JP5813962B2 - 油性目元用下地化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、アイメイキャップ料を塗布する前に、まぶたに適用される目元用下地化粧料に関し、更に詳しくは、まぶたでの伸び広がりが良く、かつ、とまりが早く、重ねづけするアイシャドーの発色と膜の均一性に優れ、経時でのよれのなさにも優れた油性目元用下地化粧料に関するものである。
アイシャドーに代表されるアイメイクアップにおいても、しばしば目元専用の下地化粧料が用いられるが、まぶたは皮膚が薄いため化粧料を伸ばしにくく、また瞬きによる運動も多いため、滑らかに伸び広がり、化粧持ちが良く、塗布時の乾燥感の少ない、油性化粧料が好まれてきた。下地として使用できる油性化粧料としては、デキストリン脂肪酸エステル、マルチデキストリン、および特定のエステル油を組み合わせて配合する技術(例えば、特許文献1)が知られている。また、まぶたのような狭い範囲に均一な厚みで化粧膜を付与するためには、塗布時に化粧料が伸び広がりすぎずにすばやく肌に定着すること、すなわち、とまりの早さも求められる。
一方、肌への伸展性や、使用感を向上させる目的で、金平糖のような特殊な形状の粒子が開発され(例えば、特許文献2)、種々の化粧料への応用がなされている(例えば、参考文献3、4)。
特開2005−162629号公報 特開2004−359592号公報 特開2008−094790号公報 特開2008−137953号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、まぶたの薄い皮膚上で使用すると、伸び広がりが重く塗布時の負担感が気になるものであった。また、特許文献2や3の技術では、毛穴やしわなどの肌上の凹凸を見えにくくする効果には優れるものの、とまりが遅いために、まぶたの狭い範囲に均一な厚みで化粧膜を付与することは困難であった。特許文献4の技術では、単独で使用する化粧料としては、使用感や化粧膜の付着性には優れるものの、目元用下地化粧料としてアイシャドーを重ねづけする際に付着性が十分とはいえず、まばたきによる運動が多く化粧膜がよれやすい目元に使用すると経時でよれてしまう等、化粧持ちの点で劣っていた。
このため、まぶたでの伸び広がりが良く、とまりが早く、重ねづけするアイシャドーの発色と膜の均一性に優れ、経時でのよれのなさに優れた油性固形目元用下地化粧料の開発が望まれていた。
かかる実情において、本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、粒子表面の全面に亘って微小突起を有する、いわゆる金平糖様の形状を有するシリコーン粒子を用いることにより、滑らかな使用感でありながら、肌への密着性が優れることに着目し、ペースト状のエステル油と、油増粘剤とを組み合わせることで、伸び広がりが良く、とまりが早く、重ねづけするアイシャドーの発色と膜の均一性に優れ、経時でのよれのない油性目元用下地化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)次の成分(a)〜(c):
(a)粒子表面の全面に亘って微小突起を有する金平糖形状のシリコーン粒子
(b)(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、及び/又は、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)
(c)ワックス類
を配合し
上記(a)成分の配合量が1〜20質量%、成分(b)の配合量が1〜10質量%、成分(c)の配合量が1〜7質量%であることを特徴とする油性目元用下地化粧料、
(2)さらに、成分(d)球状粒子を含むことを特徴とする上記(1)に記載の油性目元用下地化粧料、に関するものである。
本発明の油性目元用下地化粧料は、伸び広がりが良く、とまりが早く、重ねづけするアイシャドーの発色と膜の均一性に優れ、経時でのよれのなさに優れるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される成分(a)シリコーン粒子は、略球状粒子の表面全体に微小突起を有する、いわゆる金平糖のような形状をなすものであり、該微小突起は母体粒子と化学的に結合し、容易に欠落することがないものである。
該シリコーン粒子の平均粒子径(微小突起を含む)は、特に限定されるものではないが、1〜20μmが好ましく、さらに好ましくは3〜10μmである。この範囲であれば、まぶたでの伸び広がりの良さと、肌への密着性に優れることによる塗布時のとまりの早さを両立する化粧料とすることができる。
さらに、微小突起の直径の平均値/母体粒子の直径は、0.01〜0.3であり、かつ、突起物の高さの平均値/母体粒子の直径が、0.01〜0.3であることが好ましい。この範囲であれば、金平糖形状をいかして化粧料の付着を促し、とまりの早さを与えることができる。
このような金平糖形状のシリコーン粒子の市販品としては、TOSPEARL 150KA(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等が挙げられる。
本発明における成分(a)の配合量は、特に限定されないが、全化粧料中の1〜20質量%(以下、単に%とする)が好ましく、更に好ましくは5〜15%である。この範囲であれば、化粧料の伸び広がりが良いために、まぶたの薄い皮膚上でも塗布時の負担感がなく、さらにとまりが早いために、まぶたの狭い範囲にも均一な厚みで化粧膜を付与できる。
本発明に使用される成分(b)25℃でペースト状のエステル油は、その粘着質の性状ゆえに肌への付着性に優れるとともに、肌への親和性に優れることから、化粧料のとまりの早さを向上させるために使用される。本発明で言うペースト状とは、ガラス瓶(3号規格ビン)に充填したサンプルを、テクスチャーアナライザーTAXT Plus/1(英弘精機(株)製)を用いて測定した際に、球型ステンレスプローブ12mmΦ、1mm/secの条件下、20mm針入時の荷重値が、25℃において10g以上であるものをいう。この範囲であれば、粘着質の性状による肌への付着に優れ、重ねづけするアイシャドーの発色の良さや、経時でのよれのなさに優れる点で好ましい。
エステル油としては特に限定されないが、具体的には、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、シアバター)、モノステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、マカデマナッツ油脂肪酸フィトステリル、アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル等が挙げられる。中でも(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)が、アイカラーを重ねづけする際の発色に優れるとともに、付着性が高いことから、まばたきによる運動が多く化粧膜がよれやすい目元での使用においても、経時でよれることがなく、美しい化粧膜が持続する点で優れる。これらの成分(b)は1種又は2種以上を用いることができ、他の低粘度の油剤などに溶解して使用することもできる。
前記(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルは、主として12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、ロジン酸からなる混合酸とジペンタエリトリットのエステルであり、市販品としては、コスモール168ARNV(日清オイリオグループ社製:荷重値45.3)が挙げられる。また、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)は、主としてN−ラウロイル−L−グルタミン酸とフィトステロール、ベヘニルアルコールおよびオクチルドデカノールの混合物のエステルであり、市販品としては、エルデュウPS−306(味の素社製:荷重値432)等が挙げられる。
本発明における成分(b)の配合量は、全化粧料中の1〜10%が好ましく、更に好ましくは2〜6%である。この範囲であれば、付着性に優れながらも、他成分との組合せによりべたつきが抑えられることから、とまりが早く、重ねづけするアイシャドーの発色の良さや膜の均一性、経時でのよれのなさに優れた油性目元用下地化粧料を得ることができる。
本発明に使用される成分(c)油増粘剤は、油性成分を増粘するものであり、液だれやにじみを防ぎ、目元用化粧料として適切な使用性を確保するとともに、膜厚かつフィット感に優れた下地化粧料としての化粧膜を形成するためのものである。通常化粧料で使用されるものであれば、特に限定されないが、例えば、ワックス、金属石鹸、有機変性粘土鉱物、無水ケイ酸等が挙げられる。具体的には、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、水添マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ビーズワックス、モクロウ、ゲイロウ、ジロウ、モンタンワックス、ステアリル変性メチルポリシロキサン、ベヘニル変性メチルポリシロキサン等のワックス類、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸類、パルミチン酸デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、でんぷんパルミチン酸エステル、フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル等の多糖脂肪酸エステル類、ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト等の有機変性粘土鉱物類、多孔性や煙霧状の無水ケイ酸、ジメチルシリル化シリカ等の無水ケイ酸類、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。中でもワックス類を配合した油性目元用下地化粧料は、塗布する際の摩擦により構造が容易に崩れることから伸び広がりが良く、とまりが早いため重ねづけするアイシャドーの膜の均一性に優れる点で好ましい。
本発明における成分(c)の配合量は、増粘剤の種類、形状等により異なり、特に限定されないが、全化粧料中0.1〜20%が好ましい。この範囲であれば、伸び広がりが良く、とまりの早さにも優れる油性目元用下地化粧料が得られる。特に、成分(c)がワックス類の場合は、全化粧料中に1〜7%配合されることが好ましい。この範囲であれば、塗布する際の摩擦により構造が容易に崩れるため、伸び広がりが良く、重ねづけするアイシャドーの膜の均一性に優れる油性目元用下地化粧料が得られる。
本発明に使用される成分(d)球状粉体は、金平糖形状のシリコーン粒子と組み合わせることで、伸び広がりの良さを調整し、重ねづけするアイシャドーの膜の均一性を向上させるものである。通常化粧料で使用されるものであれば、特に限定されないが、具体的には、球状の、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。また、平均粒子径は1〜30μmのものが伸び広がりの良さに優れる点でより好ましい。
本発明の油性化粧料には、上記の構成成分に加え、目的に応じて本発明の効果を損なわない範囲において、成分(b)及び(c)以外の油性成分、成分(a)及び(d)以外の粉体、皮膜形成剤、界面活性剤、水性成分、紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤等、通常化粧品に配合される他の成分を配合することができる。
油性成分としては、成分(b)及び(c)以外に、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、炭化水素類、油脂類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等が挙げられる。具体的には、重質流動イソパラフィン、ポリブテン、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、スクワラン等の炭化水素類、オリーブ油、ホホバ油等の油脂類、リンゴ酸ジイソステアリル、デカイソステアリン酸ポリグリセリル−10、ミリスチン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、イソオクタン酸グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル等のエステル類、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、オレイルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、末端水酸基含有ジメチルポリシロキサン、末端水酸基含有フェニルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン等のラノリン誘導体等が挙げられ、これらより1種又は2種以上用いることができる。
本発明における全油性成分の配合量は、油性成分が化粧料の連続相をなすために充分な量であり、全化粧料中の50〜99%が好ましい。この範囲であれば、伸び広がりの良さに優れた油性目元用下地化粧料が得られる。
粉体としては、成分(a)及び(d)以外の、通常化粧料原料として使用されるものであれば、板状、紡錘状、針状等の形状、煙霧状、微粒子級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等、特に限定されず用いることができる。具体的には、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、窒化ホウ素等の無機粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N―アシルリジン、ナイロン、ポリメタクリル酸メチル等の有機粉体類、さらには、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青、ベンガラ等の有色無機顔料、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、有機顔料処理雲母チタン、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆合成金雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、魚鱗箔、二酸化チタン被覆ガラス末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の樹脂積層末等の光輝性顔料、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等の、ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ有機顔料粉体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。またこれらの粉体は、1種又は2種以上を複合化したものを用いてもよく、その表面を油剤、シリコーン化合物、フッ素化合物、水溶性高分子、樹脂等の通常公知の表面処理剤で被覆処理して用いることもできる。
本発明における全粉体の配合量は、特に限定されないが、全化粧料中の25〜50%が好ましく、さらに好ましくは30〜45%である。この範囲であれば、とまりの早さにも優れ、さらに化粧膜のべたつきがないことから、重ねづけするアイシャドーの膜の均一性にも優れた油性目元用下地化粧料が得られる。
皮膜形成剤としては特に限定されないが、具体的には、ロジン酸系樹脂、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル変性シリコーン、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリイソブチレン、アクリル酸アルキル共重合体などが挙げられ、これらより1種又は2種以上用いることができる。
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であれば特に制約はなく、非イオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が使用される。
水性成分としては、水の他に、例えば、エチルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられ、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系等の紫外線吸収剤や、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられ、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられ、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられ、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられ、防腐剤としてはパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2ペンタジオール等が挙げられる。
本発明の油性目元用下地化粧料は、油性成分が連続相をなすものであればよく、液状、ゲル状、クリーム状、固形状のいずれでも良いが、重ねづけするアイシャドーの膜の均一性と、経時でのよれのなさの点で優れるため、固形状であることも好ましい。また、水相を含有しない非水型であっても、水相を油相中に分散または乳化した油中水型であってもよい。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜8及び比較例1〜5:油性目元用下地化粧料(固形状)
下記表1に示す処方の油性目元用下地化粧料を調製し、伸び広がりの良さ、とまりの早さ、重ねづけするアイシャドーの発色の良さ、重ねづけするアイシャドーの膜の均一性、経時でのよれのなさ、について下記の方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。
※1:EP−700(ニューフェーズテクノロジー社製)
※2:高融点キャンデリラワックスFR100(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※3:パラフィンワックス(155F)(岩瀬コスファ社製)
※4:コスモール168ARNV(日清オイリオグループ社製):荷重値45.3
※5:エルデュウPS−306(味の素社製):荷重値432
※6:エルデュウPS−203(味の素社製):荷重値1.4
※7:AEROSIL R202(日本アエロジル社製)
※8:TOSPEARL 150KA(モメンティヴ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製):平均粒子径3.5〜6.5μm
※9:KSP−102(信越化学社製)
※10:シリカマイクロビードN-1505(日揮触媒化成社製)
(製法)
A.成分(1)〜(9)を均一に加熱溶解する。
B.成分(10)〜(18)をAに加え、均一に混合する。
C.Bを容器に充填し冷却固化して油性目元用下地化粧料を得た。
(評価項目)
イ.伸び広がりの良さ
ロ.とまりの早さ
ハ.重ねづけするアイシャドーの発色の良さ
ニ.重ねづけするアイシャドーの膜の均一性
ホ.経時でのよれのなさ
(評価方法)
上記イ〜ホの項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人が下記絶対評価基準にて7段階に評価し評点をつけ、各試料についてパネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。なお、ホの化粧効果の持続性については各試料を塗布し、パネルに通常の生活をしてもらった後、6時間後に化粧膜がまぶたのしわに落ち込んだり、目尻に固まったりすることなく、化粧膜の均一性が維持されているかを評価した。評価に用いたアイシャドーの処方も下記に示す。
絶対評価基準
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3.5点を超え5点以下 :良好
△ :1点を超え3.5点以下 :やや不良
× :1点以下 :不良
パウダーアイシャドー処方
(成分) (%)
1.合成金雲母 10
2.タルク 残量
3.窒化ホウ素 5
4.酸化チタン被覆雲母 5
5.ポリエチレンテレフタレート・エポキシ積層末 5
6.群青 2
7.赤202号 0.5
8.ポリスチレン末 1
9.防腐剤 適量
10.流動パラフィン 3
11.ジメチルポリシロキサン 5
12.2−エチルヘキサン酸グリセリル 3
13.香料 適量
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜8の油性固形目元用下地化粧料は、比較例1〜6の油性固形目元用下地化粧料に比べ、伸び広がりが良く、とまりが早く、重ねづけするアイシャドーの発色と膜の均一性に優れ、経時でもよれずに化粧持ちが良いものであった。
一方、成分(a)および(d)のかわりに、板状粒子を配合した比較例1では、全ての評価項目で満足のいくものが得られず、成分(a)を配合していない比較例2では、とまりの早さと経時のよれのなさの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(b)を配合していない比較例3〜5では、経時でのよれのなさ等の点で満足いくものが得られず、かわりに低粘性のエステル油や炭化水素系のペースト状油を配合しても、とまりの早さ、重ねづけするアイシャドーの発色の良さ及び膜の均一性等の点で満足いくものが得られなかった。成分(c)を配合していない比較例6では、とまりの早さ以外の評価項目で満足いくものが得られなかった。
参考例9:油性目元用下地化粧料(固形状)
(成分) (%)
1.フィッシャートロプシュワックス ※11 5
2.マイクロクリスタリンワックス ※12 3
3.ポリエチレンワックス ※13 0.5
4.トリイソステアリン酸ジグリセリル 10
5.リンゴ酸ジイソステアリル 残量
6.ジメチルポリシロキサン ※14 5
7.ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル) ※1
5 1
8.無水ケイ酸 ※6 0.1
9.微粒子酸化亜鉛 1
10.酸化チタン 2
11.硫酸バリウム 2
12.タルク 1
13.ベンガラ 1
14.黄酸化鉄 2
15.黒酸化鉄 0.5
16.微小突起を有するシリコーン粒子(金平糖状)※8 30
17.球状ナイロン粉末 0.5
18.コラーゲン水溶液 適量
※11:CIREBELLE303(CIREBELLE社製)
※12:LUBAX 2191(岩瀬コスファ社製)
※13:PERFORMALENE500(ニューフェーズテクノロジー社製)
※14:KF−96(20CS)(信越化学社製)
※15:エルデュウPS−304(味の素社製):荷重値1830
(製法)
A.成分(1)〜(7)を100℃まで加熱し、均一溶解する。
B.Aに成分(8)〜(18)を加え均一に分散する。
C.Bを金皿に流し込み、冷却固化して油性目元用下地化粧料を得た。
(評価)
本発明の参考例9の油性目元用下地化粧料は、伸び広がりが良く、とまりが早く、重ねづけするアイシャドーの発色と膜の均一性に優れ、経時でもよれず化粧持ちが良いものであった。
実施例10:油性目元用下地化粧料(固形状)
(成分) (%)
1.エチレン・プロピレンコポリマー ※1 1
2.ステアリルジメチコン ※16 3
3.カルナバワックス ※17 3
4.α−オレフィンオリゴマー 5
5.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
6.メチルフェニルポリシロキサン ※18 5
7.ビスジグリセリルポリアシルアジペート−2 5
8.ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル) ※5 10
9.セスキオレイン酸ソルビタン(20E.O.) 0.8
10.微小突起を有するシリコーン粒子(金平糖状)※8 5
11.シリコーン3%処理タルク 10
12.赤色226号 0.5
13.青色404号 1
14.シリコーン5%処理酸化チタン 2
15.無水ケイ酸 ※19 3
16.ポリメタクリル酸アルキル ※20 8
17.精製水 1
18.香料 適量
※16:シリコンDC2503(東レ・ダウコーニングシリコーン株製)
※17:精製カルナウバワックスNO.1(セラリカ野田社製)
※18:KF−56(信越化学工業社製)
※19:AEROSIL 50(日本アエロジル社製)
※20:ガンツパールGM−2800(ガンツ化成社製)
(製法)
A.成分(1)〜(9)を100℃まで加熱し、均一溶解する。
B.Aに成分(10)〜(18)を加え均一に分散する。
C.Bを100℃にて加熱溶解し、金皿に流し込み、冷却固化して油性目元用下地化粧料を得た。
(評価)
本発明の実施例10の油性目元用下地化粧料は、伸び広がりが良く、とまりが早く、重ねづけするアイシャドーの発色と膜の均一性に優れ、経時でもよれず化粧持ちが良いものであった。
参考例11:油性固形目元用下地化粧料(ペースト状)
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 5
2.(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル ※4
10
3.ロジン酸ペンタエリスリット 0.5
4.水添ホホバ油 4
5.流動パラフィン 残量
6.微小突起を有するシリコーン粒子(金平糖状)※8 4
7.球状シリコーン粒子(真球状) ※21 4
8.合成金雲母(平均粒子径30μm) 1
9.セリサイト 15
10.タルク 10
11.有機変性ベントナイト 5
12.赤色202号 1
13.黄色5号 2
14.黒色酸化鉄 0.2
15.ヒアルロン酸 0.1
16.香料 適量
※21:トスパール2000B*(モメンティヴ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
(製法)
A.成分(1)〜(5)を90℃まで加熱し、均一溶解する。
B.Aに成分(6)〜(16)を加え均一に分散する。
C.Bを90℃にて加熱溶解し、チューブ状容器に流し込んで油性目元用下地化粧料を得た。
(評価)
本発明の参考例11の油性目元用下地化粧料は、伸び広がりが良く、とまりが早く、重ねづけするアイシャドーの発色と膜の均一性に優れ、経時でもよれず化粧持ちが良いものであった。

Claims (2)

  1. 次の成分(a)〜(c):
    (a)粒子表面の全面に亘って微小突起を有する金平糖形状のシリコーン粒子
    (b)(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、及び/又は、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)
    (c)ワックス類
    を配合し
    上記(a)成分の配合量が1〜20質量%、成分(b)の配合量が1〜10質量%、成分(c)の配合量が1〜7質量%であることを特徴とする油性目元用下地化粧料
  2. さらに、成分(d)球状粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の油性目元用下地化粧料
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