JP5833078B2 - タルボ方式のx線画像システム - Google Patents

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Description

本発明は、タルボ方式のX線画像システムに関し、特に、X線位相画像の撮影が可能なタルボ方式のX線画像システムに関する。
従来、X線画像撮影として、被写体によるX線吸収により形成されるX線吸収画像による画像診断が一般的である。しかしながら、例えば、人体や動物の軟部組織のように、X線吸収が小さい被写体の場合、充分なコントラストが得られず画像診断がしにくかったり、困難であったりした問題があった。
そこで、このような軟部組織等のX線吸収が小さい被写体の変化を発見するためには、最近、放射線画像撮影に代わり、MRI(magnetic resonance imaging)等により得られた画像を用いた診断が検討されている。しかし、MRIによる撮影は費用や診察に要する時間等の観点から被撮影者の負担が大きく、一般の定期検診等に組み込んで行うことは難しいことから、撮影を定期的に行い、変化を経時的に観察することは困難であるという問題があった。
一方、X線画像撮影として、被写体によるX線位相差により形成されるX線位相画像の開発が進められている。このX線位相画像の撮影は、医療診断・生物診断・食物検査用に用いた場合、X線吸収画像と比較して、被写体の軟部のコントラストが大きい、或いはエッジ効果によってくっきりと見えるために、例えば、微小な病変の検出や、軟部組織の病変の検出が可能となっている。
X線位相画像撮影においては、結晶製X線干渉計方式、DEI方式、伝播法、Zemike位相差顕微法、タルボ干渉計方式など、種々の方式が開発されている。なかでも他の方式と比べて空間分解能や検出感度が高く、実用的でもあるタルボ干渉計方式が近年公開されている。タルボ干渉計方式によれば、タルボ効果により得られるモアレ縞画像を縞走査法で複数枚撮影し、位相シフト像(位相差画像)と位相シフト微分像(微分位相画像)を得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2004/058070号
しかしながら、微分位相画像と吸収画像は、互いに独立であるために、微分位相画像及び吸収画像の両方とも診断に用いる場合、両方の画像を保存する必要がある。また、位相差画像は微分位相画像を積分処理して得られる画像であり、一方、微分位相画像は位相差画像を微分処理して得られる画像なので、原理的には、どちらか一方を保存するだけで他方の画像を再生できるが、保存した微分位相画像を積分処理して位相差画像を表示させたり、保存した位相差画像を微分処理して微分位相画像を表示させようとすると、第一に、レスポンスが遅く、特に、医療診断・生物診断・食物検査では、トータルとしての診断・検査効率が低くなる問題が懸念され、第二に、一方の画像から他方の画像を再生するには、保存する画像データ量は階調数・画素数ともに大きいことが必要で、ストレージ容量の増大を招き、実用的には好ましくない。
さらに、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と吸収画像、微分位相画像と位相差画像を一方だけ、又は、バラバラに診断・検査しても、それなりの診断・検査が可能であるが、医療診断・生物診断・食物検査に用いた場合、これらを同時に又は逐次に診断・検査した方が、より良好な診断・検査が可能になる。
本発明は、前記した点に鑑みてなされたものであり、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と位相差画像とを、レスポンス良く同時又は逐次に表示することができ、高い診断・検査効率で診断・検査でき、また、保存データ量が多くなくてもよく、ストレージ容量の増大を抑えることもできるX線画像システム及びX線画像プログラムを提供することを目的とするものである。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
1.X線源と、前記X線源から照射され被写体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置される複数の格子と、を有し、前記X線源、前記被写体及び前記X線検出器の相対位置関係を一定に保ち、縞走査法による一連のX線撮影で複数のモアレ縞画像を取得するX線撮影手段と、
前記複数のモアレ縞画像に基づいて、それぞれ異なるアルゴリズムを用いて診断用画像である吸収画像、微分位相画像、位相差画像を生成する生成手段と、
当該吸収画像、微分位相画像、位相差画像を同時または逐次に表示する表示手段と、
を備えることを特徴とするタルボ方式のX線画像システム。
本発明によれば、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のモアレ縞画像から得られた吸収画像と微分位相画像と位相差画像とを、レスポンス良く同時又は逐次に表示することができるので、高い診断・検査効率で診断・検査でき、また、保存する画像データ量が多くなくてもよく、ストレージ容量の増大を抑えることもできるX線画像システムを提供することができる。
第一実施形態におけるX線画像システムの側面図である。 第一実施形態におけるX線画像システムの構成例を示す説明図である。 第一回折格子の断面図である。 第二回折格子の断面図である。 第一回折格子と第二回折格子との要部構成を示す図である。 図1のX線画像システムに備わる撮影装置本体部の制御構成を示すブロック図である。 図6の制御装置で実行される微分位相画像、位相差画像、吸収画像、の算出処理の流れを表すデータフローダイアグラムである。 第二実施形態におけるX線画像システムの構成例を示す説明図である。 図8のX線画像システムに備わるX線屈折レンズアレイの概略構成を示す説明図である。 図9のX線屈折レンズアレイに備わるX線屈折レンズの断面図である。 図8のX線撮影システムに備わるX線検出器の隣接する2画素に1つの縞がまたがった際に、他の縞の端部付近が進入した状態を表す説明図である。 図8のX線画像影システムに備わる撮影装置本体部の制御構成を示すブロック図である。 図8のX線画像システムでの撮影時におけるX線の照射状況を示す図である。 図8のX線検出器上に現出する縞の被写体の有無に基づく変位を表す説明図である。 図12の制御装置で実行される微分位相画像、位相差画像、吸収画像、位相エッジ効果を有する吸収画像の算出処理の流れを表すデータフローダイアグラムである。 第二実施形態に係るX線屈折レンズの変形例を示す説明図である。 第二実施形態に係るX線屈折レンズの変形例を示す説明図である。 第二実施形態に係るX線屈折レンズアレイの変形例を示す説明図である。 第二実施形態に係るX線屈折レンズの変形例を示す説明図である。 第二実施形態に係るX線屈折レンズアレイの変形例を表す説明図である。 図20のX線屈折レンズアレイにより現出されたドットの変位を表す説明図である。 第二実施形態に係るX線撮影システムの変形例を示す説明図である。
以下に、図を参照しつつ、本発明に係るX線画像システムの実施形態について説明する。なお、発明を実施するための最良の形態欄は、発明を実施するために発明者が最良と認識している形態を示すものであり、発明の範囲や、特許請求の範囲に用いられている用語を一見、断定又は定義するような表現もあるが、これらは、あくまで、発明者が最良と認識している形態を特定するための表現であり、発明の範囲や、特許請求の範囲に用いられている用語を特定又は限定するものではない。
<第1実施形態>
図1に、第1実施形態におけるX線画像システム100の構成例を示す。X線画像システム100は、X線撮影手段1及びコンソール3等で構成される。X線撮影手段1は、被写体Hに向けてX線を照射するX線源2と、X線源2から照射され被写体Hを透過したX線を検出するX線検出器14と、X線源2及びX線検出器14の間で、所定距離を有して平行に配置される第一回折格子4及び第二回折格子5等で構成され、これら各部はコンソール3によって制御される。
X線源2には、高電圧を発生する高電圧発生源121と、高電圧発生源121により高電圧が印加されるとX線を発生するX線管122と、が設けられている(図6参照)。また、X線源2は、X線源制御部123を備えており、高電圧発生源121及びX線管122は、X線源制御部123とそれぞれ接続されている。X線源制御部123は、コンソール3の制御装置31(図6参照)からの制御信号に基づいて、高電圧発生源121、X線管122を制御する。
本第1実施形態においては、図2に示すように、X線源2から照射され被写体Hを透過したX線が、第一回折格子4及び第二回折格子5を透過してX線検出器14に入射するようになっており、X線源2、第一回折格子4及び第二回折格子5によってタルボ干渉計が構成される。なお、タルボ干渉計が構成される条件については後述する。
図3は、第一回折格子4の図2におけるI−I断面図である。図2及び図3に示すように、第一回折格子4は、基板41と、この基板41に配置された複数の回折部材42と、隣接する回折部材42の間各々を埋めて、隣接する回折部材42を保持する保持部材43を有し、図示しない被写体台及びこれに保持された被写体Hを通って照射されたX線を回折させることにより、後述するタルボ効果を生じさせるものである。基板41は、例えばガラス等により形成されている。なお、基板41の回折部材42が配置されている面を回折格子面とする。
複数の回折部材42は、いずれも、X線源2から照射されるX線の照射方向に直交する一方向(図2において上下方向)に延びる線状の部材である。各回折部材42の厚みはほぼ等しくなっており、例えば、吸収型回折格子の場合、10μm以上100μm以下が好ましく、位相型回折格子の場合、1μm以上10μm以下が好ましい。
また、複数の回折部材42の配置間隔(格子周期)d(図3参照)は一定であり、つまり複数の回折部材42の配置間隔dは等間隔であり、2μm以上10μm以下の間隔が好ましい。
複数の回折部材42を構成する材料としては、X線吸収性に優れるものが好ましく、例えば金、銀、白金等の金属を用いることができる。回折部材42は、例えば基板41の上にこれらの金属をめっき、蒸着等することにより形成される。回折部材42としては、照射されるX線に対して(1/3)×π以上(2/3)×π以下(特に、(3/8)×π以上(5/8)×π以下、理想的には(1/2)×π)の位相シフト量を与える、いわゆる位相型回折格子を構成するものであることが好ましい。つまり、回折部材42は、回折部材42に照射されたX線の位相速度を変化させていることになる。X線はかならずしも単色である必要はなく、上記条件を満たす範囲のエネルギー幅(つまり波長スペクトル幅)を有しても構わない。
図4は、第二回折格子5の図2におけるII−II断面図である。図2及び図4に示すように、第二回折格子5は、前記第一回折格子4と同様に、基板51と複数の回折部材52と、隣接する回折部材52の間各々を埋めて、隣接する回折部材52を保持する保持部材53を有している。なお、基板51の、回折部材52が配置されている面を回折格子面とする。なお、第二回折格子5の回折部材52相互間の間隔d及び各回折部材52の幅は、第一回折格子4の回折部材42相互間の間隔d及び各回折部材42の幅と同一となっている。また、第一回折格子4及び第二回折格子5は、例えば、特開2006−259264号公報に記載の方法など公知の方法で作成できるが、公知でない方法で作成してもよい。
また、図5に示すように、第一回折格子4と第二回折格子5とは、回折格子保持構造体7により一定距離を維持して保持されている。そして、第一回折格子4と第二回折格子5とは、その回折部材42、52の延在方向が一致するような配置で回折格子保持構造体7に保持されており、第一回折格子4により回折されたX線を第二回折格子5が回折することにより、画像コントラストを形成する構成となっている。第二回折格子5については、回折部材52をより厚くした振幅型回折格子であることが望ましいが、第一回折格子4と同様の構成とすることも可能である。各回折部材52の厚みはほぼ等しく、例えば、吸収型回折格子の場合、20μm以上200μm以下が好ましく、位相型回折格子の場合、1μm以上10μm以下が好ましい。
X線源2としては、例えば、医療現場や非破壊検査施設で広く用いられているクーリッジX線管や、回転陽極X線管が挙げられる。なお、回転陽極X線管においては、陰極から放射される電子線が陽極に衝突することでX線が発生する。これは自然光のようにインコヒーレント(非干渉性)であり、また平行光X線でもなく発散光である。電子線が陽極の固定した場所に当り続けると、熱の発生で陽極が傷むので、通常用いられるX線管では陽極を回転させて陽極の寿命の低下を防いでいる。電子線を陽極の一定の大きさの面に衝突させ、発生したX線はその一定の大きさの陽極の平面から被写体Hに向けて放射される。この照射方向(被写体方向)から見た平面の大きさを実焦点(フォーカス)と呼ぶ。焦点径(μm)は、JIS Z 4704−1994の7.4.1焦点試験の(2.2)スリットカメラに規定されている方法で測定できる。なお、この測定方法中の任意選択条件は、X線源の性質に応じて測定原理から考えて精度が最も高くなる条件を選択した方が一層精度の高い測定が可能となることは言うまでもない。
なお、X線源2は、照射するX線の波長分布の半値幅が、当該X線のピーク波長の1/4倍以下であるものが好ましく、また、X線源は、X線管に限定されず、例えば、特開平9−171788号公報、特開2000−173517号公報、特開2001−273860号公報などに記載のマイクロフォーカスX線源や、例えば、特開平5−217696号公報、特開2002−221500号公報などに記載のシンクロトロン放射光X線源や、例えば、特開昭47−024288号公報、特開昭64−6349号公報、特開昭63−304597号公報、特開昭63−304596号公報、特開平1−109646号公報、特開昭58−158842号公報などに記載のプラズマX線源や、例えば、特許3490770号公報などに記載のレーザX線源などであってもよいが、これらに限られない。
X線のピーク波長は、0.9Å以下(特に0.7Å以下)であることが、被写体が生きた動物や人体であっても、吸収被爆が少なくなり、十秒以上といった長時間照射も不要となり、更に、撮影時間中に被写体Hのブレも抑えられ、好ましい。また、X線のピーク波長は、0.2Å以上(特に0.4Å以上)であることが、X線の可干渉性を良くして、例えば人体や動物の軟骨組織等による屈折が十分検出でき、得られた画像を診断等に有効に用いることができ、好ましい。
なお、X線管122としては、例えば、医療現場で広く用いられているクーリッジX線管や回転陽極X線管が好ましく用いられる。その際、X線管球のターゲット(陽極)に乳房撮影で使用されるMo(モリブデン)を用いた場合、一般に管電圧の設定値が22kVpでピーク波長0.8ÅのX線が照射され、管電圧の設定値が39kVpでピーク波長0.6ÅのX線が照射される。また、ターゲットに一般撮影で使用されるW(タングステン)を用いた場合、管電圧の設定値が30、50、100、150kVpでそれぞれピーク波長0.6Å、0.4Å、0.3Å、0.2ÅのX線が、通常照射される。
また、X線源の焦点径は、上記範囲のピーク波長のX線を照射でき、且つ実用上の出力強度が得られるように1μm以上(特に7μm以上)であることが好ましい。また、X線源の焦点径は、50μm以下(特に30μm以下)であることが、撮影装置のサイズの制約がある中、可干渉性を良くし、よりタルボ効果を利用し鮮明な画像を得るために好ましい。
X線検出器14は、X線源2から照射され、被写体Hを透過したX線を、X線画像検出面140で検出するため、2次元配置された多数の画素毎にX線照射量に基づいた信号を取得するFPD(flat panel detector)141である。つまり、X線検出器14はX線画像検出面140に配置された2次元画像センサである。このX線検出器14の各画素はマトリクス状に配置されており、X線検出器14の画素ピッチPは、X線量子ノイズの観点から、30μm以上(特に60μm以上)が好ましく、また、後述する縞の変形の充分な検出の観点から、300μm以下(特に、150μm以下)が好ましい。このようなFPDとしては、X線を直接電荷に変換して検出するアレイセンサを有する直接型FPDであっても良いし、X線を光に変換するシンチレータと、このシンチレータにより変換された光を電荷に変換して検出するアレイセンサとを有する間接型FPDであってもよい。そして、間接型FPDのシンチレータとしては、柱状結晶蛍光体を有するものや、特許第3661196号等に記載のアレイセンサの画素単位に形成された箱に蛍光体を詰めたものや、蛍光体の粒を分散した媒体を塗布して設けたもの等が挙げられるが、これらに限らない。なお、シンチレータの厚さは、厚いほど感度が高くなり、シンチレータの厚さが薄いほど空間分解能が高くなる。また、シンチレータの種類によって分光感度が異なる。また、シンチレータの蛍光体としては、CsI:Tlなどハロゲン化アルカリ金属又はハロゲン化アルカリ土類金属が好ましい。
次に、X線源2、第一回折格子4及び第二回折格子5がタルボ干渉計を構成する条件を説明する。
まず、X線の可干渉性から、回折部材にほぼ直交する方向におけるX線源の焦点径a、X線源2から第一回折格子4までの距離L(図1参照)、第一回折格子4から第二回折格子5までの距離Z(図1参照)、第二回折格子5からX線検出器14までの距離Z(図1参照)、照射するX線のピーク波長λpとすると、第一回折格子4の回折部材の間隔d(図3参照)、及び、第二回折格子5の回折部材の間隔d(図4参照)は、各々下記式(1)及び(2)を満たすことが好ましい。
<(L/a)×λp ・・・(1)
<{(L+Z)/a}×λp ・・・(2)
また、第一回折格子4と第二回折格子5との距離Zは、第一回折格子4が吸収型回折格子であることを前提にすれば、いずれかの自然数mにおいて、下記式(3)で示す条件を満たすことが理想である。
=m×(d /λp) ・・・(3)
実際は、いずれかの自然数mにおいて、下記式(4)で示す条件を満たすことが好ましい。
(m−1/8)×(d /λp)≦Z≦(m+1/8)×(d /λp) ・・・(4)
また、第一回折格子4と第二回折格子5との距離Zは、第一回折格子4が位相型回折格子であることを前提にすれば、いずれかの自然数mにおいて、下記式(5)で示す条件を満たすことが理想である。
=(m−1/2)×(d /λp) ・・・(5)
実際は、いずれかの自然数mにおいて、下記式(6)で示す条件を満たすことが好ましい。
(m−5/8)×(d /λp)≦Z≦(m−3/8)×(d /λp) ・・・(6)
なお、上記式(3)〜(6)において、
λp:X線源から照射されるX線のピーク波長、
:第一回折格子から第二回折格子までの距離(図1参照)、
:第一回折格子の回折部材の間隔(図1参照)
である。
ここで、タルボ効果とは、平面波が回折格子を通過したとき、第一回折格子4が吸収型回折格子の場合、上記式(3)の式で与えられる距離において回折格子の自己像を形成することである。但し、上記式(4)の式を満たす距離であれば、若干ぼけているが充分下記の現象が生じる。また、第一回折格子4が位相型回折格子の場合、上記式(5)の式で与えられる距離において回折格子の自己像を形成することである。但し、上記式(6)の式を満たす距離であれば、若干ぼけているが充分下記の現象が生じる。
本第1実施形態の場合、X線源2から照射されたX線は、被写体Hを透過することにより被写体HによるX線の位相のずれが生じるので、第一回折格子4に入射するX線の波面が歪んでいる。したがって、第一回折格子4の自己像はそれに依存して変形している。続いて、X線は、第二回折格子5を通過する。その結果、上記の変形した第一回折格子4の自己像と第二回折格子5との重ね合わせにより、X線に画像コントラストが生じる。この画像コントラストは一般にモアレ縞となっており、X線検出器14により検出することができる。生成されたモアレ縞は、被写体Hにより変調を受けている。その変調量は、被写体Hによる屈折効果によってX線が曲げられた角度に比例している。したがって、X線検出器14で検出されたモアレ縞を解析することにより、被写体H及びその内部の構造を検出することができる。
また、前記X線管122と第一回折格子4との間隔Lと第一回折格子4の格子周期dとの比は、X線検出器14がモアレ縞(又はモアレ縞を解析することによって得られる微分位相差画像、位相差画像)を検出可能な程度に、X線管122と第二回折格子5との間隔(L+Z)と第二回折格子5の格子周期dとの比になるのが、後述するように微小角θだけで縞の間隔を調整するのに理想的である。即ち、下記式(7)を満たすことが、後述するように微小角θだけで縞の間隔を調整するのに理想的である。
/L=d/(L+Z) ・・・(7)
なお、第一回折格子4又は第二回折格子5の回折部材42、52が、X線源2とX線検出器14を通る仮想的な軸のまわりに相対的に微小角θだけ回転して配置してあるとする。θの大きさによって、発生するモアレ縞の間隔が変わる。被写体Hが無いとすると、モアレ縞の間隔はd/θで与えられる。ここでdは第一回折格子4の回折部材42相互間の間隔をX線管122の中心からX線検出面(すなわち、X線検出器14)に投影した間隔であり、また、第二回折格子5の回折部材52相互間の間隔をX線管122の中心からX線検出面(すなわち、X線検出器14)に投影した間隔である。
微小角θを変えるための機構(例えば、第一回折格子4及び第二回折格子5の一方を他方に対して相対的に回転させる機構)を備えれば、観察に好ましいようにモアレ縞を調整することが可能となる。また、微小角θをほぼゼロになるように調整すれば、被写体Hに対応する部分以外では(つまり非変調部分では)モアレ縞は現れない。その結果、得られたX線画像では、被写体Hによる吸収コントラストのみが現れる。
なお、第一回折格子4及び第二回折格子5を所定位置に配置したまま、吸収コントラストのみのX線画像を得る必要が無ければ、上述の式(7)の条件を満たす必要はなく、X線検出器14で検出可能な縞の間隔になるように、適宜、d、d、θを選択すればよい。
そして、前記X線管122と第一回折格子4との間隔Lと第一回折格子4の格子周期dとの比は、X線検出器14がモアレ縞(又はモアレ縞を解析することによって得られる微分位相差画像、位相差画像)を検出可能な程度に、X線管122と第二回折格子5との間隔(L+Z)と第二回折格子5の格子周期dとの比に近いことが好ましい。X線管122と第二回折格子5との間隔(L+Z)と第二回折格子5の格子周期dとの比に近いとは、X線検出器で発生する縞の変化を検出できる程度に近いことを意味し、好ましくは、X線検出器の画素ピッチPとすると、下記式(8)を満たすことである。
[1−(d/L)×{(L+Z+Z)/P}]×(d/L)≦d/(L+Z)≦[1+(d/L)×{(L+Z+Z)/P}]×(d/L) ・・・(8)
また、本第1実施形態において、回折格子保持構造体7は、第一回折格子4をその回折格子面43と平行で、かつ、回折部材42の延在方向に交差する方向に移動可能に保持しており、第一回折格子4の一端部には、電圧を印加することにより変形する圧電アクチュエータ20(図6参照。以下の説明において単に「アクチュエータ」とする。)が設けられている。
アクチュエータ20は、コンソール3からの指示信号に従って動作し、第一回折格子4を、第一回折格子4の回折格子面43とほぼ平行であり、かつ、その回折部材42の延在方向にほぼ交差する方向に移動させる駆動手段である。アクチュエータ20が駆動することにより、第一回折格子4は第二回折格子5に対して相対的に並進移動するようになっている。
図6に示すコンソール3には、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)からなる内部記憶装置(いずれも図示せず)とを備える制御装置31が備えられている。制御装置31には、操作者が撮影準備指示や撮影指示、指示内容を入力する入力装置32、X線画像などを表示する表示装置33、X線撮影手段1の各部と接続されているインターフェース34、画像情報を記憶する画像記憶部35、及びコンソール3の各部に電力を供給するコンソール電源部36等がバスを介して接続されている。
入力装置32としては、例えば、X線照射要求スイッチやタッチパネル、マウス、キーボード、ジョイスティック等を用いることが可能であり、入力装置32の操作により、例えばX線管電圧やX線管電流、X線照射時間等のX線撮影条件、撮影タイミング、撮影部位、撮影方法等のX線撮影制御条件、画像処理条件、画像出力条件、X線検出器選択情報(複数の撮影装置がコンソール3に接続されている場合)、オーダ選択情報、被写体ID等の指示内容が入力される。
表示装置33は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ等であり、コンソール3の制御装置31の制御により、X線撮影条件や画像処理条件等の文字及びX線画像を表示する。
画像記憶部35は、本発明における保存手段として機能し、インターフェース34を介してX線検出器14から受信したX線画像データの一時記憶や、画像処理されたX線画像データの保存を行う。画像記憶部35としては、大容量かつ高速の記憶装置であるハードディスク、RAID(Redundant Array of Independent Disks)等のハードディスクアレイ、シリコンディスク等を用いることが可能である。
コンソール電源部36は、外部電源又は内部電源から、コンソール3を構成する各部に電力を供給する。
制御装置31の内部記憶装置には、X線画像システム100各部を制御するための制御プログラム及び各種処理プログラムが記憶されており、CPUは、この制御プログラム及び各種処理プログラムとの協働によりX線画像システム100各部の動作を統括的に制御し、X線画像撮影を行う。
例えば、制御装置31は、高電圧電源121からX線管122に供給する電圧を調整するように、X線撮影装置1のX線源制御部123を制御する。そして、高電圧電源121がX線管122に所定電圧を供給して、X線管122が被写体Hに対してX線を照射し、X線検出器14に入射したX線量が予め設定されたX線量に達すると、高電圧電源121がX線管122へ高電圧の供給を停止し、X線源2がX線の照射を停止する。
なお、本第1実施形態においては、制御装置31は、X線検出器14におけるFPD141からの信号の読み取り及び、アクチュエータ20による第一回折格子4の移動が停止しているときにX線源2からのX線の照射を行うようにX線源制御部123を制御する。
アクチュエータ20による第一回折格子4の移動が停止しているかどうかは、例えばアクチュエータ20に印加される電圧を検出することによって判断することができる。また、第一回折格子4に加速度センサが固定されている場合には、この加速度センサの出力から検出することによって判断してもよく、第一回折格子4の位置を検出する位置センサが設けられている場合には、この位置センサの出力から検出することによって判断してもよく、第一回折格子4の移動を検出する速度センサが設けられている場合には、この速度センサの出力から検出することによって判断してもよい。
また、制御装置31は、X線検出器14の検出器制御部144を動作させて、FPD141の画素毎に検出されたX線照射量に基づいた信号の読み取りを開始させ、読み取りの結果得られたX線画像データを、検出器通信部143を介してコンソール3に送信させる。
また、制御装置31は、アクチュエータ20を動作させて、第一回折格子4を所定量ずつ移動させるようになっている。本第1実施形態において、第一回折格子4は、前述のようにアクチュエータ20により、第二回折格子5に対して相対的に並進移動する。第一回折格子4の移動方向は、第一回折格子4の回折格子面43とほぼ平行であり、かつ、回折部材42の延在方向にほぼ直交する方向である。
第一回折格子4が第二回折格子5に対して相対的に並進移動するに伴って、モアレ縞が移動し、第一回折格子4の移動距離(並進距離)が第一回折格子4の格子周期dの1周期分に達すると、モアレ縞画像は元に戻る。本第1実施形態では、制御装置31は、第一回折格子4を、例えば第一回折格子4の格子周期dの1周期の整数分の1ずつ並進移動させながら複数回のX線撮影を行うようになっている。
すなわち、1回目のX線撮影を行うと、制御装置31はアクチュエータ20を動作させて、第一回折格子4を、格子周期dの1周期の整数分の1だけ第二回折格子5に対して相対的に並進移動させ、2回目の撮影を行う。その後、制御装置31はアクチュエータ20を動作させて、第一回折格子4を同方向にさらに回折部材42の1周期dの整数分の1だけ並進移動させて3回目の撮影を行う、というように、X線撮影と第一回折格子4の移動を複数回繰り返す。
なお、制御装置31はアクチュエータ20の動作量情報を取得するようになっており、複数回の撮影動作間、各々のアクチュエータ20による第一回折格子4の移動量に関する移動量情報を得る移動量情報取得手段として機能するようになっている。アクチュエータ20によって第一回折格子4を移動させる移動量は、予めデフォルトとして設定されていてもよいし、操作者が適宜任意に設定できるようになっていてもよい。
また、本第1実施形態においては、X線検出器14又は制御装置31により、X線検出器14固有の各画素のオフセット・ゲイン補正が行われる。そして、その後、オフセット・ゲイン補正をされたX線画像について、制御装置31は、被写体H、第一回折格子4及び第二回折格子5を透過してX線検出器14で検出されたX線の画像コントラスト(モアレ縞)を解析する。これにより、制御装置31は、X線検出器14から取得した各画素の放射線量等に基づいて、微分位相画像、及び位相差画像を算出する。また、制御装置31は、必要に応じて被写体HのX線吸収率の違いに基づく吸収画像を取得する。
すなわち、本第1実施形態においては、前述のように、第一回折格子4を第二回折格子5に対して相対的に並進移動させながら複数回のX線撮影が行われ、制御装置31は、これらのX線撮影により得られた複数のX線撮影画像と第一回折格子4の移動量情報とから微分位相画像を得る微分位相画像取得手段として機能する。
また、制御装置31は、複数回のX線撮影により得られた複数のX線撮影画像と第一回折格子4の移動量情報とから位相差画像を得る位相差画像取得手段として機能する。すなわち、制御装置31は本発明におけるX線画像取得手段として機能する。
以下、微分位相画像、位相差画像、及び、吸収画像の算出方法について説明する。
まず、微分位相画像は、被写体Hによる屈折効果によってX線が曲げられる角度の分布像であり、制御装置31は、下記に示す、いわゆる縞走査法を用いることによって、X線検出器14により検出されたモアレ縞の現れたX線画像(以下、「縞画像」と称する。)を微分位相画像に変換することができる。
縞走査法では、第一回折格子4及び第二回折格子5の一方を他方に対して相対的に並進移動させながら撮影を行うが、本第1実施形態では、第一回折格子4を第二回折格子5に対して相対的に並進移動させる。
第一回折格子4の移動に伴って、モアレ縞が移動し、並進距離(移動量)が回折部材42の1周期に達すると、縞画像は元に戻る。縞走査法は、このような縞画像の変化を、回折部材42の1周期の整数分の1ずつ第一回折格子4を移動させながら記録し、それらを演算処理することにより微分位相画像ψ(x,y)を得るものである。(x,y)は画素の位置を示す座標である。上記移動量をξとして、縞画像I(x,y)は一般的に、下記の式(9)により与えられる。
Figure 0005833078
ここでA(k=0,1,…)は、第一回折格子4の形状により決まる定数である。Δ(x,y)は、第一回折格子4の歪、製作誤差、および配置誤差によって被写体Hとは関係なく発生するコントラストの寄与を表すものである。dは、回折部材42の周期、Zは、第一回折格子4と第二回折格子5との間隔である。今、ξをステップd/M(M:整数)で変化させながらM回のX線撮影を行いM枚の縞画像を取得するとする。式(9)においてk>Nの項が十分小さく無視できるとすれば、M>N+1を満たすようにMを選べば、下記の式(10)が満たされる。
Figure 0005833078
arg[]は偏角の抽出を意味する。Ip(x,y)は、ξ=pd/Mとしたときの式(3)の値である。dおよびZは既知であり、Δ(x,y)は被検体が無いとき(すなわちψ(x,y)=0)に同様の測定を行って予め求めることができる。したがって、以上よりψ(x,y)を得ることができる。
制御装置31は、微分位相画像の出力時においては、微分位相画像を生成して、表示装置33に出力し、位相差画像の出力時においては、微分位相画像を積分して位相差画像を算出し、表示装置33に出力する。
次に、位相差画像とは、微分位相画像を積分することにより、位相のずれそのものを表す像であり、位相差画像Φ(x,y)と微分位相画像ψ(x,y)とは、下記の式(11)で関係付けられる。
Figure 0005833078
ここでxは、上記縞走査法により第一回折格子4を並進移動させる方向にあたる。これより、位相差画像Φ(x,y)は、微分位相画像ψ(x,y)をx軸に沿って積分することにより与えられる。
位相差画像Φ(x,y)は、被検体の屈折率分布をn(x,y,z)として、下記の式(12)で与えられる。
Figure 0005833078
また、X線が物体を透過すると当該物体のX線吸収率の違いに応じたX線画像が形成され、X線検出器14で検出される。これにより得られる画像を吸収画像という。
なお、このような撮像手法は、いずれも、その撮像の目的に応じて十分に利用可能なものであり、制御装置31は、微分位相画像の出力時においては、微分位相画像φ(x,y)を生成して、表示装置33に出力し、位相差画像の出力時においては、微分位相画像を積分して位相差画像Φ(x,y)を算出し、表示装置33に出力することができる。
また、制御装置31は、撮影により複数種類の画像(微分位相画像、位相差画像、吸収画像)を取得した場合には、これら複数種類の画像を相互に対応付けて画像記憶部35に記憶するようになっている。
ここで、微分位相画像、位相差画像、吸収画像を得るプロセスの概略を図7のデータフローダイアグラムを用いて説明する。
まず、X線撮影521は、制御装置31からの撮影指示信号に基づいた同一被写体の一連のX線撮影521により、X線検出器14が、複数の縞画像I(x,y)、又は、単一の縞画像I(x,y)を得る処理である。
オフセット・ゲイン補正処理522は、同一被写体の一連のX線撮影521により得られた複数の縞画像I(x,y)又は単一の縞画像I(x,y)に、X線検出器14が、X線検出器14に特有の各画素の特性のバラツキを補正するために、画素毎にオフセット・ゲインを補正する処理である。
被写体依存欠陥領域特定処理537は、同一被写体の一連のX線撮影521により得られ、オフセット・ゲイン補正処理522が施された複数の縞画像I(x,y)又は単一の縞画像I(x,y)から、通常の縞の幅を超えて画像データが無い領域を、被写体依存欠陥領域として特定する処理である。このような被写体依存欠陥領域は、被写体のX線吸収が大きいために、回折格子による縞のX線透過領域であっても、X線検出器での画像データ値が0になる領域である。
撮影ID付与処理523は、同一被写体の一連のX線撮影521により得られ、オフセット・ゲイン補正処理522が施された複数の縞画像I(x,y)又は単一の縞画像I(x,y)に、同一被写体の一連のX線撮影521に共通の撮影IDをX線検出器14が付与する処理である。
一時保存処理524は、撮影ID付与処理523で共通の撮影IDを付与された複数の縞画像I(x,y)又は単一の縞画像I(x,y)を一時保存する処理である。
微分位相画像算出処理525は、一時保存処理524で一時保存された複数の縞画像I(x,y)又は単一の縞画像I(x,y)から、前述したように、各縞画像に対応する移動量ξ、被写体が無い時の微分位相画像Δ(x,y)に応じて、すなわち、撮影条件に応じて、微分位相画像φ(x,y)を得る処理である。本第1実施形態では、このようにして得た微分位相画像を原微分位相画像と呼ぶ。
原微分位相画像保存処理526は、微分位相画像算出処理525で得られた原微分位相画像を一時保存する処理である。
欠陥補正処理527は、原微分位相画像保存処理526で一時保存された原微分位相画像に対して、被写体依存欠陥領域以外の領域について、X線検出器に特有の欠陥の補正をする処理である。欠陥画素がある場合、原微分位相画像に対して欠陥画素周辺のデータから補間処理する。また、線状欠陥がある場合、原微分位相画像に対して欠陥線に隣接するラインのデータから補間処理する。このように原微分位相画像に対して欠陥補正をして、欠陥補正済微分位相画像を出力する。
画素数・階調数減少処理528は、画像記憶部35で保存する画像データ量を少なくさせつつ、診断・検査時に、画像の表示、画像データの送信などでレスポンスを向上させるための処理である。例えば、画素数・階調数減少処理528までは12bit階調以上の階調、例えば、14bit階調に対して、ダイナミックレンジ圧縮処理をした後、8bit階調に階調数を低減したり、例えば、2×2画素の平均値を1画素の値にして画素数を減少させたりする処理である。この処理により、画素数・階調数減少済微分位相画像が得られる。
オーダID付与処理529は、画素数・階調数減少処理528が施された画素数・階調数減少済微分位相画像に対して、その撮影IDから、オーダIDと撮影IDとの対応関係に基づいて、オーダIDを付与してファイル化し、オーダID付与済微分位相画像ファイルとして出力する処理である。このように、オーダIDを種々の画像処理終了後に付与するのは、X線撮影の後、オーダ情報を作成することがあるからである。
微分位相画像の保存処理530は、オーダID付与処理529で出力されたオーダID付与済微分位相画像ファイルを長期保存する処理である。これで、一連の処理が終了される。
積分処理531は、原微分位相画像保存処理526で一時保存された原微分位相画像を、前述のように積分する処理である。この積分処理により、原位相差画像が得られる。
原位相差画像保存処理532は、積分処理531で得られた原位相差画像を一時保存する処理である。
欠陥補正処理533は、原位相差画像保存処理532で一時保存された原位相差画像に対して、X線検出器に特有の欠陥の補正をする処理である。欠陥画素がある場合、原位相差画像に対して欠陥画素より積分方向で先の画素列のデータは、例えば最小二乗法などを用いて、隣接する画素列のデータとの差が最小になる定数を加算する。また、積分方向の線状欠陥がある場合、その原微分位相画像に対して欠陥線に隣接するラインのデータから補間処理する。
一方、積分方向と垂直な方向の線状欠陥がX線検出器を完全に横断している場合、この線状欠陥より積分方向の先の画素列のデータは、順次、例えば最小二乗法などを用いて、隣接する画素列のデータとの差が最小になる定数を加減算する。その後、線状欠陥より積分方向の手前と先とで段差が目立たないように、例えば最小二乗法などを用いて、線状欠陥に隣接する画素列間で、データの差が最小になる定数を線状欠陥より積分方向の先の画素全てに加算する。
また、積分方向と垂直な方向の線状欠陥がX線検出器を完全に横断していない場合や、被写体依存欠陥領域がある場合、この線状欠陥や被写体依存欠陥領域が積分に関係しない領域の境界域の画素列のデータに対して、それに隣接する画素列のデータが、例えば最小二乗法などを用いて、データ差が最小になる定数を加算する。その後、定数を加算した画素列に隣接する画素列のデータを確定していくことで、順次、線状欠陥より積分方向の手前と先とで段差が目立たないように、例えば最小二乗法などを用いて、線状欠陥や被写体依存欠陥領域より積分方向の先の画素データを確定する。
このように、微分位相画像と位相差画像とでは、欠陥補正の方法が大きく異なる。そして、この欠陥補正処理533により、欠陥補正済位相差画像が得られる。
画素数・階調数減少処理534は、画像記憶部35でで保存する画像データ量を少なくさせつつ、診断・検査時に、画像の表示、画像データの送信などでレスポンスを向上させるための処理である。例えば、画素数・階調数減少処理534までは12bit階調以上の階調、例えば、14bit階調に対して、ダイナミックレンジ圧縮処理をした後、8bit階調に階調数を低減したり、例えば、2×2画素の平均値を1画素の値にして画素数を減少させたりする処理である。この処理により、画素数・階調数減少済位相差画像が得られる。
オーダID付与処理535は、画素数・階調数減少処理534が施された画素数・階調数減少位相差画像に対して、その撮影IDから、オーダIDと撮影IDとの対応関係に基づいて、オーダIDを付与してファイル化し、オーダID付与済位相差画像ファイルとして出力する処理である。このようにして、同一被写体の一連のX線撮影521により得られ、オフセットゲイン補正処理522が施された複数の縞画像I(x,y)又は単一の縞画像I(x,y)から得られたオーダID付与済微分位相画像と同一のオーダIDが付与される。
位相差画像の保存処理536は、オーダID付与処理535で出力されたオーダID付与済位相差画像ファイルを長期保存する処理である。これで、一連の処理が終了される。
モアレ除去処理541は、一時保存処理524で一時保存された共通の撮影IDを付与された複数の縞画像I(x,y)又は単一の縞画像I(x,y)から、回折部材42の周期dや移動量ξ等の撮影条件に応じて、縞を除去して吸収画像を算出する処理である。例えば、移動させる回折部材42の周期dに対して、移動量ξをステップd/M(M:整数)の一定量で変化させながらM回のX線撮影を行い、M枚の縞画像I(x,y)を得た場合、単純に合計しても、縞が相殺しあい吸収画像が得られる。また、そうでない場合も、回折格子によるモアレ縞もモアレ縞の一種なので、モアレ除去処理でモアレ縞を取り除くことで、吸収画像が得られる。このようなモアレ除去処理としては、モアレ周期に対して充分大きな画素単位で平均化する単純な平滑化処理、モアレ周波数以上の周波数成分を抑える周波数処理、モアレ周波数近傍の周波数成分を抑える周波数処理などが挙げられるが、これらに限らない。また、公知のモアレ除去処理で、回折格子によるモアレ縞の影響を抑えられるが、公知でないモアレ除去処理によってモアレ縞の影響を抑えても良い。そして、モアレ処理の方法は撮影条件に応じて選択することが好ましい。
なお、X線検出器14によるサンプリング周波数fsは、回折格子によるモアレ縞の周波数fmに対して、下記(13)式を満たすことが、モアレ縞除去後のビート成分を低減でき好ましい。
fm≦0.4×fs ・・・(13)
このようにして、モアレ除去処理541により、原吸収画像が得られる。
原吸収画像保存処理542は、モアレ除去処理541により得られた原吸収画像を一時保存する。
欠陥補正処理543は、原吸収画像保存処理542で一時保存された原吸収画像に対して、被写体依存欠陥領域以外の領域について、X線検出器に特有の欠陥の補正をする処理である。被写体依存欠陥領域以外の領域について、欠陥画素がある場合、原吸収画像に対して欠陥画素周辺のデータから補間処理する。また、被写体依存欠陥領域以外の領域について、線状欠陥がある場合、原吸収画像に対して欠陥線に隣接するラインのデータから補間処理する。このように原吸収画像に対して欠陥補正を施して、欠陥補正済吸収画像を出力する。
画素数・階調数減少処理544は、画像記憶部35で保存する画像データ量を少なくさせつつ、診断・検査時に、画像の表示、画像データの送信などでレスポンスを向上させるための処理である。例えば、画素数・階調数減少処理544までは12bit階調以上の階調、例えば、14bit階調に対して、ダイナミックレンジ圧縮処理をした後、8bit階調に階調数を低減したり、例えば、8×8画素の平均値を1画素の値にして画素数を減少させたりする処理である。なお、このようにして得られた吸収画像は、縞の間隔以上に細かい成分が少ないので、縦・横とも縞の間隔に相当する画素数を1画素とする大幅な画素数減少処理をしてもよい。この処理により、画素数・階調数減少済吸収画像が得られる。
オーダID付与処理545は、画素数・階調数減少処理544で得られた画素数・階調数減少吸収画像に対して、その撮影IDから、オーダIDと撮影IDとの対応関係に基づいて、オーダIDを付与してファイル化して、オーダID付与済吸収画像ファイルとして出力する処理である。このようにして、同一被写体の一連のX線撮影521により得られた複数の縞画像I(x,y)又は単一の縞画像I(x,y)から得られた微分位相画像や位相差画像と同一のオーダIDが付与される。
吸収画像の保存処理546は、オーダID付与処理545で出力されたオーダID付与済吸収画像ファイルを長期保存する処理である。これで、一連の処理が終了される。
このようにして、良好なX線位相に関連する画像が得られるタルボ干渉計方式で得られるX線撮影画像から吸収画像が得られるので、微分位相画像又は位相差画像などのX線位相に関連する画像と、この画像に対応する吸収画像とを、別々の撮影ではなく、同じ一回または一連のX線撮影から得られる。
なお、上記のオーダIDとは、X線撮影のオーダに固有のIDで、コンソールでX線撮影がオーダされる毎に、他のオーダのIDと決して重ならないように付与される。
また、上記第1実施形態では、X線検出器でのID付与処理523で、同一被写体の一連のX線撮影521により得られ、オフセットゲイン補正された複数の縞画像I(x,y)又は単一の縞画像I(x,y)に撮影IDを付与したが、X線撮影時にオーダIDが発行されるワークフロー又はX線撮影時には既にオーダIDが発行されているワークフローであれば、撮影IDの代わりに、オーダIDを付与してもよい。この場合、オーダID付与処理529、535、545は不要となる。
以上のように、本第1実施形態によれば、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と位相差画像とを対応付けて保存しているので、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と位相差画像とを、レスポンス良く同時又は逐次に表示することができ、高い診断・検査効率で診断・検査でき、また、保存する画像データ量が多くなくてもよく、ストレージ容量の増大を抑えることもできる。さらに、この場合、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と位相差画像とに共通のIDを付けて保存することで、他のX線撮影画像から得られた微分位相画像及び位相差画像と区別することができる。
また、画像記憶部35が保存する微分位相画像及び位相差画像の少なくとも一方は、X線撮影画像より階調数又は画素数を減少された画像であるので、保存する画像データ量は少なく、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と位相差画像とを同時又は逐次にレスポンス良く診断・検査できる。
また、X線検出器14に特有の欠陥、あるいは被写体のX線吸収に依存して発生する被写体依存欠陥領域がある場合、微分位相画像と位相差画像とで診断・検査に適した欠陥の補正方法が異なり、このような補正をした微分位相画像及び位相差画像の一方から他方を導出することができなくなるが、これらをオーダIDで対応付けて保存するので、保存データ量が多くなくても、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と位相差画像とを、同時又は逐次にレスポンス良く診断・検査できる。
また、一つのX線撮影画像又は同一箇所の複数のX線撮影画像から得られた微分位相画像と吸収画像とを対応付けて保存しているので、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と吸収画像とを同時又は逐次にレスポンス良く診断・検査できる。この場合、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と吸収画像とに共通のIDを付けて保存することで、他のX線撮影画像から得られた微分位相画像及び吸収画像と区別することができる。
また、画像記憶部35が保存する吸収画像は、X線撮影画像より階調数又は画素数を減少された画像であるために、保存する画像データ量は少ないので、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と位相差画像と吸収画像を同時又は逐次にレスポンス良く診断・検査できる。
また、X線検出器14に特有の欠陥、あるいは被写体のX線吸収に依存して発生する被写体依存欠陥領域がある場合、微分位相画像、位相差画像及び吸収画像の各々に適した欠陥の補正がされた微分位相画像、位相差画像及び吸収画像を対応付けて保存するので、保存データ量が多くなくても、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られ、各々に適した欠陥の補正がされた微分位相画像、位相差画像及び吸収画像を同時又は逐次にレスポンス良く診断・検査できる。
また、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と吸収画像とを対応付けて保存しているので、保存データ量が多くなくても、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と吸収画像とを同時又は逐次にレスポンス良く診断・検査できる。この場合、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と吸収画像とに共通のIDを付けて保存することで、他のX線撮影画像から得られた微分位相画像と吸収画像を区別することができる。
また、画像記憶部35が保存する微分位相画像及び吸収画像の少なくとも一方は、X線撮影画像より階調数又は画素数を減少された画像であるために、保存する画像データ量は少ないので、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた微分位相画像と吸収画像とを同時又は逐次にレスポンス良く診断・検査できる。
また、X線検出器14に特有の欠陥、あるいは被写体のX線吸収に依存して発生する被写体依存欠陥領域がある場合、微分位相画像及び吸収画像の各々に適した欠陥の補正がされた微分位相画像及び吸収画像を対応付けて保存するので、保存データ量が多くなくても、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られ、各々に適した欠陥の補正がされた微分位相画像と吸収画像とを同時又は逐次にレスポンス良く診断・検査できる。
また、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた位相差画像と吸収画像とを対応付けて保存しているので、保存データ量が多くなくても、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた位相差画像と吸収画像とを同時又は逐次にレスポンス良く診断・検査できる。この場合、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた位相差画像と吸収画像とに共通のIDを付けて保存することで、他のX線撮影画像から得られた位相差画像及び吸収画像と区別することができる。
また、画像記憶部35が保存する位相差画像及び吸収画像の少なくとも一方は、X線撮影画像より階調数又は画素数を減少された画像であるために、保存する画像データ量は少ないので、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られた位相差画像と吸収画像とを同時又は逐次にレスポンス良く診断・検査できる。
また、X線検出器14に特有の欠陥、あるいは被写体のX線吸収に依存して発生する被写体依存欠陥領域がある場合、位相差画像及び吸収画像の各々に適した欠陥の補正がされた位相差画像及び吸収画像を対応付けて保存するので、保存データ量が多くなくても、同一被写体の一連のX線撮影で得られた複数のX線撮影画像又は単一のX線撮影画像から得られ、各々に適した欠陥の補正がされた位相差画像と吸収画像とを同時又は逐次にレスポンス良く診断・検査できる。
また、本第1実施形態では、微分位相画像、位相差画像及び吸収画像を算出した後に、オーダIDを付与することとして説明したが、X線撮影の直後に、当該撮影によって得られる画像データ毎に所定のオーダIDが付与されるように設定し、当該オーダIDの付与された微分位相画像、位相差画像及び吸収画像とすることもできる。
また、本第1実施形態では、X線画像を出力する装置としてCRTディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示装置33を例示して説明したが、これ以外にも、X線画像をフィルムや紙等の媒体にプリントするプリント式の出力装置であってもよい。
さらに、本第1実施形態においてはX線検出器14としてFPDを例示して説明したが、本発明に係るX線検出器14はこれに限定されるものではなく、FPD以外にも例えば輝尽性蛍光体シートを収納したカセッテなどが挙げられる。
<第2実施形態>
図8に、本発明の第二実施形態におけるX線画像システム101の構成例を示す。X線画像システム101には、被写体Hに向けてX線を照射するX線源2と、X線源2から照射され被写体Hを透過したX線を検出するX線検出器14と、X線源2及びX線検出器14の間で被写体Hを保持する保持部40と、これら各部を制御する撮影装置本体部8とが設けられている。
X線源2としては、例えば、医療現場や非破壊検査施設で広く用いられているクーリッジX線管や、回転陽極X線管が挙げられる。なお、回転陽極X線管においては、陰極から放射される電子線が陽極に衝突することでX線が発生する。これは自然光のようにインコヒーレント(非干渉性)であり、また平行光X線でもなく発散光である。電子線が陽極の固定した場所に当り続けると、熱の発生で陽極が傷むので、通常用いられるX線管では陽極を回転して陽極の寿命の低下を防いでいる。電子線を陽極の一定の大きさの面に衝突させ、発生したX線はその一定の大きさの陽極の平面から被写体Hに向けて放射される。この照射方向(被写体方向)から見たX線が発生する陽極の平面の大きさを実焦点(フォーカス)と呼ぶ。焦点径a(μm)は、JIS Z 4704−1994の7.4.1焦点試験の(2)スリットカメラ法による焦点寸法の測定に規定されている方法で測定できる。なお、この測定方法中の任意選択条件は、X線源の性質に応じて測定原理から考えて精度が最も高くなる条件を選択した方が一層精度の高い測定が可能となることは言うまでもない。このX線源2には、管電圧及び管電流を印加する電源部361(図12参照)が接続されている。
X線検出器14は、X線源2から照射され被写体Hを透過したX線をX線画像検出面140で検出するため、2次元配置された複数の画素毎にX線照射量に基づいた信号を取得するFPD(flat panel detector)である。つまり、X線検出器14はX線画像検出面140に配置された2次元画像センサである。このX線検出器14の各画素14aは、例えば70〜150μmピッチでマトリクス状に配置されている。
保持部40には、被写体HをX線源2側の面で支持する支持部9と、支持部9のX線検出器14側に配置されたX線屈折レンズアレイ(X線光学手段)700とが収納されている。X線屈折レンズアレイ700は、被写体Hを透過したX線をX線検出器14の複数の画素14aのうち、隣接する2画素14aにまたがるように縞状のX線照射量分布に絞るようになっている。
図9はX線屈折レンズアレイ700の概略構成を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図である。この図9に示すように、X線屈折レンズアレイ700には、図9紙面上における上下方向に沿う、図9紙面における横方向に集光力を有する多数のX線屈折レンズ710が、所定の周期で横方向に沿って配列されている。そして、X線屈折レンズ710は、X線光軸方向に複数積層されている。これにより、X線光軸方向に複数のX線屈折レンズ710が並べて設けられたX線屈折レンズ群710aが形成される。
図10は1つのX線屈折レンズ710の断面図である。X線屈折レンズ710は、X線源2側に向けて凹んだ断面が放物線状の凹曲面720が形成されていて、この凹曲面720によりX線が屈折されることになる。これにより、各X線屈折レンズ710は、それぞれに入射したX線を集光してX線画像検出面140にX線照射量分布の縞を形成する。このように、X線屈折レンズアレイ700によりX線が集光されて、X線検出面140上に、即ちX線検出器14上に、離散的に配置された縞状のX線照射量分布になる。
ここで、各部の設置箇所について説明すると、X線源2の焦点径をa、X線光軸方向に直交する方向におけるX線屈折レンズアレイ700の配列周期をp、X線源2の光軸方向における中心とX線屈折レンズアレイ700の光軸方向における中心との間隔をR1、X線屈折レンズアレイ700の光軸方向における中心とX線検出器14におけるX線画像検出面140との間隔をR2とすると、以下の式(13)を満たすようにX線源2、X線屈折レンズアレイ700、X線検出器14が配置されている。
a×R2<p×(R1+R2)・・・(13)
従って、X線源2の焦点径aによるX線画像検出面140上の幾何学的不鋭が、X線源2を投影中心としたX線屈折レンズ710のX線画像検出面140上の像の配列周期より小さいので、X線屈折レンズアレイ700によるX線照射量分布の縞に隣接する2画素内に収まり、隣の縞に隣接する画素にまであまり影響しないので、X線の位相差に関する画像が得られる。
そして、上記式(13)を満たしつつ、図8に示す通り各X線屈折レンズ710により形成された縞SがX線検出器14における隣接する2画素間にまたがるように、X線源2、X線屈折レンズアレイ700、X線検出器14が配置されている。なお、図9に示す一軸方向のみに集光作用のあるX線屈折レンズアレイ700を用いる場合、JIS Z 4704−1994の7.4.1焦点試験の(2)スリットカメラ法による焦点寸法の測定に規定されている方法でX線屈折レンズアレイ700の配列方向で測定された焦点径をa(μm)として、式(13)を満たすことが好ましい。
ここで、「X線照射量分布の縞Sが隣接する2画素間にまたがる」とは、各縞内での最大照射量の半分以上の照射量の微小領域を縞領域と呼ぶと、図11(a)に示すように、X線屈折レンズ群710aによる屈折方向xにおいて、縞領域Sが、この方向xに隣接する2画素Pn,m、Pn+1,m内に跨っていて、かつ、2画素Pn,m、Pn+1,m内に収まり、隣の縞領域Sn+2に隣接する画素まで跨っていないことである。これは、X線屈折レンズ群710aによる屈折方向xにおいて、X線検出器14の画素サイズの1/3以下の幅のスリットを有するX線遮蔽板をX線検出器14の画素サイズの1/3以下の所定量ずつずらして、被写体の無い状態で、通常のX線照射条件と同じ条件でX線照射することで測定できる。
一方、図11(b)に示すように、隣接する2画素Pn,m、Pn+1,mに1つの縞Sがまたがっており、更に、他の縞Sn+2が画素Pn+1,mに跨っている場合は、「X線照射量分布の縞Sが隣接する2画素間にまたがる」に該当しない。
図12に示すように、撮影装置本体部8には、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)からなる内部記憶装置とにより構成される制御装置311が備えられている。制御装置311には、X線検出器14、電源部361がバス521を介して接続されている。また、制御装置311には、撮影条件等の入力を行うキーボードやタッチパネル(図示省略)、保持部40の位置の調整を行うための位置調整スイッチ等を備える入力装置321、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示装置331、画像データ等を記憶する画像記憶部351等がバス521を介して接続されている。
制御装置311のROMには、X線撮影システム101の各部を制御するための制御プログラム及び各種処理プログラムが記憶されており、CPUは、この制御プログラム及び各種処理プログラムとの協働により、X線撮影システム101の各部の動作を統括的に制御し、X線画像の撮影を行う。
例えば、撮影装置本体部8は、電源部361により、X線源2に管電圧及び管電流を印加して被写体Hに対して放射線を照射させ、X線検出器14に照射された放射線量が予め設定された放射線量に達すると、電源部361によりX線源2からの放射線の照射を停止させる。
そして、X線検出器14又は制御装置311は、X線検出器14固有の画素毎のオフセット・ゲイン特性のバラツキを補正する。その後、オフセット・ゲイン特性を補正されたX線画像について、制御装置311は、基準値と、被写体Hを透過した際に縞Sが形成される隣接する2画素14aのそれぞれが検出した出力差/出力和とを比較して、被写体Hを透過したことによる縞Sの変形に相当する変形相当量を検出する。なお、この基準値は、被写体Hがない場合にX線照射した際のX線画像の隣接する2画素14aの各々が検出した放射線量の出力差/出力和で、制御装置311が記憶している基準値である。制御装置311は、X線検出器14から取得した各画素14aの放射線量や変形相当量に基づいて、微分位相画像、吸収画像、位相エッジ効果を有する吸収画像、位相差画像を算出する。
以下、各画像の算出方法について説明する。
まず、図13は、撮影時におけるX線の照射状況を示す図である。図13に示すように、被写体HとX線検出器14間に距離を設けると、X線源2から照射されたX線XRにより、ライフサイズに対して拡大されたX線画像の潜像がX線検出器14で検出されることとなる。
ここで、被写体Hを透過したことによるX線の傾斜角をα、X線の波長をλとすると、被写体HのX線位相シフトφは式(14)で表される。
φ(x,y)=(2π/λ)×∫δ(x,y,z)dz・・・(14)
ここでδは、位相に関する係数であり、被写体Hの複素屈折率n=1−δ−iβ(β:吸収に関する係数)から算出される。そして、角度αと、位相シフトφの関係は式(15)で表される。
(α,α)=(λ/2π)×Δφ(x,y)・・・(15)
この式(15)の関係から、α、αのいずれかが検出されれば、それを積分することでX線位相シフトφが求まることになる。
この積分前の各画素14aの放射線検出量に基づく画像が微分位相画像であり、当該微分位相画像を積分した値に基づく画像が位相差画像となる。
具体的には、制御装置311は、微分位相画像の出力時においては、X線が被写体Hを透過したことによる縞Sの変位量を求めるために、X線検出器14における隣接する2画素14a間の放射線量の出力差と出力和との比に相当する値に基づいて変形相当量を求め、変形相当量と微分位相量との関係を示すLUTを通すことで微分位相画像を算出して、表示装置331に出力する。
また、制御装置311は、位相差画像の出力時においては、微分位相画像を積分して位相差画像を算出し、表示装置331に出力する。
なお、上記した微分位相画像の算出方式とは別に、被写体Hのない状態でX線源2から照射されたX線に基づくX線検出器14の各画素14aの検出結果と、被写体Hがある状態でX線源2から被写体Hを透過したX線に基づくX線検出器14の各画素14aの検出結果との比較結果に基づいて、X線が被写体Hを透過したことによる縞Sの変位量を求め、微分位相画像を算出することも可能である。
図14は、被写体Hの有無による縞Sの変位を表す説明図である。この図14に示すように、被写体Hの有無により縞Sが変位するため、隣接する画素Pn,m、Pn+1,mの信号出力値も変化することになる。ここで、図14(a)に示す被写体なしの場合の画素Pn,m、Pn+1,mの信号出力値を各々Rn,m、Rn+1,mとし、図14(b)に示す被写体ありの場合の画素Pn,m、Pn+1,mの信号出力値を各々Tn,m、Tn+1,mとすると、被写体Hによる変形相当量Hn,mは、式(16)で表される。
n,m=(Tn,m−Tn+1,m)/(Tn,m+Tn+1,m)−(Rn,m−Rn+1,m)/(Rn,m+Rn+1,m)・・・(16)
各画素14aに対する変形相当量Hn,mに対して、予め求められている変形相当量と微分位相量との関係を表すLUTを通すことで、微分位相画像が求められ、その微分位相画像をx軸に沿って積分することで、位相差画像が求められることになる。
また、吸収画像の出力時においては、制御装置311は、X線検出器14における隣接する2画素14a間の放射線量の出力和に相当する値に基づいて吸収画像を算出し、表示装置331に出力する。具体的には、式(17)(18)により、2画素Pn,m、Pn+1,m間の平均出力に基づいて吸収画像Kn,m、Kn+1,mを算出する。
n,m=(Tn,m+Tn+1,m)/2・・・(17)
n+1,m=(Tn,m+Tn+1,m)/2・・・(18)
そして、位相エッジ効果を有する吸収画像の出力時においては、制御装置311は、X線検出器14における隣接する2画素Pn,m、Pn+1,m間の放射線量の出力和に相当する値と、隣接する2画素Pn,m、Pn+1,m間の出力差と出力和との比に相当する値とから位相エッジ効果を有する吸収画像を算出する。具体的には、画素Pn,mの信号出力En,mを式(19)により算出し、画素Pn+1,mの信号出力En+1,mを式(20)により算出する。
n,m={(Tn,m+Tn+1,m)/2}×{1−(Tn,m−Tn+1,m)/(Tn,m+Tn+1,m)+(Rn,m−Rn+1,m)/(Rn,m+Rn+1,m)}・・・(19)
n+1,m={(Tn,m+Tn+1,m)/2}×{1+(Tn,m−Tn+1,m)/(Tn,m+Tn+1,m)−(Rn,m−Rn+1,m)/(Rn,m+Rn+1,m)}・・・(20)
これら微分位相画像、位相差画像、吸収画像、位相エッジ効果を有する吸収画像の算出流れを、図15のデータフローダイアグラムに示す。
X線撮影621は、撮影指示信号を受けると、X線撮影をして、当該撮影によってX線検出器14が、検出画像データに固有の撮影IDを付与した検出画像データを出力する処理である。
オフセット・ゲイン補正処理622は、撮影装置本体部8の制御装置311が、X線撮影621で得られた検出画像データに対してX線検出器14に特有のX線検出器14の画素毎のオフセット・ゲイン特性のバラツキを補正して、オフセット・ゲイン補正済検出データを作成する処理である。
演算元画像データの保存処理623は、制御装置311が、オフセット・ゲイン補正処理622で作成されたオフセット・ゲイン補正済検出データを、内部記憶装置に、演算元画像データとして保存する処理である。
変形相当量算出処理624は、制御装置311が、演算元画像データから変形相当量画像データを算出する処理である。このとき、例えば、前述のように、式(16)を用いて変形相当量画像データを算出してもよい。
微分位相画像算出処理625は、制御装置311が、変形相当量算出処理624で算出された変形相当量画像データから、微分位相画像データを算出する処理である。このとき、例えば前述のようにLUT変換して微分位相画像データを算出してもよい。
微分位相画像データの保存処理626は、制御装置311が、微分位相画像算出処理625で算出された微分位相画像データを、内部記憶装置に保存する処理である。
ID付与ファイル化処理627は、制御装置311が、微分位相画像データの保存処理626で内部記憶装置に記憶された微分位相画像データに、オーダIDを付与してファイル化して、微分位相画像ファイルを出力する処理である。このとき、撮影IDに基づいて、撮影IDとオーダIDとの対応関係から、オーダIDを付与することが、同一の検出画像データから得られた画像に共通のオーダIDが付与されるので好ましい。
微分位相画像ファイルの保存処理628は、制御装置311が、ID付与ファイル化処理627で出力されたオーダIDの付与された微分位相画像ファイルを、画像記憶部351に保存する処理である。これで、一連の処理が終了される。
積分処理629は、制御装置311が、微分位相画像データの保存処理626で内部記憶装置に保存された微分位相画像データに対して積分処理を施し、位相差画像データを算出する処理である。このとき、例えば前述のようにx軸に沿って積分することで位相差画像データを求めてもよい。
位相差画像データの保存処理630は、制御装置311が、積分処理629で求められた位相差画像データを内部記憶装置に保存する処理である。
ID付与ファイル化処理631は、制御装置311が、位相差画像データの保存処理630で内部記憶装置に記憶された位相差画像データにオーダIDを付与してファイル化して、位相差画像ファイルを出力する処理である。このとき、撮影IDに基づいて、撮影IDとオーダIDとの対応関係から、オーダIDを付与することが、同一の検出画像データから得られた画像に共通のオーダIDが付与されるので好ましい。
位相差画像ファイルの保存632は、制御装置311が、ID付与ファイル化処理631で出力された位相差画像ファイルを、画像記憶部351に保存する処理である。これで、一連の処理が終了される。
吸収画像算出処理633は、制御装置311が、演算元画像データの保存処理623で内部記憶装置に記憶された演算元画像データから、吸収画像データを算出する処理である。このとき、例えば前述のようにX線照射量分布の縞が跨ぐ2画素の出力信号を平均化して吸収画像データを算出してもよい。
吸収画像データの保存処理634は、制御装置311が、吸収画像算出処理633で算出された吸収画像データを、内部記憶装置に保存する処理である。
ID付与ファイル化処理635は、制御装置311が、吸収画像データの保存処理634で内部記憶装置に記憶された吸収画像データに、オーダIDを付与してファイル化して、吸収画像ファイルを出力する処理である。このとき、撮影IDに基づいて、撮影IDとオーダIDとの対応関係から、オーダIDを付与することが、同一の検出画像データから得られた画像に共通のオーダIDが付与されるので好ましい。
吸収画像ファイルの保存処理636は、制御装置311が、ID付与ファイル化処理635で出力された吸収画像ファイルを、画像記憶部351に保存する処理である。これで、一連の処理が終了される。
位相エッジ効果を有する吸収画像算出処理637は、制御装置311が、演算元画像データの保存処理623で内部記憶装置に記憶された演算元画像データから、位相エッジ効果を有する吸収画像を算出する処理である。このとき、例えば前述のように式(19)、(20)を用いて位相エッジ効果を有する吸収画像データを算出してもよい。
位相エッジ効果を有する吸収画像データの保存処理638は、制御装置311が、位相エッジ効果を有する吸収画像算出処理637で算出された位相エッジ効果を有する吸収画像データを、内部記憶装置に一時保存する処理である。
ID付与ファイル化処理639は、制御装置311が、位相エッジ効果を有する吸収画像データの保存処理638で内部記憶装置に記憶された位相エッジ効果を有する吸収画像データに、オーダIDを付与してファイル化して、位相エッジ効果を有する吸収画像ファイルを出力する処理である。このとき、撮影IDに基づいて、撮影IDとオーダIDとの対応関係から、オーダIDを付与することが、同一の検出画像データから得られた画像に共通のオーダIDが付与されるので好ましい。
位相エッジ効果を有する吸収画像ファイルの保存640は、制御装置311が、ID付与ファイル化処理639で出力された位相エッジ効果を有する吸収画像ファイルを、画像記憶部351に保存する処理である。これで、一連の処理が終了される。
なお、上述の説明では、制御装置311が、X線検出器14から出力された検出画像データから、オフセットゲイン補正して演算元画像データを作成し、演算元画像データから微分位相画像、位相差画像、吸収画像、位相エッジ効果を有する吸収画像を算出したが、制御装置311とは別体のコンソールで、演算元画像データから微分位相画像、位相差画像、吸収画像、位相エッジ効果を有する吸収画像を算出するようにしても良い。また、演算や処理の分担は上述の例に限らない。
以上のように、本第2実施形態によれば、被写体Hを透過したX線を1つのX線屈折レンズアレイ700によって、X線検出器14の複数の画素14aのうち、隣接する2画素14aにまたがるように離散的な縞に絞っているので、少なくとも2つの回折格子が必要なタルボ干渉計方式と比較しても、簡単な構成で位相画像を検出することができる。これにより、タルボ干渉計方式よりも簡単な構成で、被写体HのX線吸収が少ない組織であっても、密度差の大きい異なる組織間や、気体・組織間の境界を高いコントラストで捉えることが可能となる。
また、制御装置311が、隣接する2画素14a間の出力差と出力和との比に相当する値に基づいて微分位相画像を算出するので、X線が被写体Hを透過することによる離散的な縞の変位量が考慮された微分位相画像が算出されることになる。
そして、制御装置311によって、隣接する2画素14a間の出力和に相当する値に基づいて吸収画像が算出されるので、微分位相画像とともに位相エッジ効果を有する吸収画像をも一度の撮影で算出することができる。
さらに、制御装置311によって、隣接する2画素間の出力和に相当する値と、隣接する2画素間の出力差と出力和との比に相当する値とから位相エッジ効果を有する吸収画像が算出されるので、微分位相画像、吸収画像とともに位相エッジ効果を有する吸収画像も一度の撮影で算出することができる。
また、制御装置311によって、微分位相画像が積分されて位相差画像が算出されるので、微分位相画像、吸収画像、位相エッジ効果を有する吸収画像とともに、位相差画像をも一度の撮影で算出することができる。
また、本第2実施形態では、X線画像を出力する装置としてCRTディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示装置331を例示して説明したが、これ以外にも、X線画像をフィルムや紙等の媒体にプリントするプリント式の出力装置であってもよい。
また、本第2実施形態では、断面が放物線状の凹曲面720を備えたX線屈折レンズ710を例示して説明したが、レンズの形状は、X線を屈折させるものであればこれに限定されるものではなく、例えば、図16に示すように対向する面に形成され、互いに直交する凹曲面74、75によりX線を屈折させるレンズ71A(特開2001−337197号公報参照)や、図17に示すように、対向する段状面76によりX線を屈折させるレンズ71B(特表2003−505677号公報参照)や、図19に示すように、断面円形状の曲面77を有するX線屈折レンズ9aを複数X線光軸方向(z方向)に配列することで形成したX線屈折レンズ群71C(特開2002−131488号公報、特許2526409号公報参照)や、断面楕円形状の曲面を有するX線屈折レンズを複数、X線光軸方向に配列することで形成したX線屈折レンズ群(米国特許第6718009号公報参照)等が挙げられる。
また、本第2実施形態では、X線屈折レンズ710が1層であるX線屈折レンズアレイ700を例示して説明したが、例えば、図18に示すように、X線屈折レンズ710を複数積層したX線屈折レンズアレイ700Aであってもよい。これにより、X線光軸方向に複数のX線屈折レンズ710が並べて設けられたX線屈折レンズ群を形成することができ、1層のものよりも高い耐久性を確保することができる。
そして、本第2実施形態では、X線屈折レンズ710によって、X線を離散的な縞状に絞る場合を例示して説明しているが、離散的なドット状に絞るものであってもよい。
図20は、X線を離散的なドット状に絞るX線屈折レンズアレイ700Bの一例を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のR−R断面図、(c)は(a)のQ−Q断面図である。この図20(a)に示すように、X線屈折レンズアレイ700Bは、複数のX線屈折レンズ712がマトリクス状に配置されている。各X線屈折レンズ712は、X線源2側に向けて凹んだ、断面がX線光軸を回転中心とした放物線の回転体形状の凹曲面720aと、X線検出器14側に向けて凹んだ、断面がX線光軸を回転中心とした放物線の回転体形状の凹曲面730aとが対向するように形成されていて、これら凹曲面720a、730aによりX線が屈折されることになる。これにより、各X線屈折レンズ712は、それぞれに入射したX線を集光してX線検出器14のX線画像検出面140上に、X線照射量分布のドットを形成する。
図21は、被写体の有無による、上述したX線画像検出面140上のX線照射量分布のドットの変位を表す説明図である。図21(a)に、被写体の無い状態の例を、図21(b)に被写体が有る例を示す。ここで、「X線照射量分布のドットが隣接する2画素間にまたがる」とは、各ドットでの最大照射量の半分以上の照射量の微小領域をドット領域と呼ぶと、例えば図21(a)に示すように、X線屈折レンズアレイ700Bによる屈折方向のx方向・y方向の両方において、ドット領域Dn,mが、x方向に隣接する2画素×y方向に隣接する2画素の合計4画素Pn,m、Pn+1,m、Pn,m+1、Pn+1,m+1内に跨っていて、かつ、4画素Pn,m、Pn+1,m、Pn,m+1、Pn+1,m+1内に収まり、隣のドット領域Dn+2,m、Dn,m+2、Dn+2,m+2に隣接する画素まで跨っていないことである。
これは、x方向とy方向の両方において、X線検出器の画素サイズの1/3以下の幅の孔を有するX線遮蔽板をX線検出器の画素サイズの1/3以下の所定量ずつずらして、被写体の無い状態で、通常のX線照射条件と同じ条件でX線照射することで測定できる。
図21に示すように、被写体の有無によりX線照射量分布のドットDn,mが変位するため、ドットDn,mに隣接する4画素Pn,m、Pn+1,m、Pn,m+1、Pn+1,m+1の信号出力値も変化することになる。ここで、被写体なしの場合の画素Pn,m、Pn+1,m、Pn,m+1、Pn+1,m+1の信号出力値を各々Rn,m、Rn+1,m、Rn,m+1、Rn+1,m+1とし、被写体ありの場合の画素Pn,m、Pn+1,m、Pn,m+1、Pn+1,m+1の信号出力値を各々Tn,m、Tn+1,m、Tn,m+1、Tn+1,m+1とすると、被写体によるx方向の変形相当量Hxn,m、被写体によるy方向の変形相当量Hyn,mは、式(21)、(22)で表される。
Hxn,m={(Tn,m+Tn,m+1)−((Tn+1,m+Tn+1,m+1)}/((Tn,m+Tn,m+1+Tn+1,m+Tn+1,m+1)−{(Rn,m+Rn,m+1)−(Rn+1,m+Rn+1,m+1)}/(Rn,m+Rn,m+1+Rn+1,m+Rn+1,m+1)・・・(21)
Hyn,m={(Tn,m+Tn+1,m)−(Tn,m+1+Tn+1,m+1)}/(Tn,m+Tn+1,m+Tn,m+1+Tn+1,m+1)−{(Rn,m+Rn+1,m)−((Rn,m+1+Rn+1,m+1)}/(Rn,m+Rn+1,m+Rn,m+1+Rn+1,m+1)・・・(22)
各画素に対するx方向の変形相当量Hxn,m、y方向の変形相当量Hyn,mに対して、各々、予め求められているx方向の変形相当量と微分位相量との関係を表すLUT、y方向の変形相当量と微分位相量との関係を表すLUTを通すことで、x方向の微分位相画像、y方向の微分位相画像が求められ、そのx方向の微分位相画像をx軸に沿って積分することでx方向の位相差画像が求められ、また、そのy方向の微分位相画像をy軸に沿って積分することでy方向の位相差画像が求められる。
また、制御装置311が、X線検出器14におけるドットDn,mに隣接する4画素Pn,m、Pn+1,m、Pn,m+1、Pn+1,m+1間の放射線量の出力和に相当する値に基づいて、吸収画像Kn,m、Kn+1,m、Kn,m+1、Kn+1,m+1を算出する。具体的には、式(23)により求められた、ドットDn,mに隣接する4画素Pn,m、Pn+1,m、Pn,m+1、Pn+1,m+1間の平均出力Hn,mに基づいて吸収画像を算出する。
n,m=Kn+1,m=Kn,m+1=Kn+1,m+1=(Tn,m+Tn+1,m+Tn,m+1+Tn+1,m+1)/4・・・(23)
そして、制御装置311が、X線検出器14におけるドットDn,mに隣接する4画素Pn,m、Pn+1,m、Pn,m+1、Pn+1,m+1間の放射線量の出力和に相当する値と、ドットDn,mに隣接する4画素Pn,m、Pn+1,m、Pn,m+1、Pn+1,m+1間の出力差と出力和との比に相当する値とから位相エッジ効果を有する吸収画像を算出する。具体的には、画素Pn,m、Pn+1,m、Pn,m+1、Pn+1,m+1の信号出力En,m、En+1,m、En,m+1、En+1,m+1を式(24)〜(27)により算出する。
n,m=(Tn,m+Tn+1,m+Tn,m+1+Tn+1,m+1)/4×[1−{(Tn,m+Tn,m+1)−(Tn+1,m+Tn+1,m+1)}/(Tn,m+Tn,m+1+Tn+1,m+Tn+1,m+1)−{(Rn,m+Rn,m+1)−(Rn+1,m+Rn+1,m+1)}/(Rn,m+Rn,m+1+Rn+1,m+Rn+1,m+1)]×[1−{(Tn,m+Tn+1,m)−(Tn,m+1+Tn+1,m+1)}/(Tn,m+Tn+1,m+Tn,m+1+Tn+1,m+1)−{(Rn,m+Rn+1,m)−(Rn,m+1+Rn+1,m+1)}/(Rn,m+Rn+1,m+Rn,m+1+Rn+1,m+1)]・・・(24)
n+1,m=(Tn,m+Tn+1,m+Tn,m+1+Tn+1,m+1)/4×[1+{(Tn,m+Tn,m+1)−(Tn+1,m+Tn+1,m+1)}/(Tn,m+Tn,m+1+Tn+1,m+Tn+1,m+1)−{(Rn,m+Rn,m+1)−(Rn+1,m+Rn+1,m+1)}/(Rn,m+Rn,m+1+Rn+1,m+Rn+1,m+1)]×[1−{(Tn,m+Tn+1,m)−(Tn,m+1+Tn+1,m+1)}/(Tn,m+Tn+1,m+Tn,m+1+Tn+1,m+1)−{(Rn,m+Rn+1,m)−(Rn,m+1+Rn+1,m+1)}/(Rn,m+Rn+1,m+Rn,m+1+Rn+1,m+1)]・・・(25)
n,m+1=(Tn,m+Tn+1,m+Tn,m+1+Tn+1,m+1)/4×[1−{(Tn,m+Tn,m+1)−(Tn+1,m+Tn+1,m+1)}/((Tn,m+Tn,m+1+Tn+1,m+Tn+1,m+1)−{(Rn,m+Rn,m+1)−(Rn+1,m+Rn+1,m+1)}/(Rn,m+Rn,m+1+Rn+1,m+Rn+1,m+1)]×[1+{(Tn,m+Tn+1,m)−(Tn,m+1+Tn+1,m+1)}/(Tn,m+Tn+1,m+Tn,m+1+Tn+1,m+1)−{(Rn,m+Rn+1,m)−(Rn,m+1+Rn+1,m+1)}/(Rn,m+Rn+1,m+Rn,m+1+Rn+1,m+1)]・・・(26)
n+1,m+1=(Tn,m+Tn+1,m+Tn,m+1+Tn+1,m+1)/4×[1+{(Tn,m+Tn,m+1)−(Tn+1,m+Tn+1,m+1)}/(Tn,m+Tn,m+1+Tn+1,m+Tn+1,m+1)−{(Rn,m+Rn,m+1)−(Rn+1,m+Rn+1,m+1)}/(Rn,m+Rn,m+1+Rn+1,m+Rn+1,m+1)]×[1+{(Tn,m+Tn+1,m)−(Tn,m+1+Tn+1,m+1)}/(Tn,m+Tn+1,m+Tn,m+1+Tn+1,m+1)−{(Rn,m+Rn+1,m)−(Rn,m+1+Rn+1,m+1)}/(Rn,m+Rn+1,m+Rn,m+1+Rn+1,m+1)]・・・(27)
また、これ以外にも、例えば図22に示すように、X線をドット状に絞るための多数のX線透過部90を備えたアパーチャ91を、被写体HのX線源2A側に配置することで、当該アパーチャ91によって、X線がX線検出器14上に離散的なドット状となるように絞られることになる。この場合においても、タルボ干渉計方式よりも簡単な構成で、被写体HのX線吸収が少ない組織であっても、密度差の大きい異なる組織間や、気体・組織間の境界を高いコントラストで捉えることが可能となる。
100、101 X線画像システム
1 X線撮影手段
2 X線源
3 コンソール
20 アクチュエータ
31 制御装置
32 入力装置
33 表示装置
35 画像記憶部
4 第一回折格子
41 基板
42 回折部材
43 保持部材
5 第二回折格子
51 基板
52 回折部材
53 保持部材
7 回折格子保持構造体
8 撮影装置本体部
14 X線検出器
140 X線画像検出面
700 X線屈折レンズアレイ
710 X線屈折レンズ
H 被写体

Claims (1)

  1. X線源と、前記X線源から照射され被写体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置される複数の格子と、を有し、前記X線源、前記被写体及び前記X線検出器の相対位置関係を一定に保ち、縞走査法による一連のX線撮影で複数のモアレ縞画像を取得するX線撮影手段と、
    前記複数のモアレ縞画像に基づいて、それぞれ異なるアルゴリズムを用いて診断用画像である吸収画像、微分位相画像、位相差画像を生成する生成手段と、
    当該吸収画像、微分位相画像、位相差画像を同時または逐次に表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とするタルボ方式のX線画像システム。
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