JP5833658B2 - 超音波モータのためのアクチュエータを電気的に励起する方法及び装置 - Google Patents
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Description
圧電素子の正弦電流の位相との間に保たれた一定の位相差によって調整され、超音波モータの機能の不安定化を導く。
図面は概略により示したものであり、正確な縮尺によるものではない。
本発明の根本的な着想は、アクチュエータを通じて流れる圧電電流を、アクチュエータの容量性充電電流から分離することと、超音波アクチュエータの励起電圧の周波数を調整するために分離された圧電電流の位相シフトを用いることである。
本発明によって、機械共振周波数Fmを伴う超音波モータに対するアクチュエータを電気的に励起するための方法が得られ、該方法では、超音波モータは、励起電極及び汎用電極を備える少なくとも1つの音響定在波発生器を有し、電気キャパシタンスC0は、励起電極と汎用電極との間に生成される。本発明に応じた方法において、矩形励起電圧Ugは、少なくとも1つの音響定在波発生器の励起電極及び汎用電極に印加され、矩形励起電圧Ugの周波数は、アクチュエータの機械共振周波数Fmとは異なる。次いで、フィードバック要素の手段によって、電圧ugが供給され、電圧ugは、定在波発生器を通じて流れる電流Igに比例し、電流Igは、圧電電流Ipと電気キャパシタンスC0の充電及び放電電流Icとの和によって生成される総合電流である。続いて、電圧upを電圧ucからインパルスフィルタの手段によって分離する工程が行われ、電圧upは、圧電電流Ipに比例し、電圧ucは電気キャパシタンスC0の充電及び放電電流Icに比例する。最後に、圧電電流Ipと矩形励起電圧Ugとの間の位相差がほぼゼロになるように、矩形励起電圧の周波数が変化する。
リッジパワーアンプ、ブリッジパワーアンプ、又はデュアルクロックパワーアンプとして設計される。これは、電圧セレクタスイッチの内部抵抗を著しく低減させることを可能にし、よって、可能な限りキャパシタの充電及び放電電流Icのパルス期間を短くする。
さらに、超音波モータの圧電アクチュエータを電気的に励起するための装置が自動式の発生器として実装される場合、有利であり得る。
制御電圧形成装置が対称なパルス幅変調(PWM)変調器を有する場合もまた、有利であり得る。対称なPWM変調器の使用によって、電流Ip、すなわち、駆動される要素の動きの速度を調整することができる。
さらに、超音波モータの圧電アクチュエータを電気的に励起するための装置の電気コンポーネントが、部分的に又は完全に、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)又はFPGA(フィールドプログラム可能ゲートアレイ)のタイプのプログラム可能なデジタルプロセッサによって実装される場合、便利であり得る。これは、電気励起装置の設計を単純にすることができ、すなわち、その設計のコストを低減させるとともに、干渉に対する耐性を増加させる。
装されることもできる。共振器5は、圧電セラミックの材料から成るが、金属、酸化物セラミック、金属セラミック、単結晶の材料、又は高い機械Q値を有する他の材料からも成ることができる。共振器5は、音響超音波に対する閉じた、又は開放された導波管を形成することができる。
電圧を印加するように、電極7及び8は、出力14,15を有する。出力14,15は、より線の導体として実装されるが、弾性要素又は電気的に導電性ゴム要素として実装されることもできる。
発生器6は、共振器5において音響超音波の定在波を発生するように用いられ、共振器5は、超音波モータによってモータの動作のために用いられる。この波は、縦波、たわみ波、剪断波、ねじれ波、体積波、平面波、表面波、対称、非対称又は異なるタイプの音響波であり得る。用いられる波のタイプ及び形状は、共振器5の幾何学形状、電極7及び8の形状、圧電セラミックの二極化ベクトルの電極7及び8に対する方向、及び励起電圧Ugの周波数によって決定される。
パスフィルタ33として設計される。しかしながら、ローパスフィルタ34又は積分器35(図6参照)としても設計され得る。さらに、インパルスフィルタ23は、比較器又はインパルス装置(図7参照)であり得る。これらのフィルタは、フィードバック要素22によって提供される電圧ugに対する回路遮断器37を含んでおり、制御入力38は、電圧セレクタ21に、エッジ検出器39を通じて接続される。さらに、インパルスフィルタ23は、パッシブ又はアクティブな電気コンポーネントから成ることができ、又は、自由にプログラム可能なマイクロコントローラとともに実装されることができる。
図8は、機械共振周波数Fmの領域における超音波モータ1に対する定在波発生器6の電気機械パラメータを図示するように、等価回路を示す。この回路における記号は、次の意味を有する。C0=電気キャパシタンスであって、電極7と電極8との間に生成される;Lm=電気インダクタンスであって、アクチュエータ2の質量に比例する;Cm=電気キャパシタンスであって、アクチュエータ2の弾性コンプライアンスに比例する;Rm=電気抵抗であって、アクチュエータ2における機械損失に比例する;R1=電気抵抗であって、アクチュエータ2の負荷の機械抵抗に比例する。
p)もまた正弦波を有する。この場合、電流Igの振幅と電流Ip(Vp)の振幅とは、図9の例40に示される関係を有する。図9の表示41は、周波数における電圧Ugと電流Igとの位相シフトの依存性を示す。
機械共振周波数Fmにおいて、インダクタンスLmは、キャパシタンスCmによって補償されるため、この周波数において、電流Ip(矩形励起電圧Ugに対する有効電流、又は実効電流、すなわち、電流の位相シフト)は、ゼロである。
機能の説明
超音波モータ1のアクチュエータ2を電気的に励起するための本発明に応じた方法は、電気矩形励起電圧Ugがアクチュエータ2の音響超音波定在波のためのメイン発生器6の励起電極7及び汎用電極8に印加され、その周波数Fは、初期において、アクチュエータ2の機械共振周波数Fmから僅かに異なる、という事実に基づく。次いで、フィードバック要素22は、アクチュエータ2の発生器6を通じて流れる電流Igに比例する電圧ugを分岐(タップオフ)させる。この後、インパルスフィルタ23によって、圧電電流Ip
に比例する電圧upは、キャパシタンスC0の充電及び放電電流Icに比例する電圧ucから分離される。次に、圧電電流Ipと矩形励起電圧Ugとの位相差φpがゼロの値に近づくように、又はゼロと等しくなるように、矩形励起電圧Ugの周波数Fが変更される。アクチュエータ2の音響定在波のための発生器6を通じて流れる圧電電流Ipは、従って、安定化される。
バンドパスフィルタ33としてのインパルスフィルタ23の実装は、機械共振周波数Fmにおける位相誤差が除去されることを可能にし、一方、ローパスフィルタ34又は積分器35とされるインパルスフィルタ23の設計は、これらのフィルタが極めて単純に設計されることを可能にする。
電気励起装置20における電気供給電圧のための対称なPWM変調器53又はレギュレータを用いることによって、電流Ip(Vp)、すなわち、駆動される要素4の動きの速度を調整することが可能である。
本発明に応じた方法及び本発明に応じた装置は、励起電圧の周波数を、超音波アクチュエータに対する最適値に保持されるようにする。この周波数は、アクチュエータの機械共振周波数に等しい値において一定に保たれており、超音波モータのアクチュエータに適用される負荷とは独立している。これは、超音波モータの動作安定度を増加する。超音波モータは常に最適な動作範囲において動作しているため、超音波モータの動作に必要とされる励起電圧及び電流の大きさ又は電力は低減される。モータは、より少ない程度にしか加熱されず、よって、動作温度範囲を延長する。
Claims (15)
- 機械共振周波数Fmを有する超音波モータの圧電アクチュエータを電気的に励起する方法であって、該圧電アクチュエータは、励起電極と汎用電極とを備える少なくとも1つの音響定在波発生器を有しており、前記励起電極と前記汎用電極との間に、電気キャパシタンスC0が生成され、
矩形励起電圧Ugを、前記少なくとも1つの音響定在波発生器の前記励起電極と前記汎用電極とに印加する工程であって、前記矩形励起電圧Ugの周波数は、前記圧電アクチュエータの機械共振周波数Fmとは異なる、前記印加する工程と、
電圧ugをフィードバック要素によって提供する工程であって、提供された前記電圧ugは、前記音響定在波発生器を通じて流れる電流Igに比例し、電流Igは、圧電電流Ipと前記電気キャパシタンスC0の充電及び放電電流Icとの和による総合電流である、前記提供する工程と、
電圧upを電圧ucからインパルスフィルタによって分離する工程であって、電圧upは、圧電電流Ipに比例し、電圧ucは、前記電気キャパシタンスC0の充電及び放電電流Icに比例する、前記分離する工程と、
前記圧電電流Ipと前記矩形励起電圧Ugとの間の位相差がほぼゼロになるように、前記矩形励起電圧U g の周波数を変更する工程と、を備える方法。 - 前記音響定在波発生器を通じて流れる前記圧電電流Ipは安定化される、請求項1に記載の方法。
- 超音波モータの圧電アクチュエータを電気的に励起する装置であって、
該圧電アクチュエータは、機械共振周波数F m を有し、かつ、少なくとも1つの音響定在波発生器を有しており、前記少なくとも1つの音響定在波発生器は、電気キャパシタンスC 0 を形成するための励起電極と汎用電極とを備え、
前記装置は、少なくとも1つのパワーアンプと、フィードバック要素と、フィルタと、制御電圧形成装置と、を備えており、
前記少なくとも1つのパワーアンプは、直接的に又は非直接的に前記少なくとも1つの音響定在波発生器に接続されており、前記圧電アクチュエータの供給電圧に対する電圧セ
レクタスイッチとして実装されており、前記少なくとも1つのパワーアンプは、矩形励起電圧U g を、前記少なくとも1つの音響定在波発生器に提供し、
前記音響定在波発生器を通る電流と同じ電流が前記フィードバック要素を通るように、および、前記フィードバック要素によって、電圧u g が提供されるように、該フィードバック要素は、該音響定在波発生器に直列に接続されており、提供された前記電圧u g は、前記音響定在波発生器を通じて流れる電流I g に比例し、電流I g は、圧電電流I p と前記電気キャパシタンスC 0 の充電及び放電電流I c との和による総合電流であり、
前記フィルタは、前記フィードバック要素によって生成される電圧のインパルスフィルタとして実装されており、前記インパルスフィルタは、電圧u p の電圧u c からの分離を可能にするように設計されており、電圧u p は、圧電電流I p に比例し、電圧u c は、前記電気キャパシタンスC 0 の充電及び放電電流I c に比例し、
前記制御電圧形成装置の入力部は、前記インパルスフィルタの出力部に接続されており、前記制御電圧形成装置の出力部は、前記少なくとも1つのパワーアンプの入力部に接続されており、前記制御電圧形成装置は、前記圧電電流I p と前記矩形励起電圧U g との間の位相差がほぼゼロになるように前記矩形励起電圧U g の周波数を変更するよう設計されている、装置。 - 前記電圧セレクタスイッチは、ハーフブリッジパワーアンプと、ブリッジパワーアンプと、デュアルクロックパワーアンプとのうちのいずれか1つとして実装される、請求項3に記載の装置。
- 前記フィードバック要素は、低い値の実効抵抗として実装されるか、又は電流に対する測定変圧器として実装される、請求項4に記載の装置。
- 前記インパルスフィルタは、フィードバック要素によって生成される電圧に対するバンドパスフィルタとして実装されており、前記圧電アクチュエータの機械共振周波数Fmに同調される、請求項3〜5のいずれか1項に記載の装置。
- 前記インパルスフィルタは、フィードバック要素によって生成される電圧に対するローパスフィルタ又は積分器として実装される、請求項3〜5のいずれか1項に記載の装置。
- 前記インパルスフィルタは、前記フィードバック要素によって生成される電圧に対する回路遮断器を備えており、該インパルスフィルタの制御入力は、エッジ検出器を通じて前記電圧セレクタスイッチに接続される、請求項3〜5のいずれか1項に記載の装置。
- 前記インパルスフィルタは、電圧比較器として実装される、請求項3〜5のいずれか1項に記載の装置。
- 前記装置は自動式の発生器として実装される、請求項9に記載の装置。
- 前記制御電圧形成装置は、矩形波に対する、位相検出器及び制御式の発生器を備える、請求項3〜9のいずれか1項に記載の装置。
- 前記制御電圧形成装置は、対称なパルス幅変調式の変調器である、請求項8〜11のいずれか1項に記載の装置。
- 前記装置は、前記パワーアンプに与える電圧に対するレギュレータを有する、請求項8〜12のいずれか1項に記載の装置。
- 前記装置は、前記音響定在波発生器を通じて流れる圧電電流に対する安定化システムを
有する、請求項3〜13のいずれか1項に記載の装置。 - 前記装置の電気コンポーネントの一部又は全部は、デジタルシグナルプロセッサ又はフィールドプログラム可能ゲートアレイのタイプのプログラム可能なデジタルプロセッサによって実現される、請求項3〜14のいずれか1項に記載の装置。
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