JP5818968B2 - エラストマー組成物のための新規カップリング剤 - Google Patents

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Description

本発明は、エラストマー組成物のための新規カップリング剤に関する。特に、本発明は、エラストマー組成物における、ホスホネートまたはホスフィネート共役ジエン化合物等の特定の共役ジエン化合物の使用に関する。
エラストマー性物品のほとんどは、とりわけ種々の応力:例えば、ある動力学的状態における温度変動、非常に頻繁な応力変化;ある動力学的状態におけるかなりの静的応力および/または大きな応力疲労を受けやすい。そのような種類の物品は、例えば、タイヤ、靴底、床張り材、コンベヤーベルト、駆動ベルト、フレキシブルパイプ、シール、特に家電機器用のシール、エラストマー内部にある金属製電機子または油圧油のいずれかとともにエンジン振動抽出機として作用する支持材、ケーブルシース、ケーブルおよびケーブルカー用ローラーである。
そこで、好ましくは高分散性の「補強」充填剤と称される特定の無機充填剤で補強されたエラストマー性組成物を使用することが提案されてきた。これらの充填剤、特に沈降シリカ等の白色充填剤は、補強の観点から、従来のカーボンブラックに匹敵する、さらにはそれよりも良好となることができ、これらの組成物に、とりわけ使用中におけるエラストマー性物品の内部加熱の低減と同義である低ヒステリシスも提供する。
そのような補強無機充填剤を含有するエラストマー組成物においては、通常、結合剤とも呼ばれる無機充填剤−エラストマーカップリング剤を使用することが必要であり、その機能は、無機充填剤粒子(例えば沈降シリカ)の表面とエラストマーとの間における化学的および/または物理的性質の十分な接続を確実にし、同時にエラストマー性マトリックスにおけるこの無機充填剤の分散を容易にすることであると、当業者には公知である。
少なくとも二官能性であるそのようなカップリング剤は、例えば、簡易化した一般式「N−V−M」[式中、
− Nは、無機充填剤と物理的にかつ/または化学的に結合することができる官能基(官能基「N」)を表し、そのような結合は、ことによると、例えばカップリング剤のケイ素原子と無機充填剤の表面ヒドロキシル(OH)基(例えばそれがシリカである場合には表面シラノール)との間に確立され、
− Mは、例えば好適な原子または原子の群(例えば硫黄原子)を介してエラストマーと物理的にかつ/または化学的に結合することができる官能基(官能基「M」)を表し、
− Vは、「N」および「M」を接続させる(二価/炭化水素)基を表す]
を有する。
カップリング剤は、特に、公知の様式で無機充填剤に対して活性である官能基「N」を含み得るが、いずれの場合もエラストマーに対して活性である官能基「M」を欠いている、無機充填剤を覆うための単純な作用物質と混同されるべきではない。
カップリング剤、とりわけシリカ−エラストマーカップリング剤は、多数の先行技術文献において記述されており、最も周知されているのは、(ポリ)硫化シラン、特に(ポリ)硫化アルコキシシランである。これらの(ポリ)硫化シランの中でも、最も特定すれば、スコーチ安全性、使用の容易さおよび補強力の観点からシリカ帯電加硫物に最良の妥協を提供する生成物と現時点でみなされている、ビス−トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド(TESPTと略される)を挙げるべきであろう。
改質エラストマー組成物における、とりわけ高分散性を持つ沈降シリカと、ポリ硫化シラン(または官能化有機シラン化合物)との組み合わせ使用は、乗用車(軽自動車)用の「グリーンタイヤ」の開発を可能にした。この組み合わせは、転がり抵抗(それ故に燃料消費量の低減)および湿潤牽引力(それ故に濡れた道路における制動距離の低減)を有意に(significatively)増大させながら、カーボンブラックで補強されたエラストマー混合物のものと同程度の耐摩耗性をもたらした。
故に、大型車両(トラック等)用のタイヤ、イソプレンエラストマー(複数可)、主に天然ゴムとの組成物から取得されるタイヤにおいて、シリカのような無機充填剤も使用することに関心が集まるであろう。
しかしながら、天然ゴムのようなイソプレンエラストマーに適用される同じ組合せシリカ/ポリ硫化シランが、カーボンブラックを充填剤として用いて取得されたレベルと比較して十分な補強レベル(応力−一軸牽引伸長曲線によって例証され得る)をもたらさず、この補強の低減は不良な耐摩耗性をもたらした。
本発明の一つの目的は、特に、エラストマー、好ましくは天然ゴム等のイソプレンエラストマーを含むエラストマー組成物のための、特定のカップリング剤と充填剤との組み合わせを提供することである。
この組み合わせは、公知のカップリング剤の、公知の補強無機充填剤と共に用いる使用の代替案であり、レオロジー的、機械的および/または動的、特にヒステリシス特性等の特性の非常に満足な妥協を持つ前記エラストマー組成物も提供する。概して、この組み合わせは、妥協ヒステリシス/補強の改良をもたらし得る。さらに、取得されたエラストマー組成物は、好ましくは、補強無機充填剤および次いでそれらが適用される基板に対する良好な接着を有する。
より正確には、本発明は、好ましくはイソプレンエラストマー(複数可)をベースとする、例えば、トラック等の大型車両のタイヤにとりわけ好適な天然ゴムをベースとする、充填剤含有エラストマー組成物を提供する。これらのエラストマー組成物は、無機充填剤とエラストマー(複数可)との間のカップリング剤として作用する特定化合物を伴う無機充填剤を含む。
故に、第一の具体的な態様によれば、本発明の一つの主題は、エラストマー組成物における、下記の式(I)を有する化合物であって、場合により全体または一部が重合形態である式(I)の化合物:
Figure 0005818968
[式中、
*RはRまたはORであり、
*R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルおよびアルケニル基から独立に選択され、かつ
*RおよびRのそれぞれは、水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、シクロアルキル、アルケニル基、ならびにNa、LiおよびCaからなる群から選択される金属から独立に選択される]
を伴う無機充填剤の使用である。
エラストマー組成物は、好ましくは、少なくとも一つのイソプレンエラストマー、例えば天然ゴムを含む。
場合により全体または一部が重合形態である上記式(I)の化合物は、概して、とりわけ、無機充填剤とエラストマーとの間(典型的には無機充填剤とイソプレンエラストマーとの間、場合により無機充填剤と組成物中に存在する他のエラストマーとの間)のカップリング剤として使用される。
別の具体的な態様によれば、本発明は、本発明に従って使用される特定の組み合わせを実行している組成物、すなわち、(i)エラストマー、好ましくはイソプレンエラストマーと、(ii)無機充填剤と、(iii)上記した下記の式(I)を有する化合物であって、場合により全体または一部が重合形態である式(I)の化合物とを含む組成物に関する。
上記の式(I)によって描写される化合物は、共役ジエン化合物である。具体的な実施形態によれば、式(I)に適合する異なる共役ジエンの混合物が使用され得る。場合により、一つまたは(ore)複数の式(I)の化合物を、他の共役ジエン化合物と一緒に使用してよい。
式(I)の化合物(複数可)は、全体または一部が重合形態で使用され得る。本明細書によれば、語句「重合形態の式(I)の化合物」は、少なくとも一つの上記で定義した通りの式(I)のモノマーを含むモノマーの重合によって取得可能なポリマーを指す。このポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマー(例えばブロックまたはランダムポリマー)のいずれであってもよい。コポリマーの具体的な事例においては、
− 異なる性質の式(I)の化合物の重合によって(例えば任意の他のモノマーなしに)取得可能なポリマー;あるいは
− 一つまたは複数の式(I)の化合物と式(I)に適合しない他のモノマーとの重合によって取得可能なポリマーであってよく、例えば、前記他のモノマーは、
− 例えば、イソプレン、ブタジエンおよび/またはイソブチレン等の共役ジエン化合物;
− 例えば、芳香族ビニル化合物、ビニル化合物、ビニルニトリル、アリル化合物、アリルエステル、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルであってよい、不飽和化合物、とりわけエチレン系(ethylenically)、アリル系(allylically)および/またはビニル系(vinylically)不飽和化合物
から選択される。
典型的には、重合形態である式(I)の化合物は、低い重合指数を有するポリマー(いわゆる「オリゴマー」)、例えば、20未満、より好ましくは10未満の重合指数のポリマーである。本明細書における所与のポリマー集団の「重合指数」(「重合度」とも称される)という語句は、考えられる集団のポリマーに含有されるモノマー単位の平均数を指す。この「重合指数」は、とりわけ、H NMR分光分析法を使用することによって確立され得る。
例えば、重合形態の式(I)の化合物は、
− 式(I)のモノマーのホモポリマーであって、好ましくは10未満、より好ましくは5未満の重合指数を有する前記ホモポリマー;または
− それぞれが式(I)に適合する別個のモノマーからなる混合物の重合によって形成されるコポリマーであって、好ましくは10未満、より好ましくは5未満の重合指数を有する前記ポリマー
であってよい。
本発明に従って使用される式(I)の化合物は、
− 式(I)の単一化合物;
− 場合により非重合形態の同じ式(I)の化合物と混合した、式(I)の単一化合物のホモポリマー;
− 二つ以上の式(I)の化合物の混合物;
− 少なくとも一つの非重合形態の式(I)の化合物と、少なくとも一つの重合形態の式(I)の化合物とを一緒にした混合物であって、該重合形態の化合物(複数可)は、該非重合形態中に存在する化合物(複数可)と同一または同一ではない
の形態で使用され得る。
本発明の具体的な実施形態によれば、本発明に従って使用されるカップリング剤として有用な(usefull)化合物は、例えば下記の式(II):
Figure 0005818968
[式中、
− R、R、R、R、R、RおよびRは、上記で定義した通りであり;
− ポリマーの重合指数であるnは、20未満、例えば10未満、例えば1.2から7、とりわけ1.5から6であり;かつ
− RおよびRは、好ましくはHおよびアルキル基から選ばれる末端基である]
を有するポリマー(オリゴマー)である、少なくとも一つの重合形態の式(I)の化合物である、またはそれを含む。
式(II)のポリマーにおいて、nは、例えば2から5、とりわけ2.5から4.5、例えば3.8から4であってよい。
本発明に従って使用されるカップリング剤として有用な化合物は、式(II)の単一ポリマーまたは式(II)に適合する異なるポリマーの混合物を、場合により一つまたは複数の非重合形態の式(I)の化合物とともに含有し得る。
本明細書によれば、用語「アルキル」および「アルケニル」は、好ましくは1から24個の炭素原子、特に1から18個の炭素原子、例えば1から10個の炭素原子を含む基を描写している。
「アリール」基は、好ましくは、6から24個の炭素原子、特に6から18個の炭素原子、例えば6から10個の炭素原子を含む。
「アルカリル」および「アラルキル(aralkyle)」基は、好ましくは、7から24個の炭素原子、特に7から18個の炭素原子、例えば7から10個の炭素原子を含む。
シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル基は、好ましくは、3から24個の炭素原子、特に3から18個の炭素原子を含む。
具体的な実施形態によれば、R、R、R、R、R、RおよびRの二つは、一緒になって、好ましくは3から8員環から選択されるシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基を形成し得る。
式(I)または(II)の化合物は、一つまたは複数のキラル中心および/または二重結合を含有し得、従って、環状構造もしくは二重結合からのZおよびEもしくはシスおよびトランス異性体(すなわち幾何異性体)、回転異性体、鏡像異性体またはジアステレオマー等の立体異性体として存在し得る。したがって、キラル中心における立体化学が指定されていない場合、本明細書において描写されている化学構造は、立体異性的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、鏡像異性的に純粋またはジアステレオマー的に純粋)ならびに鏡像異性的および立体異性的混合物を含む、それらのキラル中心において考えられる立体配置をすべて包括し、例外として、一つのみの鏡像異性体が指定されている場合、構造は他の鏡像異性体も含む。例えば、本発明において開示されている式Iの化合物がPに近接する二重結合のZ形態またはトランス形態である事象において、当業者であれば、化合物のE形態またはシス形態も開示されることを理解するはずである。鏡像異性的および立体異性的混合物は、当業者に周知の分離技術またはキラル合成技術を使用して、それらの成分である鏡像異性体または立体異性体に分割され得る。
本発明の実施形態によれば、上記で定義した通りの式(I)または(II)において、RはHである。
本発明の実施形態によれば、上記で定義した通りの式(I)または(II)において、RはHである。具体的な実施形態によれば、RおよびRはいずれもHである。
本発明の実施形態によれば、上記で定義した通りの式(I)または(II)において、RはHである。とりわけその事例において、Rおよび/またはRはHであってよい。
本発明の具体的な実施形態によれば、上記で定義した通りの式(I)または(II)において、R、RおよびRはHである。
上記で定義した通りの式(I)または(II)において、Rはアルキル基、例えばメチルであってよい。
上記で定義した通りの式(I)または(II)において、Rはアルキル基、例えばメチルであってよい。
特定の実施形態によれば、式(I)または(II)において、RおよびRはいずれもメチルである。
特定の実施形態によれば、式(I)または(II)において、R、RおよびRは水素を表し、かつRおよびRはメチルを表す。
本発明の第一の変異形によれば、RはR基である。この変異形によれば、R=Rは好ましくはHである。その事例において、化合物または式(I)もしくは(II)は、ホスフィネート基を担持している。
この第一の変異形によれば、本発明に従って使用されるカップリング剤として有用な化合物は、とりわけ式IIIを有する化合物であって、場合により全体または一部が重合形態であるこの化合物:
Figure 0005818968
[式中、R、R、R、R、RおよびRは、独立に、水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルケニル基を表し;好ましくは、前記アルキル、アルケニルは1〜18個の炭素原子を含み、前記アリールは6〜18個の炭素原子を含み、前記アルカリル、アラルキルは7〜18個の炭素原子を含み、かつ前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルは3〜18個の炭素原子を含む]を含み得る。
好ましくは、Rおよび/またはRは水素を表す。
好ましくは、R、RおよびRは水素を表す;またはRおよびRはメチルを表す;より好ましくは、R、RおよびRは水素を表し、RおよびRはメチルを表す。
は、水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、シクロアルキル、アルケニル基、またはNa、Li、Caからなる群から選択される金属を表し、好ましくは、前記アルキル、アルケニルは1〜18個の炭素原子を含み、前記アリールは6〜18個の炭素原子を含み、前記アルカリル、アラルキルは7〜18個の炭素原子を含み、かつ前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルは3〜18個の炭素原子を含む。
一実施形態において、R、R、R、R、R、RおよびRの任意の二つは、一緒になって、好ましくは3〜8員環から選択されるシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基に形成される。
本発明に従って有用な式(III)の特定のホスフィネート化合物は、下記の式:
Figure 0005818968
を有する4−メチル−2,4−ペンタジエン−2−ホスフィン酸(PiDM)である。
上記の式(III)の化合物(例えばPiDM)は、とりわけ、α,β−もしくはβ,γ−不飽和ケトンまたはアルデヒドから、例えば、
式(I−1)または(II−1)
Figure 0005818968
を有するα,β−もしくはβ,γ−不飽和ケトンまたはアルデヒドを、式
Figure 0005818968
を有するホスフィン酸またはその誘導体と反応させて、上記で定義した通りの式(III)を有する化合物を取得するステップ
を含む方法によって調製され得る。
上記のプロセスは、少なくとも一つのP−H結合を持つホスフィネート化合物の反応の選択性を変化させて、α,βまたはβ,γ−不飽和カルボニル化合物から出発した場合には1,3−ジエン化合物を選択的に取得することを可能にする。
既存のいかなる理論にも縛られることを望まないが、上記の調製方法は、α,β−不飽和カルボニル化合物またはβ,γ−不飽和カルボニル化合物および両方の種からの出発が同じジエンの形成をもたらすか否かにかかわらず妥当である。
この方法によれば、化合物(I−1)または(II−1)は、好ましくは、前記ホスフィン酸またはその誘導体に対して0.5:1から2:1、あるいは好ましくは前記ホスフィン酸またはその誘導体に対して1:1から1.5:1のモル比で添加される。通常、反応は、トルエン、シクロヘキサンおよびブチルエーテルからなる群の一つまたは複数から選択される溶媒(複数可)等の有機溶媒中で行われる。反応時間は、概して4から24時間、例えば4〜8時間のままである。反応温度は、0℃から150℃、または好ましくは85℃から125℃のままである。
好ましくは、反応は、不活性ガス保護下で行われる。前記不活性ガスは、例えば、窒素、アルゴンおよび二酸化炭素からなる群の一つまたは複数から選択され得る。
例えば、メシチルオキシドは、その濃縮形態の次亜リン酸と反応して4−メチルペンタ−2,4−ジエン−2−ホスフィン酸を生じさせる。50%次亜リン酸を使用し、トルエンを共沸溶媒として使用して同じ反応を行い、反応中に水を除去することができる。標的モノマーは、単純な抽出および洗浄によって容易に単離および精製され、最大97%純度の生成物を取得することができる。
Figure 0005818968
上述したプロセスは、直接的に重合されて、両方の官能性がいくつかの有用な特性を提供することが周知であるホスフィネートおよびホスホネート基の両方を含有するポリマーを取得することができる、ホスフィネートおよびホスホネート化合物の混合物の形成を可能にする。
本発明に好適な不飽和ケトンおよびアルデヒドは、ケトンおよびアルデヒドのアルドール縮合から取得され得る。
例えば、米国特許第4,170,609号明細書によって教示されている通りのメチルイソブチルケトン(MIBK)の二量化。
Figure 0005818968
同様の様式で、ピナコロンのアルドール縮合は、高度に分岐した不飽和ケトン:
Figure 0005818968
を生み出す。
いくつかの市販の不飽和ケトンおよびアルデヒドを使用してもよい。これらは、溶媒として使用される重要な工業化学物質、例えばメシチルオキシド、他の商品および特殊化学製品の前駆体、例えばイソホロン、ならびにポリマー性材料のためのモノマー、例えばメチルビニルケトン(MVK)である。
Figure 0005818968
3−メチルクロトンアルデヒドは、ビタミン(Vitamine)Aの前駆体である。工業的に、これはイソブテンおよびホルムアルデヒドから生成される:
Figure 0005818968
魅力的なものは、クロトンアルデヒドであり得る。これは、香味付け(florvoring)のために使用される生物起源化合物である。再生可能資源、バイオエタノール:
Figure 0005818968
から生成され得る。
2−エチルアクロレイン、およびチグリン酸アルデヒドのその異性体は、香味剤の中間体である(米国特許第4605779号明細書):
Figure 0005818968
天然の不飽和ケトンおよびアルデヒド、例えば、ピペリトン、カルボン、ウンベルロン、メンテン−2−オン、メンテン−3−オン、ベルベノンおよびミルテナールを調製において使用してもよい。
Figure 0005818968
本発明の第二の変異形によれば、RはOR基である。この変異形によれば、Rは好ましくはHである。例えば、RおよびRはHである。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、好ましくは5、6、7および8員環から選択されるシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基を形成し得る。その事例において、化合物または式(I)もしくは(II)は、ホスホネート基を担持している。
この第二の変異形によれば、本発明に従って使用されるカップリング剤として有用な化合物は、とりわけ、全体または一部が重合形態である上記で定義した通りの式(I)を有する化合物を含み得、式中、
・ R、R、R、R、およびRは、独立に、水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはアルケニル基を表し;好ましくは、前記アルキルおよびアルケニルは1〜24個の炭素原子を含み、前記アリールは6〜24個の炭素原子を含み、前記アルカリル、アラルキルは7〜24個の炭素原子を含み、かつ前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルは3〜24個の炭素原子を含み;より好ましくは、前記アルキルおよびアルケニルは1〜18個の炭素原子を含み、前記アリールは6〜18個の炭素原子を含み、前記アルカリル、アラルキルは7〜18個の炭素原子を含み、かつ前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルは3〜18個の炭素原子を含む。好ましくは、この実施形態によれば、Rおよび/またはRは水素を表す。とりわけ、R、RおよびRは水素を表し得;または好ましくは、RおよびRはメチルを表す。より好ましくは、R、RおよびRは水素を表し、かつR、Rはメチルを表す。R、R、R、RおよびRの任意の二つは、一緒になって、好ましくは5、6、7および8員環から選択され得るシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基を形成し得る。
・ RはORであり、かつRおよびRは、独立に、水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、シクロアルキル、アルケニル基、またはNa、Li、Caからなる群から選択される金属を表す。好ましくは、前記アルキルおよびアルケニルは1〜24個の炭素原子を含み、前記アリールは6〜24個の炭素原子を含み、前記アルカリル、アラルキルは7〜24個の炭素原子を含み、かつ前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルは3〜24個の炭素原子を含む;より好ましくは、前記アルキル、アルケニルは1〜18個の炭素原子を含み、前記アリールは6〜18個の炭素原子を含み、前記アルカリル、アラルキルは7〜18個の炭素原子を含み、かつ前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルは3〜18個の炭素原子を含む。好ましくは、この具体的な実施形態によれば、RおよびRは水素を表す。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、好ましくは5、6、7および8員環から選択されるシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基を形成する。
この変異形による特定のホスホネート化合物は、下記の式:
Figure 0005818968
を有する4−メチル−2,4−ペンタジエン−2−ホスホン酸(PoDM)である。
他の興味深い化合物は、PoDMのホモポリマー、とりわけ下記の式:
Figure 0005818968
[式中、nは、好ましくは19より低く、とりわけ9より低く、例えば0.2から6、例えば0.5から5(典型的には1から4、例えば1.5から3.5、例えば2.9に等しい)である]
に適合するものである。
第二の変異形によるホスホネート化合物は、例えば、α,β−またはβ,γ−不飽和ケトンまたはアルデヒドから、上記で定義した通りの式(I−1)または(II−1)を有するα,β−またはβ,γ−不飽和ケトンまたはアルデヒドを、
構造
Figure 0005818968
[RおよびRは、式(I)において上記で定義した通りである]
を有する亜リン酸またはその誘導体と反応させるステップを含む方法によって調製され得る。
上記の方法によれば、化合物(I−1)または(II−1)は、好ましくは、前記亜リン酸またはその誘導体に対して1:1から1.5:1、あるいは好ましくは前記亜リン酸またはその誘導体に対して1:1から1.2:1のモル比で添加される。反応時間は、典型的には4から24時間、または好ましくは4〜8時間のままである。反応温度は、0℃から100℃、または好ましくは20℃から60℃のままである。
上記の反応は、場合により、不活性ガス保護の保護下で行われ得る。前記不活性ガスは、例えば、窒素、アルゴンおよび二酸化炭素からなる群の一つまたは複数から選択され得る。
既存のいかなる理論にも縛られることを望まないが、本発明の上記の調製方法は、α,β−不飽和カルボニル化合物またはα,γ−不飽和カルボニル化合物および両方の種からの出発が同じジエンの形成をもたらすか否かにかかわらず妥当である。
プロセスにおいて使用される不飽和ケトンおよびアルデヒドは、カルボニル化合物のアルドール縮合から取得され得る。
Figure 0005818968
本発明において使用される無機充填剤は、概して補強無機充填剤である。
シリカ、アルミナ、シリカおよび/またはアルミナで全体的にまたは部分的に覆われたカーボンブラック、あるいはこれらの種の混合物は、本発明において補強無機充填剤として使用され得る。
しかしながら、本発明の好ましい実施形態によれば、シリカ、より好ましくは沈降シリカが補強無機充填剤として使用される。
具体的な実施形態によれば、前記沈降シリカは高度に分散性である。そのため、特に、ポリマーマトリックスにおける崩壊および分散のための大容量を有し、これは、電子顕微鏡法または光学顕微鏡法によって薄片上で観察され得る。
概して、本発明において使用される沈降シリカは、70から300m/gのCTAB比表面積を有する。
このCTAB比表面積は、70から100m/g、例えば75から95m/gであってよい。
しかしながら、最も好ましくは、前記沈降シリカのCTAB比表面積は、100から300m/g、特に140から200m/g等の100から240m/gである。
概して、本発明において使用される沈降シリカは、70から300m/gのBET比表面積を有する。
このBET比表面積は、70から100m/g、例えば75から95m/gであってよい。
しかしながら、最も好ましくは、前記沈降シリカのBET比表面積は、100から300m/g、特に、140から200m/g等の100から240m/gである。
CTAB比表面積は、方法NF T45007(1987年11月)に従って決定される。BET比表面積は、NF T45007(1987年11月)に対応する“The Journal of the American Chemical Society”,Vol.60,page309(1938)において記述されているブルナウアー・エメット・テラー法に従って決定される。
沈降シリカは、例えば、
− 140から170m/gのCTAB比表面および140から180m/gのBET比表面、または
− 70から140m/g、特に70から100m/gのCTAB比表面および70から140m/g、特に70から100m/gのBET比表面、または
− 170から300m/g、特に180から220m/gのCTAB比表面および180から300m/g、特に185から230m/gのBET比表面
を有し得る。
沈降シリカの分散(および崩壊)のための容量は、超音波処理によって以前に崩壊したシリカ懸濁液に対して実施される粒径測定(レーザー散乱を使用)によって評価され;このようにしてシリカの崩壊性が測定される(物体の破裂は0.1から数十ミクロン)。超音波下での崩壊は、直径19mmのプローブを備えたビブラセルバイオブロック(VIBRACELL BIOBLOCK)(750W)音波変換器の助力により実施される。粒径測定は、シンパテック(SYMPATEC)粒径分析器でのレーザー散乱により、フラウンホーファ理論を実行することによって実施される。
2グラムのシリカを検体チューブ(高さ:6cmおよび直径:4cm)に量り分け、脱塩水を添加することによって最大50グラムにし;このようにして4%のシリカを含有する水性懸濁液を生成し、これを磁気撹拌によって2分間均質化する。次に、超音波下での崩壊を次の通りに実施する:プローブを深さ4cmまで浸漬し、次いでこれをその公称電力の80%で5分30秒間作動させる(振幅)。次いで、公知の体積V(mlで表現される)の均質化された懸濁液が、約20の光学密度を有するように粒径分析器のセルに導入された後に、粒径測定を行う。
取得される中位径φ50の値は、シリカの崩壊性が高くなるにつれて、比例的に小さくなる。
「超音波崩壊因子(F)」は、次の通りに算出される:
=10×V/粒径分析器によって検出された懸濁液の光学密度(この光学密度はおよそ20である)。
このF比は、粒径分析器によって検出されない0.1μmより小さい粒子の含有量を示す。この比は、シリカの崩壊のための容量が大きくなるにつれて、比例的に大きくなる。
本発明において使用される沈降シリカは、超音波による崩壊後、5μmより小さい、好ましくは4.5μmより小さい、より好ましくは4μm未満、最も好ましくは3.5μm未満、またはさらには3μmより小さい中位径(φ50)を有し得る。
本発明において使用される沈降シリカは、4.5mlよりも高い、特に5.5mlよりも高い、好ましくは9mlよりも高い、有利にも9mlよりも高い、例えば10mlよりも高い、さらには12.5mlよりも高い超音波崩壊因子Fを有し得る。
その上、本発明において使用される沈降シリカのpHは、概して6.3から8.0、例えば6.3から7.6の間である。
このpHは、ISO規格787/9に従って測定される通りのpH(水中5%の濃度の懸濁液のpH)である:
機器:
− 目盛り付きpH計器(読取精度1/100e)
− 複合ガラス電極
− 200mlビーカー
− 100mlガラスシリンダー
− 精密天秤(0.01gまで)
プロトコール:
5gのシリカを、ビーカー中、0.01g単位で秤量する。次いで、95mlの水(ガラスシリンダーで測定したもの)をシリカ粉末に添加する。そのようにして取得された懸濁液を10分間強くかき混ぜる(磁気撹拌)。次いでpHを測定する。
本発明において使用される沈降シリカは、任意の物理的状態であってよい、すなわち、前記沈降シリカは、マイクロパール(実質的に球状のビーズ)、粉末または顆粒の形態であってよい。
前記沈降シリカは、好ましくは少なくとも80μmの平均サイズを有する実質的に球状のビーズの形態であってよい。具体的な実施形態によれば、この平均サイズは少なくとも100μm、例えば少なくとも150μmであり;概して最大で300μmであり、好ましくは100から270μmの間にある。この平均サイズは、NF規格X11507(1970年12月)に従い、ドライスクリーニングおよび50%の累積オーバーサイズに対応する直径の決定によって決定される。
沈降シリカは、少なくとも3μm、特に少なくとも10μm、好ましくは少なくとも15μmの平均サイズを有する粉末の形態であってよく、後者は例えば15から60μmの間である。
沈降シリカは、顆粒の形態であってもよく(概して平行六面体形態を有する)、その寸法は、その最大寸法(長さ)の軸に沿って少なくとも1mm、特に1から10mmの間である。
上記で定義した通りの沈降シリカは、例えば、ケイ酸塩、特にアルカリ金属ケイ酸塩(ケイ酸ナトリウム等)と酸性化剤(硫酸等)との沈降反応によって調製され得る。沈降シリカの懸濁液がこのようにして取得され、次いで取得された沈降シリカを、特に濾過(濾過ケーキの生成による)によって分離する。次いで、概してスプレー乾燥による乾燥ステップである。沈降シリカの調製方法は、ケイ酸塩反応混合物中への酸性化剤の添加、または水およびケイ酸塩を含む反応混合物中への酸性化剤およびケイ酸塩の全体的もしくは部分的同時添加等、任意の方法によるものであってよい。
本発明において使用され得る沈降シリカの例としては、市販のシリカ、特にZ1165MPまたはZ1115MP等、高度に分散性のシリカを挙げることができる。
本発明において使用される沈降シリカは、例えば、欧州特許第0520862号明細書、欧州特許第0670813号明細書および欧州特許第0670814号明細書において記述されている方法を実行することによって調製され得る。
特定の実施形態によれば、本発明において使用される沈降シリカはアルミニウムを含み、好ましくは0.5重量%を超えるアルミニウム含有量を有する。
前記アルミニウム含有沈降シリカは、最大で7.0重量%、好ましくは最大で5.0重量%、特に最大で3.5重量%、例えば最大で3重量%を占め得る。
好ましくは、そのアルミニウム含有量は、0.75から4.0重量%、より好ましくは0.8から3.5重量%、特に0.9から3.2重量%、とりわけ0.9から2.5重量%または1.0から3.1重量%である。該含有量は、例えば、1.0から3.0重量%、または1.0から2.0重量%である。
アルミニウムの分量は、フッ化水素酸の存在下、水中へのシリカの添加後に、任意の好適な方法、例えばICP−AES(「誘導結合プラズマ発光分光分析法」)によって測定され得る。
概して、アルミニウムは沈降シリカの表面に見られるはずである。
アルミニウムが、四面体、八面体または五面体形態、特に四面体および八面体形態のいずれであったとしても、本発明において使用されるそのような沈降シリカでは、主に四面体形態である(このとき、アルミニウム種の50%超、特に少なくとも90%、および少なくとも95%が四面体形態である)。故に、結合は本質的にSiOAl型のものである。
アルミニウム含有沈降シリカは、沈降シリカについて上記で挙げたものと異なるパラメータを呈し得る。
数ある中でも、かつ好ましくは、このアルミニウム含有沈降シリカは高度に分散性である。
アルミニウム含有沈降シリカのDOP油取り込みは、300ml/100g未満となり得、例えば200から295ml/100gの範囲である。DOP値は、ISO787/5基準に従い、ジオクチルフタレート(dioctylphtalate)を使用して決定され得る。
本発明において使用され得るアルミニウム含有沈降シリカのパラメータの一つは、その細孔容積の分布、とりわけ、400Å以下の直径を持つ細孔によって発生する細孔容積の分布に存する場合がある。この容積は、エラストマーを補強するために行われる充填剤の有用な細孔容積である。
本発明の実施形態によれば、このアルミニウム含有沈降シリカは、175から275Åの間の直径を持つ細孔によって発生した細孔容積(V2)が、400Å以下の直径を持つ細孔によって発生した細孔容積(V1)の50%未満となるような細孔分布を有する。
本発明の別の実施形態によれば、アルミニウム含有沈降シリカは、175から275Åの間の直径を持つ細孔によって発生した細孔容積(V2)が、400Å以下の直径を持つ細孔によって発生した細孔容積(V1)の少なくとも50%(例えば50から60%の間)を表すような細孔分布を有する。
細孔容積および細孔径は、マイクロメリティクス(MICROMERITICS)オートポア(Autopore)9520ポロシメータを使用する水銀(Hg)ポロシメトリーによって測定され、130°に等しい接触角シータおよび484ダイン/cm(DIN66133規格)に等しい表面張力ガンマとのウォッシュバーン関係式によって算出される。
本発明の特定の実施形態によれば、本発明において使用されるアルミニウム含有沈降シリカは、0.5重量%を超えるアルミニウム含有量を有し、追加で下記の特徴:
− 140から200m/gの範囲のCTAB比表面積、
− 140から200m/gの範囲のBET比表面積、
− ことによると、300ml/100g未満のDOP油取り込み、
− 超音波崩壊後、3μm未満の中位径φ50、および
− 10mlを超える超音波崩壊因子F
を有し得る。
本発明のこの特定の実施形態において、そのようなアルミニウム含有沈降シリカは、例えば、175から275Åの間の直径を持つ細孔によって発生した細孔容積(V2)が、400Å以下の直径を持つ細孔によって発生した細孔容積(V1)の少なくとも50%、例えば50から60%の間を表すような細孔分布を有し得る。
別の特定の実施形態によれば、本発明において使用されるアルミニウム含有沈降シリカは、0.5重量%を超えるアルミニウム含有量を有し、追加で下記の特徴:
− 140から200m/gの範囲の(comprised)CTAB比表面積、
− 最終的に、300ml/100g未満のDOP油取り込み、
− 175から275Åの間の直径を持つ細孔によって発生した細孔容積(V2)が、400Å以下の直径を持つ細孔によって発生した細孔容積(V1)の50%未満を表すような細孔分布、および
− 超音波崩壊後、5μm未満の中位径φ50
を有し得る。
別の特定の実施形態によれば、本発明において使用されるアルミニウム含有沈降シリカは、0.5重量%を超えるアルミニウム含有量を有し、追加で下記の特徴:
− 140から200m/gの範囲のCTAB比表面積、
− 最終的に、300ml/100g未満のDOP油取り込み、
− 175から275Åの間の直径を持つ細孔によって発生した細孔容積(V2)が、400Å以下の直径を持つ細孔によって発生した細孔容積(V1)の少なくとも50%、例えば50から60%の間を表すような細孔分布、および
− 超音波崩壊後、5μm未満の中位径φ50
を有し得る。
アルミニウム含有沈降シリカは、例えば、欧州特許第0762992号明細書、欧州特許第0762993号明細書、欧州特許第0983966号明細書および欧州特許第1355856号明細書において記述されている通りのプロセスを実行することによって調製され得る。
好ましくは、本発明において使用され得るアルミニウム含有沈降シリカは、沈降シリカの懸濁液が取得されるケイ酸塩と酸性化剤との沈降反応、続いてこの懸濁液の分離および乾燥を含むプロセスによって調製され得、ここで、
− 沈降反応は、次の通りに行われる:
(i)ケイ酸塩および電解質を含む初期基剤ストック(initial base stock)が形成され、前記初期基剤ストック中のケイ酸塩濃度(SiOとして表現される)は100g/lより低く、前記初期基剤ストック中の電解質濃度は17g/lより低く、
(ii)酸性化剤を前記基剤ストックに、少なくともおよそ7の反応混合物のpH値が取得されるまで添加し、
(iii)酸性化剤およびケイ酸塩を反応混合物に同時に添加する
− 24重量%以下の固体含有量を有する懸濁液を乾燥させ、
前記プロセスは、三つの下記の(a)、(b)または(c)の動作:
(a)段階(iii)の後に、少なくとも一つのアルミニウム化合物Aを反応混合物に添加し、次いで、または同時に、塩基性剤を添加する、
(b)段階(iii)の後、または段階(iii)の代わりに、ケイ酸塩およびアルミニウム化合物Aを反応混合物に同時に添加する、
(c)段階(iii)は、酸性化剤、ケイ酸塩および少なくとも一つのアルミニウム化合物Bを反応混合物に同時に添加することによって行われる
の一つを含む。
概して、該当のプロセスは沈降シリカの合成のためのプロセスであること、つまり、酸性化剤は極めて特殊な条件でケイ酸塩と反応することに留意すべきである。
酸性化剤およびケイ酸塩の選定は、それ自体が周知の様式で為される。
概して用いられる酸性化剤は、硫酸、硝酸もしくは塩酸等の無機強酸、または酢酸、ギ酸もしくは炭酸等の有機酸である。
このプロセスにおいて使用される酸性化剤は、希釈されていても濃縮されていてもよく、その規定度は、0.4から36N、例えば0.6から1.5Nであってよい。
特に、酸性化剤が硫酸である事例において、その濃度は、40から180g/lの間、例えば60から130g/lの間であってよい。
さらに、ケイ酸塩として、メタケイ酸塩、二ケイ酸塩および有利にもアルカリ金属ケイ酸塩、とりわけケイ酸ナトリウムまたはカリウム等のケイ酸塩の任意の一般的形態を用いることが可能である。
ケイ酸塩は、40から330g/lの間、例えば60から300g/lの間の濃度(SiOとして表現される)を呈し得る。
概して、硫酸が酸性化剤として、ケイ酸ナトリウムがケイ酸塩として用いられる。
ケイ酸ナトリウムが用いられる事例において、後者は概して、2.5から4、例えば3.1から3.8のSiO/NaO重量比を呈する。
ケイ酸塩と酸性化剤との反応は、下記の段階による特定の様式で為される。
第一に、ケイ酸塩および電解質を含む基剤ストックを形成する(段階(i))。初期基剤ストック中に存在するケイ酸塩の分量は、有利にも、反応物に導入されるケイ酸塩の総量の一部を表しているにすぎない。
電解質という用語は、ここではその通常認められている意味で理解される、つまり、溶液中で分解または解離した際にイオンまたは荷電粒子を形成する任意のイオン性または分子性物質を表示する。言及され得る電解質は、アルカリおよびアルカリ土類金属塩の群からの塩、とりわけ、出発ケイ酸塩の金属および酸性化剤の塩、例えば、ケイ酸ナトリウムと硫酸との反応の事例においては硫酸ナトリウムである。
初期基剤ストック中の電解質濃度は、(0g/lより高く、かつ)17g/lより低い、好ましくは14g/lより低い。
初期基剤ストック中のケイ酸塩濃度(SiOとして表現される)は、(0g/lより高く、かつ)100g/lより低い。好ましくは、この濃度は、90g/lより低い、とりわけ85g/lより低い。
第二段階は、酸性化剤を、上述した組成物の基剤ストックに添加することにある(段階(ii))。
対応する反応混合物のpHの低下を引き起こすこの添加は、少なくともおよそ7、概して7から8の間のpH値に達するまで行われる。
所望のpH値に達したら、次いで、酸性化剤およびケイ酸塩の同時添加(段階(iii))を行う。
この同時添加は、好ましくは、pH値が段階(ii)の終わりに達した値と継続的に(±0.1以内まで)等しくなるように行われる。
このプロセスは、以前挙げた通りの三つの動作(a)、(b)または(c)、つまり:
(a)段階(iii)の後、少なくとも一つのアルミニウム化合物Aおよび、次いでまたは同時に、塩基性剤を反応混合物に添加し、プロセスにおいて使用される分離は、好ましくは濾過およびこの濾過によって生じたケーキの崩壊を含み、次いで、前記崩壊を、好ましくは少なくとも一つのアルミニウム化合物Bの存在下で実施する、
(b)段階(iii)の後、または代わりに、ケイ酸塩および少なくとも一つのアルミニウム化合物Aを反応混合物に同時に添加し、プロセスにおいて使用される分離は、好ましくは濾過およびこの濾過によって生じたケーキの崩壊を含み、次いで、崩壊を、少なくとも一つのアルミニウム化合物Bの存在下で実施する、あるいは
(c)段階(iii)の間に、酸性化剤、ケイ酸塩および少なくとも一つのアルミニウム化合物Bを反応混合物に同時に添加し、プロセスにおいて使用される分離は、好ましくは濾過およびこの濾過によって生じたケーキの崩壊を含み、次いで、崩壊を、ことによると少なくとも一つのアルミニウム化合物Bの存在下で実施する
の一つを含む。
上述した段階(i)、(ii)および(iii)に従って沈降を行った後、この調製のプロセスの第一の代替形態において(つまり、後者が動作(a)を含む場合)、下記の段階が有利にも実施される:
(iv)少なくとも一つのアルミニウム化合物Aを反応混合物に添加し(つまり、反応懸濁液またはスラリーを取得し)、
(v)好ましくは、6.5から10の間、特に7.2から8.6の間の反応混合物のpH値が取得されるまで、塩基性剤を反応混合物に添加し、
(vi)好ましくは、3から5の間、特に3.4から4.5の間の反応混合物のpH値が取得されるまで、酸性化剤を反応混合物に添加する。
段階(v)は、段階(iv)と同時に、または好ましくはその後に実行され得る。
段階(iii)の同時添加の後、反応混合物の熟成を実施してよく、この熟成は、例えば1から60分間、特に3から30分間持続することが可能である。
この第一の代替形態において、段階(iii)と段階(iv)との間、とりわけ前記任意選択の熟成の前に、追加分量の酸性化剤を反応混合物に添加することが望ましい場合がある。この添加は、概して、3から6.5の間、特に4から6の間の反応混合物のpH値が取得されるまで為される。
この添加中に用いられる酸性化剤は、概して、調製のプロセスの第一の代替形態の段階(ii)、(iii)および(vi)中に用いられるものと同一である。
反応混合物の熟成は、通常、段階(v)と(vi)との間に、例えば2から60分間、特に5から45分間、実施される。
同様に、反応混合物の熟成は、ほとんどの事例において、段階(vi)の後に、例えば2から60分間、特に5から45分間、実施される。
段階(iv)中に用いられる塩基性剤は、アンモニア水溶液、または好ましくは水酸化ナトリウムの溶液(またはソーダ)であってよい。
調製のプロセスの第二の代替形態において(つまり、後者が動作(b)を含む場合)、段階(iv)は、以前に記述した段階(i)、(ii)および(iii)の後に、または以前に記述した段階(iii)の代わりに実施され、この段階(iv)は、ケイ酸塩および少なくとも一つのアルミニウム化合物Aを、反応混合物に同時に添加することにある。
アルミニウム化合物Aが十分に酸性である場合のみ(例えば、この化合物Aが硫酸アルミニウムである場合)、段階(iii)を段階(iv)で置き換えることが実際に可能であり(しかし強制ではなく)、これは、段階(iii)および段階(iv)が単一段階を形成し、次いでアルミニウム化合物Aが酸性化剤として作用することを意味する。
段階(iv)の同時添加は、概して、pH値が段階(iii)または段階(ii)の終わりに達した値と継続的に(±0.1以内まで)等しくなるように行われる。
段階(iv)の同時添加の後、次いで、反応混合物の熟成を実施することが可能な場合があり、この熟成は、例えば2から60分間、特に5から30分間持続することが可能である。
この第二の代替形態において、段階(iv)の後、特に前記任意選択の熟成の後に、追加分量の酸性化剤を反応混合物に添加することが望ましい場合がある。この添加は、概して、3から6.5の間、特に4から6の間の反応混合物のpH値が取得されるまで為される。
この添加中に用いられる酸性化剤は、概して、調製のプロセスの第二の代替形態の段階(ii)中に用いられるものと同一である。
反応混合物の熟成は、通常、この酸性化剤の添加の後に、例えば1から60分間、特に3から30分間、実施される。
調製のプロセスにおいて用いられるアルミニウム化合物Aは(とりわけ二つの第一の代替形態について)、概して有機または無機アルミニウム塩である。
有機塩の例としては、とりわけ、酢酸、クエン酸、酒石酸またはシュウ酸の塩のようなカルボン酸またはポリカルボン酸の塩を挙げることができる。
無機塩の例としては、とりわけ、ハロゲン化物およびオキシハロゲン化物(塩化物およびオキシ塩化物のような)、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩ならびにオキシ硫酸塩を挙げることができる。
実際には、アルミニウム化合物Aは、溶液、概して水溶液の形態で用いられ得る。
硫酸アルミニウムは、好ましくはアルミニウム化合物Aとして用いられる。
調製のプロセスの第三の代替形態において(つまり、後者が動作(c)を含む場合)、段階(iii)は、以前に記述した段階(i)および(ii)の後に実施され、これは、酸性化剤、ケイ酸塩および少なくとも一つのアルミニウム化合物Bを、反応混合物に同時に添加することにある。
この同時添加は、概して、pH値が段階(ii)の終わりに達した値と継続的に(±0.1以内まで)等しくなるように行われる。
第三の代替形態において、段階(iii)の後に、追加分量の酸性化剤を反応混合物に添加することが望ましい場合がある。この添加は、概して、3から6.9の間、特に4から6.6の間の反応混合物のpH値が取得されるまで為される。
この添加中に用いられる酸性化剤は、概して、段階(ii)および(iii)中に用いられるものと同一である。
反応混合物の熟成は、通常、この酸性化剤の添加の後に、例えば1から60分間、特に3から30分間、実施される。
第三の代替形態において使用されるアルミニウム化合物Bは、概してアルカリ金属、とりわけアルミン酸カリウム、または好ましくはアルミン酸ナトリウムである。
反応混合物の温度は、概して70から98℃の間である。
ある実施形態によれば、反応は、75から96℃の間の一定温度で実施される。
別の(好ましい)実施形態によれば、反応の終わりにおける温度は、反応の始まりにおける温度よりも高い:故に、反応の始まりにおける温度は、好ましくは70℃から96℃の間に維持され、次いで該温度は数分間かけて、好ましくは最大80℃から98℃の間の値まで上昇し、この値で反応の終わりまで維持され;故に、動作(a)および(b)は通常、この一定温度で実施される。
先ほど記述した段階の終わりに、シリカスラリーが取得され、次いでこれを分離する(液体−固体分離)。
概して、この分離は、濾過(必要ならば続いて洗浄)および崩壊を含み、前記崩壊は、好ましくは少なくとも一つのアルミニウム化合物Bの存在下で(好ましくは、上記で言及した通りの二つの第一の代替形態で、ことによると第三の代替形態について)、かつ、ことによると、以前に記述したもの等の酸性化剤の存在下で(この事例においては、アルミニウム化合物Bおよび酸性化剤は同時に添加される)、実施される。
例えば、濾過ケーキをコロイドまたはビーズタイプのミルに通過させることによって行われ得る崩壊動作は、特に、懸濁液の粘度を低下させてその後乾燥させることを可能にする。
アルミニウム化合物Bは通常、アルミニウム化合物Aとは異なり、通常、アルカリ金属、とりわけアルミン酸カリウム、または極めて好ましくはアルミン酸ナトリウムにある。
この調製のプロセスにおいて用いられるアルミニウム化合物Aおよび適切ならばBの分量は、好ましくは、このようにして調製されたアルミニウム含有沈降シリカが、少なくとも0.5重量%のアルミニウム、特に、上記で挙げた通りのより好ましいアルミニウム含有量を含有するようなものである。
本発明による調製のプロセスにおいて使用される分離は、通常、任意の好適な方法を利用して、例えば、ベルト濾過器、回転真空濾過器、または好ましくは加圧濾過器を利用して実施される濾過(必要ならば洗浄を含む)を含む。
次いで、このようにして回収された沈降シリカの懸濁液(濾過ケーキ)を乾燥させる。
この調製のプロセスにおいて、この懸濁液は、その乾燥の直前、24重量%以下、好ましくは22重量%以下の固体含有量を呈するはずである。
この乾燥は、それ自体が公知である任意の方法に従って為され得る。
乾燥は、好ましくは噴霧化によって為される。この目的のために、任意の好適な種類の噴霧器、とりわけ、タービン、ノズル、液体圧または二流体噴霧器を用いてよい。概して、濾過が加圧濾過器で行われる場合、乾燥はノズル噴霧器を使用して為され、濾過が真空濾過器で行われる場合、乾燥はタービン噴霧器を使用して為される。
ノズル噴霧器を使用することによって取得できる沈降シリカは、概して、実質的に球状のビーズの形態である。
そのような乾燥の終わりに、回収された生成物に対するミリングの段階が開始され得る。次いで取得可能な沈降シリカは、概して粉末の形態である。
乾燥がタービン噴霧器で行われる場合、次いで取得される沈降シリカは、概して粉末の形態である。
最後に、上記で挙げた通りに乾燥(とりわけタービン噴霧器によって)またはミルされた生成物を、最終的に凝集段階に供してよく、該段階は、例えば、直接圧縮、湿式経路造粒(つまり、水、シリカスラリー等の結合剤の使用)、押出および好ましくは乾燥圧縮にある。この最後の技術が使用される場合、その中に含まれる空気を除去してより均一な圧縮を確実にするように、圧縮を始める前に粉状生成物を脱気すること(プレ緻密化(predensifying)または脱ガスとも呼ばれる動作)が有利であると分かり得る。
この凝集段階によって取得され得る沈降シリカは、概して顆粒の形態である。
無機充填剤、好ましくは沈降シリカ、および式(I)の共役ジエン化合物は、エラストマー組成物中において、それらの使用前に一緒に混合され得る。第一の態様において、式(I)の共役ジエン化合物は、前記無機充填剤にグラフトされない。第二の態様において、式(I)の共役ジエン化合物は、前記無機充填剤にグラフトされる。
それらは、エラストマー組成物中に別々に導入され得る。
式(I)の共役ジエン化合物および無機充填剤、好ましくは沈降シリカが使用されるエラストマー組成物は、そのような無機充填剤の少なくとも一回の回収を含有し得る。
その上、式(I)の共役ジエン化合物および無機充填剤、好ましくは沈降シリカが使用されているエラストマー組成物は、別の無機充填剤−エラストマーカップリング剤、特に、例えば:
− ビス−トリエトキシシリルプロピルジスルフィド(TESPD)
− ビス−トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド(TESPT)
− ビス−モノヒドロキシジメチルシリルプロピルテトラスルフィド
− ビス−モノエトキシジメチルシリルプロピルジスルフィド(MESPD)
− ビス−モノエトキシジメチルシリルプロピルテトラスルフィド(MESPT)
− ビス−モノエトキシジメチルシリルイソプロピルテトラスルフィド(MESiPrT)
等の硫化またはポリ硫化シランをことによると含有し得る。
しかしながら、好ましくは、エラストマー組成物は、式(I)の共役ジエン化合物に加えて、無機充填剤−エラストマーカップリング剤を含まない。
有利にも、本発明において使用されるエラストマー組成物は、少なくとも一つのイソプレンエラストマーを含む。
ある実施形態によれば、そのようなエラストマー組成物は、好ましくは、イソプレンエラストマー(複数可)以外のエラストマー(複数可)を含まなくてよい。
別の実施形態によれば、そのようなエラストマー組成物は、イソプレンエラストマー(複数可)に加えて、イソプレンエラストマー以外の少なくとも一つのエラストマーをことによると含み得る。特に、エラストマー組成物は、少なくとも一つのイソプレンエラストマー(例えば天然ゴム)およびイソプレンエラストマー以外の少なくとも一つのジエンエラストマーを含有し得、そのとき、エラストマー(複数可)の総量に対するイソプレンエラストマー(複数可)の量は、好ましくは、50重量%(概して99.5重量%未満、例えば70から99重量%の間)を超える。
本発明に従うエラストマー組成物に使用され得るイソプレンエラストマーは、より具体的には、
(1)イソプレンまたは2−メチル−1,3−ブタジエンの単独重合によって取得される合成ポリイソプレン;
(2)イソプレンと、
(2.1)4から22個の炭素原子を含有するイソプレン以外の共役ジエンモノマー、例えば、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン(またはクロロプレン)、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン;
(2.2)8から20個の炭素原子を含有する芳香族ビニルモノマー、例えば、スチレン、オルト−、メタ−またはパラ−メチルスチレン、市販の混合物「ビニルトルエン」、パラ−tert−ブチルスチレン、メトキシ−スチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン;
(2.3)3から12個の炭素原子を含有するビニルニトリルモノマー、例えば、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル;
(2.4)1から12個の炭素原子を含有する、アクリル酸またはメタクリル酸とアルカノールとから誘導されるアクリル酸エステルモノマー、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチルまたはメタクリル酸イソブチル;
(2.5)上述のモノマー(2.1)から(2.4)の数種の混合物;
から選ばれる一つまたは複数のエチレン系不飽和モノマーとの共重合によって取得される合成ポリイソプレンであって、
20から99重量%の間のイソプレン単位ならびに80から1重量%の間のジエン、芳香族ビニル、ビニルニトリルおよび/またはアクリル酸エステル単位を含有し、かつ、例えば、ポリ(イソプレン−ブタジエン)、ポリ(イソプレン−スチレン)およびポリ(イソプレン−ブタジエン−スチレン)からなるポリイソプレンコポリマー;
(3)天然ゴム;
(4)イソブテンおよびイソプレン(ブチルゴム)の共重合によって取得されるコポリマー、ならびにこれらのコポリマーのハロゲン化バージョン、特に塩素化または臭素化バージョン;
(5)上述のエラストマー(1)から(4)の数種の混合物;
(6)50重量%超(好ましくは99.5重量%未満、例えば70から99重量%)の上述のエラストマー(1)または(3)、および50重量%未満(好ましくは0.5重量%超、例えば1から30重量%)のイソプレンエラストマー以外の一つまたは複数のジエンエラストマーを含有する混合物
から選ばれる。
語句「イソプレンエラストマー以外のジエンエラストマー」は、公知の通り、例えば:項目(2.1)において上記で定義した共役ジエンモノマーの一つの重合によって取得されるホモポリマー、例えばポリブタジエンおよびポリクロロプレン;上述の共役ジエン(2.1)の少なくとも二つの互いの共重合によって、あるいは上述の共役ジエン(2.1)の一つまたは複数と上述の不飽和モノマー(2.2)、(2.3)および/または(2.4)の一つまたは複数との共重合によって取得されるコポリマー、例えばポリ(ブタジエン−スチレン)およびポリ(ブタジエン−アクリロニトリル);3から6個の炭素原子を含有するα−オレフィンのエチレンと6から12個の炭素原子を含有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって取得される三元コポリマー、例えば、エチレンまたはプロピレンと、とりわけ1,4−ヘキサジエン、エチリデン−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン(EPDMエラストマー)等の上述の種類の非共役ジエンモノマーとから取得されるエラストマーを意味する。
優先的に使用されるのは、
(1)合成ポリイソプレンホモポリマー;
(2)ポリ(イソプレン−ブタジエン)、ポリ(イソプレン−スチレン)およびポリ(イソプレン−ブタジエン−スチレン)からなる合成ポリイソプレンコポリマー;
(3)天然ゴム;
(4)ブチルゴム;
(5)上述のエラストマー(1)から(4)の混合物;
(6)50重量%超(好ましくは99.5重量%未満、例えば70から99重量%)の上述のエラストマー(1)または(3)、ならびに50重量%未満(好ましくは0.5重量%超、例えば1から30重量%)の、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリ(ブタジエン−スチレン)、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)およびターポリマー(非共役エチレン−プロピレン−ジエンモノマー)からなる、イソプレンエラストマー以外のジエンエラストマーを含有する混合物
から選ばれる一つまたは複数のイソプレンエラストマーである。
より優先的に使用されるのは、(1)合成ポリイソプレンホモポリマー;(3)天然ゴム;(5)上述のエラストマー(1)および(3)の混合物;(6)50重量%超(好ましくは99.5重量%未満、例えば70から99重量%)の上述のエラストマー(1)または(3)、ならびに50重量%未満(好ましくは0.5重量%超、例えば1から30重量%)の、ポリブタジエンおよびポリ(ブタジエン−スチレン)からなる、イソプレンエラストマー以外のジエンエラストマーを含有する混合物から選ばれる一つまたは複数のイソプレンエラストマーである。
好ましい実施形態によれば、エラストマー組成物は、少なくとも天然ゴムを、さらには天然ゴムのみをイソプレンエラストマーとして含む。
別の好ましい実施形態によれば、エラストマー組成物は、天然ゴムのみをエラストマーとして含む。
本発明に従って行われるエラストマー組成物は、エラストマー組成物の分野において通常使用される他の補助添加剤および構成要素も含有し得る。
故に、下記の他の構成要素および添加剤のすべてまたはいくつかが使用され得る:硬化剤(硫黄および硫黄供与化合物、例えばチウラム誘導体等);硬化促進剤(例えばグアニジンまたはチアゾール誘導体);硬化活性剤(例えば、組成物の調製中に順次添加され得る、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛および酸化亜鉛);カーボンブラック;保護剤(例えば酸化防止剤および/またはオゾン発生防止剤(antiozonizers)、例えばN−フェニル−1−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン);戻り防止剤(antireversion agents)、例えばヘキサメチレン−1,6−ビス(チオ硫酸塩)または1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン;ならびに可塑剤。
本発明に従う使用によって取得されるエラストマー組成物は、有効量の式(I)の共役ジエン化合物を含有する。
より詳細には、本発明からのエラストマー組成物は、(重量部で)エラストマー(複数可)100部当たり:
10から200部、特に20から150部、例えば30から110部または30から75部の無機充填剤、好ましくは沈降シリカ;
1から20部、特に2から20部、例えば2から12部または2から10部の式(I)の共役ジエン化合物
を含み得る。
好ましくは、特に上記で挙げた(above−emntioned)範囲内で選ばれた式(I)の共役ジエン化合物の使用量は、概して、無機充填剤の使用量に対して1から20重量%、特に2から15重量%、例えば4から12重量%を表すように決定される。
本発明に従って行われ、本発明の目的の一つでもあるエラストマー組成物は、任意の標準的な手順に従って、特に二相で調製され得る。第一相(「非生産的ステップ」として公知である)は、高温における熱機械的作業の相である。これに、概して110℃より低い温度における機械的作業(「生産的ステップ」として公知である)の第二相が続き、ここで硬化系が添加される。
本発明に従って(行われる)エラストマー組成物は、靴底、床張り材、ガス障壁システム、難燃性材料、ケーブルカーローラー、家電機器用のシール、液体もしくはガス管用のシール、ブレーキ系用のシール、(フレキシブル)パイプ、シース(特にケーブルシース)、ケーブル、モーターサポート、コンベヤーベルト、駆動ベルト、または、好ましくは、タイヤ(特にタイヤトレッド)、ならびに有利にも(特にエラストマー組成物が少なくとも一つのイソプレンエラストマーを含有する場合)、トラック等の大型車両用のタイヤに使用され得る。
本発明は、少なくとも一つの本発明によるエラストマー組成物を含む仕上げ(加工)または半仕上げ(半加工)物品(とりわけ、少なくとも一つのイソプレンエラストマー、例えば天然ゴムを含有する場合)、特に上記で挙げた物品にも関する。
本発明は、とりわけこの組成物が少なくとも一つのイソプレンエラストマー、例えば天然ゴムを含有する場合に、エラストマー組成物が、タイヤ(例えばタイヤトレッド)、特に大型車両用のタイヤを対象としたものである、上記で定義した通りの使用にも関する。
本発明は、上記で定義した通りの組成物を含む固体物品、とりわけ形状化または成形エラストマー性物品にも関し、前記物品は、とりわけ組成物が少なくとも一つのイソプレンエラストマー、例えば天然ゴムを含有する場合、例えばタイヤ、特に大型車両用のタイヤ、例えばトラックタイヤである。
下記の例は、本発明による有用ないくつかのカップリング剤の典型的な例証を記すものである。
実施例1
500mlのフラスコに、66gのHPO(水中50%)を添加し、49gのメシチルオキシドおよび100mlのトルエンを添加した。混合物を窒素下で24時間加熱還流した。31P NMRは、82.6%のHPOが反応し、6時間の水の共沸蒸留後、4−メチル−2,4−ペンタジエン−2−ホスフィン酸(PiDM)が他の微量不純物とともに68.5%選択性で取得されたことを示した。反応を24時間続けて、HPOの97.3%変換および4−メチル−2,4−ペンタジエン−2−ホスフィン酸(PiDM)への44.4%選択性を得た。反応混合物を室温まで冷却し、残った溶媒をロータリーエバポレータで除去した。残留物を200mlのジクロロメタンに溶解し、溶液を100mlの水で三回洗浄した。合わせたジクロロメタン相を無水NaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させて、46.5gの黄色粘性油を粗収率63.7%および純度71%PiDMで生み出した。
実施例2
窒素下で保護した1Lの三口丸底フラスコに、107.8gのメシチルオキシド、132gのHPO(50%)および400mlのトルエンを投入した。この系を窒素でフラッシュし、加熱還流した。水をトルエンとの共沸混合物として留去した。すべてのHPOが消費されたことを31P NMRが示すまで、反応を20時間続けた。反応混合物を室温まで冷却し、400mlの水で洗浄し、次いで希釈したNaOH溶液で抽出した。次いで、水相を4N HClでpH1に酸性化し、50mlのジクロロメタンで逆抽出した。有機相を収集し、無水(anyhydrous)NaSOで乾燥させ、蒸発させて、68.5gの鮮黄色油を得た。31P NMRは、89.7モル%が粗収率46.9%のPiDMであることを示した。
実施例3
ポリマーは、実施例2からの精製されたPiDMの室温での重合によって取得された。ポリマーをトルエンからの沈降によって単離した。このようにPiDM40gを100mlのトルエンに溶解した。0.1gのAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を、窒素雰囲気下、80℃で3時間かけて、三回に分けて投入した。同じ温度でさらに1時間撹拌した後、次いで沈降物を濾過し、乾燥させて、30gの淡黄色固体ポリマーを取得した。ポリマーを10%NaOH溶液中で2日間硬化させ、それにより水膨張ゲルに変化させてよい。
実施例4
真空下、50℃で4時間乾燥させた10gの亜リン酸および14.2gのメシチルオキシドの混合異性体を、フラスコ中28℃で混合した。混合物は黒色に変化し、31P NMRは、亜リン酸の90%が反応したことを示した。次いで、24.7gの無水酢酸を45分間かけて混合しながらゆっくり添加し、その間、温度を約28℃に保った。混合物を48℃に4時間加熱した。PoDMおよびその無水物誘導体に対する86%選択性とともに、98%のHPO変換が観察された。
実施例5
POを、真空下、50℃で約4時間乾燥させた。10gの乾燥HPOおよび12.43gのメシチルオキシドを、フラスコ中、28〜30℃で混合した。次いで、24.7gの無水酢酸を50分間かけて混合しながらゆっくり添加し、その間、反応温度を30℃未満に保った。混合物をこの温度で4時間撹拌し続けた。31P NMRは、HPOの81.2%変換ならびにPoDMおよびその無水物誘導体に対する86%選択性を示した。
実施例6
一口100ml丸底フラスコに、10gの実施例5からのPoDmモノマーを添加した。モノマーを100℃に加熱し、5時間エージングさせた。エージングステップが完了したら、フラスコを室温に冷却した。H NMRによる分析は、PoDMの87%がオリゴマー形態に変換されたことを明らかにした。
上記の実施例において調製される通りの化合物は、とりわけ、沈降シリカ等の無機充填剤と、例えば天然ゴムのようなエラストマー性ポリマーとの間のカップリング剤として使用され得る。
適用実施例
内部ミキサー(ブラベンダー(Brabender)−70ml)中で下記のゴム組成物を調製した。構成は、ゴム100重量部当たりの重量部(またはphr)で表現されている。表Iは組成を記すものである:
Figure 0005818968
説明文:
(1)天然ゴムSMR5−CV60(サフィックアルカン(Safic−Alcan)供給)
(2)高度に分散性のシリカZ1165MP(ロディア(Rhodia)供給)
(3)カップリング剤:4−メチル−2,4−ペンタジエン−2−ホスフィン酸(PiDM)
(4)N−1,3−ジメチルブチル−N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン(フレキシス(Flexsys)製サントフレックス(Santoflex)6−PPD)
(5)2,2,4−トリメチル−1H−キノリン(フレキシス製パーマナックス(Permanax)TQ)
(6)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド(ラインケミー(RheinChemie)製レノグラン(Rhenogran)CBS−80)
1)ゴム組成物の調製
エラストマー性組成物を産生するためのプロセスは、二つの逐次段階で始まる。第一段階は、非生産的段階(NP)と呼ばれる高温での熱機械的ステップである。第二段階は、生産的段階(P)と呼ばれる、加硫パッケージ(硫黄、促進剤等)を導入するためのより低温(典型的には110℃未満)での熱機械的ステップである。
第一段階は、内部ミキサー(容量70mlのブラベンダー)という名称の混合器具を用いて産生される。充填因子は0,75である。150〜170℃付近のダンプ温度(dump temperature)に達するために、初期温度およびロータースピードは毎回固定されている。
ここでは二つのステップに分割され(Fractioned)、第一ステップ(NP1)においてエラストマーを、次にカップリング剤およびステアリン酸を用いて(分配された)補強充填剤を組み込むことができる。この持続時間は、4から10分の間である。
ゴム化合物の冷却(100℃未満の温度)後、第二ステップ(NP2)により酸化亜鉛、酸化防止剤(例えば6−PPD)を導入させる。持続時間は2から5分の間である。
ゴム化合物の冷却(100℃未満の温度)後、第二段階(P)により、加硫パッケージ(硫黄、促進剤等)を導入させる。ここではオープンミル(初期温度50℃)で産生され、持続時間は2から6分の間である。
次に、厚さ2〜3mmのゴムシート下で、最終ゴム化合物をカレンダ加工する。
グリーン化合物と呼ばれるこれらのゴム化合物について、それらのレオロジー特性の評定により、加硫の持続時間および温度を最適化させる。
次に、硬化させたゴム化合物について機械的および動力学的特性を評定し、最適時間(t98)で加硫処理する。
2)ゴム化合物のレオロジー
グリーン化合物に対して実験をする。表IIにおいて、レオロジー挙動に関するすべての結果は共通である。器具はMDR型(モンテック(Montech)製DMDR3000)であり、温度150℃で30分間、規格DIN53529に準拠する。
曲線(弾性トルク−S’−持続時間の関数)から、いくつかの特定の値を抽出する。
− 最小トルク(mT)、単位:dN.m、
− 最大トルク(MT)、単位:dN.m、
− スコーチ時間(ts2)、単位:分、これは、最小トルクについて2ポイントの増大を有する持続時間に関連している、
− 最適時間(t98)、単位:分、加硫の98%が完了した場合の持続時間。この持続時間は、ここではグリーンゴム化合物を加硫処理する(vulcanizate)ために使用される。
すべての結果を表IIにまとめる。
Figure 0005818968
本発明において使用される新規カップリング剤(実施例A)は、加硫における挙動を劣化させず、標準に対する比較を表現した場合、より大きいスコーチ時間(より大きいTS2)およびより低い最適時間(t98)での加硫のより良好な制御を有することを可能にする。
3)硬化させたゴム化合物の機械的特性:
150℃および最適時間(t98)で加硫処理したエラストマー性組成物について測定をする。
引張試験では、機械的特性は、INSTRON5564を使用し、硬化させた化合物に対して、規格NF ISO37に準拠し、H2ジオメトリおよび500mm/分のスピードで実施する。応力−歪み曲線から抽出される特徴は、MPaで表現されるx%での係数(M10、M100およびM300)、ならびにMPaで表現される極限特性引張強度(TS)および%で表現される破断点伸び(EB)である。
M300とM100との比である補強指数(RI)を表現することも可能である。この指数は、組成物の補強挙動ならびに充填剤(ここではシリカ)とエラストマー(ここでは天然ゴム)とを連結させるためのカップリング剤の有効性についての情報を記すものである。
硬度(ショアA)は室温で測定する(ASTM D2240)。記されている値(単位:ポイント)は、15秒後に測定したものである。
機械的特性を表IIIにまとめる。
Figure 0005818968
本発明において使用される新規カップリング剤(実施例A)は、標準に対する比較を表現した場合、より高いM300および補強指数(RI)での補強挙動の結果的な増大を有することを可能にする。
4)硬化させたゴム化合物の動力学的特性:
動力学的特性を研究するために、規格ASTM D5992に準拠してメトラビブ(Metravib)VA3000分析器を使用する。
損失因子(正接δ)および複素弾性率(E*)を、円筒形のジオメトリ(断面積95mmおよび高さ14mm)を持つ硬化させたゴム化合物について記録する。試料を、60℃の温度下、10Hzの圧縮モードで固化(sollicitated)する。試験は、10%の静的予ひずみおよび4%の動的二重ひずみ振幅後に為される。
機械的特性を、複素弾性率(E*−60℃−10Hz)および損失因子(正接δ−60℃−10Hz)とともに表IVにまとめる。
Figure 0005818968
本発明のカップリング剤(実施例A)の使用は、標準に対する比較を表現した場合、より低い正接δの値、60℃でヒステリシス挙動の結果的な減少を有することを可能にする。
表IIからIVの検査は、本発明において使用される新規カップリング剤(実施例A)と連結されたゴム組成物が、標準組成物(標準)に対し、60℃における機械的補強およびヒステリシス特性を改良させることを示す。
特許請求されているカップリング剤についての一つの結論は、エラストマー組成物が、タイヤ用途(例えば:乗用車、軽トラック、トラック、重量物運搬車等)およびタイヤの数種の部品(例:トレッド、サブトレッド、ベルト、側壁、ビーズ、カーカス、ケーシング、インナーライナ等)に使用された場合に、耐摩耗性と転がり抵抗との妥協の改良につながることである。

Claims (14)

  1. 下記の式(I)を有する化合物であって、場合により全体または一部が重合形態である式(I)の化合物:
    Figure 0005818968
    [式中、
    RはRまたはORであり、
    、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルおよびアルケニル基から独立に選択され、かつ
    およびRのそれぞれは、水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、シクロアルキル、アルケニル基、ならびにNaおよびLiからなる群から選択される金属から独立に選択されるか;
    あるいは、
    RはR またはOR であり、
    、R 、R 、R 、R およびR のそれぞれは、水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルおよびアルケニル基から独立に選択され、かつ
    およびR の一方は、水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、シクロアルキル、アルケニル基、ならびにNaおよびLiからなる群から選択される金属から独立に選択され、R およびR の他方は、2つの式(I)毎にCaであるか;
    あるいは、
    RはOR であり、
    、R 、R 、R 、R およびR のそれぞれは、水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルおよびアルケニル基から独立に選択され、かつ
    およびR は一緒になってCaである
    及び無機充填剤の、エラストマー組成物における使用。
  2. 場合により全体または一部が重合形態である前記式(I)の化合物が、前記無機充填剤と前記エラストマーとの間のカップリング剤として使用される、請求項1に記載の使用。
  3. 前記エラストマー組成物が、少なくとも一つのイソプレンエラストマーを含む、請求項1または2に記載の使用。
  4. 前記式(I)の化合物のすべての部分が、20未満の重合指数を有するポリマーの形態である、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
  5. RがRである、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
  6. RがORである、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
  7. 、RおよびRがHである、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
  8. およびRがメチルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 前記無機充填剤が沈降シリカである、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記無機充填剤が、アルミニウム含有沈降シリカである、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。
  11. アルミニウム含有沈降シリカが、0.5重量%を超えるアルミニウム含有量を有する、請求項10に記載の使用。
  12. (i)エラストマーと、(ii)無機充填剤と、(iii)請求項1に記載の式(I)を有する化合物であって、場合により全体または一部が重合形態である式(I)の化合物とを含む、組成物。
  13. 請求項12に記載の組成物をベースとする固体物品。
  14. タイヤである、請求項13に記載の個体物品。
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