JP5811453B2 - ロングアーク型放電ランプ - Google Patents
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Description
その構造として、特開2006−134710号公報(特許文献1)に示されるような、封止部内に金属箔を備えるとともに、電極を支持する保持用筒体を備えたものが知られている。
ロングアーク型放電ランプ1は、発光管2の両端部に封止部3が形成されており、発光管2内には一対の電極4、4が配置されている。
封止部3には、石英ガラス製の扁平状のスペーサガラス5が埋設され、該スペーサガラス5を挟むように、その上下面に一対の(2枚の)金属箔6が配置されている。
また、この封止部3には、ガラス製の保持用筒体7が配置されていて、該保持用筒体7に電極4が挿通されおり、これによって該電極4が支持されている。
なお、金属箔6の後端には外部リード8が接続されている。
そして、紫外線を良好に放射するために、発光管2内には、水銀、鉄、タリウム等の金属発光物質が封入されている。
つまり、定常点灯(以下、フル点灯ともいう)モードと待機点灯(以下、スタンバイ点灯ともいう)モードを切り替えて点灯する方式(所謂、フル・スタンバイ点灯方式)が多用されるようになってきている。
発光管内には金属発光物質が封入されており、この金属発光物質は温度が低い方に向かって集まるという性質があるので、スタンバイ点灯からフル点灯を繰り返し行なうと、温度の低い封止部に金属発光物質が集まってしまうという現象が生じる。
特に、金属発光物質にタリウムが含まれている場合、該タリウムは、低温側に引き寄せられ易いという性質があり、これが金属箔と反応してしまう可能性が高くなってしまい、より深刻な問題となり、現実に金属箔上に多量のタリウムが付着していることが確認されている。
発光長:1100mm
発光管内径:22mm
封入物質:水銀 70mg、ヨウ化水銀 20mg、鉄 5mg、
ヨウ化タリウム 1mg、ヨウ化マグネシウム 2mg
封入ガス:Ar 3kPa
点灯条件(1):スタンバイ点灯80W−フル点灯120W
点灯条件(2):スタンバイ点灯80W−フル点灯160W
その結果が、図2<表1>に示されている。
なお、上記点灯条件のうち、条件(2)は条件(1)より厳しい条件であって、条件(2)で反応溶断と酸化溶断をクリアしたランプは、当然に条件(1)の点灯条件ではクリアされる。即ち、より厳しい点灯条件(2)で数値範囲を特定することにより、それより緩い点灯条件範囲では問題がないことになる。
ランプ1〜5は、突出長Aが一定の15.5mmであり、保持用筒体の全長Bを6〜13mmの範囲で数値を変化させたものであって、従って、全長(A+B)はランプ1→ランプ5になるほど長くなる(21.5mm→28.5mm)。
これによれば、ランプ1では、全長が21.5mmと短くなるので、封止部(金属箔部)での温度が高くなり、金属発光物質の浸入は見られない。しかしながら、封止部の温度が高温になるので、点灯条件(1)、(2)とも金属箔の酸化による溶断が発生する。
一方、ランプ5では、全長が28.5mmと長くなるので、封止部の温度が低くなり、金属発光物質の若干の侵入が見られる。フル点灯時とスタンバイ点灯時での温度差がより小さくなる点灯条件(1)(80W−120W)では、微量の侵入が見られ、温度差のより大きくなる点灯条件(2)(80W−160W)では、それより少し多めの少量の侵入が見られた。しかしながら、このいずれにおいても、金属箔が腐食される程度ではなく、反応溶断を起こすには至っていないことが確認され、実用上問題はない。
このうち、保持用筒体全長Bを一定にして、電極突出長Aの数値を変化させたランプ5、6、9においては、ランプ5→ランプ9に向かって全長(A+B)が短くなる(28.5mm→22.5mm)。この全長(A+B)が短くなるにつれて封止部温度は高くなるので、金属発光物質の封止部への侵入はなくなる方向に向かうが、全長が22.5mmと短くなるランプ9では、封止部温度が高くなりすぎて、点灯条件(1)(2)とも金属箔の酸化溶断が発生している。
ここでは、電極突出長Aと保持用筒体全長Bの合計(全長)A+Bが一定のランプにおいてAとBの長さを変えて、即ち、B/Aを変えて実験した。
図3において、ランプ5、7ではA+B=28.5mmであり、
ランプ5:B/A=0.84
ランプ7:B/A=1.11
であって、そのいずれにも、封止部への金属発光物質の若干の侵入は見られるものの、金属箔が腐食されて反応溶断する程度ではなく、また高温による金属箔の酸化溶断も起きなかった。
ランプ4:B/A=0.71
ランプ6:B/A=0.96
ランプ8:B/A=1.30
であって、そのいずれにも封止部への金属発光物質の侵入は見られず、金属箔の反応溶断はなかった。
しかしながら、ランプ8においては、その全長A+B=26.5mmと、前記した許容範囲(23.5〜28.5mm)内にあるにも拘らず、高温による金属箔の酸化溶断が見られた。
これは、B/Aの値が1.30であり、電極突出長Aに対して保持用筒体全長Bが長くなったことに起因する。即ち、この保持用筒体は全体が封止部内に埋設される構造であるので、この長さBが長くなれば、結果的に電極の発光空間への突出長さAが短くなることを意味する。そのため、電極先端が発光管の封止部側に接近することになり、最も高温となる電極先端からの輻射熱の影響を受けて発光管の封止部近傍が高温となり、これに伴い封止部の温度も上昇し、点灯条件(2)では、金属箔が酸化溶断を起こしているものである。
ところで、このB/Aの値は、金属箔の酸化溶断が起こらないという意味においては、前記したように1.11以下とすればよく、その意味では下限値はない。しかしながら、一方で、この値B/Aがあまりに小さいというとは、発光管内への電極の突出長Aが大きくなりすぎ、発光管全長に対する有効発光長(電極間距離)の観点から好ましいとはいえず、また、保持用筒体の全長Bが短くなりすぎることも意味するので、電極の支持という本来の目的が達成できなくなってしまう恐れがある。
このように、電極突出長Aの最大値や保持用筒体全長Bの最小値は、発光管径、発光長、封入物、封入圧、電極支持など、それぞれのランプによって決定される要素でもあって、本発明の目的のひとつである金属箔の酸化溶断防止の観点から決定される条件B/A≦1.11の範囲を満たす領域で、前記種々の要件により決定すればよい。
こうすることにより、封止部内の金属箔は、金属発光物質の浸入による腐食で反応溶断することもなく、また、封止部温度の過熱による酸化溶断も起こることがない。
なお、点灯条件を、80−120Wと80−160Wの2条件で実験したが、上記AとBの条件は、これらのうちでより厳しい条件である点灯条件(2)の80−160Wで決定されたものであり、これより緩い点灯条件、即ち、80−160Wの間の任意の電力範囲での点灯条件、例えば、80−100Wのフル・スタンバイ点灯であるとか、100−160Wのフル・スタンバイ点灯であるとかでも所期の効果を達成することは明らかである。
2 発光管
3 封止部
4 電極
5 スペーサガラス
6 金属箔
7 保持用筒体
8 外部リード
A 電極の突出長
B 保持用筒体の全長
Claims (2)
- 内部に一対の電極を有する発光管と、内部に金属箔が埋設された封止部と、該封止部内に挿入されて当該封止部に溶着され、前記電極が挿通されて当該電極を支持する保持用筒体とからなり、前記発光管内に金属発光物質が封入され、80−160Wの間の任意の電力範囲で定常点灯モードと待機点灯モードを切り換えて点灯するロングアーク型放電ランプにおいて、
前記電極において、前記保持用筒体の先端から発光管内への突出長をA(mm)とし、
前記保持用筒体の全長をB(mm)としたとき、
23.5≦A+B≦28.5
0.52≦B/A≦1.11
の関係を満たすようにしたことを特徴とするロングアーク型放電ランプ。
- 前記金属発光物質にタリウム(Tl)が含まれることを特徴とする請求項1に記載のロングアーク型放電ランプ。
Priority Applications (1)
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JP2011249237A JP5811453B2 (ja) | 2011-11-15 | 2011-11-15 | ロングアーク型放電ランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011249237A JP5811453B2 (ja) | 2011-11-15 | 2011-11-15 | ロングアーク型放電ランプ |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013105640A JP2013105640A (ja) | 2013-05-30 |
JP5811453B2 true JP5811453B2 (ja) | 2015-11-11 |
Family
ID=48625038
Family Applications (1)
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JP2011249237A Active JP5811453B2 (ja) | 2011-11-15 | 2011-11-15 | ロングアーク型放電ランプ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP5811453B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2964434B2 (ja) * | 1993-07-01 | 1999-10-18 | 株式会社オーク製作所 | 冷却式水銀放電灯 |
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2011
- 2011-11-15 JP JP2011249237A patent/JP5811453B2/ja active Active
Also Published As
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JP2013105640A (ja) | 2013-05-30 |
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