以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態におけるデータ送信装置1を含む通信システムの一構成例を示す図である。本実施形態のデータ送信装置1は、例えば複合機やMFP(Multifunction Peripheral)などと呼ばれる装置である。データ送信装置1は、データ送信機能として、FAX送信機能およびスキャン送信機能を有しており、ユーザーによる指示操作に基づいて画像データの送信ジョブを実行する。またデータ送信装置1は、データ送信機能の他にも、プリント機能やコピー機能、ストレージ機能などの複数の機能を備えている。ただし、データ送信装置1は、必ずしも複数の機能を備えるものに限られず、FAX送信機能やスキャン送信機能などのデータ送信機能だけを備えたものであっても構わない。
このデータ送信装置1は、装置本体の上部に原稿読取手段であるスキャナ部19を備えている。スキャナ部19は、ユーザーによってセットされる原稿を読み取って送信対象となる画像データを生成するものである。
またデータ送信装置1は、装置本体の正面側に、ユーザーインタフェースとなる操作パネル16を備えている。操作パネル16は、ユーザーによって行われる各種操作入力を受け付けるための操作入力手段である。ユーザーは、データ送信装置1に対して送信ジョブの設定操作を行ったり、送信ジョブの確認操作を行ったりする際に、この操作パネル16に対して操作を行う。
図1に示すように、データ送信装置1は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク4に接続されており、そのネットワーク4に接続された他のコンピュータ5に対し、スキャン送信機能による画像データの送信を行うことが可能である。また、データ送信装置1は、電話回線やインターネットなどの公衆通信網6にも接続されており、その公衆通信網6を介して他の装置7に対し、FAX送信機能による画像データの送信を行うことも可能である。
そして本実施形態のデータ送信装置1は、画像データの送信を行う際には、第1のユーザー(例えば、一般従業員である送信者)によって設定された送信設定の詳細を、第1のユーザーとは異なる第2のユーザー(例えば、一般従業員の管理者)が確実に確認することを条件とし、第2のユーザーによる確認作業が完了した後に画像データの送信を行うように構成される。以下、このようなデータ送信装置1についてさらに詳しく説明する。
図2は、データ送信装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、データ送信装置1は、上述したスキャナ部19および操作パネル16の他、コントローラ10と、プリンタ部20と、FAXモデム21と、ネットワークインタフェース22とを備えている。
コントローラ10は、演算処理ユニットであるCPU11と、不揮発性メモリであるROM12と、揮発性メモリであるRAM13と、データの書き換え可能な不揮発性メモリであるNVRAM14と、ハードディスク装置であるHDD15とを備えて構成される。CPU11は、データ送信装置1への電源投入時に、ROM12に予め格納されているプログラムを読み出して実行することにより、各種の処理を実行する。ROM12は、そのようなプログラムを記憶するためのものである。RAM13は、CPU11がプログラムに基づく処理を実行する際に一時的なデータなどを記憶するためのものである。このRAM13には、画像データの送信時に、ユーザーによって設定されるジョブ情報なども一時的に保存される。NVRAM14は、データ送信装置1の管理者などによって予め設定される各種情報を記憶しておくためのメモリである。HDD15は、データ送信装置1において使用される様々な画像データなどを予め記憶しておくためのものである。例えば、本実施形態では、画像データの送信時に送信対象となる画像の表紙に対して添付するための各種カバーページに関する画像データがHDD15に予め保存されている。またカバーページの他にも、様々な画像データをHDD15に保存しておくことができる。
また上述した操作パネル16は、表示部17と操作部18とを備えている。表示部17は、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成され、操作パネル16を操作するユーザーに対して各種情報を表示する。操作部18は、その表示部17の表示画面上に配置されたタッチパネルキーと、表示画面の周囲に配置された押しボタンキーとによって構成され、ユーザーによる各種操作入力を受け付ける。
スキャナ部19は、上述したようにユーザーによってセットされる原稿を読み取って送信対象となる画像データを生成する。ただし、本実施形態では、送信対象となる画像データは必ずしもスキャナ部19が生成した画像データには限られず、例えばHDD15などに保存されている画像データを送信対象として指定することも可能である。
プリンタ部20は、画像データに基づいて印刷出力を行うものである。例えば、データ送信装置1は、公衆通信網6を介して他の装置7からFAXデータ(画像データ)を受信することも可能であり、FAXデータを受信した場合には、このプリンタ部20が動作して受信したFAXデータに基づく印刷出力を行う。
FAXモデム21は、FAX送信機能によって画像データの送受信を行うためのものでる。またネットワークインタフェース22は、ネットワーク4に接続された他のコンピュータ5と画像データなどの送受信を行うためのものである。
上記のように構成されるデータ送信装置1は、CPU11がプログラムを実行することにより、図3に示すように機能する。すなわち、図3は、データ送信装置1における機能構成の一例を示すブロック図である。CPU11がプログラムを実行することにより、コントローラ10は、ユーザー判別部30、確認設定登録部31、送信ジョブ設定部32、送信ジョブ確認部33およびジョブ制御部34として機能する。
ユーザー判別部30は、操作パネル16を操作するユーザーを判別する処理部である。このユーザー判別部30は、例えば操作パネル16に対してユーザーIDやパスワードなどの認証情報が入力されると、NVRAM14に予め格納されているユーザー情報40を読み出す。ユーザー情報40は、データ送信装置1を使用することが許可された複数のユーザーのそれぞれを識別するための情報であり、データ送信装置1の管理者によって予め登録される情報である。そしてユーザー判別部30は、操作パネル16に入力された認証情報が、ユーザー情報40に予め登録されている情報と一致するか否かを認証することにより、操作パネル16を操作するユーザーを判別する。
ただし、ユーザー判別部30は、上記のように操作パネル16に対して手動操作で入力されるユーザーIDやパスワードなどの認証情報に基づいて認証を行うものに限られない。例えばユーザーが所持しているICカードから読み取ったカード情報が、ユーザー情報40に予め登録されている情報と一致するか否かを認証するようにしても良い。また、ユーザーの指紋や静脈パターンなどを読み取って得られる生体情報が、ユーザー情報40に予め登録されている情報と一致するか否かを認証するようにしても良い。
上記のようにしてユーザー判別部30が操作パネル16を操作するユーザーを判別することができると、データ送信装置1の動作状態は、その判別されたユーザーによってログインされたログイン状態へと移行する。このログイン状態は、データ送信装置1に対して送信ジョブの設定操作や、既に設定された送信ジョブの確認操作を行うことができる動作状態である。一方、ユーザー判別部30がユーザーを判別することができなかった場合には、そのようなログイン状態へ移行することはない。
データ送信装置1がログイン状態へ移行すると、確認設定登録部31、送信ジョブ設定部32、送信ジョブ確認部33およびジョブ制御部34が機能するようになる。
確認設定登録部31は、例えばデータ送信装置1の管理者などがログインした場合に機能し、第1のユーザーが設定した送信ジョブを送信する際に、その第1のユーザーとは異なる第2のユーザーによる確認操作を行うか否かの設定を予め登録しておく処理部である。
図4は、確認設定登録部31によって表示部17に表示される確認操作設定画面の一例を示す図である。確認設定登録部31は、データ送信装置1の管理者などがログインした状態になると、図4(a)に示すような確認操作設定画面G10を表示することにより、第2のユーザーによって確認操作を行う項目の設定操作を受け付ける。
図4(a)に示す確認操作設定画面G10は、FAX送信に関する設定画面であり、その画面中央に、確認対象項目と、確認操作方法とを設定するための設定欄R10が表示されている。この設定欄R10には、確認対象項目として、「送信宛先」、「プレビュー表示」、「用紙サイズ」、「解像度」および「カバーページ」からなる複数の確認対象項目が含まれている。それら複数の確認対象項目の左側には、管理者によるタッチ操作ごとに選択状態と非選択状態とが切り替わるチェックボックスが表示されている。したがって、管理者はそれらチェックボックスに対するタッチ操作を行うことにより、複数の確認対象項目のうちから第2のユーザーによる確認操作の必要な項目を選択して設定することができる。尚、図4(a)の例では、「送信宛先」と、「プレビュー表示」と、「カバーページ」との3つの項目が第2のユーザーによる確認操作が必要な項目として選択された場合を示している。
また各確認対象項目の右側には、第2のユーザーによる確認操作方法を設定するプルダウンメニューが表示されている。管理者はそれらプルダウンメニューに対する操作を行うことにより、各確認対象項目に対して第2のユーザーが確認操作を行う際の操作方法を予め設定することができる。例えば、確認操作方法は、「再入力確認」と、「設定値確認」との2つの方法から選択可能となっており、管理者はプルダウンメニューを操作してそれら2つの方法のうちから第2のユーザーに行わせる確認操作方法を設定する。「再入力確認」は、第2のユーザーに対し、第1のユーザーが行った操作と同じ操作を行わせることにより、第1のユーザーによって設定された設定状態が正確な設定状態であるか否かを確認する方法である。また「設定値確認」は、第2のユーザーに対し、第1のユーザーが設定した設定値を表示し、その設定値に対する第2のユーザーの操作に基づいて第1のユーザーによって設定された設定状態が正確な設定状態であるか否かを確認する方法である。ただし、「プレビュー表示」に関しては、第2のユーザーに送信対象となる画像データを表示してその内容を確認させるものであるため、これについての確認操作方法は選択することができないようになっている。
また図4(a)の確認操作設定画面G10の左下隅には、確認ユーザー登録ボタンB10が表示されている。この確認ユーザー登録ボタンB10は、第1のユーザーが行った設定を確認する第2のユーザーを特定のユーザーに制限するためのボタンである。確認ユーザー登録ボタンB10が操作されると、図4(a)の確認操作設定画面G10は、図4(b)に示す画面G11に遷移する。図4(b)に示す確認操作設定画面G11では、第1のユーザーが行った設定を確認する第2のユーザーを特定のユーザーに制限する設定を行うことができる。図4(b)に示す例では、FAX送信時に第1のユーザーが行った送信設定を、ユーザーBが第2のユーザーとして確認操作を行う設定が行われている例を示している。この確認操作設定画面G11では、複数の特定ユーザーを第2のユーザーとして登録しておくことも可能である。また、この確認操作設定画面G11において、特定のユーザーが登録されていない場合には、第2のユーザーは特定に制限されず、第1のユーザーと異なるユーザーであれば、誰でも確認操作を行うことができる設定となる。
そして管理者は、図4(b)の確認操作設定画面G11においてOKボタンB12を操作すると、図4(a)の画面G10に戻る。そして図4(a)の確認操作設定画面G10においてOKボタンB11を操作すると、第2のユーザーによる確認操作を行うか否かの設定操作が完了する。尚、上記においてはFAX送信の場合を例示したが、スキャン送信についても同様の操作を行うことによって設定を行うことができる。
確認設定登録部31は、上記のようにして第2のユーザーによる確認操作を行うか否かの設定が行われると、確認登録情報41を生成し、NVRAM14に格納する。図5は、確認設定登録部31によって生成される確認登録情報41の一例を示す図である。図5に示すように、この確認登録情報41には、複数の確認対象項目のそれぞれに対し、管理者によって設定された第2のユーザーによる確認操作が必要であるか否かの情報が記録されると共に、管理者によって選択された確認操作方法が記録されている。また、第2のユーザーが特定のユーザーに制限されている場合は、その特定ユーザーに関する情報が確認登録情報41に記録される。尚、このような確認登録情報41は、例えばFAX送信やスキャン送信といった送信種別ごとに作成され、NVRAM14に格納される。また、このような確認登録情報41は、データ送信装置1において画像データの送信ジョブが実行されるときに参照される情報であるため、送信ジョブが実行される前に予め登録されていることが好ましい。
次に送信ジョブ設定部32は、ユーザー判別部30において判別された第1のユーザーによって行われる送信ジョブに関する設定操作に基づいて送信ジョブを設定する処理部である。この送信ジョブ設定部32は、操作パネル16の表示部17に、送信ジョブを設定するためのジョブ設定画面を表示し、その画面に対して行われる第1のユーザーの設定操作に基づいて送信ジョブを設定する。そして、その送信ジョブに関するジョブ情報42を生成し、RAM13に格納する。
RAM13に格納されるジョブ情報42には、第1のユーザーによって設定される様々な設定情報が含まれる。例えば、FAX送信の場合、FAX番号などの送信宛先に関する情報、スキャナ部19が原稿の読み取り動作を行うときの読み取り設定(用紙サイズや解像度に関する設定を含む)に関する情報、送信対象となる画像データに添付するカバーページに関する情報などが含まれる。
またジョブ情報42は、予め送信対象となる画像データが含まれるようにして生成されることが好ましい。そのため、例えばスキャナ部19にセットされた原稿を読み取ることによって送信対象となる画像データが取得されるような場合、送信ジョブ設定部32は、第1のユーザーによって設定操作が行われた後、送信ジョブの実行開始を指示するスタートキーが操作されることに伴い、スキャナ部19を動作させて送信対象となる画像データを取得し、その画像データを含めたジョブ情報42を生成することが好ましい。また、例えばHDD15に予め記憶されている画像データが送信対象として指定された場合には、HDD15からその指定された画像データを読み出し、その画像データを含めたジョブ情報42を生成することが好ましい。
送信ジョブ確認部33およびジョブ制御部34は、送信ジョブ設定部32によって第1のユーザーが設定した送信ジョブに関するジョブ情報42がRAM13に格納されることに伴って機能する処理部である。
ジョブ制御部34は、RAM13にジョブ情報42が格納されると、NVRAM14に予め格納されている確認登録情報41を読み出し、RAM13に格納されたジョブ情報42の送信種別が第2のユーザーによる確認操作が必要な送信種別であるか否かを判別する。その結果、第2のユーザーによる確認操作が必要な送信種別である場合、ジョブ制御部34は、第2のユーザーによる確認操作が完了するまで、RAM13に格納されたジョブ情報42に基づく送信ジョブの実行を禁止する。
送信ジョブ確認部33は、第1のユーザーによって設定された送信ジョブを、第1のユーザーとは異なる第2のユーザーに確認させるための処理を行うものである。この送信ジョブ確認部33は、RAM13にジョブ情報42が格納されているとき、ユーザー判別部30においてそのジョブ情報42を設定した第1のユーザーとは異なる第2のユーザーが判別されることに伴って機能する。そして送信ジョブ確認部33は、第1のユーザーによって設定された確認対象項目の確認操作を第2のユーザーに行わせる。
このとき、送信ジョブ確認部33は、NVRAM14に予め格納されている確認登録情報41を読み出し、確認登録情報41に記録されている情報に基づいて確認操作のための処理を実行する。例えば、確認登録情報41において、確認操作を行う第2のユーザーが特定のユーザーに制限されている場合、送信ジョブ確認部33は、まず、ユーザー判別部30によって判別された第2のユーザーが確認登録情報41に記録されている特定ユーザーであるか否かを判断する。その結果、特定ユーザーであれば、確認操作のための処理を開始する。これに対し、ユーザー判別部30で判別された第2のユーザーが確認登録情報41に記録されている特定ユーザーでない場合は、確認操作のための処理を開始することなく、処理を終了する。また、確認登録情報41において、確認操作を行う第2のユーザーが特定のユーザーに制限されていない場合、送信ジョブ確認部33は、ユーザー判別部30によって第1のユーザーとは異なる第2のユーザーが判別されることにより、確認操作のための処理を開始する。
送信ジョブ確認部33は、確認操作のための処理を開始すると、RAM13に格納されているジョブ情報42を読み出し、第1のユーザーによって設定された全ての確認対象項目の設定値を抽出する。また送信ジョブ確認部33は、確認登録情報41において、第2のユーザーによる確認操作が必要な設定がなされている確認対象項目を特定すると共に、その特定した確認対象項目について設定されている確認操作方法を特定する。そして送信ジョブ確認部33は、その特定した確認対象項目について第1のユーザーが設定した設定値が正しく設定されているか否かを、特定した確認操作方法によって第2のユーザーに確認させる。
このとき送信ジョブ確認部33は、操作パネル16の表示部17に、送信ジョブの確認操作を行うための確認操作画面を表示し、その画面に対して行われる第2のユーザーの確認操作に基づいて、第2のユーザーによる確認が必要な確認対象項目に対して設定されている情報の正否を判別する。
そしてジョブ制御部34は、送信ジョブ確認部33において、第2のユーザーによる確認が必要な全ての確認対象項目に対して設定されている情報が正確であると判別されることを条件として、RAM13に格納されたジョブ情報42に基づく送信ジョブの送信を許可する。ジョブ制御部34は、送信ジョブの送信を許可すると、RAM13に格納されているジョブ情報42を、FAXモデム21又はネットワークインタフェース22に出力し、ジョブ情報42において指定されている送信宛先に送信する。
次に、第1のユーザーが送信ジョブの設定操作を行うときに操作パネル16に表示されるジョブ設定画面と、第2のユーザーが送信ジョブの確認操作を行うときに操作パネル16に表示される確認操作画面とを参照しつつ、第1のユーザーと第2のユーザーのそれぞれが行う操作について順に説明する。尚、以下においては、FAX送信を例に挙げて説明する。
図6および図7は、第1のユーザーが操作する画面の一例を示す図である。まず、図6(a)に示すように、ログイン操作画面G20が表示されている状態で、第1のユーザーであるユーザーAが自身のユーザーIDやパスワードなどの認証情報を入力し、OKボタンB20を押すと、ユーザー判別部30が機能し、第1のユーザーがユーザーAであることを判別する。その結果、データ送信装置1は、ユーザーAがログインしたログイン状態へと移行する。これに伴い、送信ジョブ設定部32が機能し、操作パネル16の表示部17に表示される画面は、図6(a)示すログイン操作画面G20から、図6(b)に示すようにユーザーAがFAX送信に関する設定操作を行うことができるFAX送信設定画面G21に遷移する。
図6(b)に示すFAX送信設定画面G21には、送信宛先を表示する宛先表示欄R20と、ユーザーAが操作可能な複数のキーボタンB21,B22,B23,B24が表示されている。宛先表示欄R20には、例えばユーザーAがテンキーなどを操作することによってFAX番号などの送信宛先を操作入力することができる。またユーザーAは、アドレス帳のキーボタンB21を操作することによってデータ送信装置1に予め登録されているアドレス一覧を表示させ、そのアドレス一覧の中から一の送信宛先を選択することも可能である。この場合、宛先表示欄R20には、ユーザーAによってアドレス一覧の中から選択された一の送信宛先に対応するFAX番号などが表示される。
またユーザーAは、自身で送信対象となる画像データをプレビュー表示して確認したい場合には、原稿プレビューのキーボタンB22を操作して確認する。例えばスキャナ部19にセットされた原稿を読み取ることによって送信対象となる画像データが取得されるような場合には、ユーザーAによって送信ジョブの実行開始を指示するスタートキーの操作ボタンB24が操作されることによって原稿の読み取り動作が行われるため、画像データのプレビュー表示は、原稿の読み取り動作が終了した後に行われることになる。
またユーザーAは、送信ジョブに関するその他の詳細な設定を行う場合は、詳細設定のキーボタンB23を操作することにより行う。詳細設定のキーボタンB23が操作されると、図示を省略する詳細設定画面が表示部17に対して表示されるようになる。そしてユーザーAは、その詳細設定画面に対する操作を行うことにより、原稿読み取り時の用紙サイズや解像度などをデフォルト値から設定変更したり、或いは、送信対象となる画像データにHDD15に格納されているカバーページを添付したりする設定を行うことができる。
そしてユーザーAは、上記のようにして設定操作を行うと、最後にスタートキーのキーボタンB24を操作する。これにより、ユーザーAによる送信ジョブの設定操作は全て完了する。ユーザーAによるスタートキーの操作に伴い、上述したように、スキャナ部19が作動し、送信対象となる画像データが生成される。そして送信ジョブ設定部32において生成されるジョブ情報42がRAM13に格納された状態となる。
またユーザーAがスタートキーを操作することに伴い、ジョブ制御部34が機能し、ユーザーAによって設定された送信ジョブを直ちに送信するか否かを判断する。そして確認登録情報41において第2のユーザーによる確認操作が必要な送信ジョブであれば、その送信ジョブを直ちに送信することなく、第2のユーザーによって確認操作が行われるまで、待機する状態となる。このとき、操作パネル16の表示部17には、図7に示すような画面G22が表示される。すなわち、図7の画面G22では、他のユーザーによる確認操作が必要であることがユーザーAに報知されるようになっている。そして図7の画面G22が表示されている状態で、ユーザーAがOKボタンB25を操作すると、ユーザーAはデータ送信装置1からログアウトする。これにより、データ送信装置1は、第2のユーザーがログインするのを待機する状態となる。
図8乃至図12は、第2のユーザーが操作する画面の一例を示す図である。上述したように第1のユーザーであるユーザーAが送信ジョブの設定操作を行った後、確認操作を行う第2のユーザー、すなわちユーザーBがログインすると、送信ジョブ確認部33が機能し、操作パネル16の表示部17には、図8(a)に示すような確認操作画面G30が表示される。この確認操作画面G30には、送信宛先を表示する宛先表示欄R20と、ユーザーBが操作可能な複数のキーボタンB21,B22,B23,B31,B32が表示される。このうち宛先表示欄R20およびキーボタンB21,B22,B23は、図6(b)のFAX送信設定画面G21で表示されていたものと同様のものである。
そして図5に示した確認登録情報41が予め登録されているとすると、ユーザーBが確認操作を行うべき確認対象項目は、「送信宛先」と、「プレビュー表示」と、「カバーページ」との3つの項目である。これら3つの項目のうち、「送信宛先」は宛先表示欄R20に対応し、「プレビュー表示」は原稿プレビューのキーボタンB22に対応し、「カバーページ」は詳細設定のキーボタンB23に対応する。そのため、図8(a)のような確認操作画面G30が表示されると、ユーザーBが確認操作を行うべき領域、すなわち、宛先表示欄R20と、キーボタンB22と、キーボタンB23との3つの領域が、通常の表示態様とは異なる第1の表示態様で表示される。この第1の表示態様は、ユーザーBによる確認操作が行われていない項目を表示するものであり、例えば黄色で点滅表示を行う表示態様となっている。このように第2のユーザーであるユーザーBがログインしたとき、ユーザーBが確認操作を行うべき箇所を第1の表示態様で表示することにより、ユーザーBに対して確認操作の必要な箇所を報知することができる。
また、図5の確認登録情報41において、「送信宛先」に対応する確認操作方法には、再入力確認が設定されている。そのため、宛先表示欄R20には、ユーザーAが入力したFAX番号などの送信宛先は表示されない状態となっており、ユーザーBに送信宛先の再入力が促される。そしてユーザーBは、宛先表示欄R20をタッチ操作すると、図8(a)の確認操作画面G30は、図8(b)に示す確認操作画面G31へと遷移する。そしてユーザーBは、テンキーなどを操作することによってFAX番号などの送信宛先を宛先表示欄R20へ入力することができるようになる。ユーザーBは送信宛先の入力操作を完了すると、次にOKボタンB32を操作する。このとき、ユーザーBによる「送信宛先」に対する確認操作が完了したことになる。すると、操作パネル16に表示される画面は、図8(b)の確認操作画面G31から図9(a)に示す確認操作画面G32に遷移する。図9(a)の確認操作画面G32は、図8(a)に示した画面G30と同じ画面構成となっている。
そのような画面遷移が行われるとき、送信ジョブ確認部33は、ユーザーBが再入力した送信宛先と、ユーザーAによって設定された送信宛先とが一致するか否かを判断する。その結果、両者の送信宛先が一致した場合には、ユーザーAによって設定された送信宛先が正しい設定であると確認することができる。この場合、図9(a)に示す確認操作画面G32が表示されると、宛先表示欄R20の領域が、通常の表示態様とは異なり、且つ、上述した第1の表示態様とも異なる第2の表示態様で表示される。この第2の表示態様は、ユーザーBによる確認操作が行われた項目を表示するものであると共に、ユーザーAによる設定が正しい設定であることを表示するものである。例えば、この第2の表示態様は、青色による点灯表示を行う表示態様となっている。
またユーザーBが再入力した送信宛先と、ユーザーAによって設定された送信宛先とが一致しなかった場合には、ユーザーAによって設定された送信宛先が間違った設定であると確認することができる。この場合、図9(a)に示す確認操作画面G32が表示されると、宛先表示欄R20の領域が、通常の表示態様とは異なり、且つ、上述した第1および第2の表示態様とも異なる第3の表示態様で表示される。この第3の表示態様は、ユーザーBによる確認操作が行われた項目を表示するものであると共に、ユーザーAによる設定が間違った設定であることを表示するものである。例えば、この第3の表示態様は、赤色による点灯表示を行う表示態様となっている。
次にユーザーBが原稿プレビューのキーボタンB22を操作すると、図9(a)の確認操作画面G32が、図9(b)の確認操作画面G33に遷移する。図9(b)の確認操作画面G33では、送信対象となる画像データが1ページずつプレビュー表示されるようになっている。ユーザーBは、この確認操作画面G33に対するページ更新操作を行っていくことにより、送信対象となる画像データに含まれる全ページの画像を確認する。このとき、ユーザーBが送信対象の画像データが間違った画像データであることに気付いた場合には、図9(b)の確認操作画面G33において下部に表示されているNGボタンを操作することにより、ユーザーAによって設定された画像データが間違った画像データであることを指示することができる。
そしてユーザーBの操作によって全ページの画像がプレビュー表示されると、図9(b)の確認操作画面G33は、図10(a)の確認操作画面G34へと遷移する。図10(a)に示す確認操作画面G34では、ユーザーBが全ページのプレビュー表示を行ったことに伴い、OKボタンB33が表示されるようになる。そしてユーザーBは、そのOKボタンB33を操作することにより、ユーザーAによって設定された画像データが送信対象として正しい画像データであることを指示することができる。このように本実施形態では、ユーザーBがプレビュー表示によって送信対象となる画像データの確認操作を行う場合、送信対象となる画像データに含まれる全ページのプレビュー表示が完了したことを条件としてOKボタンB33が表示される。そしてユーザーBによってそのようなOKボタンB33が操作されることにより、送信ジョブ確認部33は、送信対象としてユーザーAによって設定された画像データが正確であると判別することができる構成である。
ユーザーBによる「プレビュー表示」の確認操作が完了すると、操作パネル16に表示される画面は、図10(a)の確認操作画面G34から図10(b)に示す確認操作画面G35に遷移する。この図10(b)の確認操作画面G35は、図8(a)に示した画面G30と同じ画面構成となっている。
この画面遷移が行われるとき、送信ジョブ確認部33は、ユーザーBによって確認された送信対象となる画像データが正確であるか否かを判断する。その結果、画像データが正確である場合には、図10(b)に示す確認操作画面G35が表示されると、原稿プレビューのキーボタンB22が、例えば青色による点灯表示が行われる第2の表示態様で表示される。これに対し、ユーザーBがプレビュー表示中にNGボタンを操作した場合には、ユーザーAによって設定された画像データが間違っていることになるため、図10(b)に示す確認操作画面G35が表示されると、原稿プレビューのキーボタンB22が、例えば赤色による点灯表示が行われる第3の表示態様で表示される。
次にユーザーBが詳細設定のキーボタンB23を操作すると、図10(b)の確認操作画面G35が、図11(a)の確認操作画面G36に遷移する。図11(a)の確認操作画面G33は、ユーザーAによって設定された送信ジョブの詳細設定をユーザーBが確認するための画面となっている。また、この確認操作画面G33では、ユーザーBによる確認操作が必要なカバーページ表示欄R21が、例えば黄色での点滅表示を行う第1の表示態様となって表示される。そのため、ユーザーBは、カバーページに対する確認操作が必要であることを把握することができる。
また、図5の確認登録情報41において、「カバーページ」に対応する確認操作方法には、設定値確認が設定されている。そのため、カバーページ表示欄R21には、ユーザーAが選択して設定した設定値がそのまま表示される。すなわち、図11(a)の例では、カバーページ表示欄R21に、ユーザーAによって選択されたカバーページが「シートNo.1」に対応するカバーページであることが表示されている。確認操作方法が設定値確認である場合、ユーザーBは、その設定値に対するタッチ操作で確認操作を行うことができる。例えば、ユーザーBがユーザーAによる設定値が表示されたカバーページ表示欄R21に対して1回のタッチ操作を行うと、図11(a)の確認操作画面G36から図11(b)の確認操作画面G37へと遷移し、カバーページ表示欄R21は、黄色の点滅表示である第1の表示態様から青色の点灯表示である第2の表示態様に切り替わる。また、2回目のタッチ操作を行うと、そのカバーページ表示欄R21は、青色の点灯表示である第2の表示態様から赤色の点灯表示である第3の表示態様に切り替わる。その後、ユーザーBがカバーページ表示欄R21に対するタッチ操作を行う都度、カバーページ表示欄R21の表示態様は、第2の表示態様と第3の表示態様との間で交互に切り替わる。したがって、ユーザーBは、ユーザーAによって設定された設定値を確認し、その設定値が正しい設定値であれば、その設定値の表示態様が第2の表示態様となるように操作すれば良い。また、ユーザーAによる設定値が間違った設定値であれば、その設定値の表示態様が第3の表示態様となるように操作すれば良い。
そして詳細設定の確認操作が完了し、ユーザーBがOKボタンB34を操作すると、操作パネル16に表示される画面は、図11(b)の確認操作画面G37から図12(a)に示す確認操作画面G38に遷移する。この図12(a)の確認操作画面G38もまた、図8(a)に示した画面G30と同じ画面構成となっている。この画面遷移が行われるときにも、送信ジョブ確認部33は、ユーザーBによって確認操作の行われたカバーページに対応する確認対象項目が正確であるか否かを判断する。その結果、画像データが正確である場合には、図12(a)に示す確認操作画面G38が表示されると、ユーザーBによって確認操作の必要な全ての確認対象項目が第2の表示態様で表示された状態となる。そして、ユーザーBは全ての確認操作項目についての操作が完了したことを把握することできる。そしてユーザーBは、OKボタンB30を操作すると、確認操作のための処理は終了する。またユーザーBは、確認操作の途中であっても、キャンセルボタンB31を操作することにより、確認操作のための処理を終了させることができる。
送信ジョブ確認部33は、ユーザーBによる操作に基づいて確認操作のための処理を終了させるとき、ユーザーBによる確認操作の必要な項目であって、未だ確認操作の行われていない確認操作項目がある場合、操作パネル16に図12(b)に示すような確認操作画面G39を表示する。すなわち、この図12(b)の画面G39では、確認操作を終了しようとするユーザーBに対し、未確認の項目があることを報知する。尚、図例では、プレビュー表示が未確認であることを示している。ユーザーBは、このような画面G39が表示されたとき、戻るボタンB35を操作すると、確認操作を継続することができる。また終了ボタンB36を操作すると、ユーザーBによる確認操作の必要な確認操作項目が未確認の状態のまま確認操作のための処理が終了する。尚、ユーザーBが未確認の状態のままで確認操作を終了した場合には、送信ジョブは実行されることがなく、次にユーザーBがログインすることによって再び確認操作のための処理を開始する。
送信ジョブ確認部33は、上記のようにして第2のユーザーであるユーザーBによって行われる確認操作の操作状況を逐次管理する。例えば送信ジョブ確認部33は、RAM13にジョブ情報42が格納されることに伴い、そのジョブ情報42に対応する確認操作管理情報を生成しておき、第2のユーザーがログインして確認操作を行う度にその確認操作管理情報を更新していくことによって第2のユーザーによる確認操作の操作状況を管理するように構成される。
図13は、そのような確認操作管理情報43の一例を示す図である。送信ジョブ確認部33は、RAM13にジョブ情報42が格納されると、そのジョブ情報42に対応する確認操作管理情報43を図13(a)に示すような初期状態として生成する。このような確認操作管理情報43は、例えばジョブ情報42に1対1で関連付けた状態でRAM13に格納される。また確認操作管理情報43は、図13に示すように、第2のユーザーによる確認操作が必要な確認操作項目ごとに、第2のユーザーによる確認操作状況と、第1のユーザーによる設定の正否を示す情報とが記録される情報となっている。尚、図13(a)に示す初期状態では、第2のユーザーによる確認操作が必要な3つの確認操作項目の全てについて、第2のユーザーによる確認操作状況が未確認を示す情報となり、第1のユーザーによる設定の正否を示す情報はブランクとなる。
そして第2のユーザーが「送信宛先」の確認対象項目に対する確認操作を行うと、送信ジョブ確認部33は、図13(b)に示すように、確認操作管理情報43の「送信宛先」に対応する確認操作状況を確認済みに書き換える。また、送信ジョブ確認部33は、第1のユーザーが設定した送信宛先が正しい送信宛先であるか否かを示す情報を記録する。例えば、第1のユーザーが設定した送信宛先が正しい送信宛先である場合、第1のユーザーによる設定の正否を示す情報には、図13(b)のように「正」という情報が記録される。これに対し、間違った情報である場合には、「否」という情報が記録される。
次に第2のユーザーが「プレビュー表示」の確認対象項目に対する確認操作を行うと、送信ジョブ確認部33は、図13(c)に示すように、確認操作管理情報43の「プレビュー表示」に対応する確認操作状況を確認済みに書き換える。また、送信ジョブ確認部33は、第2のユーザーによる操作によって、第1のユーザーが送信対象として設定した画像データが正しい画像データであることが判明すれば、第1のユーザーによる設定が正しいことを示す情報を記録する。
さらに第2のユーザーが「カバーページ」の確認対象項目に対する確認操作を行うと、送信ジョブ確認部33は、図13(d)に示すように、確認操作管理情報43の「カバーページ」に対応する確認操作状況を確認済みに書き換える。また、送信ジョブ確認部33は、第2のユーザーによる操作によって、第1のユーザーが設定したカバーページが正しいカバーページであることが判明すれば、第1のユーザーによる設定が正しいことを示す情報を記録する。
このようにして送信ジョブ確認部33は、第2のユーザーによる確認操作に基づき、確認操作管理情報43を逐次更新していく。そして第2のユーザーによる確認操作が必要な確認対象項目の全てについて、確認操作状況が確認済みに書き換えられると、第2のユーザーによる確認操作が完了したことになる。
そしてジョブ制御部34は、上記のように送信ジョブ確認部33によって逐次更新される確認操作管理情報43を参照し、第2のユーザーによる確認操作が必要な全ての確認対象項目に対応する確認操作状況が確認済みとなり、且つ、全ての確認対象項目について第1のユーザーが設定した情報が正しい情報であることが確認されているか否かを判別する。そして第1のユーザーによって設定されている情報が全て正しいことが確認されていることを条件として、第1のユーザーによって設定された送信ジョブの送信を許可する構成である。
次に本実施形態のデータ送信装置1において行われる具体的な処理手順について説明する。図14乃至図16は、データ送信装置1において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、データ送信装置1のコントローラ10においてROM12に格納されているプログラムが読み出されて実行されることにより行われる処理である。尚、この処理が開始される前に、NVRAM14には予め上述したユーザー情報40や確認登録情報41が記憶された状態となっている。
データ送信装置1は、図14に示す処理を開始すると、第1のユーザーがログインした状態となるまで待機する(ステップS10)。そして第1のユーザーがログイン操作を行ってデータ送信装置1にログインした状態になると(ステップS10でYES)、上述した送信ジョブ設定部32が機能し、第1のユーザーによる設定操作に基づいて送信ジョブを設定する(ステップS11)。そして第1のユーザーによるスタートキーの操作によって送信ジョブの実行指示を検知すると(ステップS12)、送信ジョブ設定部32は、スキャナ部19を駆動して原稿の読み取り動作を行い、送信対象となる画像データを取得する(ステップS13)。その結果、RAM13には、送信対象となる画像データを含むジョブ情報42が格納される。またこのとき、必要に応じて確認操作管理情報43が生成され、ジョブ情報42に関連付けて格納される。
RAM13にジョブ情報42が格納されると、データ送信装置1は、そのジョブ情報42に設定された送信ジョブが第2のユーザーによる確認操作の必要なジョブであるか否かを判別する(ステップS14)。このときデータ送信装置1は、NVRAM14に予め格納されている確認登録情報41に基づいて第2のユーザーによる確認操作が必要であるか否かを判別する。そして確認操作が必要な場合(ステップS14でYES)、データ送信装置1は、第1のユーザーによる操作に基づいて第1のユーザーをログアウトさせ(ステップS15)、第2のユーザーがログインするのを待機する状態となる(ステップS16)。
その後、確認操作を行うべき第2のユーザーがログインした状態になると(ステップS16でYES)、データ送信装置1は、確認処理を実行する(ステップS17)。
図15は、この確認処理(ステップS17)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。データ送信装置1は、確認処理を開始すると、ジョブ情報42に関連付けられている確認操作管理情報43を読み出し(ステップS30)、さらにジョブ情報42を読み出す(ステップS31)。そして操作パネル16の表示部17に、第2のユーザーが確認操作を行うための確認操作画面を表示する(ステップS32)。
そしてデータ送信装置1は、第2のユーザーによって行われる確認対象項目に対する確認操作を検知すると(ステップS33)、それに伴い、確認操作管理情報43を更新すると共に(ステップS34)、表示部17に表示している確認操作画面を更新する(ステップS35)。以後、第2のユーザーが確認操作の終了を指示するまで、ステップS33,S34,S35の処理が繰り返し行われる(ステップS36でNO)。
そして第2のユーザーが確認操作の終了を指示すると(ステップS36でYES)、データ送信装置1は、第2のユーザーによる確認操作が必要な確認対象項目であって、第2のユーザーが未確認の項目があるか否かを判断する(ステップS37)。その結果、未確認の項目がある場合(ステップS37でYES)、図12(b)に示したような警告画面を表示する(ステップS38)。そしてデータ送信装置1は、第2のユーザーによる操作を検知すると、確認操作を終了するか否かを判断し(ステップS39)、第2のユーザーが確認操作継続を指示した場合には(ステップS39でNO)、ステップS33に戻って上述した処理を繰り返す。また第2のユーザーが警告画面に対して確認操作終了を指示した場合には(ステップS39でYES)、確認操作を終了する。
上記のような確認処理(ステップS17)が終了すると、図14のフローチャートに戻り、データ送信装置1は、第2のユーザーによる操作に基づいて第2のユーザーをログアウトさせる(ステップS18)。次に、データ送信装置1は、第2のユーザーによる確認操作によって送信ジョブが送信可能な状態になった否かを判別するための確認操作判別処理を実行する(ステップS19)。
図16は、その確認操作判別処理(ステップS19)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。データ送信装置1は、この処理を開始すると、確認操作管理情報43を読み出す(ステップS40)。そして第1のユーザーによって設定された送信ジョブに設置間違いが存在するか否かを判断する(ステップS41)。その結果、設定間違いがある場合(ステップS41でYES)、データ送信装置1は、第1のユーザーに再設定を促すための通知を行う(ステップS42)。この通知は、例えば第1のユーザーに対して電子メールを送信することにより行われる。ただし、電子メールの送信に限られるものではなく、操作パネル16の表示部17に対して、第1のユーザーに再度ログインして送信ジョブの再設定を促す表示を行うものであっても構わない。そして第1のユーザーに再設定を促すための通知を行うと、データ送信装置1は、送信ジョブの送信を不許可に設定する(ステップS43)。
一方、第1のユーザーによって設定された送信ジョブに設置間違いが存在しない場合(ステップS41でNO)、データ送信装置1は、第2のユーザーによる確認操作が必要な全ての確認対象項目について確認操作が完了しているか否かを判断する(ステップS44)。その結果、未確認の項目がある場合(ステップS44でNO)、データ送信装置1は、送信ジョブの送信を不許可に設定する(ステップS43)。また第2のユーザーによる未確認の項目がない場合(ステップS44でYES)、データ送信装置1は、送信ジョブの送信を許可する(ステップS45)。
上記のような確認操作判別処理(ステップS19)が終了すると、図14のフローチャートに戻り、データ送信装置1は、第2のユーザーによる確認操作によって送信ジョブの送信が許可されたか否かを判断する(ステップS20)。その結果、送信が不許可に設定されている場合(ステップS20でNO)、上述したステップS10に戻り、第1のユーザーが再びログインして再設定を行うのを待機する状態となる。これに対し、送信が許可されている場合(ステップS20でYES)、データ送信装置1は、第1のユーザーによって設定された送信ジョブの送信を開始する(ステップS21)。その後、送信ジョブの送信が完了すると、全ての処理が終了する。
尚、ステップS14において、第1のユーザーによって設定された送信ジョブが、第2のユーザーによる確認操作の不要なジョブであると判断された場合(ステップS14でNO)、データ送信装置1は、そのまま送信ジョブの送信を開始して処理を終了する(ステップS21)。
以上のように、本実施形態のデータ送信装置1は、第1のユーザーによって行われる送信ジョブに関する設定操作に基づいて送信ジョブを設定し、その送信ジョブに設定されている情報のうち、予め設定された確認対象項目における情報を、第1のユーザーとは異なる第2のユーザーに確認させるようになっている。そしてデータ送信装置1は、第1のユーザーとは異なる第2のユーザーによる確認操作を受け付けて、その確認対象項目に対して設定されている情報の正否を判別し、その確認対象項目に対して設定されている情報が正確であると判別されることを条件として、第1のユーザーによって設定された送信ジョブの送信を許可する構成である。つまり、本実施形態のデータ送信装置1は、第2のユーザーが確認操作を行うときには、予め設定された確認対象項目を全て確認する必要があり、未確認の確認対象項目が少なくとも1つあれば、送信ジョブが送信されないようになっている。そして第2のユーザーによる確認操作によって確認対象項目に第1のユーザーが設定した情報が正確であると判別されることにより、送信ジョブが送信される。そのため、第2のユーザーが第1のユーザーによって設定された送信ジョブの詳細を確認することなく、送信ジョブの実行だけを許可することはできないようになっており、送信ジョブの誤送信を良好に防止することができるという利点がある。特に、本実施形態のデータ送信装置1は、第1のユーザーによって指定された送信宛先を第2のユーザーに確実に確認させることができるため、間違った送信宛先に対してFAX送信などが行われてしまうことを良好に防止することができる。
また、上述したデータ送信装置1は、第1のユーザーによって送信対象として指定された画像データのプレビュー表示を行うとき、第2のユーザーによって行われるページ更新操作に基づいてプレビュー表示する画像データを更新していき、第2のユーザーによるページ更新操作によって送信対象となる画像データに含まれる全ページのプレビュー表示が完了することを条件として、第1のユーザーにより設定された画像データが正確であると判別する構成である。そのため、第2のユーザーが画像データに含まれる全ページをプレビュー表示で確認しない限り、送信ジョブが実行されないため、間違った内容の画像データが送信されてしまうことを良好に防止することもできる。
尚、上記においては、第2のユーザーがカバーページの確認を行う場合、第1のユーザーによって選択されたカバーページの設定値の確認を行うことを例示した。しかし、これに限らず、カバーページについても、送信対象となる画像データと同様に、プレビュー表示を行うことによって第2のユーザーにその内容を確認させるようにしても良い。この場合、データ送信装置1は、第2のユーザーによる操作に基づいて、第1のユーザーが選択したカバーページのプレビュー表示を行うことを条件として、送信対象として設定されているカバーページが正確であると判別するようになる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、データ送信装置1が、操作パネル16に対する手動操作によって入力される認証情報、或いは、ICカードから読み取ったカード情報や、ユーザーの生体から読み取った生体情報に基づいて、操作パネル16に対する操作を行うユーザーを判別する場合を例示した。そのため、第1の実施の形態では、第1のユーザーや第2のユーザーが操作パネル16に対する操作を行うためには、その都度はじめにログイン操作を行わなければならず、操作性の観点から好ましいものではない。
一方、近年では、人体を介して通信を行う人体通信技術が確立している。そのため、そのような人体通信技術を利用して操作パネル16を操作するユーザーを判別するようにしても良い。つまり、第1のユーザーと第2のユーザーは、それぞれ自身の認証情報を記録した携帯端末装置を所持しておき、操作パネル16の操作部18には、ユーザーがタッチ操作を行うと、そのタイミングで各ユーザーが所持している携帯端末装置と人体を介して通信を行う電極を設けておく。そうすると、上述したユーザー判別部30は、操作パネル16に対するタッチ操作が行われる都度、その操作を行うユーザーが所持している携帯端末装置から認証情報を自動取得してユーザー判別を行うことができるようになる。この場合、第1のユーザーおよび第2のユーザーは、操作パネル16を操作する際にログイン操作を行う必要がなくなるので、操作性が向上するという利点がある。
本実施形態は、上記のような人体通信技術によってユーザーの判別が行われる場合の一実施形態を例示するものである。尚、本実施形態においても、データ送信装置1の具体的な構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。以下においては、上述した第1の実施の形態とは異なる点である、データ送信装置1において行われる処理手順について説明する。
図17は、第2の実施の形態のデータ送信装置1において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、データ送信装置1のコントローラ10においてROM12に格納されているプログラムが読み出されて実行されることにより行われる処理である。尚、この処理が開始される前に、NVRAM14には予め上述したユーザー情報40や確認登録情報41が記憶された状態となっている。
データ送信装置1は、操作パネル16に対して操作が行われるのを待機する状態となっている(ステップS50)。そして操作パネル16に対する操作を検知すると(ステップS50でYES)、人体通信によって認証情報を取得し、ユーザー判別を行う。そしてデータ送信装置1は、操作パネル16を操作するユーザーが第1のユーザーである場合(ステップS51でYES)、操作パネル16の表示部17にジョブ設定画面を表示する。そして第1のユーザーによる設定操作に基づいて送信ジョブを設定する(ステップS52)。そして送信ジョブの送信が許可されたか否かを判断し(ステップS62)、許可されていない状態の場合にはステップS50に戻る。したがって、第1のユーザーが送信ジョブの設定操作を行う都度、ステップS50〜S52,S62の処理が繰り返し行われ、第1のユーザーによる操作に基づいて送信ジョブが設定されていく。
次に第1のユーザーにより設定された送信ジョブに関するジョブ情報42がRAM13に格納されている状態で、第2のユーザーが操作パネル16を操作すると(ステップS50でYES)、データ送信装置1は、人体通信によって第2のユーザーが所持する携帯端末装置から認証情報を取得し、ユーザー判別を行う。そしてデータ送信装置1は、操作パネル16を操作するユーザーが第1のユーザーではなく、第2のユーザーである場合(ステップS54でYES)、操作パネル16の表示部17に確認操作画面を表示する。そして第2のユーザーによる確認操作に基づいてその確認状況を反映させていく(ステップS55)。そしてデータ送信装置1は、第2のユーザーによる確認操作が行われる都度、第1のユーザーによる設定に設定間違いがあったか否かを判断する(ステップS56)。設定間違いがあった場合(ステップS56でYES)、データ送信装置1は、第1のユーザーに再設定操作を促す通知を行い(ステップS57)、送信ジョブの送信を不許可に設定する(ステップS58)。また、設定間違いがなかった場合(ステップS56でNO)、データ送信装置1は、第2のユーザーによって全ての項目が確認されたか否かを判断する(ステップS59)。その結果、未確認の項目がある場合(ステップS59でNO)、データ送信装置1は送信ジョブの送信を不許可に設定する(ステップS58)。これに対し、全項目の確認操作が完了している場合(ステップS59でYES)、データ送信装置1は、送信ジョブの送信を許可する(ステップS60)。
そしてデータ送信装置1は、送信ジョブの送信が許可されたか否かを判断し(ステップS62)、許可されていない状態の場合にはステップS50に戻る。したがって、第2のユーザーが送信ジョブの確認操作を行う都度、ステップS50,S51,S54〜S60,S62の処理が繰り返し行われ、第2のユーザーによる操作に基づいて送信ジョブの確認処理が進められていく。
尚、操作パネル16を操作するユーザーが第1のユーザーでなく、また第2のユーザーでもない場合(ステップS54でNO)、データ送信装置1は、その他の処理を実行し(ステップS61)、他のユーザーによって行われる操作に基づいた処理を行う。
そして最終的に第1のユーザーによって設定された送信ジョブの送信許可が与えられた場合(ステップS62でYES)、データ送信装置1は、その送信ジョブの送信を開始する(ステップS63)。その後、送信ジョブの送信が完了すると、全ての処理が終了する。
以上のように本実施形態のデータ送信装置1は、操作パネル16に対する操作を行うユーザーの人体を介して、そのユーザーが所持する携帯端末装置との通信を行うことにより、その携帯端末装置から取得するユーザーの識別情報に基づいて、操作パネル16に対する操作が行われる都度、ユーザーの判別を行うように構成される。そのため、第1のユーザーが送信ジョブの設定操作を行うとき、或いは、第2のユーザーが確認操作を行うときには、ログイン操作を行う必要がなくなるので、操作性が向上するという利点がある。例えば、第1のユーザーと第2のユーザーとが頻繁に入れ替わりながら送信ジョブの設定操作と確認操作とを同時並行で行っていく場合には、作業効率が著しく向上する。また、第2のユーザーによる確認操作によって設定間違いが発見され、第1のユーザーがその間違いを修正するために再度設定操作を行う場合にも、その都度ログイン操作を行う必要がなくなるので、操作性が向上する。
(変形例)
以上、本発明に関する好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。以下、いくつかの変形例について説明する。
例えば、上記実施形態では、第1のユーザーがスキャナ部19にセットした原稿を読み取って送信対象となる画像データを取得する場合に、第1のユーザーがスタートキーを操作することに伴って原稿の読み取り動作を開始する場合を例示した。しかし、原稿の読み取り動作を行うタイミングは、上述したものに限られるものではなく、例えば第2のユーザーがプレビュー表示によって送信対象となる画像データの内容を確認するための操作を行ったタイミングであっても構わない。また、第2のユーザーが送信対象として設定されている画像データを確認する必要がない場合には、第2のユーザーによる確認操作が完了したタイミングで原稿の読み取り動作を開始するものであっても構わない。
また上記実施形態では、主として送信ジョブの送信種別がFAX送信である場合を例示したが、FAX送信に限られるものでもない。例えば、送信種別がスキャン送信である場合であっても、上記と同様である。
また上記実施形態では、第2のユーザーが確認操作を行うときに表示される確認操作画面G30(図8(a)参照)が、送信ジョブの設定を行うときの画面G21(図6(b)参照)と同様の画面構成である場合を例示した。しかし、確認操作画面G30の画面構成はそれに限られるものではない。例えば、送信ジョブ確認部33は、確認操作画面G30を生成するとき、第2のユーザーによる確認操作が必要な複数の確認対象項目の全てを、一つの画面に集約させた画面を生成するようにしても良い。そのような画面を生成すれば、第2のユーザーが確認操作を行うときの画面遷移回数を低減することができるため、効率的に確認操作を行うことができるようになる。
また上記実施形態では、図5に示したような確認登録情報41が予め登録されている場合での第2のユーザーによる確認操作の一態様を説明した。しかし、第2のユーザーによる確認操作の態様は、確認登録情報41の内容に応じて異なるものとなる。そのため、第2のユーザーが確認操作を行う場合の具体的な操作態様は、上述したものに限られない。