JP5820034B2 - 光デバイスおよびファイバレーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに融着された2本の光ファイバを含む光デバイス、及び、この光デバイスを備えたファイバレーザ装置に関する。
レーザ加工やレーザ通信などの分野においては、ファイバレーザ装置やファイバアンプ装置などが広く利用されている。このような装置は、通常、コアに活性化元素(例えば、イッテルビウム等の希土類イオン)が添加されたダブルクラッドファイバである増幅用ファイバと、シングルクラッドファイバ(シングルモードファイバ)又はダブルクラッドファイバである伝送用ファイバとを備えている。
増幅用ファイバのインナークラッドには、該増幅用ファイバに挿入されたコンバイナを介して励起光が入力される。この励起光は、増幅用ファイバのコアに添加された活性元素を反転分布状態に遷移させるために利用される。増幅用ファイバと伝送用ファイバとの融着点は、普通、高屈折率樹脂によって覆われており、活性元素に吸収されずに残った残留励起光は、この高屈折率樹脂に吸収される。
ところが、高出力化の要請に応えるべく、励起光源として用いる半導体レーザを高出力化すると、高エネルギーの残留励起光が高屈折樹脂に入射することになる。また、融着点において増幅用ファイバのコアから伝送用ファイバのクラッドに入射した高エネルギーのコア光も高屈折率樹脂に入射することになる。高屈折率樹脂が透明樹脂である場合、高屈折率樹脂に入射した漏光の大部分は、高屈折率樹脂を透過する。しかし、高屈折率樹脂に入射した漏光の一部は、高屈折率樹脂に吸収され、高屈折率樹脂を発熱させる。このため、高屈折率樹脂の劣化が促進され、その結果、装置の信頼性が低下するという問題が生じる。
このような問題を解決するための技術としては、例えば、特許文献1に記載の光ファイバ保護体などがある。特許文献1には、ダブルクラッドファイバ同士の融着接続部(または、ダブルクラッドファイバとシングルクラッドファイバとの融着接続部)を保護する、光ファイバ保護体であって、上記融着接続部を透明樹脂で覆い、当該透明樹脂を放熱板に形成された収容溝内に固定する構成が開示されている。
特開2007−271786号公報(2007年10月18日公開)
しかしながら、特許文献1に記載の技術を用いたとしても、融着点の近傍において光ファイバの側面から漏出した漏光が透明樹脂に入射することに変わりはなく、漏光の一部は透明樹脂に吸収され透明樹脂を発熱させる。特に、透明樹脂の光ファイバに近接した部分には、エネルギー密度の高い漏光が入射する。このため、特許文献1に記載の技術を用いたとしても、透明樹脂の光ファイバに近接した部分の劣化は避けられない。そして、融着点の近傍における光ファイバの直径が小さくなるほど、この問題は深刻になる。なぜなら、融着点の近傍における光ファイバの直径が小さくなるほど、透明樹脂の光ファイバに近接した部分に入射する漏光のエネルギー密度が高くなるためである。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、2本の光ファイバの融着点を覆う樹脂の劣化が従来よりも生じ難い光デバイスを実現することある。
本発明に係る光デバイスは、端面を含む第1の区間において外殻構造が除去された第1の光ファイバと、端面を含む第2の区間において外殻構造が除去された第2の光ファイバであって、該端面が上記第1の光ファイバの上記端面と融着された第2の光ファイバと、上記第1の光ファイバの上記第1の区間における最外殻構造、及び、上記第2の光ファイバの上記第2の区間における最外殻構造よりも屈折率が低い第1の媒質であって、上記1の区間の全体において上記第1の光ファイバの側面を取り囲む第1の媒質と、上記第2の光ファイバの上記第2の区間における最外殻構造よりも屈折率が高い第2の媒質であって、上記第2の区間の少なくとも一部において上記第2の光ファイバの側面を取り囲む第2の媒質と、を備え、上記第1の光ファイバの上記第1の区間における上記最外殻構造と上記第2の光ファイバの上記第2の区間における上記最外殻構造とが、上記端面において交わりを有し、上記第1の媒質と上記第2の媒質との境界における上記第2の光ファイバの直径が、上記第1の光ファイバの直径よりも大きい、ことを特徴とする。
第1の光ファイバは、外殻除去区間(請求項における「第1の区間」)の全体において、その最外殻構造よりも屈折率の低い第1の媒質に側面を取り囲まれており、また、第1の光ファイバの外殻除去区間における最外殻構造は、第2の光ファイバと溶着される端面において、第2の光ファイバの外殻除去区間(請求項における「第2の区間」)における最外殻構造と交わりを持つ。このため、第1の光ファイバの外殻除去区間における最外殻構造を伝播する光(残留励起光など)は、殆ど第1の光ファイバの側面から第1の媒質に漏出することなく、第1の光ファイバの端面から第2の光ファイバの外殻除去区間における最外殻構造に入射する。また、第2の光ファイバは、外殻除去区間の少なくとも一部において、その最外殻構造よりも屈折率の高い第2の媒質に側面を取り囲まれている。このため、第1の光ファイバの外殻除去区間における最外殻構造を伝播した後、第1の光ファイバの端面から第2の光ファイバの外殻除去区間における最外殻構造に入射した光は、第2の光ファイバの側面から第2の媒質に入射する。
したがって、上記の構成によれば、漏光による第1の媒質の劣化を殆ど生じさせることなく、第1の光ファイバの外殻除去区間における最外殻構造を伝播する光を除去する(第2の光ファイバの側面から第2の媒質に入射させる)ことができる。
また、第1の光ファイバの端面から第2の光ファイバの外殻除去区間における最外殻構造に入射した後、第2の光ファイバの側面から第2の媒質に入射する漏光のエネルギーは、第1の媒質と第2の媒質との境界において最も大きくなり、この境界から遠ざかるに従って次第に小さくなる。上記の構成によれば、この境界における第2の光ファイバの直径が第1の光ファイバの直径よりも大きいので、この境界の近傍において第2の光ファイバの側面から第2の媒質に入射する漏光のエネルギー密度を、(第1の媒質の屈折率が第1の光ファイバの最外殻構造の屈折率よりも高い場合に)第1の光ファイバの側面から第1の媒質に入射する漏光のエネルギー密度よりも小さくすることができる。したがって、漏光による第2の媒質の劣化を抑制することができる。
本発明に係る光デバイスにおいて、上記第1の光ファイバは、ダブルクラッドファイバであり、上記第1の光ファイバの上記第1の区間における上記最外殻構造は、上記ダブルクラッドファイバのインナークラッドであり、上記第2の光ファイバの上記第2の区間における上記最外殻構造は、上記端面において上記ダブルクラッドファイバのインナークラッドと交わりを有する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、第1の光ファイバのインナークラッドを伝播する光は、殆ど第1の光ファイバの側面から第1の媒質に漏出することなく、第1の光ファイバの端面から第2の光ファイバに入射する。そして、第1の光ファイバの端面から第2の光ファイバの外殻除去区間における最外殻構造に入射した光は、第1の媒質と第2の媒質との境界近傍において大径の第2の光ファイバの側面から第2の媒質に入射する。したがって、漏光によって生じ得る第1の媒質の劣化が回避され、また、漏光によって生じ得る第2の媒質の劣化が抑制される。
本発明に係る光デバイスにおいて、上記第1の媒質の屈折率は、上記ダブルクラッドファイバのアウタークラッドの屈折率以下である、ことが好ましい。
上記の構成によれば、外殻除去区間外においてアウタークラッドの作用により第1の光ファイバのインナークラッドに閉じ込められる光は、外殻除去区間内において第1の媒質の作用により第1の光ファイバのインナークラッドに閉じ込められる。このため、第1の光ファイバのインナークラッドを伝播する光は、全く第1の光ファイバの側面から第1の媒質に漏出することなく、第1の光ファイバの端面から第2の光ファイバに入射する。したがって、漏光によって生じ得る第1の媒質の劣化がより確実に回避される。
本発明に係る光デバイスにおいて、上記第1の光ファイバは、トリプルクラッドファイバであり、上記第1の光ファイバの上記第1の区間における上記最外殻構造は、上記トリプルクラッドファイバの第2クラッドであり、上記第2の光ファイバの上記第2の区間における上記最外殻構造は、上記端面において、上記トリプルクラッドファイバの第2クラッドと交わりを有するか、又は、上記トリプルクラッドファイバの第1クラッド及び第2クラッドと交わりを有する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、第1の光ファイバの第2クラッドを伝播する光、又は、第1の光ファイバの第1クラッド及び第2クラッドを伝播する光は、殆ど第1の光ファイバの側面から第1の媒質に漏出することなく、第1の光ファイバの端面から第2の光ファイバに入射する。そして、第1の光ファイバの端面から第2の光ファイバの外殻除去区間における最外殻構造に入射した光は、第1の媒質と第2の媒質との境界近傍において大径の第2の光ファイバの側面から第2の媒質に入射する。したがって、漏光によって生じ得る第1の媒質の劣化が回避され、また、漏光によって生じ得る第2の媒質の劣化が抑制される。
本発明に係る光デバイスにおいて、上記第1の媒質の屈折率は、上記トリプルクラッドファイバの第3クラッドの屈折率以下である、ことが好ましい。
上記の構成によれば、外殻除去区間外において第3クラッドの作用により第1の光ファイバの第2クラッドに閉じ込められる光は、外殻除去区間内において第1の媒質の作用により第1の光ファイバの第2クラッドに閉じ込められる。第1の光ファイバの第2クラッドを伝播する光は、全く第1の光ファイバの側面から第1の媒質に漏出することなく、第1の光ファイバの端面から第2の光ファイバに入射する。したがって、漏光によって生じ得る第1の媒質の劣化がより確実に回避される。
本発明に係る光デバイスにおいて、上記第2の光ファイバの上記区間は、上記1の光ファイバの上記区間よりも長い、ことが好ましい。
また、本発明に係る光デバイスにおいて、上記第1の光ファイバ及び上記第2の光ファイバの中心軸に沿って測った上記第2の媒質の長さは、同中心軸に沿って測った上記第1の媒質の長さよりも長い、ことが好ましい。
上記の構成によれば、当該光デバイスの大型化を招来することなく、第2の光ファイバの外殻が除去された区間において第2の媒質に取り囲まれた部分の長さを十分に長くすることができる。したがって、残留励起光などの不要な光を十分に除去することができる。
なお、本発明に係る光デバイスにおいて、上記第2の光ファイバの上記区間は、直径が一定の円柱形状を有していてもよいし、上記第1の光ファイバとの融着点から離間するに従って直径が小さくなるテーパ形状を有してもよいし、上記第1の光ファイバとの融着点から離間するに従って直径が大きくなるテーパ形状を有していてもよい。
いずれの場合であっても、漏光によって生じ得る第1の媒質の劣化が回避され、また、漏光によって生じ得る第2の媒質の劣化が抑制される。特に、第2の光ファイバが第1の光ファイバとの融着点から離間するに従って直径が小さくなるテーパ形状を有している場合には、第2の光ファイバの各部位の側面から漏出する光のエネルギー密度を均一にできるという更なる効果を奏する。また、第2の光ファイバが第1の光ファイバとの融着点から離間するに従って直径が大きくなるテーパ形状を有している場合には、第1の光ファイバと第2の光ファイバとの溶着が容易になるという更なる効果を奏する。
本発明に係る光デバイスは、溝が形成された放熱体を更に備え、上記第1の光ファイバの上記区間及び上記第2の光ファイバの上記区間は、上記放熱体の上記溝に収容されており、上記第1の媒質及び上記第2の媒質は、上記溝を満たす樹脂である、ことが好ましい。
上記の構成によれば、当該光デバイスを容易に製造することができる。また、第2の光ファイバの側面から第2の媒質に漏出した漏光を、放熱体によって効率よく熱に変換することができる。
上記光デバイスを備えているファイバレーザ装置も本発明の範疇に含まれる。
本発明によれば、漏光によって生じ得る第1の媒質の劣化が回避され、また、漏光によって生じ得る第2の媒質の劣化が抑制される。
本発明の一実施形態に係る光デバイスの三面図である。 図1に示す光デバイスの断面図であって、融着点近傍の構造の第1の具体例を示す断面図である。 図1に示す光デバイスの断面図であって、図2に示す構造の効果を示す断面図である。 図1に示す光デバイスの断面図であって、融着点近傍の構造の第2の具体例を示す断面図である。 図1に示す光デバイスの断面図であって、融着点近傍の構造の第3の具体例を示す断面図である。 図1に示す光デバイスの断面図であって、融着点近傍の構造の第4の具体例を示す断面図である。 図1に示す光デバイスの断面図であって、融着点近傍の構造の第5の具体例を示す断面図である。 図1に示す光デバイスの第1の適用例であるファイバレーザ装置の構成を模式的に示す図である。 図1に示す光デバイスの第2の適用例であるファイバレーザ装置の構成を模式的に示す図である。
本発明の一実施形態に係る光デバイスについて、図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。
〔光デバイスの概略構成〕
まず、本実施形態に係る光デバイス100の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、光デバイス100の構成を示す三面図(左上:平面図、左下:側面図、右上:正面図)である。
光デバイス100は、図1に示すように、第1の光ファイバ110、第2の光ファイバ120、第1の媒質130、第2の媒質140、及び放熱体150を備えている。
第1の光ファイバ110は、一方の端面を含む区間110Aにおいて被覆等の外殻構造が除去された光ファイバである。第1の光ファイバ110において外殻構造が除去された区間110Aのことを、以下、外殻除去区間110Aと記載する。第1の光ファイバ110の具体的な構造については、参照する図面を代えて後述する。
第2の光ファイバ120は、一方の端面を含む区間120Aにおいて被覆等の外殻構造が除去された光ファイバである。第2の光ファイバ120において外殻構造が除去された区間120Aのことを、以下、外殻除去区間120Aと記載する。第2の光ファイバ120の具体的に構造については、参照する図面を代えて後述する。
第1の光ファイバ110の端面(外殻除去区間110Aに含まれる端面)と第2の光ファイバ120の端面(外殻除去区間120Aに含まれる端面)とは、第1の光ファイバ110の中心軸と第2の光ファイバ120の中心軸とが一致するように融着される。外殻除去区間120Aにおける第2の光ファイバ120の直径(外径)は、外殻除去区間110Aにおける第1の光ファイバ110の直径(外径)よりも大きく、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aにおける最外殻構造は、融着点Pにおいて第1の光ファイバ110の外殻除去区間110Aにおける最外殻構造と交わりを持つ。
放熱体150は、金属など熱伝導性の高い材料により構成された直方体状の部材であり、後述するように、第2の光ファイバ120の側面から漏出した漏光を熱に変換する機能を担う。この放熱体150の上面には、その長辺に沿って一方の短辺から他方の短辺に至る溝152が形成されている。
第1の光ファイバ110及び第2の光ファイバ120は、放熱体150に形成された溝152に収容され、溝152の両端部に充填された接着剤162及び接着剤164によって放熱体150に固定される。接着剤162及び接着剤164が設けられる箇所は、外殻除去区間110A及び外殻除去区間120Bの外であり、外殻除去区間110A及び外殻除去区間120Bの全体が接着剤162と接着剤164との間に配置される。
また、放熱体150に形成された溝152の中間部(接着剤162と接着剤164との間の部分)は、第1の媒質130及び第2の媒質140により満たされている。すなわち、第1の光ファイバ110及び第2の光ファイバ120の融着点Pを含む区間は、第1の媒質130及び第2の媒質140に取り囲まれている。
第1の媒質130は、第1の光ファイバ110の外殻除去区間110Aにおける最外殻構造、及び、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aにおける最外殻構造よりも屈折率が低い媒質であり、第1の光ファイバ110の外殻除去区間110Aの側面全体を取り囲む。第1の媒質130は、樹脂であってもよいし、空気であってもよいし、その他の媒質であってもよい。
第2の媒質140は、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aにおける最外殻構造よりも屈折率が高い媒質であり、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aの側面の少なくとも一部を取り囲む。第2の媒質140は、樹脂であってもよいし、その他の媒質であってもよい。
なお、本実施形態において、第1の媒質130と第2の媒質140との境界Bは、第1の光ファイバ110と第2の光ファイバ120との融着点Pの位置よりも第2の光ファイバ120側に配置されている。すなわち、第1の媒質130は、第1の光ファイバ110の外殻除去区間110Aの側面全体のみならず、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aの先端部分の側面を取り囲んでいる。ただし、本発明は、これに限定されない。すなわち、第1の媒質130と第2の媒質140との境界Bは、第1の光ファイバ110と第2の光ファイバ120との融着点Pを通るように配置されていてもよい。この場合、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aの側面全体が第2の媒質140によって取り囲まれることになる。
光デバイス100においては、大径の第2の光ファイバ120の側面からエネルギー密度の低い漏光が第2の媒質140に入射することはあっても、小径の第1の光ファイバ110の側面からエネルギー密度の高い漏光が第1の媒質130に入射することは殆どない。なぜなら、第1の光ファイバ110の側面は、外殻除去区間110Aの全体において最外殻構造よりも屈折率の低い第1の媒質130に取り囲まれており、第2の光ファイバ120の側面は、外殻除去区間120Aの少なくとも一部において最外殻構造よりも屈折率の高い第1の媒質130に取り囲まれているからである。したがって、漏光によって生じ得る第1の媒質130の劣化が回避され、また、漏光によって生じ得る第2の媒質140の劣化が抑制される。このような効果は、第1の光ファイバ110及び第2の光ファイバ120の構造に依らず得ることができる。すなわち、第1の光ファイバ110が、シングルクラッドファイバ、ダブルクラッドファイバ、トリプルクラッドファイバの何れかであっても、また、第2の光ファイバ120がシングルクラッドファイバ、ダブルクラッドファイバ、トリプルクラッドファイバの何れであっても、このような効果が損なわれることはない。
なお、光デバイス100においては、上述したように、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aにおいて第2の媒質140に取り囲まれた部分から漏光が生じる。したがって、光デバイス100によって不要な光(例えば、第1の光ファイバ110のクラッドを伝播するクラッド光など)を十分に除去するためには、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aにおいて第2の媒質140に取り囲まれた部分の長さを十分に長くすることが好ましい。図1に示す構成において、(1)ファイバ軸に沿って測った第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aの長さを、ファイバ軸に沿って測った第1の光ファイバ110の外殻除去区間110Aの長さよりも長くし、(2)ファイバ軸に沿って測った第2の媒質140の長さを、ファイバ軸に沿って測った第1の媒質130の長さよりも長くしているのは、このためである。
〔第1の具体例〕
光デバイス100の特徴は、融着点近傍の構造にある。以下、光デバイス100の融着点近傍の構造の第1の具体例について、図2を参照して説明する。図2は、本具体例に係る光デバイス100の融着点近傍の構造を模式的に示す断面図である。
本具体例においては、第1の光ファイバ110として、ダブルクラッドファイバを用いる。すなわち、第1の光ファイバ110は、コア112、コア112を取り囲むインナークラッド114、インナークラッド114を取り囲むアウタークラッド116、及び、アウタークラッドを取り囲む被覆118により構成される。
コア112及びインナークラッド114の材料には、例えば、シリカガラス等が用いられる。また、アウタークラッド116及び被覆118の材料には、例えば、樹脂等が用いられる。外殻除去区間110Aにおいては、アウタークラッド116及び被覆118が除去され、インナークラッド114が最外殻構造となる。
第1の光ファイバ110において、インナークラッド114の屈折率は、コア112の屈折率よりも低く設定されている。これは、コア112に光を閉じ込めるためである。コア112に閉じ込められた状態で第1の光ファイバ110を伝播する光のことを、以下、「コア光」と記載する。また、第1の光ファイバ110において、アウタークラッド116の屈折率は、インナークラッド114の屈折率よりも低く設定されている。これは、インナークラッド114に光を閉じ込めるためである。インナークラッド114に閉じ込められた状態で第1の光ファイバ110を伝播する光のことを、以下、「クラッド光」と記載する。
また、本具体例においては、第2の光ファイバ120として、シングルクラッドファイバを用いる。すなわち、第2の光ファイバ120は、コア122、コア112を取り囲むクラッド124、及び、クラッド124を取り囲む被覆126により構成される。第2の光ファイバ120のコア122の直径は、第1の光ファイバ110のコア112のコアの直径と同一であり、第2の光ファイバ120のクラッド124の直径(外径)D2は、第1の光ファイバ110のインナークラッド114の直径(外径)D1よりも大きい。
コア122及びクラッド124の材料には、例えば、ガラス等が用いられる。また、被覆126の材料には、例えば、樹脂等が用いられる。外殻除去区間120Aにおいては、被覆126が除去され、クラッド124が最外殻構造となる。
第2の光ファイバ120において、クラッド124の屈折率は、コア122の屈折率よりも低く設定されている。これは、コア122に光を閉じ込めるためである。コア122に閉じ込められた状態で第2の光ファイバ120を伝播する光のことを、以下、「コア光」と記載する。
第1の光ファイバ110の外殻除去区間110Aは、側面全体が第1の媒質130に取り囲まれている。第1の媒質130は、外殻除去区間110Aにおける第1の光ファイバ110の最外殻構造であるインナークラッド114よりも屈折率が低い媒質である。このため、第1の光ファイバ110から第1の媒質130への光の漏出が生じることは殆どない。
特に、本具体例においては、第1の媒質130の屈折率を、第1の光ファイバ110のアウタークラッド116の屈折率以下にしている。このため、外殻除去区間110A外においてアウタークラッド116の作用によりインナークラッド114に閉じ込められる光は、外殻除去区間110A内において第1の媒質130の作用によりインナークラッド114に閉じ込められる。したがって、第1の光ファイバ110を伝播したクラッド光は、第1の光ファイバ110の側面から第1の媒質130に全く漏出することなく、第1の光ファイバ110の端面から第2の光ファイバ120のクラッド124に入射する。
また、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aは、先端部分の側面が第1の媒質130に取り囲まれると共に、先端部分以外の部分の側面が第2の媒質140に取り囲まれている。第1の媒質130は、外殻除去区間120Aにおける第2の光ファイバ120の最外殻構造であるクラッド124よりも屈折率が低い媒質である。このため、第2の光ファイバ120から第1の媒質130への光の漏出が生じることは殆どない。一方、第2の媒質140は、外殻除去区間120Aにおける第2の光ファイバ120の最外殻構造であるクラッド124よりも屈折率が高い媒質である。このため、第2の光ファイバ120から第2の媒質140への光の漏出が生じる。
次に、本具体例に係る光デバイス100において得られる効果を、図3を参照して説明する。ここでは、第2の光ファイバ120に向かって第1の光ファイバ110を伝播するコア光L1及びクラッド光L2に着目する。なお、第1の光ファイバ110を伝播するクラッド光L2としては、残留励起光(第1の光ファイバ110が増幅ファイバである場合)や、第1の光ファイバ110の融着点P側とは反対側の端面において、第1の光ファイバ110のインナークラッド114に入射した光などが想定される。
第1の光ファイバ110を伝播したクラッド光L2は、第1の光ファイバ110の側面から漏れ出すことなく、第2の光ファイバ120のクラッド124に入射する。これは、外殻除去区間110Aにおいて第1の光ファイバ110の側面全体が第1の媒質に取り囲まれていること、及び、融着点Pを構成する端面において第1の光ファイバ110のインナークラッド114が第2の光ファイバ120のクラッド124に包含されていることによる。
第2の光ファイバ120のクラッド124に入射したクラッド光L2は、第1の媒質130に漏出することなく第2の光ファイバ120を伝播した後、第2の光ファイバ120の側面から第2の媒質140に漏出する。これは、第1の媒質130の屈折率が、第2の光ファイバ120のクラッド124の屈折率よりも低いこと、及び、第2の媒質140の屈折率が、第2の光ファイバ120のクラッド124の屈折率よりも高いことによる。
また、第1の光ファイバ110を伝播したコア光L1の一部は、第2の光ファイバ120のクラッド124に入射する。第1の光ファイバ110を伝播したコア光L1が第2の光ファイバ120のクラッド124に入射するのは、主に、第1の光ファイバ110と第2の光ファイバ120との間に軸ずれが生じている場合である。このようにして第2の光ファイバ120のクラッド124に入射した光L3も、第1の媒質130に漏出することなく第2の光ファイバ120を伝播した後、第2の光ファイバ120の側面から第2の媒質140に漏出する。
以上のように、第1の光ファイバ110を伝播したコア光L1及びクラッド光L2は、第2の光ファイバ120のコア122に入射するものを除き、第2の光ファイバ120の側面から第2の媒質140に漏出する。すなわち、大径の第2の光ファイバ120の側面からエネルギー密度の低い漏光が第2の媒質140に入射することはあっても、小径の第1の光ファイバ110の側面からエネルギー密度の高い漏光が第1の媒質130に入射することはない。したがって、漏光によって生じ得る第1の媒質130の劣化が回避され、また、漏光によって生じ得る第2の媒質140の劣化が抑制される。
〔第2の具体例〕
次に、光デバイス100の融着点近傍の構造の第2の具体例について、図4を参照して説明する。図4は、本具体例に係る光デバイス100の融着点近傍の構造を模式的に示す断面図である。
本具体例に係る光デバイス100が第1の具体例に係る光デバイス100と相違する点は、以下の点である。すなわち、第1の具体例においては、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aが、直径が一定の円柱形状であったのに対して、本具体例においては、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aが、融着点Pから離間するに従って直径が徐々に小さくなるテーパ形状を有している点である。その他の点に関して、本具体例に係る光デバイス100は、第1の具体例に係る光デバイス100と同様に構成されている。
第1の光ファイバ110から第2の光ファイバ120のクラッド124に入射した光の大部分は、第1の媒質130に漏出することなく第2の光ファイバ120を伝播した後、第2の光ファイバ120の側面から第2の媒質140に漏出する。この際、第2の光ファイバ120の各部位において側面から漏出する漏光のエネルギーを比較すると、第1の媒質130と第2の媒質140との境界Bの近傍の部位において側面から漏出するエネルギーが最大となり、第1の媒質130と第2の媒質140との境界Bから遠い部位ほど側面から漏出する漏光のエネルギーが小さくなる。別の言い方をすると、第1の光ファイバ110から第2の光ファイバ120のクラッド124に入射した光は、第1の媒質130と第2の媒質140との境界Bの近傍(第2の媒質140側)において集中的に漏出する。
したがって、図4に示すように、第1の媒質130と第2の媒質140との境界Bにおける第2の光ファイバ120の直径D2を、第1の光ファイバ110の直径D1よりも大きくする構成を採用すれば、第2の光ファイバ120の側面から第2の媒質140に入射する漏光のエネルギー密度を十分に小さく抑えることができる。すなわち、第1の具体例に係る光デバイス100と同様、漏光によって生じ得る第2の媒質140の劣化を抑制することができる。また、図4に示すように、第2の光ファイバ120の直径が融着点Pから離間するに従って次第に小さくなる構成を採用すれば、第2の光ファイバ120の各部位において側面から漏出する漏光のエネルギー密度を均一化することができ、その結果、漏光によって生じ得る第2の媒質140の劣化をより効果的に抑制することができる。
なお、本具体例においては、図4に示すように、外殻除去区間120Aにおける第2の光ファイバ120の直径の最小値が外殻除去区間110Aにおける第1の光ファイバ110の直径D1よりも大きくしている。このため、第2の光ファイバ120のクラッド124を第1の光ファイバ110に向かって光が伝播する場合であっても、エネルギー密度の高い漏光が第2の媒質140に入射することがない。
〔第3の具体例〕
次に、光デバイス100の融着点近傍の構造の第3の具体例について、図5を参照して説明する。図5は、本具体例に係る光デバイス100の融着点近傍の構造を模式的に示す断面図である。
本具体例に係る光デバイス100が第1の具体例に係る光デバイス100と相違する点は、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aが、融着点Pから離間するに従って直径が徐々に大きくなるテーパ形状を有している点である。その他の点に関して、本具体例に係る光デバイス100は、第1の具体例に係る光デバイス100と同様に構成されている。
第1の光ファイバ110から第2の光ファイバ120のクラッド124に入射した光の大部分は、第1の媒質130に漏出することなく第2の光ファイバ120を伝播した後、第2の光ファイバ120の側面から第2の媒質140に漏出する。この際、第2の光ファイバ120の各部位において側面から漏出する漏光のエネルギーを比較すると、第1の媒質130と第2の媒質140との境界Bの近傍の部位において側面から漏出するエネルギーが最大となり、第1の媒質130と第2の媒質140との境界Bから遠い部位ほど側面から漏出する漏光のエネルギーが小さくなる。別の言い方をすると、第1の光ファイバ110から第2の光ファイバ120のクラッド124に入射した光は、第1の媒質130と第2の媒質140との境界Bの近傍(第2の媒質140側)において集中的に漏出する。
したがって、図5に示すように、第1の媒質130と第2の媒質140との境界Bにおける第2の光ファイバ120の直径D2を、第1の光ファイバ110の直径D1よりも大きくする構成を採用すれば、第2の光ファイバ120の側面から第2の媒質140に入射する漏光のエネルギー密度を十分に小さく抑えることができる。すなわち、第1の具体例に係る光デバイス100と同様、漏光によって生じ得る第2の媒質140の劣化を抑制することができる。
また、本具体例においては、図5に示すように、第1の光ファイバ110の外殻除去区間110Aの直径と、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aの直径とを、融着点Pにおいて一致させる構成を採用している。したがって、第1の光ファイバ110と第2の光ファイバ120との融着作業が容易になるという副次的効果を奏する。
〔第4の具体例〕
次に、光デバイス100の融着点近傍の構造の第4の具体例について、図6を参照して説明する。図6は、本具体例に係る光デバイス100の融着点近傍の構造を模式的に示す断面図である。
本具体例においては、第1の光ファイバ110として、トリプルクラッドファイバを用いる。すなわち、第1の光ファイバ110は、コア111、コア111を取り囲む第1クラッド113、第1クラッド113を取り囲む第2クラッド115、及び、第2クラッド115を取り囲む第3クラッド117を含んでいる。外殻除去区間110Aにおいては、第3クラッド117が除去され、第2クラッド115が最外殻構造となる。
また、本具体例においては、第2の光ファイバ120として、トリプルクラッドファイバを用いる。すなわち、第2の光ファイバ120は、コア121、コア121を取り囲む第1クラッド123、第1クラッド123を取り囲む第2クラッド125、及び、第2クラッド125を取り囲む第3クラッド127を含んでいる。外殻除去区間120Aにおいては、第3クラッド127が除去され、第2クラッド125が最外殻構造となる。
第2の光ファイバ120の第2クラッド123の外径、第1の光ファイバ110の第1クラッド113の外径、第1の光ファイバ110の第2クラッド115の外径、及び、第2の光ファイバ120の第2クラッド125の外径の間には、以下の大小関係がある。このため、第1の光ファイバ110の第2クラッド115は、融着点Pにおいて第2の光ファイバ120の第2クラッド125のみと交わりを有する。
第2の光ファイバ120の第1クラッド123の外径
<第1の光ファイバ110の第1クラッド113の外径
<第1の光ファイバ110の第2クラッド115の外径
<第2の光ファイバ120の第2クラッド125の外径
第1の光ファイバ110の外殻除去区間110Aは、側面全体が第1の媒質130に取り囲まれている。第1の媒質130は、外殻除去区間110Aにおける第1の光ファイバ110の最外殻構造である第2クラッド115よりも屈折率が低い媒質である。このため、第1の光ファイバ110から第1の媒質130への光の漏出が生じることは殆どない。
特に、本具体例においては、第1の媒質130の屈折率を、第1の光ファイバ110の第3クラッド117の屈折率以下にしている。このため、外殻除去区間110A外において第3クラッド117の作用により第2クラッド115に閉じ込められる光は、外殻除去区間110A内において第1の媒質130の作用により第2クラッド115に閉じ込められる。したがって、第1の光ファイバ110の第2クラッド115を伝播した光は、第1の光ファイバ110の側面から第1の媒質130に全く漏出することなく、第1の光ファイバ110の端面から第2の光ファイバ120の第2クラッド125に入射する。
また、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aは、先端部分の側面が第1の媒質130に取り囲まれると共に、先端部分以外の部分の側面が第2の媒質140に取り囲まれている。第1の媒質130は、外殻除去区間120Aにおける第2の光ファイバ120の最外殻構造である第2クラッド125よりも屈折率が低い媒質である。このため、第2の光ファイバ120の側面から第1の媒質130への光の漏出が生じることは殆どない。一方、第2の媒質140は、外殻除去区間120Aにおける第2の光ファイバ120の最外殻構造である第2クラッド125よりも屈折率が高い媒質である。このため、第2の光ファイバ120の側面から第2の媒質140への光の漏出が生じる。
本具体例に係る光デバイス100において、第1の光ファイバ110の第2クラッド115を伝播した光は、第2の光ファイバ120の第2クラッド125に入射した後、第2の光ファイバ120の側面から第2の媒質140に漏出する。すなわち、大径の第2の光ファイバ120の側面からエネルギー密度の低い漏光が第2の媒質140に入射することはあっても、小径の第1の光ファイバ110の側面からエネルギー密度の高い漏光が第1の媒質130に入射することはない。したがって、漏光によって生じ得る第1の媒質130の劣化が回避され、また、漏光によって生じ得る第2の媒質140の劣化が抑制される。
〔第5の具体例〕
次に、光デバイス100の融着点近傍の構造の第5の具体例について、図7を参照して説明する。図7は、本具体例に係る光デバイス100の融着点近傍の構造を模式的に示す断面図である。
本具体例においては、第1の光ファイバ110として、トリプルクラッドファイバを用いる。すなわち、第1の光ファイバ110は、コア111、コア111を取り囲む第1クラッド113、第1クラッド113を取り囲む第2クラッド115、及び、第2クラッド115を取り囲む第3クラッド117を含んでいる。外殻除去区間110Aにおいては、第3クラッド117が除去され、第2クラッド115が最外殻構造となる。
また、本具体例においては、第2の光ファイバ120として、トリプルクラッドファイバを用いる。すなわち、第2の光ファイバ120は、コア121、コア121を取り囲む第1クラッド123、第1クラッド123を取り囲む第2クラッド125、及び、第2クラッド125を取り囲む第3クラッド127を含んでいる。外殻除去区間120Aにおいては、第3クラッド127が除去され、第2クラッド125が最外殻構造となる。
第1の光ファイバ110の第1クラッド113の外径、第2の光ファイバ120の第2クラッド123の外径、第1の光ファイバ110の第2クラッド115の外径、及び、第2の光ファイバ120の第2クラッド125の外径の間には、以下の大小関係がある。このため、第1の光ファイバ110の第2クラッド115は、融着点Pにおいて第2の光ファイバ120の第1クラッド123及び第2クラッド125の双方と交わりを有する。
第1の光ファイバ110の第1クラッド113の外径
<第2の光ファイバ120の第1クラッド123の外径
<第1の光ファイバ110の第2クラッド115の外径
<第2の光ファイバ120の第2クラッド125の外径
第1の光ファイバ110の外殻除去区間110Aは、側面全体が第1の媒質130に取り囲まれている。第1の媒質130は、外殻除去区間110Aにおける第1の光ファイバ110の最外殻構造である第2クラッド115よりも屈折率が低い媒質である。このため、第1の光ファイバ110から第1の媒質130への光の漏出が生じることは殆どない。
特に、本具体例においては、第1の媒質130の屈折率を、第1の光ファイバ110の第3クラッド117の屈折率以下にしている。このため、外殻除去区間110A外において第3クラッド117の作用により第2クラッド115に閉じ込められる光は、外殻除去区間110A内において第1の媒質130の作用により第2クラッド115に閉じ込められる。したがって、第1の光ファイバ110の第2クラッド115を伝播した光は、第1の光ファイバ110の側面から第1の媒質130に全く漏出することなく、第1の光ファイバ110の端面から第2の光ファイバ120の第1クラッド123及び第2クラッド125に入射する。
また、第2の光ファイバ120の外殻除去区間120Aは、先端部分の側面が第1の媒質130に取り囲まれると共に、先端部分以外の部分の側面が第2の媒質140に取り囲まれている。第1の媒質130は、外殻除去区間120Aにおける第2の光ファイバ120の最外殻構造である第2クラッド125よりも屈折率が低い媒質である。このため、第2の光ファイバ120の側面から第1の媒質130への光の漏出が生じることは殆どない。一方、第2の媒質140は、外殻除去区間120Aにおける第2の光ファイバ120の最外殻構造である第2クラッド125よりも屈折率が高い媒質である。このため、第2の光ファイバ120の側面から第2の媒質140への光の漏出が生じる。
本具体例に係る光デバイス100において、第1の光ファイバ110の第2クラッド115を伝播した光は、第2の光ファイバ120の第1クラッド123に入射するものを除き、第2の光ファイバ120の第2クラッド125に入射した後、第2の光ファイバ120の側面から第2の媒質140に漏出する。すなわち、大径の第2の光ファイバ120の側面からエネルギー密度の低い漏光が第2の媒質140に入射することはあっても、小径の第1の光ファイバ110の側面からエネルギー密度の高い漏光が第1の媒質130に入射することはない。したがって、漏光によって生じ得る第1の媒質130の劣化が回避され、また、漏光によって生じ得る第2の媒質140の劣化が抑制される。
〔第1の適用例〕
次に、光デバイス100の第1の適用例として、ファイバレーザ装置への適用例を説明する。図8は、本適用例に係るファイバレーザ装置10の構成を模式的に示す図である。
図8に示すファイバレーザ装置10は、双方向励起の共振器型のファイバレーザ装置であって、増幅用光ファイバ16の双方向から入射された励起光によってレーザ光を増幅し、増幅されたレーザ光を光出射部11へと供給するための装置である。図8に示すように、ファイバレーザ装置10は、上記レーザ光の出射側から順に、光デバイス12、励起光源13、励起光結合器14、FBG(Fiber Bragg Grating)15、増幅用光ファイバ16、FBG17、励起光結合器18、及び励起光源19を備えて構成されている。
ファイバレーザ装置10においては、励起光源19から出射された励起光が、増幅用光ファイバ16に挿入された励起光結合器18を介して当該増幅用光ファイバ16のクラッド内へ入射する。また、励起光源13から出射された励起光が、増幅用光ファイバ16に挿入された励起光結合器14を介して当該増幅用光ファイバ16のクラッド内へ入射する。そして、増幅用光ファイバ16内へ入射された上記励起光は、増幅用光ファイバ16内を双方向に伝播する。
増幅用光ファイバ16は、上述の実施形態の第1の光ファイバ110に相当する、ダブルクラッドファイバである。増幅用光ファイバ16においては、当該増幅用光ファイバ16内を双方向に伝播する上記励起光によって、当該増幅用光ファイバ16のコア内を伝播するレーザ光が増幅される。増幅用光ファイバ16の出射側の端部には、上述の実施形態の第2の光ファイバ120に相当する、光ファイバOF1が融着接続されている。光ファイバOF1の出射側の端部は、光出射部11へと接続されている。これにより、増幅用光ファイバ16において増幅されたレーザ光は、上記光ファイバOF1を介して光出射部11へと伝播することとなる。
上記融着接続部には、上述の実施形態の光デバイス100に相当する、光デバイス12が設けられている。これにより、光出射部11に向かって増幅用光ファイバ16のインナークラッドを伝播する残留励起光、及び、共振器内の融着点において増幅用光ファイバ16のインナークラッドに入射したレーザ光を、光デバイス12によって除去することが可能になる。
〔第2の適用例〕
次に、光デバイス100の第2の適用例として、他のファイバレーザ装置への適用例を説明する。図9は、本適用例に係るファイバレーザ装置20の構成を模式的に示す図である。
図9に示す本実施例2のファイバレーザ装置20は、MOPA型のファイバレーザ装置であって、PA(Power amplifier)において、増幅用光ファイバ25の双方向から入射した励起光によって、MO(Master Oscillator)29から出射されたレーザ光を増幅し、増幅されたレーザ光を、その利用目的に応じて出射する光出射部21へと供給するための装置である。図9に示すように、本実施例2のファイバレーザ装置20は、上記レーザ光の出射側から順に、光デバイス22、励起光源23、励起光結合器24、増幅用光ファイバ25、励起光結合器26、励起光源27、光デバイス28、および、MO29を備えて構成されている。
このように構成されたファイバレーザ装置20においては、励起光源27から出射された励起光が、増幅用光ファイバ25に挿入された励起光結合器26を介して当該増幅用光ファイバ25内へ入射する。また、励起光源23から出射された励起光が、増幅用光ファイバ25に挿入された励起光結合器24を介して当該増幅用光ファイバ25内へ入射する。増幅用光ファイバ25のコアの入射側の端部には、上述の実施形態の第2の光ファイバ120に相当する、光ファイバOF3が融着接続されている。光ファイバOF3の入射側の端部は、MO29へと接続されている。これにより、MO29から出射されたレーザ光は、光ファイバOF3を介して、増幅用光ファイバ25のコア内に入射することとなる。
増幅用光ファイバ25は、上述の実施形態の第1の光ファイバ110に相当する、ダブルクラッドファイバである。増幅用光ファイバ25においては、当該増幅用光ファイバ25内を伝播する上記励起光によって、当該増幅用光ファイバ25のコア内を伝播するレーザ光が増幅される。増幅用光ファイバ25の出射側の端部には、上述の実施形態の第2の光ファイバ120に相当する、光ファイバOF2が融着接続されている。光ファイバOF2の出射側の端部は、光出射部21へと接続されている。これにより、増幅用光ファイバ25において増幅されたレーザ光は、上記光ファイバOF2を介して光出射部21へと伝播することとなる。
増幅用光ファイバ25と光ファイバOF2との融着接続部には、上述の実施形態の光デバイス100に相当する、光デバイス22が設けられている。これにより、光出射部21に向かって増幅用光ファイバ25を伝播する残留励起光を光デバイス22によって除去することが可能になる。
また、増幅用光ファイバ25を伝播する励起光は、入射側の端部に融着接続された光ファイバOF3にも入射し得る。このため、増幅用光ファイバ25と光ファイバOF3との融着接続部には、上述の実施形態の光デバイス100に相当する、光デバイス28が設けられている。これにより、MO29に向かって増幅用光ファイバ25を伝播する残留励起光を光デバイス28によって除去することが可能になる。
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、例えば、ファイバレーザ装置やファイバアンプ装置などの光増幅装置に好適に利用することができる。
100 光デバイス
110 第1の光ファイバ
110A 外殻除去区間(第1の区間)
112 コア
114 インナークラッド(第1の区間における最外殻構造)
116 アウタークラッド(外殻構造)
118 被覆(外殻構造)
120 第2の光ファイバ
120A 外殻除去区間(第2の区間)
122 コア
124 クラッド(第2の区間における最外殻構造)
126 被覆(外殻構造)
130 第1の媒質
140 第2の媒質
150 放熱体
152 溝
P 融着点
B 境界(第1の光ファイバと第2の光ファイバとの境界)
10 ファイバレーザ装置
20 ファイバレーザ装置

Claims (6)

  1. 端面を含む第1の区間において外殻構造が除去された第1の光ファイバと、
    端面を含む第2の区間において外殻構造が除去された第2の光ファイバであって、該端面が上記第1の光ファイバの上記端面と融着された第2の光ファイバと、
    上記第1の光ファイバの上記第1の区間における最外殻構造、及び、上記第2の光ファイバの上記第2の区間における最外殻構造よりも屈折率が低い第1の媒質であって、上記第1の区間の全体において上記第1の光ファイバの側面を取り囲む第1の媒質と、
    上記第2の光ファイバの上記第2の区間における最外殻構造よりも屈折率が高い第2の媒質であって、上記第2の区間の少なくとも一部において上記第2の光ファイバの側面を取り囲む第2の媒質と、を備え、光が上記第1の光ファイバから上記第2の光ファイバに向かって伝播する光デバイスにおいて、
    上記第1の光ファイバの上記第1の区間における上記最外殻構造と上記第2の光ファイバの上記第2の区間における上記最外殻構造とが、上記端面において交わりを有し、上記第1の媒質と上記第2の媒質との境界における上記第2の光ファイバの直径が、上記第1の区間における上記第1の光ファイバの直径よりも大きい、ことを特徴とする光デバイス。
  2. 上記第2の光ファイバの上記第2の区間は、直径が一定の円柱形状を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  3. 上記第2の光ファイバの上記第2の区間は、上記第1の光ファイバとの融着点から離間するに従って直径が小さくなるテーパ形状を有している、ことを特徴とする請求項1または2に記載の光デバイス。
  4. 上記第2の光ファイバの上記第2の区間は、上記第1の光ファイバとの融着点から離間するに従って直径が大きくなるテーパ形状を有している、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光デバイス。
  5. 溝が形成された放熱体を更に備え、
    上記第1の光ファイバの上記第1の区間及び上記第2の光ファイバの上記第2の区間は、上記放熱体の上記溝に収容されており、
    上記第1の媒質及び上記第2の媒質は、上記溝を満たす樹脂である、ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光デバイス。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の光デバイスを備えていることを特徴とするファイバレーザ装置。
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