JP5826572B2 - O/w型エマルジョンのヘアーコンディショニング組成物 - Google Patents

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本発明は、水分を多く含んだ毛髪に適用しても優れたコンディショニング効果が得られる組成物に関する。
毛髪用のコンディショニングは毛髪表面に対するなじみが充分ではなく、また持続性も弱かった。これに対応すべく、常温液状の高級アルコールや高重合ポリエチレングリコール等の配合やによってその改善が試みられてきた。(特許文献1〜2)
また、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、高級アルコール、1分子内に水酸基を3個以上有する多価アルコール等の含有量を規定し、さらに乳化方法を工夫して上記の問題点の改良が試みられている。(特許文献3)
特開平10−7532号公報 特開平10−330226号公報 特開2007−269740号公報
製剤として必要な硬さを持ちながら、水溶けもよく、シャンプー後の湿った毛髪に対して、吸着性がよく、のびがよい等のヘアーコンディショニングに求められる品質の多くを改良した組成物を得ることにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の成分を含むO/W型エマルジョンのヘアーコンディショニング組成物が本課題を解決することがわかった。
A.陽イオン界面活性剤
B.ポリグリセリン変性シリコーン、油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステルから選択される1種以上
C.高級アルコール10〜30重量%
D.グリセリン15〜40重量%
で且つ、以下の条件を満たす。
A:C=1:1〜1:10で、C:D=5:4〜1:4(重量比)
さらに下記の範囲に限定するとさらに良好な結果が得られた。
A.陽イオン界面活性剤 2〜10重量%
B.ポリグリセリン変性シリコーン、油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステルから選択される1種以上
C.高級アルコール10〜20重量%
D.グリセリン20〜40重量%
で且つ、以下の条件を満たす。
A:C=1:1〜1:5で、C:D=2:3〜2:5(重量比)
本発明に用いる陽イオン界面活性剤としては、四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤又は三級アミン型カチオン界面活性剤が好ましい。
四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤としては、式3で表されるものが好ましく、三級アミン型カチオン界面活性剤としては、式4で表されるものが好ましい。
〔式中、R3、R4、R5及びR6のうち、1個又は2個は、総炭素数8〜35の、−O−、−CONH−、−NHCO−、−OCO−もしくは−COO−で表される官能基で分断又は−OHで置換されていてもよい、炭化水素基あるいは脂肪族アシルオキシ(ポリエトキシ)エチル基を示し、残りは独立して炭素数1〜4のアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基又ポリオキシエチレン基を示し、X-はハロゲンイオン又は有機アニオンを示す。〕
〔式中、R7、R8及びR9のうち、1個は、総炭素数8〜35の、−O−、−CONH−、−NHCO−、−OCO−もしくは−COO−で表される官能基で分断又は−OHで置換されていてもよい、炭化水素基を示し、残りは独立して炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕
以上の四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤、三級アミン型カチオン界面活性剤の1種または2種以上を選択して用いればよい。
なかでも本発明者らが鋭意検討したところ、式2の四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤が最も本発明に適していることがわかった。
これに加えて、塩化N-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]加水分解ペプチド、特に加水分解ペプチドが、加水分解コンキオリンである場合にこれを加えると有効性が増すこともわかった。
以上の陽イオン界面活性剤を1種以上配合するが、その配合量は1〜20%、好ましくは2〜10%配合する。
次に、ポリグリセリン変性シリコーン、油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステルから選択される1種以上を配合する。
ポリグリセリン変性シリコーンには側鎖、片末端、両末端、側鎖両末端型、架橋型と様々存在し特段の限定はないが、そのなかでも式1の物質が好ましい。
なお、R1、R2はグリセリンの重合体の残基、nは10〜10000
さらに式1のなかでも、R1、R2はグリセリル基が3個以上結合し、かつ、そのうちの少なくとも1つが分岐グリセリル基である分岐ポリグリセリル鎖を示す物質が最も好ましい。
油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステルについて記載すると、まず長鎖アシル基としては炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基で例えばラウリン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸等の単一組成の脂肪酸によるアシル基の他に、ヤシ油脂肪酸,牛脂脂肪酸,硬化牛脂脂肪酸等の天然より得られる混合脂肪酸あるいは合成により得られる脂肪酸(分枝脂肪酸を含む)のアシル基であってもよい。
酸性アミノ酸としてはアスパラギン酸、グルタミン酸から選ばれる。
これにエステル結合するアルコールは、炭素数8〜30の飽和、不飽和、分岐の脂肪族アルコール類、コレステロール、ラノステロール、スティグマステロールおよびこれらの水添物およびこれらの配合物などのコレステロール類が例示でき、これらの単独または混合物のモノ或いはジエステルあるいはその混合物が利用される。
実際にはN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル・ベへニル・オクチルドデシル)が本発明に用いるのに市販もされており、物性的にも利用価値が高い。
これら、ポリグリセリン変性シリコーン、油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステルから選択される1種以上配合するが、ポリグリセリン変性シリコーン、油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステルそれぞれ1種以上配合する方がより本発明の主旨を達成できる。
これらの配合量はポリグリセリン変性シリコーン、油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステルの種類、他の原料の種類や量、製剤の目的によって大きく変化するが、0.5〜15%、好ましくは1〜10%を配合する。
次に、高級アルコールですが、その具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、べへニルアルコールなどを例示することができる。これら成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。好適な高級アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、べへニルアルコールを用いることが好ましい。
高級アルコールの配合量は高級アルコールの種類、他の原料の種類や量、製剤の目的によって大きく変化するが10〜30重量%、好ましくは10〜20重量%を配合する。
さらにグリセリンを配合する。グリセリンは15〜40重量%、、好ましくは20〜40重量%配合すると本発明の目的を達する。
各成分の比率でみると、A:C=1:1〜1:10で、C:D=5:4〜1:4(重量比)、さらに好ましくは、A:C=1:1〜1:5で、C:D=2:3〜2:5(重量比)が良好な結果を得られる比率である。
以上の原料のほかにも必要に応じて、種々の原料を配合する。
シリコーン類は毛髪に滑らかさと光沢を与える目的で配合される。メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン等が配合される。
また、コンディショニング効果を持たせるために、カチオン化高分子を配合する場合が多い。
カチオン化高分子としては、カチオン基又はカチオン基にイオン化され得る基を有するポリマーをいい、全体としてカチオン性となる両性ポリマーも含まれる。すなわち、カチオン性ポリマーとしては、ポリマー鎖の側鎖にアミノ基又はアンモニウム基を含むか、又はジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む水溶性のものである。例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体、4級化ポリビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。具体例としては、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸アミド共重合体、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、カチオン化セルロース誘導体等を挙げることができる。
このほか、油分を例示すれば、天然動植物油脂例えば、オリーブ油、ミンク油、ヒマシ油、パーム油、牛脂、ヤシ油、ヒマシ油、カカオ油、マカデミアナッツ油等;蝋例えば、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等;高級脂肪酸例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等;炭化水素類例えば、流動パラフィン、固形パラフィン、スクワラン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等;合成エステル油例えば、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸オレイル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
これに必要に応じて陽イオン界面活性剤以外の界面活性剤を配合する。
界面活性剤は非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤、タンパク質加水分解物の誘導体、高分子界面活性剤、チタン・ケイ素を含む界面活性剤、フッ化炭素系界面活性剤)等が多くの場合に利用される。
また、グリセリン以外の多価アルコールを配合することも可能であるが、グリセリンの30%以下の配合量にすると良好な製剤が得られる。
さらには、ピリチオン亜鉛、ピロクトンオラミン、イオウ等のフケ防止剤、クエン酸、リン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン等のpH調整剤、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の増粘剤、ビタミン類、加水分解ポリペプタイド、アミノ酸類、色素、香料等々その他ヘアーコンディショニング組成物に必要な原料を配合する。
製造方法は、油相、水相をそれぞれ加温溶解し、その後混ぜ合わせて乳化する一般的な方法で行うばよい。
実施例1〜5、比較例1〜4を以下の表1のように作成した。(表1の数字は重量部を表す)
なお、注の成分は以下の商品を用いた。
注1)ダウコーニング社製、商品名CB1556
注2)ダウコーニング東レ社製、商品名SM8904
注3)旭化成ワッカー社製、商品名HC2420

作成した実施例1〜5、比較例1〜4を以下の手順で評価した。
水への分散性は、各検体 2gを、水98gに投入攪拌し(マグネットスターラー)、確認した。
毛束をシャンプーで洗浄したのもに検体を塗布し、官能評価を行った。
各検体について高温に対する硬度安定性を評価した。
各評価項目についてスコア(非常に良い:5、良い:4、やや良い:3、あまり良くない:2、悪い:1)をつけた。
その結果を表2に示す。
評価結果より、以下の成分を含むO/W型エマルジョンのヘアーコンディショニング組成物はヘアトリートメントに求められる品質のすべてを満たすことがわかった。
A.陽イオン界面活性剤
B.ポリグリセリン変性シリコーン、油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステルから選択される1種以上
C.高級アルコール10〜30重量%
D.グリセリン15〜40重量%
で且つ、以下の条件を満たす。
A:C=1:1〜1:10で、C:D=5:4〜1:4(重量比)
さらに下記の範囲に限定すると、さらに非常に良好な結果が得られた。
A.陽イオン界面活性剤 2〜10重量%
B.ポリグリセリン変性シリコーン、油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステルから選択される1種以上
C.高級アルコール10〜20重量%
D.グリセリン20〜40重量%
で且つ、以下の条件を満たす。
A:C=1:1〜1:5で、C:D=2:3〜2:5(重量比)
これ以外も表3のように実施例を作成したみたところ、良好な結果を得られることを確認した。(表3の数字は重量部を表す)
また、注の成分は以下の商品を用いた。(注2、注3は段落番号0020に記載したので省略する)
注4)日油社製、商品名カチオンVB−800E
注5)信越化学工業社製、商品名KF−6100
注6)信越化学工業社製、商品名KF−9011

Claims (1)

  1. 以下の成分を含むO/W型エマルジョンのヘアーコンディショニング組成物
    A.式2の化合物
    B.式1の化合物のポリグリセリン変性シリコーンと、油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステル
    C.高級アルコール10〜30重量%
    D.グリセリン15〜40重量%
    で且つ、以下の条件を満たす。
    A:C=1:1〜1:10で、C:D=5:4〜1:4(重量比)

    (なお、R1、R2はグリセリンの重合体の残基、nは10〜10000)
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