JP5815427B2 - ろう材およびこれを用いて接合してなる接合体 - Google Patents

ろう材およびこれを用いて接合してなる接合体 Download PDF

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Description

本発明は、ろう材およびこれを用いて接合してなる接合体に関する。
セラミックス、金属、超硬合金などは、それぞれにおいて優れた特性を有していることから、要求特性に応じて選択された材質を用いてなる被接合部材同士をろう材によって接合した接合体が様々な分野で用いられている。
そして、このようなろう材として、最も代表的なものには銀―銅共晶組成(銀:銅=72:28)の銀ろうに活性金属を添加したものが知られているが、この他にも銀と銅の比率を変えたり、種々の元素を添加したりして接合体の接合強度の向上が図られている。
近年において、ろう材により接合されてなる接合体は、利用分野の拡がりとともに、要求特性はさらに高まっており、使用時の摩擦や磨耗等によって生じる熱に耐えられることや800℃程度の高温に曝される環境での使用に耐えうることが求められている。
本発明は、上記課題を解決すべく案出されたものであり、空隙が少なく、高温に曝されても高い接合強度を有することのできるろう材およびこれを用いて接合されてなる接合体を提供するものである。
本発明のろう材は、セラミック焼結体からなる第1部材と、合金からなる第2部材との接合に用いられるろう材であって、銅を含まず、銀と、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブの少なくとも1種の活性金属と、コバルトとからなり、それぞれの含有量が、銀が90質量%以上、活性金属が0.5質量%以上9.0質量%以下、コバルトが0.3質量%
以上5.0質量%以下であることを特徴とするものである。
また、本発明のろう材は、セラミック焼結体からなる第1部材と、合金からなる第2部材との接合に用いられるろう材であって、銅を含まず、銀と、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブの少なくとも1種の活性金属と、コバルトと、タングステンとから
なり、それぞれの含有量が、銀が90質量%以上、活性金属が0.5質量%以上9.0質量%以下、コバルトが0.3質量%以上5.0質量%以下、タングステンが0.2質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の接合体によれば、上記構成の本発明のろう材からなる金属層を介して、前記第1部材と前記第2部材とが接合されてなることを特徴とするものである。
本発明のろう材によれば、被接合部材の1つであるセラミック焼結体との濡れ性に優れていることから、接合面間において空隙を少なくすることができる。また、接合時の加熱によって、被接合部材の1つであるセラミック焼結体との界面において、活性金属とコバルトとセラミック焼結体を構成する成分とが反応した化合物層が形成されることから、セラミック焼結体と本実施形態のろう材からなる金属層とを強固に接合することができ、この化合物層の存在によって高温に曝されても高い接合強度を有するものとできる。さらに、コバルトを含むことにより、銀のみのときよりもろう材の融点を低くすることができることから、接合温度を低くできるため、接合時の加熱において被接合部材に生じる熱応力を小さくすることができ、冷却後における被接合部材の残留応力を小さくすることができる。
また、本発明の接合体によれば、本発明のろう材からなる金属層を介して、セラミック焼結体からなる第1部材と合金からなる第2部材とが接合されてなることから、接合面間
の空隙率が小さく、高温に曝されても高い接合強度を有していることから、長期間にわたって使用することができるため、高い信頼性を有するものとなる。
本実施形態の接合体の一例を示す、(a)は角柱状の接合体の斜視図であり、(b)は円筒状の接合体の斜視図である。 本実施形態の接合体の他の例を示す、(a)は固体酸化物形燃料電池の斜視図であり、(b)は(a)におけるA−A’線での断面図である。 本実施形態の接合体の他の例を示す、(a)は切削工具の斜視図であり、(b)は(a)におけるB部を破断した部分断面図である。
以下、本実施形態のろう材およびこれを用いて接合されてなる接合体について図面を参照しながら説明する。
本実施形態のろう材は、セラミック焼結体からなる被接合部材を含む、複数の被接合部材同士の接合に用いられ、銅を含まず、銀と、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブの少なくとも1種の活性金属と、コバルトとの金属成分を含んでなり、それぞれの金属成分の合計100質量%に対する含有量が、銀が90質量%以上、活性金属が0.5質量%以上9.0質量%以下、コバルトが0.3質量%以上5.0質量%以下である。
上述した構成の本実施形態のろう材は、これを用いて接合した接合体において、接合面間における空隙が少なく、室温における接合強度が、Ag−Cu系のろう材を用いて接合した場合と同等でありながら、高温における接合強度が、Ag−Cu系のろう材を用いて接合した場合よりも高い接合強度とすることができる。なお、ここでいう高温とは、接合強度の評価に基づいて800℃のことを指す。
そして、本実施形態のろう材が、被接合部材の1つがセラミック焼結体からなる被接合部材同士の接合に用いられたとき、高い接合強度が得られる理由は以下の通りである。まず、ろう材に活性金属を含むことにより、特にセラミック焼結体との界面において、活性金属とセラミック焼結体とを構成する成分とが反応して界面エネルギーを低下させ、セラミック焼結体の接合面上におけるろう材の濡れ性を向上させることができることから、接合面間における空隙を少なくすることができる。
また、接合時の加熱によって、被接合部材であるセラミック焼結体との界面において、活性金属とコバルトとセラミック焼結体を構成する成分とが反応した化合物層が形成されることから、セラミック焼結体と本実施形態のろう材からなる金属層とを強固に接合することができ、この化合物層の存在によって高温に曝されても高い接合強度を有するものとできる。そして、ひいては本実施形態のろう材を用いれば、第1部材と第2部材とを強固に接合できることとなる。
さらに、コバルトを含むことにより、銀のみのときよりもろう材の融点を低くすることができることから、接合温度を低くできるため、接合時の加熱における被接合部材に生じる熱応力を小さくすることができ、冷却後における被接合部材の残留応力を小さくすることができる。なお、活性金属の含有量が0.5質量未満では、接合面における空隙が多いた
め高い接合強度を得ることができず、9.0質量%を超えると、ろう材そのものが脆化して
しまい濡れ性が低下して、接合面における空隙が多いため高い接合強度を得ることができない。
また、コバルトの含有量が0.3質量%未満では、室温において高い接合強度を有してい
るものの、高温において高い接合強度を有するものとすることができない。また、コバルトの含有量が5.0質量%を超えると、空隙が多く、室温、高温ともに高い接合強度を有す
るものとすることができない。なお、コバルトの含有量は、0.6質量%以上4.0質量%以下であることがより好ましい。
なお、本実施形態のろう材を構成するそれぞれの金属成分の含有量とは、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法または蛍光X線分析法により求めたそれぞれの金属成分の合計100質量%に対するものである。したがって、ろう材に含まれる樹脂や有機溶
剤を除くものであり、含有量の測定においては、ろう材を加熱処理して樹脂および有機溶剤を焼失させた金属を用いて、ICP発光分析法または蛍光X線分析法により求めることが好ましい。
次に、図1は、本実施形態の接合体の一例を示す、(a)は角柱状の接合体の斜視図であり、(b)は円筒状の接合体の斜視図である。図1に示す例の接合体10、10’は、本実施形態のろう材からなる金属層3を介して、セラミック焼結体からなる第1部材1と、合金からなる第2部材2とが接合されてなるものである。なお、図1において、角柱状や円筒状の接合体を示したが、第1部材1と第2部材2の形状は限定されるものではなく、平板状、環状、円柱状、角筒状であってもよく、第1部材1と第2部材2とが異なる形状であっても何ら差し支えない。
そして、本実施形態のろう材からなる金属層3を介して、セラミック焼結体からなる第1部材1と、合金からなる第2部材2とが接合されてなる本実施形態の接合体は、室温および高温においても高い接合強度を有していることから、長期間にわたって使用可能であり、信頼性の高いものとなる。
また、第1部材1を構成するセラミック焼結体とは、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al)、アルミン酸マグネシウム(MgAl)、酸化チタン(TiO)等の酸化物セラミックス、窒化珪素(Si)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)等の窒化物セラミックス、炭化珪素(SiC)、炭化ホウ素(BC)等の炭化物セラミックスを主成分とするものである。また、第2部材2を構成する合金とは、例えば、ステンレス鋼、ニッケル基合金、クロム基合金、超硬合金またはサーメット合金等のことである。
なお、セラミック焼結体において主成分とは、セラミック焼結体を構成する全成分量のうち50質量%超えて含有するものであり、主成分の同定はX線回折法によって行なうことができ、主成分の含有量はICP発光分析法または蛍光X線分析法により求めることができる。また、主成分の含有量については、主成分以外の成分の含有量を求め、100質量%
から主成分以外の成分の含有量を差し引いて求めてもよいことはいうまでもない。
そして、本実施形態の接合体は、第2部材2として超硬合金を用いる場合には、金属層3にさらにタングステンを含有することが好適である。超硬合金からなる第2部材2は、線膨張係数が小さいことから、接合時や高温に曝されたときに第1部材1に生じる熱応力を抑制することができるとともに、金属層3がさらにタングステンを含むことによって金属層3の線膨張係数も小さくなることから、冷却後における第1部材1の残留応力を抑制することができるため、昇温や降温が繰り返された際においても高い接合強度を維持することができる。なお、金属層3を構成する全成分量中におけるタングステンの含有量は、0.2質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
次に、本実施形態の接合体の具体例として図2を用いて説明する。図2は、本実施形態の接合体の他の例を示す、(a)は固体酸化物形燃料電池の斜視図であり、(b)は(a
)におけるA−A’線での断面図である。
図2に示す例の固体酸化物形燃料電池5は、固体酸化物形燃料電池の基本構成であるセル6を複数積層したものである。セル6は、その内部に発電するための要部であるセル本体7を備えており、セル本体7は、水素に接触する燃料極8、酸素イオン導電性を有する固体電解質9、固体電解質9と空気極13との間における反応を防止する反応防止層11、酸化ガス(例えば、空気中の酸素)に接触する空気極13が、順に積層されてなるものでる。
そして、燃料極8は、燃料極側集電体23を介してインターコネクタ15に電気的に接続され、空気極13は、空気極側集電体25および金属層27を介してインターコネクタ15に接続されている。
また、セル6には、燃料ガス流路19および空気ガス流路33となる空間が形成されており、燃料ガス流路19と空気ガス流路33とはセパレータ35により隔離され、このセパレータ35は、金属層37を介して固体電解質9に接合されている。
さらに、セル6には、その機械的強度を高めるために、四角形の枠状の金属フレーム41,43が配設されており、金属層45,47,51,53を介してその上下の部材に接合されている。
また、セル6間を電気的に絶縁するため、絶縁体である四角形の枠状のセラミックフレーム39が金属フレーム41,43間に配設され、金属層49を介してセパレータ35に接合されている。
そして、上述した構成のセル6が、金属からなるインターコネクタ15を介して上下方向に複数積層されて固体酸化物形燃料電池5が構成されている。
また、固体酸化物形燃料電池5には、燃料ガス流路19に燃料ガスを供給する供給路21が配設されており、図示されていないが、空気ガス流路33に空気を供給する供給路も配設されている。
また、最上部と最下部に位置するインターコネクタ15は、それぞれ蓋体29、底部31であり、上方から蓋体29、金属層45、金属フレーム41、金属層47、セラミックフレーム39、金属層49、セパレータ35、金属層51、金属フレーム43、金属層53、インターコネクタ15の順で複数積層され、最下部の底部31までで筐体が形成されている。
なお、図2において、燃料極8が支持基体となる燃料極支持方式のセル本体7を例に挙げているが、これに限定されるものではなく、例えば、空気極支持方式または固体電解質が支持基体となる自立膜式の固体酸化物形燃料電池セルなどに適用することができる。
ここで、燃料極8、固体電解質9、空気極13は、それぞれ公知の材料を用いることができる。例えば、燃料極8としては、Ni(NiOを含む)および酸化イットリウムで安定化された酸化ジルコニウム(ZrO)等を用いることができ、空気極13としては、例えばLaSrCo系の複合酸化物等を用いることができる。さらに固体電解質9としては、例えば、酸化セリウムまたは酸化イットリウムで安定化された酸化ジルコニウム(ZrO)、セリウム酸バリウム(BaCeO)またはガリウム酸ランタン(LaGaO)を主成分とするセラミック焼結体からなる。
また、セラミックフレーム39は、例えば、酸化セリウム(CeO)または酸化イットリウム(Y)で安定化した酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化マグネシウム(M
gO)、酸化アルミニウム(Al)、アルミン酸マグネシウム(MgAl)または酸化チタン(TiO)を主成分とするセラミック焼結体からなる。
また、インターコネクタ15、セパレータ35および金属フレーム41,43は、例えば、ステンレス鋼、ニッケル基合金またはクロム基合金等の耐熱合金からなる。具体的には、ステンレス鋼としては、SUS430、SUS434、SUS405等のフェライト系ステンレス鋼、
SUS403、SUS410、SUS431等のマルテンサイト系ステンレス鋼、SUS201、SUS301、SUS305等のオーステナイト系ステンレス鋼であり、ニッケル基合金としては、ニクロム1号、ニクロム2号、インコネル600、インコネル601、インコネル625、インコ
ネル702、インコネル706、インコネル713C、インコネル718、インコネル750X、インコ
ロイ802、インコロイ825、インコロイ901、モネル400、モネルK−500(インコネル、イ
ンコロイおよびモネルは、登録商標)等であり、クロム基合金としては、Ducrlloy CRF(94Cr5Fe1Y)等である。
そして、このような構成の固体酸化物形燃料電池5において、金属層37,45,47,49,51,53が本実施形態のろう材からなり、各部材が本実施形態のろう材からなる金属層37,45,47,49,51,53を介して接合されていることにより、600℃〜1000℃と高い発電温度
に接合部が曝されたとしても、接合部の空隙が少ないことから気密性が損なわれることが少なく、高温においても高い接合強度を有していることから長期間の使用に耐え信頼性の高いものとすることができる。
次に、図3は、本実施形態の接合体の一例を示す、(a)は切削工具の斜視図であり、(b)は(a)におけるB部を破断した部分断面図である。
図3に示す例の切削工具61は、窒化硼素を主成分とするセラミック焼結体からなる刃先部62が金属層63を介して、超硬合金やサーメット合金からなる基材64に接合されてなるものである。そして、刃先部62には、例えば、厚みが0.5μm以上12.0μm以下の窒化チタ
ンアルミニウム、窒化クロムアルミニウム等を主成分とする膜65を備えているものである。
ここで、図3に示す例の切削工具61は、本実施形態の接合体10の構成に倣えば、刃先部62が第1部材1であり、基材64が第2部材2であり、金属層63が金属層3である。このような構成の切削工具61において、金属層63が本実施形態のろう材からなり、刃先部62と基材64とが本実施形態のろう材からなる金属層63を介して接合されていることにより、接合部の空隙が少なく高温においても高い接合強度を有していることから、切削時の温度上昇に十分に耐えることができ、長期間にわたって使用できるため、寿命が長く信頼性の高い切削工具61とすることができる。
なお、本実施形態の接合体の具体例として、固体酸化物形燃料電池5および切削工具61を示したがこれらに限定されるものでないことはいうまでもない。
次に、本実施形態のろう材の製造方法の一例について説明する。
本実施形態のろう材は、銀の粉末と、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブから選択される少なくとも1種の活性金属の粉末と、コバルトの粉末とを準備し、全粉末の合計の100質量%に対して活性金属の含有量が0.5質量%以上0.9質量%以下、コバルト
の含有量が0.3質量%以上5.0質量%以下、残部が銀となるように秤量して混合した後、樹脂または無機化合物フラックスと有機溶媒とを添加し混練することによってペースト状の本実施形態のろう材を得ることができる。なお、金属層3にタングステンを含ませるときには、上述した粉末の混合時にタングステン源となる粉末を添加すればよく、添加量は、
全粉末の合計の100質量%に対して0.2質量%以上1.0質量%以下となるように秤量して添
加すればよい。
ここで、樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリレート、ポリメタレート等を用いることができ、無機化合物フラックスとしては、例えば、ホウ酸(HBO)、ホウフッ化水素酸(HBF)等の酸、塩化リチウム(LiCl)、塩化マグネシウム(MgCl)等の塩化物、フッ化ナトリウム(NaF)等のフッ化物、臭化カリウム(KBr)等の臭化物、4ホウ酸カリウム5水和物(K・5HO)等のフラックスを用いることができる。また、有機溶媒としては、例えば、テルピネオール等のアルコール、アセトン、トルエン、キシレン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等を用いることができる。
次に、本実施形態の接合体10の製造方法の一例について説明する。まず、セラミック焼結体からなる第1部材1および合金からなる第2部材2を準備する。次に、第1部材1および第2部材2の接合面の少なくともいずれかに、本実施形態のろう材をスクリーン印刷法、加圧印刷法および刷毛塗り等のいずれかの方法で塗布した後、120℃以上150℃以下で乾燥する。
そして、第1部材1および第2部材2の接合面同士が相対するように配置して、接合面に所定の圧力を加えた状態で、例えば、真空度が0.014Pa以上0.16Pa以下の真空雰囲
気中にて、980℃以上1040℃以下の温度で30分以上2時間以下保持することにより、本実
施形態の接合体1を得ることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
まず、表1,2に示す含有量となるように、各種粉末を所定量秤量して混合した後、メチルセルロースおよびテルピネオールを添加し、順次混練して脱泡することによって、ペースト状のろう材を得た。なお、表1,2では、活性金属が1種である場合は、A1の欄にその元素名を、活性金属が2種である場合は、A1,A2の欄にそれらの元素名を記した。
そして、セラミック焼結体からなる第1部材1と、金属からなる第2部材2とを準備した。なお、試料No.1〜55を構成する第1部材1は、酸化イットリウム(Y)で安定化させた酸化ジルコニウム(ZrO)を主成分とするセラミック焼結体を用い、第2部材2は、フェライト系ステンレス鋼からなるSUS430を用いた。また、試料No.56〜67を構成する第1部材1は、窒化ホウ素(BN)を主成分とするセラミック焼結体を
用い、第2部材2は、超硬合金を用いた。なお、第1部材1は、主成分の含有量がいずれも90質量%であり焼結助剤を含むものである。また、各部材の形状は、図1(a)に示す角柱状とし、X方向、Y方向およびZ方向の各長さはそれぞれ25mm、20mm、5mmとした。
次に、接合面となる第1部材1の端面に、ペースト状のろう材を刷毛で塗布した後、135℃で乾燥させた。そして、塗布したろう材を乾燥させた第1部材1の端面が第2部材2
の端面と相対するように配置して、第1部材1および第2部材2の両側から所定の圧力で加えた状態で、真空度が0.08Paの真空雰囲気中にて、1020℃の温度で1時間保持することにより、試料No.1〜67の接合体を得た。
そして、各試料の金属層3について、ICP発光分析法により定量分析を行ない、表3
に示す含有量となっていることを確認した。
次に、超音波探傷法により第1部材1と第2部材2との間に生じている空隙を平面視した面積Sを測定し、第1部材1が第2部材2に接合している面の空隙が全くないとした状態の面積Sに対する比率(=S/S×100)を求め、空隙率とした。なお、超音
波探傷法の測定条件は、探傷周波数を50MHz,ゲインを30dB、スキャンピッチを100
μmとした。この測定によって得られた空隙率は、その値が低いほど、ろう材の濡れ性が高いことを示す。
さらに、第1部材1と第2部材2との接合強度を確認するため、次の試験を行なった。接合体における第2部材2となる位置を固定用治具で固定し、精密万能試験機((株)島津製作所製、オートグラフAG−IS)を用いて、クロスヘッドの速度は1mm/分とし、第1部材1を引き剥がした。この試験によって得られた値を接合強度として結果を表1,2に示した。なお、この試験は、接合後に室温まで冷却したものと、800℃で1時間保
持した後のものとで行なった。
Figure 0005815427
Figure 0005815427
表1,2に示す通り、試料No.2,3,5〜8,10,13,14,16〜19,21,24,25,27〜30,32,35,36,38〜41,43,46,47,49〜52,54は、空隙率が小さく、高い接合強度が得られており、本発明のろう材は、第1部材1や第2部材2との濡れ性に優れ、第1部材1と第2部材2とを強固に接合できることが分かった。また、本発明のろう材を用いて接合されてなる接合体10は、室温はもとより高温に曝されても高い接合強度を有していることから、長期間にわたって使用することができるため、信頼性の高いものとなることが分かった。
また、活性金属の構成および含有量が同じであり、コバルトの含有量を異ならせた試料No.4〜9,15〜20,26〜31,37〜42,48〜53において、接合後および800℃で1時間
保持した後の接合強度を比べると、コバルトの含有量は、0.6質量%以上4.0質量%以下がより好ましいことが分かった。
まず、表3に示す含有量となるように、各種粉末を所定量秤量して混合した後、メチルセルロースおよびテルピネオールを添加し、順次混練して脱泡することによって、ペース
ト状のろう材を得た。
そして、窒化ホウ素(BN)を主成分とするセラミック焼結体からなる第1部材1と、超硬合金からなる第2部材2とを用いた。各部材の形状は、図1(a)に示す角柱状とし、X方向、Y方向およびZ方向の各長さはそれぞれ25mm、20mm、5mmとした。
次に、実施例1で示した方法と同様の方法で、試料No.68〜72の接合体を作製した。そして、各試料の金属層3について、ICP発光分析法により定量分析を行ない、表3に示す含有量となっていることを確認した。また、各試料について、室温から800℃に昇温
して室温まで冷却する温度サイクルを100回実施した後、実施例1と同様の方法で接合強
度を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0005815427
表3に示す通り、試料No.69〜72は、試料No.68よりも高い接合強度が得られており、第1部材1がセラミック焼結体からなり、第2部材2が超硬合金からなる接合体において、金属層3にタングステンが含まれていることにより、繰り返し掛かる温度サイクルによっても高い接合強度を維持できることが分かった。また、全成分量中におけるタングステンの含有量は、0.2質量%以上1.0質量%以下が好ましいことが分かった。
10,10’:接合体
1:第1部材
2:第2部材
3:金属層

Claims (4)

  1. セラミック焼結体からなる第1部材と、合金からなる第2部材との接合に用いられるろう材であって、銅を含まず、銀と、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブの少なくとも1種の活性金属と、コバルトとからなり、それぞれの含有量が、銀が90質量%以上、活性金属が0.5質量%以上9.0質量%以下、コバルトが0.3質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とするろう材。
  2. セラミック焼結体からなる第1部材と、合金からなる第2部材との接合に用いられるろう材であって、銅を含まず、銀と、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびニオブの少なくとも1種の活性金属と、コバルトと、タングステンとからなり、それぞれの含有量が、銀が90質量%以上、活性金属が0.5質量%以上9.0質量%以下、コバルトが0.3質量%以上5.0質量%以下、タングステンが0.2質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とするろう材。
  3. 請求項1または請求項2に記載のろう材からなる金属層を介して、前記第1部材と前記第2部材とが接合されてなることを特徴とする接合体。
  4. 前記第2部材が超硬合金からなり、請求項2に記載のろう材からなる金属層を介して、前記第1部材と接合されてなることを特徴とする接合体。
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