JP5822977B2 - 電子デバイス、その製造方法、金属粒子及び導電性ペースト - Google Patents

電子デバイス、その製造方法、金属粒子及び導電性ペースト Download PDF

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Description

本発明は、電子デバイス、その製造方法、その製造方法に適した金属粒子及び導電性ペーストに関する。
各種スケールの集積回路、各種半導体素子もしくはそのチップ等の電子デバイスにおいて、三次元回路配置を実現する手法として、回路基板に多数の貫通導体を設けておき、この回路基板を積層し、接合するTSV(Through-Silicon-Via)技術が提案されている。三次元回路配置にTSV技術を使用すれば、大量の機能を小さな占有面積の中に詰め込めるようになる。加えて、素子同士の重要な電気配線が劇的に短くできるために、処理の高速化を図ることができる。特許文献1には、TSV技術に不可欠なビア・ホール構造体が開示されている。
特許文献1に開示されたビア・ホール構造体は、高融点金属、低融点金属又は合金、及び、架橋剤とともに、必ずバインダー及び/又は反応性モノマー又はポリマーを含有する。ビア・ホール内での硬化状態では、合金化金属網とともに、電導性接着剤の有機成分の架橋で生じたポリマー網が併存している。
特許文献1に記載されたビア・ホール構造体は、その明細書の記載によれば、ビア・ホール内での硬化状態では、合金化金属網とともに、ポリマー網が併存しているので、電気的導電性がその分だけ悪くなる。
更に、金属拡散接合に固有の問題として、カーケンダルボイドによる機械的強度の低下の問題がある。カーケンダルボイドは、相互拡散の不均衡により発生した原子空孔(格子)が消滅することなく集積したことにより発生する。例えば、Sn/Cuの界面の場合、Cuの拡散に対してSnの拡散が少ないため、金属間化合物とCu界面とに空孔が集積し、カーケンダルボイドを形成する。このカーケンダルボイドが、より大きな空洞又はクラックに発展し、接合部及び導体の信頼性及び品質を低下させ、更には機械的強度が低下し、剥離、断線等を生じてしまうこともある。特許文献1には、その対策手段が開示されていない。
次に、特許文献2は、半導体装置の電極と実装基板の電極を、Cu6Sn5を含むCuSn化合物とCuボールを有する接続部とにより接続し、Cuボール同士もまた、CuSn化合物で連結する技術を開示している。しかしながら、電極間及びCuボール同士を、CuSn化合物で接続するのであるから、Sn/Cuの界面にカーケンダルボイドが発生することが懸念されよう。
ウエハの面上に、貫通導体による電気配線、平面状導体パターンによる電気配線、また、三次元システム・パッケージ(3D-SiP)などの形態をとる電子デバイスにおいて、半導体チップ間を接続する接合部を形成する場合にも同様の問題を生じる。
特許第3869859号公報 特開2002−261105号公報
本発明の課題は、接合強度や機械的強度が高く、剥離、断線等を生じ難い導体を有する電子デバイス、このような電子デバイスの製造方法、電子デバイスの製造方法に適した金属粒子及び導電性ペーストを提供することである。
本発明のもう一つの課題は、凝固点及び凝固後の溶融温度を調整することの可能な電子デバイスの製造方法、この製造方法に適した金属粒子及び導電性ペーストを提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、接合作業や導体形成作業を多様化し得る電子デバイスの製造方法、この製造方法に適した金属粒子及び導電性ペーストを提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明は、電子デバイス、その製造方法、製造方法に適した金属粒子及び導電性ペーストを開示する。本発明において、導体は、電気信号を通すものであればよく、例えば、電極、配線、バンプ、又は、接合導体等が含まれる。また、本発明において、「金属」、「金属粒子」又は「金属成分」というときは、金属元素単体のみならず、複数の金属元素を含む合金、コンポジット構造、又は、それらの組合せを含む。
1.電子デバイス
本発明に係る電子デバイスには、集積回路(IC)、各種スケールのLSI、MRAM (Magnetoresistive Random Access Memory)、MEMS (Micro Electro Mechanical Systems)、光デバイス、太陽電池、ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、センサーモジュル、光電気モジュール、ユニポーラトランジスタ、MOS FET、CMOS FET、メモリーセルなど、凡そ、電子回路を機能要素とするほとんどのものが含まれ得る。本発明に係る電気信号を通す導体を有しており、この導体は、融点の異なる複数種の金属成分を含み、内部に、前記金属成分の拡散による組成分濃度傾斜が存在する。
上述したように、本発明に係る電子デバイスにおいて、電気信号を通す導体は、融点の異なる複数種の金属成分を含むから、金属成分の選択及び組合せによって、溶融温度が低く、凝固後は高い融点をもつ導体を形成することができる。
しかも、導体は、内部に金属成分の拡散による組成分濃度傾斜が存在する。この組成分濃度傾斜の存在が、本発明の重要なポイントであって、金属粒子がそのまま存在していて、金属粒子間で拡散接合が起こっている一般的な拡散から差別される。
導体の内部に、金属成分の拡散による組成分濃度傾斜が存在することは、複数種の金属成分における相互的な拡散接合が、物理的距離をおいて徐々に変化してゆくことを意味する。従って、原子空孔(格子)の集積が回避され、カーケンダルボイドの発生が抑制され、信頼性及び品質に優れ、しかも機械的強度が大きく、剥離、断線等を生じ難い導体を有する電子デバイスが得られることになる。
金属成分の拡散は、導体の内部にナノコンポジット構造をも生じさせる。ナノコンポジット構造とは、複数の元素の一方の結晶粒内にnmサイズの粒状物または膜状物を分散させるか、又は、結晶粒界にnmサイズの粒状物または膜状物を分散させたものをいう。本発明において、「ナノ」とは、1μm未満のサイズをいう。
導体は、融点の異なる複数種の金属成分を含んでいるから、高融点金属成分の占有領域では、高融点金属成分の含有量が最大(100at%)で、高融点金属成分の占有領域から離れるにつれて、高融点金属成分の含有量が次第に減少し、反射的に低融点金属成分の含有量が増えてゆく組成分濃度傾斜が生じる。組成分濃度傾斜は、高融点金属成分の占める領域の全周から三次元的に発生する。この三次元的な組成分濃度傾斜の存在により、カーケンダルボイドの発生が三次元的に抑制され、信頼性及び品質に優れ、機械的強度が大きく、剥離、断線等を生じ難い導体を有する電子デバイスが得られることになる。
残存する高融点金属粒子の大きさや、組成分濃度傾斜特性は、用いる高融点金属粒子の粒径、種類、及び、熱処理履歴によってコントロールできる。高融点金属成分及び低融点金属成分の種類を固定した場合であっても、熱処理履歴を変えることによって、導体に残存する高融点金属粒子の大きさや、組成分濃度傾斜特性をコントロールできる。このようなコントロールにより、接合作業や導体形成作業を多様化し得る。
2.電子デバイスの製造方法
本発明に係る電子デバイスを製造する方法であって、導体を支持すべき基板に、融点の異なる複数種の金属粒子を、ビヒクル中に分散させた導電性ペーストを塗布し、次に、前記導電性ペーストに対して、複数回に分けて、熱処理加え、前記金属粒子の拡散による組成分濃度傾斜をコントロールする。
残存する高融点金属粒子の大きさや、組成分濃度傾斜特性は、用いる高融点金属粒子の粒径、種類及び、熱処理履歴によってコントロールできること、及び、高融点金属成分及び低融点金属成分の種類を固定した場合であっても、熱処理履歴を変えることによって、導体内に残存する高融点金属粒子の大きさや、組成分濃度傾斜特性をコントロールできることは前述したとおりである。従って、本発明に係る製造方法によれば、このようなコントロールにより、接合作業や導体形成作業を多様化し得る。
3.金属粒子
本発明に係る金属粒子は、コア部分と、酸化防止膜とを含む。前記コア部分は、金属又は合金によるナノコンポジット構造を持ち、前記酸化防止膜は、水素化合物でなり、前記コア部分の外面に付着してこれを覆っている。
上述したように、本発明に係る金属粒子では、酸化防止膜がコア部分の外面に付着してこれを覆っているから、コア部分の酸化を防止することができる。この酸化防止膜は、水素化合物でなるから、水素化合物の多様性により、コア部分の合金に適合した酸化防止膜を形成することができる。
また、本発明に係る金属粒子は、粒径が10μm以下、好ましくは、500nm以下、更に好ましくは200nm以下である。このような微小な粒径の金属粒子によれば、ち密な導体を形成することができる。
4.導電性ペースト
本発明に係る導電性ペーストは、金属粒子と、ビヒクルとを含む。導電性ペーストであって、前記金属粒子は、本発明に係るものでなり、前記ビヒクル中に分散されている。
上述したように、金属粒子は、水素化合物でなる酸化防止膜がコア部分の外面に付着してこれを覆っているから、ビヒクルに対する分散性がよくなる。
また、本発明に係る金属粒子は、粒径が10μm以下、好ましくは、500nm以下、更に好ましくは200nm以下であるから、ビヒクルに対する金属粒子の充填密度を高め、ち密な導体を形成することができるし、また、微小な孔径の貫通孔に対しても確実に充填して、貫通電極を形成することもできる。
上述したように、本発明によれば次のような効果を得ることができる。
(a)接合強度や機械的強度が高く、剥離、断線等を生じ難い導体、例えば、電極、配線、バンプ、又は、接合導体等を有する電子デバイス、このような電子デバイスの製造方法、電子デバイスの製造方法に適した金属粒子及び導電性ペーストを提供することができる。
(b)凝固点及び凝固後の溶融温度を調整することの可能な電子デバイスの製造方法、この製造方法に適した金属粒子及び導電性ペーストを提供することができる。
(c)接合作業や導体形成作業を多様化し得る電子デバイスの製造方法、この製造方法に適した金属粒子及び導電性ペーストを提供することができる。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。但し、添付図面は、単なる例示に過ぎない。
本発明に係る電子デバイスの一例を示す図である。 本発明に係る電子デバイスの他の例を示す図である。 本発明に係る電子デバイスの導体について、その組成分濃度傾斜の概念を説明する図である。 本発明に係る電子デバイスの導体のSEM像である。 図4に示した導体の上に設定された観測点006、007、008を示す図である。 図5の観測点006のEDX(エネルギー分散型X線分光法)による分析結果を示す図である。 図5の観測点007のEDX(エネルギー分散型X線分光法)による分析結果を示す図である。 図5の観測点008のEDX(エネルギー分散型X線分光法)による分析結果を示す図である。 本発明に係る導体のSEM像である。 本発明に係る電子デバイスの製造方法を示す図である。 本発明に係る金属粒子を概念的に示す図である。
1.電子デバイス
本発明に係る電子デバイスは、図1に図示するように、電気信号を通す導体31を有している。導体31は、基板111の面上に形成されている。基板111は、半導体基板、有機絶縁基板、無機絶縁基板、絶縁被覆導電性基板、又はそれらの複合基板もしくは積層基板で構成することができる。
導体31は、電気信号を通すものであればよく、例えば、電極、配線、バンプ、又は、接合導体等が含まれる。図1の例では、導体31は、電極、配線又はバンプを構成する。
図2は、本発明に係る電子デバイスの別の実施の形態を示す。この実施の形態では、複数枚nの基板111〜11nを順次に積層し、基板111〜11nの厚み方向に貫通して導体(貫通電極)32を、導体33で順次に接合した三次元電子デバイスを示している。最上層にある基板11nの一面には、導体32の端面に接合された導体31が設けられており、この導体31の上に各種電子部品5が接合されている。導体31は、バンプ又は配線を構成する
最下層の基板111の下面には、バンプとなる導体34が形成されている。この導体34は一面が導体(貫通電極)32の端面に接合され、他面にはんだボール35が接合されている。
基板111〜11nは、半導体基板で構成され、その内部に半導体回路要素9が形成されており、導体31〜35は、半導体回路要素9に電気的に接続される。もっとも、基板111〜11nは、半導体回路要素9を持たないインターポーザであってもよい。
上述した電子デバイスにおいて、電気信号を通す導体31〜35のうち、少なくとも一つは、融点の異なる複数種の金属成分を含む。この実施の形態では、導体31〜35の何れもが、融点の異なる複数種の金属成分を含むものとする。金属成分とは、金属元素単体、複数の金属元素を含む合金等のコンポジット構造、又は、それらの組合せを言う。
導体31を構成する融点の異なる複数種の金属成分は、Cu、Al、Ni、Sn、Ag、Au、Pt、Pd、Si、B、Ti、Bi、In、Sb、Ga、Znの群から選択することができる。
上述した電子デバイスにおいて、導体31〜35が、融点の異なる複数種の金属成分を含むから、金属成分の選択及び組合せによって、溶融温度が低く、凝固後は高い融点をもつ導体を形成することができる。
しかも、導体31〜35は、内部に金属成分の拡散による組成分濃度傾斜が存在する。この組成分濃度傾斜の存在が、本発明の重要なポイントであって、金属粒子がそのまま存在していて金属粒子間の境界で拡散接合が起こっている一般的な拡散から差別される。また、上述した拡散により、導体31の内部には、ナノコンポジット構造が生じる。
図3において、導体31〜35は第1金属成分M1及び第2金属成分M2を含んでいて、第1金属成分M1は融点T1を持ち、第2金属成分M2は、融点T1よりも低い融点T2(<T1)を有するものとする。この条件下で、導体31〜35の内部に、第1金属成分M1及び第2金属成分M2の拡散による組成分濃度傾斜が存在するということは、第1金属成分M1及び第2金属成分M2における相互的な拡散接合が、物理的距離をおいて徐々に変化してゆくことを意味する。従って、原子空孔(格子)の集積が回避され、カーケンダルボイドの発生が抑制され、信頼性及び品質に優れ、しかも機械的強度が大きく、剥離、断線等を生じ難い導体を有する電子デバイスが得られることになる。
図3を参照して、更に具体的に説明すると、高融点T1を持つ第1金属成分M1の占有領域では、第1金属成分M1の含有量が100at%で、第2金属成分M2の含有量が最小0at%になる。第1金属成分M1は、その占有領域から離れるにつれて、含有量が次第に減少し、第2金属成分M2の含有量が増えてゆく組成分濃度傾斜が生じる。
第1金属成分M1の含有量が0at%となり、第2金属成分M2の含有量が100at%となる境界(図3点線包枠)では、第1金属成分M1からの距離Pr1、Pr2、Pr3が、一般には、均等にはならない。
組成分濃度傾斜は、高融点T1の第1金属成分M1の占める領域の全周から三次元的に発生する。この三次元的な組成分濃度傾斜の存在により、カーケンダルボイドの発生が三次元的に抑制され、信頼性及び品質に優れ、機械的強度が大きく、剥離、断線等を生じ難い導体を有する電子デバイスが得られることになる。
高融点金属粒子の大きさや、組成分濃度傾斜特性は、高融点金属成分の種類、低融点金属成分の種類、及び、熱処理履歴によってコントロールできる。しかも、高融点金属成分及び低融点金属成分の種類を固定した場合であっても、熱処理履歴を変えることによって、高融点金属粒子の大きさや、組成分濃度傾斜特性をコントロールできる。このようなコントロールにより、接合作業や導体形成作業を多様化し得る。
次に、組成分濃度傾斜について、SEM像を参照して更に具体的に説明する。図4(A)は、基板(銅)111の上に、本発明に係る導体31を形成し、導体31の上に観測用ポリマ層121を設け、更にポリマ層121の上に保持用ガラス板122を接合したもののSEM像である。図4(B)は、図4(A)に付された点線包枠部分の拡大像である。導体31は、第1金属成分M1と第2金属成分M2とを有機ビヒクル中に分散させた導電性ペーストを、基板111の上に塗布し、焼き付け処理して形成したものである。第1金属成分M1としてはCu粉末を用い、第2金属成分M2としてはSn-Ag-Cu合金粉末を用いた。焼き付け処理条件は、240℃−10秒である。
図4(B)を見ると、導体31の内部に点在している黒色の強い粒子状部分が第1金属成分M1であり、その周りの色の薄い部分が金属成分拡散による組成分濃度傾斜の領域及び第2金属成分M2に相当する。
次に、図5を参照すると、導体31の上に観測点006、007、008が設定されており、観測点006、007、008のそれぞれのEDX(エネルギー分散型X線分光法)による分析結果が図6、図7及び図8に示されている。観測点006は、第1金属成分M1の領域に設定されており、観測点007は第1金属成分M1から5μm離れた位置に設定されており、観測点008は第1金属成分M1から10μm以上離れた位置に設定されている。
観測点006では、当然のことであるが、第1金属成分M1を構成するCuの強いピークが現れている。
第1金属成分M1を構成するCuから、5μm離れた観測点007では、Cu拡散状態が確認されているが、Cuの組成比は観測点006の組成比38.5at%から、26.01at%に低下し、反対に、第2金属成分M2を構成するSnの組成比が、観測点006の組成比3.01at%から、17.91at%に上昇している。
第1金属成分M1を構成するCuから、10μm離れた観測点008では、Cu拡散状態が確認されているが、Cuの組成比は観測点006の組成比38.5at%、観測点007の26.01at%から、11.64に低下し、反対に、第2金属成分M2を構成するSnの組成比が、観測点007の組成比17.91at%から組成比28.00に上昇している。
従って、導体31の内部に、第1金属成分M1及び第2金属成分M2の拡散による組成分濃度傾斜が存在することが明らかである。そして、このような組成分濃度傾斜を有することにより、接合強度や機械的強度が高く、剥離、断線等を生じ難い導体31を有する電子デバイスが得られることは、既に述べたとおりである。
残存する高融点金属粒子の大きさや、組成分濃度傾斜特性は、用いる高融点金属粒子の粒径、種類、及び、熱処理履歴によってコントロールすることができ、これにより、接合作業や導体形成作業を多様化し得る。この点について、図9を参照して、具体的に説明する。図9(A)は、図4(A)に図示されたものと同じように、基板(銅)111の上に、導体31を形成し、導体31の上に観測用ポリマ層121を設け、更にポリマ層121の上に保持用ガラス板122を接合したもののSEM像である。図9(B)は、図9(A)に付された点線包枠部分の拡大像である。
導体31は、図4の場合と同様に、第1金属成分M1と第2金属成分M2とを有機ビヒクル中に分散させた導電性ペーストを、基板111の上に塗布し、焼き付け処理して形成したものである。第1金属成分M1としてはCu粉末を用い、第2金属成分M2としてはSn-Ag-Cu合金粉末を用いた。焼き付け処理条件は、240℃−10秒である。図4と異なる点は、第1金属成分M1として、平均粒径が200nm以下のCu粒子を用いたことである。
図9(A)、(B)と図4(A)、(B)とを対比してみると見ると明らかなように、図4(A)、(B)において、導体31の内部に点在していた黒色の強い粒子状の第1金属成分M1が、図9(A)、(B)では観測されず、導体31が全体として同一組成のSEM像を示している。これは、第1金属成分M1であるCu粒子が、第2金属成分M2であるSn-Ag-Cu合金成分との間で相互拡散を生じ、その粒子形状が消滅したことを表わしている。上述した拡散により、導体31の内部には、ナノコンポジット構造が生じる。
2.電子デバイスの製造方法
上述した電子デバイスは、限定するものではないが、例えば、図10に示す製造方法によって製造することができる。図10を参照すると、まず、図10(A)に示すように、導体を支持すべき基板111を準備する。基板111には、貫通孔320が多数設けられている。
次に、図10(B)、(C)に示すように、塗布装置9を用い、基板111の一面に、融点の異なる複数種の金属粒子を、ビヒクル中に分散させた導電性ペースト300を塗布する。実施の形態において、塗布装置9は、スクリーン印刷装置であり、スクリーン版91の上でスキージ92を移動させることにより、導電性ペースト300を基板111に供給する。実施の形態では、基板111に貫通孔320を設けてあるので、導電性ペースト300は、基板111の表面の導電性ペースト310の他、貫通孔320の内部にも充填される。塗布装置9はスクリーン印刷に限らない。遠心充填方法、転写方法等であってもよい。
次に、導電性ペースト310、320に対して、複数回に分けて、熱処理加え、金属粒子の拡散による組成分濃度傾斜をコントロールする。
高融点金属粒子の大きさや、組成分濃度傾斜特性は、高融点金属成分の種類、低融点金属成分の種類、及び、熱処理履歴によってコントロールできること、及び、高融点金属成分及び低融点金属成分の種類を固定した場合であっても、熱処理履歴を変えることによって、高融点金属粒子の大きさや、組成分濃度傾斜特性をコントロールできることは前述したとおりである。
従って、本発明に係る製造方法によれば、このようなコントロールにより、接合作業や導体形成作業を多様化し得る。
3.金属粒子
図11は、本発明に係る金属粒子を、概念的に示す図である。図11に示すように、本発明に係る金属粒子300は、コア部分301と、酸化防止膜302とを含む。コア部分301は、金属又は合金によるナノコンポジット構造を持ち、酸化防止膜302は、水素化合物でなり、コア部分301の外面に付着してこれを覆っている。ナノコンポジット構造とは、複数の元素の一方の結晶粒内にnmサイズの粒状物または膜状物を分散させるか、又は、結晶粒界にnmサイズの粒状物または膜状物を分散させたものをいう。本発明において、「ナノ」とは、1μm未満のサイズをいう。
上述したように、本発明に係る金属粒子300では、酸化防止膜302がコア部分301の外面に付着してこれを覆っているから、コア部分301の酸化を防止することができる。この酸化防止膜302は、水素化合物でなるから、水素化合物の多様性により、コア部分301の合金に適合した酸化防止膜を形成することができる。水素化合物は、具体的には、Sb、Bi、Si、Co、Pd、Pt、Au、Ti、Ni、Crの群から選択された少なくとも一種である。
また、本発明に係る金属粒子は、粒径が10μm以下、好ましくは、500nm以下、更に好ましくは200nm以下である。このような微小な粒径の金属粒子によれば、ち密な導体を形成することができる。金属粒子は、球状であってもよいし、扁平状であってもよい。
4.導電性ペースト
本発明に係る導電性ペーストは、図11に示した金属粒子と、ビヒクルとを含む。金属粒子は、本発明に係るものでなり、ビヒクル中に分散されている。ビヒクルは、典型的には、有機ビヒクルであり、有機溶剤とともに用いられる。
上述したように、金属粒子は、水素化合物でなる酸化防止膜がコア部分の外面に付着してこれを覆っているから、ビヒクルに対する分散性がよくなる。
また、本発明に係る金属粒子は、粒径が10μm以下、好ましくは、500nm以下、更に好ましくは200nm以下であるから、ビヒクルに対する金属粒子の充填密度を高め、ち密な導体を形成することができるし、また、微小な孔径の貫通孔に対しても確実に充填して、貫通電極を形成することもできる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、その基本的技術思想および教示に基づき、種々の変形例を想到できることは自明である。
111 基板
31〜35 導体

Claims (2)

  1. 電気信号を通す導体を有する電子デバイスであって、
    前記導体は、融点の異なる複数種の金属成分を含み、内部に、前記金属成分の拡散による組成分濃度傾斜を有しており、
    前記複数種の金属成分は、前記拡散によるナノコンポジット構造を構成し、前記ナノコンポジット構造は、
    (a)前記複数種の金属成分の一方の結晶粒内に、前記複数種の金属成分の他方の、nmサイズの粒状物または膜状物が存在し、又は、
    (b)前記複数種の金属成分の一方の結晶粒界に、前記複数種の金属成分の他方の、nmサイズの粒状物または膜状物が存在するものである、
    電子デバイス。
  2. 請求項1に記載された電子デバイスであって、前記複数種の金属成分の一方は低融点金属成分であり、前記複数種の金属成分の他方は高融点金属成分である、電子デバイス。

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