以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
図1は、本実施形態に係る製本システムの構成を示す図である。図1では、複数の装置が相互に連結され、複雑なシート処理を実施可能に構成されている。以下、詳しく説明する。
プリンタ装置1000は、画像データを基にメディア(シート)にトナー等の現像剤を用いて画像を印刷する。このプリンタ装置1000の一般的な構成及び動作原理は下記の通りである。画像データに応じて変調された、例えばレーザ光などの光線を回転多面鏡(ポリゴンミラー等)に入射することにより、その回転多面鏡により反射された反射走査光が感光ドラムを走査しながら照射する。これにより感光ドラムの表面には、その画像データに応じた静電潜像が形成され、この静電潜像はトナーによって現像され、転写ドラムに貼り付けられたシートに転写される。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーを使用して順次実行することによりフルカラー画像が形成される。またこれら4色に加え、特色と呼ぶトナーや、透明トナーなどを転写可能とする構成としても良い。こうしてフルカラー画像が転写されたシートは定着器へ搬送される。定着器は、ローラやベルトの組み合わせによって構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシートのトナーを熱と圧力によって溶解、定着させる。尚、本実施形態に係るプリンタ装置1000には、スキャナ224及び操作部204が設けられている。この操作部204はプリンタ装置1000の上面に配置されている。この操作部204は、本実施形態に係るプリンタ装置1000の各種設定や操作などをオペレータが行う場合の各種インタフェースを提供する。
大容量給紙装置221,222,223は、この製本システムに脱着可能に構成される給紙装置である。図示するように、複数の給紙装置を接続できるため、大量の印刷処理であっても連続して実行できる。大容量スタッカ225,226は、大量に出力された印刷済みのシートを内部にストックできる。大容量給紙装置221〜223のような大容量の給紙装置を備えるシステムでは、大量の印刷物が生成されるため、このようなスタッカが必要となる。図1の構成では、2台の大容量スタッカ225,226が接続されている。
中綴じ製本機227は、プリンタ装置1000で印刷された複数枚のシート(シート束)に対してステイプル処理や断裁処理やパンチ処理や折り処理、シフト排紙処理等を選択的に実行できる各種ユニットを具備している。また中綴じ製本機227は、中綴じ製本された出力物の背部に角を付けるように加工するスクエアフォールドユニット(背部形成部)228も備えている。スクエアフォールドユニット228の詳細は、図21を用いて後述する。
この製本システムは、プリンタ装置1000を境界とし、大きく3つの部位に分けて捕らえることができる。図1において、プリンタ装置1000より右側に配置される機器は給紙系装置と呼ばれる。給紙系装置の主な役割は、内部に収容しているシートを適切なタイミングで連続的にプリンタ装置1000に供給することにある。また、大容量給紙装置221〜223のそれぞれに収容されているシートの残量の検知なども行う。またプリンタ装置1000の内部にも給紙段231,232が存在し、これら給紙段231,232から供給されるシートに印刷することもできる。プリンタ装置1000が備えるこれら給紙段231,232も説明の上では給紙系装置と呼ぶこととする。
一方、図1において、プリンタ装置1000よりも左側に配置される装置は、シート加工装置と呼ばれる。このシート加工装置は、印刷処理が完了したシートに各種加工処理を加えたり、印刷済のシートを集積するなどの処理を行う。前述の給紙系装置及びシート加工装置を合わせて以後の説明においてシート処理装置200(図2)と呼ぶ。
コンピュータ(PC)101は、ネットワーク100を介してプリンタ装置1000と接続された汎用コンピュータ機器である。PC101では、各種アプリケーションプログラムが実行可能となっており、このプリンタ装置1000に印刷ジョブを送信して印刷させることができる。
次に、本実施形態に係るプリンタ装置1000の構成を図2のブロック図を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係るプリンタ装置の構成を説明するブロック図である。
このプリンタ装置1000は、装置内部に複数の処理対象となるジョブのデータを記憶可能なハードディスク209(以下、HDD)等の不揮発性メモリを具備する。またプリンタ装置1000が具備するスキャナ部201から受付けたジョブデータをHDD209に一旦保持し、次にHDD209から読み出してプリンタ部203に出力して印刷するコピー機能を具備する。またコンピュータ101等の外部装置から通信部の一例である外部I/F部202を介して受付けたジョブデータをHDD209に保持し、プリンタ部203で印刷するPC印刷機能を具備する。本実施形態に係るプリンタ装置1000は、このような複数の機能を具備した複合機(画像形成装置)である。尚、換言すると、本実施形態のプリンタ装置1000は、カラープリント可能な印刷装置でも、モノクロプリント可能な印刷装置のいずれでも良い。
スキャナ部201は、原稿を読み取り、その読み取った原稿の画像データを画像処理してコントローラ205に出力する。外部I/F部202は、ファクシミリ、ネットワーク接続機器、外部専用装置と画像データなどを送受する。またプリンタ装置1000は、ユーザインタフェース部の一例である表示部を有する操作部204を有している。コントローラ部(制御部或いはCPU)205は、このプリンタ装置1000が具備する各種ユニットの処理や動作等を統括的に制御する。ROM207は読み出し専用のメモリで、ブートプログラムやフォント情報等を記憶している。RAM208は、プログラムの実行時に、後述するフローチャートで示す各種制御処理等を実行するためのプログラムを含む制御プログラムを記憶する。また、この制御プログラムは、操作部204の表示部に各種のUI画面を表示させるための表示制御プログラムも含まれている。尚、これら各種制御プログラムは、HDD209にインストールされたものであり、電源オン時に、コントローラ205がROM207のブートプログラムを実行してHDD209からRAM208にロードされ、これら制御プログラムが実行可能な状態になる。
コントローラ205は、RAM208にロードされた制御プログラムを実行することにより、外部I/F部202を介して外部装置(PC)から受信したPDL(ページ記述言語)データを解釈する。そして、コントローラ205は、PDLデータをラスタイメージデータ(ビットマップデータ)に展開する。同様に、外部I/F部202を介して外部装置(PC)から受信したJDFジョブを解釈して処理することもできる。RAM208は、スキャナ部201や外部I/F部202より入力した画像データや各種プログラムや設定情報を記憶する。HDD(ハードディスク)209は、圧縮伸張部210によって圧縮された画像データや、処理対象となるジョブのプリントデータ等を保持する。コントローラ205は、スキャナ部201や外部I/F部202等の各種入力ユニットを介して入力された処理対象となるジョブのデータを、HDD209を介してプリンタ部203で印刷するように制御する。また外部I/F部202を介して外部装置へ送信できるようにも制御する。圧縮伸張部210は、JBIGやJPEG等といった各種圧縮方式によってRAM208,HDD209に記憶されている画像データ等を圧縮/伸張する。以上のような構成において、コントローラ205が、各シート処理装置200の動作も制御する。なお、シート処理装置200は、図1で説明した給紙系装置及びシート加工装置を指す。
図3は、本実施形態に係るコンピュータ(PC)101の構成を説明するブロック図である。
図において、CPU301は、ROM303のプログラム用ROMに記憶された、或いはHDD311からRAM302にロードされたOSや一般アプリケーション、製本アプリケーション等のプログラムを実行する。RAM302は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ(KBC)305は、キーボード(KB)309や不図示のポインティングデバイスからの入力を制御する。表示コントローラ(CRTC)306は、表示部310への表示を制御する。ディスクコントローラ(DKC)307は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、後述するJDFファイル等を記憶するHDD311等とのアクセスを制御する。NC312は、ネットワーク100に接続され、ネットワーク100上の他の機器との通信制御処理を実行する。システムバス304は、CPU301と、ROM303、RAM302、KBC305、CRTC306、DKC307、NC312とを接続し、制御信号やデータを伝送する。
図4は、プリンタ装置1000の操作部204を説明する上面図である。
操作部204は、ハードキーによるユーザ操作を受付けるキー入力部402、ソフトキー(表示キー)によるユーザ操作を受け付ける表示ユニットの一例であるタッチパネル部401を有する。尚、図4に示すタッチパネル部401の表示ユニット上に表示される画面は、この表示ユニットを経由してコントローラ205が行う表示画面の一例を示している。この表示項目は、ユーザからの操作或いは機器の各種状態に応じて変更され、またその都度操作可能な項目も変化する。
図5は、本実施形態に係るプリンタ装置1000のコントローラ205が実行する各種プログラムを説明する図である。これらプログラムは、ROM207、HDD209にインストールされており、実行時にRAM208に展開されて実行される。
ブートローダ501はROM207に記憶されており、プリンタ装置1000の電源投入直後に実行される。このブートプログラムには、システムの起動に必要となる各種起動シーケンスを実行するためのプログラムが含まれる。以下のプログラムはHDD209にインストールされている。オペレーティングシステム502は、プリンタ装置1000の機能を実現する各種プログラムの実行環境を提供するためのプログラムである。オペレーティングシステム502は、プリンタ装置1000のメモリ、即ち、ROM207やRAM208、ハードディスク209等の資源管理、及び各種装置の基本的な入出力制御等の機能を提供する。データ送受信プログラム503は、外部I/F部202を経由してデータの入出力要求が発生した際に行われる送受信処理を行う。具体的にはTCP/IP等のプロトコルスタックを内包し、ネットワーク100経由で接続される外部機器等との間で交わされる各種データの通信を制御する。ここで行われる通信処理は、プリンタ装置1000と外部I/F部202の間で入出力されるデータパケットの送受信レベルやHTTPサーバ等との通信処理に特化した処理で、後述する受信したデータの内容に関する解析処理は含まれない。データの解析処理は後述するコントローラ205によって別プログラムの記述内容に基づいて実行される。
JDF機能プログラム504は、JDFジョブデータが外部I/F部202経由でプリンタ装置1000によって受信されると、外部I/F部204の指示によりコントローラ205によって実行されるJDFプリント機能を実行する。コントローラ205によって行われるJDFプリント機能では、このプログラムに記述された処理順序、処理条件に基づいてコントローラ205によって適切な順序で各デバイスの動作を順次指示する。その結果、最終的にJDFプリント処理が実行されるように制御される。各デバイスには、シート処理装置200、プリンタ部203、ハードディスク209、圧縮伸張部210、RAM208等が含まれる。また外部I/F部202経由で受信したJDFジョブデータの解析処理及び、解析処理の結果、JDFに誤った設定が含まれるか否かの判別処理、及び誤った設定を解消するための設定変更等を行う。コピー機能プログラム505は、操作部204を使用して、プリンタ装置1000のユーザがコピー機能の実行を指示した際に、コントローラ205によって実行されるコピー機能を実行する。このコピー機能では、プリンタ装置1000の資源が、このプログラムに記述された処理順序、処理条件に基づいてコントローラ205によって適切な順序で制御され、最終的にコピー処理が実行されるように制御される。前述の各デバイスには、スキャナ部201やプリンタ部203、シート処理装置200、ハードディスク209、圧縮伸張部210、RAM208等が含まれる。
スキャン機能プログラム506は、操作部204を使用してプリンタ装置1000のユーザがスキャンファンクションの実行を指示することにより実行される。このスキャン機能では、スキャナ部201、HDD209、圧縮伸張部210、RAM208等のモジュールが、このプログラムに記述された処理順序、処理条件に基づいてコントローラ205によって制御される。その際、適切な順序でこれら各デバイスの動作を順次指示することにより最終的にスキャン処理が実行されるように制御される。PDL機能プログラム507は、PDLジョブデータが外部I/F部202経由でプリンタ装置1000によって受信されることにより実行される。このPDLプリント機能では、ネットワーク100を介して外部装置(PC)から受信したPDLデータをコントローラ205が解析してビットマップデータに展開し、そのビットマップデータに基づいてプリンタ部203で印刷する。
BOX機能プログラム508は、操作部204を使用してプリンタ装置1000のユーザがBOXファンクションの実行を指示することにより開始される。このBOX機能では、コントローラ205が、スキャナ部201で読み取ったデータを圧縮してHDD209のBOX(データ格納領域)に記憶する。また、後に、コントローラ205が、HDD209のBOXに記憶されたデータを読み出して伸長し、プリンタ部203によって印刷する。UI機能プログラム509は、操作部204のタッチパネル部401及びキー入力部402の制御用プログラムである。UI機能プログラム509は、プリンタ装置1000のユーザによる操作部204で入力された内容を識別し、適切な画面遷移及びコントローラ205に対する処理依頼指示を行う。デバイス制御プログラム510は、スキャナ部201やプリンタ部203などの各種ハードウェアを制御するプログラムである。その他の制御プログラム511は、上述したプログラムのいずれにも該当しない機能を実現するためのプログラムである。513は空き領域を示している。
図6は、本実施形態に係るコンピュータ(PC)101の各種プログラムの構成を例示した図である。
ブートローダ601は、ROM303のプログラム用ROMに記憶されている。オペレーティングシステム602は、HDD311にインストールされており、電源オン時に、ROM303のブートローダ601によりRAM302に展開される。デバイスドライバ603は、コンピュータ101に接続される各種ハードウェアを制御するためのプログラムである。KBC305,CRTC306,DKC307等を制御するためのプログラムも含まれる。JDFアプリケーションプログラム604は、コンピュータ101上で動作し、PODシステムユーザに各種機能やサービスを提供することを目的としたプログラムの総称である。このJDFアプリケーションプログラム604は、JDFジョブデータを作成或いは編集する機能を有する。また同様に、JDFアプリケーションプログラム604は、このアプリケーションプログラムの図示しない設定画面より設定された各種印刷仕様から対応するJDF設定に変換する機能を持つ。更に、このアプリケーションプログラム604は、逆にJDFに含まれる設定から対応するJDFアプリケーションプログラム604の設定画面の表示項目を制御するために必要な内部情報に変換することも可能である。更に、JDFアプリケーションプログラム604は、HDD311に保存されているJDFファイルを選択し、JDFジョブデータを作成する機能も有する。ネットワーク制御プログラム605は、JDFアプリケーションプログラム604によって作成されたJDF文書データを、ネットワーク100を介して接続されるプリンタ装置1000に印刷ジョブを送信する際に実行される。このプログラム605は、印刷データの送信、送信後は印刷処理の進捗をコンピュータ101に接続されたプリンタ装置1000により実行される印刷ジョブの進捗情報を取得する等の機能も有する。その他のプログラム607は、上記のいずれにも該当しない全てのプログラム群を含むが、その説明は省略する。
図7は、本実施形態に係る中綴じ製本機227に備え付けられるスクエアフォールドユニット228の構造を説明する図である。
まず、スクエアフォールドユニット228の詳細について、図21の断面図を用いて説明する。
スクエアフォールドユニット228は、中綴じ製本機227に備えられている。中綴じ製本機227によって中綴じ製本された中綴じ製本出力物は、中綴じ製本出力物の背部を搬送方向先端にして搬送ベルト2101によって搬送されて、スクエアフォールドユニット228によって受け取られる。
スクエアフォールドユニット228は、受け取った中綴じ製本出力物を搬送路上の搬送ローラによって、中綴じ製本された中綴じ製本出力物の背部が潰しローラ2104に突き当たるまで搬送される。中綴じ製本出力物の背部が、潰しローラ2104に突き当たると、クランプユニット2102を中綴じ製本出力物に接触させることによって、クランプユニット2102と台座2109との間で中綴じ製本出力物の位置を固定させる。その後、プレスローラ2103によって中綴じ製本出力物の背部近傍を押圧しつつ、潰しローラ2104によって中綴じ製本出力物の背部を押圧することによって、中綴じ製本出力物の背部に角が形成される。その後、潰しローラ2104は、中綴じ製本出力物の搬送経路から外され、中綴じ製本出力物は、排出ローラ2105の方に搬送され、排紙ローラ2106の上に排出される。排紙ローラ2106の上に排出された中綴じ製本出力物は、排紙ローラ2106及び排紙ローラ2107によって排紙トレイ2108の上に排紙される。ユーザは、排紙トレイ2108に排紙された中綴じ製本出力物を受け取る。
図7は、このようなスクエアフォールドユニット228のクランプユニット2102近傍を示す図である。なお、図7は、シートの搬送路を、クランプユニットの方向から見た図である。
スクエアフォールドユニット228は、台座700の上に各種ユニットが図示の如く配置される。即ち、処理対象である中綴じ製本出力物701が図のように設置される。この中綴じ製本出力物701は、中綴じ製本機227によって、ステープル及び折り処理が既に行われた後、ローラによって図の上部から下部に向かって搬送される。このスクエアフォールドユニットに搬送される。その際、中綴じ製本出力物701の図7で上方が小口辺であり、下方が背部となるように搬送される。
第一のクランプユニット702及び第二のクランプユニット703は、図21のクランプユニット2102に対応する。第一のクランプユニット702及び第二のクランプユニット703は、スクエアフォールド処理を行う際に、台座700(図21の台座2109に対応する)に対して中綴じ製本出力物701を密着させるために設けられた固定版である。中閉じ製本機227から搬送された中綴じ製本出力物701は、第一のクランプユニット702と第二のクランプユニット703によって接触され、台座700との間で挟持される。この第1のクランプユニット702及び第二のクランプユニット703によって、中綴じ製本出力物701の背部の形成時に、中綴じ製本出力物701の位置がずれないようにしている。第一のプレスローラ704は、中綴じ製本出力物701の折り目付近の膨らみを減少させるために、中綴じ製本出力物701の面に対して垂直方向(図7の垂直方向)に圧力を加えている。このローラ704が図7で左端から右端へ(もしくはその逆方向に)移動することによって、中綴じ製本出力物701に対する加圧処理が施される。
一方、潰しローラ706は、図21の潰しローラ2104に対応する。潰しローラ706は、中綴じ製本出力物701の背部に角を付けて背部を平面状にするために、プレスローラ704による加圧方向に直交する(背部に対して垂直の方向(図7の下から上))方向に加圧するためのローラである。潰しローラ706は、図7の上下に移動可能な支柱により支えられている。この支柱はコントローラ205の指示によって図7の上または下に移動されることによって、潰しローラ706も図7の上または下に移動される。上に移動した場合には、中綴じ製本出力物701に与える圧力は大きくなり、下に移動した場合には、中綴じ製本出力物701に与える圧力は小さくなる。この潰しローラ706も、図7で左端から右端(もしくはその逆方向に)移動することによって、中綴じ製本出力物701に対する加圧処理が施される。第二のプレスローラ705は、図21のプレスローラ2103に対応する。第二のプレスローラ705は、潰しローラ706と対を成すユニットであり、中綴じ製本出力物701の面に対して垂直方向(図7の垂直方向)に押圧している。第二のプレスローラ705は、図7の709に沿った支柱によって支えられている。この支柱はコントローラ205の指示によって図7でいう奥方向または手前方向に移動されることによって、潰しローラ706も図7の奥または手前に移動される。なお、プレスローラ705及び潰しローラ706の表面は、ローラを構成する金属でできているものとして説明するが、ローラの表面はシートに圧力をかけるために必要な硬いゴム材で形成されていてもよい。これら2つのローラ705,706によって、中綴じ製本出力物701の背部に角を付けて、より品位の高い平面形状にすることができる。即ち、潰しローラ706と第二のプレスローラ705の間に挟まれた、中綴じ製本出力物701を構成するシートの部位が、これらローラ705,706によって加圧される。その結果、中綴じ製本出力物701の表紙の面に対して背部が角をつけられて直線的に形成されるスクエアフォールド処理が施される。このようにローラ705,706を図7の左端から右端へ(もしくはその逆方向に)移動することによって、中綴じ製本出力物701の背部全体に対する加圧処理が施される。
尚、第一のプレスローラ704と第二のプレスローラ705及び潰しローラ706は、夫々独立して移動させることも可能であるが、本実施形態では、これらローラは、同一のローラユニットとして移動処理されるものとして説明する。しかしながら、第一のプレスローラ704と第二のプレスローラ705及び潰しローラ706を独立に移動させる形態を取った場合も、本発明に含まれる。
また潰しローラ706の、第二のプレスローラ705に対する相対位置は、コントローラ205が調整可能なように構成されている。潰しローラ706の位置を調整することによって、両ローラ705,706の間隔を調整することができる。つまり、両ローラ705,706の間隔を調整することにより、中綴じ製本出力物701の背部に加える圧力量を調整可能としている。
尚、図7に示す補助線707は、第二のプレスローラ705の先端かつ台座700の先端位置を示している。また補助線708は、潰しローラ706の先端位置を示す。また、補助線709は、潰しローラ706及び第二のプレスローラ705の中央を通過する線を示し、後の図でスクエアフォールドユニットの断面図を説明する際に用いる。同様に、補助線710は、第一のプレスローラ704の中央部を通過する線を示し、後の図でスクエアフォールドユニットの断面図を説明する際に用いる。
図8(A)は、図7の補助線710に沿ったスクエアフォールドユニットの断面図、図8(B)は、図7の補助線709に沿ったスクエアフォールドユニットの断面図である。尚、図8では前述の図7と共通する部分は同じ記号で示している。
図8(A)では、台座700及び第一のクランプユニット702及び第二のクランプユニット703によって中綴じ製本出力物701が固定され、第一のプレスローラ704が中綴じ製本出力物701に対して圧力を加えている。これによって、中綴じ製本出力物701の膨らみを防止する加工処理が施される。
図8(B)では、台座700及び第一のクランプユニット702及び第二のクランプユニット703によって中綴じ製本出力物701が固定されている。その状態で第二のプレスローラ705及び潰しローラ706によって、中綴じ製本出力物701の背部800に角を付けて背部を平面にするために圧力が加えられている。これにより、図8(A)に示すような中綴じ製本出力物701の背部800の膨らみが矯正されて平面形状になっている。
図9(A)は、図8(B)の断面図における、第二のプレスローラ705及び潰しローラ706の近傍を拡大した図である。図9(A)は、第二のプレスローラ705及び潰しローラ706の間隔を、コントローラ205の指示によって最小となるように制御した状態を示している。この場合の補助線707及び補助線708の間隔は、スクエアフォールドユニットによって制御可能な最小長(w(min))である。この間隔よりも狭くなるように制御することはできない。このような状態とすることにより、スクエアフォールド処理時に、中綴じ製本出力物701の背部に加える圧力を最大にできる。
図9(B)は、図8(B)の断面図における、第二のプレスローラ705及び潰しローラ706の近傍を拡大した他の例を示す図である。ここでは、第二のプレスローラ705及び潰しローラ706の間隔を、コントローラ205の指示によって最大となるように制御した状態を示している。この場合の補助線707及び補助線708の間隔は、スクエアフォールドユニットによって制御可能な最大長(w(max))である。この間隔よりも広くなるように制御することはできない。このような状態とすることにより、スクエアフォールド処理時に、中綴じ製本出力物701の背部に加える圧力を最小にすることができる。
図10(A)は、本実施形態に係るスクエアフォールド処理を行う前の、中綴じ製本出力物701の断面図である。図示の如く、中綴じ製本出力物701の折り目に相当する位置にステープル1001がされて、中綴じ製本出力物701を構成するシートを束ねている。ここでは、中綴じ製本出力物701を構成するシートの弾性によって、折り目に沿って膨らんだ形状となっている。
図10(B)は、本実施形態に係るスクエアフォールド処理を実施した後の中綴じ製本出力物701の断面図である。図示の如く、中綴じ製本出力物701の折り目に相当する位置に角がつけられて背部が平面形状になっていることが分かる。この形状は、図7〜図9を参照して説明した第二のプレスローラ705及び潰しローラ706によって、中綴じ製本出力物701の背部に圧力を加えた結果、形成されたものである。
図11(A)は、プリンタ装置1000の操作部204に表示される中綴じ製本の印刷ジョブを実行する際の設定画面の一例を示す図である。この画面は、図5のコピー機能プログラム505による印刷ジョブの実行により表示される。しかしながら、本実施形態に係る印刷ジョブの種別はコピー機能プログラムに限定されることはない。例えばJDF機能プログラム504や、PDLプリント機能プログラム等、プリンタ装置1000がサポートするその他の印刷関連ジョブにおいても同様に有効である。
「中綴じする」ボタン1101及び「中綴じしない」ボタン1102は、それぞれ排他的に選択可能な設定ボタンである。図11(A)では、「中綴じする」ボタン1101が選択され、「中綴じしない」ボタン1102は非選択状態となっている。これら操作部204のボタンの選択機能の制御は、コントローラ205によって実行される、UI機能プログラム509によって制御される。
「スクエアフォールド」ボタン1103は、プリンタ装置1000がサポートする、中綴じ製本機227によるスクエアフォールド機能を利用するか否かを選択するためのボタンである。図11(A)では、スクエアフォールド機能は非選択状態である。図11(A)では更に、中綴じ製本処理に関連するその他の機能選択ボタンが配置されている。即ち、単一のジョブで複数の中綴じ製本出力物を生成する際に利用する「分割製本」ボタン1104が配置されている。また、中綴じ製本のクリープ処理を指定する「クリープ補正」ボタン1105が配置されている。また中綴じ製本出力物の小口及び天地辺を断裁するための「断裁処理」ボタン1106、中綴じ製本関連機能に関する各種調整を実行するための「調整」ボタン1107が配置されている。
図11(B)は、図11(A)において、「スクエアフォールド」ボタン1103が選択された場合に操作部204に表示される設定画面の一例を示す図である。
スクエアフォールド機能を選択するための「スクエアフォールドする」ボタン1110、及び同機能の選択を解除するための「スクエアフォールドしない」ボタン1111が配置されている。図11(B)では、「スクエアフォールドする」ボタン1110が選択された状態を示している。この状態でOKボタン1112を押下することにより、ボタン1110による機能が選択された状態を維持したまま図12(A)の画面に遷移する。
図12(A)は、図11(B)の画面でOKボタン1112が押下された直後に表示される中綴じ製本設定画面を示す図である。図11(A)と比較すると明らかなように、「スクエアフォールド」ボタン1103が選択状態となっており、スクエアフォールドの設定が指定されたことを示している。
図12(B)は、図12(A)或いは図11(A)において、「調整」ボタン1107を選択した直後に、操作部204に表示される画面の一例を示す図である。図12(B)では、中綴じ製本処理に関連した複数の調整機能が選択可能な状態となっている。本実施形態の効果を説明する上で、関連の低い機能の調整機能については説明を省略する。
図12(B)において、「スクエアフォールド調整」ボタン1201を押下することにより、図13のスクエアフォールドの調整画面に遷移する。
図13は、図12(B)において、「スクエアフォールド調整」ボタン1201を押下した直後に表示される画面の一例を示す図である。
図13は、スクエアフォールド処理を実行する際に、中綴じ製本出力物701の背部に対して、第二のプレスローラ705及び潰しローラ706によって加える圧力の調整値を設定するための画面である。即ち、図における、調整量1301に示される値によって、潰しローラ706の第二のプレスローラ705に対する位置がコントローラ205により制御される。その結果、これらローラ705,706によって、中綴じ製本出力物701の背部に対して加える圧力を制御できる。
プラス(+)ボタン1302及びマイナス(−)ボタン1303は、調整量1301の値を加減するためのボタンであり、各々のボタンが押下されるごとに、調整量の値がそれぞれ1ずつ加算、もしくは減算される。但し、この調整量の上限値と下限値は予め定められており、その値を超えて調整することはできない。本実施形態では、調整量の最大値は「+20」、最小値は「−20」である。最大値が設定されると、コントローラ205は、前述の図9(A)に示すように第二のプレスローラ705と潰しローラ706を配置する。一方、最小値が設定されると、コントローラ205は、前述の図9(B)に示すように第二のプレスローラ705と潰しローラ706を配置する。
図14は、実施形態に係るプリント装置1000のコントローラ205が実行するスクエアフォールドに関する処理を説明するフローチャートである。この処理は、コピー機能プログラム505により中綴じ製本機227(シート処理装置)を制御することにより実行される。尚、このコピー機能プログラム505の動作の内、スクエアフォールド処理より以前及び以後になされる動作の詳細は、本実施形態を説明する上で本質的ではないため省略する。この処理は、RAM208にロードされたプログラムをコントローラ205が実行することにより実現される。
まずS1401で、コントローラ205は、中綴じ製本出力物701を中綴じ製本機227の所定位置に搬送する。即ち、コントローラ205は、中綴じ製本出力物701を、図7に示したスクエアフォールドユニット内の、台座700及び第二のプレスユニット705の先端によって示される位置に搬送させる。
次にS1402に進み、コントローラ205は、スクエアフォールド処理時の調整量の値を取得する。この調整量は、図13で設定された調整量の値を取得することを意味する。次にS1403に進み、S1402で取得した調整量の値を基に、潰しローラ706の位置を計算によって求める。この計算処理の内容については後述する。
次にS1404に進み、コントローラ205は、S1403で求めた位置まで潰しローラ706を移動する。この移動処理は、コントローラ205の指示により中綴じ製本機227が潰しローラ706を移動させることによって行われる。
次にS1405に進み、コントローラ205は、第一のプレスローラ704、第二のプレスローラ705及び潰しローラ706を含むローラユニットを移動させて、スクエアフォールド処理を実行する。即ち、コントローラユニット205は、ローラユニットを、S1401で搬送された中綴じ製本出力物701上で移動させることにより、中綴じ製本出力物701の背部に角を付けて背部を平面状にする。これは図7、図8、図9及び図10を参照して説明した通りである。
こうしてS1405で、ローラユニットによる中綴じ製本出力物701に対する背部の形成処理が終了するとS1406に進み、コントローラ205は、移動した潰しローラ706の位置を所定位置まで戻す。この所定位置は、図8(B)で示した位置である。
次にS1407に進み、コントローラ205は、スクエアフォールドユニットの右端もしくは左端に移動したローラユニットを再度スタンバイ位置に戻す。そしてS1408に進み、コントローラ205は、中綴じ製本出力物701を排出してスクエアフォールド処理を終了する。
図15(A)は、図14のS1403における潰しローラ706の位置を計算する処理の詳細を説明するフローチャートである。ここでは、潰しローラ706の第二のプレスローラ705に対する移動位置を求める。この処理は、RAM208にロードされたプログラムをコントローラ205が実行することにより実現される。
まずS1501で、コントローラ205は、潰しローラ706の移動可能な最小位置に関する情報を取得する。この情報は、コピー機能プログラム505によって保持されており、コントローラ205の、このプログラムに対する制御によって取得される。
次にS1502に進み、コントローラ205は、潰しローラ706の移動可能な最大位置に関する情報を取得する。この情報は、コピー機能プログラム505によって保持されており、コントローラ205の、このプログラムに対する制御によって取得される。
次にS1503に進み、コントローラ205は、図14のS1402で取得した調整量の数値を取得する。次にS1504に進み、S1501及びS1502及びS1503において取得した数値を基に潰しローラ706の移動量を計算する。
図15(B)は、図15(B)のS1501及びS1502及びS1503によって求めた数値から求められる、潰しローラ706の移動量との関係を説明するための図である。
同図に示す通り、図13の画面で入力されたスクエアフォールド処理の調整量と、潰しローラ706の移動可能な最大及び最小位置は、図示する通りの関数によって表現される。即ち、調整量を入力とし、定義域が「−20」から「+20」、値域がw(min)からw(max)となる一次関数である。この例では、w(min)を1mmとし、w(max)を5mmとしているが、これらの値は、中綴じ製本機の機械構造に依存して変更されればよい。
調整量と潰しローラ706の位置との関係を規定する関数としては、同図に示すもの以外の関数をも取り得る。しかしながら、それらの違いは同図によって表現される関数の性質による違いに基づくものであり、同関数によって、潰しローラ706の位置が求まるという、本実施形態の性質は同一である。従って、如何なる関数が適用されようとも請求項に記載の事項を満たす限り本発明が有効である。
[実施形態2]
前述の実施形態1では、コピージョブにおいて、中綴じ製本処理が設定され、それと同時にスクエアフォールド処理が選択された場合に基づく例を用いて説明した。次に実施形態2では、コントローラ205によって図5におけるBOX機能プログラム508が実行された場合を例にして、以下説明を行う。
図16(A)は、操作部204上において、BOX機能プログラム508の実行が指示された場合に操作部204に表示されるBOX機能の画面の一例を示す図である。
BOX機能は、プリンタ装置1000が管理するHDD209に格納された画像データをプリンタ部203によって印刷する機能である。BOX機能としてHDD209に画像データを格納するには、スキャナ部201より原稿をスキャンして読み取り、その読み取った画像データを格納することによりなされる。また或いは、外部I/F202を介して入力されるPDLジョブのデータをPDLプリント機能プログラム507によって処理してHDD209に格納することによりなされる。また或いは、外部I/F202を介して入力されるJDFジョブのデータを、JDF機能プログラム504によって処理した結果生成される画像データを格納することによりなされる。
図16(A)では、ジョブリストに3つのジョブデータがHDD209に格納されていることを示している。即ち、3つのジョブデータはジョブ名が「JobA」、「JobB」、「JobC」によって示されるジョブである。同図において、これら複数の格納されたジョブの内「JobC」が選択されており、この状態で「プリント開始」ボタン1601を押下することによって、ジョブ「JobC」の画像データの印刷処理が開始される。一方、この状態で「ジョブ編集」ボタン1602を押下すると、ジョブ「JobC」に対する印刷設定を変更できるようになる。
図16(B)は、図16(A)で選択状態となっていた「JobC」を構成するページ情報の一例を示す図である。このジョブは、45ページの画像データにより構成され、この画像データは3つのセクションに分割されている。即ち、1〜15ページの第一のセクション(第1章)と、16〜35ページの第ニのセクション(第2章)と、36〜45ページの第三のセクション(第3章)からなる。以後の説明において、セクションのことを「章」として説明する。これら章を構成するページ範囲の情報は、JobCと共に保持される印刷設定に含まれる。また、章を構成する印刷設定は、例えば、コンピュータ101から送信されるPDLプリントジョブもしくは、JDFプリントジョブによって作成することが可能である。
図17(A)は、図16(A)における「ジョブ編集」ボタン1602を押下した場合に表示されるジョブ編集画面の一例を示す図である。図16(B)に示した3つの章に関するページ範囲情報及び、各章においてなされている設定情報の一部が表示されている。ここでは第1及び第2章は、A4サイズで片面印刷に設定されており、第3章はA4サイズで両面印刷に設定されている。
この状態で図17(A)の「編集」ボタン1701が押下されると、図17(B)に示すジョブ「JobC」の設定情報を変更する画面に遷移する。図17(B)では、ジョブに関する各種設定を変更するためのボタンが配置されている。
本実施形態2の説明では、スクエアフォールド処理と関係の少ない機能、及びその機能に対応する設定変更ボタンに関する説明を省略する。中綴じ製本ボタン1702は、ジョブ「JobC」において、中綴じ製本処理に関する設定を変更するためのボタンである。
図18(A)は、図17(B)で、中綴じ製本ボタン1702が押下された後に表示される設定画面の一例を示す図である。図18(A)では、図11(A)と共通する部分は同じ記号で示している。同図において設定可能な項目、及び各種設定ボタンに対応付けられた機能は、実施形態1における図11(A)と同じであるため、ここでは説明を省略する。図18(A)では、中綴じ製本を行うように設定する「中綴じする」ボタン1101が選択されている。
図18(B)は、図18(A)の設定画面で「分割製本」ボタン1104が押下された後に表示される分割製本の設定画面の一例を示す図である。本実施形態のBOX機能における分割製本として設定可能な機能として、「章毎に製本する」ボタン1801と、「枚数を指定する」ボタン1802が設けられている。図18(B)では、「章毎に製本する」ボタン1801が選択されている。この場合は、JobCを実行する際、図16(B)或いは図17(A)における、各章毎に中綴じ製本出力物が生成される。即ち、第1章に該当する1ページから15ページまでのページからなる第一の中綴じ製本出力物が生成される。また第2章の16ページから35ページまでのページからなる第二の中綴じ製本出力物が、また第3章の36ページから45ページまでのページからなる第三の中綴じ製本出力物が生成される。
一方、図18(B)における、「枚数を指定する」ボタン1802が押下された場合には、章毎の中綴じ製本出力物は生成されず、全てのページを単一の章とし、枚数1803で指定された枚数ごとの中綴じ製本出力物が生成される。
図19は、実施形態2に係る警告画面の表示例を示す図である。
ここでは、ジョブ「JobC」において「章毎に製本する」ボタン1801を選択し、かつ図18(A)の「スクエアフォールド」ボタン1103によりスクエアフォールド処理が選択されているものとする。そしてこの状態で、図16(A)に示す「プリント開始」ボタン1601が押下されると表示される画面の一例を示している。
ジョブ「JobC」は、図16(B)に示すように複数の章で構成され、かつ各章を構成するページ数は異なっている。このようなジョブに対して、スクエアフォールドを設定し、かつ図13で示した、スクエアフォールドの調整量を指定した場合、以下のような問題が生じるおそれがある。即ち、各章に対応する製本物は分冊されるが、分冊された製本物毎にシートの枚数が異なるため、ユーザの意図に沿った製本出力物とするために要する潰しローラ706の適切な圧力は各製本物によって異なる。にもかかわらず、図13で折り量(圧力)が設定されているため、その設定された圧力に従って加圧処理が施されるため、分冊された製本物によっては、圧力の過剰或いは不足が発生しる可能性がある。即ち、図13の画面によって如何なる調整量を設定したとしても、それぞれ枚数が異なる分冊の全てに対して適正な圧力を加えることができない。
図19は、上述のような場合に、ユーザに対して警告表示するための画面例を示す図である。ここで「中止」ボタン1901が押下されるとジョブ「JobC」の印刷処理を中断する。すなわち、ユーザは分冊した結果、各章に対応する印刷物を所望の印刷結果として得られない可能性がある場合に、その旨を確認したうえで、処理の中止を指示することができる。この場合ユーザは、例えば再び図16(A)の画面に戻り、「ジョブ編集」ボタン1602から各種設定をやり直した上で、別の印刷条件に基づきジョブ「JobC」の処理をすることが可能である。
一方、「続行」ボタン1902が押下されると、ジョブ「JobC」の処理を続行するように指示する。すなわち、ユーザは分冊した結果、各章に対応する印刷物を所望の印刷結果として得られない可能性がある場合に、その旨を確認したうえで、処理の続行を指示することができる。これによりユーザは、製本出力物に求める形態制御の厳密さのレベル、または運用時の判断によって、これら機能を状況に応じて使い分けることができる。
図20は、本実施形態に係るBOX機能の処理における警告画面の表示に関わる処理を説明するフローチャートである。この処理は、RAM208にロードされたプログラムをコントローラ205が実行することにより実現される。
この処理は、図16(A)の「プリント開始」ボタン1601が押下されることにより開始される。まずS2001で、コントローラ205は、処理対象となるジョブの、中綴じ製本に関する設定情報を取得する。
次にS2002に進み、コントローラ205は、S2001で取得した設定情報に基づいて、ジョブ(例えばJobC)で中綴じ製本処理が選択されているかどうかを判定する。製本処理が設定されていないときはS2011に進む。
S2011は、図19に示す警告画面を表示する必要がない場合の処理であり、コントローラ205は、そのまま処理を続行する。一方、S2002で製本処理が設定されていればS2003に進み、コントローラ205は、そのジョブでスクエアフォールド処理が設定されているかどうかを判定する。ここでスクエアフォールド処理が設定されていないと判定するとS2011に進むが、設定されていると判定したときはS2004に進む。S2004で、コントローラ205は、そのジョブで分割製本処理が選択されているかどうかを判定する。分割製本処理が選択されていないと判定したS2011に進むが、分割製本処理が選択されているときはS2005に進む。S2005で、コントローラ205は、そのジョブで、分割製本処理における章毎の分冊処理が選択されているかどうかを判定する。ここで章毎の分冊処理が選択されていないと判定したときはS2011に進むが、そうでないときはS2006に進む。S2006で、コントローラ205は、このジョブにおいて、中綴じ製本、スクエアフォールド、分割製本、及び章毎の製本処理が選択されている。従ってS2006で、コントローラ205は、印刷対象となるジョブを構成する章の各々の含まれる枚数情報を取得する。次にS2007に進み、S2006で求めた章毎の分冊に含まれるシートの枚数が同一であるか否かを判定する。ここで章毎の分冊に含まれる枚数が同一であると判別した場合はS2011に進むが、同一でないときはS2008に進む。S2008で、コントローラ205は、図19に示すような警告画面を操作部204に表示する。次にS2009に進み、コントローラ205は、「中止」ボタン1901或いは「続行」ボタン1902のいずれが押下されたかどうかを判定する。「続行」ボタン1902が押下されたと判断したときはS2011に進み、コントローラ205は、このジョブの実行を継続する。一方、「中止」ボタン1901が押下されたときはS2010に進み、コントローラ205は、そのジョブの実行を中断するための処理を行う。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除くものではない。例えば、本実施形態では、プリンタ装置1000のコントローラ205が上記各種制御の主体となっていたが、プリンタ装置1000と別筐体の外付けコントローラ等によって、上記各種制御の1部又は全部を実行可能に構成しても良い。以上、本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。