JP5821463B2 - 鋼片の切断方法 - Google Patents

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本発明は、鋼片の切断方法に係り、特に連続鋳造時に鋳型から引抜かれるストランドを、目標の請求重量に対するばらつきがない適切な鋼片長さに切断する際に適用して好適な、鋼片の切断方法に関する。
便宜上、後述する図1を参照して説明すると、一般に連続鋳造設備では、取鍋10で搬送される溶鋼はタンディッシュ12に供給されると、その底部にあるイマージョン(浸漬)ノズル12Aを介して鋳型(モールド)14内に注入される。この鋳型14の底部より下方には、水冷スプレー(図示せず)と共に多数のガイドロールが対向配置されている垂直部と湾曲部とからなるローラエプロン16が形成され、該湾曲部下端に続く水平部の後端近傍には例えば3つのピンチロール18が連設されている。
これらピンチロール18の下流には連続鋳造されるストランドSを所定長さの鋼片(スラブ)に切断するためのスラブカッタ20が配設され、ここで切断された鋼片(鋳片)Pは更に下流側に配置された重量測定器(図示せず)へ搬送され、その重量が測定されるようになっている。
このような鋳造設備においては、タンディッシュ12から鋳型14に注入された溶鋼は、該鋳型14内で周囲から冷却され凝固してシェルが形成されると、その下端から引抜かれ、スプレー帯からの冷却水に冷却されながら直線部(垂直部)から湾曲部を経て水平部に案内され、平坦状のストランドSとなる。このストランドSは、更に下流側のピンチロール18によりスラブカッタ20へ送られ、ここで所定長さの鋳片Pに切断される。
このような製造過程において切断すべき鋳片長(スラブ切断長)は、後続プロセスにおいて要求されている請求重量に応じて公称単位重量と、これを補正する補正係数とから求められている。ここで公称単位重量とは、鋳型の断面積と溶鋼の成分により定まる比重とを用いて求められるストランドの単位長さあたりの重量を意味するが、ストランドの断面積は、例えば鋳型から引抜かれた直後と冷却された後では変化するため、補正係数を用いて切断直前のストランドの単位重量に補正して請求重量に見合ったスラブ切断長を求め、切断することが行われている。
例えば、特許文献1では、連続鋳造設備により製造された鋳片の切断方法として、鋳造中の鋳込条件が変動しても精度よく切断することを目的に、鋳込速度、溶鋼成分、比水量、ピンチロール押付重量、鋳込時間、タンディッシュΔTなどの鋳片に関する鋳込条件情報を取得することによって、鋳片重量の補正係数に対する鋳込条件情報の寄与率を求め、この寄与率と鋳込条件情報から鋳込重量の補正係数を求めて鋳片を切断する方法を提案している。
ところが、上記特許文献1に開示されている技術では、それまでに切断された全ての鋳片を対象にそれらに合う寄与率を求めるようにしているため、例えばこれから切断しようとしている鋳片のデータが少ない、もしくは条件が大きく異なるといった鋳片情報の場合には、切断後の鋳片重量が目標値に対してばらつくという問題点があった。そのため、特許文献2では、少なくとも鋳込速度、比水量、鋳片表面温度、機内通過時間のいずれかを鋳込条件情報とし、過去の実績操業データベースに収められた操業条件を表す実績入力変数と、連鋳鋳造鋼片の新規入力変数との類似度を計算し、計算された類似度が高い所定数のデータを選択し、選択されたデータに対する重み付け係数を計算し、選択されたデータを用いてモデルを作成し、作成したモデルから補正係数を算出する技術が提案されている。
特開平6−114519号公報 特開2008−161888号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示されている鋳片切断方法では、連続鋳造中の鋳込み条件の変化に対応するようにした補正係数を使用しているため、又、特許文献2に開示されている切断方法では、過去の情報と新規情報との類似度を考慮して求めた補正係数を使用しているため、いずれもスラブの切断長の精度は改善されるようにはなってはいるものの、必ずしも正確ではないという問題があった。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、一段と請求重量に見合った鋼片長さに精度よく切断できるようにすることを課題とする。
本発明者等は、鋼片重量の目標値からのばらつきを調査した結果、ばらつきの要因に連続鋳造機内の速度変動があることを知見した。このような速度変動により鋼片の切断長を補正する技術は、前記特許文献1、2を含め、従来見られない。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、連続鋳造機を用いて、鋳型からピンチロールにより引抜かれたストランドを、鋳込条件情報に基づいて算出される補正係数により補正した公称単位重量と所要の請求重量とから得られる、所要の請求重量を有する長さの鋼片に切断する鋼片の切断方法において、前記連続鋳造機を、鋳造方向に沿って複数領域に分割し、該分割した各領域の終端にはそれぞれ対応する固定ポイントを設定し、かつ最終固定ポイントを、前記ストランドの断面全体の凝固が完了している連続鋳造機の下流位置に設定すると共に、前記鋼片の切断指示長の計算に、単純な機内滞留時間でなく、切断対象の鋼片に対応する位置のストランドが前記各領域に滞留する領域滞留時間を反映させることにより、前記課題を解決したものである。
ここで、前記各領域滞留時間の反映を、次式
β=ΣβN
N:2以上の任意整数
βN=aN・αN m+bN・αN m-1+・・・+gN・αN+hN
αN:第N領域滞留時間(sec.)
N、bN、・・・、gN、hN:定数
m:1以上の任意整数
で得られる切断補正係数:βを乗じた次式
切断指示長(熱間値)=請求スラブ長(冷間値)×熱間補正係数×β
熱間補正係数=熱間長/冷間長
により実現することができる。
又、前記切断対象のスラブに対応する位置のストランドを、所定長さのブロックに細分割すると共に、各ブロックを単位に、ブロックの先端が前記各領域の始端を通過してから、ブロックの後端が対応する固定ポイントを通過するまでの通過時間を測定し、全ブロックについて測定された通過時間の平均値を、前記スラブの該当領域の領域滞留時間とすることができる。
又、最終領域の固定ポイントを、前記ピンチロール又は機端位置とすることができる。
本発明によれば、連続鋳造機を鋳造方向に沿って複数分割した各領域毎の領域滞留時間を考慮して切断時の切断指示長を計算するようにしたので、メニスカス部の鋳造速度のみならず、前記各領域毎の速度履歴を反映させることができ、凝固完了ポイントの変化や鋳片温度差による重量偏差を低減させて、一段と請求重量に見合った鋼片長さに精度良く切断することができるようになった。
本発明に係る一実施形態が適用される連続鋳造設備の概要を示す模式図 前記実施形態に適用される連続鋳造設備の制御系の要部を示すブロック図 スラブの領域滞留時間の測定原理を、第1領域を例に示す説明図 スラブの機内滞留時間と重量の関係を示す線図 スラブの領域滞留時間の算出方法を具体的に示す説明図 実施例の結果を比較例の結果と対比して示すグラフ 実施例の効果を示す図表 連続鋳造機の分割方法と切断補正係数の決定方法を示す図
以下、図面を参照して、本発明に係る実施の形態について詳細に説明する。
図1には、本発明に係る一実施形態の連続鋳造における鋼片の切断方法が適用される垂直−湾曲型(垂直曲げ型)連続鋳造機を備えた設備を概念的に示す。
取鍋10からロングノズル10Aを介してタンディッシュ12に供給された溶鋼Mは、イマージョン(浸漬)ノズル12Aを介してモールド(鋳型)14に注入されると、周囲から冷却され凝固してシェルが形成された後、連続鋼片(ストランド)Sとなって多数のガイドロールが対向配置されている垂直部と湾曲部とからなるローラエプロン16を経て円弧状に引抜かれると共に、該ローラエプロン16に沿って配設されている2次冷却帯の水冷スプレー(図示せず)により冷却されながら下流側に案内される。
水平部に到達したストランドSは、最終ガイドロール位置に当たる機端Eより更に下流側に配設されているピンチロール18によりスラブカッタ20へ搬送され、トーチにより所定重量のスラブ(鋳片)に溶融切断される。切断されたスラブ(図示せず)は重量測定器に搬送され、実重量が測定される。
本実施形態においては、前記連続鋳造機を用いて、鋳型14からピンチロール18により引抜かれたストランドSを、鋳込条件情報に基づいて算出される補正係数により補正した公称単位重量と所要の請求重量とから得られる、所要の請求重量を有する長さの鋼片に切断する。
その際、前記連続鋳造機を、鋳造方向に沿って第1領域(図中、1ゾーン)から最終領域(図中、Nゾーン)までの複数領域に分割し、該分割した各領域の終端にはそれぞれ対応する固定ポイント(図示せず)を設定し、かつ最終固定ポイントを、前記ストランドSの断面全体の凝固が完了している連続鋳造機の下流位置に設定すると共に、前記鋼片の切断指示長の計算に、切断対象の鋼片に対応する位置のストランドSが前記各領域に滞留する領域滞留時間を反映させるようにする。なお、ここでは最終固定ポイントが、前記機端Eに設定されている。
本実施形態の連続鋳造設備は、図2に模式的に示す制御系を構成する連続鋳造用のプロセスコンピュータ(連鋳プロコンとも称する)30により制御されると共に、このプロセスコンピュータ30にはホストのビジネスコンピュータ(ビジコンとも称する)32から指示情報として請求スラブ長(冷間値)と熱間補正係数が送信され、設定されるようになっている。
又、このプロセスコンピュータ30には、タンディッシュ12に付設された流量計(図示せず)による実測流量から算出される、メニスカス部における溶鋼の鋳込み速度や、スラブカッタ20の入側に配設されたメジャーロール22による測定結果から求まる連鋳機出側の鋳込み速度がそれぞれ入力されると共に、他の必要な鋳込み条件や測定結果が入力されるようになっている。
本実施形態では、図2のプロセスコンピュータ30において、ビジネスコンピュータ32から入力される該当するモールドサイズ及び鋼種に対応して請求スラブ長(冷間値)と熱間補正係数とから、30Aのブロックで示す従来と同様の切断指示の算出式から得られる切断長に対し、ブロック30Bで示す切断対象のスラブ毎に求めた前記複数領域における各領域滞留時間に基づいて求められる切断補正係数βで補正する演算を行うことにより、各領域滞留時間を反映させるようにした。
具体的には、図示されているように、ブロック30Aの切断指示結果に対して、下記(2)式により求まる第N領域の補正係数βNを、各領域について下記(1)式で積算して求められる切断補正係数(パラメータ):βを乗じた(3)式による補正長さがスラブカッタ20への切断指示として出力され、該カッタ20によりメジャーロール22による実測長がこの補正長さに一致した長さ位置でストランドを切断する制御が行われる。
β=ΣβN …(1)
N:2以上の任意整数
βN=aN・αN m+bN・αN m-1+・・・+gN・αN+hN …(2)
αN:第N領域滞留時間(sec.)
N、bN、・・・、gN、hN:定数
m:1以上の任意整数
で得られる切断補正係数:βを乗じた次式
切断指示長(熱間値)=請求スラブ長(冷間値)×熱間補正係数×β …(3)
熱間補正係数=熱間長/冷間長 …(4)
ここで、請求スラブ長は、圧延工程などの次工程以降の歩留を考慮して設計された請求スラブ重量を、スラブ幅、スラブ厚み、比重で除して得られたものである。
次に、(2)式に適用される切断対象のスラブに対応するストランドの各領域滞留時間αNの求め方を、図3に示すイメージ図を参照して、第1領域を具体例として説明する。なお、第2領域以降では、図中メニスカスが各領域の始端(1つ上流領域の固定ポイント)となる。
ストランドの鋳込み速度は、ストランド内部の溶融部分が機端Eより上流の機内位置で完全に凝固するように調整される。その際、連続鋳造時の操業状況に応じて鋳込み速度を変動させる必要があるため、連続鋳造されるストランドでは長さ方向の位置によって鋳型14から機端Eまでの機内滞留時間が異なることが起こる。
通常、連続鋳造機では鋳型14に続くローラエプロン16を構成するガイドローラは、対向間隔が下流ほど狭く設計されている。
その結果、連続鋳造されるストランドは、鋳込み速度が遅い程上流側で固まるため厚く、逆に速い程下流側で固まるため薄くなるため、長さ方向の厚さ、即ち単位長さ当たりの重量にも変動が生じることになる。図4には、実際に測定した結果の一例を、切断後のスラブ重量と請求重量との差の割合を縦軸にして示す。この現象は、機内を複数領域に分割した第1領域から第N領域の各領域においても同様に起こっている。
そこで、前記図3に示すように、切断対象のスラブに対応する位置のストランドの、第1領域の領域滞留時間について、ストランド全長を所定長さのブロックBに細分割し、各ブロックB毎にその先端が鋳型内のメニスカス表面(第1領域の始端)を通過する時間t1から、その後端が第1領域の固定ポイントを通過する時間tnまでを測定し、領域通過に要した時間tn−t1を通過時間として求める。そして、スラブに対応する全ブロックについてそれぞれ通過時間を求め、その平均値を対象スラブの第1領域の領域滞留時間:α1とする。
例えば、請求スラブ長が5mであったとする場合、一つのブロックの長さを10cmとすると、細分割した50個のブロックについてそれぞれ領域滞留時間を求める。このようにすることにより、10cmの誤差範囲でスラブ対応長さについて測定することが可能となる。
以上の第1領域についての領域滞留時間と同様の測定を、第2領域から最終の第N領域の各領域についてそれぞれ行う。第2領域以降の始端は、1つ上流領域の固定ポイントになる。
最終領域の固定ポイントとしては、ストランド内部が完全に凝固し、外形が確定している位置である機端Eやピンチロール18等の位置を設定する。このようにして求めたスラブの第1領域から第N領域の各領域滞留時間:α1〜αNを前記(2)式に適用し、(1)式により切断補正係数:βを算出する。
なお、メニスカス表面を先端が通過した1つのブロックについて、その後端が対応する第1領域の固定ポイントを通過する時間を測定するに際しては、ピンチロール18の回転数を基に計算より鋳造長を求め、該鋳造長におけるメニスカス部のポイントが特定され、その情報が連鋳プロコン30に入力される。そして、各ブロックが、特定したメニスカス部のポイントに到達した時刻データと該ブロックが第1領域の固定ポイントに到達した時刻データとがブロック単位で連鋳プロコン30に伝達され、各々の時刻データの差により第1領域の領域滞留時間(α1)を求めることができる。
図5を用いて、領域滞留時間について更に具体的に説明する。同図(A)には、具体例についてブロック毎に測定して管理されている第1領域の通過時間のイメージを示す。
通常、連続鋳造機内のスラブ切断予定は、調整計算により頻繁に変更がある。そのため、スラブ先端位置、後端位置を固定的に決定することができない。ここでは、前述した如く、一定間隔(10cm)毎のブロックBを単位に連続鋳造機内の各領域毎の通過時間を管理し、対象スラブの切断プリセット時にスラブ毎の各領域の領域滞留時間を算出する。
1)メニスカス(第1領域の始端)に一定間隔位置(ブロック先端)が到達したとき、通過開始時刻を格納する。
2)第1領域の固定ポイントに一定間隔位置(ブロック先端)が到達したとき、該領域の通過終了時刻を格納し、ブロック毎の経過時間を算出する。
3)スラブ切断予定の切断位置と一定間隔位置により各ブロックの領域通過時間を算出する。
又、図5(B)には、スラブの第1領域滞留時間の考え方のイメージを示す。
スラブ内の各ブロックについて測定された通過時間の平均値を、対象スラブの第1領域滞留時間:α1とする。即ち、
α1=(A+B+C+D)/4
=(14+14+15+15)÷4
=14.5(分)
とする。
第2領域以降についても同様の処理を行う。
以上説明した本実施形態の鋼片の切断方法を、下記表1に成分を示す鋼種の溶鋼を、表2に特徴を示す連続鋳造機により鋳造したストランドについて適用した。
その際、前記図1に示した連続鋳造機の分割数はN=3とし、第1領域としては鋳型14を含む垂直部を、第2領域としては湾曲部を、第3領域としては水平部を、それぞれ設定した。但し、これに限定されない。
又、同時に前記パラメータ:βを算出する(1)式に適用する(2)式として、第1領域、第2領域、第3領域にそれぞれ以下の(2−1)、(2−2)、(2−3)の各式を設定すると共に、a1、b1、c1、a2、b2、c2、a3、b3、c3の各係数は回帰計算により決定した定数を用いた。
β1=a1・α1 2+b1・α1+c1 …(2−1)
β2=a2・α2 2+b2・α2+c2 …(2−2)
β3=a3・α3 2+b3・α3+c3 …(2−3)
ここで、ピンチロールセグメントの場合はその最終ロールまでが機長となり、セグメントの後にピンチロール単体がある場合は、ピンチロール前の最終セグメントの最終ロールまでが機長になる。
本実施形態により、前記(2−1)、(2−2)、(2−3)の各式を適用した場合と、比較例として連続鋳造機を領域分割せずに下記(5)式を適用した場合に、それぞれ求めた付加重量の結果を、図6に対比して示す。
ここで、付加重量は、{(実貫重量−請求重量)/請求重量}×100(%)で与えられる。但し、実貫重量は実際の秤量重量である。
β=a・α2+b・α+c …(5)
ここで、αは連続鋳造機全長を通過するまでの機内滞留時間であり、a、b、cの各係数は、同様に回帰計算により決定した定数を用いた。
このように、本発明によれば、単純な機内滞留時間による切断長補正ではなく、機内を分割した各領域毎の速度変動を考した切断長補正が可能となり、これにより図示されているように、付加重量のばらつき(σ)を比較例の0.7%から0.4%まで改善でき、付加重量のばらつきを減らすことが可能となると共に、付加重量の平均値を下げることができ、歩留向上を実現することが可能となった。
次に、本発明の領域滞留時間(速度)変動を考慮する補正による切断補正係数:βの改善効果について、図7の図表に示す具体例を参照して更に詳細に説明する。
表(A)の条件において、t1、t2、t3はそれぞれ前記(2−1)、(2−2)、(2−3)の各式におけるα1、α2、α3に対応し、tは前記(5)式のαに対応している。又、区間1〜3は、第1領域〜第3領域に対応している。
表(B)の参考例には、上記表(A)の例(1)〜(3)について前記(5)式に対応する下記(5’)式
β=a・t2+b・t+c …(5’)
を適用して求めた付加重量の結果を示す。
表(C)の本発明には、同じく例(1)〜(3)について前記(2−1)、(2−2)、(2−3)の各式にそれぞれ対応する下記(2−1’)、(2−2’)、(2−3’)の各式を適用して求めた付加重量の結果を示す。なお、表中βは、β=β1+β2+β3である。
β1=a1・t1 2+b1・t1 …(2−1’)
β2=a2・t2 2+b2・t2 …(2−2’)
β3=a3・t3 2+b3・t3+c3 …(2−3’)
表(B)、表(C)の各結果より、本発明により目標の2.2%に対する付加重量のばらつきが大きく低減されていることが分かる。
これらの結果より、本発明によれば、メニスカスから機端E又はピンチロール18までの単純な機内滞留時間による補正ではなく、各領域毎の速度変動を考慮した補正をすることが可能となり、一段と歩留を向上することが実現できた。
なお、前記実施形態では、連続鋳造機を3領域に分割する例を示したが、2領域又は4領域以上としてもよいことはいうまでもない。
又、各領域毎の補正係数を求める前記(2)式としては2次式を示したが、これに限定されず次数は任意である。但し、実用上は2以上の領域について1次式又は2次式とすることが好ましい。
ここで、連続鋳造機の分割方法と切断補正係数βNは、例えば次のように決定することができる。
検討する組合せ数は、連続鋳造機の分割方法である図8のNo.1〜13を3分割又は2分割にする組合せと、それぞれの区間のβN(N=1〜3)を2次式又は1次式とする組合せで決められ、計576通りある。付加重量の全データ(機内滞留時間、目標β等)を大きく2つに分けて、ある分割方法を一方のデータに当てはめて回帰し、βの係数を算出する。求めた回帰式をもう一方のデータに当てはめ、そのときの相関係数R値を確認し、全ての組合せで最もR値が大きい分割方法が数学的に最適な分割方法、回帰式の次数となる。
各品種毎や鋳込サイズ(ストランド幅、ストランド厚み)毎に最もR値が大きくなる分割方法を定めても良いが、実用的には、処理量の多い主な品種について、それぞれ、分割方法の各組合せでの相関係数R値を確認し、共通に使えて、R値が大きい分割方法を見つけるのが好ましい。
βを算出する式の次数は、品種毎や鋳込サイズ(ストランド幅、ストランド厚み)毎に決めればよい。例えば、図7に示した品種では1次式のR値が大きかったので1次式を採用したが、別の品種では、図7に示した品種と同じ分割方法では、2次式を採用した場合にR値が大きいので、2次式を採用した。
10…取鍋
12…タンディッシュ
14…鋳型(モールド)
16…ローラエプロン(ガイドロール)
18…ピンチロール
20…スラブカッタ
22…メジャーロール
30…プロセスコンピュータ

Claims (4)

  1. 連続鋳造機を用いて、鋳型からピンチロールにより引抜かれたストランドを、鋳込条件情報に基づいて算出される補正係数により補正した公称単位重量と所要の請求重量とから得られる、所要の請求重量を有する長さの鋼片に切断する鋼片の切断方法において、
    前記連続鋳造機を、鋳造方向に沿って複数領域に分割し、該分割した各領域の終端にはそれぞれ対応する固定ポイントを設定し、かつ最終固定ポイントを、前記ストランドの断面全体の凝固が完了している連続鋳造機の下流位置に設定すると共に、
    前記鋼片の切断指示長の計算に、単純な機内滞留時間でなく、切断対象の鋼片に対応する位置のストランドが前記各領域に滞留する領域滞留時間を反映させることを特徴とする鋼片の切断方法。
  2. 前記各領域滞留時間の反映を、次式
    β=ΣβN
    N:2以上の任意整数
    βN=aN・αN m+bN・αN m-1+・・・+gN・αN+hN
    αN:第N領域滞留時間(sec.)
    N、bN、・・・、gN、hN:定数
    m:1以上の任意整数
    で得られる切断補正係数:βを乗じた次式
    切断指示長(熱間値)=請求スラブ長(冷間値)×熱間補正係数×β
    熱間補正係数=熱間長/冷間長
    により実現することを特徴とする請求項1に記載の鋼片の切断方法。
  3. 前記切断対象のスラブに対応する位置のストランドを、所定長さのブロックに細分割すると共に、各ブロックを単位に、ブロックの先端が前記各領域の始端を通過してから、ブロックの後端が対応する固定ポイントを通過するまでの通過時間を測定し、全ブロックについて測定された通過時間の平均値を、前記スラブの該当領域の領域滞留時間とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼片の切断方法。
  4. 最終領域の固定ポイントが、前記ピンチロール又は機端位置であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鋼片の切断方法。
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