JP5816497B2 - 無段変速機用潤滑油組成物 - Google Patents

無段変速機用潤滑油組成物 Download PDF

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本発明は、無段変速機用潤滑油組成物に関する。
近年、環境問題への意識の高まりから各国で燃費規制が強化されつつある。この燃費向上ニーズの高まりに応えるため、無段変速機(以下CVTとも言う)が採用される傾向にある。CVTは無段階に変速できるため、必要な出力トルクにより最適なエンジン回転数を選択でき、燃費向上効果が大きい。また、CVTには変速ショックがなく、シフトアップ時のエンジン回転数の落ち込みが無いため加速性能が向上し、ドライバビリティーにも優れている。CVTには金属ベルト方式、チェーン方式、トラクションドライブ方式等があり、いずれの方式でも高い伝達効率が求められる。そこでトラクション係数の高い潤滑油を開発し、伝達効率を向上させる事が必要となる。中でもトラクションドライブは油膜を介して動力を伝達するため、騒音が少なく高級車には最適である。
一方、無段変速機用潤滑油は、駆動側の動力を被駆動側に油膜を介して伝えるための潤滑油であり、トラクション係数が高いほど、伝達効率が高くなる。よって使用条件においてそのトラクション係数が十分大きいことが望まれる。
そして特に、トラクションドライブ方式用の潤滑油は、CVT内で通常の潤滑油としての役割をも担っているので、摩擦摩耗防止の為に、高温でも十分な油膜を保持できるだけの高い粘度を有することが必要である。
一方で、北米・北欧等の寒冷地における低温始動性のために、低温で低い粘度を有すること(低温流動性)が要求される。そこでトラクションドライブ方式用の潤滑油には粘度の温度変化が小さいこと、すなわち粘度指数が高いことが要求される。こういった要求に応えるため、例えば、特許文献1に記載されているように、粘度指数が0以上であって、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を含有するトラクションドライブ用流体が開発されている。
特開2008−260951号公報
しかしながら、特許文献1に記載のトラクションドライブ用流体でも十分な低温始動性を有するとは言えなかった。また、トラクション係数もトラクションドライブ方式用の潤滑油として、必ずしも満足できるものではなかった。
本発明は、高温でのトラクション係数が高く、低温流動性に優れ、高温で油膜を保持可能な無段変速機用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は以下の無段変速機用潤滑油組成物を提供するものである。
すなわち、本発明の無段変速機用潤滑油組成物は、ロンギホレンを配合してなる無段変速機用潤滑油組成物であって、前記ロンギホレンが、マツの精油およびヒノキの精油のうち少なくともいずれかを精製して得られたものであり、当該組成物は、β−カリオフィレンを含み、かつ、該β−カリオフィレンの含有量が組成物全量基準で1質量%以下であり、前記ロンギホレンの配合量が組成物全量基準で5質量%以上であることを特徴とする。
さらに本発明の無段変速機用潤滑油組成物は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン二量体を配合してなることが好ましい。
さらに、本発明の無段変速機用潤滑油組成物は、前記ロンギホレンの純度が80%以上であることが好ましい。
さらに、本発明の無段変速機用潤滑油組成物は、さらに添加剤を配合してなり、該添加剤が、酸化防止剤、油性剤、極圧剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、防錆剤、金属不活性剤、および消泡剤の少なくともいずれかであることが好ましい。
また、本発明の無段変速機用潤滑油組成物は、トラクションドライブ用流体として好適に用いられる。
本発明によれば、無段変速機用潤滑油組成物がロンギホレンを配合してなるので、トラクション係数が高く、低温流動性に優れ、かつ高温で油膜を保持可能な高い粘度指数を有する。
本発明の無段変速機用潤滑油組成物は、ロンギホレンを配合してなることを特徴とする。ロンギホレンとは、(1S,3aR,4S,8aS)−4,8,8−トリメチル−9−メチレン−デカヒドロ−1,4−メタノアズレンであり、具体的には下記式(1)の構造を持つ化合物である。
ロンギホレンは、マツやヒノキの精油に含まれており、精製することで容易に純度60〜90%のロンギホレンを得ることができる。精製後のロンギホレンはそのまま潤滑油として使用することもできるが、潤滑油の基油として用いることもできる。ロンギホレンを基油として用いると、低流動点であって、粘度指数が高く、高い酸化安定性、高い耐加水分解性および高い体積抵抗率を有する潤滑油組成物を得ることができる。また、ロンギホレン自体が適度の粘度を有するため、潤滑性にも優れる。ロンギホレンの純度は高いほど、粘度指数が高く、酸化安定性に優れる。本発明においてロンギホレンの純度は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上であり、ロンギホレンの純度は高いほど好ましい。
また、マツやヒノキから得られる精油中には、β―カリオフィレンが含まれるものがあるが、β―カリオフィレンは粘度指数が低く、また酸化安定性が乏しいため、含有量は少ないほうが好ましい。β‐カリオフィレンとは、(1R,4E,9S)−4,11,11−トリメチル−8−メチレン−ビシクロ[7.2.0]ウンデカ−4−エンであり、下記の構造を持つ化合物である。β―カリオフィレンは、潤滑油組成物中に存在すると、酸化安定性を阻害するおそれがあり、さらに粘度指数にも悪影響を与える。それ故、β―カリオフィレンの含有量は、組成物全量基準で1質量%以下であることが好ましい。
本発明の無段変速機用潤滑油組成物は、上述のロンギホレン以外の基油を含んでいても
よい。ただし、本発明の無段変速機用潤滑油組成物として効果を発揮するためには、ロンギホレンの配合量が全組成物基準で5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。
ロンギホレン以外の基油としては、例えば、鉱油や合成油の中から適宜選ぶことができるが、本発明においては、特に合成油を用いることが好ましく、ビシクロ[2.2.1]二量体を用いることがより好ましい。中でも、下記一般式(2)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン二量体を配合してなることが特に好ましい。
前記式中、q、rは1から5までの整数を示す。
前記一般式(2)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン二量体は、下記式(3)で示されるendo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−3−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、または下記式(4)で示されるendo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(endo−3−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−endo−2−イル)メチル〕ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンであることがより好ましい。
他の合成油としては、例えば、低分子量ポリブテン、低分子量ポリプロピレン、炭素数8から14までのα−オレフィンのオリゴマーおよびこれらの水素化物、ポリオールエステル(例えば、トリメチロールプロパンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステルなど)、二塩基酸エステル、芳香族ポリカルボン酸エステル(例えば、トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステルなど)、リン酸エステルなどのエステル化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどのアルキルアロマ系化合物、シリコーン油、およびフッ素系オイル(例えば、フルオロカーボン、パーフルオロポリエーテルなど)が挙げられる。
また、鉱油としては、例えば、パラフィン基原油、中間基原油またはナフテン基原油を常圧蒸留するか、あるいは常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して得られる留出油、これらの留出油を常法に従って精製することによって得られる精製油、具体的には溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油、および白土処理油が挙げられる。
これらの基油は一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の無段変速機用潤滑油組成物には、所定の添加剤を配合することができる。添加剤としては、酸化防止剤、油性剤、極圧剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、防錆剤、金属不活性剤および消泡剤などを挙げることができる。これらは一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤としては、従来の炭化水素系潤滑油に使用されているアミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤,硫黄系酸化防止剤を使用することができる。これらの酸化防止剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、モノオクチルジフェニルアミン、モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン系化合物、4,4’−ジブチルジフェニルアミン、4,4’−ジペンチルジフェニルアミン、4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン、4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、4,4’−ジノニルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン系化合物、テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘキシルジフェニルアミン、テトラオクチルジフェニルアミン、テトラノニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジフェニルアミン系化合物、 α−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、ブチルフェニル−α−ナフチルアミン、ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミン、ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどのナフチルアミン系化合物が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールなどのモノフェノール系化合物、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)などのジフェノール系化合物が挙げられる
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、ジエチル[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネートなどが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、五硫化リンとピネンとの反応物などのチオテルペン系化合物、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどのジアルキルチオジプロピオネートなどが挙げられる。
これらの酸化防止剤の配合量は、酸化安定性を保つのに必要な最低量を加えれば良い。酸化防止剤を多く加えると、高温でのトラクション係数が下がるため、少なければ少ないほど良く、組成物全量基準で、0.01質量%以上1質量%以下が好ましい。
油性剤としては、脂肪族アルコール、脂肪酸や脂肪酸金属塩などの脂肪酸化合物、ポリオールエステル、ソルビタンエステル、グリセライドなどのエステル化合物、脂肪族アミンなどのアミン化合物などを挙げることができる。これらの油性剤の配合量は、配合効果の点から、組成物全量基準で、通常0.1質量%以上30質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。
極圧剤としては、硫黄系極圧剤、リン系極圧剤、硫黄および金属を含む極圧剤、リンお
よび金属を含む極圧剤が挙げられる。これらの極圧剤は一種を単独でまたは二種以上組み合わせて用いることができる。極圧剤としては、分子中に硫黄原子およびリン原子のうち少なくともいずれかを含み、耐荷重性や耐摩耗性を発揮しうるものであればよい。
分子中に硫黄を含む極圧剤としては、例えば、硫化油脂、硫化脂肪酸、硫化エステル、硫化オレフィン、ジヒドロカルビルポリサルファイド、チアジアゾール化合物、アルキルチオカルバモイル化合物、トリアジン化合物、チオテルペン化合物、ジアルキルチオジプロピオネート化合物などを挙げることができる。
分子中にリンを含む極圧剤として代表的なものは、トリクレジルフォスフェートなどのリン酸エステル類およびそのアミン塩である。
硫黄、リンおよび金属を含む極圧剤としては、ジアルキルチオカルバミン酸亜鉛(Zn−DTC)、ジアルキルチオカルバミン酸モリブデン(Mo−DTC)、ジアルキルチオカルバミン酸鉛、ジアルキルチオカルバミン酸錫、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(Zn−DTP)、ジアルキルジチオリン酸モリブデン(Mo−DTP)、ナトリウムスルホネート、カルシウムスルホネートなどが挙げられる。分子中にリンを含む極圧剤として代表的なものは、トリクレジルフォスフェートなどのリン酸エステル類およびそのアミン塩である。これら極圧剤の配合量は、配合効果および経済性の点から、組成物全量基準で、通常0.01質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
清浄分散剤としては、金属スルホネート、金属サリチレート、金属フィネート、コハク酸イミドなどが挙げられる。これら清浄分散剤の配合量は、配合効果の点から、組成物全量基準で、通常0.1質量%以上30質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、オレフィン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)、分散型オレフィン系共重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチレン−ジエン水素化共重合体など)などが挙げられる。これら粘度指数向上剤の配合量は、100℃粘度が5mm2/s以上となる量加えれば良いが、多すぎるとトラクション係数が低下し、低温粘度が高くなるため、好ましくは組成物全量基準で、0.3質量%以上5質量%以下である。
防錆剤としては、金属系スルホネート、コハク酸エステル、アルキルアミンおよびモノイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミンなどを挙げることができる。これら防錆剤の配合量は、配合効果の点から、組成物全量基準で、通常0.01質量%以上10質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上5質量%以下である。
金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾール、チアジアゾールなどを挙げることができる。これら金属不活性剤の好ましい配合量は、配合効果の点から、組成物全量基準で、通常0.01質量%以上10質量%以下であり、好ましくは0.01質量%以上1質量%以下である。
消泡剤としては、メチルシリコーン油、フルオロシリコーン油、ポリアクリレートなどを挙げることができる。これらの消泡剤の配合量は、配合効果の点から、組成物全量基準で、通常0.0005質量%以上0.01質量%以下である。
無段変速機には金属ベルト方式、チェーン方式、トラクションドライブ方式等があるが、何れの方式でも高い伝達効率が求められ、トラクション係数の高い潤滑油が求められる。本発明の組成物は、十分に高いトラクション係数を有するため、無段変速機用の潤滑油組成物として使用可能であり、高温でも十分な油膜を保持できる高い粘度を有するので、特に油膜を介して動力を伝達するトラクションドライブ用流体として好適に用いることができる。
次に本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。具体的には、以下に示すように各試料油を調製して各種の評価を行った。
製造例1
〔ビシクロ[2.2.1]ヘプタン二量体水素化物(流体1)の調製〕
(1)原料オレフィンの調製
2Lのステンレス製オートクレーブに、クロトンアルデヒド561g(8モル)及びジシクロペンタジエン352g(2.67モル)を仕込み、170℃で3時間攪拌して反応させた。
反応溶液を室温まで冷却した後、スポンジニッケル触媒〔川研ファインケミカル(株)製,M−300T〕18gを加え、水素圧0.9MPa・G、反応温度150℃で4時間水素化を行った。冷却後、触媒を濾別した後、濾液を減圧蒸留し、105℃/2.66kPa留分565gを得た。この留分をマススペクトル,核磁気共鳴スペクトルで分析した結果、この留分は2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン及び3−ヒドロキシメチル−2−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンであることが確認された。次いで、外径20mm,長さ500mmの石英ガラス製流通式常圧反応管に、γ−アルミナ〔日揮化学(株)製,N612N〕20gを入れ、反応温度285℃,質量空間速度(WHSV)1.1hr−1で脱水反応を行い、2−メチレン−3−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン及び3−メチレン−2−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン55質量%、2,3−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン30質量%を含有する2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンと3−ヒドロキシメチル−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの脱水反応生成物490gを得た。
(2)二量体の調製
1Lの四つ口フラスコに三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体8g、及び上記(1)で得たオレフィン化合物400gを入れ、メカニカルスターラーを用いて攪拌しながら、0℃で6時間二量化反応を行った。この反応混合物を希NaOH水溶液と飽和食塩水で洗浄し、オレフィン化合物を得た。
(3)水素化工程
1Lオートクレーブに上記(2)で得たオレフィン化合物300g及び水素化用ニッケル/ケイソウ土触媒〔日揮化学(株)製,N−113〕12gを加え、水素圧3MPa・G,反応温度80℃,反応時間5時間、さらに反応温度180℃、反応時間4時間で水素化を行い、反応終了後、濾過により触媒を除き、濾液を減圧で蒸留することにより、目的とする二量体水素化物240gを得た。得られた流体を流体1とする。
実施例1
〔ロンギホレン(流体2)の調製〕
純度80%のロンギホレン〔Honghe Fine Chemical社製〕を、充填材を詰めた40mmφ、120cmのカラムで精密蒸留し、純度90%の4,8,8−トリメチル−9−メチレンデカヒドロ−1,4−メタノアズレン(沸点145−149℃/30mmHgの留分)を70%の収率で得た。得られた流体を流体2とする。
実施例2
製造例1の流体1を85質量%と、実施例1の流体2を15質量%配合して、流体3とした。
製造例2
〔流体4の合成〕
国際公開公報WO2003/014268に記載の方法に従って、α−メチルスチレン線状二量体水素化物を合成した。
還流冷却器、攪拌装置および温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに活性白土(水澤化学工業(株)製「ガレオンアースNS」)4g、ジエチレングリコールモノエチルエーテル10g及びα−メチルスチレン200gを入れ、反応温度105℃に加熱し、4時間攪拌した。反応終了後、生成液をガスクロマトグラフィーで分析して、転化率70%、目的物α−メチルスチレン線状二量体の選択率95%、副生成物α−メチルスチレン環状二量体の選択率1%、三量体等の高沸点物選択率4%であることが分かった。この反応混合物を1Lオートクレーブに水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)15gを加え,水素化を行った(水素圧3MPa・G、反応温度250℃,反応時間5時間)。反応物を濾過し、濃縮後、減圧蒸留を行うことにより、純度99%のα−メチルスチレン線状二量体水素化物すなわち2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタン125g(流体4)を得た。
比較例1
〔シクロオクテン二量体水素化物(流体5)の合成〕
前記特許文献1(特開2008−260951号公報)実施例13に記載の方法に従って合成した。
1リットル四つ口フラスコに三フッ化ホウ素1.5水錯体100g,ヘプタン200ミリリットルを入れ,20℃で攪拌しながらシクロオクテン450gを4時間で滴下して,二量化反応を行った。
この反応混合物を希NaOH水溶液と飽和食塩水で洗浄して,ヘプタンを留去した後、1リットルオートクレーブに水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)15gと共に加え,水素化を行った(水素圧3MPa,反応温度200℃,反応時間3時間)。反応終了後,濾過により触媒を除き,濾液を減圧で蒸留することにより,目的とする二量体の水素化物210g(流体5)を得た。
比較例2
比較例1の流体5を含有量が全流体中15質量%になるように製造例2の流体4に混合し、流体6を得た。
〔試料油の性状測定方法〕
上述の各試料油(流体1〜6)に対して下記の方法により各種の性状を測定した。結果を表1に示す。
(1)動粘度
JIS K 2283に準拠し、40℃、100℃における動粘度を測定した。
(2)粘度指数
JIS K 2283に準拠して測定した。
(3)15℃密度
JIS K 2249に準拠して測定した。
(4)−40℃粘度
ASTM D2983に準拠して測定した。
(5)トラクション係数
120℃でのトラクション係数の測定は二円筒転がり滑り摩擦試験機にて行った。すなわち、接している同じサイズの円筒(直径52mm、厚さ6mmで被駆動側は曲率半径10mmのタイコ型、駆動側はクラウニングなしのフラット型)の一方を一定速度で、他方の回転速度を連続的に変化させ、両円筒の接触部分に錘により98.0Nの荷重を与えて、両円筒間に発生する接線力、即ちトラクション力を測定し、トラクション係数を求めた
。この円筒は軸受鋼SUJ−2鏡面仕上げでできており、平均周速6.8m/s、最大ヘルツ接触圧は1.23GPaであった。また、流体温度(油温)120℃でのトラクション係数を測定するにあたっては、油タンクをヒーターで加熱することにより、油温を40℃から140℃まで昇温させ、すべり率5%におけるトラクション係数を求めた。
〔評価結果〕
実施例1、2の試料油は比較例1から2までの試料油に比べて、粘度指数とトラクション係数がともに大きい。また、ロンギホレンを配合した実施例2の流体3では、ロンギホレンを含まない製造例1の流体1や製造例2の流体4に比べて、−40℃における粘度が大幅に小さくなるが、一方で120℃におけるトラクション係数は大きいまま維持されていることがわかる。

Claims (5)

  1. ロンギホレンを配合してなる無段変速機用潤滑油組成物であって、
    前記ロンギホレンが、マツの精油およびヒノキの精油のうち少なくともいずれかを精製して得られたものであり、
    当該組成物は、β−カリオフィレンを含み、かつ、該β−カリオフィレンの含有量が組成物全量基準で1質量%以下であり、
    前記ロンギホレンの配合量が組成物全量基準で5質量%以上である
    ことを特徴とする無段変速機用潤滑油組成物。
  2. 請求項1に記載の無段変速機用潤滑油組成物において、
    ビシクロ[2.2.1]ヘプタン二量体を配合してなることを特徴とする無段変速機用潤滑油組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の無段変速機用潤滑油組成物において、
    前記ロンギホレンの純度が80%以上であることを特徴とする無段変速機用潤滑油組成物。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の無段変速機用潤滑油組成物において、
    さらに添加剤を配合してなり、該添加剤が、酸化防止剤、油性剤、極圧剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、防錆剤、金属不活性剤、および消泡剤の少なくともいずれかであることを特徴とする無段変速機用潤滑油組成物。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の無段変速機用潤滑油組成物において、該組成物がトラクションドライブ用流体であることを特徴とする無段変速機用潤滑油組成物。
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