JP2008214208A - アレルギー疾患の予防・治療薬 - Google Patents

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保明 田村
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淳 大浦
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Abstract

【課題】これまでに無い全く新たなアレルギー疾患の治療・予防薬を提供する。そのような新たなアレルギー疾患の治療・予防薬に用いることができるIgE抑制剤を提供する。
【解決手段】熱ショック蛋白質90(Hsp90)とアレルゲンを有効成分として含むアレルギー疾患の予防および/または治療薬並びにIgE抑制剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、アレルギー疾患の予防・治療薬およびIgE抑制剤に関する。さらに、詳しくは、本発明は、熱ショック蛋白質90(以下、Hsp90と略記する)とアレルゲンを有効成分として含むアレルギー疾患の予防および/または治療薬、並びにIgE抑制剤に関する。本発明の予防・治療薬およびIgE抑制剤は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性喘息、食物アレルギーなどのアレルギー疾患の治療や予防に有用である。
アレルギー性疾患の治療法としては、ステロイド性抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制剤、抗ヒスタミン剤、ケミカルメディエーター遊離抑制剤、脂質代謝抑制剤等が使用されている。この中でステロイド性抗炎症剤は、効果の面で優れているものの副腎萎縮、機能不全、胃潰瘍、外用剤では皮膚萎縮、感染症誘発、血管拡張による顔面潮紅等の副作用の問題がある。(非特許文献1)。免疫抑制剤も効果面では優れているものの感染症等の副作用が懸念される。(非特許文献2)。他の薬剤についても生体防御に関わる免疫系に作用するための副作用が懸念されるだけでなく、抗ヒスタミン剤は、倦怠感、眠気、めまい等の副作用も報告されている。また、ステロイド性抗炎症剤、免疫抑制剤以外の薬剤は、効果面で十分ではないとも言われている。
一方、アレルギーに関与している抗原を特定し、その抗原を皮内に投与することで減感作を誘導する減感作療法は、必要な抗原に特異的な免疫反応だけを抑制する方法として有用であるが、アレルギーの原因となる抗原を全身性に直接投与することによるアナフィラキシーショック等の危険性があり、投与量を少量から徐々に上げて行く必要がある。したがって、従来の減感作療法は、長期間の治療 が必要となるだけでなく、注射による患者の苦痛を伴うものである。
経口免疫寛容は、古くよりアレルギーや自己免疫疾患の治療 法として注目されてきている。この方法は、アレルギーの原因となる抗原を経口投与することにより抗原特異的な粘膜免疫を活性化させ、全身免疫の抑制及び、寛容と局所免疫の活性化(遮断抗体の産生)を誘導することによりアレルギーの改善を達成するものである。しかしながら、この方法も一部で効果が認められるものの投与する抗原量が多量であり実用的でないこと、臨床での有効性が十分でないことが指摘されている。
アトピー性皮膚炎においてカンジダ菌、マラセチア菌、黄色ブドウ球菌に代表される病原菌由来の抗原によるアレルギーが病態の増悪に関係していることは良く言われていることである。これら病原菌に対して抗真菌剤や抗菌剤により病原菌を除去しようとする治療法も試みられているが、これら病原菌の多くが正常人にも存在する常在菌であり、一時的な効果は認められても投与を中止することで再び病原菌の増殖が認められることも多い。これら病原菌由来抗原に対して免疫寛容を誘導することは、感染症の観点から好ましくないことは言うまでもない。これら病原菌を粘膜ワクチンにより除去する試みも行われているが、従来の粘膜ワクチンで用いられている免疫調節物質は、IgE産生を誘導することが知られており、特にアレルギーへの応用に関しては、否定的であった。
小児科臨床 アレルギー疾患、池澤善郎、日本小児医事出版社、1998 綜合臨床 抗アレルギー薬、福中秀典 他、永井書店、1997
上記のように、種々のアレルギー治療法が知られているが、アレルギーの原因抗原に特異的な免疫反応を、生体防御機能を低下させることなく安全に効率良く抑制できる治療法は知られていない。
そこで、本発明の目的は、これまでに無い全く新たなアレルギー疾患の治療・予防薬を提供することにある。さらに本発明の目的は、そのような新たなアレルギー疾患の治療・予防薬に用いることができるIgE抑制剤を提供することにある。
本発明者らの研究により、熱ショック蛋白質Heat Shock protein (HSP)90の存在によって、クラスIIに提示されるべき抗原がクラスIに提示され、それによって、Th1/Th2バランスの関係でアレルギーの発現が抑制できることを発見した。HSP90のCTL誘導に関するメカニズム(概念)の内、クラスIに発現することは知られているが、クラスIIの発現が消失することについては知られていなかった。即ち、HSPによるクラスIIからクラスIへのシフトについては新しい知見である。さらに、アレルギー抑制に関してはこれまで全く知られておらず、本発明者らは、今回初めて、HSP90によるIgEを下げたデータを得て、本発明を完成させた。
本発明は、以下のとおりである。
[1]熱ショック蛋白質90(Hsp90)とアレルゲンを有効成分として含むアレルギー疾患の予防および/または治療薬。
[2]Hsp90とアレルゲンとが複合化されている[1]に記載のアレルギー疾患治療薬。
[3]Hsp90とアレルゲンとの複合化は、Hsp90とアレルゲンとの結合によって行われている[2]に記載のアレルギー疾患治療薬。
[4]Hsp90とアレルゲンとのモル比が1:10〜10:1の範囲である[1]〜[3]のいずれかに記載のアレルギー疾患治療薬。
[5]アレルゲンが病原菌由来の抗原、ダニ抗原、花粉抗原、または食物抗原である、[1]〜[4]のいずれかに記載のアレルギー疾患の予防および/または治療薬。
[6]ワクチンである、[1]〜[5]のいずれかに記載のアレルギー疾患の予防および/または治療薬。
[7]アレルギー疾患が気管支喘息、花粉症、アレルギー鼻炎、アレルギー結膜炎、慢性じんましん、またはアトピー性皮膚炎である、[1]〜[6]のいずれかに記載のアレルギー疾患の予防および/または治療薬。
[8]熱ショック蛋白質90(Hsp90)とアレルゲンを有効成分として含むIgE抑制剤。
[9]Hsp90とアレルゲンとが複合化されている[8]に記載のIgE抑制剤。
[10]Hsp90とアレルゲンとの複合化は、Hsp90とアレルゲンとの結合によって行われている[9]に記載のIgE抑制剤。
[11]Hsp90とアレルゲンとのモル比が1:10〜10:1の範囲である[8]〜[10]のいずれかに記載のIgE抑制剤。
[12]アレルゲンが病原菌由来の抗原、ダニ抗原、花粉抗原、または食物抗原である、[8]〜[11]のいずれかに記載のIgE抑制剤。
[13]アレルギー疾患の予防および/または治療に用いられる、[8]〜[12]のいずれかに記載のIgE抑制剤。
[14]アレルギー疾患は、気管支喘息、花粉症、アレルギー鼻炎、アレルギー結膜炎、慢性じんましん、またはアトピー性皮膚炎である、[13]に記載のIgE抑制剤。
本発明によれば、花粉症、アレルギー鼻炎・結膜炎、気管支喘息をはじめとするアレルギー性疾患全般の制御の新しい予防薬、治療薬として有用なアレルギー疾患の予防および/または治療薬並びにIgE抑制剤を提供できる。特に、Hsp90-抗原複合体ワクチンは、花粉症、アレルギー鼻炎・結膜炎、気管支喘息、慢性じんましん、アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー性疾患全般の制御の新しい予防薬、治療薬として有用である。
本発明のアレルギー疾患の予防および/または治療薬は、 熱ショック蛋白質90(Hsp90)とアレルゲンを有効成分として含む。
Hsp90は、熱ショック蛋白質Heat Shock protein (HSP)の一種であり、以下の表に示すように、熱ショック蛋白質Heat Shock protein (HSP)は分子量により、大きくHsp70 family, Hsp90 familyおよびhsp60 familyに分類されている。
Hsp90は、分子量約90kDの分子シャペロンであり、変性タンパク質の凝集を防ぐことが知られている。シグナル伝達に関わる数多くのキナーゼや転写因子は不活性の状態では立体構造が不安定で分解されやすいが、 HSP90はそのようなシグナル伝達因子と結合することで立体構造を安定化し、活性化までのあいだ分解されないようにしている。これまで、細胞の増殖や分化、アポトーシスなどに関わる様々なシグナル伝達系において HSP90が重要な機能を果たしていることが知られている。
図1に示すように、Hspの細胞内における主要な機能は、新生蛋白質の立体構造の維持・保護である。一方、HSPは細胞内でプロテアソームにより生成された抗原ペプチドの輸送にも重要な役割を果たしていることが知られている。HSPにより、輸送された抗原ペプチドは、主要組織適合抗原であるMHC クラスI分子およびクラス II分子により提示されて、免疫反応を活性化する。このようにHSPは細胞内で抗原ペプチドと複合体を形成し、存在している。
本発明者らは、HSPのなかでも細胞内に豊富に存在するHsp90に着目し、その抗原提示機構における役割を検討した。図2に示されるように、一般的には外来性抗原、すなわちアレルギー性疾患を惹起するアレルゲンは、生体内では専門的抗原提示細胞である樹状細胞に取り込まれ、分解されMHC クラス II分子により抗原提示されることが良く知られている。一方、これら外来性抗原はMHC クラス I分子には提示されないと信じられてきた。ところが、抗原がある特定の形態をとると、MHC クラス I経路に入り、抗原提示されることが次第に明らかになってきた。しかしこのメカニズムについては明らかではなかった。
本発明者らは、前述したようにHsp90は細胞内で、抗原と結合し、その効率よい輸送にかかわっていると考え、Hsp90が抗原と複合体を形成すると、選択的にMHC クラス I経路に入り、抗原提示されると考えた(図3参照)。また、さらに研究を重ねた結果、MHC クラスII経路の抑制も認められたため、本知見のアレルギー抑制剤への応用可能性を検討するために、実施例に示す実験を行った。その結果、実施例で作成したHsp90-抗原(OVA)複合体ワクチンは、気管支喘息マウスモデルにおいて、その気管支喘息発症を予防および治療効果があることを示した。そして、このHsp90-抗原(OVA)複合体ワクチンによるアレルギー性疾患の制御は、あらゆるアレルゲンに対して、有効であり、花粉症、アレルギー鼻炎・結膜炎、気管支喘息をはじめとするアレルギー性疾患全般の制御の新しい予防薬、治療薬となり得る。
本発明のアレルギー疾患の予防・治療薬において、Hsp90とアレルゲンとは複合化されていることが好ましい。Hsp90とアレルゲンとの複合化は、例えば、以下のように行うことができる。Hsp90とアレルゲンを等モル比あるいはアレルゲンをHsp90のモル比で10倍量の範囲で混合した後、例えば、45℃、10分間加熱処理を行い、その後30分間室温で処置する。次いで、ゲル濾過法によって、HSP単体、OVA単体をそれぞれ分離して、Hsp90-アレルゲン複合体を得ることができる。Hsp90-アレルゲン複合体の調製は、例えば、Hsp90とアレルゲンとを30〜55℃、好ましくは35〜50℃、より好ましくは40〜45℃の範囲の温度で、1〜60分、好ましくは5〜15分の範囲で反応させ、その後、室温で例えば10分以上、好ましくは30分〜60分処置することで行うことができる。但し、反応温度および時間は、アレルゲンの種類やHsp90とアレルゲンのモル比等を考慮して、適宜変更することができる。
得られた複合体においては、Hsp90とアレルゲンとは、アフィニティー結合していると推察され、具体的には、Hsp90のC末端側に存在する抗原結合部位にアレルゲンが結合しているものと推察される。Hsp90とアレルゲンの結合モル比は、上記複合体形成条件により適宜変更可能であるが、例えば、1:10〜10:1の範囲であることができ、好ましくは約1:5〜5:1、より好ましくは約1:2〜2:1の範囲である。
本発明に用いられるアレルゲン(アレルギー原因抗原)は、通常アレルギーにおいてその原因としての因果関係が証明されているものであれば特段の限定無く使用することができ、例えば、アレルギー疾患の種類について言えば、アトピー性皮膚炎、アレルギー性喘息、食物アレルギーが例示でき、さらにアレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎などにも応用でき、これらアレルギー疾患の原因となる抗原であればどんな抗原及び、その混合物でも使用できる。例えば、カンジダ菌、マラセチア菌、黄色ブドウ球菌といったアトピー性皮膚炎との因果関係が知られている病原菌由来の抗原に関しては特に好ましく使用できる。また、ダニ抗原、花粉抗原、食物抗原なども挙げられる。使用する抗原は、アレルギーにおける主要原因抗原であれば、多くの患者に共通して効果を示すことから、この様な抗原を用いることが望ましい。これらの抗原について以下に説明を加える。尚、ここに述べた抗原は、一例であり、アレルギーの原因となっている抗原並びにその修飾物、部分ペプチドなどであればどれを使ってもかまわない。
1.カンジダ抗原ヒトのアレルギー発症・増悪に関与していると言われているカンジダ属真菌であるカンジダ アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ トロピカリス(Candida Tropicallis)、カンジダ グラブラタ(Candida glabrata)、カンジダ ボイディニド(Candida boidinii)等の菌体粗抽出物または、各構成成分及び、その部分ペプチド、さらにその組み合わせが抗原として使用される。このなかでカンジダ アルビカンスが特に重要であり、その構成成分である細胞壁マンナン、酸性プロテアーゼ、エノラース、Mn-SODなどの他、菌体抽出物並びに膜成分などを含むものが例示できる。これらは菌体を培養して、しかる後に当該成分を含む部分を分画し製造することもできるし、対応するm−RNAを取り出し、c−DNAへ逆転写して、ベクターなどに組み込み、大腸菌などの微生物にトランスフェクトして生産させ、これを生成し用いることもできる。本発明に於いては、菌体の粗精製物などが使用することが好ましく例示できる。カンジダ抗原においては、現在のところアレルギーの原因となる主要抗原が同定されていないが、細胞壁マンナン、酸性プロテアーゼ、エノラース等は、多くの患者において特異的IgEが産生されている。これらの混合物が使用されればさらに有効範囲が広がることが期待できる。この場合の対象患者は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性喘息などのカンジダ菌が病態に関与している可能性が高い患者が好ましく想定できる。又、本発明の方法に従って粘膜を免役することで、分泌型免疫グロブリンAの産生が促進されるので、これによりカンジダ感染防御やカンジダの菌体除去も行うことが出来、この様な技術も本発明の技術的範囲に属する。この様な目的で使用される抗原としては、酸性プロテアーゼ2が特に好ましい。これは他の生物とのホモロジーが極めて少ないからである。
2.マラセチア抗原マラセチア ファーファ(Malassezia furfur) を始めとしたMalassezia属の真菌は、好脂性の皮膚常在真菌であり、アトピー性皮膚炎の発症・増悪に関与していると言われている。これら菌体の粗抽出物または、各構成成分及び、その部分ペプチド、さらにその組み合わせが抗原として使用される。精製抗原としてMal f 1、Mal f 2、Mal f 3などの主要蛋白 抗原の他、マンナンを多糖体として含む糖蛋白 など多様な抗原が存在することが報告されており、これら構成成分の蛋白 の一部を改変することにより安全性を高めた蛋白 、ペプチドでも使用可能である。これらの混合物を使用することは、より有効範囲が広がることが期待できる。この様な抗原は、前記の如く菌体の精製や大腸菌の形質変換などによって製造することができる。この場合の対象患者は、アトピー性皮膚炎などのマラセチア菌が病態に関与している可能性が高い患者が好ましく想定できる。
3.黄色ブドウ球菌抗原黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を始めとしたブドウ球菌などの皮膚などに存在する細菌は、ヒトのアトピー性皮膚炎などのアレルギーの増悪に関与していると言われている。これら細菌の菌体抽出物または、各構成成分及び、その部分ペプチド、さらにその組み合わせが抗原として使用される。黄色ブドウ球菌の構成成分としてenterotoxin(SE)、toxic shock syndrome toxin-1(TSST-1)、α・β・δ毒素、protein A、各種プロテアーゼなどが知られているが、特にSEやTSST-1は、細菌性スーパー抗原として働くだけでなくIgE抗体産生も認められ重要である。これら構成成分の蛋白 の一部を改変することにより安全性を高めた蛋白 、ペプチドでも使用可能である。また、これらの混合物を使用することは、より有効範囲が広がることが期待できる。この様な抗原は、前記の如く菌体の精製や大腸菌の形質変換などによって製造することができる。この場合の好ましい対象患者は、主にアトピー性皮膚炎などの黄色ブドウ球菌が病態に関与している可能性が高い患者であり、他のアレルギーを併発している例も適用できる。
4.食物抗原ヒトのアレルギー発症・増悪には、卵類、乳・乳製品、肉類、米穀・豆類、魚類、果実類などの種々の食物抗原が報告されており、それぞれの構成成分が抗原として使用できる。また、これら構成成分の蛋白 の一部を改変することにより安全性を高めた蛋白 、ペプチドでも使用可能である。この様な抗原は、前記の如く食物の精製や大腸菌の形質変換などによって製造することができる。また、より幅広い有効性を得るために、これら抗原を混合して使用することも可能である。この場合の好ましい対象患者は、食物アレルギー患者であり、他のアレルギーを併発している例も適用できる。また、乳幼児などの発症の危険性が高い健常者への予防的投与も可能である。
5.ダニ抗原ヒトのアレルギー発症・増悪に関与していると言われているダニ類であるコナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinase)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)等の虫体抽出物または、各構成成分及び、その部分ペプチド、さらにその組み合わせが抗原として使用される。このなかで最も重要なのは、ヒョウヒダニ属であり、その構成成分であり主要アレルゲンとして知られているDer f 1、Der f 2であるが、その他のDer p 1などの構成成分も使用可能である。また、これら抗原の蛋白 の一部を改変することにより安全性を高めた蛋白 、ペプチドでも使用可能である。この様な抗原は、前記の如く虫体の精製や大腸菌の形質変換などによって製造することができる。また、より幅広い有効性を得るために、これら抗原を混合して使用することも可能である。この場合の好ましい対象患者は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性喘息などのダニアレルギーが病態に関与している可能性が高い患者が想定できる。
6.花粉抗原ヒトの花粉アレルギー発症・増悪には、スギ、ヒノキ、ブタクサ、ヨモギ、シラカンバ、イネ科などの種々の植物の花粉抗原が原因していることが、報告されている。スギ花粉症の原因抗原であるスギ花粉抗原の主要抗原は、Cry j 1、Cry j 2などの蛋白 が報告されており、これら構成成分をそのまま、もしくは、修飾したもの、蛋白 の一部を改変したもの、部分ペプチドなどのような形で安全性を高めた蛋白 、ペプチドも抗原として使用できる。この様な抗原は、前記の如く植物体の精製や大腸菌の形質変換などによって製造することができる。また、これら蛋白 、ペプチドを混合することでより幅広い有効性を得ることも可能である。この場合の好ましい対象患者は、花粉アレルギー患者であり、他のアレルギーの併発している例も適用できる。また、健常者への予防的投与も可能である。以上のアレルギーで本発明の主題として特に好ましいものはカンジダ菌、マラセチア菌、黄色ブドウ球菌などの微生物の抗原によるアレルギー、取り分けアトピー性皮膚炎などである。
本発明で使用される抗原は、カンジダ菌、マラセチア菌、黄色ブドウ球菌などの微生物、食物、ダニ、花粉などから直接抽出することで粗精製物が製造できる。さらに精製抗原を使用する場合には、一般的手法により抗原を精製して純度を高めることで製造できる。また、これら抗原は、大腸菌、バチルス菌、酵母などの微生物、あるいは、動物またはヒトの培養細胞に遺伝子を組み込むことで大量に生産させて製造したものも使用できる。また、遺伝子に抗原蛋白の部分ペプチドや変異蛋白のアミノ酸配列を発現させたものを使用することで非天然型の安全性の高い抗原を製造することもできる。さらに、本発明で使用される抗原(ペプチド)は化学合成も可能である。
以下に、本発明のアレルギー疾患治療・予防剤についてさらに説明する。本発明の治療・予防剤の投与経路は、例えば、注射投与(皮内、皮下、筋肉内など)、あるいは粘膜であることができ、粘膜としては、例えば、眼粘膜、鼻粘膜、咽粘膜、消化管粘膜などが挙げられ、粘膜免疫の誘導組織である鼻咽頭関連リンパ組織(NALT)、気管支関連リンパ組織(BALT)、腸管関連リンパ組織(GALT)などに由来する器官から経粘膜投与される。このような経路の中では、患者の負担を考えた場合、経鼻若しくは、経口から投与されることが望ましい。
製剤的な特徴としては、抗原とHSP90を溶解または、懸濁させた溶液もしくは、粉末としてカプセル等に封入したもの、錠剤等の形態が考えられるが、このとき必要に応じて安定化剤、賦形剤、防腐剤、pH調整剤などの製剤上の任意の成分を加えても問題ない。この様な製剤は、本発明の必須の成分と任意の成分とを常法に従って処理することで製造できる。
経鼻投与に用いられる投与容器は、一般的点鼻用スプレーなどが用いることができるが、点鼻投与に適した形状のものであればどんなものでもかまわない。経口投与であれば、腸溶剤などの処理を施した錠剤、カプセル剤などを用いることができ、胃酸、酵素などでの抗原並びに免疫調節物質の消化を極力抑えたものが望ましい。また、口腔内にスプレーする形状の投与形態でも可能である。この医薬組成物の投与の対象となるのは、アレルギーを発症したもしくは、発症する危険性のある人や動物が好ましく例示できる。動物としては、家畜動物、ペットなどが対象として、好ましく例示できる。
この様な対象に、本発明の治療・予防剤を投与することにより、発症した症状を抑える治療 効果や症状が更に悪化するのを抑える予防的治療 効果や発症そのものを抑える予防効果を発揮する。この様な効果を発揮する代表的な投与量としては、抗原として0.001〜10mg/kg体重/回、免疫調整物質として0.001〜10mg/kg体重/回であるが、抗原及び、免疫調節物質の種類、組み合わせ、あるいは患者の病状によって投与量を増減もしくは、投与回数を増やすことはかまわない。
本発明は、熱ショック蛋白質90(Hsp90)とアレルゲンを有効成分として含むIgE抑制剤も包含する。本発明のIgE抑制剤は、Hsp90とアレルゲンとは複合化されていることが好ましい。本発明のIgE抑制剤で用いられるHsp90とアレルゲン、さらには、複合体の意味は、上記本発明のアレルギー疾患の予防・治療薬におけるものと同じである。本発明のIgE抑制剤は、アレルギー疾患の予防および/または治療に用いられ、アレルギー疾患は、気管支喘息、花粉症、アレルギー鼻炎、アレルギー結膜炎、慢性じんましん、またはアトピー性皮膚炎であることができる。本発明のIgE抑制剤を、アレルギー疾患の予防および/または治療に用いる場合は、上記本発明のアレルギー疾患治療・予防剤について、説明を参照することができる。
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
A.Hsp90-抗原複合体によるMHC クラス I経路の選択的誘導
Hsp90は細胞内で、抗原と結合し、その効率よい輸送にかかわっていると考え、Hsp90が抗原と複合体を形成すると、選択的にMHC クラス I経路に入り、抗原提示されると考え、このことを検討するために、以下の実験を行った。
B6C3F1マウスはMHC クラス I分子としてH-2Kb、MHC クラス II分子としてI-Akを発現している。このマウスの骨髄由来樹状細胞を調製し、使用した。抗原として、卵白アルブミン(OVA)、MHC クラス I分子による抗原提示をCD8陽性のB3Z T細胞、MHC クラス II分子による抗原提示をCD4陽性のKZO T細胞を用いて検討した。抗原提示はこれらのT細胞に組み込んであるbeta-Galの活性を発色により定量した(図4)。
まずヒト精製Hsp90とOVA抗原蛋白質の複合体を形成した。Hsp90(100μg)とOVA(200μg)蛋白質を45℃、10分の加熱処理を行ったのち、室温30分にて反応させた。反応後、遊離のOVA抗原蛋白質をMicrocon YM-100 (Millipore, Bedford, MA)を用いて完全に除去した。次いで、得られたサンプルをHiLoad 16/60 Superdex 200 ゲル濾過カラム (Amersham) に0.2 ml/minで注入し、各画分を還元雰囲気でSDS-PAGEにより分析した。次いで、ゲルをタンパク質染色してウエスタンブロッティングして、Hsp90-OVA複合体の形成を確認した。
上記により作製したHsp90-OVA複合体を、B6C3F1マウスの樹状細胞に2時間添加し、37℃で培養したのち、グルタールアルデヒドで固定した。よく洗浄したのち、B3Z T細胞およびKZO T細胞を加え、さらに16時間培養した。発色基質であるCPRG試薬を加え、発色反応をplate readerを用いて測定した。陽性コントロールとして、可溶性のOVA抗原蛋白質を用いた。これは樹状細胞に取り込まれ、MHC クラス II分子による抗原提示され、KZO T細胞を活性化することが知られている。結果を図5、6に示す。
(結果).B3Z T細胞によるMHC クラス IへのOVAの抗原提示は高く認められた。一方、KZO T細胞によるMHC クラス IIへの抗原提示は認められなかった。
(結論1) 外来性抗原は通常、MHC クラス IIの抗原提示経路に入り、MHC クラス II分子により抗原提示され、MHC クラス I分子による抗原提示は認められない。
我々の結果は、OVA抗原がHsp90と複合体を形成して、抗原提示細胞に投与されると、外来性抗原であるにも関わらず、MHC クラス I経路に入り、MHC クラス I 分子により抗原提示され、CD8陽性T細胞を活性化するという新知見である。一方MHC クラス II分子によるCD4 T細胞への抗原提示は認められなかった。この事実は抗原がHsp90と複合体を形成すると、その運命が変わり、外来性抗原であるにも関わらず、MHC クラス I分子による抗原提示を受けることになることを示すものである。
Hsp90-OVA複合体によるCD8陽性T細胞活性化は非常に急速に誘導され、抗原添加後10分には認められる。一方、コントロールのOVA抗原のMHC クラス IIによる抗原提示は、約2時間を要する。図7参照。
(結論2) Hsp90-複合体を介するT細胞反応は、急速に起こる反応である。これはおそらくは、抗原提示細胞上に発現しているHsp90受容体による取り込みによると考えられる。
この現象を実際のマウスにHsp90-OVA複合体を免疫することにより確認した。すなわちB6C3F1マウスの足底に、皮下注射により、Hsp90-OVA複合体あるいはOVA単独で免疫した。4時間後、所属リンパ節である膝下リンパ節から樹状細胞を分離し、B3Z T細胞あるいはKZO T細胞と混合培養した。その結果、Hsp90-OVA複合体で免疫した場合は、MHC クラス I分子により提示され、B3Z T細胞を活性化した。しかし、KZO T細胞を活性化しなかった。一方で、OVA単独免疫では、B3Z T細胞は活性化されなかったがKZO T細胞は活性化された。(図8参照)
(結論)実際のマウスに免疫した場合でも、Hsp90-OVA複合体は、MHC クラス I分子により抗原提示され、CD8 T細胞を活性化した。
このHsp90-抗原複合体の樹状細胞内の抗原提示経路を蛍光顕微鏡を用いて検討した。赤色の蛍光色素で標識したOVAあるいはHsp90-OVA複合体を樹状細胞に添加・培養したのち、固定し、鏡検した。OVA単独では (図9)、エンドソーム、ライソソームに局在を認め、典型的なMHC クラス II経路にその局在を認めた。一方、Hsp90-OVA複合体は (図10))、エンドソーム、リサイクリングエンドソームおよび細胞質のプロテアソームに局在を認めたが、ライソソームには存在しなかった。すなわちHsp90-OVA複合体は、MHC クラス I経路にその局在を認めたが、 MHC クラス II経路には入っていないことが明らかにされた。
図11に、樹状細胞をはじめとする抗原提示細胞によるアレルゲンの処理と抗原提示について示す。
外来性抗原すなわちアレルゲンは、樹状細胞をはじめとする抗原提示細胞に取り込まれ、細胞内のエンドソーム、ライソソームにおいて分解される。ペプチドに分解されたアレルゲン由来の抗原は、MHC クラス II経路に入り、MIIC コンパートメントと呼ばれる細胞内小器官においてMHC クラス II抗原と結合し、その細胞表面に発現し、アレルゲン特異的CD4 T細胞に抗原提示し、活性化することが知られている。
図12に、Hsp90-OVA抗原複合体の細胞内抗原提示経路のシェーマを示す。樹状細胞をはじめとする抗原提示細胞にとりこまれたHsp90-OVA複合体は、まずエンドソームに入り、その後細胞質に移行し、プロテアソームにおいて蛋白分解を受ける。これにより生成された抗原ペプチドは、小胞体に輸送され、そこでMHC クラス I分子と会合し、さらに細胞表面に輸送され、MHC クラス I分子とともに抗原提示される。
B. Hsp90-アレルゲン複合体によるアレルギー性疾患の制御
上述したように、抗原がHsp90に結合して、免疫系に暴露されると、本来は外来性抗原としてMHC クラス II分子に提示されCD4 T細胞にされる抗原が、MHC クラス I抗原提示に入ることにより、CD8 T細胞反応は誘導されるが、MHC クラス II分子による抗原提示は抑制されると予想される。これを臨床的な応用として考えると、外来性抗原すなわちアレルゲンによって惹起される気管支喘息、アレルギー性鼻炎などアレルギー性疾患の予防・治療に有用であると考えられる。
14.そこで、OVAをアレルゲンとするマウス気管支喘息モデルを作製した。
図13 (方法)
(1)Hsp90 (50μg)-OVA (100μg)複合体、あるいはOVA (100μg)を2回アルムとともにマウス背部皮下に皮下注射により1週間間隔で、2回免疫する。最終免疫後その後、7日目にOVA (100μg)を生理食塩水に溶解し、吸入させて、喘息発作を惹起する。
(2)その際、マウスの血清抗OVA IgE抗体の濃度を、ELISAを用いて測定する。
(結果)
結果を図14に示す。OVA (100μg)をアルムとともに免疫したマウスでは、血清抗OVA IgE抗体は400 ng/mlと高値を示した。これに対し、Hsp90-OVA複合体で予め免疫したマウスでは、血清抗OVA IgE抗体の濃度は低値を示した。
(結論)OVAによる気管支喘息マウスモデルにおいて、Hsp90-抗原(OVA)複合体のワクチンは、その気管支喘息発症を予防および治療効果があると考えられる。
OVAの系はアレルギー誘発実験に最も一般的に使用されているモデルシステムである。アレルゲンとなるものは個体により異なるので、感作に使用した個々の対象物の問題より免疫機構の作動機序に注目すべきであるところ、OVAを用いた今回の誘発実験ではむしろ機能的な側面を観察している。以上のことから、OVAを抗原として用いた上記実験結果から、本発明のHsp90-抗原複合体ワクチンによるアレルギー性疾患の制御は、あらゆるアレルゲンに対して、有効であると言える。
実施例2
VSV8というペプチドをあらかじめクロラミン法(通常のヨードラベル法)で121-Iラベルしたのち10μgとHsp90を10μgを混合し、37℃ないし45℃で10分処理後、室温30分おいて、電気泳動した結果を図15に示す。変性せずに電気泳動にかけているために、図15の2)のように90kDのところ(HSP90が来ているところ)にHSP90に結合したペプチドも一緒に来ていることがわかる。37℃に比べて45℃でより多く結合していることが分かる。このことは、Hsp90とアレルゲンとの複合体の形成は、37℃に比べて、45℃で行うことが好ましいことを示す。この結果に基づいて、実施例1では、Hsp90とOVA蛋白質を45℃、10分の加熱処理を行ったのち、室温30分にて反応させてヒト精製Hsp90とOVA抗原蛋白質の複合体を得た。さらに図15の3)には、ペプチドVSV8とHsp90の結合が非特異的なものでないことを示す(BSAやトランスフェリンには結合していない)。
実施例3
Hsp90(20μg)とOVA(20μg)蛋白質を45℃、10分の加熱処理を行ったのち、室温30分にて反応させた。反応後、遊離のOVA抗原蛋白質をMicrocon YM-100 (Millipore, Bedford, MA)を用いて完全に除去した。次いで、得られたサンプルをHiLoad 16/60 Superdex 200 ゲル濾過カラム (Amersham) に0.2 ml/minで注入して得られたゲル濾過のクロマトグラムを図16(上図)に示す。比較のため、Hsp90(20μg)とOVA(20μg)蛋白質を室温で40分混合しただけのサンプルについての同様の条件でゲル濾過し、そのクロマトグラムも図16(下図)に示す。図17に、各画分の電気泳動結果(ゲル染色)およびウエスタンブロッティングの結果を示す。図17の結果から、最初の画分(Fr21)にHsp90-OVA複合体、2番目の画分(Fr25)に遊離のHsp90, 3番目の画分(Fr38)に遊離のOVAが溶出されていることが分かる。図16の下図ではHsp90-OVAの複合体に相当する画分は、観測されず、Hsp90-OVAの複合体は実質的に生成しなかった。
本発明のアレルギー疾患の予防および/または治療薬並びにIgE抑制剤は、花粉症、アレルギー鼻炎・結膜炎、気管支喘息をはじめとするアレルギー性疾患全般の制御の新しい予防薬、治療薬として有用である。特に、Hsp90-抗原複合体ワクチンは、花粉症、アレルギー鼻炎・結膜炎、気管支喘息、慢性じんましん、アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー性疾患全般の制御の新しい予防薬、治療薬として有用である。
MHC クラス I の抗原提示経路とHsp90の細胞内における主要な機能の説明図である。 MHC クラス I/IIの制限抗原提示経路の説明図である。 Hsp90が仲介するMHC クラス I経路とMHC クラスII経路の交差についての説明図である。 実施例において行った、OVAのHsp90と複合体を形成による、MHC クラス I分子による抗原提示検討試験の概要説明図である。 OVA抗原がHsp90と複合体を形成して、抗原提示細胞に投与されると、外来性抗原であるにも関わらず、MHC クラス I経路に入り、MHC クラス I 分子により抗原提示されることを示す実験結果を示す。 Hsp90-OVA複合体は、MHC クラス I 経路により選択的に抗原提示されることを示す実験結果を示す。 Hsp90-OVA複合体は、MHC クラス I分子による抗原提示を受けることになることを示す実験結果を示す。 Hsp90-OVA複合体は、MHC クラス I分子により抗原提示され、CD8 T細胞を活性化することを示す実験結果を示す。 Hsp90-抗原複合体の樹状細胞内の抗原提示経路を、蛍光顕微鏡を用いて検討した結果を示す。図9は、OVA単独の場合である。 Hsp90-抗原複合体の樹状細胞内の抗原提示経路を蛍光顕微鏡を用いて検討した結果を示す。図10は、Hsp90-OVA複合体の場合(Hsp90をラベルした)である。 樹状細胞をはじめとする抗原提示細胞によるアレルゲンの処理と抗原提示について示す。 Hsp90-OVA抗原複合体の細胞内抗原提示経路のシェーマを示す。 OVAをアレルゲンとするマウス気管支喘息モデルの作製の説明図を示す。 Hsp90-OVA複合体で予め免疫したマウスにおける、血清抗OVA IgE抗体の濃度測定結果を示す。 実施例2の電気泳動結果[2)ゲル染色および3)ウエスタンブロッティング]を示す。 実施例3のゲル濾過のクロマトグラムを示す。 実施例3のゲル濾過の3つの画分の電気泳動結果[2)ゲル染色および3)ウエスタンブロッティング]を示す。

Claims (14)

  1. 熱ショック蛋白質90(以下、Hsp90と略記する)とアレルゲンを有効成分として含むアレルギー疾患の予防および/または治療薬。
  2. Hsp90とアレルゲンとが複合化されている請求項1に記載のアレルギー疾患治療薬。
  3. Hsp90とアレルゲンとの複合化は、Hsp90とアレルゲンとの結合によって行われている請求項2に記載のアレルギー疾患治療薬。
  4. Hsp90とアレルゲンとのモル比が1:10〜10:1の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載のアレルギー疾患治療薬。
  5. アレルゲンが病原菌由来の抗原、ダニ抗原、花粉抗原、または食物抗原である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアレルギー疾患の予防および/または治療薬。
  6. ワクチンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアレルギー疾患の予防および/または治療薬。
  7. アレルギー疾患が気管支喘息、花粉症、アレルギー鼻炎、アレルギー結膜炎、慢性じんましん、またはアトピー性皮膚炎である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアレルギー疾患の予防および/または治療薬。
  8. 熱ショック蛋白質90(以下、Hsp90と略記する)とアレルゲンを有効成分として含むIgE抑制剤。
  9. Hsp90とアレルゲンとが複合化されている請求項8に記載のIgE抑制剤。
  10. Hsp90とアレルゲンとの複合化は、Hsp90とアレルゲンとの結合によって行われている請求項9に記載のIgE抑制剤。
  11. Hsp90とアレルゲンとのモル比が1:10〜10:1の範囲である請求項8〜10のいずれか1項に記載のIgE抑制剤。
  12. アレルゲンが病原菌由来の抗原、ダニ抗原、花粉抗原、または食物抗原である、請求項8〜11のいずれか1項に記載のIgE抑制剤。
  13. アレルギー疾患の予防および/または治療に用いられる、請求項8〜12のいずれか1項に記載のIgE抑制剤。
  14. アレルギー疾患は、気管支喘息、花粉症、アレルギー鼻炎、アレルギー結膜炎、慢性じんましん、またはアトピー性皮膚炎である、請求項13に記載のIgE抑制剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013139412A (ja) * 2011-12-29 2013-07-18 Kracie Home Products Ltd 黄色ブドウ球菌に対する抗菌剤、黄色ブドウ球菌を原因菌とする疾患の予防剤及び治療剤、並びにこれらを含有する皮膚外用剤
JP2014520875A (ja) * 2011-07-21 2014-08-25 バイオテック ツールズ エスエー DnaKの投与量

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