JP5832904B2 - βヘマチンを含むアジュバント - Google Patents
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Description
マラリア感染の防御および干渉のためには、最近になって赤血球期を標的として全寄生虫ワクチンストラテジーが注目されている。しかしながら、免疫原性のために重要なアジュバント成分およびその作用メカニズムについてはわかっていなかった。
ヘモゾイン(Hemozoin)は、Plasmodium原虫の食胞に存在するヘム分子の解毒産物である疎水性ヘムダイマー集合体(結晶)であり、Plasmodium原虫が宿主ヘモグロビンを消化することによりできる。CpG DNAと同様にToll−like receptor9(TLR9)のリガンドとして作用することが報告されていた。塩化ヘミンから合成されたヘモゾインはβヘマチンと呼ばれる(非特許文献1を参照)。
ヘモゾインがin vitroでマウスの脾臓細胞や樹状細胞を活性化することが報告されている(特許文献1を参照)。また、ヘモゾインがマウスにおいてリボヌクレアーゼAの抗体産生に対するアジュバント効果を有することが報告されている(特許文献2を参照)。
さらに、βヘマチンがDNAワクチンのアジュバントとしての効果を有することが報告され(非特許文献2を参照)、また、βヘマチンがTLR9のDNA分子(いわゆるCpGモチーフと呼ばれる非メチル化DNA鎖)以外のリガンドとして機能することが報告されている(非特許文献3を参照)。
さらに、ヘモゾインをin vivoでアレルゲンワクチンや細菌やウイルスの感染症のワクチンの効果を高めるワクチンアジュバントとして用いることが報告されていた(特許文献3を参照)。
本発明者等は、宿主の赤血球のPlasmodium falciparum(Pf)感染の間に生成されるヘム結晶である合成ヘモゾインがDNAの存在を必要とせずに、Toll−like receptor(TLR)9およびCARDを含むapoptosis−associated speck−like protein containing a CARD(ASC)を含むインフラマソーム(inflammasome)を別々に活性化することにより、強力なアジュバント活性を有することを見出した。
さらに、本発明者らは、塩化ヘミンを水酸化ナトリウム溶液に溶解し、塩酸を少量添加後、60℃でpH4.8付近になるまで酢酸を添加し、室温下16時間静置反応した。次に、遠心分離により沈殿を得て、その沈殿にドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を2%含むpH9程度の弱塩基性重炭酸溶液を添加し洗浄し、水で置換した後、遠心分離で分画し、湿式レーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定したサンプルを用いて各サイズのアジュバント効果を調べた。その結果、50〜200nmのサイズを有する画分が最も強力なアジュバント効果を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 平均粒子径20〜500nmのβヘマチン結晶を含むワクチンアジュバント組成物。
[2] 平均粒子径50〜300nmのβヘマチン結晶を含む[1]のワクチンアジュバント組成物。
[3] 平均粒子径50〜200nmのβヘマチン結晶を含む[2]のワクチンアジュバント組成物。
[4] 塩化ヘミンをNaOH水溶液に溶解して得られた溶液に、少量の塩酸を加え室温〜60℃にて酢酸を滴下し、pHを4〜6に調整し、混合液を室温〜40℃で1〜24時間静置反応後、遠心分離を行い、SDSを含むpH9程度の弱塩基性溶液で洗浄して得られたβヘマチン結晶を、粒子径により分画し、平均粒子径20〜1000nmの画分を得ることを含む、βヘマチン結晶を含むワクチンアジュバント組成物の作製方法。
[5] 塩化ヘミンをNaOH水溶液に溶解して得られた溶液に、少量の塩酸を添加し、室温〜60℃にて酢酸を滴下し、pHを4〜6に調整し、混合液を室温〜40℃で1〜24時間静置反応後、遠心分離を行い、SDSを含むpH9程度の弱塩基性溶液で洗浄して得られたβヘマチン結晶を、粒子径により分画し、平均粒子径50〜200nmの画分を得ることを含む、[4]のβヘマチン結晶を含むワクチンアジュバント組成物の作製方法。
[6] βヘマチン結晶をオートクレーブ処理することにより微細化する方法。
[7] 微細化により、平均粒子径50〜300nmのβヘマチン結晶が得られる、[6]の方法。
[8] 微細化により、平均粒子径50〜200nmのβヘマチン結晶が得られる、[6]の方法。
[9] [6]〜[8]のいずれかの方法により、βヘマチン結晶をオートクレーブ処理することにより微細化することを含む、βヘマチン結晶を含むワクチンアジュバント組成物の作製方法。
[10] 塩化ヘミンをNaOH水溶液に溶解して得られた溶液に、少量の塩酸を添加し、室温〜60℃にて酢酸を滴下し、pHを4〜6に調整し、混合液を室温〜40℃で1〜24時間静置反応後、遠心分離を行い、SDSを含むpH9程度の弱塩基性溶液で洗浄して得られたβヘマチン結晶を、オートクレーブ処理を行うことを含む、平均粒子径20〜1000nmのβヘマチン結晶を含むワクチンアジュバント組成物の作製方法。
[11] 塩化ヘミンをNaOH水溶液に溶解して得られた溶液に、少量の塩酸を添加し、室温〜60℃にて酢酸を滴下し、pHを4〜6に調整し、混合液を室温〜40℃で1〜24時間静置反応後、遠心分離を行い、SDSを含むpH9程度の弱塩基性溶液で洗浄して得られたβヘマチン結晶を、オートクレーブ処理を行うことを含む、[10]の平均粒子径50〜300nmのβヘマチン結晶を含むワクチンアジュバント組成物の作製方法。
本発明のβヘマチンを含むワクチンアジュバント組成物をアレルゲンワクチンや細菌、ウイルス、リケッチア、寄生虫等の病原体の感染症のワクチンと併用することにより、in vivoにおいて、病原体に対する抗体価がアジュバントを併用しない場合に比べ上昇し、効果的にアレルギー疾患や感染症を予防または治療することができる。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2009−287709号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
図2は、Pf粗抽出物のTLR9依存性様式でのアジュバント効果を示す図であり、血清中の抗Pf抽出物特異的IgG2c抗体産生を示す図である。
図3は、Pf粗抽出物のTLR9依存性様式でのアジュバント効果を示す図であり、培養脾臓細胞のIFNγ産生を示す図である。
図4は、2つの方法(実施例の方法1および方法2)で合成した合成ヘモゾインのFESEM像を示す図であり、図4Aは方法1で合成したヘモゾインを、図4Bは方法2で合成したヘモゾインを示す。スケールバーは500nmである。
図5は、方法1または方法2で合成した合成ヘモゾインのあるなしで皮下注射によりOVA抗原で免疫したC57B/6マウス血清中OVA特異的IgG反応を示す図である(ELISAで測定)。
図6は、方法1で合成した合成ヘモゾインを分画した際の粒度分布(粒子数割合)を示す図である。
図7は、異なるサイズの合成ヘモゾイン(50〜200nmおよび2〜20μm)またはヘミン(50nm以下)のアジュバント効果を示す図であり、OVAで免疫したC57B/6マウスの血清中OVA特異的IgG抗体反応を示す図である。
図8は、合成ヘモゾインの強力なアジュバント活性及び濃度依存性を示す図である。野生型マウスを種々の濃度の合成ヘモゾインと共に10μgのモデル抗原であるHSAで免疫し、同量のHSAおよび合成ヘモゾインで10日後に追加免疫を行い、追加免疫後1週間後の血清中HSA特異的IgG反応を示す(ELISAで測定)。
図9は、合成ヘモゾインの強力なアジュバント活性を示す図である。野生型マウスを種々の濃度の合成ヘモゾインと共に10μgのモデル抗原であるHSAで免疫し、同量のHSAおよび合成ヘモゾインで10日後に追加免疫を行い、追加免疫後1週間後の血清中HSA特異的IgGのアイソタイプを示す。
図10は、アラム、CpG DNAおよび合成ヘモゾインのアジュバント効果の比較を示す図である。マウスをOVA抗原とアラム(200μg)、CpG DNA(50μg)および合成ヘモゾイン(800μg)で免疫し、10日後に追加免疫を行い、血清中OVA特異的IgG反応をELISAで測定した。
図11は、合成ヘモゾインの全血マラリア抗原に対するアジュバント効果を示す図であり、野生型マウスを10μgのPf粗抽出物および800μgの合成ヘモゾインで免疫し、同量のPf粗抽出物および合成ヘモゾインで追加免疫し、追加免疫の1週間後に血清中Pf粗抽出物特異的IgG反応をELISAで測定した。
図12は、合成ヘモゾインのイヌのダニアレルギーに対する効果を示す図であり、Derf2単独、500μgのアラムもしくはアラムと合成ヘモゾインとを混合調製したDerf2で免疫したビーグル犬の血清中の抗Derf2特異的IgG2およびIgG1反応を示す。
図13は、合成ヘモゾインのイヌアレルギーに対する効果を示す図であり、Derf2感作後のビーグル犬の血清中の抗Derf2特異的IgE反応を示す図である。
図14は、タンパク質、脂質および膜を含むPf粗抽出物、Pfから抽出した純粋な天然ヘモゾインおよびMSU結晶のFESEM像を示す図である。スケールバーは500nm。
図15は、ヘモゾインのアジュバント効果を示す図であり、Balb/cマウスを皮下注射によりOVA単独または合成ヘモゾインと共に免疫し、10日後に同量で追加免疫した結果を示す図である。
図16は、ヘモゾインのアジュバント効果を示す図であり、Balb/cマウスを鼻腔投与によりOVA単独または合成ヘモゾインと共に免疫し、10日後に同量で追加免疫した結果を示す図である。
図17は、合成ヘモゾイン調製物の純度を示す図であり、合成ヘモゾイン調製物中のヘミンの混入を示すTLC(薄層クロマトグラフィー)の結果を示す図である。合成ヘモゾインとその10%ヘム鉄等量のヘミンをシリカゲルプレートにスポットしメタノールで展開した図であり、TLCプレートの右側に合成ヘモゾイン中の混入ヘミンの薄いバンドが観察される。
図18は、ヘミンおよび合成ヘモゾインのFT−IRの結果を示す図である。ヘミンのピークはシフトしており、βヘマチンが生成したことを示唆している。
図19は、合成ヘモゾインの粉末X線解析の回折パターンを示す図である。
図20は、平均粒子径が大(2〜50μm)及び小(20〜500nm)のβヘマチン各2Lot間でのアジュバント効果を示す図であり、4mM皮下投与でのC57BL6マウス血清中の抗OVA(卵白アルブミン)特異的IgGの抗体産生を示す図である。
図21は、平均粒子径が大(2〜50μm)及び小(20〜500nm)のβヘマチン各2Lot間でのアジュバント効果を示す図であり、4mM皮下投与でのC57BL6マウス血清中の抗OVA(卵白アルブミン)特異的IgG2a抗体産生を示す図である。
図22は、平均粒子径が大(2〜50μm)及び小(20〜500nm)のβヘマチン各2Lot間でのアジュバント効果を示す図であり、4mM皮下投与でのC57BL6マウス血清中の抗OVA(卵白アルブミン)特異的IgG2b抗体産生を示す図である。
図23は、平均粒子径が大(2〜50μm)及び小(20〜500nm)のβヘマチンのアジュバント効果を示す図であり、4mM皮下投与でのBalb/cマウス血清中の抗HSA(ヒト血清アルブミン)特異的IgG抗体産生を示す図である。
図24は、平均粒子径が大(2〜50μm)及び小(20〜500nm)のβヘマチンのアジュバント効果を示す図であり、4mM皮下投与でのC57BL6マウス血清中の抗OVA特異的IgG抗体産生を示す図である。
図25は、平均粒子径が大(2〜50μm)及び小(20〜500nm)のβヘマチンのアジュバント効果を示す図であり、4mM腹腔投与でのC57BL6マウス血清中の抗OVA特異的IgG抗体産生を示す図である。
図26は、Fluka社の原料より各々合成された、平均粒子径が大(Big、2〜50μm)及び小(Small、20〜500nm)のβヘマチンのアジュバント効果を示す図であり、4mM皮下投与でのBalb/cマウス血清中の抗HSA特異的IgG抗体産生を示す図である。
図27は、TCI(東京化成)社の原料より各々合成された、平均粒子径が大(Big、2〜50μm)及び小(Small、20〜500nm)のβヘマチンのアジュバント効果を示す図であり、4mM皮下投与でのBalb/cマウス血清中の抗HSA特異的IgG抗体産生を示す図である。
図28は、121℃、20分間オートクレーブ処理したβヘマチンサンプルをマウスに投与した場合の血中トータルIgG濃度を示す図である。
図29は、121℃、20分間オートクレーブ処理したβヘマチンサンプルをマウスに投与した場合の血中IgG2a、IgG2b、IgG2c及びIgG3を示す図である。
図30は、121℃、20分間オートクレーブ処理したβヘマチンサンプルの粒度分布を示す図である。
図31は、121℃、20分間オートクレーブ処理前後のβヘマチンサンプルの実体顕微鏡像を示す図である。
本発明のワクチンアジュバント組成物の構成成分であるβヘマチンは、合成ヘモゾインであり、塩化ヘミンより以下の方法で合成することができる。
塩化ヘミン45mgを1N NaOH水溶液4.5mLに溶解し1N HCl水溶液を0.45mL添加する。得られた溶液に、室温〜60℃にて酢酸を滴下し、pHを4〜6、好ましくは4.5〜5、さらに好ましくは4.8に調整する。混合液を室温〜40℃で1〜24時間静置反応後、遠心分離を行い、沈殿を得て、2%SDSを含むpH9程度の弱塩基性溶液、例えば0.1M重炭酸ナトリウムバッファー(pH9.1)で洗浄し精製水で置換する。このようにしてβヘマチン結晶を得ることができる。このようにして作製したβヘマチンをさらに粒子径により分画し、小粒子径のものを用いる。平均粒子径の測定は、例えば湿式レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて行うことができる。本発明のワクチン組成物が含むβヘマチン結晶の大きさは、平均粒子径で20〜1000nm、好ましくは20〜500nm、さらに好ましくは50〜200nmである。なお、このようにして作製したβヘマチンは図4Aに示すような結晶構造をとる。本発明のβヘマチンは、分散しているnmサイズの単結晶(一次粒子)のβヘマチンであり、凝集体を形成したβヘマチンを分画処理し、nmサイズの単結晶の平均粒子径を測定している(図6)。凝集体の平均粒子径は2〜50μmであり、それを分散した一次粒子の平均粒子径が20〜500nm、好ましくは50〜200nmとなる。
合成したβヘマチンは、2% SDSを含む20mM水酸化ナトリウムに溶解させ2時間室温にて静置反応したのち、400nmの吸光度を測定することにより定量することができる。定量は、例えば、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.93:11865−11870,1996に記載の方法に従って行うことができる。
さらに、塩化ヘミンを上記のようにHCl及び酢酸で処理して得られた沈殿をオートクレーブ処理してもよい。オートクレーブ処理は通常滅菌処理に用いるオートクレーブ装置を用いて行えばよい。オートクレーブ処理は例えば、100℃以上の温度で1〜99分間、好ましくは105〜135℃で1〜99分間、さらに好ましくは121℃で10〜30分間行えばよい。オートクレーブ処理は通常2気圧の加圧下で行われる。上記沈殿中のβヘマチンは凝集体を形成しており、オートクレーブ処理により、βヘマチンは単結晶として分散する。βヘマチン結晶をオートクレーブ処理して単結晶として分散させることを微細化という。その単結晶の平均粒子径は、20〜1000nm、好ましくは20〜500nm、さらに好ましくは50〜300nm、特に好ましくは50〜200nmである。
本発明は、上記のβヘマチンの免疫応答を刺激するのに有効な量を含むワクチンアジュバント組成物である。ワクチンアジュバントとは、ワクチンと併用した場合に、ワクチンの効果を高め、生体においてワクチンとして用いる免疫原に対する抗体の生産を上昇させる物質をいう。また、本発明は、該ワクチンアジュバント組成物ならびに免疫応答を刺激するのに有効な量のアレルゲンを含むアレルゲンワクチンまたは細菌、ウイルス、リケッチアもしくは寄生虫等の病原体の抗原を含む感染症ワクチンを含むワクチン組成物である。
ワクチンアジュバント組成物およびワクチン組成物中のβヘマチンの量はβヘマチンと抗原を結び付けるような物質(例えば水酸化アルミニウムやプルランなど)を処方に含める場合1μM〜5mM、好ましくは5μM〜3mM、さらに好ましくは7.5μM〜2mM、さらに好ましくは10μM〜2mM、さらに好ましくは10μM〜1000μM、さらに好ましくは50μM〜500μMである。あるいは1μM〜10μMも好ましい。
βヘマチンをアジュバントとして単独で用いる場合、1μM〜40mM、好ましくは50μM〜30mM、さらに好ましくは100μM〜20mM、さらに好ましくは500μM〜10mM、さらに好ましくは1mM〜8mM、さらに好ましくは3mM〜5mMである。あるいは1μM〜10μMも好ましい。
本発明のワクチンアジュバント組成物には、βヘマチンの他にフロイントの完全アジュバント、結核菌体などの微生物死菌体、アラムアジュバント等の他の免疫賦活物質を添加してもよい。
本発明のアジュバントは、アレルゲンワクチン、感染症用のワクチン用のアジュバントとして用いることができる。
アレルゲンワクチンとは、生体にアレルゲンを投与することにより、アレルゲンに対するIgG抗体を生産させてアレルギーの原因となるIgEの作用をブロックし、あるいは生体内でアレルゲンに特異的な1型ヘルパーT細胞(Th1細胞)を増加させ、アレルギー症状に関与する2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)を減少させるためのワクチンをいい、減感作によりアレルギー症状を抑制し得る。アレルゲンワクチンは、種々のアレルギーの原因となるアレルゲンからなる。本発明のワクチンアジュバント組成物と併用するアレルゲンとしては、限定されないが食物アレルゲン、ハウスダストアレルゲン、スギ花粉等の花粉アレルゲン、動物の体毛等のアレルゲンなどが挙げられる。具体的には、花粉アレルゲンとして、スギ花粉アレルゲン(Cry j 1、Cry j 2)、ブタクサアレルゲン(Amb a 1、Amb a 2、Amb a 5、Amb t 5、Amb p 5)、カモガヤアレルゲン(Dac g 2)等が挙げられ、食物アレルゲンとして、カゼイン、ラクトアルブミン、ラクトグロブリン、オボムコイド、オボアルブミン、コンアルブミン等が挙げられ、ハウスダストアレルゲンとして、ダニ類アレルゲン(Der f 1、Der f 2、Zen 1、Der p 1、Der p 2)等が挙げられる。この中でも、Cry j 1などのスギ花粉アレルゲンやZen 1、Der f 1、Der f 2等のダニアレルゲンが望ましい。
感染症用のワクチンとしては、不活性化された完全ワクチン、サブユニットワクチン、トキソイド等が挙げられる。これらのワクチンは、細菌、ウイルス、リケッチア、寄生虫等の病原体に対して動物に免疫を生じさせる。
感染症用ワクチンとしては、ヒトを対象とする場合、例えば、A型、A/H1N1型、B型インフルエンザ等のインフルエンザ、ポリオウイルス、日本脳炎、結核菌、ヒトパピローマウイルス、マラリア原虫、SARS、ヒトに感染し得るトリインフルエンザ、腸チフス、パラチフス、ペスト、百日咳、発疹チフス等の感染症用ワクチンが挙げられる。また、非ヒト動物を対象とする場合、例えば、ウマインフルエンザウイルス、ウマヘルペスウイルス、ウマ脳髄膜炎ウイルス、口蹄疫ウイルス、狂犬病、ネコ汎白血球減少症、ネコ鼻気管炎、感染性ウシ鼻気管炎、3型パラインフルエンザ、ウシのウイルス性下痢、ウシアデノウイルス、ブタパルボウイルス、イヌアデノウイルス、イヌジステンパーウイルス、イヌパルボウイルス、イヌパラインフルエンザ、トリインフルエンザ、ブルセラ症、ビブリオ症、レプトスピラ症、クロストリジウム感染症、サルモネラ症等の感染症用ワクチンが挙げられる。この中でも、大腸菌(牛乳房炎)、黄色ブドウ球菌(牛乳房炎)、マイコプラズマ(豚肺炎)、PRRSウイルス(豚肺炎)、犬狂犬病ウイルス等の感染症用ワクチンが望ましい。
本発明においては、βヘマチンを含むワクチンアジュバント組成物を単独で用いてもよい。この場合、ワクチンアジュバント組成物と上記ワクチンを別々に動物に投与すればよい。また、ワクチンアジュバント組成物とワクチンを混合して用いてもよく、この場合、βヘマチンを含むワクチン組成物として用いることができる。
本発明のワクチンアジュバント組成物およびワクチン組成物の投与対象となる動物は限定されず、免疫系を有するあらゆる動物が挙げられ、ほ乳類、鳥類等を含む。ほ乳類としては、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット、マウス等が挙げられる。鳥類としてはニワトリ、アヒル、ガチョウ等が挙げられる。特に本発明のワクチンアジュバント組成物およびワクチン組成物は、ヒトのアレルギーワクチンおよび感染症ワクチン、イヌ、ネコ等のペット動物のアレルギーワクチンおよび感染症ワクチン、ならびにウシ、ブタ、ニワトリ等の産業動物の感染症ワクチンとして有用である。
ワクチン組成物中の抗原量は、対象とする感染症の種類、投与する動物種等により変えることができるが、1回数十ng〜数mgである。
本発明のワクチンアジュバント組成物およびワクチン組成物は、無菌の水性または非水性の溶液、懸濁液、またはエマルションの形態であってもよい。さらに、塩、緩衝剤等の医薬的に許容できる希釈剤、助剤、担体等を含んでいてもよい。ワクチン組成物は、経口、経鼻、経粘膜、筋肉内、経皮、皮下、皮内、鼻腔内、気管内等の各経路によって接種できる。また、ワクチン組成物は点眼、穿刺、噴霧、塗察等により投与することができる。また、本発明のワクチンアジュバント組成物またはワクチン組成物は飲料水や餌に含ませた状態で動物に摂取させてもよい。本発明は、本発明のワクチンアジュバント組成物またはワクチン組成物を含む飲料水および餌も包含する。
本発明のワクチンアジュバント組成物およびワクチン組成物は、単回投与でもよいし、2日から8週間間隔で数回にわたって投与してもよい。
本発明のワクチンアジュバント組成物をワクチンとともに動物に投与し、または本発明のワクチン組成物を動物に投与することにより、Th1細胞が増加し、アレルギー特異抗体であるIgEの産生が低下し、感染症において防御抗体として作用するIgG2抗体またはIgG2a抗体の産生が上昇する。この結果、動物においてアレルギー症状を抑え、さらにアレルギー症を治療することができる。また、感染症を予防または治療することができる。
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
1.Plasmodium原虫(マラリア原虫;Pf)粗抽出物、天然ヘモゾイン(HZ)、合成ヘモゾイン(sHZ)およびPf−DNAの調製
マイコプラズマフリーのマラリア原虫(3D7)は、5%O2、5%CO2雰囲気下、3%O型ヒト赤血球、10%熱不活性化ヒト血清を含む培地中で維持した(Steinman,R.M.,Immunity.29,319−324(2008))。育成ステージを同調させた後、成熟体およびヘモゾインに富む栄養体および分裂体段階の寄生虫(約4〜5%)について63%Percoll密度勾配遠心分離を行い、洗浄し不完全培地に懸濁し、3〜4回の凍結融解を行い、用時まで−80℃で保存した。
ヘモゾインを多く含むPf粗抽出調製物は、約1×109/mLの感染赤血球を含んでいた。タンパク質濃度は分光光度計を用いて280nmで測定した。コントロールとして、非感染ヒト赤血球を用いた。精製ヘモゾイン(天然HZ)をPf(3D7株)感染赤血球から精製した(Good,M.F.,Eur.J.Immunol.39,939−943(2009))。合成ヘモゾインを2通りの方法(Doolan,D.L.,Clin.Microbiol.Rev.22,13−36,Table(2009))にて、塩化ヘミンから合成し精製した。塩化ヘミンはFluka社より入手した(HPLCで測定した純度は98%以上)。方法1(酸触媒法)は、より小さく均一な結晶を生じることが知られている(Good,M.F.,Eur.J.Immunol.39,939−943(2009);Coban,C.et al.,Trends Microbiol.15,271−278(2007))。簡単には、45mgの塩化ヘミンを4.5mLのNaOH溶液に溶解し、1N 塩酸を0.45mL添加した。その後、60℃で攪拌しながら酢酸をpHが4.8になるまで添加した。混合物を室温で16時間静置反応し、βヘマチン結晶を形成させた。次に遠心分離により沈殿を得、これを2%SDSを含む0.1M 重炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.1)で3回洗浄後、精製水で完全に置換した。方法2(メタノール中無水法)はより大きな結晶を生じることが知られている(Joffre,O.et al.,Immunol.Rev.227,234−247(2009))。簡単には、52.2mgの塩化ヘミンを、2mLの2,6−ルチジンに溶解し10mLのジメチルスルホキシド−メタノールの1:1混合物で希釈し、パラフィルム等を用いて密封し、遮光下室温で2週間以上放置し、その後遠心分離を行い10mLの0.1M 重炭酸ナトリウム溶液を用いて洗浄した。最終産物を水とメタノールで各3回洗浄し、乾燥させ、精製水で再分散させた。精製水中のストック懸濁液をin vivo研究用に調製し、4℃で保存した。ヘモゾイン濃度は、合成ヘモゾインの乾燥重量を秤量した後、mMまたはmg/mLで算出した。図4B並びに図5に示す結果を除き多くの検討は方法1で調製した合成ヘモゾインを用いて行った。合成、洗浄及び希釈に用いるすべての溶液をエンドトキシン不含精製水で調製し、4℃遮光下で保存した。エンドトキシンレベルはヘモゾイン1nmol当たり0.001EU未満であった。合成ヘモゾインであることをフーリエ変換型赤外分光(FT−IR)により、精製サンプルに残存原料であるヘミンの混入がないことをTLCにより確認した(図17および18)さらに、合成ヘモゾインの粉末についてX線解析を行った(図19)。PfゲノムDNAをSDS/プロテイナーゼK法で単離した後、フェノール−クロロホルム抽出を行った。
2.マウスおよび免疫
(1)マウス
TLR9遺伝子を欠失したC57BL/6バックグラウンドのマウスを作製し用いた(Good,M.F.,Eur.J.Immunol.39,939−943(2009);Girard,M.P.et al.,RVaccine 25,1567−1580(2007))。マウスはCLEA Japanから入手した。
野生型マウスおよびTlr9−/−マウスにPf粗抽出物(100μL、約1×108個の原虫に相当)またはDNaseIで処理したPf粗抽出物を腹腔内注射し、免疫を行った。3週間後、マウス血清中のPf粗抽出物に対する抗体をELISAにより測定した。
抗原として、OVA(卵白アルブミン)またはHSA(ヒト血清アルブミン)を用い、以下の種々の免疫スケジュールで免疫した。
(2)皮下免疫
0日目にマウスに200μLの種々の濃度の合成ヘモゾイン溶液中50μgのOVA(または10μgのHSA)を皮下注射し、10日後に上記と同じ200μLの合成ヘモゾイン溶液中25μgのOVA(または10μgのHSA)で追加免疫を行った。17日目に血液サンプルを回収し、OVAまたはHSA特異的抗体反応を分析した。
(3)鼻腔内免疫
マウスに麻酔をかけ、5μgのOVAを80μgの合成ヘモゾインとともに、2週間の間隔をあけ2回鼻腔に投与した(15μL)。追加免疫の10日後にマウスから血清および気管支肺胞洗浄液および鼻腔分泌液サンプルを採取し、IgAを測定した。
3.イヌおよびアレルギーモデル
合成ヘモゾインのアジュバントとしての有用性を検討するために,イヌにおけるアレルギー性疾患の病態モデルを作製した。
ハウスダストマイト(コナヒョウヒダニ;Dermatophagoides farinae)の主要アレルゲンの1つであるDer f 2(100〜500μg)とアラムアジュバント(50mg)を皮下投与して感作させたビーグル犬では,Der f 2に対するアレルギー反応を皮内反応により評価することができる。この反応はアレルゲンに対する特異的IgE応答(血中濃度上昇)とよく相関する。
本発明者は、5ヶ月齢のビーグルを用いて犬モデルを作製し、これにDer f 2(100μg)、Der f 2(100μg)+アラムアジュバント(500μg)、またはDer f 2(100μg)+アラムアジュバント(500μg)+合成ヘモゾイン(7.5μM)を投与し、2週間後に追加免疫を行った。
4.抗原特異的T細胞反応の測定
T細胞仲介細胞反応を脾細胞のPf粗抽出物特異的サイトカイン分泌を測定することによりモニタした。脾臓を最初の免疫の3週間後に採取し1×106個の脾細胞を96ウェルプレートに播き、Pf粗抽出物で刺激した。72時間後、細胞培養上清を集めIFNγおよびIL13濃度をELISA(DuoSet ELISAキット、R&DSystem社)を用いて測定した。
5.抗体ELISA
96ウェルプレートを1μg/mL OVA(卵白アルブミン)抗原、10μg/mL HSAまたは1μg/mL Derf2でコーティングし、ELISAを行った。
また、別途プレートを3μg/mLのPf−SE36抗原でコーティングし、ELISAを行った。二次抗体として、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートIgG、IgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3を用いた。
6.FESEMおよび粒子サイズ分析
スライドガラスをポリ−L−リジンでコートし合成ヘモゾインを吸着させ、ultra−high resolution FESEM(S−4800、日立製作所)を用いて画像を採取した。合成ヘモゾイン溶液中の粒度分布は、湿式レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(LA−950V2、堀場製作所)を用いて測定した。
7.統計処理は、Student’s t−testを利用して行った。
結果
1.Pf粗抽出物は非DNA TLR9リガンドを、同時投与されるマラリア抗原に固有なアジュバントとして含む
Pf感染赤血球の凍結融解により大量の完全寄生虫抗原を調製した。得られた抽出物をPf粗抽出物と名付けた。Pf粗抽出物には寄生虫と宿主赤血球の両方由来の産物を含んでいた。それをマウスに腹腔内注射により免疫した。追加のアジュバントなしの完全寄生虫抗原免疫後、血清Pf粗抽出物特異的IgGが用量依存的に未処理(naive)マウスに比べて高タイターで検出された(図1)。
次いで、完全寄生虫ワクチンの免疫原性が、TLR9の非存在下で変化するか否かを調べた。何故ならば、TLR9は熱不安定性画分であるPf由来ヘモゾインおよびDNAにより、自然免疫系の活性化を仲介することが示されていたからである。従って、TLR9を欠失したマウスは野生型マウスより有意に低い血清IgG反応およびT細胞特異的IFNγレベルを示した(図1〜図3)。この完全寄生虫抗原のTLR9依存性アジュバント効果は、DNase−I処理によって影響を受けず、Pf−SERA5タンパク質等のPf抗原に特異的であった。TLR9依存性IgG反応はIgG2a、IgG2およびIgG3で認められた。
2. ヘモゾインは強力なアジュバントとして作用し、そのアジュバント活性はサイズに依存する
種々の合成ヘモゾイン合成法があったので、最初にいくつかの方法で合成を行い、合成ヘモゾインのアジュバント特性を調べた。合成ヘモゾインをヘミンから合成する2つのよく用いられる方法によりアジュバント効果の異なる、区別可能な外観を有する結晶が得られた。酢酸の存在下で重合したヘモゾイン(方法1)では、ほとんどが50nm〜1μmの長さを有する結晶が得られた。一方、有機塩基を用いる方法(方法2)では、FESEMで観察したところ1〜20μmの範囲の長さを有する結晶が得られた(図4AおよびB)。マウスを方法1または方法2で作製した合成ヘモゾインを共存させるか、または共存させないモデルタンパク質抗原OVA(卵白アルブミン)の皮下注射(50μg/回)により免疫し、10日後に追加免疫を行ったところ、ヘモゾインに対するOVA特異的トータルIgG反応は、方法2よりも方法1で作製したもので高かった(図5)。さらに、方法1で作製したヘモゾインを2つのサイズ分布に分離し湿式レーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定し(図6)、OVAとともに免疫した。OVAと同時に投与した場合、50〜200nmの合成ヘモゾインサイズはより大きいサイズの合成ヘモゾイン(2〜20μm)およびより小さいサイズの溶解させたヘミン(50nm以下)よりも最適なアジュバント効果を示した(図7)。さらに、異なる投与ルート、皮下、鼻腔内投与による合成ヘモゾインのアジュバント効果を調べたところ、いずれも抗原特異的抗体反応の増加が認められた(図15、16)。さらに、同様の検討をHSAについても行い(10μg/回)、同様の結果が得られた(図8、9、23、26、27)。さらに、用量反応を分析した。また合成ヘモゾインにより上昇するIgGアイソタイプは、マウスでは主にIgG1であり次いでIgG2bおよびIgG2cであることが確認された(図9)。この反応はアラムやCpG DNAアジュバントと比較して強力であった(図10)。従って、合成ヘモゾインが、最適サイズ50〜200nmでタンパク質ワクチンに対する強力なアジュバントとなり得ることがわかった。これは、レセプター仲介エンドサイトーシスに仲介される抗原提示細胞により取り込まれる他の粒子アジュバントと一致していた。
3. 合成ヘモゾインはマラリア抗原と同様にアレルゲンに対しても強力なアジュバントとなり得るか
合成ヘモゾインが寄生虫由来Pf粗抽出物による免疫の際に強力なアジュバント効果を有するかを調べるために、マウスを10μgのPf粗抽出物で合成ヘモゾインと共に免疫し、2回追加免疫を行った後に、抗Pf粗抽出物特異的抗体反応を測定した。合成ヘモゾインによりPf粗抽出物に対するIgGレベル(図には示していないが、主にIgG2cおよびIgG1)が上昇した(図11)。
合成ヘモゾインがマウス以外の動物に用いることができるかどうかを確認するために、アレルギーモデルイヌを用いて評価した。本発明者はビーグル犬モデルにDer f 2、Der f 2+アラムアジュバント、またはDer f 2+アラムアジュバント+合成ヘモゾインを投与し、2週間後に追加免疫を行った。これらのイヌの血清中のDer f 2特異的IgGをELISAにて経時的に測定したところ、合成ヘモゾイン併用群では追加免疫後にIgG2抗体価の有意な上昇がみられたが、IgG1の有意な上昇はなく、Th1反応に類似する免疫応答を示していた(図12)。さらに、免疫後のイヌをDer f 2で再度感作させると、合成ヘモゾイン併用群では非併用群に比較してDer f 2特異的IgE抗体価の上昇が有意に少なかった(図13)。これらのデータから、合成ヘモゾインはイヌのアレルギー性疾患の病態モデルにおいて、強力なTh1様アジュバントとして機能する可能性のあることが示唆された。
これらのデータは水酸化アルミニウムなどの抗原と結び付ける物質と共存している合成ヘモゾインがイヌモデルにおいて強力なTh1アジュバントであることを示す。一方、マウスモデルにおいては、単独で用いた場合Th2優性なアジュバントであった。非ヒト霊長類を用いた実験では、合成ヘモゾインはCpG DNAと同様に、タンパク質ワクチン投与に対してTh1タイプアジュバントとして有力であることが示された。
P.falciparum培養物から精製された天然ヘモゾインは合成ヘモゾインと同一という報告があるが(Pagola,S.et al,Nature 404,307−310.)、精製及び合成方法の違いにより20nm〜20μmの異なるサイズの結晶及び結晶凝集体が生じ、単位結晶(1次粒子)の性状や凝集体(2次粒子)の有無などにより異なるアジュバント活性を示すことが示された(図5)。
さらに、本実施例では、合成ヘモゾインは特定の至適化された合成方法およびサイズのときに強力なアジュバント活性を示すことが示された。このタンパク質ワクチンに対する合成ヘモゾインのアジュバント活性はOVAとHSAという異なる抗原モデルで、さらに皮下注射と腹腔内注射と鼻腔内投与という異なる投与ルートで確認された。種特異性を示すCpG DNAとは異なり、ヘモゾインはマウス、イヌ、非ヒト霊長類を含む数種の動物のワクチン動物モデルで確認された(図5、7〜13、15および16)。マウスにおいては、合成ヘモゾイン単独をアジュバントとして用いて免疫を行った場合、IgG1が優先となるアジュバント効果を示した。この結果は、ヘモゾインはマウスにおいて、Th2タイプ免疫反応を引き起こすことを示している(図5、7〜11、15および16)。一方、イヌに対して合成ヘモゾインと抗原を結び付ける物質(例えば水酸化アルミニウムやプルラン)をアジュバントとして用いた場合、IgG2反応が優先的に生じた。これはTh1タイプ免疫反応が引き起こされたことを示す。イヌアレルギーモデルに対する合成ヘモゾインの使用は、非常に強力にアレルゲン特異的IgE反応を減少させた(図12および13)。この結果は、合成ヘモゾインをアレルギーに対するアジュバントとして有効に用い得ることを示す。非ヒト霊長類においても、合成ヘモゾインはマラリア抗原特異的IgG反応を引き起こし、完全血液段階ワクチン用の新規なワクチンアジュバントとして用い得ることがわかった。
本実施例により、ヘモゾインはTLR9経路の制御を介して炎症およびアジュバント活性を示し、それによりマラリア感染を治療するための治療ターゲットとして働き、ワクチンアジュバント開発に有用であることが示された。
C57BL/6及びBalb/cバックグラウンドの6〜12週齢の野生型マウスをCLEA Japanから入手し用いた。
(2)抗原およびアジュバント
抗原として、OVA(卵白アルブミン)またはHSA(ヒト血清アルブミン)を用い、以下の種々の免疫スケジュールで免疫した。
合成ヘモゾインは、実施例1に記載の方法により原料として塩化ヘミンを用い合成した。この際、Fluka社の塩化ヘミンおよびTCI(東京化成社)の塩化ヘミンを用いた。また、合成ヘモゾインは合成ロット違いのものを2種類用い、ロット間差を調べた。
合成ヘモゾイン粒子径により分画し、粒子径が大きいもの(2〜50μm)と小さいもの(20〜500nm)を用いた。
(2)皮下免疫
0日目にマウスに200μLのsigma社製のPBSで希釈した種々の濃度の合成ヘモゾイン溶液中、50μgのOVA(または10μgのHSA)を皮下注射投与し、10日後に上記と同濃度の200μLのPBSで希釈した合成ヘモゾイン溶液中、25μgのOVA(または10μgのHSA)で追加免疫を行った。17日目に血液サンプルを回収し、血清中のOVAまたはHSA特異的抗体反応をELISA法により分析した。
(3)腹腔免疫
0日目にマウスに200μLのsigma社製のPBSで希釈した種々の濃度の合成ヘモゾイン溶液中、50μgのOVA(または10μgのHSA)を腹腔注射投与し、10日後に上記と同濃度の200μLのPBSで希釈した合成ヘモゾイン溶液中、25μgのOVA(または10μgのHSA)で追加免疫を行った。17日目に血液サンプルを回収し、血清中のOVAまたはHSA特異的抗体反応をELISA法により分析した。
結果
1、合成ヘモゾインのアジュバント効果は粒子径(または粒度分布及び粒子性状)に依存し、Lot間の再現性がある。
酢酸の存在下で重合したヘモゾイン(方法1)で複数Lotの合成を行い、Lot間でのアジュバント効果の差及び平均粒子径の大小(凝集の有無)で比較したところ、平均粒子径の小さい分画の方が複数Lotにおいて同様に抗原特異的抗体反応におけるIgGの産生能が高く(図20〜27)、OVA以外でHSA抗原を用いた場合でも同様であった(図23)。また、サブタイプにおいても同様であった(図20〜22)。
2、合成ヘモゾインのアジュバント効果の粒子径(または粒子性状)依存性は腹腔投与でも同様であり、原料のメーカーに依存しない。
皮下投与と同様に、腹腔投与においても平均粒子径の小さい分画の方が抗原特異的IgG抗体産生能が高かった(図24および25)。また、FlukaとTCIの2メーカーのヘミンより合成したβヘマチンにおいても、各々高いアジュバント効果を示し、かつ粒子径の小さい分画がいずれも高いアジュバント効果を示した(図26および27)。
45mgの塩化ヘミン(Fuluka社)を4.5mLのNaOH溶液に溶解し、1N 塩酸を0.45mL添加した。その後、60℃で攪拌しながら酢酸をpHが4.8になるまで添加した。混合物を室温で一晩静置反応し、βヘマチン結晶を形成させた。次に遠心分離により沈殿を得た。これを2%SDSを含む0.1M 重炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.1)で3回洗浄後、精製水で完全に置換した。該沈殿を121℃、20分間オートクレーブ処理した。オートクレーブ装置は株式会社平山製作所のHICLAVE HVP−50を用いた。
上記沈殿(オートクレーブ未処理)及び沈殿をオートクレーブ処理したサンプルについて実施例1の2.(2)に記載の皮下免疫の方法に従って、マウスに皮下免疫し、マウス血中のトータルIgGを実施例1の5.の抗体ELISAの方法に従って、測定した。追加免疫前、追加免疫1または4週間後に採取した血清中のトータルIgG濃度の測定結果を図28に示す。図28中、オートクレーブ処理していないサンプルは「プレ」で示してある(図29も同じ)。図28に示すように、沈殿を121℃、20分間オートクレーブ処理したサンプルにおいて、より高い血中トータルIgG濃度が認められた。
また、同様にマウス血中のIgG2a、IgG2b、IgG2c及びIgG3を測定した。追加免疫3週間後に採取した血清中のIgG2a、IgG2b、IgG2c及びIgG3濃度の測定結果を図29に示す。図29に示すように、IgG2a、IgG2b、IgG2c及びIgG3いずれも沈殿を121℃、20分間オートクレーブ処理したサンプルで血中濃度が上がった。特にIgG2aにおいて顕著であった。
さらに、上記サンプルについて実施例1の6.のFESEM及び粒子サイズ分析の方法に従って、粒度分布を測定し、実体顕微鏡で形態を観察した。図30に得られたサンプルの粒度分布を示し、図31に顕微鏡観察像を示す。121℃、20分間オートクレーブ処理したサンプルにおいて、粒径が小さくなっていた。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
Claims (6)
- (i) 塩化ヘミンをNaOH水溶液に溶解して得られた溶液に、少量の塩酸を添加する工程、
(ii) (i)の工程で得られた溶液に対して室温〜60℃にて酢酸を滴下し、pHを4〜6に調整する工程、
(iii) (ii)の工程で得られた溶液を室温〜40℃で1〜24時間静置反応後、遠心分離を行い、沈殿を得る工程、
(iv) (iii)の工程で得られた沈殿をSDSを含むpH9程度の弱塩基性溶液で洗浄してβヘマチン結晶を得る工程、及び
(v) (iv)の工程で得られたβヘマチン結晶をオートクレーブ処理する工程を含む、βヘマチン結晶を微細化する方法。 - (iv)の工程で得られたβヘマチン結晶をオートクレーブ処理し、平均粒子径50〜300nmのβヘマチン結晶を得ることを含む、請求項1記載の方法。
- (iv)の工程で得られたβヘマチン結晶をオートクレーブ処理し、平均粒子径50〜200nmのβヘマチン結晶を得ることを含む、請求項1記載の方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法により微細化されたβヘマチン結晶を含有するワクチンアジュバント組成物を作製する工程を含む、ワクチンアジュバント組成物の作製方法。
- (i) 塩化ヘミンをNaOH水溶液に溶解して得られた溶液に、少量の塩酸を添加する工程、
(ii) (i)の工程で得られた溶液に対して室温〜60℃にて酢酸を滴下し、pHを4〜6に調整する工程、
(iii) (ii)の工程で得られた溶液を室温〜40℃で1〜24時間静置反応後、遠心分離を行い、沈殿を得る工程、
(iv) (iii)の工程で得られた沈殿をSDSを含むpH9程度の弱塩基性溶液で洗浄してβヘマチン結晶を得る工程、
(v) (iv)の工程で得られたβヘマチン結晶をオートクレーブで処理する工程、及び
(vi) (v)の工程でオートクレーブ処理されたβヘマチン結晶を含有するワクチンアジュバント組成物を作製する工程を含む、平均粒子径20〜1000nmのβヘマチン結晶を含むワクチンアジュバント組成物の作製方法。 - ワクチンアジュバント組成物が平均粒子径50〜300nmのβヘマチン結晶を含む、請求項5記載のワクチンアジュバント組成物の作製方法。
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Patent Citations (2)
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