JP5813962B2 - 油性目元用下地化粧料 - Google Patents
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一方、肌への伸展性や、使用感を向上させる目的で、金平糖のような特殊な形状の粒子が開発され(例えば、特許文献2)、種々の化粧料への応用がなされている(例えば、参考文献3、4)。
このため、まぶたでの伸び広がりが良く、とまりが早く、重ねづけするアイシャドーの発色と膜の均一性に優れ、経時でのよれのなさに優れた油性固形目元用下地化粧料の開発が望まれていた。
(1)次の成分(a)〜(c):
(a)粒子表面の全面に亘って微小突起を有する金平糖形状のシリコーン粒子
(b)(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、及び/又は、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)
(c)ワックス類
を配合し、
上記(a)成分の配合量が1〜20質量%、成分(b)の配合量が1〜10質量%、成分(c)の配合量が1〜7質量%であることを特徴とする油性目元用下地化粧料、
(2)さらに、成分(d)球状粒子を含むことを特徴とする上記(1)に記載の油性目元用下地化粧料、に関するものである。
本発明に使用される成分(a)シリコーン粒子は、略球状粒子の表面全体に微小突起を有する、いわゆる金平糖のような形状をなすものであり、該微小突起は母体粒子と化学的に結合し、容易に欠落することがないものである。
該シリコーン粒子の平均粒子径(微小突起を含む)は、特に限定されるものではないが、1〜20μmが好ましく、さらに好ましくは3〜10μmである。この範囲であれば、まぶたでの伸び広がりの良さと、肌への密着性に優れることによる塗布時のとまりの早さを両立する化粧料とすることができる。
さらに、微小突起の直径の平均値/母体粒子の直径は、0.01〜0.3であり、かつ、突起物の高さの平均値/母体粒子の直径が、0.01〜0.3であることが好ましい。この範囲であれば、金平糖形状をいかして化粧料の付着を促し、とまりの早さを与えることができる。
このような金平糖形状のシリコーン粒子の市販品としては、TOSPEARL 150KA(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等が挙げられる。
前記(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルは、主として12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、ロジン酸からなる混合酸とジペンタエリトリットのエステルであり、市販品としては、コスモール168ARNV(日清オイリオグループ社製:荷重値45.3)が挙げられる。また、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)は、主としてN−ラウロイル−L−グルタミン酸とフィトステロール、ベヘニルアルコールおよびオクチルドデカノールの混合物のエステルであり、市販品としては、エルデュウPS−306(味の素社製:荷重値432)等が挙げられる。
本発明における全油性成分の配合量は、油性成分が化粧料の連続相をなすために充分な量であり、全化粧料中の50〜99%が好ましい。この範囲であれば、伸び広がりの良さに優れた油性目元用下地化粧料が得られる。
本発明における全粉体の配合量は、特に限定されないが、全化粧料中の25〜50%が好ましく、さらに好ましくは30〜45%である。この範囲であれば、とまりの早さにも優れ、さらに化粧膜のべたつきがないことから、重ねづけするアイシャドーの膜の均一性にも優れた油性目元用下地化粧料が得られる。
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であれば特に制約はなく、非イオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が使用される。
水性成分としては、水の他に、例えば、エチルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられ、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系等の紫外線吸収剤や、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられ、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられ、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられ、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられ、防腐剤としてはパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2ペンタジオール等が挙げられる。
下記表1に示す処方の油性目元用下地化粧料を調製し、伸び広がりの良さ、とまりの早さ、重ねづけするアイシャドーの発色の良さ、重ねづけするアイシャドーの膜の均一性、経時でのよれのなさ、について下記の方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。
※2:高融点キャンデリラワックスFR100(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※3:パラフィンワックス(155F)(岩瀬コスファ社製)
※4:コスモール168ARNV(日清オイリオグループ社製):荷重値45.3
※5:エルデュウPS−306(味の素社製):荷重値432
※6:エルデュウPS−203(味の素社製):荷重値1.4
※7:AEROSIL R202(日本アエロジル社製)
※8:TOSPEARL 150KA(モメンティヴ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製):平均粒子径3.5〜6.5μm
※9:KSP−102(信越化学社製)
※10:シリカマイクロビードN-1505(日揮触媒化成社製)
A.成分(1)〜(9)を均一に加熱溶解する。
B.成分(10)〜(18)をAに加え、均一に混合する。
C.Bを容器に充填し冷却固化して油性目元用下地化粧料を得た。
イ.伸び広がりの良さ
ロ.とまりの早さ
ハ.重ねづけするアイシャドーの発色の良さ
ニ.重ねづけするアイシャドーの膜の均一性
ホ.経時でのよれのなさ
上記イ〜ホの項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人が下記絶対評価基準にて7段階に評価し評点をつけ、各試料についてパネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。なお、ホの化粧効果の持続性については各試料を塗布し、パネルに通常の生活をしてもらった後、6時間後に化粧膜がまぶたのしわに落ち込んだり、目尻に固まったりすることなく、化粧膜の均一性が維持されているかを評価した。評価に用いたアイシャドーの処方も下記に示す。
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3.5点を超え5点以下 :良好
△ :1点を超え3.5点以下 :やや不良
× :1点以下 :不良
(成分) (%)
1.合成金雲母 10
2.タルク 残量
3.窒化ホウ素 5
4.酸化チタン被覆雲母 5
5.ポリエチレンテレフタレート・エポキシ積層末 5
6.群青 2
7.赤202号 0.5
8.ポリスチレン末 1
9.防腐剤 適量
10.流動パラフィン 3
11.ジメチルポリシロキサン 5
12.2−エチルヘキサン酸グリセリル 3
13.香料 適量
一方、成分(a)および(d)のかわりに、板状粒子を配合した比較例1では、全ての評価項目で満足のいくものが得られず、成分(a)を配合していない比較例2では、とまりの早さと経時のよれのなさの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(b)を配合していない比較例3〜5では、経時でのよれのなさ等の点で満足いくものが得られず、かわりに低粘性のエステル油や炭化水素系のペースト状油を配合しても、とまりの早さ、重ねづけするアイシャドーの発色の良さ及び膜の均一性等の点で満足いくものが得られなかった。成分(c)を配合していない比較例6では、とまりの早さ以外の評価項目で満足いくものが得られなかった。
(成分) (%)
1.フィッシャートロプシュワックス ※11 5
2.マイクロクリスタリンワックス ※12 3
3.ポリエチレンワックス ※13 0.5
4.トリイソステアリン酸ジグリセリル 10
5.リンゴ酸ジイソステアリル 残量
6.ジメチルポリシロキサン ※14 5
7.ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル) ※1
5 1
8.無水ケイ酸 ※6 0.1
9.微粒子酸化亜鉛 1
10.酸化チタン 2
11.硫酸バリウム 2
12.タルク 1
13.ベンガラ 1
14.黄酸化鉄 2
15.黒酸化鉄 0.5
16.微小突起を有するシリコーン粒子(金平糖状)※8 30
17.球状ナイロン粉末 0.5
18.コラーゲン水溶液 適量
※11:CIREBELLE303(CIREBELLE社製)
※12:LUBAX 2191(岩瀬コスファ社製)
※13:PERFORMALENE500(ニューフェーズテクノロジー社製)
※14:KF−96(20CS)(信越化学社製)
※15:エルデュウPS−304(味の素社製):荷重値1830
A.成分(1)〜(7)を100℃まで加熱し、均一溶解する。
B.Aに成分(8)〜(18)を加え均一に分散する。
C.Bを金皿に流し込み、冷却固化して油性目元用下地化粧料を得た。
(評価)
本発明の参考例9の油性目元用下地化粧料は、伸び広がりが良く、とまりが早く、重ねづけするアイシャドーの発色と膜の均一性に優れ、経時でもよれず化粧持ちが良いものであった。
(成分) (%)
1.エチレン・プロピレンコポリマー ※1 1
2.ステアリルジメチコン ※16 3
3.カルナバワックス ※17 3
4.α−オレフィンオリゴマー 5
5.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
6.メチルフェニルポリシロキサン ※18 5
7.ビスジグリセリルポリアシルアジペート−2 5
8.ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル) ※5 10
9.セスキオレイン酸ソルビタン(20E.O.) 0.8
10.微小突起を有するシリコーン粒子(金平糖状)※8 5
11.シリコーン3%処理タルク 10
12.赤色226号 0.5
13.青色404号 1
14.シリコーン5%処理酸化チタン 2
15.無水ケイ酸 ※19 3
16.ポリメタクリル酸アルキル ※20 8
17.精製水 1
18.香料 適量
※16:シリコンDC2503(東レ・ダウコーニングシリコーン株製)
※17:精製カルナウバワックスNO.1(セラリカ野田社製)
※18:KF−56(信越化学工業社製)
※19:AEROSIL 50(日本アエロジル社製)
※20:ガンツパールGM−2800(ガンツ化成社製)
A.成分(1)〜(9)を100℃まで加熱し、均一溶解する。
B.Aに成分(10)〜(18)を加え均一に分散する。
C.Bを100℃にて加熱溶解し、金皿に流し込み、冷却固化して油性目元用下地化粧料を得た。
(評価)
本発明の実施例10の油性目元用下地化粧料は、伸び広がりが良く、とまりが早く、重ねづけするアイシャドーの発色と膜の均一性に優れ、経時でもよれず化粧持ちが良いものであった。
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 5
2.(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル ※4
10
3.ロジン酸ペンタエリスリット 0.5
4.水添ホホバ油 4
5.流動パラフィン 残量
6.微小突起を有するシリコーン粒子(金平糖状)※8 4
7.球状シリコーン粒子(真球状) ※21 4
8.合成金雲母(平均粒子径30μm) 1
9.セリサイト 15
10.タルク 10
11.有機変性ベントナイト 5
12.赤色202号 1
13.黄色5号 2
14.黒色酸化鉄 0.2
15.ヒアルロン酸 0.1
16.香料 適量
※21:トスパール2000B*(モメンティヴ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
A.成分(1)〜(5)を90℃まで加熱し、均一溶解する。
B.Aに成分(6)〜(16)を加え均一に分散する。
C.Bを90℃にて加熱溶解し、チューブ状容器に流し込んで油性目元用下地化粧料を得た。
(評価)
本発明の参考例11の油性目元用下地化粧料は、伸び広がりが良く、とまりが早く、重ねづけするアイシャドーの発色と膜の均一性に優れ、経時でもよれず化粧持ちが良いものであった。
Claims (2)
- 次の成分(a)〜(c):
(a)粒子表面の全面に亘って微小突起を有する金平糖形状のシリコーン粒子
(b)(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、及び/又は、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)
(c)ワックス類
を配合し、
上記(a)成分の配合量が1〜20質量%、成分(b)の配合量が1〜10質量%、成分(c)の配合量が1〜7質量%であることを特徴とする油性目元用下地化粧料 - さらに、成分(d)球状粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の油性目元用下地化粧料
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