JP5585925B2 - 吐水装置 - Google Patents

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Description

本発明は、公衆トイレの手洗い場や、家庭の洗面化粧台に備えている吐水装置に関し、より具体的には、利用者の手又は利用者が保持する被洗浄物あるいはコップを検知して、吐止水を制御する吐水装置に関する。
例えば、特許文献1に記載されているように吐水装置において、吐水部に赤外線センサを設けず、センサを受水部の背面にマイクロ波センサ等の隠蔽可能なセンサを設置し、吐水部にむかって電波を放射し、被検知体からの反射信号に基づいて吐水と止水を制御する自動水栓装置が開示されている。
また、特許文献2に記載されているようにデザイン性を向上させるために、吐水部と受水部が一体となり、受水部の形状が湾曲して形成されているものもある。
特開2006−275689 特開2003−49460
自動水栓において、設置環境の違いから吐水される流量、水圧が変動してしまう。水圧が高い場合は、吐水の勢いが増し、手洗いで飛散した水やボウルにあたって跳ね返える水が受水部のあふれ面近傍に飛散、付着する場合もある。特に特許文献1のように吐水部と対抗する向きに受水部の裏側にセンサが隠蔽されて設置される場合は、吐水流がセンサの設置された受水部近傍に飛散し、センサが水を被検知体と誤検知する。また、飛散した水がセンサ近傍の受水部に水膜となって形勢された場合や水がボウルを伝う場合も同様に誤検知するか、被検知体の検知率を低下させる原因となる。
本発明は、使用者側又は設置されたセンサ側へ水はねしない吐水装置を提案することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の一態様によれば、水を吐出する吐水部と、前記吐水部から吐出された水を受ける受水部と、前記受水部の裏側に設けられ、前記吐水部に向かって電波を放射し、放射した電波の反射波によって被検知体の移動に関する情報を取得するセンサと、前記センサからの情報に基づいて、前記吐水部から吐止水を制御する制御部と、を備えた吐水装置であって、前記受水部は、側面視において凹状に形成された凹形状部と、前記凹形状部の上に変曲部を介して連結され、前記凹形状部の上より上側は水平面に対する傾斜角度が常に前記凹形状部の上端より小さく側面視において凸状に構成された凸形状部を有しており、前記センサは、前記変曲部よりも前記凸形状部側に配置されたことを特徴とする吐水装置が提供される。
また、本発明の一態様によれば、前記凸形状部に被検知体を誘導する表示部を設けたことを特徴とする請求1記載の吐水装置が提供される。
本発明によれば水圧変動等により水はねが発生した場合でもセンサが設置された受水部近傍には水滴が付着しないので検知精度がかわらない。
以下、本発明にかかる手洗い装置の実施の形態を図面により詳細に説明する。図1に本発明の概略構成図を示す。図1(a)に上面図を示し、図1(b)に吐水部を基準とした側面視(A視断面図)を示す。図1(b)に示すように本発明の吐水装置は、水道水を供給するための吐水部1と、吐水される水を受ける陶器または樹脂性の受水部2と、受水部2の内側に利用者の手やコップや雑巾等の被洗浄物である被検知体が進入してきたいことを検知する電波センサ3と、吐水部1からの吐止水を切り替えるバルブ4と、電波センサ3からの信号に基づきバルブ4のon,offを制御する制御部5とで構成されている。ここで、電波センサ3は、吐水部1に向かって電波を放射している。
図2にA視断面図の電波センサ3の収納部分を拡大した受水部2の形状について示す。受水部2は凸形状部と凹形状部を有しており、凸形状部に電波センサ3が収納されている。吐水部1より吐水された水が受水部2をつたい、排水口へ水を誘導するためのR形状をもち、さらに
R形状の上側から受水部2のあふれ面に向かって逆R形状を形成している。つまり逆R形状部が凸形状部であり、R形状部が凹形状部に相当する。
この排水口へむかうR形状に対する逆R形状が配置されることにより、吐水された水が受水部2にあたることで発生する水はねが受水部を越えて飛び跳ねることが無くなる。さらに逆R形状部を設けることにより、吐水して受水部にあたった水が受水部2のあふれ面まであがってくることがなく、電波センサ3の前面に水が付着することは無い。電波センサ3は反射係数が高く、比誘電率の高い物体を検知するため、水滴が電波センサ3の前面の受水部2に付着又は、逆R部をつたい落ちることにより、電波センサ3が被検知体と誤検知して、使用者がいない場合にでも吐水してまう可能性がため、吐水がかからない逆R部に電波センサ3を設置することが好ましい。また、図1に示すように吐水部1からの軌跡が角度をもって斜め下に吐水される吐水部形状の場合は特に水はねが懸念されるため凸形状部が配置される効果は大きい。
本発明における吐水装置の1実施形態において、電波センサ3近傍の受水部2の側壁部に第一の検知エリアがあり、利用者の手などの被洗浄物が第一の検知エリアに進入すると電波センサ3が被検知体を検知して、その結果が制御部5に転送され、制御部5がバルブ4を開動し、吐水部1から水道水を供給する。つまりスイッチ的に電波センサ3近傍の受水部の側壁に手をかざすことにより吐水が開始される。利用者は吐水を開始させるために受水部2の近傍に手をかざす。人が手をかざす場合、受水部2のあふれ面の高さを地面から800mmとすると、上から受水部2にむかってある腕の角度をもって覆いかぶせるように手をかざすことになるため、凸形状部が所定の形状であることにより凸形状部に自然に手を差し出すことができる。
また、使い勝手を向上させるために、凸形状部に手を差し出す位置を明確にする表示部を設けている。表示部は直接受水部2に印刷しても良いし、別の方法として樹脂製やガラス製の可視光を透過する素材で受水部2を形成し、内部にLED等の発行部材を点灯させて利用者の洗浄行為を誘導しても良い。電波センサを使用しているので、吐水部へ向けて電波を放射し、受水部を透過して、その透過波によって利用者の手を検知することが可能なうえ、受水部2にて反射した透過波より小さい反射波が人体にあたることにより発生する信号を制御部で処理することにより、人体を検出し、人が吐水装置に接近して止まるという行為も検知することができる。そのため人体が接近してくると表示部のLEDが点灯し、手の差し出す位置を知らせるという演出も可能である。以下凸形状部の形状について詳細に説明する。
図3に図2におけるポイントA〜Dについて直線でつないだ実際の受水部2の簡易形状について示す。AB間の長さはセンサが収納できるスペースを考慮して10mm以上あれば良く、角度θ1は差出した手の形にフィットさせるために、0°<θ1<25°が好ましい。さらに電波センサ3の受水部2への収納及び電波ビームの指向性を考慮すると、BC間に表示部を配置することが適している。そこでBC間に表示部を配置することを考慮すると、受水部手前から近づく際に表示部の視認性が良く、さらに手を差し出す際に手のひらの第二関節が操作部を覆うために、0°<θ2<30°、25mm<BC<40mmが好ましい。また、被検知物は手単体だけでなく、手に歯ブラシや、コップをもっている場合も考えられる。そのため、θ3の角度は大きい方が、手や歯ブラシが受水部2に触れれてしまう心配が少ないため60°<θ3<90°と設定した。この場合Dに示す場所が編曲部となる。このような構成とすることにより電波センサ3の前面の受水部2に付着することを防ぐと同時に、手が差し出しやすく、使い勝手の優れた吐水装置を提供することができる。
電波センサ3の電波ビーム6の最大指向方向は吐水部1近傍にむけて放射される。そのため、電波センサ3の設置角度は水平面より約10〜20°程度傾いている。このような構成とすることにより使用者側への電力量を確保でき、使用者が手をかざした際になるべく手をボウルの奥へ挿入させなくても良く、早めに挿入された手を検知することができる。同様の効果を得るためにセンサの設置位置を変化させずに表示部の位置をあふれ面側に移動させることも考えられる。
さらに、電波ビームの最大指向方向を吐水部1近傍に設定することにより、後述する第二検知エリアも検知することができ、吐水と止水の検知物を確実にバランスよく検知することができる。本実施例の電波センサ3のビームについては正面方向のビーム形成についてのみ記載しているが、電波ビームをスプリットさせ、鉛直方向又は人体側への電力量を確保し、さらに凸形状部へ挿入される手の検知精度及び検知スピードを向上させることもできる。
次に、吐水部1を基準とした側面視である図4(b)を用い、検知エリアについて示す。本発明の吐水装置は、二つの検知エリアを有しており、第一検知エリアaは、受水部2の内面の前側であり、電波センサ3の近傍に設定されており、第ニ検知エリアbは、吐水部1から吐水される水の軌跡と受水部のあふれ面との交差する点近傍に設定されている。
電波センサは、水あるいは金属に対して反射するため、被検知体の素材によらず検知す
ることができ、第一検知エリアaでは、利用者の手などの被洗浄物が進入されると、電波
センサ3が被検知体を検知して、その結果が制御部5に転送され、制御部5がバルブ部4
を開動し、吐水部1から水道水を吐水する。また、第ニ検知エリアbは、吐水部1からの給水を継続するか、止水に切替えるかを識別するための自動止水機能を有しているエリアであるが、第一検知エリアaにて利用者の存在を検知し、吐水部1から吐水を開始した時はじめて第二検知エリアbの検知情報に基づいてバルブの開閉を制御するように設定されているため、利用者が給水開始前に直接このエリアに手を差出したり、物を受水部に置くための行為や受水部に置かれたものを取り上げる行為に対しては、吐水部1から水道水を供給することはない。また、この第ニ検知エリアbから水道水の供給を継続する検知信号が得られた場合でも第一検知エリアaから給水を停止する検知信号が得られた場合には、給水を停止するようになっている。また、給水中に第一検知エリアaにおかれた物を検知しつづけて水を出しっぱなしにすることがないように電波センサ3はプログラミングされている。詳細の制御フローについては、後述する。
次に、図5を用い検知手段である電波センサ3の説明をする。
電波センサ3は、電波を生成する発振回路11と、発振回路11で生成された電波を被
検知体に送信し、被検知体からの反射電波を受信する送受信一体のアンテナ12と、アン
テナ12からの受信信号により被検知体の有無を判断する検知部13と、で構成されてい
る。尚アンテナ12は、送受信別体でも構わないが、本発明においては、受水部2の内部
に設置するために、小型化を優先し一体にしている。このように、電波センサ3から放射
される電波は、受水部2の材料が金属以外であれば透過することができ、また、水滴や水
垢等の汚れに対しても電波の透過量が依存することもないために、赤外線センサや超音波
センサや静電容量センサ等他のセンシング方式では、設置できない汚れる可能性のある受
水部2の手前側に配設することができる。
この検知部13は、発振回路11からのローカル信号と、アンテナ12からのRF信号
をミキシングするミキサ部14と、ミキサ部14で抽出したドップラー信号を低倍率で増
幅する低増幅部15と、高倍率で増幅する高増幅部16との双方を通過させ、それぞれの
通過後の信号を周波数解析または所定の周波数のみを通過させる周波数変換部17とで、
構成されている。周波数変換部17は、ソフト処理しても、電気回路で構成しても良いが
、本発明では、ソフト処理を用いている。また、周波数変換部17で行われる周波数解析
は、FFT解析を用いても良いが、本発明においては、複数の帯域に分けたフィルターを
有し、それぞれのフィルターを通過後の波形の有無により実施している。以下このフィル
ターを用いた信号処理について説明をする。
次に図6に示すフローチャートと、図7,図8に示すドップラー信号の波形と、を用い
、検知部13で行う吐水部1からの吐止水の制御フローについて説明する。
最初にS01にて検知部13は、低増幅部15からの信号を抽出し、その後S02にて
周波数変換部17で10Hz以下のローパスフィルタを通過させた時の信号Vsの極大値
と極小値がVs>V1または、Vs<V2になるかを判定している。この時に図7(b)
のようなドップラー信号が発生すると、第一検知エリアaに利用者の手が入ってきたと検
知部13が判断でき、S03にて検知部13から制御部5にバルブ部4を“on”する命
令が行われ、バルブ部4が開動し、吐水部1から受水部2に向かって水道水を供給する。このとき、低増幅率は、電波センサ3の送信強度と、アンテナ12のアンテナゲインと、受水部2における電波の減衰量にも関係するが、放射する電波量を10mW以下にした場合、10倍以下に設定している。従って、第一検知エリアaにて止まるか、あるいはかざす手の動きを閾値V1または、V2との対比で識別し検出することができ、一方、受水部2に物をおく動きや、物を取り上げる動きは、検知信号Vsが小さくV1を超えたり、V2を下回ることがないため、電波センサ3は、利用者が吐水部1を利用するための動作ではないと判断し、吐水部1から水道水を供給することはない。また、受水部2の上方を通過して吐水部1の奥側のコップを取る動作だったり、吐水部1を清掃する動作更には、コップの水を排水する水流の速度は、10Hz以上の速い動きであることから、10Hz以下のローパスフィルタでは検知信号Vsがほとんど振幅がないため、検知部13は手が侵入された動きではないと判断し、止水を確保することができ、誤吐水のない吐水装置を提供することができる。このように吐水装置を利用するために吐水装置に向かって、減速する速度変化や止まる寸前のゆっくりした動きをドップラー信号から識別することで、適時に水道水の供給を開始することができる。
次に、検知部13は、S04にて利用者が第一給水エリアaから水道水に対して水を差
し出すまでの移動時間の間、水の利用の有無にかかわらず必ず水道水を出し続けるように
、1秒間タイマー1(T)にてカウントする。この時間は、手洗い装置10が取付けられ
る場所例えば、福祉施設や多目的トイレでは、利用者の比較的ゆっくりした動きに合わせ
て長めに設定したり、駅,サービスエリア,空港など利用者の往来が激しく,移動速度が
速い場合には、短めにするなど任意に変更できるように外部スイッチ(図示せず)を用いて
調整できるようにしても良い。次に、S05にて検知部13は、第ニ検知エリアbにおけ
る利用者の洗浄状態を識別するために、高増幅部16からの信号を抽出し、その後S06
にて周波数変換部17で1Hz以上のハイパスフィルタを通過させた時のドップラー信号
Vsが、Vs>V5あるいはVs<V6になるかを判定している。この時に図8(a)の
ような大きな振幅を有する波形を得た場合には、利用者の手または指先で飛散した水道水
の水流に基づくドップラー信号を示しており、検知部13は、バルブ部4を“on”状態
で継続する。しかし、図8(b)に示すVsの極大値と極小値が、V3<Vs<V5また
は、V4<Vs<V6となった場合は、利用者が手洗い動作を終了し、吐水部1水から供給される水だけの水流状態にあることを示しており、S07にて検知部13から制御部5にバルブ部4を“off”する命令が行われ、バルブ部4が閉動する。ただし、図8(c)に示す、V4<Vs<V3の場合は、吐水部1から供給された水をコップ等の器に水を汲んでいる状態の水面の揺らぎを検知していることを示しており、検知部13は、バルブ部4を“on”状態で継続する。その後、コップから水があふれると、コップの周辺にて飛散する水からの反射電波に伴うドップラー信号を得る為、図8(b)のような振幅強度となり、検知部13は、S07にてバルブ部4を“off”にする。
検知部13のS06におけるバルブ4の止水制御の別の方式を図4と図9,図10のドップラー信号を用いて説明する。図9(a)は、図8(b)と同じ波形であり、利用者が手を第ニ検知エリアにて水に対して差し出し、手を洗浄している時の手の表面で飛散する水からの電波の反射信号を、検知部13内の高増幅部16を通過し、周波数変換部17で1Hz以上のハイパスフィルターを通過した後のドップラー信号波形である。一方、図9(b)は、手洗い終了後に、利用者が図4に示す給水停止エリアcにて水きり行為を行っている状態の時の高増幅部16を通過後、周波数変換部17で1Hz以上のハイパスフィルターを通過したドップラー信号波形である。従って、新たに閾値V7,V8を設け、図9(b)のドップラー信号の波形を得た時に、ドップラー信号Vsの極大,極小値がVs>V7,またはVs<V8になると検知部13は、制御部5にバルブ部4が閉動するよう命令するとよい。このように水道水を供給中に洗浄動作以外の動作を識別する為に、極大の信号波形を識別する閾値V7,V8を設けることで、第ニ検知エリアbを電波センサ3の給水を継続する検知エリアに設定し、第一検知エリアaを含むそれ以外の手前側のエリアを給水停止エリアに設定できるため、吐水装置利用後に速やかに手洗い装置の止水制御が可能になる。手洗い動作に関して説明してきたが、手のほかに調理器具や歯ブラシや雑巾等洗浄中も同じことが言え、被検知物上で発生する水流変化に伴うドップラー信号と、
水流のみのドップラー信号とを比較することにより、使用中か使用終了かを判断でき、水
道水の供給を適時に行える。
また、図10(a)は、図7(b)と同じ波形であり、利用者が図4に示す第一検知エリアに手を差し出し、電波センサ3の上方空間に手が止まる状態を検知部13内の低増幅部15を通過後、周波数変換部17で10Hz以下のローパスフィルターを通過したドップラー信号波形である。一方、図10(b)は、利用者が給水停止エリアcに手を差出した状態の時の低増幅部15を通過後、周波数変換部17で10Hz以下のローパスフィルターを通過したドップラー信号波形である。
図4(b)に示すように、電波センサ3は、受水部2の端部2aから吐水装置1に向か
って電波ビームを放射しているため、第一,第ニ検知エリアとその間に存在するエリア内
に被検知体を検知してもバルブの制御を行わない給水停止エリアのどれかに被検知体が存
在すれば、それを検知することができるが、前記のような検知部13の制御を行うことに
より、吐水装置が止水中は、第一検知エリアaにおける被検知体を検知した時のみバル
ブ4をonして給水状態にし、吐水装置が給水中は、第ニ検知可能エリアbにおける被検知体を検知した時のみ給水状態を継続することになり、電波ビーム内に複数の検知エリアとその間に給水停止エリアが実現でき、上述のように利用者にとっては、受水部2に落としたものを取り上げるような水を出したくない時や、前記のような受水部2の手前側で電波センサ3と第ニ検知エリアbとの間にて水きり行為やあるいは、コップ内の水を廃棄する行為などがあった場合にも速やかに止水することができる。
尚、本発明では、電波センサ3で得られる位相干渉波に伴うベース電位の変動の影響を
受けないように高増幅回路16の後段には、出力信号に直列に容量素子を挿入し、バイア
ス電位をカットする目的と、飛散する水と、コップに汲まれる水面と、水流のみとの水流
変化を確実に識別する為に、1Hz以上のハイパスフィルターを構成したが、送信する電
波強度を大きくしたり、アンテナゲインを上げるなどし、手洗い中とコップ水汲み中と洗
浄終了との水流変化がドップラー信号の振幅強度として得られる時には、信号変換部17
を用いず、高増幅部16の通過後の信号に対して、閾値を設定し、S06で行ったように
閾値との比較によって吐水の継続か止水かを判断しても良い。その場合は、容量素子によ
る時間遅れが生じないため、利用者の動作に対して即座にバルブ部4のon,offを切
替えることができ、高速応答性を有する手洗い装置を提供することが可能になる。また、
高増幅部16の倍率は、水流の軌跡により、電波センサ3に近い場合には低く、遠い場合
には高くする必要があり、500〜2000倍の倍率から任意に選択すると、図5に示す
ように容易に利用者の状態を水流の変化を用いて判断することができる。このようにハイ
パスフィルタを用いることで、利用者の手の動きとは異なる比較的速度の速い水流の変化
を容易に認識することができる。また、電波を受信する面積による電波の反射量が異なる
二つの検知対象物である手の動きと水流の変化とを検知するのに最適な増幅率を用いて検
知部が検知あるいは非検知を判断するため、利用者の二つのアクションを見逃すことなく
検知できたり、止水中に受水部に入る手の動きを見るための増幅率に低減しているため、
受水部内の水流では反射面積が小さく、受信信号を得ることができず、廃棄された水を検
知しない。また、吐水中は、水流検知用に増幅率を上げているため、電波センサと被検知
体までの距離が小さいために発生する特大の反射信号に対しては、電波センサ近傍に物が
置かれたか、人が寄りかかっていることか等、洗浄中の行為とは違いことを識別できるた
め、水をだしっぱなしにすることなのない手洗い装置を提供することができる。
以上のように、受水部2の手前側近傍に第一検知エリアaを設け、操作スイッチとして
利用すると、“吐水装置から水をだす”という行為に専念できる。その結果、吐水部1から水道水が供給され、次の行為である第ニ検知エリアbにおいて、吐水部からの水に対して手を差出すことが可能になり、この時も“手を差出す”ことだけに集中することができる。従って、利用者は、前記二つのアクションを分別して行うことができるため、差出す位置を迷うことなく確実に手を洗うことができる。一方、手洗い装置10としてもそれぞれの行為を検知部13にて確実に検知することができ、使用開始や使用中に水が出なかったり、給水を停止することが無い。
このように利用者の行為を二つの検知エリアに分けて利用いただくと、第ニ検知エリア
bにて水をご利用いただく際の、洗浄位置が人の姿勢・身長に係わらず、第一検知エリア
aと同じ高さに差出される為、その洗浄位置にあわせて、水跳ねしないような泡沫状の水
流を吐水装置から供給するよう泡沫キャップをつけたり、受水部2のその位置に対応す
る面積を広くして、飛散水が受水部2から飛び出さないことをすることにより、使い勝手
が更に向上すると共に、清潔性を維持することができる。尚、これまで手洗い行為を想定
した説明を行ってきたが、歯ブラシを洗浄したり、コップに水を汲む行為も同様に、それ
ぞれ水を利用したい物を持つ手が第一給水エリアaに入ったかどうかを識別し、第ニ検知
エリアbでは、コップ内の水流変化または歯ブラシ上に飛散する水流変化を検知部で識別
する為、吐水の継続か止水かを利用者の行為に合わせて見極めることができる。更に、検
知エリアを分けただけではなく、第一検知エリアで検知した後に、第ニ検知エリアだけを
検知領域としている為、水を出す行為以外である、例えば受水部に物を置く行為や、受水
部に置いてある物を取り出す行為に関しては第一検知エリアで検知せずに、第ニ検知エリ
アに利用者の手が進入することになるため、止水状態から給水状態に移行することなく使
い勝手の良い吐水装置を提供することができる。
本発明において、検知エリアが2つある実施例を記載したが、それだけに限定するものではない。図4(b)の6に示す電波ビーム全体を吐水検知エリア(第一の検知エリア)としてしも良い。また、上述してきた実施例と電波ビーム全体を吐水検知エリアとする方法とをソフト的に切替えてどちらでも選択可能にすることもできる。
さらに、受水部の凸形状部と吐水部との距離を縮めて、第一検知エリアに手を差し出すと水がちょうど手あたるコンパクト洗面器への応用も可能である。
(a)吐水装置の上面図 (b)吐水部を基準とした側面視 吐水部を基準とした側面視のセンサ周辺拡大図 吐水部を基準とした側面視のセンサ周辺拡大図(簡易) (a)吐水装置の上面図 (b)吐水部を基準とした側面視 電波センサのブロック図である。 検知部の制御フローを示す図である。 検知部で得られるドップラー信号波形を示す図である。 検知部で得られるドップラー信号波形を示す図である。 検知部で得られるドップラー信号波形を示す図である。 検知部で得られるドップラー信号波形を示す図である。
符号の説明
1…吐水部
2…受水部
3…電波センサ
4…バルブ
5…制御部
6…電波ビーム
11…発振回路
12…アンテナ
13…検知部
14…ミキサ部
15…低増幅部
16…高増幅部
17…周波数変換部

Claims (2)

  1. 水を吐出する吐水部と、
    前記吐水部から吐出された水を受ける受水部と、
    前記受水部の裏側に設けられ、前記吐水部に向かって電波を放射し、放射した電波の反射波によって被検知体の移動に関する情報を取得するセンサと、
    前記センサからの情報に基づいて、前記吐水部から吐止水を制御する制御部と、を備えた吐水装置であって、
    前記受水部は、
    側面視において凹状に形成された凹形状部と、
    前記凹形状部の上に変曲部を介して連結され、前記凹形状部の上より上側は水平面に対する傾斜角度が常に前記凹形状部の上端より小さく側面視において凸状に構成された凸形状部を有しており、
    前記センサは、前記変曲部よりも前記凸形状部側に配置されたことを特徴とする吐水装置。
  2. 前記凸形状部に被検知体を誘導する表示部を設けたことを特徴とする請求項1記載の吐水装置。
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