JP5824441B2 - 通信装置、チャネル情報取得方法、及び無線通信システム - Google Patents

通信装置、チャネル情報取得方法、及び無線通信システム Download PDF

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Description

本発明は、通信装置、チャネル情報取得方法、及び無線通信システムに関する。
基地局連携を用いた通信においては、本来ならばセル間干渉の原因となる他のセル間のチャネル情報を相互に取得し、取得したチャネル情報を用いて空間分割多重のための送受信ウエイトを算出する。そのため、無線回線の設計において、隣接する基地局等のセルとの間におけるチャネル情報は、セル間干渉を抑圧するためにすべて取得することが望ましい。
また、基地局連携を用いた通信における空間分割多重の典型的な特徴は、アップリンクにおける受信処理において、端末局から受信した信号から推定した送信側と受信側との間のチャネル情報を基に、受信の都度、最新のチャネル情報を取得し、取得したチャネル情報から受信ウエイトを算出する点にある。また、ダウンリンクにおける受信処理においては、同時に空間多重を行う端末局に対し、過去に取得したチャネル情報の中の最新のチャネル情報に基づいて送信ウエイトを算出する点にある。
すなわち、受信ウエイト及び送信ウエイトの算出は、受信又は送信の都度行うことになる。これは、チャネル情報の時変動に起因したものであり、良好なチャネル情報の推定精度を得るためには頻繁にチャネル情報の推定処理をする必要がある。チャネル情報の推定を行う周期を短く設定するに従い、チャネル情報の推定に要する制御情報の送受信を頻繁に行うことになるので通信のオーバーヘッドが増加することになる。
更に、広範囲に渡り配置される基地局が連携して空間多重伝送を実施する際には、各セルの基地局と、各セルに存在する端末局との間のチャネル情報をそれぞれ個別に推定する必要があり、そのために所望の数の直交したトレーニング信号が必要となる。一般的には、トレーニング信号のパターンそのものが直交していることが好ましいが、そのようなパターンを設定できなければ、空間多重数と同数のシンボル数のオーバーヘッドが必要であり、連携する基地局数の増大に従ってそのオーバーヘッドも増大する。
ここで、SNR(Signal Noise Ratio)ないしはSINR(Signal to Interference and Noise Ratio)が小さい受信環境では、雑音及び干渉による誤差がチャネル情報の推定結果に反映される。一般的には、端末局と基地局との間の距離が大きいほど、SNRは小さく、チャネル情報の推定誤差は大きい。図21に、基地局と端末局との配置例を示す。図21は、基地局連携を用いた無線通信システムにおける基地局と端末局との配置例を示す図である。同図に示す配置例では、正六角形の細密充填状態にセルを配置し、各セルの中心に基地局を配置している。各基地局は基地局を制御する制御局と有線回線を介して接続されるが、同図ではその記載を省略している。また、同図では、多数の端末局が存在する中で、複数のセルの中心に位置するセルに着目し、そのセルに位置する端末局と周辺の基地局との間のパスが図示されている。
この場合、中心のセルに存在する端末局と隣接する最近接の6セルの基地局との間の伝搬距離(図中実線矢印)に対し、その次隣接の12セルの基地局との間の伝搬距離(図中点線矢印)は長く、最近接のセルからの信号に対して次隣接のセルからの信号のSNRは小さい。そのため、中心セルの端末局と次隣接の12セルの基地局との間におけるチャネル情報の推定誤差は、隣接する6セルの基地局との間のチャネル情報の推定誤差よりも大きくなる。その他、フェージング等の影響によりSNRは大きく低下することが起こりうるため、そのような環境下では十分な精度でのチャネル情報の推定が行えなくなる。推定したチャネル情報に誤差を含む状態でビームフォーミングのウエイトを生成すると、誤差の影響により他のセルに属する端末局への与干渉の抑制すなわちヌル制御が崩れてしまう。更に、そのような干渉源にヌルを向けるために通信相手となる所望の端末局への送信電力や受信電力が奪われることになる。そのため、周波数利用効率の低下につながる。
これに対して、受信SNRが小さい受信環境においても、トレーニング信号のオーバーヘッドを大きくして、長時間の受信に基づいたチャネル情報の推定等を実施することで、チャネル情報の推定精度を改善することが可能である(非特許文献1)。
しかし、このように更なるオーバーヘッドの増大は、MACレイヤにおける効率を低下させてしまう。仮に物理レイヤでの周波数利用効率を瞬時的に改善できたとしても、無線通信システム全体でのスループットが結果的に低めに抑えられてしまう可能性がある。そのため、雑音の影響によりトレーニング信号等の受信品質が劣悪である場合であっても、チャネル情報の推定精度を向上できる技術が求められていた。
Babak Hassibi, Bertrand M. Hochwald, "How Much Training is Needed in Multiple-Antenna Wireless Links ? ," Information Theory, IEEE Transactions on, vol.49, no.4, pp. 951-963, April 2003.
複数の基地局が連携して送受信を行う上述の技術を、実際の無線通信システムで運用するためには、チャネル情報の推定誤差を前提とした設計が必要となる。端末局と遠くの基地局との間では、伝搬路上での減衰に伴い受信信号の品質が低下する状況で取得した信号を基に推定が行われるため、チャネル情報の推定精度が下がることになる。そこで、チャネル情報の推定精度を把握した上で干渉抑圧に有効な推定精度の高いチャネル情報を見極め、有効なチャネル情報を基に干渉抑圧制御を実現する方式を確立し、チャネル情報の推定誤差による影響を抑え、周波数利用効率を改善する手法が要求される。すなわち、基地局連携における干渉抑圧制御を効果的に行うには、推定精度の高いチャネル情報と、推定精度の低いチャネル情報との判別精度を向上させる技術が必要となる。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、同一時刻かつ同一周波数を用いて複数のセルが協調して、各セルの基地局と端末局とが空間分割多重伝送による通信を行う無線通信システムにおいて、受信品質の劣悪な受信信号から得られるチャネル情報に対する評価を行うことができる通信装置、チャネル情報取得方法、及び無線通信システムを提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、本発明は、一つ又は複数のアンテナを有する複数の基地局と前記複数の基地局に接続された制御局とを備えた通信装置と、一つ又は複数のアンテナを有し前記基地局のいずれか一つと無線通信を行う端末装置とを具備し、前記複数の基地局が該基地局の通信可能領域に位置する前記端末装置と同一時刻に同一周波数上で通信することが可能な無線通信システムにおける通信装置であって、前記基地局と前記端末装置との間で受信された信号に含まれる参照信号に基づいて、周波数軸上のチャネル情報を推定するチャネル情報推定部と、前記受信された信号に含まれる参照信号と、予め記憶されている参照信号に基づいて、時間軸上のインパルス応答を取得する時間軸チャネル情報推定部と、前記インパルス応答が所定の基準を満たす場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、前記インパルス応答が所定の基準を満たさない場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置と間の伝送路特性として所定の値を記憶するチャネル情報管理部と、前記チャネル情報管理部に記憶されているチャネル情報に基づいて、前記基地局と前記端末装置との間において空間分割多重伝送を実施する送受信処理部と、を備えることを特徴とする通信装置である。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記チャネル情報管理部は、前記チャネル情報推定部が推定したチャネル情報が所定の基準を満たす場合には、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、前記チャネル情報推定部が推定したチャネル情報が所定の基準を満たさず、かつ前記インパルス応答が所定の基準を満たす場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、前記チャネル情報推定部が推定したチャネル情報が所定の基準を満たさず、かつ前記インパルス応答が所定の基準を満たさない場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置と間の伝送路特性として所定の値を記憶することを特徴とする。
また、上記問題を解決するために、本発明は、一つ又は複数のアンテナを有する複数の基地局と前記複数の基地局に接続された制御局とを備えた無線基地局装置と、一つ又は複数のアンテナを有し前記基地局のいずれか一つと無線通信を行う通信装置とを具備し、前記複数の基地局が該基地局の通信可能領域に位置する前記通信装置と同一時刻に同一周波数上で通信することが可能な無線通信システムにおける通信装置であって、前記基地局と自装置との間で受信された信号に含まれる参照信号に基づいて、周波数軸上のチャネル情報を推定するチャネル情報推定部と、前記受信された信号に含まれる参照信号と、予め記憶されている参照信号に基づいて、時間軸上のインパルス応答を取得する時間軸チャネル情報推定部と、前記インパルス応答が所定の基準を満たす場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、前記インパルス応答が所定の基準を満たさない場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置と間の伝送路特性として所定の値を記憶するチャネル情報管理部と、前記チャネル情報管理部に記憶されているチャネル情報を前記無線基地局装置に送信し、前記基地局との間において空間分割多重伝送を実施する送受信処理部と、を備えることを特徴とする通信装置である。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前前記チャネル情報管理部は、前記チャネル情報推定部が推定したチャネル情報が所定の基準を満たす場合には、前記チャネル情報に対応する前記基地局と自装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、前記チャネル情報推定部が推定したチャネル情報が所定の基準を満たさず、かつ前記インパルス応答が所定の基準を満たす場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と自装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、前記チャネル情報推定部が推定したチャネル情報が所定の基準を満たさず、かつ前記インパルス応答が所定の基準を満たさない場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と自装置との間の伝送路特性として所定の値を記憶することを特徴とする。
また、上記問題を解決するために、本発明は、一つ又は複数のアンテナを有する複数の基地局と前記複数の基地局に接続された制御局とを備えた通信装置と、一つ又は複数のアンテナを有し前記基地局のいずれか一つと無線通信を行う端末装置とを具備し、前記複数の基地局が該基地局の通信可能領域に位置する前記端末装置と同一時刻に同一周波数上で通信することが可能な無線通信システムにおけるチャネル情報取得方法であって、前記基地局と前記端末装置との間で受信された信号に含まれる参照信号に基づいて、周波数軸上のチャネル情報を推定するチャネル情報推定ステップと、前記受信された信号に含まれる参照信号と、予め記憶されている参照信号に基づいて、時間軸上のインパルス応答を取得する時間軸チャネル情報推定ステップと、前記インパルス応答が所定の基準を満たす場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、前記インパルス応答が所定の基準を満たさない場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置と間の伝送路特性として所定の値を記憶するチャネル情報管理ステップと、を有することを特徴とするチャネル情報取得方法である。
また、上記問題を解決するために、本発明は、一つ又は複数のアンテナを有する複数の基地局と前記複数の基地局に接続された制御局とを備えた通信装置と、一つ又は複数のアンテナを有し前記基地局のいずれか一つと無線通信を行う端末装置とを具備し、前記複数の基地局が該基地局の通信可能領域に位置する前記端末装置と同一時刻に同一周波数上で通信することが可能な無線通信システムであって、前記基地局と前記端末装置との間で受信された信号に含まれる参照信号に基づいて、周波数軸上のチャネル情報を推定するチャネル情報推定部と、前記受信された信号に含まれる参照信号と、予め記憶されている参照信号に基づいて、時間軸上のインパルス応答を取得する時間軸チャネル情報推定部と、前記インパルス応答が所定の基準を満たす場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、前記インパルス応答が所定の基準を満たさない場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置と間の伝送路特性として所定の値を記憶するチャネル情報管理部と、前記チャネル情報管理部に記憶されているチャネル情報に基づいて、前記基地局と前記端末装置との間において空間分割多重伝送を実施する送受信処理部と、を備えることを特徴とする無線通信システムである。
この発明によれば、受信した信号に含まれる参照信号に基づいて推定したチャネル情報の通信品質を、受信した信号に含まれる参照信号と予め記憶している参照信号から得られる時間軸上のインパルス応答に基づいて判定するようにした。時間軸上のインパルス応答を品質の判断に用いるようにしたので、受信した信号に含まれる雑音の影響を抑えてチャネル情報の通信品質を評価することができ、受信品質の劣悪な受信信号から得られるチャネル情報に対しても品質の評価を行うことができる。これにより、要求品質に応じたチャネル情報の取捨選択を行うことができる。
この結果、チャネル情報の推定誤差の影響を抑制した空間分割多重伝送を行うことができ、無線通信システムにおける周波数利用効率を改善することができる。
関連技術における無線通信システムの一実施形態を示す概略図である。 関連技術の実施形態における端末局114a〜114bの構成例を示す概略ブロック図である。 関連技術におけるチャネル情報取得部108の構成を示す概略ブロック図である。 アップリンクにおけるチャネル情報の推定処理を示すフローチャートである。 ダウンリンクにおけるチャネル情報の推定処理を示すフローチャートである。 基地局連携技術を用いた無線通信装置100におけるアップリンクの受信ウエイト算出処理を示すフローチャートである。 基地局連携技術を用いた無線通信装置100におけるアップリンクにおける受信信号処理を示すフローチャートである。 基地局連携技術を用いた無線通信装置100におけるダウンリンクにおける送信ウエイト算出処理を示すフローチャートである。 基地局連携技術を用いた無線通信装置100におけるダウンリンクにおける送信信号処理を示すフローチャートである。 基地局連携による空間分割多重伝送においてゼロ置換法を適用した際の周波数利用効率を示すグラフである。 ゼロ置換法を適用したチャネル情報取得部108Aの構成を示す概略ブロック図である。 アップリンクにおけるチャネル情報取得処理を示すフローチャートである。 ダウンリンクにおけるチャネル情報取得処理を示すフローチャートである。 雑音とチャネル情報の推定結果との関係を示すグラフである。 本発明に係る第1の実施形態におけるチャネル情報取得部208の構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態におけるチャネル情報取得処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるチャネル情報取得部308の構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態におけるチャネル情報取得処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態におけるチャネル情報取得部408の構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態におけるチャネル情報取得処理を示すフローチャートである。 基地局連携を用いた無線通信システムにおける基地局と端末局との配置例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における通信装置及びチャネル情報取得方法を説明する。初めに、本発明の背景となる技術(以下、関連技術という。)について説明する。
(関連技術)
図1は、関連技術における無線通信システムの一実施形態を示す概略図である。同図には、無線通信装置100、及び、無線通信装置100と空間分割多重伝送による通信を行う複数の端末局114a〜114bを具備する無線通信システムが示されている。
無線通信装置100は、制御局101、複数の基地局112a〜112d、及び、制御局101と各基地局112a〜112dとを接続する有線回線113a〜113hを備えている。各基地局112a〜112dと、各端末局114a〜114bとは複数のアンテナを備えている。同図においては、基地局112a〜112dと端末局114a〜114bとが2本のアンテナを備える例を示しているが、1本であっても構わないし、3本以上であっても構わない。また、基地局112a〜112dと端末局114a〜114bとが備えるアンテナの本数が異なっていてもよい。
また、各基地局112a〜112dそれぞれが、受信処理部103に接続する有線回線と、送信処理部104に接続する有線回線との2本の有線回線で制御局101と接続されている例を示しているが、各基地局112a〜112dは1本の有線回線で制御局101と接続してもよい。この場合、スイッチによる切り替えなどにより、受信処理部103に対する通信と、送信処理部104に対する通信とを時分割で行うようにしてもよい。図1では、各基地局112a〜112dと制御局101とを有線回線113a〜113hで接続する構成が示されているが、これは論理的な接続の状況を示すものであって、必ずしも物理的な接続を意味していない。例えば、基地局112aを例にとれば、基地局112aは、送信信号処理部110と受信信号処理部107との間で制御情報を送受信するために、有線回線113aと有線回線113eとで接続されているが、物理的に1本の有線回線で接続するようにしてもよい。この場合、制御局101内にて基地局112aとの間の信号を愁嘆して必要に応じて送信信号処理部110と受信信号処理部107とに振り分けるようにしてもよい。
無線通信装置100は、制御局101が各基地局112a〜112dを制御することにより、各端末局114a〜114bに対して基地局連携を用いた空間分割多重伝送を行う。有線回線113a〜113hには例えば光ファイバケーブルなどが用いられる。
制御局101は、通信制御部102と、受信処理部103と、送信処理部104と、ネットワークインターフェース105と、MAC層処理部106とを有している。受信処理部103は、受信信号処理部107と、チャネル情報取得部108と、受信ウエイト生成部109とを有している。送信処理部104は、送信信号処理部110と送信ウエイト生成部111とを有している。
通信制御部102は、各基地局112a〜112dにおける送受信のタイミング、すなわち受信処理部103及び送信処理部104における動作タイミングを制御や、送信元の端末局114a〜114bの管理、無線通信システム全体のタイミング制御など、全体の通信に係る制御を行う。
ネットワークインターフェース105は、外部のネットワーク500に対して接続されており、ネットワーク500から受信した情報をMAC層処理部106に出力する。また、ネットワークインターフェース105は、MAC層処理部106から入力される情報をネットワーク500に送信する。
次に、図1に示されている無線通信装置100の動作について説明する。
基地局112a〜112dから端末局114a〜114bに信号を送信するダウンリンクにおける動作について説明する。ネットワーク500から端末局114a〜114b宛てのダウンリンクのデータが制御局101に入力される。制御局101において、ネットワーク500から入力されるデータはネットワークインターフェース105に入力され、ネットワークインターフェース105が当該データをMAC層処理部106に出力する。
MAC層処理部106は、ネットワークインターフェース105が出力したデータを個別バッファ等に一時的に記憶する。なお、実際のハードウエアでは物理的なバッファが同じであってもよく、論理的に個別に管理することができればよい。
そして、MAC層処理部106は、基地局112a〜112dと端末局114a〜114bとの組み合わせを選択し、選択した組み合わせに対応するデータを個別のバッファから読み出し、MAC層における処理を実施して送信信号処理部110に出力する。
送信信号処理部110は、MAC層処理部106の出力に基づいて、無線回線において送信する無線パケットを生成する変調処理を行う。例えば、無線通信システムにおいてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)ないしはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)変調方式を用いるのであれば、各信号系列の信号に対して周波数成分ごとに変調処理、送信ウエイトの乗算、周波数軸上の信号から時間軸上の信号に変換するIFFT(逆高速フーリエ変換)処理、ガードインターバルの挿入やOFDMシンボル間の波形整形処理、D/A(Digital/Analog;デジタル/アナログ)変換、無線周波数信号へのアップコンバート、帯域外の周波数成分を除去するためのフィルタ処理等が行われ、送信すべき電気的な信号を生成する。
また、送信信号処理部110において用いられる送信ウエイトは、MAC層処理部106が選択する基地局112a〜112dと端末局114a〜114bとの組み合わせに基づいて、送信ウエイト生成部111が生成する。このように各種の送信信号処理が施されて生成された送信信号は、有線回線113a〜113dを介して各基地局112a〜112dに出力される。各基地局112a〜112dは、制御局101から出力された送信信号を各端末局114a〜114bに向けて送信する。
このような動作により、同一周波数を用いる各端末局への信号を空間的に分離可能としつつ、同一時刻かつ同一周波数において各端末局114に対しての通信を可能とする。
なお、有線回線113a〜113hは光ファイバで構成されることが多く、その場合には光/電気変換及び電気/光変換等が制御局101及び基地局112a〜112dにおいて行われ、電気的な信号と光信号との変換を行うことにより伝送路上での損失を回避する。また、送信ウエイト生成部111における送信ウエイトの生成には、基地局112a〜112dのアンテナと端末局114a〜114bのアンテナとの間のチャネル情報を取得する必要があるが、チャネル情報を取得する手法等については公知の技術を用いることにより取得できているものとする。
次に、端末局114a〜114bから基地局112a〜112dに信号を送信するアップリンクにおける動作について説明する。端末局114a〜114bが送信したアップリンクの信号が基地局112a〜112dにて受信されると、受信された受信信号が有線回線113e〜113hを通じて受信信号処理部107に入力される。
受信信号処理部107は、入力された受信信号に対して、無線周波数からベースバンドへのダウンコンバート、所望周波数帯域外の周波数成分を除去するためのフィルタリング、A/D(Analog/Digital;アナログ/デジタル)変換、OFDM(またはOFDMA)を用いた通信の場合にはFFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)処理により時間軸上の信号を周波数軸上の信号に変換(各周波数成分の信号に分離)する等の、各種信号処理を行う。受信信号処理部107は、上述の受信信号処理を施して得られた信号のうち、各周波数成分に分離されたチャネル推定用の信号(無線パケットの先頭に付与されるトレーニング信号等)をチャネル情報取得部108に出力する。
チャネル情報取得部108は、公知の技術を用いることにより、受信信号処理部107が出力する信号(受信トレーニング信号)と、制御局101にて予め記憶している既知信号からチャネル情報を取得する。
受信ウエイト生成部109は、チャネル情報取得部108が取得したチャネル情報に基づいて、所望の信号を取得するために受信信号に乗算すべき受信ウエイトを周波数成分ごとに算出する。受信ウエイト生成部109は、算出した受信ウエイトを受信信号処理部107に出力する。
受信信号処理部107は、受信ウエイト生成部109が出力する周波数成分ごとの受信ウエイトを、上述の受信信号処理を施して得られた信号に対して周波数成分ごとに乗算することにより、各端末局114a〜114bが同一時刻かつ同一周波数において送信した信号系列を干渉なく分離する。受信信号処理部107は、分離した各信号系列に対して復調処理を施し、再生されたデータをMAC層処理部106に出力する。
MAC層処理部106は、受信信号処理部107が出力したデータに対して、MAC層に関する処理(例えば、ネットワークインターフェース105に対して入出力するデータと無線回線上で送受信されるデータとの間の変換や、MAC層のヘッダ情報の終端など)を行う。また、基地局連携において同時に空間多重を行う端末局の組み合わせの選択等を含む各種スケジューリング処理を行い、スケジューリング結果を通信制御部102に出力する。MAC層処理部106は、ネットワークインターフェース105を介してネットワーク500や外部機器に、MAC層に関する処理を施したデータを送信する。
このような動作により、同一周波数を用いる各端末局からの信号を空間的に分離可能としつつ、同一時刻かつ同一周波数において各端末局114との通信を可能とする。
図2は、関連技術の実施形態における端末局114a〜114bの構成例を示す概略ブロック図である。端末局114a〜114bは同じ構成を有している。以下、端末局114a〜114bのいずれか一方又は両方を総称して端末局114という。
端末局114は、同図に示すように、データ入出力部121と、MAC層処理部122と、通信制御部123と、受信信号処理部124と、チャネル情報取得部125と、送信信号処理部126と、アンテナ127a、127bとを備えている。
なお、図2における構成は端末局114が2本のアンテナ127a、127bを備える構成を示しているが、1本であっても構わないし、3本以上であっても構わない。
データ入出力部121は、無線通信装置100に送信するデータを生成する。また、データ入出力部121は、MAC層処理部122から入力されるデータをユーザに対して出力する。
MAC層処理部122は、受信信号処理部124から入力されるデータに対してMAC層に関する処理を施してデータ入出力部121に出力する。また、MAC層処理部122は、データ入出力部121から入力されるデータに対してMAC層に関する処理を施して送信信号処理部126に出力する。
通信制御部123は、端末局114における送受信のタイミング制御など、通信に係る制御を行う。
受信信号処理部124は、アンテナ127a、127bにて受信した受信信号に対して受信信号処理を行う。
チャネル情報取得部125は、受信信号に含まれる既知信号に基づいてチャネル情報の推定を行う。
送信信号処理部126は、MAC層処理部122から入力される送信データに対して送信信号処理を施して、アンテナ127a、127bから送信する。
次に、端末局114における動作について説明する。まず、無線通信装置100から端末局114に信号を送信するダウンリンクにおける動作について説明する。無線通信装置100の基地局112a〜112dから送信された端末局114宛ての信号をアンテナ127a、127bにて受信すると、受信した受信信号が受信信号処理部124に入力される。受信信号処理部124は、入力された受信信号に対してデータ復調のための各種信号処理を施す。受信信号処理b124において行われる各種の受信信号処理は、制御局101の受信信号処理部107が行う信号処理と同様であるので、その説明を省略する。
受信信号処理部124において受信信号処理が施される信号のうち、各種周波数成分に分離されたチャネル推定用の信号(無線パケットの先頭に付与されるトレーニング信号等)は、チャネル情報取得部125に出力される。
チャネル情報取得部125は、入力される各周波数成分の受信トレーニング信号と、端末局114にて予め記憶している既知信号から、各基地局112a〜112dの各アンテナと、自局の各アンテナとの間のチャネル情報を周波数成分ごとに推定する。チャネル情報取得部125は、推定した各周波数成分のチャネル情報を受信信号処理部124と、MAC層処理部122とに出力する。
受信信号処理部124は、チャネル情報取得部125が推定した各周波数成分のチャネル情報に基づいて、受信信号に含まれるデータ部分の復調処理を行う。受信信号処理部124は、復調したデータをMAC層処理部122に出力する。
MAC層処理部122は、入力されたデータに対して、MAC層に関する処理(例えば、データ入出力部121に対して入出力データと無線回線上で送受信されるデータとの変換や、MAC層のヘッダ情報の終端など)を行う。MAC層処理部122は、MAC層に関する処理を施したデータを、データ入出力部121を介して外部ディスプレイ等の出力装置に出力させる。
続いて、端末局114から無線通信装置100に信号を送信するアップリンクにおける動作を説明する。無線通信装置100に送信すべきデータがデータ入出力部121に入力されると、当該データはデータ入出力部121からMAC層処理部122に入力される。MAC層処理部122は、入力されたデータを無線回線上で送受信されるデータに変換し、更にMAC層のヘッダ情報を付加するなどの処理を行って得られた送信データを送信信号処理部126に出力する。
また、MAC層処理部122は、チャネル情報取得部125が推定した各周波数成分のチャネル情報に対してもMAC層における処理を施して送信信号処理部126に出力する。なお、MAC層処理部122は、例えば、各周波数成分のチャネル情報をMAC層のヘッダ情報に含めるようにしてもよいし、制御情報収容用の無線パケットとして処理を行うようにしてもよい。
送信信号処理部126は、MAC層処理部122が出力する送信データから無線回線上で送信する無線パケットを生成する変調処理を行う。送信信号処理部126は、変調処理により得られた信号をアンテナ127a、127bを介して送信する。送信信号処理部126が送信データに対して行う処理は、制御局101の送信信号処理部110が行う送信信号処理と同様であるので、その説明を省略する。
ここで、制御局101が有している送信ウエイト生成部111及び受信ウエイト生成部109は、各基地局112a〜112dの各アンテナと各端末局114a〜114bの各アンテナとの間のチャネル情報を必要とする。一般的には、アップリンクのチャネル情報は、アップリンクにおける端末局114からの受信信号を利用して制御局101が推定する。また、ダウンリンクのチャネル情報は、ダウンリンクにおける各基地局112a〜112dからの受信信号を利用して各端末局114が推定して、アップリンクにて送信される制御情報に推定したチャネル情報を収容して制御局101にフィードバックされる。
なお、アンテナ127a、127bと、受信信号処理部124及び送信信号処理部126との間での信号の伝達においては、例えばTDDスイッチなどを利用して、アンテナ127a、127bから受信信号処理部124への信号の伝達と、送信信号処理部126からアンテナ127a、127bへの信号の伝達との調整を行うようにしてもよい。
図3は、関連技術におけるチャネル情報取得部108の構成を示す概略ブロック図である。なお、制御局101が備えるチャネル情報取得部108と、端末局114が備えるチャネル情報取得部125とは同じ構成を有しているので、以下ではチャネル情報取得部108について説明する。
チャネル情報取得部108は、周波数軸チャネル情報推定部1と、トレーニング信号管理部2と、チャネル情報管理部6とを有している。
周波数軸チャネル情報推定部1は、周波数軸上におけるチャネル情報の推定を行う。
トレーニング信号管理部2は、無線通信システムにおける空間分割多重伝送で用いられる周波数成分ごとのトレーニング信号を予め記憶して管理する。
チャネル情報管理部6は、周波数軸チャネル情報推定部1が推定したチャネル情報を管理する。
チャネル情報取得部108の動作について説明する。チャネル情報の推定に用いられるトレーニング信号(既知信号)がチャネル情報取得部108に入力されると、入力されたトレーニング信号は周波数軸チャネル情報推定部1に入力される。
周波数軸チャネル情報推定部1は、入力されたトレーニング信号の周波数軸に対応する既知のトレーニング信号をトレーニング信号管理部2から読み出す。周波数軸チャネル情報推定部1は、入力されたトレーニング信号と、読み出した既知のトレーニング信号とに基づいて、周波数成分ごとのチャネル情報を推定する。周波数軸チャネル情報推定部1は、推定した各周波数成分のチャネル情報をチャネル情報管理部6に出力する。
チャネル情報管理部6は、周波数軸チャネル情報推定部1が推定した各周波数成分のチャネル情報を記憶し、管理する。チャネル情報管理部6は、受信ウエイト生成部109又は送信ウエイト生成部111からの要求に応じて、記憶しているチャネル情報を出力する。なお、端末局114において、チャネル情報管理部6は、受信信号処理部124又はMAC層処理部122からの要求に応じて、記憶しているチャネル情報を出力する。
チャネル情報の推定には、周波数軸上にて行う方法の他に時間軸上にて行う方法がある。時間軸上にて行う方法では、受信したベースバンドのトレーニング信号と時間軸上における既知のトレーニング信号との相関を求めることによりインパルス応答を取得し、その周波数軸への変換処理により周波数成分ごとのチャネル情報を推定する。ここでは、周波数軸上においてチャネル情報を推定する方法を例にとって説明したが、時間軸上において周波数成分ごとのチャネル情報を取得することに関しては、周波数軸上でチャネル情報を推定するのと同様に公知の技術を用いて行うことができるので、その説明を省略する。
また、チャネル情報を取得する方法に関しては大別して2種類の方法がある。以下では、アップリンクの信号を用いてチャネル情報を取得する方法(図4)と、ダウンリンクの信号を用いてチャネル情報を取得する方法(図5)とについて説明する。
図4は、アップリンクにおけるチャネル情報の推定処理を示すフローチャートである。
アップリンクにおけるチャネル情報の推定処理が開始されると(ステップS101)、各基地局112a〜112dは、各端末局114a〜114bが送信したチャネル情報の推定に用いられるトレーニング信号を含む無線パケットを受信し、受信した無線パケットを制御局101に送信する(ステップS102)。
制御局101のチャネル情報取得部108は、無線パケットに含まれるトレーニング信号に基づいてチャネル情報を推定し(ステップS103)、各端末局114a〜114bと各基地局112a〜112との組み合わせに対応するチャネル行列Hi,jを記憶して管理し(ステップS104)、処理を終了する(ステップS105)。
ここで、チャネル行列Hi,jは、第i番目の端末局114と第j番目の基地局112との間のチャネル情報であり、第i番目の端末局114のアンテナ数をNMT、第j番目の基地局112のアンテナ数をNBSである場合、チャネル行列Hi,jのサイズはNMT×NBSである。
アップリンクにおけるチャネル情報の推定では、各端末局114が送信する信号の干渉が問題とならないように、それぞれが直交したトレーニング信号系列を用いるようにしてもよい。また、それぞれの端末局114の送信タイミング等が制御されている場合には、端末局114が送信するトレーニング信号を各基地局112が受信できるため、第i番目の端末局114と、第1番目から第J番目までの基地局112のうちトレーニング信号を受信可能な基地局112と間のチャネル行列Hi,j(1≦j≦J)を同時に取得することが可能である。制御局101は、各基地局112が協調して通信を行う複数の端末局114に対し、上記のチャネル情報の推定処理を実施する。
図5は、ダウンリンクにおけるチャネル情報の推定処理を示すフローチャートである。
ダウンリンクにおけるチャネル情報の推定処理が開始されると(ステップS111)、無線通信装置100が各基地局112a〜112dから送信した無線パケットであってチャネル情報の推定に用いるトレーニング信号を含む無線パケットを各端末局114a〜114bが受信する(ステップS112)。
各端末局114a〜114bにおいて、受信した無線パケットに含まれるトレーニング信号に基づいて、チャネル情報取得部125がチャネル情報を推定する(ステップS113)。
各端末局114a〜114bにおいて、MAC層処理部122が、各基地局112a〜112dに対するすべてのチャネル情報を「制御情報収容用の無線パケット」に収容して、各基地局112a〜112d宛てに送信信号処理部126に送信させる(ステップS114)。
各基地局112a〜112dは、各端末局114a〜114bから送信された「制御情報収容用の無線パケット」を受信し、受信した「制御情報収容用の無線パケット」を制御局101に送信する。制御局101では、チャネル情報取得部108が「制御情報収容用の無線パケット」に収容されているチャネル情報を取得する(ステップS115)。
チャネル情報取得部108は、各端末局114a〜114bと各基地局112a〜112dとの組み合わせごとに、取得したチャネル情報をチャネル行列Hi,jとして記憶して管理し(ステップS116)、処理を終了する。なお、チャネル情報取得部108は、記憶するチャネル行列Hi,jに関するデータベースを構築するようにしてもよい。
上記のダウンリンクにおけるチャネル情報の推定においては、各基地局112a〜112dが送信する信号が相互に干渉とならないように、直交したトレーニング信号系列を用いるようにしてもよい。また、各基地局112a〜112dの送信タイミング等を調整し、無線回線の設計上、トレーニング信号が受信可能な各端末局114a〜114bに対して個別に実施するようにしてもよい。
なお、OFDM変調方式を用いる場合においては、図4及び図5に示したチャネル情報を推定する処理のすべての動作はすべての周波数成分に対して実施されることになる。
図5に示したチャネル情報の推定方法はフィードバックを用いた一例であるが、ダウンリンクのチャネル情報に関してはアップリンクのチャネル情報の推定結果を利用する方法もある。一般的には、ダウンリンクのチャネル情報と、その逆方向のアップリンクのチャネル情報とは一致しない。それは、ダウンリンク時に信号を送信する基地局112のハイパワーアンプと信号を受信する端末局114のローノイズアンプとの組み合わせにおける特性と、アップリンク時に信号を送信する端末局114のハイパワーアンプと信号を受信する基地局112のローノイズアンプとの組み合わせにおける特性とが異なるためである。特性が異なることにより、ダウンリンクのチャネル情報とアップリンクのチャネル情報との間で複素位相や振幅が異なることになる。
しかしこれは、ダウンリンクにおけるハイパワーアンプと、アップリンクにおけるローノイズアンプとの相違を補正するキャリブレーション処理を実施することで、アップリンクのチャネル情報からダウンリンクのチャネル情報を換算推定することが可能である。具体的には、アップリンクにおけるチャネル情報に、ハイパワーアンプとローノイズアンプとの相違を補正するキャリブレーション係数を乗算することによって変換処理を実施することができる。
以上説明したチャネル情報をフィードバックする方法と、キャリブレーション処理によりチャネル情報を取得する方法のいずれを利用しても構わないが、予めチャネル情報を取得しておき、実際の通信を行う際にこのチャネル情報を基に送信ウエイトを算出する。また、受信ウエイトに関しても、実際のデータの受信時に行うチャネル推定結果を基に受信ウエイトを算出する。なお、チャネル情報は時間とともに変動するため、送信及び受信の都度に更新することが一般的である。
次に、上述した処理によって無線通信装置100が取得した送信ウエイト及び受信ウエイトを用いた送信処理と受信処理とについて説明する。以下の説明では、受信時でのアナログ信号処理の後段にあたるデジタル信号処理と、送信時でのアナログ信号処理の前段にあたるデジタル信号処理とについて説明する。
なお、受信時すなわちアップリンクに関しては、制御局101は各基地局112a〜112dから有線回線113e〜113hを介して信号を受信することになるが、この有線回線113e〜113hが光ファイバであれば電気/光信号変換と光/電気信号変換などの信号終端処理や、無線周波数の信号のダウンコンバート及び帯域外周波数の除去、アナログ/デジタル変換などを実施することで、デジタル・ベースバンド信号への変換が行われる。同様に、送信時すなわちダウンリンクに関しては、制御局101から各基地局112a〜112dへの信号送信においては、デジタル・アナログ変換に加えて無線周波数の信号へのアップコンバート及び帯域外周波数の除去を実施し、光/電気信号変換と電気/光信号変換などの信号終端処理が行われて送信信号処理部110から基地局112a〜112dへのデジタル・ベースバンド信号の転送が行われる。
図6は、基地局連携技術を用いた無線通信装置100におけるアップリンクの受信ウエイト算出処理を示すフローチャートである。無線通信装置100において、各端末局114a〜114bからの信号を受信する処理を開始すると(ステップS121)、受信信号処理部107は、各基地局112a〜112dにおいて受信された受信信号からチャネル情報の推定に用いるトレーニング信号を抽出する(ステップS122)。
チャネル情報取得部108は、受信信号処理部107が抽出したトレーニング信号に基づいて、図4に示した手順によりチャネル情報(チャネル行列Hi,j:以下、部分行列Hi,jともいう。)を取得し(ステップS123)、各チャネル情報を合成して無線通信システム全体の行列Hallを作成する(ステップS124)。
受信ウエイト生成部109は、チャネル情報取得部108が作成した行列Hallに基づいて、受信ウエイト行列を算出し(ステップS125)、受信ウエイト算出処理を終了する(ステップS126)。
受信ウエイト行列が算出されると、受信信号処理部107は当該受信ウエイト行列を用いて、トレーニング信号に続いて受信される受信信号の分離処理を行う。
図7は、基地局連携技術を用いた無線通信装置100におけるアップリンクにおける受信信号処理を示すフローチャートである。無線通信装置100において、各端末局114a〜114bからの信号を各基地局112a〜112dが受信し、受信処理を開始すると(ステップS131)、制御局101が第i番目の基地局112が受信した受信信号Riをすべての基地局112a〜112dより取得する(ステップS132)。
受信信号処理部107は、各基地局112a〜112dが受信した受信信号Riのデータ部に対してFFTを用いた周波数成分への分離などを含む信号処理を行う(ステップS133)。また、受信信号処理部107が受信信号Riのトレーニング信号を抽出し、チャネル情報取得部108がチャネル情報の推定を行い、受信ウエイト生成部109が受信ウエイト行列の算出を行う(ステップS134)。
受信信号処理部107は、受信ウエイト生成部109が算出した受信ウエイト行列を、ステップS133において得られた周波数成分ごとの受信信号に対して乗算することで、各端末局114a〜114bから送信され空間上にて多重された信号系列を分離し、分離した信号に対する信号検出処理前の推定信号Siを算出する(ステップS135)。
受信信号処理部107は、信号系列ごとに信号検出処理を実行し(ステップS136)、検出された信号系列をMAC層処理部106に出力し(ステップS137)、受信信号処理を終了する(ステップS138)。
図8は、基地局連携技術を用いた無線通信装置100におけるダウンリンクにおける送信ウエイト算出処理を示すフローチャートである。無線通信装置100において、端末局114a〜114bに送信すべきデータがMAC層処理部106から送信信号処理部110に入力されて処理が開始されると(ステップS141)、送信信号処理部110はMAC層処理部106から通信相手となる端末局114に関する情報を取得する(ステップS142)。
チャネル情報取得部108は、図4又は図5において説明した手順でチャネル情報(部分行列Hi,j)を読み出し(ステップS143)、読み出した部分行列Hi,jを合成して全体の行列Hallを作成する(ステップS144)。
送信ウエイト生成部111は、チャネル情報取得部108が作成した行列Hallに対応する送信ウエイト行列を算出し(ステップS145)、送信ウエイト算出処理を終了する(ステップS146)。この後、無線通信装置100において送信信号処理が引き続き行われる。
図9は、基地局連携技術を用いた無線通信装置100におけるダウンリンクにおける送信信号処理を示すフローチャートである。無線通信装置100において送信信号処理が開始されると(ステップS151)、各端末局114a〜114bに送信すべきデータがMAC層処理部106から送信信号処理部110に入力される(ステップS152)。
送信信号処理部110は、宛先の端末局114a〜114bそれぞれに対して送信すべきデータごとに、各種変調処理等を含む送信信号処理を実施し、各周波数成分の送信信号を生成する(ステップS153)。
送信信号処理部110は、図8に示した処理によって送信ウエイト生成部111が算出した送信ウエイト行列を、周波数成分ごとに各宛先の送信信号に乗算する。送信信号処理部110は、送信ウエイト行列が乗算された各宛先の送信信号を加算合成して、各基地局112a〜112dから送信する送信信号を生成する(ステップS154)。
送信信号処理部110は、各送信信号に対し、IFFTによる時間軸上の信号への変換及びガードインターバルの付与、OFDMシンボル間の波形整形等の処理など、一連の信号処理を実施し(ステップS155)、これを基地局112に転送して各基地局112a〜112dを介して各端末局114a〜114bに送信信号を送信し(ステップS156)、送信信号処理を終了する(ステップS157)。
ダウンリンクの場合、一般的には、基地局112a〜112dのすべてのアンテナが備えるアンテナの総数をKとし、空間分割多重された信号系列数(すなわち、端末局114a〜114bのすべてが備えるアンテナの総数)をLとしたとき、Lの値がKの値以下(L≦K)であれば多数の信号系列の信号を空間多重することができる。
ここで、空間分割多重を行う際に用いる全体のチャネル行列Hallは、取得した部分行列Hi,jを用いて、ダウンリンクの場合は以下の(1)式、また、アップリンクの場合は以下の(2)式のように合成する。
Figure 0005824441
Figure 0005824441
なお、(1)式及び(2)式において、各部分行列Hi,j(以下、部分チャネル行列Hi,jともいう。)は、ダウンリンクとアップリンクとの全体のチャネル行列において同様の表現を用いているが、厳密にはそれらは異なるため、換算する際には単純な転置操作だけでなくキャリブレーションの処理が必要となる。そして、(1)式と(2)式とに示すチャネル行列Hallを用いてダウンリンクにおける送信ウエイトと、アップリンクにおける受信ウエイトとを算出する。
なお、上述の信号処理において用いる送信ウエイトと受信ウエイトは、グラムシュミットの直交化法などさまざまな算出法が存在する。例えば、チャネル行列Hallの疑似逆行列を求める方法(Zero Forcing;ZF)を用いると、ダウンリンクにおける送信ウエイト行列W(DL)は以下の(3)式のように表せ、アップリンクにおける受信ウエイト行列W(UL)は以下の(4)式のように表せる。
Figure 0005824441
Figure 0005824441
なお、(3)式及び(4)式における行列の右肩の「H」は複素共役転置を表す。
また、同様の送信ウエイトや受信ウエイトとして知られているMMSEウエイトでは、雑音電力をσ、単位行列をIとすれば以下の(5)式及び(6)式で表される。
Figure 0005824441
Figure 0005824441
その他、MLD(Maximum Likelihood Detection)等の非線形の信号処理を行うようにしてもよいし、「丸田一輝他、『マルチユーザMIMO分散アンテナシステムにおけるクラスタ間干渉キャンセラを用いた周波数利用効率改善効果』、信学技報RCS2009-231 、pp.139-144 、2010年1月」に記載されている方法を用いてもよい。
上述したように、基地局連携を用いてマルチユーザMIMOでは、送信ウエイトと受信ウエイトとを算出するために無線通信システム全体のチャネル行列Hallに関するすべての部分チャネル行列Hi,jを必要とする。しかし、チャネル情報の推定のオーバーヘッドないしは劣悪な受信環境に起因してチャネル情報に推定誤差が生じる場合には、周波数利用効率が低下してしまう。
そこで、チャネル情報の品質がある一定の基準を満たさない、すなわち推定精度が低いチャネル情報(例えば、推定SNRが予め定めたしきい値以下の場合)には、当該チャネル情報を「0」に置換し、部分的に「0」に置換された全体のチャネル行列Hallに基づいて送信ウエイト又は受信ウエイトを算出する。このようなゼロ置換法に関しては、例えば、「Y. Tajika, H. Taoka, and K. Higuchi, Muting-based partially non-orthogonal block diagonalization in multiuser MIMO with limited channel state information feedback," in Proc. IEEE VTC2011-Fall, San Francisco, U.S.A., 5-8 Sept. 2011.」などにおいて検討されている。
これにより、例えば、以下の(7)式に示すような部分的に「0」(又は各成分が0である部分ブロック行列)に置換されたダウンリンクの全体のチャネル行列Hall (DL)が生成されることになる。
Figure 0005824441
ここで、(7)式を詳細に吟味するため、この行列の1列目とL列目の部分行列を比較する。1列目(厳密には、部分行列が複数列の行列であれば複数行にまたがる縦長の行列となるが、ここではこのブロック行列をまとめて1行目と呼んでいる)に関しては、3行目以下の行で成分がすべてゼロになっている。L列目に関しては、1行目から(K−2)行目までの各行で成分がすべてゼロとなっている。実際には各基地局112と他の基地局112の位置関係で全体行列の対角成分付近がゼロでその他の部分がゼロというような綺麗な配置にはなっていないかも知れないが、伝搬減衰により信号の届く範囲が限定的であることから、一方の行成分が非ゼロのときに他方の行成分がゼロとなる関係にある列成分は容易に見出すことが可能である。
この際、例えば1行目の部分行列に含まれる列ベクトルとL列目の部分行列に含まれる列ベクトルは、内積をとるとすべてゼロとなる関係にある。すなわち、相互の列ベクトルが直交関係にあることから、特に相互の直交化のために多次元ベクトル空間の自由度を浪費する必要はなく、これに伴う直交化ロスも生じない。言い換えれば、第iセルの端末局114へヌルを向けないことを意味するので、「0」に置換したチャネル行列Hi,jに関しては、第jセルの基地局112から第iセルの端末局114へのヌル制御は省略されるため、干渉は抑圧されずにそのまま残ることになる。
一方、チャネル情報が推定誤差を大きく含む場合は、それらの列ベクトルの内積がゼロとならないために、僅かながらの干渉であっても演算上はヌル形成のために自由度を浪費し、直交化ロスを生じることになる。更には、そこまでして行うヌル形成も、その推定誤差を含めて行うヌル形成であるので、正確なヌル形成とは異なり、結果的に新たな干渉を生じさせるリスクを伴う。場合によっては、もともとの干渉電力を低減させずにむしろ干渉量を増大させることも予想される。このような場合には、その端末局114からの干渉をある程度許容し、無駄なヌル形成のために不要な電力を浪費せず、所望信号のための電力を十分に確保することでSIR(Signal to Interference Ratio)の低下を抑制することが有効となる。
図10は、基地局連携による空間分割多重伝送においてゼロ置換法を適用した際の周波数利用効率を示すグラフである。同図において、横軸は周波数利用効率を示し、縦軸は累積確率分布(CDF)を示している。また、同図に示すグラフは、計算機シミュレーションにより得られた結果である。計算機シミュレーションの条件は以下の通りである。図21に示されているように、19個のセルを六角形状に配置し、送信電力は空間分割多重伝送を実施しない場合に各セル端におけるSNRが10dBとなる値を用いている。ダウンリンクにおける空間分割多重伝送とし、その送信ウエイトとしてグラムシュミットの直交化法を用いている。また、チャネルのモデル化として、フェージングは独立無相関の複素ガウス乱数によって与え、送信された信号は距離の4乗に従って減衰する。チャネル推定誤差は各端末局における平均受信SNRに従うものとし、信号レベルに対する雑音レベルと同等レベルの複素ガウス分布に従う雑音を、チャネル推定誤差として付加する。各セル内に1台の端末局を一様分布にて配置し、中心セルにおける周波数利用効率を求めたものを1サンプルとし、端末局の配置をランダムに変えながら十分な数のサンプルを取得し、その分布特性を評価している。
また、同図において点線で示されたグラフ(0置換なし)は、各セルにおいて基地局と端末局との間の推定誤差を含むチャネル情報をすべて利用した場合の周波数利用効率のCDFを示している。一方、実線で示されたグラフ(0置換あり)は、推定誤差を含むチャネル情報のうち自セル及び最近接のセルからのチャネル情報のみを非ゼロとし、他のチャネル情報にゼロ置換を行った場合の周波数利用効率のCDFを示している。
この評価は、あくまでも一例として傾向を示したに過ぎないが、その他の諸条件に対しても同様の効果をみることはできる。この例に関していえば、配置した19セルすべての基地局と端末局との間のチャネル情報を用いるのではなく、それよりも少ない、自セルと隣接する6セルにおける7つの基地局と端末局との間のチャネル情報のみを用い、その他のチャネル情報を0に置換している。このとき、チャネル情報の推定誤差が存在する場合、チャネル行列の一部を0置換することにより、周波数利用効率のCDF特性が優位(グラフで右側に位置する)であることがわかる。
以上の動作原理のもと、ゼロ置換法を実施する具体的な一構成例について説明する。
図11は、ゼロ置換法を適用したチャネル情報取得部108Aの構成を示す概略ブロック図である。チャネル情報取得部108Aは、周波数軸チャネル情報推定部1と、トレーニング信号管理部2と、チャネル情報管理部6と、チャネル情報品質評価部8とを有している。チャネル情報取得部108Aは、チャネル情報品質評価部8を有している点が、チャネル情報取得部108(図3)と異なっている。なお、チャネル情報取得部108Aにおいて、チャネル情報取得部108における機能部と同じ機能部に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。また、チャネル情報取得部108Aは、制御局101(図1)におけるチャネル情報取得部108に代えて用いられるとともに、端末局114におけるチャネル情報取得部125に代えて用いられる。
チャネル情報品質評価部8は、周波数軸チャネル情報推定部1が推定した周波数成分ごとのチャネル情報の品質を測定し、測定結果が所定の基準を満たすか否かを判定する。
チャネル情報の品質が所定の基準を満たす場合、チャネル情報品質評価部8は、チャネル情報をそのまま記憶して管理する旨をチャネル情報管理部6に通知する。一方、チャネル情報の品質が所定の基準を満たさない場合、チャネル情報品質評価部8は、チャネル情報を「0」に置換した上で記憶して管理する旨をチャネル情報管理部6に通知する。すなわち、チャネル情報品質評価部8は、周波数軸チャネル情報推定部1が推定した周波数成分ごとのチャネル情報を、チャネル情報の品質に応じて0に置き換えるか否かの判定をし、判定結果に基づいてチャネル情報管理部6を制御する。
チャネル情報管理部6は、図3に示したチャネル情報取得部108における動作と同様に、チャネル情報を記憶して管理し、受信ウエイト生成部109や送信ウエイト生成部111の要求に応じてチャネル情報を出力する。また、端末局114においては、受信信号処理部124やMAC層処理部122の要求に応じてチャネル情報を出力する。
以下に、ゼロ置換法を適用した無線通信システムにおけるアップリンク及びダウンリンクでのチャネル情報取得処理について説明する。ここでは、図1に示されている無線通信装置100におけるチャネル情報取得部108をチャネル情報取得部108Aに代えた構成と、図2に示されている端末局114におけるチャネル情報取得部125をチャネル情報取得部108Aに代えた構成とに基づいて説明する。
<アップリンク>
図12は、アップリンクにおけるチャネル情報取得処理を示すフローチャートである。
ダウンリンクのチャネル情報の推定(又は、チャネル情報のフィードバック)は、上述したように幾つかのバリエーションが存在するが、アップリンクに関しては基地局112にて受信した信号を基にしてチャネル情報の推定が実施されるので、以下ではアップリンクのチャネル情報の推定を中心に説明する。
無線通信装置100においてチャネル情報の推定処理が開始されると(ステップS21)、各端末局114が基地局112宛てに送信する無線パケットであってチャネル情報の推定に用いられるトレーニング信号などを含む無線パケットを各基地局112a〜112dが受信し、各基地局112a〜112dから制御局101に転送する(ステップS22)。
制御局101において、チャネル情報取得部108Aは、無線パケットに含まれているトレーニング信号などを用いてチャネル情報を推定する(ステップS24)。
チャネル情報取得部108Aは、推定したチャネル情報の品質が基準を満たすか否かを判定する(ステップS25)。
ここで、チャネル情報の品質には、全サブキャリア(周波数成分)に亘る送受信電力や、受信レベルの高い一部のサブキャリアを選択してしきい値と比較することにより得られる指標や、雑音に対する相対的な受信レベルとしてのSNRなど、信号の品質として得られる指標であればいかなる指標を用いても構わない。
チャネル情報の品質が基準を満たす場合(ステップS25にてYES)、チャネル情報取得部108Aは、推定したチャネル情報を部分チャネル行列Hi,jとして記憶した上で管理し(ステップS26)、処理を終了する(ステップS28)。なお、部分チャネル行列Hi,jは、第i番目の端末局114と第j番目の基地局112との間のチャネル情報である。
一方、チャネル情報の品質が基準を満たさない場合(ステップS25にてNO)、チャネル情報取得部108Aは、推定したチャネル情報を0に置換し、推定したチャネル情報に対応する部分チャネル行列Hi,jを0として記憶した上で管理し(ステップS27)、処理を終了する(ステップS28)。
上述の動作により部分的に0に置換された全体のチャネル行列Hall (UL)が生成されることになる。制御局101では、このチャネル行列Hallを用いて基地局連携による空間分割多重伝送の送信ウエイト及び受信ウエイトが生成される。すなわち、チャネル情報取得部108Aにおいて取得したチャネル情報の品質を測定し、基準を満たさない場合には当該チャネル情報を「0」に置換して記憶し、送信ウエイト及び受信ウエイトの生成に用いる。
これにより、信頼度の低いチャネル情報を「0」に置換して、大きい推定誤差を含むチャネル情報を用いることなく送信ウエイトや受信ウエイトを算出することにより、チャネル情報の推定誤差による影響を抑制することができる。その結果、所望電力の低下を抑制し、周波数効率を改善することが可能になる。なお、基本的に送信ウエイトや受信ウエイトの算出は、端末局114から無線パケットを受信した際に行うチャネル情報の推定結果を基に行う。
以上はアップリンクに関する説明であったが、ダウンリンクに関しても同様の処理が可能である。ダウンリンクのチャネル情報の推定に関しては、先にも説明したように、アップリンクのチャネル情報の推定結果を利用する方法と、端末局114でのダウンリンクのチャネル情報の推定結果を制御情報に載せてフィードバックする方法とのバリエーションがある。しかし、いずれの方法を用いたとしても、それらの処理の後に確定するダウンリンクのチャネル情報に対し、同様に推定精度が低いチャネル情報に対するゼロ置換を行うことで、アップリンクと等価な処理を実施することが可能である。
以下に、端末局114よりチャネル情報をフィードバックする場合について詳細に説明する。
<ダウンリンク>
図13は、ダウンリンクにおけるチャネル情報取得処理を示すフローチャートである。
アップリンクの説明においては、ダウンリンクのチャネル情報に対する推定精度が低い場合におけるゼロ置換を制御局101で行うことを想定した説明をしたが、ダウンリンクのチャネル情報の推定を図5に示したように端末局114で行う場合には、ダウンリンクのチャネル情報に対するゼロ置換を端末局114で行うことも可能である。この場合における無線通信装置100の構成は図1に示した構成と同じであり、送信における信号処理と受信における信号処理とは図4から図9に示した処理と同じである。以下に説明する処理では、端末局114において、取得したチャネル情報の品質を測定し、基準を満たさない場合には当該チャネル情報を0に置換し、制御局101にフィードバックするところにある。
これによって、信頼度の低いチャネル情報を0に置換して制御局101に通知することができ、大きな推定誤差を含むチャネル情報を用いて送信ウエイトを算出することによるヌル制御の崩れや、所望電力の低下を抑制し、周波数利用効率を改善することが可能となる。
チャネル情報の推定処理が開始されると(ステップS31)、制御局101は基地局112a〜112dのいずれかから各端末局114宛てにトレーニング信号などを含む無線パケットを送信し、各端末局114が無線パケットを受信する(ステップS32)。
端末局114は、受信した無線パケットに含まれているトレーニング信号などを用いてチャネル情報の推定を実施する(ステップS33)。
端末局114は、推定したチャネル情報の品質を測定し(ステップS34)、測定したチャネル情報の品質が基準を満たすか否かを判定する(ステップS35)。
チャネル情報の品質が基準を満たす場合(ステップS35にてYES)、端末局114は、推定したチャネル情報を「制御情報収容用の無線パケット」に収容し、基地局112a〜112d宛てに送信する(ステップS36)。
一方、チャネル情報の品質が基準を満たさない場合(ステップS35にてNO)、端末局114は、チャネル情報として「0」を「制御情報収容用の無線パケット」に収容し、基地局112a〜112d宛てに送信する(ステップS37)。
制御局101は、端末局114が送信した「制御情報収容用の無線パケット」を基地局112a〜112dを介して受信し、チャネル情報を取得する(ステップS38)。
制御局101は、受信したチャネル情報を第i番目の端末局114と第j番目の基地局との間の部分チャネル行列H’i,jとして記憶して管理し(ステップS39)、処理を終了する(ステップS40)。
以上の処理を制御局101に接続されている基地局112a〜112dごとに実施する。この処理により、部分的に0に置換された全体のチャネル行列Hall (DL)が取得されることになり、当該チャネル行列Hall (DL)を用いて基地局連携によるマルチユーザMIMOの送信ウエイトと受信ウエイトとを生成する。これにより、チャネル情報の推定誤差による影響を抑制し、周波数利用効率を改善することが可能となる。
また、ステップS37において、チャネル情報を「0」に置換したものを制御局101に通知する処理としているが、通知そのものを行わないようにしてもよい。その際、制御局101では当該端末局114に対するチャネル情報を「0」として送信ウエイトや受信ウエイトを算出することになり、同様の効果を得ることが可能となる。なお、以上説明した処理は、周波数成分(サブキャリア)ごとに実施する。
以上が関連技術に関する説明である。この関連技術によって得られる周波数利用効率の改善効果は、これまでの計算機シミュレーション評価において、チャネル推定用のトレーニング信号の受信SNRが0[dB]以下であっても干渉抑圧効果が得られることが確認されている。つまり、計算機シミュレーション上では受信信号のレベルが既知であるものとして、雑音レベルよりも小さな受信レベル(すなわち品質)のしきい値を設定することで特性改善を図ることができる。しかしながら、実際のシステムにおいては、チャネル推定用のトレーニング信号の受信レベルに対し、受信機の雑音レベルが大きいような場合、雑音を除くチャネル推定用のトレーニング信号の受信レベルを把握することは通常は困難であり、取得したチャネル情報の品質を正確に推定することは困難となる。
この課題を解決する方法として、まず、本発明の基本的な概念について説明する。
図14は、雑音とチャネル情報の推定結果との関係を示すグラフである。実際のシステムでは雑音と信号成分を分離することはできないが、ここでは計算機シミュレーション上の評価例として、雑音のみを抽出した場合と理想的なチャネル情報の推定結果のみを抽出した場合を分けてプロットしている。
図14(a)は周波数軸上における推定結果と雑音との関係を示しており、下側の太い実線がチャネル情報の推定結果すなわち周波数応答を示し、上側の細い実線が雑音を示している。図14(b)は推定結果を時間軸上に変換したインパルス応答(太い実線)と、雑音(細い線)との関係を示している。
ここで、SNR=−10[dB]である場合にチャネル推定を実施した結果を例として示しており、図14(a)と図14(b)ともに、実際にはチャネル情報と雑音が合成された形での出力が得られる。
このSNR=−10[dB]という条件、すなわち雑音電力が希望信号電力の10倍となる場合では、図14(a)に示すように、チャネルの周波数応答は雑音レベルよりも小さく、つまり雑音に埋もれた形となるため、チャネル情報の品質を推定し、その要否(すなわち各周波数成分が所定のしきい値以上であるか否か)の判定をすることは困難である。
一方、当該チャネル情報をIFFTにより時間軸上に変換すると、周波数軸上の電力密度がインパルス応答の中の遅延時間が小さな一部の値に集中するため、図14(b)に示すようにインパルス応答の先頭値のレベルは雑音レベルよりも十分大きく、すなわち雑音レベル以上の値に設定された所定のしきい値(図中では点線で示している)を超えているか否かの判定により、チャネルの品質を判断することが可能になる。
このように、チャネル情報の品質を推定する際に、周波数軸上では品質を判断することが困難であっても時間軸上でみることにより希望信号を選択的に抽出し、チャネル情報の品質を推定することが可能となる。
次に、本発明におけるチャネル情報の品質推定法に関する具体的な実施例を説明する。
<第1の実施形態>
図15は、本発明に係る第1の実施形態におけるチャネル情報取得部208の構成を示す概略ブロック図である。チャネル情報取得部208は、周波数軸チャネル情報推定部1と、トレーニング信号管理部2と、IFFT回路3と、時間軸チャネル情報推定部4と、インパルス応答評価部5と、チャネル情報管理部6とを有している。チャネル情報取得部208は、IFFT回路3と、時間軸チャネル情報推定部4と、インパルス応答評価部5とを有している点が、チャネル情報取得部108(図11)と異なっている。なお、チャネル情報取得部208において、チャネル情報取得部108における機能部と同じ機能部に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
ここでは、チャネル情報取得部208を示しているが、第1の実施形態における無線通信システムとしては、図1に示した無線通信装置100においてチャネル情報取得部108をチャネル情報取得部208に代えた無線通信装置と、図2に示した端末局114においてチャネル情報取得部125をチャネル情報取得部208に代えた端末局とを具備する。
一般的に、チャネル情報の推定には周波数軸上にて行う方法と、時間軸上にて行う方法との2通りがある。周波数軸上にて行う方法では、受信し、ベースバンドに変換されたトレーニング信号をまず周波数軸に変換し、周波数軸上における既知のトレーニング信号との比較において周波数成分ごとのチャネル情報を推定する。一方、時間軸上にて行う方法では、受信したベースバンドのトレーニング信号と時間軸上における既知のトレーニング信号との相関を求めることによりインパルス応答を取得し、その周波数軸への変換処理により周波数成分ごとのチャネル情報を推定する。本実施形態では、まず周波数軸にてチャネル推定を行う方法を基本とした場合について説明する。
チャネル情報取得部208における動作の流れを説明する。
チャネル情報を推定するためのトレーニング信号がチャネル情報取得部208に入力されると、入力されたトレーニング信号は周波数軸チャネル情報推定部1に入力される。周波数軸チャネル情報推定部1は、入力されたトレーニング信号に対応し周波数軸における既知のトレーニング信号をトレーニング信号管理部2から読み出し、読み出したトレーニング信号と入力されたトレーニング信号とから周波数成分ごとのチャネル情報を推定する。チャネル情報取得部208は、推定した周波数成分ごとのチャネル情報をチャネル情報管理部6とIFFT回路3とに出力する。
チャネル情報管理部6に出力されたチャネル情報は、一時的にチャネル情報管理部6に記憶される。
IFFT回路3は、周波数軸チャネル情報推定部1が出力する周波数成分ごとのチャネル情報に対してIFFTを行い、時間軸上のインパルス応答に変換する。IFFT回路3は、変換により得られた時間軸上のインパルス応答を時間軸チャネル情報推定部4に出力する。
時間軸チャネル情報推定部4は、IFFT回路3が出力するインパルス応答を、時間軸上のチャネル情報としてインパルス応答評価部5に出力する。
インパルス応答評価部5は、時間軸チャネル情報推定部4が出力する時間軸上のチャネル情報が、所定の基準を満たすか否かを判定する。このとき、時間軸上のチャネル情報(インパルス応答)が基準を満たすと判定される場合、周波数軸チャネル情報推定部1が推定したチャネル情報、すなわち一時的にチャネル情報管理部6に記憶されているチャネル情報は、チャネル情報管理部6が記憶して管理される。一方、時間軸上のチャネル情報が基準を満たさないと判定される場合、一時的にチャネル情報管理部6に記憶されているチャネル情報は破棄され、当該チャネル情報に対応する基地局112と端末局114との間の伝送路特性として各周波数成分において0をチャネル情報管理部6が記憶して管理する。すなわち、インパルス応答評価部5は、判定結果に応じた制御をチャネル情報管理部6に対して行い、周波数軸チャネル情報推定部1が推定した各周波数成分のチャネル情報を記憶して管理するか、各周波数成分のチャネル情報を0として記憶して管理するかを決定する。
チャネル情報管理部6において記憶、管理されるチャネル情報は、制御局101においては送信ウエイト生成部111又は受信ウエイト生成部109からの要求に応じて読み出される。また、端末局114においては受信信号処理部124又はMAC層処理部122からの要求に応じて読み出される。
図16は、第1の実施形態におけるチャネル情報取得処理を示すフローチャートである。チャネル情報取得処理が開始されると(ステップS1)、通信相手先の基地局112又は端末局114から無線パケットを受信し(ステップS2)、無線パケットからトレーニング信号の区間を抽出する(ステップS3)。
周波数軸チャネル情報推定部1は、抽出されたトレーニング信号に基づいて、周波数軸上におけるチャネル情報の推定を行う(ステップS4)。
IFFT回路3は、IFFT処理により時間軸上におけるチャネル情報のインパルス応答を取得する(ステップS5)。
インパルス応答評価部5は、IFFT回路3において得られたインパルス応答が基準を満たすか否かの判定を行い(ステップS6)、基準を満たす場合(ステップS6にてYES)、チャネル情報管理部6が周波数軸チャネル情報推定部1により推定された周波数成分ごとのチャネル情報を部分チャネル行列Hi,jとして記憶して管理し(ステップS7)、処理を終了する(ステップS9)。
一方、基準を満たさない場合(ステップS6にてNO)、当該チャネル情報すべての周波数成分に亘り0に置換して部分チャネル行列Hi,jとして記憶して管理し(ステップS8)、処理を終了する(ステップS9)。
ここで、ステップS6におけるインパルス応答の品質の判定方法について説明する。例えば、インパルス応答が示す最大値が予め設定された所定のしきい値を上回るか否かの判定によってインパルス応答(チャネル情報)の品質を判定してもよいし、もしくはインパルス応答の先頭から所定の数のサンプルを抽出し、その合計の電力値を算出して、しきい値を上回るか否かの判定によってインパルス応答(チャネル情報)の品質を判定してもよい。ここでは、希望信号の絶対的な電力値をしきい値として用いる例を示したが、雑音電力を基準として、雑音に対する希望信号のSNRに換算して相対的なレベルとしてしきい値を設定してもよい。
このように、インパルス応答の品質判定方法、及びしきい値の設方法についてはいかなる方法を用いて構わない。このことは、以降説明する第2、第3の実施形態に関しても同様である。
本実施形態は、制御局101(アップリンクの処理)及び端末局114(ダウンリンクの処理)のいずれにおいても実施可能である。制御局101において実施するアップリンクのチャネル情報取得処理においては、ステップS7において取得した周波数ごとのチャネル情報Hi,jを制御局101が記憶して管理する。一方、端末局114において実施するダウンリンクのチャネル情報取得処理においては、端末局114にて取得したチャネル情報Hi,jを制御局101に通知して、制御局101が当該チャネル情報Hi,jを記憶して管理する。ここでの通知のステップは、図5にて説明したものと同様であるため省略する。このことは、以降説明する第2、第3の実施形態においても同様である。
また、ステップS3におけるトレーニング信号区間の抽出について補足する。受信信号のレベルが雑音レベルよりも小さい場合、当該受信信号そのものを用いた受信タイミング検出が困難となる恐れがあるが、例えばGPS衛星等から得られる時刻情報を基にしてシンボルタイミングを絶対同期させ、このタイミングを用いて上述の処理をしたり、又は複数局からの信号から同時にチャネル推定を行う場合には最も受信レベルの大きい信号からのタイミング検出結果を参照する等の方法を用いることで、トレーニング信号の区間を把握することも可能である。このことは、以降説明する第2、第3の実施形態に関しても同様である。
以上の動作により、受信レベルの低い信号から推定したチャネル情報に対しても正確な品質評価を可能とし、品質に応じたチャネル情報の取捨選択を行うことによって部分的に0に置換された全体のチャネル行列を生成することができ、当該チャネル行列を用いて基地局連携において用いる送信ウエイトと受信ウエイトとを生成する。これにより、チャネル情報の推定誤差による影響を抑制し、無線通信システムにおける周波数利用効率を改善することが可能になる。
<第2の実施形態>
図17は、第2の実施形態におけるチャネル情報取得部308の構成を示す概略ブロック図である。第2の実施形態では、時間軸にてチャネル情報の推定を行う方法を基本とした構成について説明する。チャネル情報取得部308は、周波数軸チャネル情報推定部1と、トレーニング信号管理部2Aと、時間軸チャネル情報推定部4と、インパルス応答評価部5と、チャネル情報管理部6と、FFT回路7とを有している。
ここでは、チャネル情報取得部308を示しているが、第2の実施形態における無線通信システムとしては、図1に示した無線通信装置100においてチャネル情報取得部108をチャネル情報取得部308に代えた無線通信装置と、図2に示した端末局114においてチャネル情報取得部125をチャネル情報取得部308に代えた端末局とを具備する。
チャネル情報取得部308は、受信した無線パケットに含まれるトレーニング信号が入力されるブロックを時間軸チャネル情報推定部4とし、その後段にFFT回路7を配置している点が、第1の実施形態におけるチャネル情報取得部208と異なっている。なお、チャネル情報取得部308において、チャネル情報取得部108(図3)、又はチャネル情報取得部208(図15)における機能部と同じ機能部に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
チャネル情報取得部308の特徴は、時間軸上におけるチャネル推定値すなわちインパルス応答をまず取得し、その品質評価を行い、品質が基準を満たせば、推定したインパルス応答をFFT回路7を経由して周波数軸上におけるチャネル情報として取得する点である。品質が基準を満たさなければ、周波数軸上への変換を省略して周波数成分のチャネル情報をすべて0として出力するところにある。また、トレーニング信号管理部2Aは、無線通信システムにおける空間分割多重伝送で用いられる時間軸上のトレーニング信号を予め記憶して管理する。
チャネル情報取得部308における動作の流れを説明する。
チャネル情報を推定するためのトレーニング信号がチャネル情報取得部308に入力されると、入力されたトレーニング信号は時間軸チャネル情報推定部4に入力される。時間軸チャネル情報推定部4は、入力されたトレーニング信号に対応し時間軸における既知のトレーニング信号をトレーニング信号管理部2Aから読み出し、読み出したトレーニング信号と入力されたトレーニング信号とから時間軸におけるチャネル情報、すなわちインパルス応答を推定する。時間軸チャネル情報推定部4は、推定したインパルス応答をインパルス応答評価部5に出力する。
インパルス応答評価部5は、時間軸チャネル情報推定部4により推定されたインパルス応答が所定の基準を満たすか否かの判定を行う。インパルス応答が基準を満たすと判定されれば、当該インパルス応答をFFT回路7によって周波数上の信号に変換された信号が周波数軸チャネル情報推定部1に入力される。周波数軸チャネル情報推定部1は、入力された信号から周波数成分ごとのチャネル情報を推定し、推定した周波数成分ごとのチャネル情報をチャネル情報管理部6に出力する。チャネル情報管理部6は、インパルス応答が基準を満たすと判定されると、周波数軸チャネル情報推定部1が出力する周波数成分ごとのチャネル情報を記憶して管理する。
一方、インパルス応答が基準を満たさないと判定されると、周波数成分ごとのチャネル情報の値はすべて0に設定され、チャネル情報管理部6は、0に設定されたチャネル情報を記憶して管理する。
チャネル情報管理部6において記憶、管理されるチャネル情報は、制御局101においては送信ウエイト生成部111又は受信ウエイト生成部109からの要求に応じて読み出される。また、端末局114においては受信信号処理部124又はMAC層処理部122からの要求に応じて読み出される。
図18は、第2の実施形態におけるチャネル情報取得処理を示すフローチャートである。なお、同図のフローチャートにおいて、図16に示した第1の実施形態におけるチャネル情報取得処理と同じ処理のステップには、同じステップ番号を付している。
チャネル情報取得処理が開始されると(ステップS1)、通信相手先の基地局112又は端末局114から無線パケットを受信し(ステップS2)、無線パケットからトレーニング信号の区間を抽出する(ステップS3)。
時間軸チャネル情報推定部4は、抽出されたトレーニング信号に基づいて、時間軸上におけるチャネル情報の推定値としてのインパルス応答を算出し(ステップS11)、インパルス応答評価部5に出力する。
インパルス応答評価部5は、時間軸チャネル情報推定部4が算出したインパルス応答が基準を満たすか否かの判定を行い(ステップS12)、基準を満たす場合(ステップS12にてYES)、インパルス応答をFFT回路7に出力する。周波数軸チャネル情報推定部1は、FFT回路7がインパルス応答を変換して得られた周波数軸上の信号から周波数成分ごとのチャネル情報を推定してチャネル情報管理部6に出力する(ステップS13)。チャネル情報管理部6は、周波数軸チャネル情報推定部1が推定した周波数成分ごとのチャネル情報を部分チャネル行列Hi,jとして記憶して管理し(ステップS7)、処理を終了する(ステップS9)。
一方、基準を満たさない場合(ステップS12にてNO)、チャネル情報管理部6は、当該チャネル情報すべての周波数成分に亘り0を設定し、0に設定されたチャネル情報を部分チャネル行列Hi,jとして記憶して管理し(ステップS8)、処理を終了する(ステップS9)。
以上の動作により、受信レベルの低い信号から推定したチャネル情報に対しても正確な品質評価を可能とし、品質に応じたチャネル情報の取捨選択を行うことによって部分的に0に置換された全体のチャネル行列を生成することができ、当該チャネル行列を用いて基地局連携において用いる送信ウエイトと受信ウエイトとを生成する。これにより、チャネル情報の推定誤差による影響を抑制し、無線通信システムにおける周波数利用効率を改善することが可能になる。
<第3の実施形態>
図19は、第3の実施形態におけるチャネル情報取得部408の構成を示す概略ブロック図である。チャネル情報取得部408は、周波数軸チャネル情報推定部1と、トレーニング信号管理部2と、IFFT回路3と、時間軸チャネル情報推定部4と、インパルス応答評価部5と、チャネル情報管理部6と、チャネル情報品質評価部8とを有している。
ここでは、チャネル情報取得部408を示しているが、第3の実施形態における無線通信システムとしては、図1に示した無線通信装置100においてチャネル情報取得部108をチャネル情報取得部408に代えた無線通信装置と、図2に示した端末局114においてチャネル情報取得部125をチャネル情報取得部408に代えた端末局とを具備する。
チャネル情報取得部408は、周波数軸チャネル情報推定部1とチャネル情報管理部6との間にチャネル情報品質評価部8を設けている点が第1の実施形態におけるチャネル情報取得部208と異なっている。なお、チャネル情報取得部408において、チャネル情報取得部108(図3)、チャネル情報取得部208(図15)、又はチャネル情報取得部308(図17)における機能部と同じ機能部に対しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
チャネル情報品質評価部8は、周波数軸チャネル情報推定部1にて推定した周波数成分ごとのチャネル情報の品質を測定し、その品質が基準を満たせば当該チャネル情報をチャネル情報管理部6へ出力し、一方、基準を満たさない場合には当該チャネル情報をIFFT回路3へ出力し、続くインパルス応答評価部5においてより詳細にチャネル情報の要否の判断を行う。
本実施形態の特徴は、チャネル情報品質評価部8においてチャネル情報の品質を直接評価することが可能であれば、当該チャネル情報は有用であると判断し、インパルス応答に対する評価を省略するところにある。
図20は、第3の実施形態におけるチャネル情報取得処理を示すフローチャートである。なお、同図のフローチャートにおいて、図16や図18に示した第1又は第2の実施形態におけるチャネル情報取得処理と同じ処理のステップには、同じステップ番号を付している。
チャネル情報取得処理が開始されると(ステップS1)、通信相手先の基地局112又は端末局114から無線パケットを受信し(ステップS2)、無線パケットからトレーニング信号の区間を抽出する(ステップS3)。
周波数軸チャネル情報推定部1は、抽出されたトレーニング信号に基づいて、周波数軸上におけるチャネル情報の推定を行う(ステップS4)。
チャネル情報品質評価部8は、周波数軸チャネル情報推定部1により推定された周波数成分ごとのチャネル情報の品質が、予め定められた基準を満たすか否かの判定を行う(ステップS15)。チャネル情報の品質が基準を満たす場合(ステップS15にてYES)、ステップS7に処理を進める。
一方、チャネル情報の品質が基準を満たさない場合(ステップS15にてNO)、チャネル情報品質評価部8は、周波数成分ごとのチャネル情報をIFFT回路3に出力する。IFFT回路3は、IFFT処理により時間軸上におけるチャネル情報のインパルス応答を取得する(ステップS5)。
インパルス応答評価部5は、IFFT回路3において得られたインパルス応答が基準を満たすか否かの判定を行い(ステップS6)、基準を満たす場合(ステップS6にてYES)、チャネル情報管理部6が周波数軸チャネル情報推定部1により推定された周波数成分ごとのチャネル情報を部分チャネル行列Hi,jとして記憶して管理し(ステップS7)、処理を終了する(ステップS9)。
一方、基準を満たさない場合(ステップS6にてNO)、当該チャネル情報すべての周波数成分に亘り0に置換して部分チャネル行列Hi,jとして記憶して管理し(ステップS8)、処理を終了する(ステップS9)。
ここで、ステップS15の判定におけるチャネル情報の品質は、全サブキャリアに亘る総受信電力や、受信レベルの高い一部のサブキャリアをピックアップしてしきい値と比較したり、雑音に対する相対的な受信レベルとしてのSNRなどから信号品質を推定するなど、いかなる手段及びしきい値を信号品質評価の指標として用いて構わない。
本実施形態では、受信レベルが低く、雑音によりチャネル情報の品質を直接評価することが困難である場合に、それを可能とするチャネル情報の品質評価法を提供するものである。本実施形態の特徴は、ステップS4にて推定した周波数軸上のチャネル情報を、ステップS15にてまず直接品質を測定し、条件を満たす場合、例えば、受信信号のレベルが雑音のレベルに対して十分大きく、チャネル情報の品質を直接測定することが可能な受信環境であれば、当該チャネル情報は有用であると判断し、ステップS5、S6、S8の処理を省略することで処理の簡易化を図るところにある。
以上の動作により、受信レベルの低い信号から推定したチャネル情報に対しても正確な品質評価を可能とし、品質に応じたチャネル情報の取捨選択を行うことによって部分的に0に置換された全体のチャネル行列を生成することができ、当該チャネル行列を用いて基地局連携において用いる送信ウエイトと受信ウエイトとを生成する。これにより、チャネル情報の推定誤差による影響を抑制し、無線通信システムにおける周波数利用効率を改善することが可能になる。
なお、本発明における通信装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりチャネル情報取得処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウエアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明してきたが、上記実施の形態は本発明の例示に過ぎず、本発明が上記実施の形態に限定されるものではないことは明らかである。したがって、本発明の技術思想及び範囲を逸脱しない範囲で構成要素の追加、省略、置換、その他の変更を行っても良い。
例えば、上述の各実施形態において、所定の基準を満たさない場合にチャネル情報すべての周波数成分に亘り0に置換して部分チャネル行列Hi,jとして記憶して管理する構成について説明したが、「0」に代えて、「0又は0に近い所定の値」を周波数成分ごとのチャネル情報として記憶して管理するようにしてもよい。
複数の基地局が同一周波数チャネルを用いて信号送信を行う無線アクセスシステムにおいて、各基地局が協調的に信号伝送を行うことが不可欠な用途に適用できる。
1 周波数軸チャネル情報推定部
2、2A トレーニング信号管理部
3 IFFT回路
4 時間軸チャネル情報推定部
5 インパルス応答評価部
6 チャネル情報管理部
7 FFT回路
8 チャネル情報品質評価部
100 無線通信装置
101 制御局
102、123 通信制御部
103 受信処理部
104 送信処理部
105 ネットワークインターフェース
106、122 MAC層処理部
107、124 受信信号処理部
108、108A、125、208、308、408 チャネル情報取得部
109 受信ウエイト生成部
110、126 送信信号処理部
111 送信ウエイト生成部
112、112a、112b、112c、112d 基地局
113a、113b、113c、113d、113e、113f、113g、113 有線回線
114、114a、114b 端末局
121 データ入出力部
127a、127b アンテナ
500 ネットワーク

Claims (6)

  1. 一つ又は複数のアンテナを有する複数の基地局と前記複数の基地局に接続された制御局とを備えた通信装置と、一つ又は複数のアンテナを有し前記基地局のいずれか一つと無線通信を行う端末装置とを具備し、前記複数の基地局が該基地局の通信可能領域に位置する前記端末装置と同一時刻に同一周波数上で通信することが可能な無線通信システムにおける通信装置であって、
    前記基地局と前記端末装置との間で受信された信号に含まれる参照信号に基づいて、周波数軸上のチャネル情報を推定するチャネル情報推定部と、
    前記受信された信号に含まれる参照信号と、予め記憶されている参照信号に基づいて、時間軸上のインパルス応答を取得する時間軸チャネル情報推定部と、
    前記インパルス応答が所定の基準を満たす場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、前記インパルス応答が所定の基準を満たさない場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置と間の伝送路特性として所定の値を記憶するチャネル情報管理部と、
    前記チャネル情報管理部に記憶されているチャネル情報に基づいて、前記基地局と前記端末装置との間において空間分割多重伝送を実施する送受信処理部と、
    を備えることを特徴とする通信装置。
  2. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記チャネル情報管理部は、
    前記チャネル情報推定部が推定したチャネル情報が所定の基準を満たす場合には、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、
    前記チャネル情報推定部が推定したチャネル情報が所定の基準を満たさず、かつ前記インパルス応答が所定の基準を満たす場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、
    前記チャネル情報推定部が推定したチャネル情報が所定の基準を満たさず、かつ前記インパルス応答が所定の基準を満たさない場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置と間の伝送路特性として所定の値を記憶する
    ことを特徴とする通信装置。
  3. 一つ又は複数のアンテナを有する複数の基地局と前記複数の基地局に接続された制御局とを備えた無線基地局装置と、一つ又は複数のアンテナを有し前記基地局のいずれか一つと無線通信を行う通信装置とを具備し、前記複数の基地局が該基地局の通信可能領域に位置する前記通信装置と同一時刻に同一周波数上で通信することが可能な無線通信システムにおける通信装置であって、
    前記基地局と自装置との間で受信された信号に含まれる参照信号に基づいて、周波数軸上のチャネル情報を推定するチャネル情報推定部と、
    前記受信された信号に含まれる参照信号と、予め記憶されている参照信号に基づいて、時間軸上のインパルス応答を取得する時間軸チャネル情報推定部と、
    前記インパルス応答が所定の基準を満たす場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と自装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、前記インパルス応答が所定の基準を満たさない場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と自装置と間の伝送路特性として所定の値を記憶するチャネル情報管理部と、
    前記チャネル情報管理部に記憶されているチャネル情報を前記無線基地局装置に送信し、前記基地局との間において空間分割多重伝送を実施する送受信処理部と、
    を備えることを特徴とする通信装置。
  4. 請求項3に記載の通信装置であって、
    前記チャネル情報管理部は、
    前記チャネル情報推定部が推定したチャネル情報が所定の基準を満たす場合には、前記チャネル情報に対応する前記基地局と自装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、
    前記チャネル情報推定部が推定したチャネル情報が所定の基準を満たさず、かつ前記インパルス応答が所定の基準を満たす場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と自装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、
    前記チャネル情報推定部が推定したチャネル情報が所定の基準を満たさず、かつ前記インパルス応答が所定の基準を満たさない場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と自装置との間の伝送路特性として所定の値を記憶する
    ことを特徴とする通信装置。
  5. 一つ又は複数のアンテナを有する複数の基地局と前記複数の基地局に接続された制御局とを備えた通信装置と、一つ又は複数のアンテナを有し前記基地局のいずれか一つと無線通信を行う端末装置とを具備し、前記複数の基地局が該基地局の通信可能領域に位置する前記端末装置と同一時刻に同一周波数上で通信することが可能な無線通信システムにおけるチャネル情報取得方法であって、
    前記基地局と前記端末装置との間で受信された信号に含まれる参照信号に基づいて、周波数軸上のチャネル情報を推定するチャネル情報推定ステップと、
    前記受信された信号に含まれる参照信号と、予め記憶されている参照信号に基づいて、時間軸上のインパルス応答を取得する時間軸チャネル情報推定ステップと、
    前記インパルス応答が所定の基準を満たす場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、前記インパルス応答が所定の基準を満たさない場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置と間の伝送路特性として所定の値を記憶するチャネル情報管理ステップと、
    を有することを特徴とするチャネル情報取得方法。
  6. 一つ又は複数のアンテナを有する複数の基地局と前記複数の基地局に接続された制御局とを備えた通信装置と、一つ又は複数のアンテナを有し前記基地局のいずれか一つと無線通信を行う端末装置とを具備し、前記複数の基地局が該基地局の通信可能領域に位置する前記端末装置と同一時刻に同一周波数上で通信することが可能な無線通信システムであって、
    前記基地局と前記端末装置との間で受信された信号に含まれる参照信号に基づいて、周波数軸上のチャネル情報を推定するチャネル情報推定部と、
    前記受信された信号に含まれる参照信号と、予め記憶されている参照信号に基づいて、時間軸上のインパルス応答を取得する時間軸チャネル情報推定部と、
    前記インパルス応答が所定の基準を満たす場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置との間の伝送路特性として該チャネル情報を記憶し、前記インパルス応答が所定の基準を満たさない場合、前記チャネル情報に対応する前記基地局と前記端末装置と間の伝送路特性として所定の値を記憶するチャネル情報管理部と、
    前記チャネル情報管理部に記憶されているチャネル情報に基づいて、前記基地局と前記端末装置との間において空間分割多重伝送を実施する送受信処理部と、
    を備えることを特徴とする無線通信システム。
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