JP5820296B2 - パイプライン中詰め工法 - Google Patents

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Description

本発明は、鞘管の内部の気泡モルタル中に配置された金属パイプラインを、当該気泡モルタル中に埋設されたプローブ電流密度に基づいて外部電源方式により電気防食するためのパイプライン中詰め工法に関する。
従来から地下構造物の埋め戻し、軽量盛土、トンネルやシールドの裏込め等には、起泡剤を用いて発泡させた空気(気泡)を混合して強度を抑制した「気泡モルタル」が採用されている。気泡モルタルは低強度であることに加え軽量性、断熱性、衝撃吸収性を有することから、近年では鞘管(外管)の内部にガス管などのパイプライン(内管)を通し、鞘管とパイプラインの間を充填材で埋める工法(パイプライン中詰め工法)における前記充填材としても使用されている。
パイプライン中詰め工法の充填材には、以下のような特性が望まれる。
(i)低密度であること。充填材中でのパイプラインの浮き上がりを安定的に防止する上で、そのパイプラインの仕様に応じて気泡モルタル混練物の密度の上限は例えば0.50〜0.70g/cm3程度に制限される。
(ii)低強度であること。緊急時に人力で充填材を掘削できる程度の低強度が要求される。
(iii)透気性に優れること。特にパイプラインがガス管である場合には充填材中に埋設されたガス漏れセンサーでガス検知を可能にするために、1×10-1cm/sec以上の透気係数であることが望まれる。
(iv)充填時の圧送において流動性が良く、材料分離(ブリーディング)が生じないこと。
セメント系材料において、これら全てを満足させることは必ずしも容易でない。例えば、低密度や透気性を確保しようとして空気量(気泡量)を増すと、気泡安定性が低下し、圧送により気泡が消滅したり流動性が低下したりする。気泡が消滅するともはや透気性は確保できない。逆に空気量を減らすことは低密度・低強度・高透気性にとって不利な要因となり、所定の特性を満たすことが難しくなる。また、セメントを減らすことは低強度や発熱量抑制に有効であるが、反面、ブリーディングの発生、粘性低下による材料分離を招く要因となる。
そこで種々研究が行われ、現在では例えば特許文献1に開示の気泡モルタル硬化体の透気係数、強度および比重コントロール方法などに従うことよって上記特性を満たす気泡モルタルを得ることが可能となっている。
一方、パイプライン中詰め工法では、金属パイプライン(例えば鉄管)の防食方法として、プローブを用いた外部電源方式の電気防食技術(例えば特許文献2、3)が採用されている。一般的な外部電源方式の防食方法では照合電極を防食対象物の近くに設置し、防食電位を測定することによって行われる。しかし、近年、防食電流密度管理による電気防食法を用いた二重管構造の金属パイプラインに、プローブを用いた電気防食法が適用される。
図1に、鞘管内の金属パイプラインを電気防食するための装置構成を模式的に例示する。地中10にシールド工法などによって構築された鞘管1があり、その中に金属パイプライン2が配置されてている。金属パイプライン2には一般的に鉄管が用いられる。鞘管1の内面と金属パイプライン2の外面の間には気泡モルタル3が充填されている。金属パイプライン2の近傍の気泡モルタル3の中にプローブ4が埋設され、また、鞘管1の外部の地中には陽極となる電極5が埋設されている。プローブ4は例えば鋼製の棒材である。金属パイプライン2、プローブ4および電極5はそれぞれ電気防食装置6に導線で接続されている。金属パイプライン2を電気防食する際には、プローブ4からの電流値I4に基づいてプローブ電流密度を把握しながら防食電流値I2を適切にコントロールする。
特許第4550103号公報 特開2004−250779号公報 特開2009−156707号公報 特開2011−95046号公報
中村康朗、他3名、「鞘管内パイプラインの電気防食−発泡モルタル中プローブのエレクトロコーティング−」、防錆防食技術発表大会講演予稿集、日本防錆技術協会、2006年6月30日、第26巻、p.129−132
プローブを用いた上記金属パイプラインの電気防食法においては、プローブに生じるエレクトロコーティングが問題となる。エレクトロコーティングは、カソード電極が流入する金属材料の表面付近で生成したOH-が、周囲のCa2+、Mg2+などのイオンと結合してカルシウムやマグネシウムの水酸化物や炭酸塩となり、これらが当該金属材料の表面を覆ってしまう現象である。プローブにエレクトロコーティングが生じると、プローブ電流密度による電気防食状況の正確な評価ができなくなる(非特許文献1)。
ところが、発明者らの検討によると、プローブにエレクトロコーティングが生じなくても、モルタル組成に依存してプローブ電流密度による評価精度が低下する場合があることがわかってきた。そこで本発明は、上記(i)〜(iv)の要件を満たしながら、プローブを用いた電気防食を精度良く継続することが可能なパイプライン中詰め工法を提供する。
上記目的は、鞘管の内部の気泡モルタル中に配置された金属パイプラインを、当該気泡モルタル中に埋設されたプローブからの電流値に基づいて外部電源方式により電気防食するためのパイプライン中詰め工法において、
水(W1)、セメント(C)、微粉末骨材(P)を配合したベースモルタル組成物と、ノニオン系またはアニオン系界面活性剤配合型の起泡剤を用いて発泡させた気泡を混合することにより、空気量:60〜75体積%、水粉体比W1/(C+P):35〜65%、セメント粉体比C/(C+P):35〜60%、かつ単位SiO2量:65kg/m3以下である気泡モルタル混練物を製造し、金属パイプラインおよびプローブが電気防食に必要な導線と接続された状態で配置されている鞘管内の空隙に、前記気泡モルタル混練物を充填するパイプライン中詰め工法によって達成される。
前記モルタル混練物は、微粉末骨材として石灰石微粉末、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末の1種または2種以上を含有するものが好適な対象となる。特に、日々発生する産業副産物を再利用する観点からは、微粉末骨材としてフライアッシュを30kg/m3以上含有するもの、あるいは高炉スラグ微粉末を30kg/m3以上含有するものを適用することが望ましい。
セメントの他、フライアッシュや、高炉スラグ微粉末にはSiO2が不可避的に含まれる。したがって、上記の気泡モルタル混練物の製造においては、各材料中に含まれる既知のSiO2量に基づいて算出される単位SiO2量の計算値が、65kg/m3以下の範囲に設けた目標数値範囲内に収まるように気泡モルタルの配合を決定することが極めて有効である。
本発明によれば、中詰め工法により敷設された金属パイプラインの電気防食を、プローブを用いた方法により安定して精度良く行うことができる。気泡モルタルの配合決定に際して、材料ごとの既知のSiO2含有量によって、プローブの測定精度を高く維持できるモルタル配合を容易に決定することができるため、本発明の工法は実用性が高い。特に、産業副産物として発生するフライアッシュや高炉スラグ微粉末をモルタル材料として有効利用する際には、それらの材料は比較的多量にSiO2を含有していることから、本発明を適用するメリットが大きい。また、本発明に従う気泡モルタルは金属パイプラインがガス管(鉄管)である場合に要求される特性を満たすので、ガス管中詰め工法に好適である。
鞘管内の金属パイプラインを電気防食するための装置構成を模式的に示した図。 プローブ電気防食試験の装置構成を模式的に示した図。 プローブ電気防食試験での電位変化を例示したグラフ。
〔SiO2配合量〕
発明者らの検討によれば、プローブを用いて鞘管内パイプラインを電気防食する際に問題となるプローブ電流密度の測定精度低下は、単にエレクトロコーティングが生じる場合だけに限らないことがわかってきた。そして、その測定精度低下の現象は使用する気泡モルタルの組成に依存することが明らかとなった。そこで、さらに詳細に検討を進めた結果、気泡モルタル中のSiO2配合量を制限するという非常に簡便な手法によってプローブ電流密度の測定精度低下を回避することが可能であるという知見を得るに至った。
気泡モルタル中のSiO2配合量を制限することによってプローブ電流密度の測定精度低下が防止できるメカニズムについては現時点で必ずしも明確ではない。ただし、SiO2量を制限すると、プローブのエレクトロコーティング発生を回避できるだけでなく、エレクトロコーティングが生じていない場合に起きていたプローブ接地抵抗の増大現象も改善されることから、カソードであるプローブの近傍に陽イオンが集まることに起因するカソード電流の妨害作用が、SiO2の制限によって緩和されるのではないかと推察される。
具体的には、気泡モルタル混練物(ベースモルタルと気泡を混合したもの)に含有される単位SiO2量を65kg/m3以下とすることによって、顕著な効果が得られる。プローブ電流密度の測定精度の観点からはSiO2の量の下限を設ける必要はないが、SiO2はセメント中にも含まれるので、本発明においては通常25kg/m3以上のSiO2を含有する気泡モルタル混練物が好適な対象となる。それよりSiO2が少ない場合は結果的にセメントの配合量が過小となりやすい。
気泡モルタル混練物の単位SiO2量は、そのモルタルの硬化体サンプルについて蛍光X線分析を行うことによって特定できる。施工現場において気泡モルタル混練物を製造する際には、SiO2を含有する個々の材料について予めSiO2含有量を把握しておき、それらに基づいて算出される単位SiO2量の計算値が、65kg/m3以下の範囲に設定した目標数値範囲内に収まるように気泡モルタルの配合を決定すればよい。セメント、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末の正確な分析値が分からない場合には、製品公称値として示されているSiO2含有量の値を使用してもよい。ただしその場合には誤差を考慮して、単位SiO2量の計算値の目標数値範囲を例えば60kg/m3以下、あるいは55kg/m3以下といった厳しい基準で設定しておくことで、蛍光X線分析による実測値が65kg/m3以下となる組成物を安定して得ることができる。
〔セメント(C)〕
通常のポルトランドセメントを使用することができる。例えば普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等が挙げられる。また、六価クロムの溶出を抑制する還元剤としての作用を重視する場合には高炉セメントの使用が有効である。
〔微粉末骨材(P)〕
微粉末骨材は、最大粒径が0.6mm以下、ブレーン比表面積が2000〜5000cm2/gの微粉を使用すればよい。このような微粉として、石灰石微粉末(タンカル)、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末が挙げられる。ブレーン比表面積は2000〜4000cm2/gであることがより好ましい。
石灰石微粉末は、化学成分がCaO:40〜60質量%、MgO:0.1〜5質量%、Fe23:0.1〜1質量%、Al23:0.1〜5質量%、SiO2:1〜5質量%、強熱減量:40〜50質量%であるものが好ましい。比重は2.5〜2.8g/cm3が好ましい。
フライアッシュは、化学成分がSiO2:40〜80質量%、Al23:10〜40質量%、Fe23:1〜20質量%、MgO:0.1〜10質量%、CaO:0.1〜15質量%、強熱減量:5.0質量%以下のものが好ましい。
高炉スラグ微粉末は、化学成分がSiO2:30〜50質量%、Al23:10〜20質量%、Fe23:0.5〜1質量%、MgO:5〜10質量%、CaO:40〜50質量%、強熱減量:5.0質量%以下のものが好ましい。
これらのうち、フライアッシュは石炭火力発電所から多量に産出され、高炉スラグは製鉄所から多量に産出される。産業副産物の有効利用に資する観点からは、単位フライアッシュ量が30kg/m3以上、あるいは単位高炉スラグ微粉末量が30kg/m3以上である気泡モルタル配合とすることが望ましい。フライアッシュ、高炉スラグ微粉末にはSiO2が比較的多量に含まれるので、これらの配合量は上述のSiO2量の制限によって制約を受ける。通常、単位フライアッシュ量は60kg/m3以下、単位高炉スラグ微粉末量は100kg/m3以下の範囲で配合設計すればよい。
〔練混ぜ水(W1)および起泡剤希釈水(W2)〕
練混ぜ水および起泡剤希釈水には一般的なモルタルやコンクリートに使用可能な地下水、水道水等が使用できる。
〔起泡剤〕
本発明で適用する起泡剤は、ノニオン系またはアニオン系界面活性剤配合型のものが採用できる。特に、アミンオキサイド型ノニオン系界面活性剤を成分とする起泡剤は優れた気泡安定性を発揮するので好ましい。この種の起泡剤は、他の一般的な起泡剤と同様、水で例えば10〜30倍程度に稀釈してから使用すればよい。発泡方法は公知の手法が適用できる。稀釈した起泡剤の量に対し、発泡後の体積が20〜30倍になるように発泡させることが望ましい。
市販の起泡剤を例示すると、以下のような製品が挙げられる。
第一化成産業社製「エアーボール」シリーズ、麻生フォームクリート社製「マールP」、小野田ケミコ社製「OFA」、キザイテクト社製「KFフォーム」など。
〔空気量〕
気泡によって供給される混練物中の空気量が少なすぎると、気泡モルタル硬化体の低密度化および高透気性化が実現できない。種々検討の結果、前記の微粉末骨材を使用し、かつノニオン系またはアニオン系界面活性剤配合型の起泡剤を用いて発泡させた気泡を混合させる場合においては、空気量を60体積%以上とすることが望ましい。一方、空気量が75体積%を超えると、気泡安定性が不十分となることがあり、その場合、特に圧送後において気泡モルタルの流動性(フロー)が低下することが懸念される。
〔水粉体比W1/(C+P)〕
水粉体比W1/(C+P)が小さすぎると相対的に粉体量が多くなり、気泡と混合する前のベースモルタルにおいては粘性増大によるポンプ圧送性の低下が生じるようになり、気泡モルタル混練物においても打設時の圧送性に支障をきたすことが懸念される。種々検討の結果、水粉体比W1/(C+P)は質量比で35%以上とする必要がある。一方、水粉体比W1/(C+P)が大きくなりすぎると粘性が低下し、ベースモルタルおよび気泡モルタル混練物とも、材料分離が生じやすくなる。また、水粉体比W1/(C+P)が大きくなると透気係数を十分に確保するための配合自由度が狭くなることがわかった。これらのことから水粉体比W1/(C+P)の上限は65%に規定される。
〔セメント粉体比C/(C+P)〕
セメント粉体比C/(C+P)は気泡モルタル硬化体の強度に大きく影響する因子である。パイプライン中詰め工法の充填材には前述のように人力で掘削できる低強度が要求されるが、強度レベルが低すぎるとパイプラインを鞘管内の所定位置に固定するための拘束力が不足する。これらを考慮すると、セメント粉体比C/(C+P)は質量比で35〜60%の範囲に規定される。
〔気泡モルタル混練物の製造〕
本発明に適用する気泡モルタル混練物は従来一般的な気泡モルタルの場合と同様の手法により製造することができる。例えば、ミキサー中に起泡剤希釈水W2と前述した種類の起泡剤を投入して泡立てを行い、その後、そのミキサー中にベースモルタルの組成に調整された練混ぜ水W1、微粉末骨材P、セメントCを投入して混練する方法(ミキシング法)が採用できる。また、予め練混ぜ水W1、微粉末骨材P、セメントCを混練してベースモルタルを作っておき、別途、水W2で稀釈した起泡剤から発泡装置を用いて生成させた気泡を、前記のベースモルタルと混合する方法(プレフォーム法)を採用してもよい。
〔電気防食法〕
本発明は上記特定の配合に調整された気泡モルタルを用いることによってプローブ電流密度の測定精度を高く維持するものであるが、電気防食法自体は、従来から鞘管内のパイプラインの防食方法として実用化されているプローブを用いた外部電源方式の電気防食技術を利用することができる。
表1に示す配合の気泡モルタル混練物を前述のプレフォーム法で製造した。使用材料の記号の意味は以下のとおりである。
W1:ベースモルタルの配合に使用する練混ぜ水
C:セメント、住友大阪セメント社製の普通ポルトランドセメント
P:微粉末骨材(下記LP、FA、BFSがこれに該当)
LP:石灰石微粉末、立花マテリアル社製の「TMパウダー」
FA:フライアッシュ、テクノ中部社製のJIS A6201II種相当品
BFS:高炉スラグ微粉末、JFEミネラル社製
F:起泡剤、第一化成産業社製のノニオン系「エアーボールS」またはアニオン系「エアーボールY」
W2:起泡剤希釈水
気泡モルタル混練物について、フロー値および密度を測定した。これらは日本道路公団 JHS A313「エアモルタル及びエアミルクの試験方法」に準拠した方法で行った。フロー値は、施工仕様に応じて130〜260mmの範囲のものが適用可能であると判断される。また密度については、ガス管(鉄管)中詰め工法を想定して0.70g/cm3以下のものを合格と判定した。
各混練物を使用して気泡モルタル硬化体を作製し、蛍光X線分析、圧縮強度測定、透気係数測定を行った。蛍光X線分析では材齢28日〜91日で十分に硬化した試料のSiO2含有量を測定し、気泡モルタル混練物の単位SiO2量に換算した。圧縮強度は材齢28日材についてJIS R5201「セメントの物理試験方法」に準拠した方法で求めた。透気係数は、材齢28日の試験体側面に樹脂接着剤を塗り、一軸方向のみに透気し、流量計で測定した流量を一般的に用いられている透水係数の計算式に基づいた透気係数算定式に適用することにより求めた(特許文献4参照)。ガス管中詰め工法を想定して、圧縮強度は0.2〜2.0N/mm2を合格と判定し、透気係数は1.0×10-1cm/sec以上を合格と判定した。
〔プローブ電気防食試験〕
各モルタル硬化体について、プローブの接地抵抗経時変化を非特許文献1に示されている電気防食試験方法により調べた。すなわち、中央部にプローブが埋め込まれた直径300mm、高さ300mmの円柱状の気泡モルタル硬化体を作製した。プローブは炭素鋼丸棒の両端を樹脂で被覆することによって表面積を10cm2としたものを使用した。このプローブは実用に供されている製品である。図2に示すように、槽内の水中20にプローブ4を埋め込んだ材齢28日の気泡モルタル硬化体7、照合電極8、および対極9を配置し、ガルバノスタット11によりプローブに4mA/cm2の一定電流密度の防食電流を流入させながら90日間の電位変化をモニターした。90日に達する前に電位の大幅な低下が認められた場合は試験を中止した。対極9はカーボン電極である。照合電極8は飽和塩化銀電極であり、電位は飽和硫酸銅電極基準に換算して表示した。この電位の経時変化によりプローブの接地抵抗経時変化を評価することができる。20日経過以降、90日まで電位低下がほとんど見られない気泡モルタルでは、その後も長期にわたって良好な接地抵抗が維持されると判断される。具体的には下記(1)式を満たすものを○(接地抵抗維持性;良好)、それ以外を×(接地抵抗維持性;不良)と評価し、○評価を合格と判定した。
[90日時点の電位]−[20日時点の電位]≧−0.5V …(1)
これらの結果を表1に示す。
表1からわかるように、単位SiO2量を65kg/m3以下に制限した気泡モルタルは、優れたプローブ接地抵抗維持性を示した。また、本発明に従うことにより、産業副産物であるフライアッシュFAあるいは高炉スラグ微粉末BFSを再利用する配合において、ガス管中詰め工法に適した特性を有し、かつプローブ接地抵抗維持性にも優れた気泡モルタルを実現できることが確認された。なお、比較例であるNo.1〜3は空気量が少ないため、密度および透気係数がガス管中詰め工法に不適切となった。No.15はセメント粉体比C/(C+P)が過大であるため、強度が高くなった。No.17は空気量が多すぎたことにより、強度が不十分であった。
図3に、いくつかの例について、プローブ接地抵抗の経時変化を例示する。縦軸には上述のプローブ電気防食試験で測定された電位を飽和硫酸銅電極基準に換算した目盛を付してある。No.8、12はそれぞれ単位SiO2量が本発明規程範囲の上限65kg/m3に近い本発明例であるが、電位が低下する傾向は認められず、プローブ接地抵抗は非常に安定していることがわかる。一方、No.9、13は単位SiO2量が70〜73kg/m3のものであるが、電位の低下が著しい。すなわち、単位SiO2量が65kg/m3と70kg/m3の間で、プローブ接地抵抗経時変化の挙動が急変する。したがって、特にフライアッシュや高炉スラグ微粉末を使用する配合においては、材料中のSiO2量を把握し、単位SiO2量が65kg/m3以下となるように配合管理することが、プローブを用いた電気防食法を適用するうえで極めて有効である。
1 鞘管
2 金属パイプライン
3 気泡モルタル
4 プローブ
5 電極
6 電気防食装置
7 気泡モルタル硬化体
8 照合電極
9 対極
10 地中
11 ガルバノスタット
20 水中

Claims (5)

  1. 鞘管の内部の気泡モルタル中に配置された金属パイプラインを、当該気泡モルタル中に埋設されたプローブへの電流密度に基づいて外部電源方式により電気防食するためのパイプライン中詰め工法において、
    水(W1)、セメント(C)、微粉末骨材(P)を配合したベースモルタル組成物と、ノニオン系またはアニオン系界面活性剤配合型の起泡剤を用いて発泡させた気泡を混合することにより、空気量:60〜75体積%、水粉体比W1/(C+P):35〜65%、セメント粉体比C/(C+P):35〜60%、かつ単位SiO2量:65kg/m3以下である気泡モルタル混練物を製造し、金属パイプラインおよびプローブが電気防食装置に導線で接続された状態で配置されている鞘管内の空隙に、前記気泡モルタル混練物を充填するパイプライン中詰め工法。
  2. 前記気泡モルタル混練物は、微粉末骨材として石灰石微粉末、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末の1種または2種以上を含有するものである請求項1に記載のパイプライン中詰め工法。
  3. 前記気泡モルタル混練物は、微粉末骨材としてフライアッシュを30kg/m3以上含有するものである請求項1に記載のパイプライン中詰め工法。
  4. 前記気泡モルタル混練物は、微粉末骨材として高炉スラグ微粉末を30kg/m3以上含有するものである請求項1に記載のパイプライン中詰め工法。
  5. 前記気泡モルタル混練物の製造において、各材料中に含まれる既知のSiO2量に基づいて算出される単位SiO2量の計算値が、65kg/m3以下の範囲に設けた目標数値範囲内に収まるように気泡モルタルの配合を決定する請求項1〜4のいずれかに記載のパイプライン中詰め工法。
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