JP5820033B1 - 微粉砕焙じ茶葉含有豆乳飲料の製造方法 - Google Patents

微粉砕焙じ茶葉含有豆乳飲料の製造方法 Download PDF

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【課題】容器詰豆乳飲料の加熱劣化臭を抑制し、豆乳に由来する青臭さや後残りするベタツキ感を抑制し、好ましい風味を有する新規な豆乳飲料を提供すること。【解決手段】豆乳に微粉砕焙じ茶葉を添加することにより、製造時の殺菌工程において発生する加熱劣化臭が抑制され、且つ、豆乳特有の青臭みや後に残るベタツキ感が低減された容器詰豆乳飲料が得られる。本発明の容器詰豆乳飲料は、コク味を有し、豆乳と焙じ茶の香味が一体となった、優れた風味を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、豆乳に微粉砕焙じ茶葉を添加することを特徴とする容器詰豆乳飲料の加熱劣化臭抑制方法、並びに微粉砕焙じ茶葉を添加することを特徴とする容器詰豆乳飲料の製造方法及び容器詰豆乳飲料に関する。
豆乳は、タンパク質やビタミン・ミネラル類、不飽和脂肪酸等の栄養素に加えて、イソフラボン、サポニン、レシチンなど機能性成分を多く含むため、健康を気にする消費者に注目され、年々消費量が伸びている。しかしながら、豆乳には大豆特有の青臭みや、飲んだ時に口に残るベタツキ感があり、独特の風味を苦手とする消費者は多い。そのため、一般的な豆乳飲料の多くには、果汁やコーヒー、ココア、抹茶など様々な風味原料を添加する場合が多い。しかしながら、そのような豆乳製品においても大豆由来の青臭みが残っていたり、豆乳特有の後残りするベタツキ感を有していたり、豆乳と風味原料とが調和がとれていないものであったりするため、消費者の嗜好に合った風味の良い豆乳飲料が望まれている。
上述した豆乳特有の好ましくない風味の改良については、いくつかの方法が提案されている。例えば、大豆由来の青臭みは、大豆に含まれるリポキシゲナーゼ等の酵素が脂質を酸化させることで発生するn−ヘキサノールやn−ヘキサナールが原因物質であることが知られているが、これらの成分の発生を抑制する方法として、大豆を無酸素下で磨砕する方法(特許文献1)や、ガレート型カテキンを大豆磨砕前に添加する方法(特許文献2)、ガレート型カテキンを安定剤とともに豆乳に添加する方法(特許文献3)などが報告されている。しかしながら、前記方法では、豆乳製造において煩雑な工程を含む必要がある。
また、発生した豆乳特有の青臭みをマスキングする方法としては、例えば、パラチノースの添加による風味改善(特許文献4)、スクラロースの添加による豆臭の緩和(特許文献5)、シソ抽出物添加による豆乳用呈味改善剤(特許文献6)などが知られている。しかしながら、従来技術では豆乳特有の青臭みのマスキングが不十分であったり、後残りするベタツキ感を抑制しきれていなかったり等、美味しさの点で改善の余地が残されている。
特許文献7には、香気成分である2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンを添加することによって豆乳の風味を阻害せずに豆乳臭をマスキングすることができることが開示されている。このように、風味改善剤や香料を添加する場合には、食品添加物として原材料名に記載する必要があり、消費者に敬遠される一因にもなりうる。
特開昭52−154545 特開2013−74802 特開2013−027347 特開2003−230365 特開2000−157193 特開2005−253348 特開2012−75352
豆乳飲料の風味改善に関しては上記のようにいくつかの方法が開示されているものの、これらの方法を利用しても依然として特有の不快な風味を抑制するまでには至っていない。本発明者らは、豆乳飲料特有の不快な風味の原因についての検討を行ったところ、容器詰め豆乳飲料を調製する過程で必要となる加熱殺菌工程において、従来から課題とされていた青臭みとは異なる不快な劣化臭が生じていることを発見した。この劣化臭は含硫揮発成分様の臭気を有しており、これが大豆特有の青臭みなどと合わさることで好ましくない風味を形成していると考えた。従って、本発明の目的は、容器詰豆乳飲料において、加熱殺菌時の劣化臭を抑制する方法と、加熱劣化臭が抑制された容器詰豆乳飲料の製造方法を提供することである。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、豆乳に微粉砕焙じ茶葉を添加して豆乳飲料を調製することにより、容器詰豆乳製造時の加熱殺菌工程において発生する豆乳由来の加熱劣化臭が抑制されることを見出した。同時に、大豆に由来する青臭みや後に残るベタツキ感が低減され、コク味が強調され、焙じ茶と豆乳の風味が調和して一体感に優れた飲料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)焙じ茶葉を粉砕して微粉末とした微粉砕焙じ茶葉を添加することを特徴とする、容器詰豆乳飲料の加熱劣化臭抑制方法である。
(2)微粉砕焙じ茶葉であることを特徴とする容器詰豆乳飲料の加熱劣化臭抑制剤である。
(3)微粉砕焙じ茶葉を豆乳に添加した後加熱殺菌することを特徴とする、容器詰豆乳飲料の製造方法であり、詳しくは、微粉砕焙じ茶葉を0.07〜2.0重量%添加することを特徴とする前記豆乳飲料の製造方法である。
(4)微粉砕焙じ茶葉を含有することを特徴とする容器詰豆乳飲料であり、詳しくは、微粉砕焙じ茶葉が0.07〜2.0重量%含まれることを特徴とする前記豆乳飲料である。
本発明によれば、容器詰豆乳飲料の製造における殺菌による加熱劣化臭を抑制されることに加え、大豆に由来する青臭みや後に残るベタツキ感が低減され、コクや厚みが豊かな、焙じ茶と豆乳の風味が調和した新たな風味の豆乳飲料を提供することができる。
本発明の「豆乳」とは、大豆から熱水等によりたん白質その他の成分を溶出させ、繊維質を除去して得られた乳状の飲料である。例えば、日本農林規格(JAS)によって定められている豆乳が挙げられる。また、「豆乳飲料」とは、大豆豆乳液、調製豆乳液、調製脱脂大豆豆乳液又は調製粉末大豆豆乳液に果実の搾汁、野菜の搾汁、乳又は乳製品、穀類粉末等の風味粉末等の風味原料を加えた乳状の飲料であって大豆固形分が4重量%以上(果実の搾汁の原材料に占める重量の割合が5重量%以上10重量%未満のものにあっては2重量%以上)であり、8重量%以上のものが好ましい。本発明の豆乳飲料の原料として市販の無調整豆乳や調製豆乳を使用することができる。
「焙じ茶」とは、茶樹(Camellia SinensisやCamellia Sinensis var. assamica、またはこれらの雑種)の葉、茎から製造された茶葉(例えば、煎茶、玉露、かぶせ茶、番茶、茎茶、釜炒緑茶等の不発酵茶)を強い火で焙って製造したものを意味する。例えば、「新茶業全書」(第8版、昭和63年10月1日、社団法人静岡県茶業会議所)p435、「茶の科学」(村松敬一郎編、朝倉書店1991年3月15日)p97に記載されている方法が挙げられ、160〜200℃で、茶葉がきつね色になるまで強火でほうじたものであり、香ばしい香りをもつのが特徴である。また、香ばしい香り、即ち焙焼香気成分とは、「緑茶・紅茶・烏龍茶の化学と機能」(中林敏郎他著 弘学出版株式会社1991年10月30日)p93〜96に記載されているように、ピラジン類、フラン類、ピロール類などが挙げられる。
本発明に用いる微粉砕焙じ茶葉は、焙じ茶を原料茶葉とする。市販の焙じ茶葉を用いてもよい。粉砕方法については所望の粒子径をもった粉末が得られれば特に限定されるものではなく、一般的に知られる粉砕機、例えば気流式粉砕機、機械式粉砕機、ボールミル、石臼等を用いて微粉末化すればよい。微粉砕焙じ茶葉の粒子径は特に規定されるものではないが、飲料特性向上の観点から、平均粒径が100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることが更に好ましい。
本発明における豆乳飲料では、焙じ茶の香り・味・微粉砕茶葉粒子が豆乳に添加されることが発明を完成させるのに肝要であり、抽出液やアロマでは、豆乳の不快味を解消し、コクや一体感のある味わいを付与するには不十分である。
本発明の豆乳飲料において、微粉砕焙じ茶葉の含有量は、終濃度、即ち豆乳飲料全体に対して0.07〜2.0重量%となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.1〜1.7重量%であり、更に好ましくは0.4〜1.2重量%である。0.07重量%未満では本発明の十分な効果、即ち加熱殺菌による劣化臭の抑制効果が得られず、2.0重量%よりも多い場合にはざらつきが口に残るため不適である。
本発明における「容器詰豆乳飲料」とは、缶、ビン、紙容器、チルドカップ、PETボトルなどの容器に詰められた豆乳飲料を意味する。容器は、流通形態により適宜選択することができる。
本発明における「容器詰豆乳飲料」は、大豆から得られる豆乳に微粉砕焙じ茶葉を添加して得られる調合液を加熱殺菌して無菌的に容器充填、または調合液を耐熱性容器に充填してからレトルト殺菌して得ることができる。
豆乳に微粉砕焙じ茶葉を添加する工程においては、前記微粉砕焙じ茶葉をそのままあるいはあらかじめ水等に分散させて豆乳に添加すればよく、加熱殺菌以前であれば添加のタイミングは限定されるものではない。微粉砕焙じ茶葉の添加に際しては、ミキサー等による撹拌や高圧ホモジナイザー処理を行うことで、粉末を分散させることができる。
また、本発明の容器詰豆乳飲料には、微粉砕焙じ茶葉を用いるが、同時に、焙じ茶葉を温水又は熱水で抽出した焙じ茶抽出液および/または焙じ茶抽出物を配合しても良い。
本発明の容器詰豆乳飲料には、調合時に所望により、消泡剤、増粘多糖類、糖質、果汁、野菜汁、茶類、コーヒー、アルコール類、酸味料、炭酸ガス、香料、着色料、食物繊維、コラーゲン、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸、油脂、乳化剤、安定剤、高甘味度甘味料(人工甘味料)等の任意成分を含有してもよい。これら任意成分を適宜選択することで、嗜好性の幅を広げることができる。容器詰豆乳飲料のpHは、豆乳本来の中性域pHであれば特に調製の必要はないが、pH調整剤などを利用してpH5〜9、好ましくは6〜8の範囲で適宜設定することにより安定した品質を得ることができる。
本発明の容器詰豆乳飲料は上記のようにして得られた調合液を加熱殺菌して容器に充填する、または容器に充填した後で加熱殺菌を行うことで製造される。本発明では、常温、チルドなどの流通に応じるため、高温(100℃以上)の加熱殺菌が必須である。殺菌処理方法については、殺菌をすることができれば特に限定されず、一般的に用いられている加熱殺菌方法を用いれば良い。
例えば、レトルト殺菌、UHT(Ultra High Temperature)殺菌などが挙げられる。殺菌温度及び時間は、豆乳飲料の品質劣化又は生産性を鑑み、100〜150℃で行うことが好ましい。加熱時間は、殺菌温度によって異なり、殺菌温度を上げると時間は短くなり、豆乳飲料の品質が保持できる。例えば、レトルト殺菌では、豆乳含有飲料を缶に充填して密封し、レトルト殺菌機により、121〜124℃、4〜40分間の加熱条件で行われる。また、UHT殺菌では、プレート式熱交換器などを用いて、好ましくは100〜150℃、より好ましくは105〜140℃の温度で、1〜120秒の加熱条件が行われる。UHT殺菌された豆乳含有飲料は、PETボトルやアセプティック紙容器に無菌充填され、密栓される。
本発明における加熱劣化臭とは、上記豆乳飲料製造時の加熱殺菌工程で生じる豆乳由来の不快臭を意味し、特に高温殺菌において発生しやすいが、本発明によれば高温殺菌した場合でも効果的に抑制することが可能であり、豆乳の優れた栄養機能を保持したまま、嗜好性の高い豆乳飲料を得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
1.微粉砕焙じ茶葉の調製
緑茶(秋冬番茶)を、ドラム焙煎機を用いて茶葉の品温が180℃に達するまで焙煎し、焙じ茶葉を得た。得られた焙じ茶葉をエアータグミル(ミクロパウテック(株)製)で粉砕した後、100メッシュの篩で未粉砕物や異物を除去し、平均粒径19.1μmの微粉砕焙じ茶葉を得た。粒子径の測定は、水を分散媒として、レーザー回折散乱式の粒度分布計(LMS−300((株)セイシン企業製)を用いて行い、体積基準での累積50%径を平均粒径として示した。
2.豆乳飲料の調製
(参考例1)
市販の無調整豆乳(めいらく製 大豆固形分10%)80g、砂糖10gを基本組成とし、加水して総量を200gとした後、溶液を撹拌し豆乳調合液を調製した。
(実施例1)
上記基本組成に微粉砕焙じ茶葉1gを添加し、加水して総量を200gとした後、溶液を撹拌し、超音波処理で十分に分散させて豆乳調合液を調製した。
(比較例1)
微粉砕焙じ茶葉に使用した原料茶葉と同じ焙じ茶葉10重量部に対して、80℃の熱水200重量部を注いで8分間抽出し、No.28生産用濾紙(アドバンテック東洋株式会社)で固液分離を行い、焙じ茶抽出液を得た。基本組成に焙じ茶抽出液を110g添加して総量を200gとした後、溶液を撹拌し、豆乳調合液を調製した。
(比較例2)
微粉砕焙じ茶葉に使用した原料茶葉と同じ焙じ茶葉100gを常圧下100℃で水蒸気蒸留を行い、100gの焙じ茶アロマ(留出液)を得た。基本組成に焙じ茶アロマ5.5gを添加し、加水して総量を200gとした後、溶液を撹拌し、豆乳調合液を調製した。
(比較例3)
基本組成に抹茶(石臼挽き宇治抹茶)を1g添加し、加水して総量を200gとした後、溶液を撹拌し、超音波処理で十分に分散させて豆乳調合液を調製した。
(比較例4)
2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン(東京化成工業株式会社)の1ppbエタノール溶液を調製し、基本組成に終濃度が1pptとなるよう0.2g添加し、加水して総量を200gとした後、溶液を撹拌し、豆乳調合液を調製した。
[試験例1]
実施例1及び参考例1の豆乳調合液を80℃に予備加熱して缶に充填し、レトルト殺菌機に入れ、100、105、110、115、120℃にそれぞれ達したところで缶を取り出した。得られた容器詰豆乳飲料は、冷却し、5名の専門パネルにより官能評価を行った。評価基準は以下に従い、採点結果(5名の平均)は表1に示した。
〈加熱劣化臭〉
+2;加熱劣化臭を全く感じない。
+1;加熱劣化臭をわずかに感じる。
0;加熱劣化臭を感じる。
−1;加熱劣化臭をかなり感じる。
−2;加熱劣化臭を著しく強く感じる。
表1より、加熱温度100℃以上において、微粉砕焙じ茶葉を添加した実施例1では、微粉砕焙じ茶葉を含まない参考例1と比較して、加熱劣化臭を抑制することがわかった。特に、加熱温度110℃以上では、顕著に抑制でき、微粉砕焙じ茶葉が加熱劣化臭抑制剤として有効であることがわかった。
[試験例2]
実施例1および比較例1〜4で示した豆乳調合液を80℃に予備加熱して缶に充填し、121℃で10分間のレトルト殺菌処理を行った。得られた容器詰豆乳飲料は、冷却し、4名の専門パネルによって下記評価基準に従い官能評価を行った。コントロールには、参考例1(微粉砕茶葉無添加)を同様に殺菌処理して容器詰豆乳飲料としたものを用いた。

点数評価:
〈加熱劣化臭〉
下記に示した5段階の基準で採点し、平均点を算出した。
+2;加熱劣化臭を全く感じない。
+1;加熱劣化臭をわずかに感じる。
0;加熱劣化臭を感じる。
−1;加熱劣化臭をかなり感じる。
−2;加熱劣化臭を著しく強く感じる。

〈大豆由来の青臭さ〉
コントロールと比較して7段階で下記に従い点数評価し、平均点を算出した。
+3:青臭みが非常に弱い
+2:青臭みが弱い
+1:青臭みがやや弱い
0:コントロールと同等
−1:青臭みがやや強い
−2:青臭みが強い
−3:青臭みが非常に強い

〈後切れの良さ、コク・厚み〉
後切れの良さとは、後に残るベタツキ感が低減された、すっきりとした後味のことを示す。
コントロールと比較して7段階で下記に従い点数評価し、平均点を算出した。
+3:非常に優れる
+2:優れる
+1:やや優れる
0:コントロールと同等
−1:やや劣る
−2:劣る
−3:非常に劣る

〈総合評価〉
各サンプルの総合評価は、下記の基準に従って実施した。
◎:全項目の評点が1.0以上
○:全項目の評点が0.5以上、1.0未満
△:全項目の評点が0.0以上、0.5未満
×:いずれかの項目の評点に負の値を含む
表2より、豆乳由来の加熱劣化臭は、実施例1の微粉砕焙じ茶葉添加でのみ、十分な抑制効果が認められることがわかった。また、実施例1は、参考例1と比較して豆乳特有の不快味が低減され、後切れがよく、コク・厚みが付与され、豆乳と焙じ茶が一体となった風味が優れた飲料であった。
比較例1の焙じ茶抽出液、比較例2の焙じ茶アロマの添加では、参考例1と比較して、一部の評価項目でわずかに効果はみられた。しかし、実施例1と比較した場合には、加熱劣化臭が残り、香りと味にもの足りなさや一体感のなさを感じさせるものであった。
豆乳飲料に公知の風味成分である抹茶を添加した比較例3、および焙じ茶の香りに寄与する香気成分を添加した比較例4では、実施例1と比較して十分な風味改善効果は得られなかった。
[試験例3]
表3の処方に従って、微粉砕焙じ茶葉を終濃度0.0〜2.0重量%となるように添加した豆乳調合液を調製した。豆乳調合液は、80℃に予備加温して缶に充填し、121℃で10分間のレトルト殺菌処理を行い、冷却後、4名の専門パネルによる官能評価を行った。評価基準は試験例2と同様であり、参考例1をコントロールとした。官能評価の結果は表3に示した。
表3に示す結果より、微粉砕焙じ茶葉を0.07以上2.0重量%以下添加した実施例2〜7の容器詰豆乳飲料は、加熱殺菌による劣化臭が抑制され、且つ大豆由来の青臭みが抑制され、後切れの良さやコク厚みが感じられる、優れた風味を有するものであった。また、実施例7に示した通り、平均粒径の異なる微粉砕焙じ茶葉を用いても、同様の効果を有することが確認された。
また、表3と同様に微粉砕焙じ茶葉を3.0重量%添加した豆乳飲料を調製したところ、加熱劣化臭は抑制されていたものの、ざらつきが強く飲用に適さなかった。
[試験例4]
表4の処方に従って豆乳調合液を調製し、130℃、30秒のUHT殺菌処理後PETボトルに充填した。得られた豆乳飲料は、冷却後、専門パネル6名による官能評価を行った。評価基準は試験例1と同様であり、参考例2(微粉砕焙じ茶葉無添加)をコントロールとした。表4に示した通り、微粉砕焙じ茶葉を添加した豆乳飲料では、加熱劣化臭が抑制されていた。
本発明は、豆乳特有の不快味および加熱劣化臭の発生を抑制し、且つ焙じ茶と豆乳がバランス良く調和した風味が良好な容器詰豆乳飲料の製造に利用可能である。

Claims (5)

  1. 微粉砕焙じ茶葉を添加することを特徴とする、容器詰豆乳飲料の加熱劣化臭抑制方法。
  2. 微粉砕焙じ茶葉であることを特徴とする容器詰豆乳飲料の加熱劣化臭抑制剤。
  3. 微粉砕焙じ茶葉を添加した後加熱殺菌することを特徴とする容器詰豆乳飲料の製造方法。
  4. 微粉砕焙じ茶葉の添加量が0.07〜2.0重量%である請求項3記載の容器詰豆乳飲料の製造方法。
  5. 平均粒径が20μm以下である微粉砕焙じ茶葉の含有量が0.07〜2.0重量%である大豆固形分4%以上の容器詰豆乳飲料。
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