JP5832262B2 - 導電性ローラの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真画像形成装置等に用いる導電性ローラの製造方法に関する。
特許文献1には、ゴムローラの表面に電子線を照射してゴム表面の改質を行う技術が開示されている。ここで、両端部において芯金の表面が露出し、芯金の軸方向の中央部分に、導電性粒子及びバインダー樹脂を含む弾性層が形成されている導電性ローラの弾性層表面に電子線を照射して当該弾性層の表面の改質を行う場合、以下のようになる。即ち、電子線が、導電性ローラの両端部の芯金の露出部にも照射されることになる。
ところで、電子線が照射された被照射体は、電子線のエネルギーを吸収して発熱する。一般に、芯金は、熱伝導率の高い材質で構成されるため、電子線が照射されたことにより芯金の露出部分で生じた熱は、弾性層に伝達され、弾性層が加熱されていく。このとき、弾性層の軸に沿う方向での熱の伝わり方に差が生じ、その結果、当該弾性層の軸に沿う方向における熱履歴に差が生じることがある。このような熱履歴の差は、弾性層の軸に沿う方向における電気抵抗の不均一を招来する場合がある。
弾性層の軸に沿う方向での電気抵抗の高い均一性を保つためには、芯金の露出部の電子線照射による加熱を防ぐことが必要である。特許文献2には、被照射物に電子線遮蔽体を配置して、被照射物の発熱を抑える技術が開示されている。
特開2010−256617号公報 特開平09−015399号公報
本発明者らは、導電性ローラの弾性層の電子線による表面改質の際の芯金の加熱を防ぐべく、特許文献2の開示に基づき、導電性ローラの両端の芯金の露出部に電子線遮蔽体を配置してみた。その結果、連続的に電子線を照射した場合には、電子線遮蔽体自身が発熱し、電子線遮蔽体からの輻射熱により芯金露出部が加熱されてしまうことがあった。
そこで、本発明は、弾性層の軸方向での電気抵抗のムラが抑制された導電性ローラの製造方法を提供することにある。
本発明は、芯金と導電性粒子及びバインダー樹脂を含む弾性層とを有する導電性ローラの製造方法であって、
(1)芯金の、両端部の周囲が露出するように、導電性粒子とバインダー樹脂とを含む弾性層を形成している導電性ローラを用意する工程と、
(2)軸受けによって回転可能に支持されてなる一対の保持軸で、該導電性ローラの芯金の両端を、該芯金と該保持軸とが同軸となるように保持し、該芯金を該保持軸とともに回転させつつ該導電性ローラの表面に電子線を照射する工程とを有し、
該一対の保持軸の各々は非磁性材料からなり、且つ、軸受けで軸支されている部分と互いに他の保持軸の側に向かう先端との間の周囲にS極磁極とN極磁極とを有し、該S極磁極及び該N極磁極は、該保持軸の周方向に交互に配置され、且つ、該S極磁極及び該N極磁極の各々は該保持軸の軸方向に延在していることを特徴とする導電性ローラの製造方法である。
本発明によれば、電子線の照射による芯金の両端部の発熱、それに伴う導電性ローラの両端部の弾性層での発熱を抑え、導電性ローラの弾性層の軸方向での抵抗分布が小さく画像不良のない高品質な導電性ローラを安定して製造できる方法を提供できる。
電子線照射装置の一態様の概略図である。 電子線と導電性ローラ端部の状態を示す図である。 電子線と導電性ローラの状態を示す図である。 本発明の工程2を説明するための図である。 (a)は図4のX−X’線、(b)はY−Y’線に沿った模式的断面図である。 導電性ローラの電気抵抗分布測定方法の説明図である。 実施例1に係る導電性ローラの製造方法の説明図である。 比較例1に係る導電性ローラの製造方法の説明図である。 比較例2に係る導電性ローラの製造方法の説明図である。
本発明により得られる導電性ローラは、芯金と、導電性粒子及びバインダー樹脂を含む弾性層とを有し、その弾性層の表面(外周面)が電子線の照射によって硬化されている。以下、本発明の製造方法を詳細に説明する。
<工程(1)>
まず、芯金の外周面上に、芯金の両端部の周囲、具体的には、芯金の両端部の外周面が露出するように、導電性粒子とバインダー樹脂とを含む弾性層が形成された導電性ローラを用意する。なお以降、芯金と弾性層とを有する電子線照射前の導電性ローラを弾性ローラと称する。
導電性ローラの芯金として使用する材質は、材料強度の観点から撓みの少ない、ニッケルメッキしたSUM材(硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材)等の鋼材を含むステンレススチール棒、リン青銅棒、アルミニウム棒が好ましい。
弾性層は、通常、所望の電気抵抗を有する導電性ゴム弾性層を使用し、この導電性ゴム弾性層は、ゴム弾性層のポリマー(バインダー樹脂)に導電性粒子を分散し複合したものを用いることが一般的である。弾性層は、導電性粒子とバインダー樹脂の他に、各種配合剤を含むことができる。なお、弾性層は、芯金の外周面に直接設けられていても良いし、芯金と弾性層との間に他の層(例えば接着層等)が設けられていても良い。
バインダー樹脂としては、原料ゴムに架橋剤を配合した熱硬化性のゴム材料や、熱可塑性エラストマーを用いることができ、1種を単独で、または2種類以上をブレンドして使用しても良い。
原料ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体ゴム(EPDM)、エピクロルヒドリンホモポリマー(CHC)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(CHR)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(CHR−AGE)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の水添物(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM、ANM)等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
ゴム弾性層中に分散させる導電性粒子としては、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト;酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、銅、銀、酸化スズ等の金属及び金属酸化物等、更にこれらの混合物が挙げられる。
これらの導電性粒子の充填量としては、バインダー樹脂、導電粒子、及びその他配合剤の種類によって、導電性ゴム弾性層が所望の電気抵抗を有するものとなるように、適宜選択することができる。導電性粒子の配合量は、例えば、バインダー樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上100質量部以下、好ましくは10質量部以上70質量部以下とすることができる。
弾性ローラの成形方法としては、射出成形、押出成形、トランスファー成形、プレス成形等を用いることができ、特に限定されない。
芯金の両端部の外周面を露出させる時期は適宜選択することができ、例えば押出成形のように、成形物の時点で露出していない場合は、得られた成形物の両端部において、芯金以外の部分を除去することによって、芯金両端部の外周面を露出させることができる。さらに、バインダー樹脂として熱硬化性ゴム材料を用いた場合は、この成形物(未加硫ゴムローラ)を加熱することによって、弾性ローラを作製することができる。
<工程(2)>
工程2では、工程1より得られた弾性ローラ表面に電子線を照射することによる表面改質を行う。具体的には、軸受けによって回転可能に支持される一対の保持軸で、この弾性ローラの芯金の両端を、芯金と一対の保持軸とがいずれも同軸となるように保持し、この芯金を一対の保持軸とともに回転させつつ弾性ローラの表面に電子線を照射する。
<電子線照射装置>
ここで、本発明に用いることのできる電子線照射装置の一例の概略構成図を図1に示す。
この電子線照射装置は、電子線照射前の導電性ローラ(弾性ローラ)10を回転させながらローラ表面に電子線を照射するものであり、図1に示すように、電子線発生部11と照射室12と照射口13とを備えるものである。
電子線発生部11は、電子線を発生するターミナル14と、ターミナル14で発生した電子線を真空空間(加速空間)で加速する加速管15とを有するものである。また電子線発生部の内部は、電子が気体分子と衝突してエネルギーを失うことを防ぐため、不図示の真空ポンプ等により10-6Pa以上10-7Pa以下の真空に保たれている。
不図示の電源によりフィラメント16に電流を通じて加熱するとフィラメント16は熱電子を放出し、この熱電子のうち、ターミナル14を通過したものだけが電子線として有効に取り出される。そして、電子線の加速電圧により加速管15内の加速空間で加速された後、照射口箔17を突き抜け、照射口13の下方の照射室12内を搬送される弾性ローラ10に照射される。
後述する実施例のように、弾性ローラ10に電子線を照射する場合には、照射室12の内部を窒素雰囲気とすることができる。また、弾性ローラ10を回転させて照射室内を不図示の搬送手段により、図1において紙面左側から右側に移動させる。尚、電子線発生部11及び照射室12の周囲は電子線照射時に二次的に発生するX線が外部へ漏出しないように、不図示の鉛遮蔽が施されている。
照射口箔17は金属箔からなり、電子線発生部内の真空雰囲気と照射室内の空気雰囲気とを仕切るものであり、また照射口箔17を介して照射室内に電子線を取り出すものである。上述したように、弾性ローラ10の照射に電子線を応用する場合には、弾性ローラ10が電子線を照射される照射室12の内部は窒素雰囲気とすることができる。よって、電子線発生部11と照射室12との境界に設ける照射口箔17は、ピンホールがなく、電子線発生部内の真空雰囲気を十分維持できる機械的強度があり、電子線が透過しやすいことが望ましい。その為、照射口箔17は比重が小さく、肉厚の薄い金属が望ましく、通常、アルミニウム箔やチタン箔、ベリリウム箔が使用される。例えば、厚さ約5μm以上15μm以下程度のチタン箔が使用されている。
電子線による照射条件は電子線の加速電圧と線量によって決定される。加速電圧は表面処理深さ(電子線照射によって硬化される厚み)に影響し、本発明における加速電圧の条件としては、低エネルギー領域である40kV以上300kV以下の範囲が好ましい。40kV以上で本発明の効果を得る為の充分な処理厚みを容易に得ることができる。また、300kV以下とすることで、電子線照射装置が大型化し、装置コストが増大することを容易に抑えることができる。より好ましい加速電圧の条件としては70kV以上150kV以下の範囲である。
電子線照射における電子線の線量は、下記式(1)で定義される。
D=(K・I)/V・・・・・・(1)
ここで、Dは線量(kGy)、Kは装置定数、Iは電子電流(mA)、Vは処理スピード(m/min)である。装置定数Kは、装置個々の効率を表す定数であって、装置の性能の指標である。装置定数Kは一定の加速電圧の条件で、電子電流と処理スピードを変えて線量を測定することによって求めることができる。電子線の線量測定は、線量測定用フィルムをローラ表面に貼り付け、これを実際に電子線照射装置で処理し、ローラ表面の線量測定用フィルムをフィルム線量計により測定することで行うことができる。後述する実施例では、線量測定用フィルムとしてFWT−60(商品名、Far West Technology社製)、フィルム線量計としてFWT−92D型(商品名、Far West Technology社製)を使用した。
電子線の線量については、表面処理の効果に応じて適宜選択することができる。その調節は、電子電流、処理スピードのいずれでも行うことが可能であり、所望の線量が得られるように決めることができる。本発明における電子線の線量は100kGy以上4000kGy以下の範囲が好ましく、更に本発明の効果が大きいと考えられる、電子線の線量としては2000kGy以上4000kGy以下の範囲である。
<芯金の保持軸>
次に、本発明における弾性ローラ10の芯金の保持軸について図2を用いて詳細に説明する。
なおこの際、一対の保持軸のうちの1つの保持軸に着目して説明を行う。図2(a)は、電子線を照射する際の弾性ローラ10端部の正面図、(b)は側面図を表す。
本発明者らは、以下のことを見出した。すなわち、弾性ローラ10(芯金20、導電性ゴム弾性層21)の表面に電子線22を照射する際、芯金20を保持する保持軸23の外周面上に、S極磁極25及びN極磁極26を保持軸の周方向(図2では、保持軸の回転方向と同じ)に交互に配置する。そして、これらの磁極から芯金20及び保持軸23の周囲に磁力線27を発生させることで、フレミングの左手の法則により、電子線22を芯金20及び保持軸23に照射されにくくすることが可能である。なお、図2では、磁力線の一部を符号27として図示している。
保持軸23の周囲には、N極磁極26からS極磁極25に向かうように磁力線27は発生される。ここで、磁力線27と交差するように電子線22が照射されると、電子線22は磁力線27が発生している部分の保持軸23及び芯金20部分を避けるように曲げられる。
電子線の曲がる方向(力のかかる方向)は、フレミングの左手の法則により、電流方向(電子線の照射される方向とは逆方向:図2では紙面上方向)と、磁力線の方向とからわかる。このように電子線22が曲げられることにより、電子線22の照射による両端部の芯金20の発熱、それに伴う弾性ローラ10の両端部の弾性層21での発熱が抑えられ、特に電子線量が大きい場合には、過度の発熱を抑えることができ、効果的である。
ここで、一対の保持軸の各々、即ち図2に示す保持軸23は非磁性材料からなる。保持軸の材質が磁性材料であると、芯金の材質によっては芯金自身が磁化され、弾性ローラ10、より具体的には導電性ゴム弾性層21の表面への電子線の照射に影響を起こす場合がある。
非磁性材料としては、電子線の照射によっても劣化しにくい材料を好適に用い得る。具体的には、例えば、真鍮、チタン、金、銀、銅、アルミニウム、オーステナイト系ステンレス等が挙げられる。これらの中でも、キズが付きにくい真鍮が特に好ましい。
なお、保持軸の形状は、芯金の両端を保持でき、かつ本発明の効果が得られる範囲で適宜選択することができ、例えば円柱形状(図2のように、円錐形状の凹みを底面に有しても良い)とすることができる。
本発明では、図2及び3に示すように、保持軸23の軸受け33で回転可能に支持されている部分(軸支されている部分)と、この保持軸23の対となるもう一方の保持軸側の先端(他の保持軸の側に向かう先端)との間の周囲、より具体的には外周面上に、S極磁極とN極磁極とを保持軸の周方向に交互に配置する。また、S極磁極及びN極磁極の各々を、保持軸の軸方向に延在させる。
例えば、1つのS極磁極25と1つのN極磁極26とを有する磁石24を保持軸の軸方向に対して垂直に、S極磁極とN極磁極とが交互になるように複数配置することができる。なお、磁石24は、保持軸23の外周面に直接配置しても良いし、本発明の効果を得られる範囲で、磁石と保持軸との間に他の部材(例えば、金属や合金の非磁性材料)を配置しても良い。また、保持軸の外周面上に配置された、互いに隣り合う2つの磁石24は、接していても良いし、この2つの磁石の間に隙間を有していても良い。しかし、電子線照射ムラや保持軸の回転速度ムラの抑制、さらに芯金の両端部の発熱を抑制する観点から、後述する図5aのように、保持軸23の外周を1周覆うように複数の磁石24を配置することが好ましい。さらに、磁石24は、保持軸の軸受けで軸支されている部分と、対となるもう一方の保持軸側の先端との間の保持軸の軸方向全体に配置されていても良いし、図2や3のように、その間の保持軸の軸方向の一部に配置されていても良い。
なお、保持軸の外周面上に磁石24を設置する方法としては、リング状の磁石を保持軸に圧入する方法や、保持軸を分割させてリング状の磁石と組み合わせる方法等が挙げられる。
保持軸23の周面に配置されるS極磁極25及びN極磁極26を有する磁石24は、アルニコ磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジム磁石等の永久磁石が好ましく、その中でも特に磁束密度100mT以上の磁力の大きいネオジム磁石が好ましい。なお、磁力による電子線の曲げと、磁力の吸引と反発による滑らかな回転を行う為には、磁石の磁束密度は1000mT以下が好ましい。また、S極磁極25とN極磁極26とを保持軸の周方向に交互に、かつ軸方向に延在して配置させる際に永久磁石を用いることで、芯金20及び保持軸23の周囲に容易に磁力線27が発生させることができ、効果的である。
<弾性ローラの搬送方法>
次に、弾性ローラ10を回転させながら、電子線照射装置内にこの弾性ローラを搬送する方法について詳細に説明する。
弾性ローラ10のような円柱体の表面に電子線を照射する場合は、表面に均一に電子線を照射させる為に、円柱体を回転させる必要がある。ここで、電子線の照射エリアで円柱体を回転させながら搬送する方法としては、円柱体の保持軸に機械歯車、ギア、ベルト等を取り付け、モータ等の駆動手段により直接回転させる方法が考えられ、これらの方法を本発明に適用することができる。
しかしながら、電子線の照射エリアで円柱体を回転させながら搬送する際に、より簡便な工程及び装置で、更に部品の劣化や発熱の影響を受けにくくすることは非常に重要である。このため、本発明者らが鋭意検討した結果、弾性ローラをより簡便な工程及び装置で安定して回転させながら搬送する方法を見出した。この方法を、図3〜5を用いて説明する。なお、図3(a)は、本発明に係る導電性ローラの製造装置の正面図であり、(b)はその側面図である。図4は、図3(a)に示した装置の上面図である。また、図5(a)は、図4のX−X’断面図であり、図5(b)はY−Y’断面図である。
図4及び5に示すように、レール32と、このレールに沿ってS極磁極35及びN極磁極36を交互に有する固定子31とを含むリニアガイドレール34を設置する。
なお、リニアガイドレール34は、弾性ローラ10の端部に対して1つ設置することができ、図4では弾性ローラの端部に1つずつ、計2つのリニアガイドレール34が設置されている。そして、保持軸23の周面に配置したS極磁極25とN極磁極26とを可動子30として用いて、固定子31と、可動子30とを対向させた状態で、リニアガイドレール34のレール32上に、芯金20を保持している保持軸23の軸受け33を走行させることにより、芯金を一対の保持軸とともに回転させることができる。
なお、2つの固定子31は、互いに平行に配置された2つのレール間に配置され、さらに、各固定子はこれらのレール32に沿って配置されている。なお、固定子31は、弾性ローラ10の芯金20や弾性層21と対向する位置にも設けることができるが、固定子による電子線への影響を抑制する観点から、図5(b)のように可動子30と対向する部分(図5(b)では紙面下部分)のみに設けることが好ましい。
リニアガイドレール34上を保持軸の外周面に配置したS極磁極とN極磁極とを固定子31と対向させ、当該S極磁極およびN極磁極が可動子30として機能するように芯金を走行させることで、磁力の吸引と反発により、芯金20を保持軸23とともに回転させることができる。これにより、弾性ローラ10をより簡便な工程及び装置で安定して回転させながらローラ表面に照射口13から電子線22を照射することができる。
ここで、電子線の照射口からの電子線の拡散を考慮して、リニアガイドレール34の長さ(図4では紙面上下方向の長さ)は、照射口13の幅(図4では紙面上下方向の長さ)に対して十分に長く設定されることが望ましい。固定子31及びレール32の形状は適宜選択することができ、例えば直方体であることができる。
軸受けは、保持軸を回転可能に支持することのできる部材から適宜選択して用いることができ、例えば、図5(b)に示すような構造とすることができる。ベアリング37は、保持軸23の回転摺動を可能にし、レールガイド38は軸受け33がレール上を走行可能にする。更に、保持軸23から弾性ローラ10を着脱可能にすることもでき、その機構としては例えばバネ39を用いることができる。即ち、ベアリング37と、レールガイド38と、バネ39とを有する軸受けを用いることができる。更にこの図では、保持軸23の芯金露出部の保持は逆センター方式が用いられているが、これに限定されるものではない。逆センター方式とは、保持軸に所定角度のテーパ面を有する円錐形状の凹みを施し、弾性ローラの両端部の芯金を保持することにより、弾性ローラが両逆センターの頂点を通る軸として決定される方式である。
なお、通常、電子線の照射エリアは、密閉に近い状態にし、窒素をパージしながら酸素の濃度を下げて照射する方法がとられる。オゾンの発生を抑制するためである。本発明においては、図3〜5に示したような、芯金の両端部に配した磁極を可動子として用いることで、芯金を回転されるための外部モータや、その伝達部品、例えば、機械歯車、ギア、ベルト、チェーン等が不要となる。そのため、紫外線照射に係る装置部分を小型化でき、その結果として、電子線照射エリアの窒素パージ空間を小さくすることができる。
このように、本発明の導電性ローラの製造方法では、保持軸23の外周面上にS極磁極25とN極磁極26とを保持軸の周方向に交互に配置することによって、電子線の照射による発熱の影響を受けにくくなる。さらに、このS極磁極25とN極磁極26を可動子30として利用することで、モータ等の駆動系が不要となり、より簡便な製造工程及び製造装置で、高品質な導電性ローラを安定して得ることができる。
なお、S極磁極25とN極磁極26とを外周面上に形成した保持軸の外径(図5aに示すR)は、弾性ローラ10を回転させる所望の回転数に応じて適宜選択することができ、例えば、Φ(直径)5mm以上50mm以下とすることができる。また、各磁極の厚み(各磁石の厚み)tは、磁力の吸引と反発による滑らかな回転を行う観点から1mm以上、10mm以下とすることが好ましい。
また、可動子及び固定子の各磁極の幅と各磁極の長さ、更に可動子と固定子のギャップ間隔gにより、可動子と固定子の最大伝達トルクが調整可能である。最大伝達トルクは9.8N・cm(1kgf・cm)以上98N・cm(10kgf・cm)以下が好ましく、最大伝達トルクをこの範囲内にすることによって、より安定して芯金を回転させることができる。
可動子及び固定子において、各磁極の幅は1mm以上10mm以下、各磁極の長さは5mm以上30mm以下、更に可動子と固定子のギャップ間隔gは0.1mm以上1mm以下が好ましい。通常、磁石24を構成する1組のS極磁極とN極磁極とは、同じ幅、長さ及び厚みを有することから、可動子及び固定子において、各磁石24の幅は2mm以上20mm以下、各磁石の長さは5mm以上30mm以下とすることが好ましい。
磁力の吸引と反発を合わせる観点から、可動子と固定子との磁石の幅及び長さは一致させることが望ましい。また、回転を安定させる観点から、可動子や固定子を構成する複数の磁石は、いずれも同じ幅、長さ及び厚みを有することが望ましい。さらに、電子線による芯金の発熱を抑制する観点から、モータ等の従来の方法を用いて弾性ローラ10を回転させる場合も、保持軸の外周面に配置する磁石の幅、長さ及び厚みは、上述した値とすることが好ましい。
なお、可動子における磁石の幅(通常、図5aに示す磁極の幅wを2倍した長さに対応)とは、可動子に用いた磁石24の、保持軸の円周方向の円弧部における長さとする。なお、この円弧部を含む保持軸の円周長は、保持軸の外径R×πによって算出できる。
また、上述した可動子における磁石の長さ(図5bに示す符号l)とは、可動子に用いた磁石24の、保持軸の軸方向における長さであることができる。また、固定子における磁石の幅とは、固定子に用いた磁石の、レール32の長手方向(図4では、紙面上下方向)における長さであることができる。さらに、上述した固定子における磁石の長さとは、固定子に用いた磁石の、レール32の短手方向(図4では、紙面左右方向)における長さであることができる。
また、固定子31の各磁石の厚み(図4では、磁石の紙面垂直方向における長さ)は、磁力の吸引と反発による滑らかな回転を行う観点から1mm以上、10mm以下とすることが好ましい。
また、可動子の磁石の数は適宜選択することができる。しかしながら、磁石の幅を小さく、磁石の数、即ちN極磁極とS極磁極のそれぞれの極数を多くした方が、保持軸23の周面に配置したS極磁極とN極磁極の磁石24を可動子30として用いた場合、回転時の振動等が小さくなる傾向がある。ただし、磁石の幅を小さくすると可動子と固定子の最大伝達トルクが小さくなるので注意する。これらを考慮して、可動子のN極磁極とS極磁極の合計極数は、10極以上30極以下が好ましい。
一方、固定子のN極磁極とS極磁極の合計極数は、リニアガイドレール34の長さに応じて適宜設定することができるが、電子線の照射ムラをなくす為、可動子を1回転以上させるという観点から可動子のN極磁極とS極磁極の合計極数以上にすることが好ましい。
本発明の導電性ローラの製造方法により得られる導電性ローラは、LBP(Laser Beam Printer)、複写機及びファクシミリ等の電子写真装置(電子写真画像形成装置)の電子写真用部材として用いることができる。
本発明より得られた導電性ローラは、帯電ローラの他に、現像ローラ、転写ローラ等の電子写真装置に使用する導電性ローラ(電子写真用導電性ローラ)として用いることができ、特に用途は限定されない。
以下、実施例、比較例を示して、更に本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
〈芯金と弾性層とを有する導電性ローラ(弾性ローラ)の作製〉
以下の表1に示す原料を加圧式ニーダーで15分間混練した。
Figure 0005832262
得られた混練物に、更に表2示す材料を加えて、15分間オープンロールで混練して未加硫ゴム組成物を作製した。
Figure 0005832262
次いで、外径φ6mm、長さ252mmのステンレス棒の芯金を用意した。芯金の円柱面の軸方向中央部230mmに導電性加硫接着剤(商品名:「メタロックU−20」、東洋化学研究所製)を塗布し、80℃で30分間乾燥した。
次に、クロスヘッド押出機を用いて、芯金と上記未加硫ゴム組成物とを一体に押出して、直径8.80mmの未加硫ゴムの導電性ローラを成形した。押出機は、シリンダー径45mm(Φ45)、L/D=20の押出機を使用し、押出時の温調はヘッド90℃、シリンダー90℃、スクリュー90℃とした。成形した未加硫ゴムの導電性ローラの両端を切断し、弾性層部分の軸方向幅を232mmとした後、160℃、1時間の加熱加硫を行い、更にプランジ方式の研磨機で回転砥石を用いた乾式研磨により、端部外径φ8.35mm、中央部外径φ8.50mmのクラウン形状の弾性ローラを得た。この弾性ローラは、芯金の両端部10mm(軸方向の長さ)が露出していた。
〈弾性ローラの表面処理工程〉
上記弾性ローラ表面に電子線を照射した。電子線の照射には電子線照射装置(商品名:「EC150/45/40mA」、岩崎電気株式会社製)を用い、照射時の雰囲気に窒素ガスパージを行った。電子線照射条件:加速電圧150kV、電子電流40mAで電子線の照射を行い、照射時の雰囲気の酸素濃度は500ppmであった。なお、酸素濃度は、酸素濃度計、商品名:「RF−400」、東レエンジニアリング株式会社製を用いて測定した。
ここで、図7に示すように、弾性ローラを回転させながら、弾性層の表面に電子線の照射を行った。弾性ローラの両端の芯金露出部を保持する保持軸は、非磁性材料の真鍮からなり、図7(b)のZ−Z’模式的断面図に示すように、保持軸の周面に2つのネオジム磁石の永久磁石、即ちS極磁極及びN極磁極を各2極の合計4極を保持軸の外周を覆うように配置した。1つのN極磁極と1つのS極磁極とからなる各磁石の幅は9.4mm、各磁石の長さは15mmであり、保持軸の周面に配置された磁石の外径RはΦ6mmであった。そして、保持軸をモータにより直接、100rpm(min-1)で回転させ、保持軸とともに弾性ローラを回転させながら処理スピードは10mm/sで搬送して電子線の照射を行った。この時の電子線の線量は2500kGyであった。
実施例1の電子線照射後の弾性ローラ(電子写真用導電性ローラ)について下記の評価1〜評価3に供した。
[測定方法]
〈評価1ローラ表面の温度〉
電子線照射後の導電性ローラ表面の温度測定は以下の方法で行った。電子線の照射後1秒後に、導電性ローラの軸方向における弾性層の表面の中央部と、弾性層の端部から約1mmの位置(芯金露出部に近い位置)とを放射温度計(商品名:「FT−H20」、株式会社キーエンス製)を用い、温度測定を行った。
〈評価2:ローラの弾性層の電気抵抗分布〉
電子線照射後の導電性ローラの弾性層の電気抵抗分布は、以下の方法で測定した。図6に導電性ローラの電気抵抗分布の測定方法を示す。φ(直径)30mmで幅2mmのステンレスローラ50に20gの荷重をかけ、電子線照射後の導電性ローラ100の弾性層に当接させて、導電性ローラ100を1回転させた。このときステンレスローラ50は従動回転させた。従動回転させながらバイアス印加電源51から直流電圧−10Vを印加し、この時に流れる電流を、固定抵抗器(10kΩ)52とレコーダー53を並列につなぎ、レコーダー53で測定し、導電性ローラの弾性層の電気抵抗分布を計算した。この状態で1000Hzの間隔で電気抵抗をサンプリングし、2秒間の平均値を、ローラの軸方向2mmピッチで繰り返し測定していき、ローラの軸方向の弾性層全長の電気抵抗値を測定した。試験環境としては、温度23℃相対湿度50%RHで行った。
ここで、導電性ローラの軸方向2mmピッチで繰り返し測定した各ピッチでの電気抵抗の平均値から、最大値と最小値の抵抗比を算出し、これを電子線照射後の導電性ローラの軸方向における弾性層の電気抵抗分布比とした。
〈評価3:画像評価〉
電子線照射後の導電性ローラを、電子写真装置(商品名:「LaserJet P1005」、ヒューレット・パッカード製)のシアン色用プロセスカートリッジに帯電ローラとして組み込んだ。このプロセスカートリッジを、上記の電子写真装置に装填し、電子写真画像を形成した。具体的には、温度23℃、湿度50%RHの環境下において、ハーフトーン画像を1枚出力した。なお、ここで、ハーフトーン画像とは、電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドットの線を間隔2ドットで描く画像である。また、上記電子写真装置は、A4サイズの紙を縦方向に出力可能なものである。
得られたハーフトーン画像を目視で観察し、帯電の異常に起因する画像欠陥の有無を観察し、以下の基準に基づき評価した。
A:帯電の異常に起因するスジ、濃度ムラが認められない。
B:帯電の異常に起因するスジ、または、濃度ムラが認められる。
電子線照射条件、製造方法、導電性ローラの特性、及び画像評価結果を表3に示す。
〔実施例2〕
保持軸の周面に配置する磁石の数を9つ、即ちS極磁極及びN極磁極を各9極の合計18極に変更し、各磁石の幅を2mm、各磁石の長さを15mm、保持軸の周面に配置された磁石の外径RをΦ6mmとした。それら以外は、実施例1と同様な方法で、弾性ローラ表面に電子線の照射を行い(図2)、得られた導電性ローラの特性測定及び画像評価を実施例1と同様の方法で行った。電子線照射条件、製造方法、導電性ローラの特性、及び画像評価結果を表3に示す。
〔実施例3〕
保持軸の周面に配置する磁石の数を5つ、即ちS極磁極及びN極磁極を各5極の合計10極に変更し、各磁石の幅を3mm、各磁石の長さを15mm、保持軸の周面に配置された磁石の外径RをΦ5mmとした。それら以外は、実施例1と同様な方法で、弾性ローラ表面に電子線の照射を行い、得られた導電性ローラの特性測定及び画像評価を実施例1と同様の方法で行った。電子線照射条件、製造方法、導電性ローラの特性、及び画像評価結果を表3に示す。
〔実施例4〕
電子線照射条件:加速電圧80kV、電子電流40mA、処理スピード5mm/sで搬送して電子線の照射を行った以外は、実施例2と同様な方法で、弾性ローラ表面に電子線の照射を行った(図2)。この時の電子線の線量は2700kGyであった。得られた導電性ローラの特定測定及び画像評価を実施例1と同様の方法で行った。電子線照射条件、製造方法、導電性ローラの特性、及び画像評価結果を表3に示す。
〔実施例5〕
弾性ローラの回転方法を以下の方法に変更した以外は、実施例2と同様な方法で、弾性ローラ表面に電子線の照射を行った(図2)。具体的には、保持軸の周面に配置されたS極磁極及びN極磁極を可動子として、また可動子に対向するように、固定子として、50個のネオジム磁石の永久磁石、即ちS極磁極及びN極磁極を各50極の合計100極を配置した。その際、固定子の各磁石の幅を2mm、各磁石の長さを15mmとした。保持軸の軸受けを、レールに沿って固定子が配置されているリニアガイドレール上を搬送速度10mm/sで走行させ、可動子と固定子により、保持軸は30rpmで回転され、保持軸とともに弾性ローラを回転させながら電子線の照射を行った。この方法は、モータ等の駆動手段が必要なく、簡便の工程で弾性ローラを回転させながら電子線の照射が可能であった。
得られた導電性ローラの温度を測定した結果、弾性層中央部は35℃、端部は36℃であった。また、導電性ローラの軸方向での電気抵抗分布比は1.05であった。ここで、同様にして繰り返し導電性ローラ表面に電子線の照射を行った。その結果、繰り返し電子線を照射した後であっても、導電性ローラの照射後の温度も、導電性ローラの軸方向での電気抵抗分布比も、値として変化はなかった。更に、この導電性ローラの画像評価を実施例1と同様の方法で行った。電子線照射条件、製造方法、導電性ローラの特性、及び画像評価結果を表3に示す。
〔実施例6〕
実施例3に記載した保持軸を用い、固定子の磁石の数を40個、即ちS極磁極及びN極磁極を各40極の合計80極に変更し、固定子の各磁石の幅を3mm、各磁石の長さを15mmとした以外は、実施例5と同様にして保持軸とともに弾性ローラを回転させながら電子線の照射を行った。その際、保持軸の回転速度は38rpmであった。
得られた導電性ローラの温度を測定した結果、弾性層中央部は35℃、端部は35.5℃であった。また、この導電性ローラの軸方向での電気抵抗分布比は1.03であった。ここで、同様にして繰り返し導電性ローラ表面に電子線の照射を行った。その結果、繰り返し電子線を照射した後であっても、導電性ローラの照射後の温度も、導電性ローラの軸方向での電気抵抗分布比も、値として変化はなかった。更に、この導電性ローラの画像評価を実施例1と同様の方法で行った。電子線照射条件、製造方法、導電性ローラの特性、及び画像評価結果を表3に示す。
〔実施例7〕
電子線の照射条件を実施例4の条件に変更し、保持軸の軸受けの搬送速度5mm/sに変更した以外は、実施例5と同様にして保持軸とともに弾性ローラを回転させながら電子線の照射を行った。その際、保持軸の回転速度は16rpmであった。
得られた導電性ローラの温度を測定した結果、弾性層中央部は32℃、端部は33℃であった。また、この導電性ローラの軸方向での電気抵抗分布比は1.02であった。ここで、同様にして繰り返し導電性ローラ表面に電子線の照射を行った。その結果、繰り返し電子線を照射した後であっても、導電性ローラの照射後の温度も、導電性ローラの軸方向での電気抵抗分布比も、値として変化はなかった。更に、この導電性ローラの画像評価を実施例1と同様の方法で行った。電子線照射条件、製造方法、導電性ローラの特性、及び画像評価結果を表3に示す。
〔実施例8〕
原料のNBRを、NBR:SBR=55質量部:45質量部の混合物に変更し、カーボンブラックの配合量を40質量部に変更した。それら以外は、実施例1と同様な方法で弾性ローラを得た。
次いで、実施例5と同様な方法で、この弾性ローラ表面に電子線の照射を行った。得られた導電性ローラの温度を測定した結果、弾性層中央部は34℃、端部は36℃であった。また、導電性ローラの軸方向での電気抵抗分布比は1.07であった。ここで、同様にして繰り返し導電性ローラ表面に電子線の照射を行った。その結果、繰り返し電子線を照射した後であっても、導電性ローラの照射後の温度も、導電性ローラの軸方向での電気抵抗分布比も、値として変化はなかった。更に、この導電性ローラの画像評価を実施例1と同様の方法で行った。電子線照射条件、製造方法、導電性ローラの特性、及び画像評価結果を表3に示す。
〔比較例1〕
図8に示すように、保持軸の周面に磁石を配置せずに、保持軸23の外径をΦ6mmとした以外は実施例1と同様にして、弾性ローラを回転させながら、上記弾性ローラの弾性層の表面に電子線の照射を行った。得られた導電性ローラの温度を測定した結果、弾性層中央部は35℃に対し、端部は47℃であった。また、この導電性ローラの軸方向での電気抵抗分布比は1.70であった。更に、この導電性ローラを帯電ローラとして用い、画像評価を行った結果、放電ムラに起因するような濃度ムラが発生した。電子線照射条件、製造方法、導電性ローラの特性、及び画像評価結果を表4に示す。
〔比較例2〕
図9に示すように、保持軸23の外周面上には磁石を設けず、代わりに芯金露出部と保持軸上に電子線遮蔽体81を設置して、保持軸の外径をΦ6mmとした以外は実施例1と同様にして弾性ローラを回転させながら、弾性層の表面に電子線の照射を行った。
得られた導電性ローラの温度を測定した結果、弾性層中央部は35℃に対し、端部は38℃であった。また、この導電性ローラの軸方向での電気抵抗分布比は1.10であった。ここで、同様にして繰り返し導電性ローラ表面に電子線の照射を行った。その結果、導電性ローラの照射後の温度は徐々に上昇し、弾性層中央部が35℃のままであるのに対し、端部は45℃まで到達してしまった。これは、繰り返しの電子線の照射により電子線遮蔽体81が発熱し、電子線遮蔽体81の輻射熱82により、徐々に導電性ローラが発熱したためだと考えられる。この時の導電性ローラの軸方向での電気抵抗分布比は1.65であった。
更に、この導電性ローラを帯電ローラとして用い、画像評価を行った。その結果、1度の電子線照射後の導電性ローラを用いた場合では良好な結果が得られたが、繰り返し電子線照射を行った後の導電性ローラを用いた場合は、放電ムラに起因するような濃度ムラが発生した。電子線照射条件、製造方法、導電性ローラの特性、及び画像評価結果を表4に示す。
Figure 0005832262
Figure 0005832262
10‥‥‥電子線照射前の導電性ローラ(弾性ローラ)
13‥‥‥照射口
20‥‥‥芯金
21‥‥‥導電性ゴム弾性層
22‥‥‥電子線
23‥‥‥保持軸
24‥‥‥S極磁極及びN極磁極を有する磁石
25‥‥‥S極磁極
26‥‥‥N極磁極
27‥‥‥磁力線
30‥‥‥可動子
31‥‥‥固定子
32‥‥‥レール
33‥‥‥軸受け
100‥‥電子線照射後の導電性ローラ

Claims (2)

  1. 芯金と導電性粒子及びバインダー樹脂を含む弾性層とを有する導電性ローラの製造方法であって、
    (1)芯金の、両端部の周囲が露出するように、導電性粒子とバインダー樹脂とを含む弾性層を形成している導電性ローラを用意する工程と、
    (2)軸受けによって回転可能に支持されてなる一対の保持軸で、該導電性ローラの芯金の両端を、該芯金と該保持軸とが同軸となるように保持し、該芯金を該保持軸とともに回転させつつ該導電性ローラの表面に電子線を照射する工程とを有し、
    該一対の保持軸の各々は非磁性材料からなり、且つ、軸受けで軸支されている部分と互いに他の保持軸の側に向かう先端との間の周囲にS極磁極とN極磁極とを有し、該S極磁極及び該N極磁極は、該保持軸の周方向に交互に配置され、且つ、該S極磁極及び該N極磁極の各々は該保持軸の軸方向に延在していることを特徴とする導電性ローラの製造方法。
  2. 前記工程2において、
    レール間に、該レールに沿ってS極磁極及びN極磁極を交互に有する固定子が配置されたリニアガイドレール上を、前記保持軸の周囲に配置したS極磁極とN極磁極とを可動子として用いて前記芯金を保持している保持軸の軸受けを走行させることにより、該芯金を回転させる請求項1に記載の導電性ローラの製造方法。
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