JP5822295B2 - ジョイント部材 - Google Patents
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Description
これにより、ジョイント部材30に対するエンジン50側の連結部52およびキャブレター70側の連結部72の抜け止めを図りつつ、当該ジョイント部材30をこれら連結部52,72に対して強固に固定している。
その際、溝部(抜け止め用凹部)54,74に係合した条部(抜け止め用凸部)32,34は、これらの溝部54,74と密着した状態となるため、ある程度のシール効果を得ることは可能である。しかしながら、条部32,34は、連結部52,72がジョイント部材30から抜けてしまう(換言すれば、ジョイント部材30が連結部52,72から抜けてしまう)ことを防止するための部材であって、外部からの異物(泥水や塵埃など)の侵入や、キャブレターからエンジンへ給気される混合気の外部への漏洩などを確実に防止するためのシール部材(密封シール)とはなっていない。したがって、条部(抜け止め用凸部)32,34を溝部(抜け止め用凹部)54,74に係合させただけでは、連結部52,72の連結部分における十分な密封性能が得られる訳ではない。
エンジン50およびキャブレター70は、ジョイント部材2によって相互に連結される管状の連結部52,72を備えており、これら連結部52,72の開口部52a,72aを互いに対向させて配置されている。エンジン側の連結部52は、エンジン50のキャブレター70との対向部50aを縮径させつつ、当該対向部50aからキャブレター側へ管状に突出しており、キャブレター側の連結部72は、キャブレター70のエンジン50との対向部70aを縮径させつつ、当該対向部70aからエンジン側へ管状に突出している。
各条部は、2つの連結部52,72の双方の外周部をそれぞれ全周に亘って連続して凹状に窪ませてなる複数の溝部のいずれかと係合可能に配されている。これに対し、各シール部は、2つの連結部52,72のいずれか一方の外周部と当接可能に、前記開口部52a,72aを挟んで自身と同一側(エンジン側もしくはキャブレター側)の条部のいずれかの近傍に配され、外周部から締付部材(一例として、図1(b)に示すクランプバンド92,94)により締め付けられた状態で弾性変形して潰れ、当接する2つの連結部52,72のいずれか一方の外周部と密着することにより、当該2つの連結部52,72の連結部分を密封状態に保っている。
一例として、図1(a)には、内周部に対し、エンジン50の連結部52およびキャブレター70の連結部72の外周部にそれぞれ1つずつ形成された2つの溝部(抜け止め用凹部)54,74のいずれか一方と係合可能な2つの条部(抜け止め用凸部)22,24が全周に亘って連続して凸状に1つずつ突設されるとともに、エンジン50の連結部52およびキャブレター70の連結部72のいずれか一方の外周部とそれぞれ当接可能な2つのシール部26,28が2つの条部22,24のいずれか一方の近傍に全周に亘って連続して凸状に1つずつ突設されたジョイント部材2の構成を示している。
あるいは、条部を2つの開口部を挟んでエンジン側とキャブレター側(ジョイント部材のエンジン側の圧入内周部およびキャブレター側の圧入内周部)にそれぞれ複数ずつ突設させた構成も想定可能である。
また、拡径部2cの幅(肉厚)は、当該拡径部2cのエンジン側の端面22cにエンジン50(連結部52)の開口部52a(具体的には、開口周縁)を当接させた状態で、ジョイント部材2のエンジン側の端面2dがエンジン50の対向部50aと所定隙間を空けて非接触となるとともに、当該拡径部2cのキャブレター側の端面24cにキャブレター70(連結部72)の開口部72a(具体的には、開口周縁)を当接させた状態で、ジョイント部材2のキャブレター側の端面2eがキャブレター70の対向部70aと所定隙間を空けて非接触となるように設定すればよい。これにより、ジョイント部材2と連結部52,72を圧入により嵌合させた際、拡径部2cの端面2d,2eとエンジン50およびキャブレター70の対向部50a,70aとの隙間が逃げとなって、当該拡径部2cの端面22c,24cと開口部52a,72a(具体的には、これらの開口周縁)を隙間なく確実に当接(密着)させることができる。したがって、拡径部2cの幅(肉厚)を含め、ジョイント部材2の長さ(円筒の延出寸法(図1(a)においては、左右方向に対する距離))は、エンジン50の連結部52のキャブレター側への突出寸法(対向部50aからの突出寸法)とキャブレター70の連結部72のエンジン側への突出寸法(対向部70aからの突出寸法)を加えた寸法よりも若干大寸に設定されている。
なお、拡径部2cの各端面22c,24cに開口部52a,72a(具体的には、これらの開口周縁)を隙間なく当接(密着)させた状態において、エンジン側の条部22と溝部54が係合されるとともに、キャブレター側の条部24と溝部74が係合されるように、これらの条部22,24および溝部54,74を相互に配すればよい。これにより、条部22,24を溝部54,74とそれぞれ係合させることで、ジョイント部材2をエンジン50(連結部52)およびキャブレター70(連結部72)に対して位置決めすることができる。
これら2つの取付部2a,2bのうち、一方(一例として、エンジン側の取付部2a)は、エンジン50(連結部52)の外周部と当接するシール部26に対応して(当該シール部26とは径方向に対して反対側に)位置付けられているとともに、当該シール部26の近傍に配された条部22に対応して(当該条部22とは径方向に対して反対側に)位置付けられている。また、他方(一例として、キャブレター側の取付部2b)は、キャブレター70(連結部72)の外周部と当接するシール部28に対応して(当該シール部28とは径方向に対して反対側に)位置付けられているとともに、当該シール部28の近傍に配された条部24に対応して(当該条部24とは径方向に対して反対側に)位置付けられている。
クランプバンド92,94の締め付けによる押圧力を受けたシール部26,28は、連結部52,72の外周部に強く当て付けられ、当該外周部からの反力を受ける。この結果、シール部26,28を弾性変形させて潰すことができ、当接する2つの連結部52,72のいずれか一方の外周部(エンジン側のシール部26はエンジン50の連結部52の外周部、キャブレター側のシール部28はキャブレター70の連結部72の外周部)と強く密着させることができる(図1(b)に示す状態)。これにより、2つの連結部52,72の連結部分を密封状態に保つことができ、外部からの異物(泥水や塵埃など)の侵入や、キャブレター70からエンジン50へ給気される混合気の外部への漏洩などを確実に防止することができる。特に、本実施形態においては、エンジン側のシール部26を条部22のキャブレター側(つまり、連結部52の開口部52a側)近傍に配し、キャブレター側のシール部28を条部24のエンジン側(同、連結部72の開口部72a側)近傍に配しているため、キャブレター70からエンジン50へ給気される混合気の外部への漏洩などをより一層確実に防止することができる。
なお、ジョイント部材2の内周部からの条部(抜け止め用凸部)22,24の突出高さ(換言すれば、内周部の縮径寸法)、その幅や大きさ、あるいは連結部52,72の外周部に対する溝部(抜け止め用凹部)54,74の深さ(換言すれば、外周部の縮径寸法)、その幅や大きさなどは、クランプバンド92,94の締め付けによる押圧力を受けた状態でこれらをより強く係合させることが可能となるように、条部22,24(同、ジョイント部材2)および連結部52,72の材質、クランプバンド92,94の締付力などに応じて相互に設定すればよい。図1(a)には、圧入による嵌合(外嵌)をよりスムーズに行うために、ジョイント部材2の内周部から最も突出した部位に対して当該ジョイント部材2の圧入方向側がその反対側よりもなだらかな凸曲状をなす、つまりエンジン側の条部2はエンジン側がキャブレター側よりもなだらかな凸曲状、キャブレター側の条部24はキャブレター側がエンジン側よりもなだらかな凸曲状をなす条部22,24の構成を一例として示している。
22,24 条部
26,28 シール部
50 エンジン
52 エンジン連結部
52a エンジン開口部
54 エンジン溝部
70 キャブレター
72 キャブレター連結部
72a キャブレター開口部
74 キャブレター溝部
92,94 締付部材(クランプバンド)
Claims (2)
- 外周部の周方向に連続して形成された抜け止め用凹部を有するエンジン側連結部と、外周部の周方向に連続して形成された抜け止め用凹部を有するキャブレター側連結部を連結するとともに、前記それぞれの抜け止め用凹部に係合可能な抜け止め用凸部を内周部に形成し、前記エンジン側連結部と前記キャブレター側連結部のそれぞれの開口部側端面を圧入により嵌合し、前記それぞれの抜け止め用凹部に抜け止め用凸部を係合させ、前記外周部から締結部材により締め付けられる弾性体製の円筒状のジョイント部材において、
前記両抜け止め用凸部の間であって、前記エンジン側連結部の外周部と、前記キャブレター側連結部の外周部にそれぞれ当接し、当該外周部から締結部材により締め付けられた状態で弾性変形して潰れることにより、エンジン側とキャブレター側とを密封状態に保つ少なくとも2つのシール部材を所定間隔をあけて周方向に突設し、
前記2つのシール部材は、内周部から最も突出した部位に対して前記エンジン側及び前記キャブレター側の両側へ、ほぼ対称となるように徐々に突出高さを小さくしたなだらかな凸曲状に形成し、
前記内周部において、それぞれの前記シール部材の筒軸方向で両側には、前記弾性変形時において前記シール部材がそれぞれ前記エンジン側および前記キャブレター側へと均一に潰れるための潰れ領域を周方向に設けており、
前記締結部材は外周部の周方向に凹設された取付部を介して締め付け固定され、
前記取付部は、前記それぞれの抜け止め用凸部と前記シール部に対応して設けられるとともに、前記それぞれの抜け止め用凸部と前記シール部までを含む領域の幅よりも大寸に設定し、かつ前記締結部材は、前記それぞれの抜け止め用凸部と前記シール部までを含む領域の幅よりも大寸に設定して前記それぞれの抜け止め用凸部と前記シール部を締結固定することを特徴とするジョイント部材。 - 前記内周部には、前記2つのシール部に挟まれるようにこれらの内方へ拡径部が設けられており、
前記拡径部は、前記エンジン側連結部と前記キャブレター側連結部の開口部の双方と当接可能となるように、全周に亘って連続して凸状に突設されていることを特徴とする請求項1に記載のジョイント部材。
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