以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置を概略的に示す。この燃料噴射制御装置は、ディーゼルエンジン1(以下、エンジン1という)と、このエンジン1における後述のインジェクタ18による燃料噴射の制御を含む種々の制御を行うパワートレイン・コントロール・モジュール(以下、PCMという)10とを備えている。PCM10は、本発明の燃料噴射制御手段を構成する。
上記エンジン1は、自動車等の車両に搭載され、その出力軸であるクランクシャフト15が、不図示の変速機を介して駆動輪に連結されており、エンジン1の出力が駆動輪に伝達されることによって、車両が推進する。
エンジン1(エンジン本体)は、複数の気筒11a(1つのみ図示)が設けられたシリンダブロック11と、このシリンダブロック11上に配設されたシリンダヘッド12と、シリンダブロック11の下側に配設され、潤滑油が貯溜されたオイルパン13とを有している。このエンジン1の各気筒11a内には、ピストン14が往復動可能にそれぞれ嵌挿されていて、このピストン14の冠面(頂面)における気筒11aの中心軸線上には、リエントラント形燃焼室を区画形成するキャビティ14aが形成されている。このキャビティ14aは、開口端に近付くに連れて径が小さくなるように形成されている。ピストン14は、コンロッド14bを介してクランクシャフト15と連結されている。
上記シリンダヘッド12には、各気筒11a毎に吸気ポート16及び排気ポート17が形成されているとともに、これら吸気ポート16及び排気ポート17の燃焼室側の開口を開閉する吸気弁21及び排気弁22がそれぞれ配設されている。
これら吸排気弁21,22をそれぞれ駆動する動弁系において、排気弁22側には、当該排気弁22の作動モードを通常モードと特殊モードとに切り替える油圧作動式の可変機構(以下、VVM(Variable Valve Motion)と称する)71が設けられている(図2にのみ示す)。このVVM71は、その構成の詳細な図示は省略するが、カム山を1つ有する第1カムとカム山を2つ有する第2カムとの、カムプロファイルの異なる2種類のカム、及び、その第1及び第2カムのいずれか一方のカムの作動状態を選択的に排気弁22に伝達するロストモーション機構を含んで構成されており、第1カムの作動状態を排気弁22に伝達しているときには、排気弁22は、排気行程中において一度だけ開弁される通常モードで作動するのに対し、第2カムの作動状態を排気弁22に伝達しているときには、排気弁22が、排気行程中において開弁するとともに、吸気行程中においても開弁するような、いわゆる排気の二度開きを行う特殊モードで作動する。
VVM71の通常モードと特殊モードとの切り替えは、エンジン駆動の油圧ポンプ(図示省略)から供給される油圧によって行われ、特殊モードは、内部EGRに係る制御の際に利用され得る。尚、こうした通常モードと特殊モードとの切り替えを可能にする上で、排気弁22を電磁アクチュエータによって駆動する電磁駆動式の動弁系を採用してもよい。また、内部EGRの実行としては、排気の二度開きに限定されるものではなく、例えば吸気弁21を2回開く、吸気の二度開きによって内部EGR制御を行ってもよいし、排気行程乃至吸気行程において吸気弁21及び排気弁22の双方を閉じるネガティブオーバーラップ期間を設けて既燃ガスを残留させる内部EGR制御を行ってもよい。
エンジン1(エンジン本体)には、不図示の燃料ポンプによって、燃料タンクから、軽油を主成分とした燃料が供給される。上記シリンダヘッド12には、気筒11a内に上記燃料を噴射するインジェクタ18(燃料噴射弁)が設けられている。このインジェクタ18は、気筒11aの中心軸線上に配設されていて、その先端(下端)に設けられた燃料噴射口が、上死点に位置するピストン14のキャビティ14a内(燃焼室内)に臨んでいる。インジェクタ18の燃料噴射口から燃料が、気筒11aの中心軸線を中心とするホローコーン状に噴射される。ピストン14が、圧縮上死点に対してクランク角で所定角度以内にあるときにインジェクタ18から燃料を噴射すれば、その噴射燃料がリップ部にかかることなくキャビティ14a内に供給され、上記所定角度を超えたときにインジェクタ18から燃料を噴射すれば、その噴射燃料が基本的にキャビティ14aの外側に供給されることになる。
また、シリンダヘッド12には、エンジン1(エンジン本体)が冷機状態にあるとき(後述の水温センサSW1により検出されたエンジン冷却水の温度が、予め設定された基準温度(例えば、80℃)以下であるとき)に、気筒11a内の吸入空気を暖めて燃料の着火性を高めるためのグロープラグ19が設けられている。
上記シリンダヘッド12の吸気弁21側の面には、気筒11a内への吸気を行う吸気通路30が、各気筒11aの吸気ポート16に連通するように接続されている。一方、シリンダヘッド12の排気弁21側の面には、各気筒11aからの排気ガスを排出する排気通路40が、各気筒11aの排気ポート17に連通するように接続されている。これら吸気通路30及び排気通路40には、詳しくは後述するが、吸入空気の過給を行う大型ターボ過給機61と小型ターボ過給機62とが配設されている。
吸気通路30の上流端部には、吸入空気を濾過するエアクリーナ31が配設されている。一方、吸気通路30における下流端近傍には、サージタンク33が配設されている。このサージタンク33よりも下流側の吸気通路30は、各気筒11a毎に分岐する独立通路とされ、これら各独立通路の下流端が各気筒11aの吸気ポート16にそれぞれ接続されている。
吸気通路30におけるエアクリーナ31とサージタンク33との間には、上流側から順に、大型ターボ過給機61のコンプレッサ61aと、小型ターボ過給機62のコンプレッサ62aと、該コンプレッサ61a,62aにより圧縮された空気を冷却するインタークーラ35と、上記各気筒11aへの吸入空気量を調節する吸気スロットル弁36とが配設されている。この吸気スロットル弁36は、基本的には全開乃至それに近い開度とされるが、エンジン1の停止時には、ショックが生じないように全閉状態とされる。また、後述の酸化触媒41aが未活性状態にあるときには、吸気スロットル弁36が、所定開度(例えば20%)以下とされる。これは、酸化触媒41aが未活性状態にあるときには、後述の如く排気ガスの温度を上昇させて酸化触媒41aの早期活性化を図っているが、多くの冷たい新気が気筒11a内に吸入されると、排気ガスの温度上昇に不利になるからである。尚、このように吸気スロットル弁36を上記所定開度以下にすることは必ずしも必要でない。
上記排気通路40の上流側の部分は、各気筒11a毎に分岐して排気ポート17の外側端に接続された独立通路と該各独立通路が集合する集合部とを有する排気マニホールドによって構成されている。
この排気通路40における排気マニホールドよりも下流側には、上流側から順に、小型ターボ過給機62のタービン62bと、大型ターボ過給機61のタービン61bと、排気ガス中の有害成分を浄化する排気浄化装置41と、サイレンサ42とが配設されている。
排気浄化装置41は、酸化触媒41aと、ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)41bとを有しており、上流側から、この順に並んでいる。酸化触媒41a及びDPF41bは1つのケース内に収容されている。上記酸化触媒41aは、白金又は白金にパラジウムを加えたもの等を担持した酸化触媒を有していて、排気ガス中のHC及びCOが酸化されてH2O及びCO2が生成する反応を促すものである。この酸化触媒41aが、本発明の、HCを浄化する触媒を構成する。また、上記DPF41bは、エンジン1の排気ガス中に含まれる煤等の微粒子(PM)を捕集するものであって、例えば、炭化ケイ素(SiC)やコーディエライト等の耐熱性セラミック材によって形成されたウォールフロー型フィルタ、或いは耐熱性セラミックス繊維によって形成された三次元網目状フィルタである。尚、DPF41bに酸化触媒をコーティングしてもよい。
上記吸気通路30における上記サージタンク33と吸気スロットル弁36との間の部分と、上記排気通路40における上記排気マニホールドと小型ターボ過給機62の小型タービン62bとの間の部分とは、排気ガスの一部を吸気通路30に還流するための排気ガス還流通路51によって接続されている。この排気ガス還流通路51には、排気ガスの吸気通路30への還流量を調整するための排気ガス還流弁51a及び排気ガスをエンジン冷却水によって冷却するためのEGRクーラ52とが配設されている。
大型ターボ過給機61は、吸気通路30に配設された大型コンプレッサ61aと、排気通路40に配設された大型タービン61bとを有している。大型コンプレッサ61aは、吸気通路30におけるエアクリーナ31とインタークーラ35との間に配設されている。一方、大型タービン61bは、排気通路40における上記排気マニホールドと酸化触媒41aとの間に配設されている。
小型ターボ過給機62は、吸気通路30に配設された小型コンプレッサ62aと、排気通路40に配設された小型タービン62bとを有している。小型コンプレッサ62aは、吸気通路30におけるインタークーラ35の上流側でかつ大型コンプレッサ61aの下流側に配設されている。一方、小型タービン62bは、排気通路40における上記排気マニホールドの下流側でかつ大型タービン61bの上流側に配設されている。大型タービン61b及び小型タービン62bは、吸気通路30における酸化触媒41aの上流側に配置されていることになる。
吸気通路30においては、上流側から順に大型コンプレッサ61aと小型コンプレッサ62aとが直列に配設され、排気通路40においては、上流側から順に小型タービン62bと大型タービン61bとが直列に配設されている。これら大型及び小型タービン61b,62bが排気ガス流により回転し、大型及び小型タービン61b,62bの回転により、該大型及び小型タービン61b,62bとそれぞれ連結された上記大型及び小型コンプレッサ61a,62aがそれぞれ作動して吸入空気を過給する。
小型ターボ過給機62は、相対的に小型のものであり、大型ターボ過給機61は、相対的に大型のものである。すなわち、大型ターボ過給機61の大型タービン61bの方が小型ターボ過給機62の小型タービン62bよりもイナーシャが大きい。
また、吸気通路30には、小型コンプレッサ62aをバイパスする小型吸気バイパス通路63が接続されている。この小型吸気バイパス通路63には、該小型吸気バイパス通路63へ流れる空気量を調整するための小型吸気バイパス弁63aが配設されている。この小型吸気バイパス弁63aは、無通電時には全閉状態(ノーマルクローズ)となるように構成されている。
一方、排気通路40には、小型タービン62bをバイパスする小型排気バイパス通路64と、大型タービン61bをバイパスする大型排気バイパス通路65とが接続されている。小型排気バイパス通路64には、該小型排気バイパス通路64へ流れる排気量を調整するためのレギュレートバルブ64aが配設され、大型排気バイパス通路65には、該大型排気バイパス通路65へ流れる排気量を調整するためのウエストゲートバルブ65aが配設されている。レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aは共に、無通電時には全開状態(ノーマルオープン)となるように構成されている。
このように構成されたエンジン1は、PCM10によって制御される。PCM10は、プログラムを実行するCPU、プログラムやデータを格納するメモリ、カウンタタイマ群、インターフェース及びこれらのユニットを接続するパスを有するマイクロプロセッサで構成されている。
PCM10には、図2に示すように、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサSW1、サージタンク33に取り付けられて、気筒11a内に供給される空気の圧力を検出する過給圧センサSW2、吸入空気の温度(吸気温度)を検出する吸気温度センサSW3、クランクシャフト15の回転角を検出するクランク角センサSW4、車両のアクセルペダル(図示省略)の操作量に対応したアクセル開度を検出するアクセル開度センサSW5、DPF41bの上流側の排気圧力を検出する上流側排圧センサSW6,DPF41bの下流側の排気圧力を検出する下流側排圧センサSW7、及び、酸化触媒41a及びDPF41bを収容するケースにおける酸化触媒41aとDPF41bとの間に配設され、酸化触媒41aから流出した排気ガスの温度を検出する排気温度センサSW8の各検出信号が入力され、これらの検出信号に基づいて種々の演算を行うことによってエンジン1や車両の状態を判定し、これに応じて、インジェクタ18、グロープラグ19,動弁系のVVM71、及び、各種の弁36、51a、63a、64a、65aのアクチュエータへ制御信号を出力する。
PCM10は、エンジン1の基本的な制御として、主に、クランク角センサSWからの検出信号より求まるエンジン回転数、及び、アクセル開度センサSW5により検出されるアクセル開度に基づいて、目標トルク(目標負荷)を決定し、これに対応する燃料の噴射量や噴射時期等をインジェクタ18の作動制御によって実現する。目標トルクは、アクセル開度が大きくなるほど、またエンジン回転数が高くなるほど大きくなるように設定される。目標トルクとエンジン回転数とに基づいて燃料の噴射量が設定される。燃料の噴射量は、目標トルクが高くなるほど、またエンジン回転数が高くなるほど大きくなるようにされる。
また、PCM10は、吸気スロットル弁36及び排気ガス還流弁51aの開度の制御(外部EGR制御)や、VVM71の制御(内部EGR制御)によって、気筒11a内への排気の還流割合を制御する。
エンジン1の幾何学的圧縮比は15以下である。この幾何学的圧縮比は、特に12以上15以下が好ましい。このような低圧縮比化により、気筒11aから排出されるRawNOxの低減及び熱効率の向上を図るようにしている。一方で、このエンジン1では、上述した大型及び小型ターボ過給機61,62によってトルクを高めるようにして、幾何学的圧縮比の低圧縮比化を補っている。また、低圧縮比化により、気筒11aからのHC及びCO(RawHC及びRawCO)の排出量が増大するが、HC及びCOは酸化触媒41aにより酸化されて浄化される。但し、酸化触媒41aが未活性状態にあるときには、HC及びCOが浄化されないので、本実施形態では、後述の如く、排気温度センサSW8による検出温度が、所定温度(酸化触媒41aの活性温度に相当する温度)よりも低いときには、排気ガスの温度を上昇させて酸化触媒41aを早期に活性化させるようにしている。
図3は、酸化触媒41aが未活性状態にあるときにおけるPCM10の制御による燃料噴射形態を示し、図4は、その燃料噴射形態に伴う気筒11a内の熱発生率(気筒11a内の発熱量のクランク角に対する変化率)の変化を示す。PCM10は、排気温度センサSW8による検出温度が上記所定温度よりも低いときに、酸化触媒41aが未活性状態にあると判定し、排気温度センサSW8による検出温度が上記所定温度以上になったときに、酸化触媒41aが活性状態になったと判定する。
PCM10は、酸化触媒41aが未活性状態にあるとき(排気温度センサSW8による検出温度により未活性状態にあると判定したとき)、インジェクタ18に対し、前噴射と、主噴射と、複数回(本実施形態では、6回)の後噴射とを実行させる。
上記主噴射は、気筒11a内に、拡散燃焼を主体としかつエンジントルクを生成する主燃焼を生じさせるための噴射であり、上記前噴射は、気筒11a内に上記主燃焼よりも前にプリ燃焼を生じさせるための噴射であって、該主噴射よりも前でかつ圧縮上死点(TDC)よりも前に燃料をキャビティ14a内に噴射するものである。この前噴射によるプリ燃焼により気筒11a内(特にキャビティ14a内)の温度が高められ、この温度が高められた状態で主噴射を実行することで、主噴射による燃料の着火遅れ時間(ここでは、主噴射の実行開始から該主噴射による燃料の燃焼質量割合が10%となるまでの時間)が安定する。
この着火遅れ時間をより一層安定させるべく、上記主噴射は、上記プリ燃焼による熱発生率がピークを過ぎてかつ0に達する前に主燃焼による熱量が発生し始めるようなタイミングで実行される。これにより、図4に示すように、気筒11a内の熱発生率は、プリ燃焼により1つ目のピークを迎えた後に低下し、その低下中でかつ0に達する前に、主燃焼により上昇し始め、やがて1つ目のピークよりも遥かに大きな2つ目のピークを迎える。
ここで、プリ燃焼による熱発生率がピークを過ぎる前に主燃焼による熱量が発生し始めるようなタイミングで主噴射が実行された場合、前噴射による燃料が十分に燃焼し切らないうち、つまり気筒11a内(キャビティ14a内)の温度が十分に高くならないうちに主噴射が実行されることになり、この結果、主噴射による燃料の着火遅れ時間が不安定になるとともに、煤が発生する可能性が高くなる。一方、上記プリ燃焼による熱発生率が0に達した後に主燃焼による熱量が発生し始めるようなタイミングで主噴射が実行された場合、気筒11a内(キャビティ14a内)の温度が下がり始めた後に主噴射が実行されることになり、この結果、主噴射による燃料の着火遅れ時間が不安定になる。これに対し、主噴射が上記のタイミングで実行されることで、気筒11a内(キャビティ14a内)の温度が十分に高くなったときに主噴射が実行されることになり、これにより、主噴射による燃料の着火遅れ時間が安定する。尚、主噴射が実行されるタイミングとして最も好ましいのは、前噴射による燃料の燃焼質量割合が85%乃至95%となったときに主燃焼による熱量が発生し始めるようなタイミングである。
上記前噴射は、上記主噴射が実行されるタイミングが圧縮上死点以後となるようなタイミングでかつ圧縮上死点よりも前に実行される。ここで、上記主噴射は、圧縮上死点乃至その付近で噴射することが好ましく、そのためには、圧縮上死点乃至その付近でプリ燃焼が生じるように圧縮上死点よりも前に前噴射が実行される。また、本実施形態では、主噴射は、主燃焼に継続する後述の後燃焼と共に燃焼を膨張行程において出来る限り後のタイミングまで継続させるようにするために、圧縮上死点以後でかつ圧縮上死点付近(圧縮上死点後のクランク角で7°以下)となるようにしていて、図3では、酸化触媒41aが活性状態になったときの後述の主噴射(図6の主噴射)よりも少し後のタイミングで実行される。このことから、上記前噴射は、圧縮上死点よりも前でかつ圧縮上死点に近いタイミングで実行されることになる。
本実施形態では、PCM10は、吸気温度センサSW3により検出された吸気温度と有効圧縮比とから、圧縮上死点における気筒11a内の温度を算出して、この算出された圧縮上死点における気筒11a内の温度が低いほど、上記前噴射の噴射量を多くするか、又は、上記前噴射の噴射時期を早くする。これにより、プリ燃焼が生じるタイミングやプリ燃焼による熱発生率を、圧縮上死点における気筒11a内の温度(特に吸気温度)に関係なく安定させることができ、この結果、圧縮上死点における気筒11a内の温度(特に吸気温度)に関係なく、主噴射による燃料の着火遅れ時間を安定させることができる。
上記複数回の後噴射は、気筒11a内で上記主燃焼に継続して後燃焼を生じさせて少なくとも膨張行程の中期まで燃焼を継続させるための噴射であって、該主噴射よりも後に燃料を噴射するものである。このような後噴射により、気筒11aから排出される排気ガスの温度を上昇させて、未活性状態にある酸化触媒41aを早期に活性化させる。
上記主噴射、及び、上記複数回の後噴射のうち圧縮上死点からのクランク角が上記所定角度に達するまでの、少なくとも最初の後噴射を含む後噴射は、上記燃料を上記キャビティ内14aに噴射するものであり、上記複数回の後噴射のうち圧縮上死点からのクランク角が上記所定角度に達した時点以後の後噴射は、上記燃料を上記キャビティ14aの外側に噴射するものである。本実施形態では、最初の後噴射のみが、燃料をキャビティ内14aに噴射するものであり、残りの後噴射は、燃料をキャビティ14aの外側に噴射するものである。
上記主噴射による主燃焼が基本的にキャビティ14a内で生じるので、最初の後噴射により燃料をキャビティ14a内に噴射することで、この最初の後噴射による後燃焼を主燃焼に継続させて生じさせることが容易にできるようになる。この最初の後噴射が実行されるタイミングは、燃料をキャビティ14a内に噴射することができかつ主燃焼に継続して後燃焼が生じるタイミングであればいつでもよいが、後燃焼が生じるタイミングが早すぎると、後燃焼がそれだけ早く終了するので、後燃焼が終了するタイミングを出来る限り遅くするために、最初の後噴射の実行を出来る限り遅くすることが好ましい。例えば、主燃焼による熱発生率が1〜2J/degに達したときに最初の後噴射を実行するのがよい。このようにすれば、図4に示すように、主燃焼による熱発生率が0になる直前(主燃焼が終了する直前)に最初の後噴射による後燃焼が生じる(該後燃焼による熱量が発生し始める)こととなる。上記後燃焼が生じなければ、図4に二点鎖線で示すように熱発生率が低下して圧縮上死点後のクランク角θ1で0になるが、後燃焼によりθ1よりも後まで燃焼が継続して、熱発生率が0になるクランク角をθ1よりも後にすることができる。また、後燃焼が生じるタイミングが早すぎると、後燃焼がエンジントルクに影響を及ぼす可能性があり、主燃焼で決まるエンジントルクよりも高いトルクが発生することになるとともに、煤が発生する可能性が高くなる。これらのことを抑制する観点からも、最初の後噴射の実行を出来る限り遅くするがよい。
尚、上記前噴射により、主噴射による燃料の着火遅れ時間が安定しているので、主燃焼が終了するタイミングも安定しており、このことから、最初の後噴射の実行を出来る限り遅くしても、最初の後噴射による後燃焼が主燃焼に対して確実に継続する。
2回目の後噴射が実行されるタイミングも、基本的に、主燃焼と最初の後噴射による後燃焼との関係と同様であり、最初の後噴射による後燃焼が終了する前に2回目の後噴射による後燃焼が生じる(該後燃焼による熱量が発生し始める)ように2回目の後噴射を実行する。2回目の後噴射は、キャビティ14aの外側に噴射するものであっても、主燃焼及び最初の後噴射による後燃焼により気筒11a内の温度が高くなっているので、最初の後噴射による後燃焼に継続させて2回目の後噴射により後燃焼を継続させることができる。こうして、6回目まで後噴射を行って、本実施形態では、膨張行程の中期まで燃焼を継続させる。尚、未燃HCや未燃COが生じないようにできるのであれば、膨張行程の後期まで燃焼を継続させることが好ましい。
上記後噴射の噴射量は、気筒11a内の温度を高くしかつ燃焼を長く継続させる観点から多い方が好ましいが、噴射量が多すぎると、煤が生じたり、未燃の燃料が生じて未燃HCや未燃COが生じたりするので、噴射された燃料が完全燃焼して煤や未燃HC、未燃COが生じないような量に設定することが好ましい。特に、本実施形態のように、排気通路40における酸化触媒41aの上流側にタービン61b,62bが配設されている場合には、煤とHCとがタール化してタービン61b,62bに固着する可能性があるので、後噴射の噴射量を適切に設定することが望ましい。
ここで、後の後噴射ほど、気筒11a内の圧力の低下により燃料が燃焼し難くなるため、後段側の後噴射では、前段側の後噴射と噴射量を同じにすると、未燃HCや未燃COが生じる可能性が高くなる。そこで、図3に示すように、PCM10は、上記後噴射において、後段側の後噴射の噴射量を前段側の後噴射の噴射量に対して減量するように構成されている。図3では、最初の後噴射及び2回目の後噴射の噴射量は同じであり、3回目以後の後噴射の噴射量は、最初の後噴射及び2回目の後噴射の噴射量よりも少なくかつ後の後噴射ほど噴射量が少なくなるようになされている。これに限らず、例えば、最初の後噴射から最後の後噴射までの噴射量を、後側ほど噴射量が少なくなるようにしてもよく、最初の後噴射から所定回数目(例えば3回目)の後噴射までの噴射量を同じにし、残りの後噴射の噴射量を同じにしかつ最初の後噴射から所定回数目の後噴射までの噴射量よりも少なくするようにしてもよい。
また、後の後噴射ほど燃料が燃焼し難くなることから、後段側の後噴射の噴射間隔が、前段側の後噴射の噴射間隔と同じであると、後段側の後噴射が実行されても、その燃料が燃焼するまでに時間がかかり、その直前の後噴射による後燃焼に継続する後燃焼が生じない(未燃燃料が生じる)可能性が高くなる。そこで、図5に示すように、上記後噴射において、後段側の後噴射の噴射量を前段側の後噴射の噴射量に対して減量するとともに、後段側の後噴射の噴射間隔を前段側の後噴射の噴射間隔に対して短くするようにするのがよい。こうすれば、後段側の後噴射を含む各後噴射による燃料が適切なタイミングで燃焼して燃焼が継続するようになり、上記噴射量の減量と相俟って、未燃HCや未燃COが生じるのを効果的に抑制することができる。図5では、最初の後噴射と2回目の後噴射との噴射間隔、及び、2回目の後噴射と3回目の後噴射との噴射間隔が同じであり、それよりも後では、噴射間隔を後ほど短くしている。このような噴射間隔の短縮により、図3の場合と同じ6段の後噴射では、最後の後噴射による後燃焼が終了する時期が図3の場合よりも早くなってしまう。排気ガスの温度を上昇させる観点からは、最後の後噴射による後燃焼が終了する時期が出来る限り遅い方が好ましい。そこで、図5では、7段目の後噴射(噴射量が6段目の後噴射よりも少ない)を追加している。
尚、上記後噴射において、噴射量を一定としつつ、後段側の後噴射の噴射間隔を前段側の後噴射の噴射間隔に対して短くするようにすることも可能である。これによっても、後段側の後噴射を含む各後噴射による燃料を完全燃焼させるようにして、未燃HCや未燃COが生じるのを抑制することができる。
酸化触媒41aが未活性状態にあるときのアイドリング時のエンジン回転数は、酸化触媒41aが活性状態にあるときのアイドリング時のエンジン回転数(従来のディーゼルエンジンにおけるアイドリング時のエンジン回転数と同程度)よりも高くするようにしており(例えば1500〜2000rpmにする)、これにより、着火性を高めるとともに、排気ガス温度をより上昇させるようにしている。このようにアイドリング時のエンジン回転数を高くしても、低圧縮比化により、振動騒音(所謂NVH)レベルは、従来のディーゼルエンジンと同程度である。
図6は、酸化触媒41aが活性状態にあるときにおけるPCM10の制御によるアイドリング時の燃料噴射形態を示す。PCM10は、酸化触媒41aが活性状態にあるとき(排気温度センサSW8による検出温度により活性状態にあると判定したとき)のアイドリング時には、インジェクタ18に対し、パイロット噴射と、複数回(本実施形態では、2回)の前噴射と、主噴射とを実行させる。酸化触媒41aが活性状態にあるので、未活性状態のときのような上記後噴射は実行されない。アイドリング時は、低回転で着火性が悪いので、比較的多くの燃料を噴射する必要があるが、一度に多くの燃料を噴射すると、煤が生じてしまう。そこで、上記のように燃料を分割して噴射する。尚、パイロット噴射及び前噴射は必ずしも必要ではなく、また、前噴射が1回のみであってもよい。但し、本実施形態のように低圧縮比化した場合には、主噴射による燃料の安定的な着火性を確保するためには、図6のような燃料噴射形態が好ましい。
上記パイロット噴射及び2回の前噴射は、圧縮上死点前に順次実行される。パイロット噴射は、燃料の予混合性を高めて煤の発生を抑制するものであり、最初の前噴射によるプリ燃焼を生じさせ易くするものである。そして、最初の前噴射によりプリ燃焼が生じ、このプリ燃焼に継続してプリ燃焼が生じるように2回目の前噴射が実行される。この2回目の前噴射と主噴射との関係は、酸化触媒41aが未活性状態にあるときの前噴射と主噴射との関係と同様であり、主噴射は、2回目のプリ燃焼による熱発生率がピークを過ぎてかつ0に達する前に主燃焼による熱量が発生し始めるようなタイミングで実行される。但し、後噴射が必要ないので、主噴射が実行されるタイミングが圧縮上死点前になってもよい。図6では、主噴射の噴射期間の大部分は、圧縮上死点よりも後であるが、主噴射の開始が圧縮上死点直前となっている。
また、酸化触媒41aが活性状態にあるときであってアイドリング時以外では、エンジン運転状態に応じた燃料噴射形態とされるが、少なくとも、1回の前噴射と1回の主噴射とが実行される。これら前噴射と主噴射との関係は、上記アイドリング時の2回目の前噴射と主噴射との関係と同様である。
図7は、酸化触媒41aが未活性状態にあるとき(「後噴射有り」)と、酸化触媒41aが活性状態にあるとき(「後噴射無し」)とにおけるエンジン1のアイドリング時のP−V線図である。「後噴射有り」は、図3に示す燃料噴射形態で燃料を噴射した場合であり、「後噴射無し」は、図6に示す燃料噴射形態で燃料を噴射した場合である。「後噴射有り」では、「後噴射無し」よりも圧縮時の圧力及び最大圧力(圧縮上死点の圧力)が低くなっているが、これは、「後噴射有り」では、吸気スロットル弁36の開度を「後噴射無し」よりも小さくしているために、吸気量が少なくなっているからである。
図7から分かるように、「後噴射有り」では、後燃焼により、膨張行程での圧力が高くなっており、膨張行程終了時の圧力も高くなっている。このことは、排気ガスの温度が高くなっていることを意味する。
図8は、エンジン1において、後噴射の段数(4段乃至6段)と排気通路40入口(気筒11aから排出された直後)の排気ガスの温度及び酸化触媒41a入口の排気ガスの温度との関係を調べた結果を示す。ここでは、後噴射の噴射間隔は一定であり、後噴射の段数が異なっても、噴射間隔は同じである。このことは、段数が長いほど膨張行程で燃焼が長く継続していることを意味する。また、4段乃至6段の各場合において1回の噴射量は同じであるが、後噴射の段数が異なると、1回の噴射量は異なる。但し、後噴射トータルの噴射量は、段数が異なっても同じである。例えば4段の場合の1回の噴射量は、後噴射トータルの噴射量/4となる。
図8から分かるように、後噴射の段数が多いほど、排気通路40入口の排気ガス温度及び酸化触媒41a入口の排気ガス温度が高くなる。したがって、膨張行程で燃焼を出来る限り長く継続するように後噴射の段数を設定すれば、排気ガス温度を出来る限り高くすることができる。
尚、本実施形態のように、排気通路40における酸化触媒41aの上流側に2つのタービン61b,62bが配設されていると、図8から分かるように、酸化触媒41a入口の排気ガス温度は、排気通路40入口の排気ガス温度に比べてかなり低下する。このことは、タービンが1つであっても同様の傾向にある。このため、ターボ過給機付ディーゼルエンジンでは、本実施形態のような後噴射を行わないと、酸化触媒41aの温度を早期に上昇させることが難しくなる。したがって、本実施形態のような後噴射は、特にターボ過給機付ディーゼルエンジンに有効となる。
図9は、エンジン1を始動したときの、排気通路40入口(気筒11aから排出された直後)の排気ガスの温度、酸化触媒41a入口の排気ガス温度、HC排出量(HCの単位時間当たりの大気への排出量)、及び、CO排出量(COの単位時間当たりの大気への排出量)の時間経過に伴う変化を調べた結果を示す。実線は、「後噴射有り」の場合であって、図3に示す燃料噴射形態で燃料を噴射した場合を示す。破線は、「後噴射無し」の場合であって、図6に示す燃料噴射形態で燃料を噴射した場合を示す。
時刻t0でエンジン1が始動し始め、これにより、エンジン回転数が上昇する。「後噴射有り」の場合には、エンジン回転数が1500〜2000rpmにまで上昇し、「後噴射無し」の場合には、800rpm程度にまで上昇する。また、エンジン1の始動時に、「後噴射有り」の場合には、吸気スロットル弁36が上記所定開度以下とされ、「後噴射無し」の場合には、全開に近い開度とされる。尚、「後噴射有り」の場合も「後噴射無し」の場合も共に、グロープラグ19を作動させている。
「後噴射有り」の場合には、エンジン1が始動すると直ぐに、排気通路40入口及び酸化触媒41a入口の排気ガス温度が、「後噴射無し」の場合に比べて大きく上昇する。ここでは、「後噴射有り」の場合、後噴射の噴射量が少し多いために未燃燃料が生じて、HC及びCOの排出量が一時的に、「後噴射無し」の場合に比べて多くなっている(特にHCの排出量が多くなっている)が、排気ガス温度の上昇により酸化触媒41aが活性化し始めるため、HC及びCOの排出量は直ぐに低下して、時刻t1(エンジン1の始動から約35秒後)の時点以後では、「後噴射無し」の場合よりも少なくなっている。尚、COの排出量は、時刻t1よりも前に、「後噴射無し」の場合よりも少なくなる。
時刻t2(エンジン1の始動から約45秒後)の時点で、酸化触媒41aが完全に活性状態になり、それ以後は、HC及びCOの排出量は低レベルで安定する。一方、「後噴射無し」の場合は、酸化触媒41aが完全に活性状態になるまで数分間かかる。したがって、エンジン1の始動から停止までのトータルの排出量で考えると、「後噴射有り」の場合の方が、HC及びCOの排出量が少なくなる。また、後噴射の噴射量を、未燃燃料が出来る限り生じないよう適切に設定することで、HC及びCOの排出量をより低減することが可能である。
ここで、図9の「後噴射有り」の場合、時刻t2以後も、図3の燃料噴射形態を継続しているが、実際には、酸化触媒41aが活性状態になるので、時刻t2以後は、図6の燃料噴射形態となる。
尚、酸化触媒41aが活性状態になってから直ぐに図6の燃料噴射形態とすると、排気ガスの温度が低下して酸化触媒41aの温度が活性温度よりも低下する可能性がある。そこで、酸化触媒41aが活性状態になってから所定期間が経過するまでの間、図6の燃料噴射形態(パイロット噴射及び前噴射は必ずしも必要ではなく、また、前噴射が1回のみであってもよい)における主噴射の後の膨張行程又は排気行程で、未燃燃料を酸化触媒41aに供給するためのポスト噴射を実行するようにしてもよい。このようにしても、既に酸化触媒41aが活性状態になっていることから、HC及びCOの大気への排出を抑制することができるとともに、活性化した酸化触媒41aによる未燃燃料の酸化反応熱により、活性化した酸化触媒41aの温度を、活性温度を下回らないような温度に維持することができる。
上記ポスト噴射は、DPF41bの再生時にも実行される。すなわち、フィルタ41bに捕集された微粒子量が多くなって、上流側排圧センサSW6と下流側排圧センサSW7との検出圧力の差が所定値以上になったときに、その捕集された微粒子を燃焼させるべくポスト噴射が実行される。
したがって、本実施形態では、酸化触媒41bが未活性状態にあるとき、前噴射と、主噴射と、複数回の後噴射とを実行して、膨張行程の中期まで燃焼を継続させるようにしたので、幾何学的圧縮比が15以下であっても、気筒11aから排出された排気ガスの温度を上昇させることができて、未活性状態にある酸化触媒41aを早期に活性化することができる。この結果、低圧縮比化によるRawNOxの低減化と、酸化触媒41aによるHC及びCOの大気中への排出量の低減化とを図ることができる。また、RawNOxの低減により、NOxを浄化する触媒が不要になる。
また、主噴射及び最初の後噴射を、燃料をキャビティ14a内に噴射するものとしたことにより、最初の後噴射による後燃焼を主燃焼に継続させて生じさせることが容易にできるようになる。そして、最初の後噴射による後燃焼が終了する前に次の後噴射による後燃焼が生じるように次の後噴射を実行することで、該後噴射がキャビティ14aの外側に噴射するものであっても、主燃焼及び最初の後噴射による後燃焼により気筒11a内の温度が高くなっているので、最初の後噴射による後燃焼に継続させて次の後噴射により後燃焼を継続させることができ、こうして、膨張行程の中期まで燃焼を継続させることが容易にできる。
さらに、後噴射において、後段側の後噴射の噴射量を前段側の後噴射の噴射量に対して減量することにより、後段側の後噴射により噴射された燃料を完全燃焼させるようにすることができ、未燃HCや未燃COが生じるのを抑制することができる。よって、酸化触媒41aが未活性状態にあるときにHCやCOの大気中への排出量を低減することができる。
また、後噴射において、噴射量を一定としつつ、後段側の後噴射の噴射間隔を前段側の後噴射の噴射間隔に対して短くするようにしても、未燃HCや未燃COが生じるのを抑制することができる。
さらにまた、前噴射により、主噴射による燃料の着火遅れ時間を安定させて主燃焼が終了するタイミングを安定させることができ、これにより、最初の後噴射の実行タイミングが明確になり、最初の後噴射による後燃焼を主燃焼に対して確実に継続させるようにすることができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、PCM10が、酸化触媒41bが未活性状態にあるとき、インジェクタ18に対し、主噴射の実行前に前噴射を実行させるようにしたが、この前噴射は必ずしも必要なものではない。但し、最初の後噴射による後燃焼が主燃焼に対して確実に継続させるためには、前噴射により、主噴射による燃料の着火遅れ時間が安定させる必要があり、この観点から前噴射を実行することが好ましい。
また、上記実施形態では、エンジン1が、2つのターボ過給機61,62を備えるターボ過給機付ディーゼルエンジンであるとしたが、1つのターボ過給機を備えるディーゼルエンジンであってもよく、ターボ過給機を備えていないディーゼルエンジンであってもよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。