JP5823751B2 - 粉粒体取り出し装置および粉粒体取り出しシステム - Google Patents

粉粒体取り出し装置および粉粒体取り出しシステム Download PDF

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Description

本発明は、容器に収容された粉粒体を取り出す粉粒体取り出し装置、および、当該粉粒体取り出し装置を有する粉粒体取り出しシステムに関する。
従来から粉粒体を、所望の量だけ取り出す技術が多数提案されている。例えば特許文献1〜3には、貯蔵部に貯留された粉粒体を、オーガなどの搬送機構により、貯蔵部の下端に設けられた放出口まで搬送し、外部に放出する技術が開示されている。放出位置には、重量の計測が可能な容器が設けられており、所望の量の粉粒体が取り出されれば、搬送機構の駆動を停止する。
特許第3167957号明細書 特許第3698231号明細書 特許第4357713号明細書
ここで、こうした粉粒体取り出し装置では、貯留部で貯留している粉粒体が少なくなれば、新たな粉粒体を供給する。しかし、この供給において、粉粒体の表層を平坦化する作業を行なわないことが多いため、古い粉粒体と新たに供給された粉粒体とが混在して取り出されるという問題があった。
すなわち、通常、粉粒体は、貯留部の天面や、側面に設けられた開口から供給される。供給された粉粒体は、開口(粉粒体の投入口)周辺が高くなるように傾斜して積もることが多い。例えば、貯留部の天面に設けられた開口から粉粒体を供給した場合、粉粒体は、当該開口の真下周辺が高くなる山状に積もる。その状態で、その後、さらに、新たに粉粒体を供給すると、やはり山状に積もることになる。このように繰り返し山状に積もっていくことにより、同一高さ内に、古い粉粒体と新しい粉粒体とが混在することになる。そして、この同一高さに位置する粉粒体が、同じタイミングで取り出されることにより、古い粉粒体と新たに供給された粉粒体とが混在して取り出されることになる。
本発明は、こうした問題を低減するために、供給時期が異なる粉粒体が混在して取り出されることを効果的に防止でき得る粉粒体取り出し装置、および、粉粒体取り出しシステムを提供することを目的とする。
本発明の粒体取り出し装置は、粉粒体が貯留される容器であって、下方に粉粒体の放出口が形成され、前記放出口より上方に粉粒体の供給口が形成された容器と、前記容器内の粉粒体を、前記放出口に搬送して、外部に放出する放出手段と、前記容器内において、高さ方向に延びる回転軸と、前記容器内のうち前記放出手段の上側に設けられ、前記回転軸の回転に伴い、粉粒体層内においては粉粒体層の表層に向かって上昇し、粉粒体層の表層においてはその高さで回転して表層を均す均し部材と、を備える。
好適な態様では、前記回転軸の外周に形成され、前記均し部材が螺合される送りネジを備え、前記均し部材は、前記送りネジが回転した際、粉粒体層の表層においては前記送りネジとともに回転し、粉粒体層内においては前記粉粒体からの抵抗で回転が阻害されて前記送りネジにより上方に送られる。
他の好適な態様では、前記回転軸の外周に形成され、長軸方向に延びる凹または凸であるガイド部であって、前記均し部材に形成された凸または凹と係合するガイド部を備え、前記均し部材は、前記回転軸が回転した際、粉粒体層の表層においては前記回転軸とともに同一高さ位置で回転し、粉粒体層内においては前記回転軸の回転に伴い粉粒体から受ける抵抗力を上昇力に変換して前記回転軸とともに回転しながら上昇する羽状部を備える。
他の好適な態様では、前記放出手段は、前記回転軸の回転に伴い回転することにより、前記均し部材と連動して、前記容器内の粉粒体を搬送するオーガである。
他の本発明である粉粒体取り出しシステムは、1以上の取出ユニットと、選択した取出ユニットに設けられた放出手段を駆動して粉粒体を取り出す駆動ユニットと、前記駆動ユニットを選択した取出ユニットに応じた位置に移送する移送手段と、を備え、前記取出ユニットは、粉粒体が貯留される容器であって、下方に粉粒体の放出口が形成され、前記放出口より上方に粉粒体の供給口が形成された容器と、前記容器内の粉粒体を、前記放出口に搬送して、外部に放出する放出手段と、前記容器内において、高さ方向に延びる回転軸と、前記容器内のうち前記放出手段の上側に設けられ、前記回転軸の回転に伴い、粉粒体層内においては粉粒体層の表層に向かって上昇し、粉粒体層の表層においてはその高さで回転して表層を均す均し部材と、を備え、前記駆動ユニットは、取り出された粉粒体を受ける受容部材と、前記回転軸を回転させる駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記回転軸に磁力により非接触で伝達する伝達機構と、を備える。
本発明によれば、粉粒体の表層を均す均し部材が設けられているため、異なる時期に供給された粉粒体が同一高さ内に混在することが効果的に防止され、ひいては、異なる時期に供給された粉粒体が混在して取り出されることが効果的に防止される。
本発明の実施形態である粉粒体取り出しシステムの概略全体図である。 駆動ユニットおよび取出ユニットの構成を示す図である。 均し部材周辺の斜視図である。 他の実施形態における均し部材周辺の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態である粉粒体取り出しシステム10の概略全体図である。
この粉粒体取り出しシステム10は、複数の容器32に貯留された粉粒体を、ユーザの指示に応じて、必要量だけ取り出すシステムである。この粉粒体取り出しシステム10は、複数の取出ユニット12と、一つの駆動ユニット14、当該駆動ユニット14を移送する移送ユニット16、および、これらの駆動を制御する制御部(図示せず)に大別される。
取出ユニット12は、粉粒体を貯留するとともに、必要に応じて、貯留している粉粒体を外部に放出するユニットである。本実施形態では、複数の取出ユニット12を水平方向に一列に配設している。各取出ユニット12は、容器32を備えており、複数種類の粉粒体は、互いに異なる容器32に貯留される。なお、制御部は、どの容器32に、どの種類の粉粒体が貯留されているかを、記録、管理している。貯留されている粉粒体は、容器32の下部から外部に放出される。各容器32の内部には、この粉粒体の放出を行うための機構が設けられているが、これについては後に詳説する。
駆動ユニット14は、各取出ユニット12に設けられた放出機構を駆動して、当該取出ユニット12から粉粒体を取り出すユニットである。この放出機構の駆動および粉粒体の取り出しを行うために、駆動ユニット14には、放出機構を駆動させる駆動部19と、放出された粉粒体を受け取る受容部23とが設けられているが、各部の構成については後述する。駆動ユニット14は、水平方向、すなわち、取出ユニット12の配設方向に移動可能となっている。特定の粉粒体を取り出す際には、当該粉粒体を貯留する取出ユニット12に対応する位置まで移動し、当該取出ユニット12に内蔵された放出機構を駆動する。取出ユニット12から放出された粉粒体は、駆動ユニット14に設けられた受容トレイ24に一時的に貯留される。所望量の粉粒体が得られれば、駆動ユニット14は、待機位置に戻る。ユーザは、待機位置において、受容トレイ24ごと粉粒体を取得する。
移送ユニット16は、駆動ユニット14を、選択された取出ユニット12に対応する位置に位置させるべく、駆動ユニット14を水平方向に移送するユニットである。この移送ユニット16は、公知の技術、例えば、モータ20とリードスクリュー、プーリなどから構成される移送機構により構成される。なお、本実施形態では、駆動ユニット14を移送させているが、最終的に、駆動ユニット14を、所望の取出ユニット12に対応する位置に位置させることができるのであれば、駆動ユニット14ではなく、取出ユニット12を移送させるようにしてもよい。また、本実施形態では、複数の取出ユニット12を水平方向に一列配設している関係上、移送方向を、水平方向のみとしているが、当然ながら、取出ユニット12の配設態様に応じて、移送方向は適宜、変更されてよい。例えば、複数の取出ユニット12が円形に配設されているのであれば、取出ユニット12または駆動ユニット14を回転移動させてもよい。また、複数の取出ユニット12が、マトリックス状に配設されているのであれば、取出ユニット12または駆動ユニット14を二次元、または、三次元方向に移送するようにしてもよい。
次に取出ユニット12および駆動ユニット14の詳細について図2、図3を参照して説明する。図2は、取出ユニット12および駆動ユニット14の構成を示す図である。また、図3は、取出ユニット12に設けられた均し部材46周辺の概略斜視図である。
駆動ユニット14は、駆動部19と受容部23、および、フレーム30に大別される。駆動部19は、選択した取出ユニット12を駆動させる部位で、容器32の上端高さより上側に設けられている。この駆動部19には、駆動源となるモータ20と、当該モータ20に連結された磁気クラッチ22と、が設けられている。磁気クラッチ22は、取出ユニット12に設けられた磁気クラッチ33に近接対向することで当該磁気クラッチ33に磁気的に連結し、これにより、非接触でトルクを磁気クラッチ33に伝達するもので、永久磁石を備えている。この磁気クラッチ22は、軸方向に進退可能となっており、磁気クラッチ33とのエアギャップ距離を変更することにより、連結、連結解除が実現される。なお、かかる磁気式のクラッチに代えて、電磁石を備えた電磁式の磁気クラッチを用いてもよい。このように非接触伝達機構を用いることにより、駆動ユニット14と取出ユニット12との動力の連結状態を簡易に切り替えることができる。そして、その結果、一つの駆動ユニット14と連結される取出ユニット12を適宜変更できる。そして、これにより、各取出ユニット12ごとに駆動源を設ける必要がなく、一つの駆動ユニット14(一つのモータ20)で複数の取出ユニット12を駆動することができる。
受容部23は、取出ユニット12から放出された粉粒体を受け取る部位で、容器32の下端高さより下側に設けられている。この受容部23には、受容トレイ24、重量計26、振動ダンパ28などが設けられている。受容トレイ24は、粉粒体を受け取るトレイである。この受容トレイ24は、着脱自在となっており、必要に応じてユーザが当該トレイ24ごと粉粒体を取り出すことができるようになっている。重量計26は、受容トレイ24に溜まった粉粒体の重量を計測するもので、例えば、ロードセルなどから構成される。計測された重量は、制御部に送られ、駆動部19の制御に利用される。すなわち、制御部は、粉粒体の重量が目標重量に達するまで、駆動部19のモータ20を駆動させ、粉粒体の放出を継続させる。振動ダンパ28は、重量計26の下側に設けられ、駆動ユニット14の移動時などに発生する振動を吸収し、当該振動が重量計26に伝達することを防止する。フレーム30は、この駆動部19および受容部23を保持するもので、側面視略「コ」字状となっている。
次に取出ユニット12について説明する。取出ユニット12は、筒状の容器32を備えている。この容器32は、下方に設けられた小径部32a、上方に設けられた大径部32c、および、小径部32aと大径部32cを接続する円錐部32bに大別される。小径部32aは、後述するオーガ40の直径に対応する大きさの直径(オーガ直径よりわずかに大きい直径)を有している。小径部32aの下端は、完全開口されて、粉粒体を外部に放出する放出口36を構成する。円錐部32bは、大径部32cと小径部32aとを接続する部位で、その側面は傾斜している。大径部32cの上部側面には、粉粒体のさらなる供給を受け入れる供給口38が設けられている。容器32内における粉粒体の残量が少なくなれば、ユーザは、この供給口38から粉粒体を追加供給する。
容器32の内部には、高さ方向に延びる回転軸34が設けられている。この回転軸34の上端には、駆動ユニット14に設けられた磁気クラッチ22と磁気的に連結される磁気クラッチ33が設けられている。この磁気クラッチ33を介して、駆動ユニット14に設けられたモータ20の動力が伝達されることで、回転軸34が回転する。なお、通常、粉粒体を放出する際、回転軸34は、右回り方向(図3における矢印A方向)に回転する。
容器円錐部32b内には、掻き落とし部材42が設けられている。この掻き落とし部材42は、円錐部32bの側面に滞留する粉粒体を掻き落とすもので、回転軸34とともに回転する。掻き落とし部材42は、図2、図3に示すように、円錐部32bの側面に沿って配される傾斜部42bと、当該傾斜部42bの上端と回転軸34とを接続する水平部42aと、を備えた略「V」字状部材が二つ、180度対象位置に設けられている。この掻き落とし部材42が、回転軸34とともに回転すると、円錐部32bの側面に滞留する粉粒体が、傾斜部42bにより掻き落とされ、下方に落下する。なお、この掻き落とし部材42に代えて、円錐部32bの外周面に振動発生器などを取り付け、振動により粉粒体を掻き落とすようにしてもよい。
容器小径部32a内には、粉粒体を外部に放出する放出機構として機能するオーガ40が設けられている。このオーガ40は、回転軸34に取り付けられており、回転軸34とともに回転する。オーガ40が、回転軸34とともに正回転することで、粉粒体が、オーガ40に設けられたスクリューに沿って、下方に搬送され、放出口36から放出される。なお、当然ながら、回転軸34が逆回転(矢印B方向に回転)した場合には、オーガ40も逆回転し、粉粒体の放出は行われない。
回転軸34のうち、大径部32c内に位置する部分には、回転軸34とともに回転する送りネジ44が形成されており、当該送りネジ44には、均し部材46が螺合されている。この均し部材46は、容器32に貯留された粉粒体の表層に浮上して、当該表層を平坦に均す部材である。
すなわち、既述した通り、本実施形態では、粉粒体は、容器32の上方に設けられた供給口38から順次供給され、容器32の下端に設けられた放出口36から放出される。ここで、供給された粉粒体は、山状に積っていくことになる。繰り返し山状に積ることで、同一高さ内に、前に供給された粉粒体と新たに供給された粉粒体とが混在することになる。この状態で、粉粒体を放出口36から順次、放出していくと、古い粉粒体と新しい粉粒体とが同一タイミングで、混在して放出されるおそれがある。
本実施形態では、こうした粉粒体の新旧混在を防止するために、均し部材46により、粉粒体の表層を平坦にならしている。均し部材46は、図2、図3に示すように、略リング状の本体部50の側面から、径方向に延びる平板部52が二つ、180度対称位置に設けられた部材である。本体部50の中央には、送りネジ44が螺合される雌ネジが形成されている。本体部50の側面から伸びる平板部52は、縦断面形状が、高さ方向に長尺な略I字状の平板で、水平面より垂直面のほうが大きい形状となっている。したがって、平板部52は、高さ方向の力よりも、周方向の力をより受けやすくなっている。大径部32c内に位置する回転軸34の外周には、この均し部材46が螺合される送りネジ44が形成されている。この送りネジ44は、回転軸34とともに回転する。この送りネジ44は、回転軸34が正回転した際に、均し部材46を上方向に進めるネジであり、ネジ山が左回りに形成された逆ネジとなっている。
本実施形態では、この送りネジ44と雌ネジとの間に生じる摩擦力Fcを、均し部材46が粉粒体の層内で回転する際に受ける抵抗力F1よりも小さく、均し部材46が粉粒体の表層で回転する際に受ける抵抗力F2よりも大きくなるように設定している(F1<Fc<F2)。かかる構成とすることで、回転軸34(送りネジ44)の回転に伴い、均し部材46が、粉粒体の層内では、送りネジ44に沿って上昇し、粉粒体の表層では送りネジ44とともに回転し、これにより、表層を平坦に均すことになる。
すなわち、本実施形態では、均し部材46が粉粒体の層内に位置している場合、ネジ間の摩擦力Fcよりも、均し部材46が粉粒体から受ける抵抗力F1のほうが大きい。そのため、粉粒体の層内では、均し部材46の回転は阻害され、送りネジ44のみが回転することになる。その結果、ネジの作用により、均し部材46が上方に移動することになる。ここで、既述した通り、均し部材46に設けられた平板部52は、水平面の面積が小さいため、高さ方向に移動する際に受ける抵抗は小さく、高さ方向には容易に移動できる。
一方、均し部材46が、粉粒体の表層に位置する場合、ネジ間の抵抗Fcよりも、均し部材46が受ける抵抗F2のほうが小さい。そのため、送りネジ44が回転すると、均し部材46も送りネジ44とともに回転することになる。このとき、平板部52の下端が、粉粒体の表層を撫でることにより、粉粒体の表層が平らに均されていく。そして、このように常に表層を平坦にすることで、古い粉粒体と新しい粉粒体とが同一高さ内に混在することが防止され、新旧の粉粒体が混在して放出されることが防止される。
次に、この粉粒体取り出しシステム10の動作について説明する。粉粒体取り出しシステム10を使用する場合には、予め、各容器32に、供給口38から粉粒体を供給する。この供給の前段階において、均し部材46は、粉粒体の表層に位置しているが、粉粒体を追加供給することにより、粉粒体の層内に位置することになる。また、追加供給された粉粒体は、この時点では、均されることなく、山状に積る。
ユーザの指示により、粉粒体の取り出しが指示されると、制御部は、移送ユニット16を駆動して、駆動ユニット14を、所望の粉粒体が貯留されている取出ユニット12の対応位置に移動させる。当該対応位置まで移動すれば、制御部は、磁気クラッチ22を駆動ユニット14の磁気クラッチ22に近接対向させ、両磁気クラッチ22,33を磁気的に連結する。その状態で、モータ20を駆動することで、モータ20の動力が、磁気クラッチ22,33を介して、非接触で、取出ユニット12の回転軸34に伝達される。
回転軸34が正回転することで、当該回転軸34の下方に取り付けられたオーガ40も回転する。そして、このオーガ40により、容器32内の粉粒体が、容器下端の放出口36から外部に放出される。放出された粉粒体は、放出口36の真下に位置する受容トレイ24に落下し、貯留される。この受容トレイ24に放出された粉粒体の重量は、重量計26により計測される。制御部は、この重量が目標重量に到達するまで、モータ20を駆動する。
また、このオーガ40の回転(粉粒体の放出)と連動して、掻き落とし部材42も回転する。掻き落とし部材42が回転し、当該掻き落とし部材42の傾斜部42bが、容器円錐部32bの側面に沿って移動することで、当該側面に滞留する粉粒体が効率的に下方に落とされ、オーガ40へと供給されていく。これにより、一部の粉粒体のみが、容器32内に長く滞留することが防止され、同一タイミングで供給された粉粒体を、同一タイミングで放出することができる。
また、オーガ40の回転(粉粒体の放出)と連動して、均し部材46が螺合された送りネジ44も回転する。送りネジ44が回転すると、当該送りネジ44に螺合された均し部材46も連動して回転しようとするが、この時点において、均し部材46は、粉粒体の層内に位置しているため、粉粒体から受ける抵抗により、均し部材46の回転は阻害される。その結果、送りネジ44のみが回転し、均し部材46は、回転することなく、ネジの作用により上昇する。
上昇を続け、均し部材46が、粉粒体の表層まで到達すると、均し部材46の回転時に受ける抵抗が、ネジ間の摩擦力を下回る。そのため、均し部材46は、送りネジ44とともに回転を開始する。この回転の際、均し部材46の平板部52の下端は、粉粒体の表層を撫でて、表層を徐々に平らにしていくことになる。その結果、山状に積っていた粉粒体の表層が、平坦に均される。
その後も、粉粒体の放出が行われる度、すなわち、回転軸34が回転するたびに、均し部材46は、粉粒体の表層で、回転し、粉粒体の表層を平坦に均し続ける。そして、容器32に貯留されている粉粒体の残量が少なくなると、ユーザにより、供給口38から新たな粉粒体が供給される。このとき、粉粒体の表層は、平坦に均されているため、追加供給された粉粒体と、前から容器32内にあった粉粒体とが同一高さ内で混在することはない。その結果、事前にあった粉粒体と追加供給された粉粒体とが、混在して放出されることが効果的に防止される。
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態によれば、異なるタイミングで供給された粉粒体が、同一高さ内で混在することが防止され、結果として、新旧の粉粒体が混在して放出されることが防止される。
なお、本実施形態では、均し部材46を、粉粒体の表層の平坦化に利用しているが、当該均し部材46を、粉粒体の混合に利用してもよい。すなわち、粉粒体の中には、複数種類の粉粒体が混ざり合った混合粉粒体がある。かかる混合粉粒体は、構成する複数種類の粉粒体が均等に分散していることが望まれる。しかし、容器32内で徐々に下方に落ちていく過程で、複数種類の粉粒体に偏りが生じることがある。かかる特定の粉粒体の偏りを防止するために、回転軸34を逆回転(矢印B方向に回転)させて、均し部材46を粉粒体の層内で回転させてもよい。回転軸34を逆回転させると、均し部材46は、ネジの作用により、徐々に下方に移動する。そして、送りネジ44の最下端まで到達すると、均し部材46は、送りネジ44に固定され、当該送りネジ44とともに逆回転することになる。この均し部材46の逆回転により、粉粒体を混合させることができる。なお、回転軸34を逆回転させた場合には、オーガ40も逆回転するため、粉粒体の放出は行われない。
また、本実施形態では、均し部材46として平板部52を二つ有した部材を用いているが、回転時に受ける抵抗が、粉粒体の層内では大きく、粒体の表層では小さい形状であって、表層で回転することで粉粒体の表層を平坦に均すことができる形状であれば、他の形状の部材を均し部材として用いてもよい。
また、本実施形態では、均し部材46を上昇させる構成として、ネジを採用している。しかし、粉粒体の層内においてのみ均し部材46を上昇させることができるのであれば、他の構成を利用してもよい。
例えば、図4に示すように、均し部材46に、平板部52に代えて羽状部56を設け、当該羽状部56に作用する揚力を利用して、均し部材46を上昇させてもよい。図4は、他の実施形態における均し部材46周辺の斜視図である。
この実施形態では、容器32の上部内に位置する回転軸34の外周には、送りネジ44に代えて、スプライン軸54が形成されている。このスプライン軸54は、均し部材46を長軸方向にガイドするガイド部として機能するものである。均し部材46の中央には、当該均し部材46と係合するスプライン孔が形成されている。なお、本実施形態では、回転軸34の周囲に凸を、均し部材46の中央に凹を形成しているが、逆、すなわち、回転軸34の周囲に凹を、均し部材46の中央に凸を形成してもよい。
均し部材46の本体部50の側面からは、径方向に延びる羽状部56が4つ、90度間隔で設けられている。この羽状部56は、縦断面形状(図4におけるC−C断面形状)が、正回転方向Aに進むにつれ、上側に延びていく傾斜線形状となっている。この羽状部56の傾斜角度、表面積は、粉粒体の層内において、上昇時に受ける抵抗力よりも回転により受ける揚力のほうが大きくなるように設定される。
この構成において、スプライン軸54(回転軸34)が回転した場合の作用について説明する。均し部材46が粉粒体の層内に位置していると、均し部材46は、回転に伴い大きな抵抗を粉粒体から受ける。すなわち、羽状部56の表面は、粉粒体から回転方向Aとは逆向きの水平方向の力を受ける。この抵抗力が、羽状部56を上方に押し上げる揚力となり、均し部材46は、スプライン軸54とともに回転しつつ、当該スプライン軸54に沿って上昇し、粉粒体の表層へ向かう。均し部材46が粉粒体の表層に到達すると、均し部材46は、回転に伴う抵抗を殆ど受けないため、高さ方向に移動することなく、スプライン軸54とともに回転する。そして、この回転により、粉粒体の表層が平坦に均される。
つまり、送りネジ44、平板部52に代えて、スプライン軸54、羽状部56を設けても、上述の実施形態と同様に、粉粒体の表層を平坦に均すことができ、結果として、粉粒体の新旧混在を防止できる。
なお、本実施形態の均し部材46も、図3で示した均し部材46と同様に、粉粒体の混合に利用できる。すなわち、本実施形態において、回転軸34を逆回転させると、図4に示す均し部材46には、下向きの揚力が発生する。これにより、均し部材46は、スプライン軸54とともに回転しつつ、当該スプライン軸54に沿って下降する。そして、これにより、粉粒体を放出させることなく、粉粒体を混合させることができる。
10 粉粒体取り出しシステム、12 取出ユニット、14 駆動ユニット、16 移送ユニット、19 駆動部、20 モータ、22,33 磁気クラッチ、23 受容部、24 受容トレイ、26 重量計、28 振動ダンパ、30 フレーム、32 容器、34 回転軸、36 放出口、38 供給口、40 オーガ、42 掻き落とし部材、44 送りネジ、46 均し部材、54 スプライン軸。

Claims (5)

  1. 粉粒体が貯留される容器であって、下方に粉粒体の放出口が形成され、前記放出口より上方に粉粒体の供給口が形成された容器と、
    前記容器内の粉粒体を、前記放出口に搬送して、外部に放出する放出手段と、
    前記容器内において、高さ方向に延びる回転軸と、
    前記容器内のうち前記放出手段の上側に設けられ、前記回転軸の回転に伴い、粉粒体層内においては粉粒体層の表層に向かって上昇し、粉粒体層の表層においてはその高さで回転して表層を均す均し部材と、
    を備えることを特徴とする粉粒体取り出し装置。
  2. 請求項1に記載の粉粒体取り出し装置であって、さらに、
    前記回転軸の外周に形成され、前記均し部材が螺合される送りネジを備え、
    前記均し部材は、前記送りネジが回転した際、粉粒体層の表層においては前記送りネジとともに回転し、粉粒体層内においては前記粉粒体からの抵抗で回転が阻害されて前記送りネジにより上方に送られる、
    ことを特徴とする粉粒体取り出し装置。
  3. 請求項1に記載の粉粒体取り出し装置であって、さらに、
    前記回転軸の外周に形成され、長軸方向に延びる凹または凸であるガイド部であって、前記均し部材に形成された凸または凹と係合するガイド部を備え、
    前記均し部材は、前記回転軸が回転した際、粉粒体層の表層においては前記回転軸とともに同一高さ位置で回転し、粉粒体層内においては前記回転軸の回転に伴い粉粒体から受ける抵抗力を上昇力に変換して前記回転軸とともに回転しながら上昇する羽状部を備える、
    ことを特徴とする粉粒体取り出し装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の粉粒体取り出し装置であって、
    前記放出手段は、前記回転軸の回転に伴い回転することにより、前記均し部材と連動して、前記容器内の粉粒体を搬送するオーガである、ことを特徴とする粉粒体取り出し装置。
  5. 1以上の取出ユニットと、
    選択した取出ユニットに設けられた放出手段を駆動して粉粒体を取り出す駆動ユニットと、
    前記駆動ユニットを選択した取出ユニットに応じた位置に移送する移送手段と、
    を備え、
    前記取出ユニットは、
    粉粒体が貯留される容器であって、下方に粉粒体の放出口が形成され、前記放出口より上方に粉粒体の供給口が形成された容器と、
    前記容器内の粉粒体を、前記放出口に搬送して、外部に放出する放出手段と、
    前記容器内において、高さ方向に延びる回転軸と、
    前記容器内のうち前記放出手段の上側に設けられ、前記回転軸の回転に伴い、粉粒体層内においては粉粒体層の表層に向かって上昇し、粉粒体層の表層においてはその高さで回転して表層を均す均し部材と、
    を備え、
    前記駆動ユニットは、
    取り出された粉粒体を受ける受容部材と、
    前記回転軸を回転させる駆動源と、
    前記駆動源の駆動力を前記回転軸に磁力により非接触で伝達する伝達機構と、
    を備える、ことを特徴とする粉粒体取り出しシステム。
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