10は、障子20を案内する上枠11および下枠12と、障子20の戸尻框23Aに対向する戸尻縦枠13Aと、障子20の戸先框23Bに対向する戸先縦枠13Bとを備えて構成されており、これらの枠はそれぞれアルミ押出形材から形成されている。上枠11は障子20の摺動片12Tを案内する上レール11Tを有する。
脱衣室側において、脱衣室床2に下枠12が、天井(図示せず)に上枠11が、それぞれビス止め固定され、浴室側において、浴室床の端部に形成された支持部(図示せす)に下枠12が載置されて、支持されている。
これらの上枠11、戸尻縦枠13Aおよび戸先縦枠13Bの構成や躯体側への取付構造は、従来と同様のものであるため、説明を省略する。
建具枠10の幅方向略中央における上枠11と下枠12との間には、縦骨14が架設されている。上枠11、下枠12、戸尻縦枠13Aおよび縦骨14の浴室側の部位にはそれぞれ固定枠150が設けられており、これらの固定枠150には固定面材15の四辺部が固定されている。
図3において、下枠12は、略中空筒状の成形品であり、上面部121と、上面部121の脱衣室側端縁から略垂直に立ち上がる立上部122と、この立上部122より浴室側に配置され上面部121から立ち上がって形成されたレール部123とを備えている。
ここで、上面部121は略フラットな水平面とされているが、レール部123から浴室側端面に向かって低くなるように僅かに傾斜されて水勾配が付けられている。レール部123の上端位置は立上部122の上端位置より低い。
図1および図2において、前記下枠12のレール部123は、障子20を戸尻縦枠13A側に移動して出入口を開口した際に障子20が配置される引込部10Aを備える。引込部10Aの戸尻側まで障子20が移動すると、障子20の戸先框23Bと、戸先縦枠13Bと、上枠11および下枠12とで囲まれる空間が開口部10Bを構成することになる。開口部10Bに位置する下枠12の浴室側には、延出部12Aが延出されている。
レール部123のうち引込部10Aに配置された部位の上方には、嵩上レール部材31が設けられている。嵩上レール部材31の戸尻側端部はレール部123の端部に合わせて戸尻縦枠13Aに近接する位置まで延びている。
嵩上レール部材31とレール部123のうち嵩上レール部材31より戸先縦枠13B側に位置する部位とは、スロープ部材32で接続されている。レール部123の上面の高さに比べて嵩上レール部材31の上面の高さが高い。そのため、障子20は、レール部123で支持されている場合に比べて引込部10Aの嵩上レール部材31で支持されている場合に上端位置が高くなるが、障子20の摺動片12Tの開口部分の谷と上枠11の上レール11Tの下端とには所定の寸法があるため(図3参照)、障子20の上端が上枠11に当たって移動が阻害されることがない。
ここで、スロープ部材32は引込部10Aにあり、レール部123とスロープ部材32との継ぎ目がスロープ部材32の開始位置Pである。障子20が戸先縦枠13Bから戸尻縦枠13Aへ向かって移動して戸尻側の戸車26Aがスロープ部材32の開始位置Pに到達すると、戸先縦枠13Bと障子20の戸先框23Bとで開口が形成される。この開口の水平方向の寸法Wは、開口が脱出口として利用可能な寸法、例えば、250mm以上350mm以下、好ましくは300mmに設定されている。
嵩上レール部材31およびスロープ部材32の詳細な構造が図4、図5および図6に示されている。
図4は嵩上レール部材31およびスロープ部材32が下枠12に取り付けられた状態を示す斜視図であり、図5は図4の分解斜視図であり、図6は図2のVI−VI線で示す矢視断面図である。なお、図6と図2とでは見ている向きが逆となるため、レール部123および嵩上レール部材31の断面形状が左右逆となる。
これらの図において、レール部123は、直線上に所定間隔離して配置された2本のレール本体1231と、これらのレール本体1231の間に所定の隙間を設けて配置された取付片部1232とを備えている。
レール本体1231は、上面部121から起立して形成された基部1231Aと、この基部1231Aの上端から直角に折れ曲がって形成された上端部1231Bとを備えている。
取付片部1232は、スロープ部材32が配置される箇所において上面部121から起立して形成された長尺状の板状部材であり、レール部123の長手方向に沿った端部がそれぞれ斜めに切り欠かかれた形状とされている。取付片部1232の高さはレール本体1231の高さより低い。
嵩上レール部材31は、アルミや合成樹脂からなる押出成形品であり、レール本体1231の上端部1231Bに係合する係合部311と、障子20の戸車26Aを支持する支持部312とを備えている。なお、嵩上レール部材31は、図では1本のレールとして示されているが、本実施形態では、嵩上レール部材31は1本から構成してもよく、複数本から構成してもよい。複数本から嵩上レール部材31を構成する場合には、これらをレール部123に沿って並べて配置するが、これらの間での段差がなくなるようにするために、端部同士を当接させることが好ましい。
係合部311は、レール本体1231が収納される凹部311Aを備え、この凹部311Aの内周面には上端部1231Bを抜け止めするための抜止用突起311Bが形成されている。係合部311は、その下端に上面部121と当接するとともに先端が互いに離れる方向に形成された一対の脚部311Cと、これらの脚部311Cの上側にそれぞれ設けられた係止突起311Dとを備える。
支持部312は、係合部311の上端から上方に向けて突出して形成された起立部3121と、この起立部3121の上端から直角に折れ曲がって形成され戸車26A,26Bが案内される上端部3122とを備える。
スロープ部材32は、ポリアセタールその他の合成樹脂からなり、戸車26Aを案内するスロープ本体320と、このスロープ本体320の一端部にそれぞれ設けられ嵩上レール部材31に係止される2つの第一係止部321と、スロープ本体320の他端に突出して設けられ開口部10B側のレール本体1231に係止される1つの第二係止部322と、を備える。
スロープ本体320は、その上面に戸車26A,26Bを案内する断面円弧状の案内面320Aが形成され、その内部に取付片部1232に係合する凹部(図示せず)が形成されている。
スロープ本体320の案内面320Aと支持部312の上端部3122の上面とは滑らかに接続されており、案内面320Aとレール部123の上端部1231Bの上面とは滑らかに接続されている。
第一係止部321は係合部311の脚部311Cと係止突起311Dとの間に係止される。
第二係止部322はレール本体1231の基部1231Aと上端部1231Bとに係止される。
嵩上レール部材31およびスロープ部材32を設置するには、予め、押出成形された下枠12のレール部を加工し、レール本体1231と取付片部1232とを上面部121に形成しておく。
そして、レール本体1231に嵩上レール部材31を直接押し付ける。なお、嵩上レール部材31が直線上に並んでいるレール本体1231の間の寸法より短いか、あるいは、嵩上レール部材31を複数本から構成する場合には、取付片部1232の上から嵩上レール部材31を下枠12の上面部121に押し付け、その後、嵩上レール部材31を戸尻縦枠13A側に向けてスライドさせる。これにより、嵩上レール部材31の抜止用突起311Bがレール本体1231の上端部1231Bの下方に案内される。この状態では、嵩上レール部材31を上面部121から離そうとしても、抜止用突起311Bにより上端部1231Bが係止されるので、抜け止めされる。
その後、スロープ部材32を取付片部1232の上から上面部121に向けて押し付け、嵩上レール部材31に向けてスライドさせる。すると、スロープ部材32の第一係止部321が嵩上レール部材31の脚部311Cと係止突起311Dとの間に係止される。
さらに、スロープ部材32を嵩上レール部材31とは反対側に少しスライドさせることで、スロープ部材32の第二係止部322がレール本体1231に係止される。
以上の構成の浴室出入口用建具1において障子20を開放操作すると、障子20は、戸尻縦枠13Aに向けてレール本体1231からスロープ部材32を経由して嵩上レール部材31まで滑らかに移動する。
ここで、浴室から流入した水が引込部10Aで溜まることがあっても、引込部10Aにおいて障子20が嵩上レール部材31によって嵩上げされているので、下枠12の上面部121と障子20の下端縁との間の寸法は大きくなる。そのため、障子20が戸尻縦枠13Aに向けて移動しても、障子20の下端が引込部10Aに溜まった水の水面から上方に離れている場合には、水を押し出すことがなく、あるいは、水面の下方にあっても水面までの距離が小さいので、押し出す水の量が少ないものとなる。
このような本実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)レール部123の引込部10Aには、スロープ部材32と、このスロープ部材32の戸尻側に配置された嵩上レール部材31とが設けられている。嵩上レール部材31は、レール部123の上方に設けられて障子20の戸車26Aを支持する支持部312を有し、スロープ部材32は、レール部123の高さ位置から支持部312の高さ位置まで傾斜されて障子20の戸車26Aを案内する案内面320Aが形成されたスロープ本体320を有する。そのため、引込部10Aでは嵩上レール部材31によって障子20が高い位置にあるため、引込部10Aに水が溜まっても、移動する障子20で水を押し出すことがないか、押し出しても少量であり、脱衣室への漏水が少ないものとなる。しかも、出入口では、嵩上レール部材31が設けられることがなく、レール部123で障子20が支持されているので、障子20を支持するレール部123を従来と同様に低いまま維持することができるので、バリアフリー用の浴室出入口用建具として好適である。
(2)障子20が戸先縦枠13Bから戸尻縦枠13Aへ向かって移動し戸尻縦枠13A側にある戸車26Aがスロープ部材32の開始位置Pに到達する際に、戸先縦枠13Bと、障子20の戸先框23Bとで形成される開口の水平方向の寸法Wが、開口を脱出口として利用可能な寸法に設定されている。そのため、戸車26Aがレール部123からスロープ部材32へ乗り換える際に、スロープ部材32等の不具合、例えば、スロープ部材32の破損によって障子20がそれ以上動かなくなっても、出入口の開口が寸法Wだけ確保される。開口として寸法Wが確保されることにより、居室と浴室との間を人が行き来することができることになり、浴室内に人が閉じ込められるという不都合を回避することができる。
(3)嵩上レール部材31は、レール本体1231の上端部1231Bに係合する係合部311を備えているから、下枠12への嵩上レール部材31の設置を容易に行うことができる。
(4)係合部311はレール本体1231が収納される凹部311Aを備え、この凹部311Aの内周面には上端部1231Bを抜け止めするための抜止用突起311Bが形成されているので、設置された嵩上レール部材31がレール本体1231から誤って外れることを防止することができる。
(5)スロープ部材32は、スロープ本体320の一端側に設けられ嵩上レール部材31に係止される第一係止部321と、スロープ本体320の他端側に設けられレール本体1231に係止される第二係止部322とを備えているから、スロープ部材32の設置を容易に行うことができ、しかも、嵩上レール部材31とレール本体1231とからの離脱を防止することができる。
(6)スロープ部材32の上面部121と対向する部分に取付片部1232と係合する凹部が形成されているので、スロープ部材32を取付片部1232に取り付けた後では、レール部123の長手方向と直交する方向のズレを防止できる。
(7)取付片部1232の形状を、基部1231Aから直角に折れ曲がった上端部1231Bを設けたレール本体1231とは異なり、単純な板状としたので、嵩上レール部材31を取付片部1232の位置から設置する際に、抜止用突起311Bがあってもスムーズに嵩上レール部材31を取付片部1232にセットすることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る浴室出入口用建具について、図7から図9に基づいて説明する。
図7は浴室出入口用建具を示す図2に相当する図であり、図8は浴室出入口用建具の要部を示す縦断面図である。
図7および図8において、浴室出入口用建具1Aは、第1実施形態と同様に、建具枠10と、この建具枠10内に開閉自在に設けられた障子20とを備えた建具である。
下枠12のレール部123のうち引込部10Aに配置された部位の上方に嵩上レール部材31Aが設けられ、嵩上レール部材31Aとレール部123のうち嵩上レール部材31より開口部端部側に位置する部位とはスロープ部材32Aで接続されている。嵩上レール部材31Aの戸尻縦枠13A側には取付部材33が設けられている。
ここで、障子20の戸車26Aがスロープ部材32Aの開始位置Pに到達する際に生じる出入口の開口の水平方向の寸法Wは、開口を脱出口として利用可能な寸法に設定されている(図1参照)。
嵩上レール部材31Aは、アルミや合成樹脂からなる押出成形品であり、レール本体1231に連結される嵩上部本体310と、この嵩上部本体310から浴室側に向かって設けられたヒレ部313とを備えている。
嵩上部本体310は係合部311および支持部312を備えており、係合部311を構成する一対の係止突起311Dのうち一方にヒレ部313が一体に形成されている。
ヒレ部313は、浴室側の先端部がU字状に折り曲げて形成されており、その折り曲げられた曲折部313Aの一部が固定枠150と当接されている。
ヒレ部313と下枠12の上面部121との間のスペースは下枠12に残る残水を収容する残水スペースSとされる。
残水スペースSには充填部材34が設けられている。充填部材34は熱可塑性エラストマー等の合成樹脂から形成されたブロック状の残水対策用部品であり、その上面がヒレ部313の下面と当接し、その下面が下枠12の上面部121と当接し、その一方の側面が係合部311の側面に当接し、その他方の側面が固定枠150の側面に当接する。なお、充填部材34の角部はヒレ部313の曲折部313Aの先端に食い込まれている。
充填部材34のレール部123の長手方向に沿った長さはヒレ部313の長さ寸法より短い。
スロープ部材32Aはポリアセタールその他の合成樹脂からなり、そのレール部123の長手方向と直交する断面の形状は嵩上レール部材31Aとほぼ同じである。
スロープ部材32Aの側面形状が図9(A)に示されている。
図7および図9(A)において、スロープ部材32Aは戸車26A,26Bを案内するスロープ本体320と、このスロープ本体320の一端部に設けられ嵩上レール部材31Aに係止される1つの第一係止部321Aと、スロープ本体320の他端部に設けられレール本体1231に係止される図示しない第二係止部とを備える。
スロープ本体320は、その上面の案内面320Aが嵩上レール部材31Aの支持部312の上面とレール本体1231の上面とを接続するように傾斜している。
第一係止部321Aは、嵩上レール部材31Aのヒレ部313と係合部311と下枠12の上面部121との間に係止される。
取付部材33の側面形状が図9(B)に示されている。
図7および図9(B)において、取付部材33は、ポリアセタール、その他の合成樹脂製のブロック体であり、上面部121に配置されるブロック本体330と、このブロック本体330の一端部に設けられ嵩上レール部材31Aに係止される係止部331とを備える。なお、ブロック本体330に高さ調整ねじ(図示せず)を設け、取付部材33を介して嵩上レール部材31Aの高さ調整や傾斜調整をしてもよい。
第2実施形態では、第1実施形態の効果に加えて次の効果を奏することができる。
(8)レール本体1231に連結される嵩上部本体310と、この嵩上部本体310に設けられたヒレ部313とを備えて嵩上レール部材31Aを構成したから、ヒレ部313と下枠12の上面部121との間のスペースが下枠12に残る残水を収容する残水スペースSとされるので、障子20が戸尻縦枠13Aに移動して水を押し出すことがあっても、押し出す水の領域は主にヒレ部313の上方に位置する領域となり、ヒレ部313の下方に位置する領域の水は障子20の移動の影響を受けにくくなる。そのため、障子20の移動に伴って押し出される水の量が少なくなるので、脱衣室への漏水をより少量にすることができる。
(9)ヒレ部313と下枠12の上面部121との間に残水スペースSを埋める充填部材34を設けたから、ヒレ部313と上面部121との間のスペースでの残水の量を少なくすることにより、脱衣室への漏水の量をより少なくすることができる。
なお、本発明は前記各実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、浴室出入口用建具1としては、前記各実施形態に示す片引き戸形式の浴室出入口用建具1に限らず、二枚引戸形式の浴室出入口用建具でもよい。従って、建具枠10や障子20の具体的な構造、材質などは、実施にあたって適宜設定すればよい。
第1実施形態では、嵩上レール部材31の戸尻側端部がレール部123の端部に合わせて戸尻縦枠13Aに近接する位置まで延びた構成としたが、本発明では、この構成に限定されるものではない。例えば、嵩上レール部材31の戸尻側端部がレール部123の途中位置までになるように嵩上レール部材31を短くし、嵩上レール部材31の戸尻側端部とレール部123の戸尻側端部との間に嵩上レール部材31の上面からレール部123の上面に下り傾斜するスロープ部材32を配置する構成としてもよい。この場合、嵩上レール部材31とその両側にあるスロープ部材31との合計の長さが障子20の戸車26A,26Bの間隔より短い場合には、障子20が引込部10Aに収納されると、障子20の戸車26A,26Bがそれぞれレール部123で支持されることになり、障子20が水平に保たれることになる。なお、この例では、嵩上レール部材31や両側に配置されたスロープ部材32の長さを長くすることで、両スロープ部材32で障子20の戸車26A,26Bを支持するものとしてもよい。
さらに、本発明では、嵩上レール部材31の戸尻側端部とレール部123の戸尻側端部との間に嵩上レール部材31を設けることに代えて、嵩上レール部材31の途中位置から戸尻側に向けて下り傾斜する切欠きを形成することでもよい。この場合でも、障子20の戸車26A,26Bがそれぞれレール部123で支持されることになり、障子20が水平に保たれる。
また、第1実施形態では、嵩上レール部材31とスロープ部材32とをレール部123に係止させる構成としたが、本発明では、嵩上レール部材31とスロープ部材32とを上面部121にビス止めするものであってもよい。この場合、防水のために、ビス止めする箇所にシールをすることが好ましい。
さらに、第2実施形態では、充填部材34をヒレ部313と上面部121との間に設けたが、本発明では、充填部材34を設けることを要しない。この場合、ヒレ部313に図示しない高さ調整用ビスをねじ込み、この高さ調整用ビスのねじ込み量を調整することで、嵩上レール部材31Aの高さ調整や傾斜調整をすることができる。
1,1A…浴室出入口用建具、2…脱衣室床、10…建具枠、10A…引込部、10B…開口部、12…下枠、13A…戸尻縦枠,13B…戸先縦枠、20…障子、23A…戸尻框、23B…戸先框、26A,26B…戸車、31,31A…嵩上レール部材、32,32A…スロープ部材、34…充填部材、121…上面部、123…レール部、310…嵩上部本体、311…係合部、312…支持部、313…ヒレ部、320…スロープ本体、321,321A…第一係止部、322…第二係止部、331…係止部、1231…レール本体、P…開始位置、S…残水スペース、W…寸法

Claims (5)

  1. 浴室出入口に取り付けられる建具枠と、この建具枠に対して開閉可能に設けられた障子とを備える浴室出入口用建具であって、
    前記建具枠は、前記障子を案内する上枠および下枠と、前記障子の戸先框に対向する戸先縦枠と、前記障子の戸尻框に対向する戸尻縦枠とを備えて構成され、
    前記下枠は、上面部と、この上面部から上方に立ち上がって形成されて前記障子の戸車を案内するレール部とを備え、
    前記下枠のレール部は、前記障子を戸尻縦枠側に移動して出入口を開口した際に前記障子が配置される引込部を備え、
    前記レール部の引込部には、スロープ部材と、前記スロープ部材の戸尻縦枠側に配置された嵩上レール部材とが設けられ、
    前記嵩上レール部材は、前記レール部の上方に設けられて前記障子の戸車を支持する支持部を有し、
    前記スロープ部材は、前記レール部の高さ位置から前記支持部の高さ位置まで傾斜されて前記障子の戸車を案内する案内面が形成されたスロープ本体を有する浴室出入口用建具。
  2. 前記障子が前記戸先縦枠から前記戸尻縦枠へ向かって移動して前記障子の戸車が前記スロープ部材の開始位置に到達する際に、前記障子の戸先框と前記戸先縦枠とで形成される開口の水平方向の寸法は、前記開口を脱出口として利用可能な寸法に設定されている請求項1に記載の浴室出入口用建具。
  3. 前記嵩上レール部材は、前記レール部の上部に係合する係合部を備え、
    前記スロープ部材は、前記スロープ本体の一端側に設けられ前記嵩上レール部材に係止される第一係止部と、前記スロープ本体の他端側に設けられ前記レール部に係止される第二係止部と、を備える請求項1または請求項2に記載の浴室出入口用建具。
  4. 前記嵩上レール部材は、前記レール部に連結される嵩上部本体と、この嵩上部本体から浴室側に向かって設けられたヒレ部とを備え、このヒレ部と前記上面部との間のスペースは前記下枠に残る残水を収容する残水スペースとされる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の浴室出入口用建具。
  5. 前記ヒレ部と前記上面部との間には、前記残水スペースを少なくするための充填部材が設けられている請求項4に記載の浴室出入口用建具。
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