JP5818223B2 - 給水装置 - Google Patents

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Description

本発明は給水装置に関し、より具体的には手洗い場やトイレ、キッチンなどに設けられ、マイクロ波などを利用した電波センサを用いて吐水流の吐止水を制御する給水装置に関する。
従来、非接触センサーを用いて吐水口近傍に被検知体を検知する検知エリアを設け、吐水口近傍の被検知体を検出して吐止水を行う給水装置において、給水装置や給水装置周辺を掃除する人が吐水口付近を拭くときなどに、手や腕などが吐水口に極端に接近し吐水が開始されてしまうことで、水跳ねして袖などを濡らしてしまうなどの問題があった。問題を解決する従来技術として、吐水口近傍に光電センサーを設置し、吐水口近傍に差し出される手やハブラシ、コップなどの被検知体を反射光量の大きさで検出する給水装置であって、光電センサー及び吐水口に極端に近い位置で被検知体を検出したら止水させることで、水の使用有無に関わらず、給水装置付近で何かしらの行為をしている際に、誤って吐水口に極端に近い位置に被検知体を移動させてしまったときに吐水されることを防止できるため、水跳ねして袖などを濡らしてしまうなどの問題を解決できるようにした技術がある(例えば、特許文献1参照)。 上記技術はまた、掃除をする人が掃除中に吐水をしないようにするために、センサーに対して専用のカバーで覆ったり、リモコンで掃除専用モードに切替えるなど特別な冶具を用意しておく必要もなく面倒もない。さらには吐水口に極端に近い位置でのみ、強制的に止水するように閾値が設定されているため、通常時に水を使いたい使用者が吐水させるために吐水口近傍に手や物を差出すときには吐水できる技術であるとしている。
しかしながら、実際に給水装置の水を使用する使用者は、両手を洗う、指先をちょっとだけ洗う(指先洗い)、両手に水を溜めるなど様々な行為を行うために、各行為によって被検知体の差出位置なども異なる。たとえば、指先洗いや両手に水溜める行為などにおいては、吐水口に極端に近い位置に被検知体を差出すことがあり、上記技術においてはこのような場合に、吐水させたいにもかかわらず強制的に止水してしまうなどの問題があった。
特開2003−253714号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、給水装置の水を使用したい使用者が使用するときには各行為におけるどんな被検知体の状態においても強制的に止水することなく、且つ、給水装置や給水装置周辺を掃除する人などに対しては手軽な特定動作を行うことで簡単に強制的に止水及びその解除が確実にできるようにすることである。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明によれば、吐水口と、吐水口へ水を通水する通水路と、通水路を開閉させ、吐水または止水を行うバルブと、吐水口の近傍のエリアを検知する電波センサと、電波センサから送信された電波が被検知体で反射し得られた検知信号を基にバルブに開閉指示する制御部と、を備えた給水装置において、制御部は、所定の周波数より低い周波数帯域である第1検知信号と、第1検知信号よりも高い周波数帯域である第2検知信号に検知信号を分割し、第1検知信号が予め設定される第1閾値以上、且つ第2検知信号が予め設定される第2閾値以下であることを所定時間検知したら前記バルブに強制閉指示することを特徴とする給水装置を提供する。
かかる構成とすることにより、第1検知信号で被検知体が吐水口に極端に近い位置まで接近したかどうかを判断することに加え、第2検知信号で被検知体が揺らぎの無い略静止状態になったかどうかを判断することによって、被検知体が吐水口を塞いだことを識別して判断できるため、吐水口を塞ぐという特定の行為によってのみ強制的に止水することを可能とした。
また、請求項2記載の発明によれば、制御部は、バルブに強制閉指示を行った後から、所定時間は電波センサの検知信号に基くバルブの動作を禁止して止水を継続することを特徴とする給水装置を提供する。
かかる構成とすることにより、被検知体が吐水口を塞いで強制的に止水させた後も、通常に水を使用する状態の制御に戻すための特定な動作が必要なく煩わしさが無い。このときたとえばタイマの設定時間は、掃除を終えるのに十分な時間を設定しておけばよい。
また、請求項3記載の発明によれば、制御部は、バルブに強制閉指示を行った後から、第1検知信号が継続して予め設定される第1閾値以上、且つ第2検知信号が継続して予め設定される第2閾値以下である間は止水を継続することを特徴とする給水装置を提供する。
かかる構成とすることにより、たとえば被検知体を掃除で主に使用される雑巾として、雑巾を吐水口に覆い被せるようにして塞ぐだけで手軽に強制的に止水を継続できるとともに、掃除が終わったら吐水口に被せた雑巾をはずすだけですぐに水を使用する状態の制御に戻すことができ、水を使用したい使用者が使用することができる。
また、請求項4記載の発明によれば、制御部は、バルブに強制閉指示を行った後から、第1検知信号が予め設定される第1閾値以下、又は、第2検知信号が予め設定される第2閾値以上となり、再び第1検知信号が予め設定される第1閾値以上且つ第2検知信号が予め設定される第2閾値以下となるまで電波センサの検知信号に基くバルブの動作を禁止して止水を継続する、ことを特徴とする給水装置を提供する。
かかる構成とすることにより、被検知体が吐水口を塞いで強制的に止水させた後も、再び同じ塞ぐ動作をするまでは止水を継続することができ、自分で止水を解除したいタイミングに合わせて解除を行うことができるため安心して掃除などの作業が行える。
また、請求項5記載の発明によれば、給水装置において、可動するシャッター部材を備え、シャッター部材により電波センサの電波の送信経路を遮蔽することで、第1検知信号が予め設定される第1閾値以上、且つ第2検知信号が予め設定される第2閾値以下となることを特徴とする給水装置を提供する。
かかる構成とすることにより、掃除作業者が手で塞ぐよりもさらに手軽に強制的に止水させることができる。
本発明によれば、給水装置の吐水口を塞ぐという、水を使用したい使用者の被検知体では起こらない動作を確実に識別することで、掃除などを行う人だけが手軽に強制的に止水を行うことができるとともに、吐水口を塞ぐ行為を強制的な止水の解除にも適用すれば、掃除などの作業中には誤吐水せず、復帰させたいときには手軽に復帰させることができるようになり、作業者は安心して一連の作業を行うことができるという効果がある。
給水装置の第1の実施例の概観図である。 電波センサを例示するためのブロック図である。 制御部を例示するためのブロック図と制御部の内部で分割して生成される第1検知信号及び、第2検知信号の概略図である。 給水装置の水で両手を洗う使用者の動作を示したものである。 両手を洗う行為における第1検知信号と第2検知信号の電圧値の時間変化を例示するグラフ図である。 給水装置の水で水を溜める使用者の動作を示したものである。 両手に水を溜めている行為中における第1検知信号と第2検知信号の電圧値の時間変化を例示するグラフ図である。 給水装置の水で片手の指先をちょっと洗う使用者の動作を示したものである。 給水装置の吐水口を手で塞いで強制的に止水させる動作を示したものである。 手で吐水口を塞ぐ行為中における第1検知信号と第2検知信号の電圧値の時間変化を例示するグラフ図である。 制御部にタイマを具備し、強制止水するモードから通常に使用者が使用できるモードへタイマで設定される時間後に自動的に復帰する際の制御のフローチャートを示したものである。 制御部の判定手段にて第1閾値以上、且つ第2閾値以下を継続している間は強制止水されるモードとなり、その条件から外れた場合に通常に使用者が使用するモードへ復帰する際の制御のフローチャートを示したものである。 制御部の判定手段にて強制止水するモードへ移行した後、第1閾値以上、且つ第2閾値以下が所定時間Tt以上継続したことを判定したら通常に使用者が使用できるモードへ復帰する際の制御のフローチャートを示したものである。 給水装置の第2の実施例の外観図である。
以下、本発明にかかる自動給水装置の実施の形態を図面により詳細に説明する。
(第1の実施例)
図1に給水装置の第1の実施例の概観図を示す。
図1に示す給水装置10は、吐水口11と吐水口11へ水を通水する通水路12が接続され、吐水口11及び通水路12の一部は金属部材7で周辺を覆われ吐水部1として形成される。また、通水路12の途中には通水路12を開閉させ、吐水口11からの吐水または止水を行うバルブ4が具備される。電波センサ3は吐水口11から離れた位置に、送信される電波が吐水部1の内部(金属部材7と通水路12及び吐水口11の間にある空間)を伝播し、吐水口11から外部の空間へ放出されるように設置される。このとき、電波センサ3から送信する電波が吐水部1の内部で減衰する量を少なくするために、吐水部1の内部に挿入した導波管を電波センサ3の電波が送信される部分に接続し導波管の先端から電波を送信したり、または吐水部1の内部を吐水口まで通した同軸ケーブルを電波センサ3に接続し、同軸ケーブルや同軸ケーブルの先端に接続したアンテナから電波を送信してもよい。このような電波センサ3の設置とすることで、狭い吐水口にセンサを窮屈に設置することなく、吐水口の近傍のみを検知する検知エリアを簡単に形成することができるとともに、センサへの水跳ねやいたずらによる検知精度の劣化を防止できる。また、制御部5は電波センサ3とバルブ4に接続され、電波センサ3から電波が送信され被検知体で反射し受信した検知信号を基にバルブの開閉を行う出力信号を出力することで、吐水口11から外部の空間への吐水または止水の制御を行う。
図2は、電波センサ3を例示するためのブロック図である。
電波センサ3には、アンテナ112、送信部114、受信部116、ミキサ部118が設けられている。送信部114に接続されたアンテナ112からは、高周波、マイクロ波あるいはミリ波などの10kHz〜100GHz程度の周波数帯の電波が放射される。具体的には、アンテナ112からは、たとえば、10.525GHzや24.15GHzの周波数を有する送信波T1が放射される。人体などの被検知体からの反射波または透過波T2は、アンテナ112を経由して受信部116に入力される。ここで、アンテナは、図2(a)に表したように送信側と受信側とを共通としてもよく、または、図2(b)に表したように、送信部114にはアンテナ112aを接続し、受信部116にはアンテナ112bを接続してもよい。送信波の一部と受信波とは、ミキサ部118にそれぞれ入力されて合成され、検知信号が出力される。ミキサ部118から出力された検知信号は制御部5に向けて出力される。
次に、制御部5について説明をする。
図3に、制御部5を例示するためのブロック図と制御部5の内部で分割して生成される第1検知信号及び、第2検知信号の概略図を示す。
まず、図3(a)に制御部5を例示するためのブロック図を示す。
制御部5には、フィルタ部210、判定手段230が設けられている。また、フィルタ部210には、フィルタ210aと、フィルタ210bとが設けられている。フィルタ210aは、第1検知信号を抽出するための低い周波数帯域(例えば3Hz以下)のフィルタであり、電波センサ3のアンテナ112から放射される電波が吐水口11近傍から放射されるようにしたとき、吐水口11と被検知体の距離が近いほど電圧値として得られる振幅が大きくなる傾向となる。一方、フィルタ210bは第2検知信号を抽出するためのフィルタ210aの周波数帯域よりも高い周波数帯域(例えば3Hzより大きい)のフィルタであり、給水装置で手やハブラシ、コップなどの被検知体を洗浄したり水を溜める行為の速度で動作する検知信号は通過させ、略静止状態(故意に被検知体を静止させる程度)の速度である検知信号は大きく減衰させるものである。
図3(b)に、吐水口11と被検知体の距離(横軸)に対する第1検知信号の電圧値(縦軸)を示す。電圧値は振幅波形として得られ、振幅は吐水口11と被検知体との距離が近いほど大きくなる。ここで、図3(c)は、図3(b)の振幅のピーク値を結んだものであり、ピーク値を検出することにより一意的に吐水口11と被検知体の距離が近いほど電圧値が大きくなるように表すことができる。これにより、一定の閾値を設定し、閾値以上なら被検知体が吐水口11から一定の距離以内であると判断することができる。判定手段230には第1検知信号における第1閾値V1が設定されるが、第1閾値V1の値は例えば被検知体が吐水口11から30mmまで接近した距離で得られる電圧値程度に設定される。
次に、図3(d)に両手を擦っているときの、時間(横軸)に対する第2検知信号の電圧値(縦軸)を示す。電圧値は時系列的な振幅波形として得られる。両手を擦る動作は速度変化は早い、ゆっくり、一瞬静止する、ゆっくり、早いと繰り返す動作となる。ここで、フィルタ210bにより、一瞬静止するときの速度の検知信号は大きく減衰し振幅が小さくなる。図3(e)は、図3(d)の振幅のピーク値を近似曲線で結び、時系列的な電圧値の変化として処理することにより、一瞬静止するときのみ電圧値が極めて小さくなる。判定手段230には第2検知信号における第2閾値V2が設定されるが、第2閾値V2の値は被検知体を故意に静止させたとき得られる電圧値より大きく設定される。
判定手段230は被検知体が吐水口11に極端に近い位置に接近したことを第1検知信号が第1閾値以上となったことで判定し、被検知体の動きが略静止状態であることを第2検知信号が第2閾値以下となったことで判定し、第1閾値以上、第2閾値以下が所定時間以上継続したら、バルブ4へバルブ4を開するための出力信号を出力する。
以上のことから、第1検知信号による被検知体の吐水口11への極端な接近だけでなく、第2検知信号による被検知体の静止状態を判定条件に加えることで、被検知体が故意に吐水口11を塞いだ動作を確実に判定することができる。したがって、給水装置の水を使用したい使用者が使用するときには各行為におけるどんな被検知体の状態においても強制的に止水することなく、且つ、給水装置やその周辺を掃除する方などに対しては手軽な塞ぐ行為を行うことで簡単に強制的に止水及びその解除を確実に行うことができる。
また、判定手段230に接続されるように報知手段250を具備してもよい。報知手段250は判定手段230の出力信号を基に、強制的に止水しているかどうかの判断を外部に光や音の情報などによって報知することによって、掃除作業者などが作業途中で吐水してしまうという不安を持つことなく、安心して作業を行うことができる。
以下、様々な行為で水を使用したい使用者の被検知体の差出位置と、各行為から得られる第1検知信号及び第2検知信号について幾つか記載する。
図4は給水装置10の水で両手を洗う使用者の動作を示したものである。
使用者は被検知体である両手を吐水口11に接近させると両手は吐水口11から送信される電波センサ3の電波ビーム40に当たり始める(図4(a))。ここで、制御部5の判定手段230により、バルブ4が開となり吐水口11から水が吐水されると、使用者は吐水口11に手が当たらないように50mm程度以上の距離を保ちながら両手を着水させ、手を擦って洗う(図4(b))。
図5は図4(b)のように両手を洗う行為における第1検知信号と第2検知信号の電圧値の時間変化を例示するグラフ図である。
使用者が吐水口11に向かって被検知体である手を差し出すと、判定手段230は第1検知信号が閾値V1よりも小さい所定の閾値Vn1以上が所定時間以上を判定し、バルブ4を開する出力信号を出力し吐水口11から吐水が開始される。
使用者が両手を擦って洗っている状態では、吐水口1150mm〜150mm程度の距離を保とうとするため、第1検知信号は図5(a)のように第1閾値V1より小さい電圧値が検出される。一方、第2検知信号は図5(b)のように両手を擦っている動きや吐水口11から吐水された水が両手に当たって飛散する動きがあるため、V2以上の電圧値が検出される。したがって、両手を洗う行為によって強制的に止水されることなく快適に使用することができる。その後、手が吐水口11から離れるときに、第1検知信号の所定の閾値Vn2以下が所定時間以上となると、判定手段230はバルブ4を閉する出力信号を出力し吐水口11からの吐水が終了する。
図6は給水装置10の水で水を溜める使用者の動作を示したものである。
使用者は被検知体である両手を吐水口11に接近させると両手は吐水口11から送信される電波センサ3の電波ビーム40に当たり始める(図6(a))。ここで、制御部5の判定手段230により、バルブ4が開となり吐水口11から水が吐水されると、使用者は早く水を溜めたかったり、水が跳ねないように両手を吐水口11に極端に近い位置(30mm前後)に持って行くことがある(図6(b))。
図7は図6(b)のように両手に水を溜めている行為中における第1検知信号と第2検知信号の電圧値の時間変化を例示するグラフ図である。
両手を着水させて水を溜めている状態では、30mm前後を行き来するので、第1検知信号は図7(a)に示すように第1閾値V1より大きくなったり小さくなったりする。一方、第2検知信号は図7(c)に示すように水を溜めている両手の揺らぎや吐水口11から吐水された水が両手からこぼれ落ちる動きがあり、主に第2の閾値V2以上で検出される。一瞬手の動作が略静止状態になりV2以下になることがあるが、所定時間Tt以上継続してV2以下にならないようにTtを設定(例えば3秒程度)しておけば強制的に止水することはない。したがって両手で水を溜める行為によって強制的に止水されることはなく、使用者は快適に使用することができる。
図8は給水装置10の水で片手の指先をちょっと洗う使用者の動作を示したものである。
使用者は被検知体である片手を吐水口11に接近させると片手は吐水口11から送信される電波センサ3の電波ビーム40に当たり始める(図8(a))。ここで、制御部5の判定手段230により、バルブ4が開となり吐水口11から水が吐水されると、使用者は水が跳ねないように片手を吐水口に極端に近い位置に持って行くことがある(図8(b))。また、片手が着水した後は指先を擦る動きや手に当たった水が飛散する動きになる。したがって、図6及び図7で上述した水を溜める行為と同様に30mm前後を行き来するので第1検知信号は閾値V1より大きくなったり小さくなったりする。また、第2検知信号は主に閾値V2以上の電圧値が検出される。したがって、片手の指先をちょっと洗う動作によっても強制的に止水されることなく快適に使用することができる。
次に、強制的に止水したい掃除作業者などの被検知体の差出位置と、差出動作から得られる第1検知信号と第2検知信号について幾つか記載する。
図9は給水装置10の吐水口11を手で塞いで強制的に止水させる動作を示したものである。
まず、被検知体である片手を吐水口11に接近させると片手は吐水口11から送信される電波センサ3の電波ビーム40に当たり始める(図9(a))。ここで、制御部5の判定手段230により、バルブ4が開となり吐水口11から水が吐水される。続いて、吐水口11を塞ぐように片手を持っていく(図9(b))。
図10は図9(b)のように手で吐水口を塞ぐ行為中における第1検知信号と第2検知信号の電圧値の時間変化を例示するグラフ図である。
片手で吐水口11を塞ぐようにする図9(b)の状態では、第1検知信号は吐水口に30mm以内の極端に近い距離であるので、第1閾値V1以上で検出される。一方、第2検知信号は片手が略静止状態にあることから第2閾値V2以下で検出される。このとき、第1閾値以上、第2閾値以下は所定時間Tt以上継続して検出されることにより塞いだ行為が判断でき、強制的に止水することができる。また、吐水口11を塞ぐ別の方法として、手の代わりに掃除する方などが作業時に持ち歩いているであろう雑巾を吐水口11に覆い被せることで塞いでもよい。このときにも片手で塞ぐ行為と同様に第1検知信号の第1閾値以上、第2検知信号の第2閾値以下が所定時間Tt以上継続して検出されることから、吐水口11からの吐水を強制的に止水することができる。
以上のことより、給水装置10の吐水口11を塞ぐという、水を使用したい使用者の被検知体では起こらない動作を第1検知信号と第2検知信号から識別でき、掃除などを行う人だけが手軽に強制的に止水を行うことができる。
次に、強制的に止水を行った後に止水を解除する幾つかの方法について、フローチャートを用いて説明する。
図11は制御部5にタイマを具備し、強制的に止水するモードから通常時に水を使いたい使用者が被検知体を差し出したときに吐水するモード(へタイマで設定された時間後に自動的に復帰する際の制御のフローチャートを示したものである。まず、電源ONされ(ステップSt1)、第1検知信号の閾値Vn1以上が所定時間Tn1以上継続したら被検知体が現れたと判断し吐水が開始される(ステップSt2〜St3)。その後、第1検知信号のVn2以下が所定時間Tn2以上継続したら被検知体がいなくなったと判断し止水が開始される(ステップSt4〜St5)、このとき閾値Vn1とVn2は同じ値でもよい。ステップSt5の条件にならなければ被検知体が在るとして吐水は継続される。よって、ステップSt2〜st5により通常に給水装置を使用する使用者は快適に使用することができる。次に、吐水中に第1検知信号の閾値V1以上、且つ第2検知信号の閾値V2以下が所定時間Tt以上継続すると、吐水口が塞がれたと判断し強制止水が開始される(ステップSt4、St6〜St8)。
同時にタイマカウントtHが0にセットされカウントを開始する(ステップSt9)。タイマカウントtHは、たとえば掃除を始めてから終わるまでの時間に設定すればよく、10分程度とすることができる。タイマカウントがtH経過すると(ステップSt10)、自動的に通常に使用者が使用できるモードに復帰する(ステップSt2)。
タイマで復帰することにより、吐水口を塞いで強制的に止水させた後も、通常に水を使用する状態の制御に戻すための特定な動作が必要なく煩わしさが無い。
次に、図12は制御部5の判定手段230にて第1閾値以上、且つ第2閾値以下を継続している間は強制止水されるモードとなり、その条件から外れた場合に通常に使用者が使用するモードへ復帰する際の制御のフローチャートを示したものである。まず、電源され(ステップSz1)、図11のステップSt2〜St5と同様に吐水と止水の制御が行われることによって、通常に給水装置を使用する使用者は快適に使用することができる(ステップSz2〜Sz5)。次に制御部5の判定手段230により、第1の閾値以上、且つ第2の閾値以下が所定時間Tt以上継続すると、吐水口が塞がれたと判断し、強制止水するモードへ移行する(ステップSz6〜Sz8)。その後、そのまま第1の閾値以上、且つ第2の閾値以下が継続したら吐水口が継続して被検知体で塞がれていると判断し強制止水するモードを継続する)。、ステップSz6、7の条件から所定時間Tf(10秒程度)以上外れたら(ステップSz9〜Sz10)、通常に使用者が使用できるモードへ復帰する(ステップSz2)。強制的に止水する条件を満足しなくなったことで復帰することにより、たとえば被検知体を雑巾として、雑巾を吐水口に覆い被せるようにして塞ぐだけで手軽に強制的に止水を継続できるとともに、掃除が終わったら吐水口に被せた雑巾をはずすだけですぐに水を使用する状態の制御に戻すことができ、水を使用したい使用者が使用することができる。
次に、図13は制御部5の判定手段230にて強制止水するモードへ移行した後、第1閾値以上、且つ第2閾値以下が所定時間Tt以上継続したことを判定したら通常に使用者が使用できるモードへ復帰する際の制御のフローチャートを示したものである。まず、電源され(ステップSf1)、図11のステップSt2〜St5と同様に吐水と止水の制御が行われることによって、通常に給水装置を使用する使用者は快適に使用することができる(ステップSf2〜Sf5)。次に制御部5の判定手段230により、第1の閾値以上、且つ第2の閾値以下が所定時間Tt以上継続すると、吐水口が塞がれたと判断し強制止水するモードへ移行する(ステップSf6〜8)。強制的に止水するモードになったら、次に第1閾値V1以下、または第2閾値V2以上であるかどうかを判定する(ステップSf9)。これは、強制止水した後もステップSf6及びSf7の条件が継続されているかどうかを判定するもので、物を吐水口11に固定し継続して強制止水させる場合にはSf9の判定により永久的に強制止水をすることができる。ここで、Sf9の判定により強制止水確定後に吐水口11極近傍に何もないと判定されると、タイマカウントtKが0にセットされカウントを開始する(ステップSf10)。タイマカウントtKは、たとえば掃除を始めてから終わるまでの時間に設定すればよく、10分程度とすることができる。タイマカウントがtK経過すると(ステップSf11)、自動的に通常に使用者が使用できるモードに復帰する(ステップSf2)。また、タイマカウントtKが経過する前に第1の閾値V1以上、且つ第2の閾値V2以下が所定時間Tw以上継続すると(ステップSf12〜Sf13)、強制止水するモードの時に吐水口が塞がれたと判断し、通常に使用者が使用できるモードへ復帰(ステップSf2)する。強制的に止水する条件と同様の条件を満足することで復帰することにより、被検知体が吐水口を塞いで強制的に止水させた後も、再び同じ操作をするまで誤って吐水することなく止水を継続することができるだけでなく、自分で止水を解除したいタイミングに合わせて解除を行うことができるため安心して掃除などの作業が行うことができる。
以上のことから、タイマだけでなく、吐水口11を塞ぐ行為を強制的な止水の解除にも適用することにより、掃除などの作業中には誤吐水せず、復帰させたいときには手軽に復帰させることができるようになり、安心して一連の作業を行うことができる。
(第2の実施例)
図14に給水装置の第2の実施例の概観図を示す。
図14に示す給水装置20は、大半の構成は第1の実施例と同様だが、吐水口21と、吐水部1の内部からの電波が外部の空間へ送信されるための電波送信穴53と、金属製で電波送信穴53を塞ぐ、または塞がないように可動できるモード切替用シャッター51と、が金属部材55に組み込まれ、吐水ユニット50として形成されている。モード切替用シャッター51は、水を使用したい使用者が使用する際には電波送信穴53を塞がないように設定することで、電波送信穴53から電波が外部の空間へ送信され、吐水口21近傍に差し出される被検知体を検出することができる。一方、掃除作業者などが強制的に止水したい場合にはモード切替用シャッター51を可動させ、電波送信穴53を塞ぐように設定することで、電波送信穴53から電波が外部の空間へ送信されず、吐水口21に極めて近い位置に略静止した被検知体が存在することと同様の状態になる。このとき得られる第1検知信号は閾知V1以上、且つ第2検知信号は閾知V2以下になるため、所定時間Tt以上継続すると強制的に止水することができる。強制的な止水の解除方法としては、掃除作業者などが作業後に自分でモード切替用シャッター51を電波送信穴53が塞がれない様に戻しても良いし、モード切替用シャッター51に所定時間経過すると電波送信穴53が塞がれない位置まで自動的に可動するような構造(たとえば自動復帰するバネ構造など)とすることで、通常に水を使用する状態の制御に戻すための特定な動作が必要なく煩わしさが無い。たとえばバネ構造とした場合にはバネが戻る設定時間は、掃除などの作業を終えるのに十分な時間(10分程度)と設定しておけばよい。
本発明における実施例では、手や手に保持しているハブラシやコップなどの被検知体を接近させると、被検知体に当たるように吐水を開始させる給水装置を例に挙げたが、本発明はその他に小便器や大便器などの給水装置にも適用でき、例えば樹脂や陶器で作られた自動洗浄小便器や大便器、お尻洗浄や乾燥、便蓋や便座の自動的な開閉などのユニット内に、通常に使用する使用者が塞がない位置にセンサを設置し、掃除作業者などが故意に塞ぐことによって機器の機能の一部を一旦停止することができ、掃除作業者がその間は安心して作業を行う環境を構築することができる。
また、本発明の第1検知信号と第2検知信号をピーク値のみで導出したが、第1検知信号で距離に対する電圧値と閾値V1、第2検知信号で速度に対する閾値V2が本発明を満足できるように設定できるのであれば、加えて移動平均値などを利用するなど導出方法は問わない。
1…吐水部
3…電波センサ
4…バルブ
5…制御部
7…金属部材
10、20…給水装置
11、21…吐水口
12…通水路
40…電波ビーム
50…吐水ユニット
51…モード切替用シャッター
53…電波送信穴
55…金属部材
112…アンテナ
114…送信部
116…受信部
118…ミキサ部
210…フィルタ部
230…判定手段
250…報知手段

Claims (5)

  1. 吐水口と、
    前記吐水口へ水を通水する通水路と、
    前記通水路を開閉させ、吐水または止水を行うバルブと、
    前記吐水口の近傍のエリアを検知する電波センサと、
    前記電波センサから送信された電波が被検知体で反射し得られた検知信号を基に前記バルブに開閉指示する制御部と、
    を備えた給水装置において、
    前記制御部は、所定の周波数より低い周波数帯域である第1検知信号と、第1検知信号よりも高い周波数帯域である第2検知信号に検知信号を分割し、
    前記第1検知信号が予め設定される第1閾値以上、且つ前記第2検知信号が予め設定される第2閾値以下であることを所定時間検知したら前記バルブに強制閉指示する
    ことを特徴とする給水装置。
  2. 前記制御部は、前記バルブに強制閉指示を行った後から、所定時間は前記電波センサの検知信号に基く前記バルブの動作を禁止して止水を継続することを特徴とする請求項1記載の給水装置。
  3. 前記制御部は、前記バルブに強制閉指示を行った後から、前記第1検知信号が継続して予め設定される前記第1閾値以上、且つ前記第2検知信号が継続して予め設定される前記第2閾値以下である間は止水を継続することを特徴とする請求項1記載の給水装置。
  4. 前記制御部は、前記バルブに強制閉指示を行った後から、前記第1検知信号が予め設定される前記第1閾値以下、又は、前記第2検知信号が予め設定される前記第2閾値以上となり、再び前記第1検知信号が予め設定される前記第1閾値以上、且つ前記第2検知信号が予め設定される前記第2閾値以下となるまで前記電波センサの検知信号に基く前記バルブの動作を禁止して止水を継続することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の給水装置。
  5. 前記給水装置において、可動するシャッター部材を備え、該シャッター部材により前記電波センサの電波の送信経路を遮蔽することで、前記第1検知信号が予め設定される第1閾値以上、且つ前記第2検知信号が予め設定される第2閾値以下となることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載の給水装置。
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