JP5821819B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、内燃機関を備える車両用の駆動力制御装置が開示されている。この従来の制御装置では、内燃機関の運転条件に基づいてフューエルカットの最長継続時間が設定される。具体的には、この最長継続時間は、低回転低負荷領域では長く設定され、高回転高負荷領域では短く設定される。
特開平8−61108号公報 特開2012−57576号公報 特開2011−163303号公報 特開2007−56718号公報 特開2006−233828号公報 特開2011−111899号公報 特開平1−113550号公報
内燃機関の運転中には、燃費向上のために、減速時等において所定の実行条件が成立した場合にフューエルカットが実施される。その一方で、フューエルカットが実施されると、排気通路に配置される排気浄化触媒には酸素濃度の高い新気が供給されることになる。このため、フューエルカット継続時間が長くなるほど、排気浄化触媒の雰囲気の空燃比がリーン化していく。また、フューエルカット状態からの復帰時には、一般的に、フューエルカットの実施によって生じた排気浄化触媒の雰囲気の空燃比のリーン化を解消するため(例えば、排気浄化触媒が三元触媒である場合には触媒雰囲気を理論空燃比に戻すため)の燃料噴射の増量が実施される。したがって、フューエルカット継続時間が長くなると、復帰時の燃料噴射の上記増量が多くなる。このことは、燃費を悪化させる要因となる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、フューエルカットが実施される場合に、燃費を確実に向上させられるようにフューエルカット継続時間を好適に調整することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関に燃料を供給する燃料噴射弁と、
前記内燃機関の排気通路に配置された排気浄化触媒と、
フューエルカットの実施によって生じた前記排気浄化触媒の雰囲気の空燃比のリーン化を解消するための燃料噴射の増量をフューエルカット状態からの復帰時に実行する復帰時燃料増量実行手段と、
フューエルカット継続時間を取得するフューエルカット継続時間取得手段と、
前記フューエルカット継続時間に基づいて、フューエルカットの継続による燃費向上分を算出する燃費向上分算出手段と、
前記フューエルカット継続時間に基づいて、前記復帰時燃料増量実行手段による燃料噴射の増量に伴う第1燃費悪化分を算出する第1燃費悪化分算出手段と、
前記燃費向上分が前記第1燃費悪化分よりも大きくなるように、前記フューエルカット継続時間を調整するフューエルカット継続時間調整手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記排気通路に配置され、センサ素子を加熱するためのヒータを有し、前記排気通路を流れる排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
フューエルカットが実行される場合に前記ヒータへの通電を中止するヒータ通電中止手段と、
前記フューエルカット継続時間に基づいて、フューエルカット状態からの復帰時に前記センサ素子の温度を活性化温度に上昇させるために必要な前記ヒータの電力消費に伴う第2燃費悪化分を算出する第2燃費悪化分算出手段と、
を更に備え、
前記フューエルカット継続時間調整手段は、前記第1燃費悪化分と前記第2燃費悪化分との和よりも前記燃費向上分が大きくなるように、前記フューエルカット継続時間を調整することを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記フューエルカット継続時間取得手段は、フューエルカット状態からの復帰時期を予測する手段を含み、
予測されたフューエルカット状態からの復帰時期が到来した時に前記センサ素子の温度が活性化温度に達するように、フューエルカットの実行中に前記ヒータへの通電を再開するヒータ通電再開手段を更に備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、上記燃費向上分と上記第1燃費悪化分との比較結果に基づいて、燃費向上分が第1燃費悪化分よりも大きくなるようにフューエルカット継続時間が調整される。フューエルカット継続時間が長くなるほど、排気浄化触媒の雰囲気の空燃比のリーン化が進行する。このため、フューエルカット継続時間が長くなると、上記リーン化を解消するための燃料噴射の増量による第1燃費悪化分がフューエルカット継続による燃費向上分を上回ってしまう事態が生じ得る。本発明によれば、上記事態が生じた場合であっても、燃費向上分が第1燃費悪化分よりも大きいという条件が維持されるように、フューエルカット継続時間が調整される。これにより、フューエルカット継続時間の長短に関係なく、燃費を確実に向上させられるようにフューエルカット継続時間を決定できるようになる。
第2の発明によれば、上記第2燃費悪化分をも考慮して、第1燃費悪化分と第2燃費悪化分との和よりも燃費向上分が大きくなるようにフューエルカット継続時間が調整される。これにより、フューエルカットの実行中に空燃比センサが備えるヒータへの通電を中止する制御が行われる場合において、上記第1の発明と比べ、フューエルカット継続時間の長短に関係なしに燃費を確実に向上させられるようにフューエルカット継続時間をより適切に決定できるようになる。
第3の発明によれば、フューエルカットの実行中にヒータへの通電を中止する時間を適切に調整することにより、予測されたフューエルカット状態からの復帰時期においてセンサ素子が活性化した状態となるようにすることができる。これにより、フューエルカットの実行中にヒータへの通電を中止することによる消費電力の低減効果を維持しつつ、フューエルカット状態からの復帰時期において速やかに空燃比センサを利用して正確な空燃比を検出できるようになる。
本発明の実施の形態1の内燃機関のシステム構成を説明するための模式図である。 同期噴射と非同期噴射との違いを説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において実施される特徴的なヒータ通電制御を説明するための図である。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関10のシステム構成を説明するための模式図である。本実施形態のシステムは、火花点火式の内燃機関(例えば、ガソリンエンジン)10を備えている。内燃機関10の各気筒内には、ピストン12が設けられている。各気筒内には、ピストン12の頂部側に燃焼室14が形成されている。燃焼室14には、吸気通路16および排気通路18が連通している。
吸気通路16の入口近傍には、吸気通路16に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ20が設けられている。エアフローメータ20の下流には、電子制御式のスロットルバルブ22が設けられている。各気筒に向けて分岐した後の吸気通路16(吸気マニホールド部)には、吸気ポート内に向けて燃料を噴射するための燃料噴射弁24が設けられている。また、各気筒には、燃焼室14内の混合気に点火するための点火プラグ26が設けられている。
排気通路18には、排気ガスを浄化するための排気浄化触媒として、触媒28が配置されている。ここでは、一例として、触媒28は、三元触媒であるものとする。触媒28よりも上流側の排気通路18には、触媒28に流入する排気ガスの空燃比(すなわち、触媒28の雰囲気の空燃比)を検出するための空燃比センサ30が配置されている。このような空燃比センサ30としては、触媒28に流入する排気ガスの空燃比に対してほぼリニアな出力を発するA/Fセンサや、触媒28に流入する排気ガスが理論空燃比に対してリッチである場合にリッチ出力を発生し、また、その排気ガスが理論空燃比に対してリーンである場合にリーン出力を発生するOセンサ等を用いることができる。また、空燃比センサ30は、センサ素子を加熱するためのヒータ(図示省略)を備えているものとする。
更に、図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40の入力部には、上述したエアフローメータ20および空燃比センサ30に加え、エンジン回転数を検知するためのクランク角センサ42等の内燃機関10の運転状態を検知するための各種センサが接続されている。更に、ECU40の入力部には、内燃機関10を搭載する車両のアクセルペダル(図示省略)の踏み込み量(アクセル開度)を検知するためのアクセル開度センサ44、路面情報(例えば、この先の登坂角)を入手可能なナビシステム46、および、前方を走行する車両との車間距離を検知するための車間距離センサ48が接続されている。また、ECU40の出力部には、上述したスロットルバルブ22、燃料噴射弁24および点火プラグ26等の内燃機関10の運転状態を制御するための各種アクチュエータが接続されている。ECU40は、上述した各種センサの出力と所定のプログラムに従って各種アクチュエータを作動させることにより、燃料噴射制御および点火制御などの所定のエンジン制御を行うものである。
(フューエルカット制御およびフューエルカットからの復帰時の燃料噴射制御)
内燃機関10の運転中には、燃費向上のために、減速時等において所定の実行条件が成立した場合にフューエルカットが実施される。その一方で、フューエルカットが実施されると、排気通路18に配置される触媒28には酸素濃度の高い新気が供給されることになる。このため、フューエルカット継続時間が長くなるほど、触媒28の雰囲気の空燃比がリーン化していく。また、フューエルカット状態からの復帰時には、一般的に、フューエルカットの実施によって生じた触媒28の雰囲気の空燃比のリーン化を解消して触媒28の雰囲気の空燃比を理論空燃比(ストイキ)に戻すための燃料噴射の増量が実施される。三元触媒である触媒28の場合には、これにより、NOxの浄化機能を回復させることができる。したがって、フューエルカット継続時間が長くなると、復帰時の燃料噴射の上記増量が多くなる。このことは、燃費を悪化させる要因となる。
また、一般に、燃料噴射弁24のようなポート噴射式の燃料噴射弁を備えている内燃機関では、必要に応じて、運転中に燃料噴射のタイミングを同期噴射と非同期噴射との間で切り換え可能となっている。図2は、同期噴射と非同期噴射との違いを説明するための図である。図2に示すように、同期噴射は、クランク軸の回転(クランク角度)と同期して、所定のクランク角期間で気筒毎に行われる燃料噴射である。一方、非同期噴射は、クランク角度に関係なく(すなわち、クランク角度とは同期せずに)、噴射要求が検出された際に直ちに実行される燃料噴射であり、図2に示すように全気筒同時に行われるのが一般的である。
フューエルカット中に加速要求などが発生したことに伴ってフューエルカット状態からの復帰が行われる場合には、急増する吸入空気量に見合うだけの燃料を瞬時に供給する必要があり、また、上記のようにリーン状態となった触媒28の雰囲気の空燃比を速やかにストイキに戻す必要がある。このため、この場合には、非同期噴射が実行される。そして、フューエルカット復帰時の非同期噴射量を復帰時の触媒28の雰囲気の空燃比の値に応じて変化させることで、触媒28の雰囲気の空燃比を適切にストイキに復帰させることができる。尚、この場合に非同期噴射が用いられる理由をより具体的に説明すると、加速時はエンジン回転数が急変するため、クランク角度と同期した態様で燃料噴射量を演算してそれを同期噴射に反映させるための時間的な余裕が少なく、そのような演算および反映ができない可能性があるためである。
[実施の形態1における特徴的な制御]
以上説明したように、内燃機関10がトルクを発生させることを必要としない減速時等では、フューエルカットを実施することによってその間の燃料消費を抑制することができる。このことは、基本的には燃費向上に寄与する。その一方で、フューエルカット継続時間が長いほど、触媒28の雰囲気の空燃比がリーン化していくことで復帰時の非同期噴射の増量が増えることになる。このことは、燃費悪化の要因となる。
そこで、本実施形態では、フューエルカットの開始時にフューエルカット継続時間を予測したうえで、予測されたフューエルカット継続時間に基づいて、フューエルカットの継続による燃費向上分Aを算出するようにした。更に、予測されたフューエルカット継続時間に基づいて、復帰時の非同期噴射の増量に伴う第1燃費悪化分Bを算出するようにした。そのうえで、算出された燃費向上分Aが第1燃費悪化分Bよりも大きくなるように、フューエルカット継続時間を調整するようにした。
図3は、本発明の実施の形態1における特徴的な制御を実現するためにECU40が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。
図3に示すルーチンでは、先ず、フューエルカット(以下、「FC」と称する場合がある)の所定の実行条件の成立の有無に基づいて、FC実行開始時であるか否かが判定される(ステップ100)。
ステップ100においてFC実行開始時であると判定された場合には、FC継続時間の予測値の算出が実行される(ステップ102)。FC継続時間の予測は、公知の手法に基づいて実施することができる。例えば、フューエルカットからの復帰時期を予測し、予測した復帰時期とフューエルカットの開始時期との差に基づいてFC継続時間を算出することができる。この場合の復帰時期の予測は、例えば、現在のエンジン回転数と所定の復帰回転数(自然復帰の場合)との差や、現在のエンジン回転数の減少速度等に基づいて行うことができる。また、加速要求に基づくFC復帰(いわゆる、強制復帰)の場合であっても、例えば、上述したナビシステム46を利用した路面情報(具体的には、ある時間の経過後に車両が上り坂に差し掛かるなど)に基づいて、更には、車間距離センサ48を用いて得られる前方走行車両との車間距離が所定値以上離れたことなどに基づいて、加速要求時期を予測し、FC復帰時期を予測することができる。
次に、ステップ102において算出されたFC継続時間に基づいて、FCの継続による燃費向上分Aが算出される(ステップ104)。この燃費向上分Aは、例えば、予測されたFC継続時間中の燃料噴射回数と、同じ運転条件下においてFCを行わなかったとした場合の1回当たりの所定の燃料噴射量との積として算出することができる。尚、予測されたFC継続時間中の燃料噴射回数は、例えば、FC継続中のエンジン回転数の推移をFC開始時のエンジン回転数やその減少速度などを用いて予測した結果に基づいて推定することができる。
次に、ステップ102において算出されたFC継続時間に基づいて、FC復帰時の触媒28の雰囲気の空燃比が算出される(ステップ106)。当該空燃比は、例えば、FC開始直前の空燃比の値(空燃比センサ30により検出される値)と、FCの実行中に触媒28に流入する新気量とに基づいて算出することができる。当該新気量は、例えば、当該空気量を、FC継続時間(上記予測値)と、車速と、吸入空気量(エアフローメータ20により検出される値)と、FC中に弁停止している弁の数(逆に、FC中に開いている弁の数を用いてもよい)との関係で定めたマップを参照することで算出することができる。尚、車速を利用するのは、FC中は車速によって吸入空気量が変わるためである。
次に、ステップ106において算出されたFC復帰時の触媒雰囲気の空燃比に基づいて、FC復帰時に触媒28をストイキ状態に戻すための非同期噴射の増量に伴う第1燃費悪化分Bが算出される(ステップ108)。ステップ106において算出された空燃比によれば、予測されるFC復帰時の触媒雰囲気の空燃比がどれくらいリーン化しているかを把握することができる。ECU40は、FC復帰時の触媒雰囲気の空燃比との関係で、FC復帰時に触媒28をストイキ状態に戻すために必要な燃料噴射量(第1燃費悪化分B)を定めたマップを記憶している。本ステップ108では、そのようなマップを参照して、ステップ106において算出された空燃比に基づいて、第1燃費悪化分Bが算出される。
次に、ステップ104において算出された燃費向上分Aがステップ108において算出された第1燃費悪化分Bよりも大きくなるように、FC継続時間が調整される(ステップ110)。具体的には、本ステップ110では、算出された燃費向上分Aと第1燃費悪化分Bとの比較結果に基づいて、燃費向上分Aが第1燃費悪化分B以下である場合には、燃費向上分Aが第1燃費悪化分Bよりも大きくなるように、ステップ102において算出された値に対してFC継続時間が短縮される。一方、燃費向上分Aが燃費悪化分よりも既に大きい場合には、ステップ102において算出されたFC継続時間がそのまま使用される。
その後、上記ステップ110の処理による調整後のFC継続時間が経過した際に、FC状態からの復帰(燃料噴射の再開)が実行される(ステップ112)。
以上説明した図3に示すルーチンによれば、FC継続時間に基づいて算出される燃費向上分Aと第1燃費悪化分Bとの比較結果に基づいて、燃費向上分Aが第1燃費悪化分Bよりも大きくなるようにFC継続時間が調整される。既述したように、FC継続時間が長くなるほど、触媒28の雰囲気の空燃比のリーン化が進行する。このため、FC継続時間が長くなると、上記リーン化を解消して触媒雰囲気の空燃比をストイキにするための燃料噴射の増量による第1燃費悪化分BがFC継続による燃費向上分Aを上回ってしまう事態が生じ得る。これに対し、上記ルーチンの処理によれば、上記事態が生じた場合には、燃費向上分Aが第1燃費悪化分Bよりも大きいという条件が維持されるように、FC継続時間が調整される。これにより、FC継続時間の長短に関係なく、燃費を確実に向上させられるようにFC継続時間を決定できるようになる。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU40がFC状態からの復帰時に非同期噴射を増量することにより前記第1の発明における「復帰時燃料増量実行手段」が実現されており、ECU40が上記ステップ102の処理を実行することにより前記第1の発明における「フューエルカット継続時間取得手段」が実現されており、ECU40がステップ104の処理を実行することにより前記第1の発明における「燃費向上分算出手段」が実現されており、ECU40がステップ106および108の処理を実行することにより前記第1の発明における「第1燃費悪化分算出手段」が実現されており、ECU40がステップ110の処理を実行することにより前記第1の発明における「フューエルカット継続時間調整手段」が実現されている。
実施の形態2.
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU40に図3に示すルーチンに代えて後述の図4に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
内燃機関10が備える空燃比センサ30には、一般にジルコニア素子が用いられており、一定温度以上とならないとセンサ素子が活性化せず、空燃比を正しく検出することができない。このため、空燃比センサ30においてもヒータが備えられており、ヒータへの通電を制御することによってセンサ素子温度が所定の活性化温度を維持できるように配慮されている。
しかしながら、上記ヒータへの通電による消費電力は大きく、昨今の燃費向上の必要性を鑑みると、ヒータへの通電をできる限り小さく抑えることが望まれる。このため、本実施形態では、FCの実行中には空燃比センサ30を用いた空燃比フィードバック制御が実施されないことを利用して、FCの実行中はヒータへの通電をOFFとして消費電力の低減を図ることとしている。
その一方で、FCの実行中には排気通路18を常温の新気が流れることで、センサ素子が新気によって冷却される。このため、FCの実行中にヒータへの通電がOFFとされる場合、FC継続時間が長くなるにつれ、空燃比センサ30の素子温度はある収束温度に向けて低下していく。FC状態からの復帰時に素子温度を活性化温度にまで上昇させるために必要なヒータ通電時間は、素子温度が低いほど長くなる。このため、上述した実施の形態1における第1燃費悪化分B以外にも、FC継続時間が長くなるにつれ、復帰時のヒータへの通電による消費電力が大きくなることによる第2燃費悪化分Cが大きくなる。
そこで、本実施形態では、FCの実行中に空燃比センサ30が備えるヒータへの通電を中止する制御が行われることを前提としたうえで、第1燃費悪化分Bと第2燃費悪化分Cとの和よりも燃費向上分Aが大きくなるように、フューエルカット継続時間が調整されるようにした。
尚、本実施形態では、FCの実行中に空燃比センサ30のヒータへの通電をOFFとしている間(すなわち、空燃比センサ30によって空燃比を検出できない間)は、FCの開始直前に空燃比センサ30によって検出される空燃比の値と、FCの実行中に触媒28に流入する新気量とに基づいて、FCの実行中およびFC状態からの復帰後にヒータへの通電再開によってセンサ素子が活性化するまでの間の空燃比が算出(推定)される。FCの実行中の上記新気量は、例えば、当該空気量を、FC継続時間と、車速と、吸入空気量(エアフローメータ20により検出される値)と、FC中に弁停止している弁の数(逆に、FC中に開いている弁の数を用いてもよい)との関係で定めたマップを参照することで算出することができる。これにより、FCの実行中にヒータへの通電をOFFとした場合であっても、FC状態からの復帰時の触媒雰囲気の空燃比を把握できるようになる。
また、本実施形態では、上記のように推定した空燃比の値に基づいて、FC状態からの復帰時の非同期噴射量が変更される。より具体的には、FC復帰時の触媒28の雰囲気の空燃比がよりリーンであるほど、非同期噴射量が増やされる。これにより、空燃比センサ30の素子が活性化されていない状況であっても、触媒雰囲気の空燃比に応じた適切な非同期噴射量を決定することができる。ただし、触媒雰囲気の空燃比のリーン度合いに応じて非同期噴射量を増やし過ぎると、筒内から排出される未燃燃料量が増加する恐れなどがある。このため、空燃比に応じた非同期噴射の増加量については上限が設けられる。その一方で、FCが長時間に渡って継続された場合などは、触媒28の雰囲気の空燃比が極端なリーン状態になっている場合がある。このような場合には、ある上限までの範囲内での非同期噴射の増量だけでは、触媒28の雰囲気の空燃比をストイキ状態に復帰させられない恐れがある。そこで、本実施形態では、FC復帰時に噴射したい非同期噴射量が所定の上限値を超えた場合には、不足する増量分だけを次サイクルの同期噴射量が増やされるようにした。これにより、FCの実行中に触媒雰囲気の空燃比が極端なリーン状態になった場合であっても、速やかにストイキ状態に復帰させられるようになる。
図4は、本発明の実施の形態2におけるフューエルカット継続時間の調整のための特徴的な制御を実現するためにECU40が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、図4において、実施の形態1における図3に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図4に示すルーチンでは、ステップ108において第1燃費悪化分Bが算出された後に、予測されたFC継続時間に基づいて、FC復帰時のヒータへの通電による第2燃費悪化分Cが算出される(ステップ200)。FCの継続に伴うセンサ素子の温度低下代は、後述の図5に示すように、FC継続時間との関係を事前にマップとして定めておくことで、FC継続時間に基づいて算出することができる。センサ素子の温度低下代が分かると、センサ素子を再度活性化させるための温度上昇に必要な電力を所定の関係式に従って算出することができる。また、予測されたFC継続時間の間の素子温度を活性化温度で維持するためにヒータへの通電を維持した場合に要する維持電力が算出される。そして、FC復帰時のセンサ素子の再活性化に必要な上記電力と上記維持電力との差が算出されたうえで、この差を所定の関係式に従って燃費向上分Aおよび第1燃費悪化分Bと比較可能な換算値に変換することで、第2燃費悪化分Cが算出される。
次に、第1燃費悪化分Bと第2燃費悪化分Cとの和よりも燃費向上分Aが大きくなるように、FC継続時間が調整される(ステップ202)。具体的には、本ステップ202では、燃費向上分Aと、第1燃費悪化分Bと第2燃費悪化分Cとの和との比較結果に基づいて、燃費向上分Aが上記和(B+C)以下である場合には、燃費向上分Aが上記和(B+C)よりも大きくなるように、ステップ102において算出された値に対してFC継続時間が短縮される。一方、燃費向上分Aが上記和(B+C)よりも既に大きい場合には、ステップ102において算出されたFC継続時間がそのまま使用される。
以上説明した図4に示すルーチンによれば、第2燃費悪化分Cをも考慮して、第1燃費悪化分Bと第2燃費悪化分Cとの和よりも燃費向上分Aが大きくなるようにFC継続時間が調整される。これにより、FCの実行中に空燃比センサ30が備えるヒータへの通電を中止する制御が行われる場合において、上述した実施の形態1の制御と比べ、FC継続時間の長短に関係なしに燃費を確実に向上させられるようにFC継続時間をより適切に決定できるようになる。
尚、上述した実施の形態2においては、ECU40がFCの実行中に空燃比センサ30のヒータへの通電を中止することにより前記第2の発明における「ヒータ通電中止手段」が実現されており、ECU40が上記ステップ200の処理を実行することにより前記第2の発明における「第2燃費悪化分算出手段」が実現されており、ECU40が上記ステップ202の処理を実行することにより前記第2の発明における「フューエルカット継続時間調整手段」が実現されている。
実施の形態3.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態のシステムは、上述した実施の形態2のシステムに対して、図5を参照して以下に説明する制御を追加的に実施するものである。
図5は、本発明の実施の形態3において実施される特徴的なヒータ通電制御を説明するための図である。
図5に示すように、FCの開始とともにヒータが非通電とされた場合には、時間の経過に伴ってセンサ素子の温度が低下していく。ただし、素子温度は、下がり続けるわけではなく、一定温度で平衡する。FCの実行中に低下したセンサ素子の温度を活性化温度にまで高めるには、ある程度の時間を要する。
そこで、本実施形態では、FC状態からの復帰時期を既述した手法によって予測したうえで、図5に示すように、予測されたFC状態からの復帰時期が到来した時にセンサ素子の温度が活性化温度に達するように、FCの実行中にヒータへの通電を再開するようにした。言い換えれば、FC継続時間に基づいて、FCの実行中にヒータへの通電をOFFとする時間が制御されるようにした。
より具体的には、本実施形態では、FCの実行中にヒータへの通電が中止されている期間において、FC復帰時にセンサ素子を再度活性化するために必要なヒータへの通電時間が算出される。この通電時間は、既述したようにマップなどを参照して取得したFC実行中のセンサ素子の温度低下代に応じた値として、事前に定めたマップ等に基づいて算出することができる。そのうえで、予測された復帰時期に対して算出された通電時間だけ早いタイミングでヒータへの通電が再開される。
以上説明した本実施形態のヒータ通電制御によれば、予測されたFC状態からの復帰時期においてセンサ素子が活性化した状態となるようにすることができる。これにより、FCの実行中にヒータへの通電を中止することによる消費電力の低減効果を維持しつつ、FC状態からの復帰時期において速やかに空燃比センサ30を利用して正確な空燃比を検出できるようになる。
尚、上述した実施の形態3においては、ECU40が上記図5に示すように、予測されたFC状態からの復帰時期が到来した時にセンサ素子の温度が活性化温度に達するように、FCの実行中にヒータへの通電を再開することにより前記第3の発明における「ヒータ通電再開手段」が実現されている。
ところで、上述した実施の形態1等においては、フューエルカットの実行開始時に今回のフューエルカットの継続時間を予測し、予測されたフューエルカット継続時間に基づいて、燃費向上分A、第1燃費悪化分B、更には第2燃費悪化分Cを算出する例について説明を行った。しかしながら、フューエルカット継続時間の予測は、実行開始時に限らず、フューエルカットの実行中に継続時間を逐次予測しながら燃費向上分Aや燃費悪化分B、Cを逐次算出して比較し、その結果に基づいてフューエルカット継続時間を逐次調整するものであってもよい。また、本発明におけるフューエルカット継続時間の調整は、予測したフューエルカット継続時間に基づく手法に限定されるものではない。すなわち、例えば、フューエルカットの実行中にフューエルカット継続時間を実際に計測して取得するようにする。そして、フューエルカット継続時間を計測しながら燃費向上分Aや燃費悪化分B、Cを逐次算出して比較し、その結果に基づいてフューエルカット継続時間を逐次調整するものであってもよい。
また、上述した実施の形態1等においては、フューエルカット状態からの復帰時に、非同期噴射が増量される例について説明を行った。しかしながら、フューエルカット状態からの復帰時に実行される燃料噴射の態様は、必ずしも非同期噴射に限られるものではなく、可能であれば、同期噴射であってもよい。
また、上述した実施の形態1乃至3においては、減速時等に実施されるフューエルカットを例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明の対象となるフューエルカットには、減速時等で全気筒を対象としたものに限らず、減筒運転のための、一部の気筒を対象としたフューエルカットであってもよい。
また、上述した実施の形態1乃至3においては、ポート噴射式の燃料噴射弁24を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明の対象となる燃料噴射弁は、内燃機関に燃料を供給するものであれば、ポート噴射式のものに限らず、筒内直接噴射式のものであってもよい。
10 内燃機関
12 ピストン
14 燃焼室
16 吸気通路
18 排気通路
20 エアフローメータ
22 スロットルバルブ
24 燃料噴射弁
26 点火プラグ
28 排気浄化触媒
30 空燃比センサ
40 ECU(Electronic Control Unit)
42 クランク角センサ
44 アクセル開度センサ
46 ナビシステム
48 車間距離センサ

Claims (3)

  1. 内燃機関に燃料を供給する燃料噴射弁と、
    前記内燃機関の排気通路に配置された排気浄化触媒と、
    フューエルカットの実施によって生じた前記排気浄化触媒の雰囲気の空燃比のリーン化を解消するための燃料噴射の増量をフューエルカット状態からの復帰時に実行する復帰時燃料増量実行手段と、
    フューエルカット継続時間を取得するフューエルカット継続時間取得手段と、
    前記フューエルカット継続時間に基づいて、フューエルカットの継続による燃費向上分を算出する燃費向上分算出手段と、
    前記フューエルカット継続時間に基づいて、前記復帰時燃料増量実行手段による燃料噴射の増量に伴う第1燃費悪化分を算出する第1燃費悪化分算出手段と、
    前記燃費向上分が前記第1燃費悪化分よりも大きくなるように、前記フューエルカット継続時間を調整するフューエルカット継続時間調整手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記排気通路に配置され、センサ素子を加熱するためのヒータを有し、前記排気通路を流れる排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
    フューエルカットが実行される場合に前記ヒータへの通電を中止するヒータ通電中止手段と、
    前記フューエルカット継続時間に基づいて、フューエルカット状態からの復帰時に前記センサ素子の温度を活性化温度に上昇させるために必要な前記ヒータの電力消費に伴う第2燃費悪化分を算出する第2燃費悪化分算出手段と、
    を更に備え、
    前記フューエルカット継続時間調整手段は、前記第1燃費悪化分と前記第2燃費悪化分との和よりも前記燃費向上分が大きくなるように、前記フューエルカット継続時間を調整することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記フューエルカット継続時間取得手段は、フューエルカット状態からの復帰時期を予測する手段を含み、
    予測されたフューエルカット状態からの復帰時期が到来した時に前記センサ素子の温度が活性化温度に達するように、フューエルカットの実行中に前記ヒータへの通電を再開するヒータ通電再開手段を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
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